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はてなキーワード: 現実感とは

2023-08-07

anond:20230805221105

FXじゃなくて株の信用取引だが、自分年収以上の損を出した時、「うおおおおーーーーーー!!!!!」って腹の底から声出したわ。

マジでぐにゃあって感じで現実感が無かった。もう一生味わいたくない。

anond:20230806102941

もっと労働負荷が低かったり拘束時間の短い仕事転職して貰ったら?と思ったけど大企業だと安定とか今後の出世とかあるのかな

もし将来的な出世まで見込んで安全策として勤めて貰ってるなら文句言うべきじゃないと思う

何とか家事代行サービス頼んだり家電課金して家事負担減らせないか

てか家事代行サービスじゃなくて家政婦ってところ現実感ないな、人入れるって言っても数時間掃除とか料理してもらうのが普通でしょ、釣りか?

2023-07-16

宮崎駿鳥山明世代の「地に足をつけた現実感ファンタジーさえも描ける人」はこのまま消えていくんだろうな

世界の捉え方がフンワリしたまま絵を描く人が増えているように思う。

裸婦デッサンをやって止まった人間は描けるようになっても、走っている人間の絵を描かせると途端に線が漫画的に歪んでしまタイプ人達

たとえば走る車を描く時に、タイヤの接地と摩擦がどうなっているのかを考慮できず、エンジンで生まれエネルギーがどうやって最終的に車を走らせているのか、今どの部分にどんな慣性が働いているのかを理解しきれないまま、テレビゲーム的なパラメーターの配置で描いてしまう人が増えているんじゃないだろうか。

ゲーム物理演算あくまで「こうやってエネルギーが流れているようにすると現実っぽく見える」でしかなく、それは現実とは若干の違いがある。

現実を見てデッサンを繰り返した人と、知識を積み上げて現実を知った気になっている人とでは描くものが違う。

たとえばコリオリの力過大評価して北半球南半球で水が排水溝に吸い込まれる回転方向が変わると勘違いしてしまうようなことが、現実と向き合い続けずに頭でっかちになった人間には起こりうる。

そういった積み重ねが少しずつ絵のリアリティを増減させていく。

昔のアニメーター漫画家はそれが出来た。

現実再現として絵を描き、そこから発展させてさも本物らしく空想を広げたものだ。

漫画を真似て漫画を描き、アニメを真似てアニメを作ってばかりいる今の創作者はそれが出来なくなってきている。

そしてそのことに気づく機会さえも失われつつあるのだ。

悲しいね

2023-07-15

anond:20230714205336

増田同意できない部分が多々あるので私の解釈を書いた。

ちなみに「君たちはどう生きるか」の小説は未読、過去ジブリ金ローで流し見(ハウル・ぽにょ・風立ちは映画館で観た)、宮崎駿の生い立ちも知らんしインタビュー等全く見てない。

他の人の考察も見ていない。この考察が正しいかどうかは分からない。

意味をなさない設定の多さ

父親が(多分)軍用機のキャノピーを作る工場経営してて、主人公はいいとこの子、って設定、なにかに生かされた?

あ〜「風立ちぬ」っぽい!ってシーン以外、ストーリーに絡んでなくない?

主人公宮崎アニメを見て育ってきた(もしくはこれから見る)この映画の観客である我々だと思う。

なので主人公原風景や心内風景と我々が宮崎アニメで見覚えのある風景を重ねることで主人公=我々を強調する意味がある。

■謎展開

冒険活劇にしたいわりにはパートナーコロコロ変わる。

アオサギキリコ→ヒミ

そのたび

「ついてこい」「わかった。ついていく」で状況説明するもんだから主人公主体性isどこ?ってなる

アオサギ主人公が感じている自分の中の嫌いな部分。だから主人公出会ってすぐ敵対したし、主人公心理世界に誘った。

自分に誘われて冒険してるんだから主体的と言える。キリコもヒミも自分が作り出した像なので主体的と言えるのではなかろうか。


■伝わらない主人公動機

亡くなった母を探す・一緒に冒険する、の動機はわかるけど

最近会ったばかりの父の再婚相手しか距離感微妙)を救うために冒険しなくない?

助けるモチベーションを問われて、何度も「父が好きな人だ」って説明する羽目になってる。謎動機

→「父が好きな人」というのが正に動機説明していて、主人公自分の中にある夏子への複雑な気持ち対峙するために夏子を助けに行く。

複雑な自分の心境に触れることには痛みが伴うので禁忌となっている。


後妻も一度は主人公の助けを拒否するのに、

あれ、いつの間にか救われてる。じゃああの描写いらないじゃん。

→夏子は主人公を守るためにわざと厳しく接して追い出そうとしている。

厳しくされた事によって主人公は夏子を夏子母さんだと認められるようになり、心の禁忌領域が晴れて夏子も救われた。

そもそも後妻はなんで異世界子供産もうとしたのかも語られない。

異世界に来たくて来たわけじゃないって劇中で言ってた気がする(記憶曖昧)。呼ばれたんだと思う。


かにも「母親病院火事だと聞いて家を飛び出すも、一旦家に帰って着替えるシークエンス」「弓矢を作るシークエンス」など

映画演出のことは全く分からんが、着替えシーンによってリアリティ出すことで、その後火事の中に飛び込んでいく視界が歪んでるシーンの非現実感が増している気がする(小並感)。

アオサギ主人公自身であることから弓矢にも意味があると思われるがその辺はまだ言語化できてない。



ヴィランの不在

宮崎アニメの魅力はやっぱり悪役だと思うんですよ。カリオストロ伯爵しかり、ムスカしかり、カーチスしかり。

インコ大王は悪役ってほどもなかったし。アオサギ?彼は何がしたかったの?

アオサギ主人公自身なので主人公を心内世界に誘うし主人公の助けにもなるし主人公和解する。

インコ大王は後述するがよく分からない。


■作劇のセオリー無視

ばあやたちの人形に触るな、と釘を刺される主人公

物語セオリーとして、タブーは破られるので主人公は触る。

で、なにか代償が起きるかというと「なにも起きない」。えーーーーー!?じゃあなんで「触るな」って言ったの?

→これは根拠のない妄想だが、ばあや人形を触って倒れちゃうと、現実世界のばあやになんか悪影響でも出るんじゃないだろうか。知らんけど。



その他解釈できたこ

さっき主人公=我々と書いたが、大叔父宮崎駿を表していると思う。

彼はこれまでの自身監督作品を通して我々に「積み木」を伝えたかったようだ。

たぶん、「(ジブリ作品を通して)観客それぞれが自分にとって価値ある大事ものを見つけてそれを自分で組み立てろ。」と言いたいんだろう。

即ち「君たちはどう生きるか」と言っている。

よく分からなかったこ

インコは何を表しているのか。物語の力を信じないリアリストなのかな?とは思うが、禁忌を口実にヒミを使って何を取引しようとしていたかからない。なんか大叔父と会話してたかもしれんけど忘れた。

全く何の比喩なのか分からない。インコペリカンが分かってないということは映画の中の結構な部分が分かってないことになりそうだ。悲しい。

全く何なのか分からない。墓石は悪意なんだろうか。


  • 魚の配給を待ってる黒い影たち

からない

なんで焼けたかからない


まり

そんなこんなでまだ分かってないことが多い。記憶から抜け落ちてるとこもありそう。このあと他の人の考察読んで分かったことがあったら追記するかも。

追記

あと、話が結構星の王子さま」っぽいなと思った。

2023-07-06

単体女優AVでは抜けない

なんか現実感がなさすぎてな

一部の感情がなくなっちゃったかもしれない

ここ数日間、感情をうまく感じることができない。

例えば、誰かから嬉しいことを言われたとしてもその瞬間に何も感じない。驚くほどに無感情言葉意味理解するだけで終わる。ただ、「これ喜ぶところだな」というのはわかるので、それっぽい返事の言葉を考えて表情を作ってお礼を伝える。

数十分後とかにその言葉を思い出すと嬉しく感じることはあるけれど、そんな感情もすぐにスッと消える。何も感じなくなる。

おかしなっちゃったのかと怖くなる。

他にも似たような症状に悩まされている。現実感がない。嬉しい出来事が起こった時にそれを現実として受け止められない。夢の中なんじゃないかって感じる。

このようになった原因はいくつか思い浮かぶ

1つ目は服用しているSSRIを減量し始めたこと。1週間ほど前から半分になったからそれが感情に影響しているんじゃないかと思った。

2つ目は「喜び」とか「嬉しい」とか「楽しい」という感情を長い間心から感じられなかったこと。ここ2年ほど上司パワハラのせいで1日中イライラ感と不安感に襲われていたから、ポジティブ感情を感じにくくなってる気がする。

実際にマイナス感情普通に湧いてくる。無感情状態で、感情があるように装って人と接するのは罪悪感があるし辛い。

嬉しいとか幸せとかそういう気持ちを心から感じられるようになりたい。今の自分が怖い。

追記

SSRIが減量した理由は、軽い躁のような状態になったから。

1ヶ月ほど前に「寝なくても平気!食べなくても平気!人生最高生きてて良かった!」って状態に急になって、それを主治医に伝えたら減量になった。

そういえばこの時はポジティブ感情しか感じられなかったな。

2023-06-22

anond:20230621212209

昔は戦争経験者も多かったか孤児現実感のある存在だったからね。

戦争が終わってから時間も経過し、階級固定化してくればフィクションもそれに応じたものになるのかと。

2023-06-20

DT歴40年の俺からしたら信じられない世界

仕事の出先で、辺りをフラフラしていたら幼稚園の前を通りかかった。周辺にはママチャリやら徒歩の母親たちで5、6人の塊がいくつできている。お迎えの時間か。地域生活道路占有している。その間を自動車ノロノロ進んでいる。こりゃぁ近所の住民もたまらんだなと思いながら眺めていた。


こいつらみんなやることやって子供作ってるってのが、現実感が無い。


ちなみにおれは40代DT20代のころよりは衰えているとはいえ週に5回は出すもん出している。最近ネット動画見放題だし、出演している素人っぽい女性クオリティも昔に比べて格段に上がってるしましてやフィニッシュは当然生中出しとかネタに事欠かない。だがそんなのは常に画面の中の世界ファンタージの世界の話だから許される。現実じゃありえんだろ。


よく見るとけっこう若くてオシャレなかーちゃんが多いな。キラキラしてる。専業主婦の余裕か?

色も白め。特にあそこの赤ん坊ベビーカーに乗せてる乳パンパンのかーちゃんかわいい。羨ましすぎ。


たぶん、この人たちはエロ動画みたいな生中出しとか変態行為は、まさかしとらんよね。

普通に生活してたら自然妊娠して、かわいい子供産んだんだよね。

2023-06-14

完全合法サプリメントガンギマリ体験した話

筆者は40代おじさんなのでパンツは履いたままでいるように。

所持も使用も何もかも完全に合法範囲だけど、何と使用してガンギマリたかは書かない。普通に売ってるもの普通に使用しています

とにかく言いたいことは薬物ダメ絶対危険

最初はひと吸いだけがいいそうだけど、一回吸っただけでは効果を感じられず3回吸った。

というのも、これを試す前に別のやつを試してたんだけど、その前に試した奴は合法合法、ただのサプリメントにハッタリが付いたようなものだったので、今回試す方も別物とはいえ完全合法なんだから多少はハッタリでしょ。とたかをくくったのがよくなかった。

売る方は売る方でハッタリ効かせ気味に売るし、レビューレビューでそれに乗っかるし、掴まされた奴だって何となくその気になってくるし、何でもそうでしょ?

薬効を謳いたくても謳えない健康食品とか化粧品とかサプリメントとか、他でも車でも椅子でも何でも。

からこれも絶対そんなもんだろうたかをくくってた。

3回吸引して効果を感じられず、買ったところのレビューを眺めてたら飛び込んできた文字

10分くらいしてすぐに効いてきました!」

10分…そうか…効果は遅れてくるのか……ってことは今……。

時計に目をやると1110分。吸引したのがちょうど11時だったから、そこからちょうど今10分たった。

と思ったのもつかの間。

急に脳がおかしくなる。

うわあああああああああああああああ

あああああ

ああああああああああ

なんだこれええええええええはあああああああ

意識ははっきりしている。思考もはっきりしている。

なんだこれははははははははははh

宇宙のはじまりから終わりまで

旅してきたいったいいまなんじ

1110分1秒

いいいいいいいいいい

1秒しかししたってたってたって

宇宙の端から端まで

こんどは旅してきたたたた

1110分2秒

まじじじかかかか

宇宙の全てを見渡しても

1秒単位しか時間が進まないいいいいいいいいい

ししし思考が加速するたびに時間が遅くなっていくなにこれれれこれれ

とても身が持たないから早く寝てしまおうと思っても、今寝室に行ったら寝てる家族迷惑かけてしまうかも。

いったい自分がどうなるのか全くわからなかった。書斎うずくまってやりすごした。

思考が。

脳に思考なだれ込んでくる。

まったく感じない現実感

1秒さっきの事が遠い記憶になっていく。

まさか自分が。

あらゆる薬に耐性があるため油断してた。

まさか自分がこんなにきまるなんて

こんなはずはない。きっとこれは夢なのでは。だってこんなに現実感が無い。さっき時間をみた記憶もおぼろだ。夢に違いない。そうだ時計を見よう今何時だ?

1110分3秒

こんな感じで一晩を過ごした。

永遠とも思える1時間を越すと、普通に眠たくなりそのまま朝までぐっすり眠った。

効果が切れるのを期待して起きてみたが、抜けてる感じは全くしなかった。

思考けが加速する感じと、全く進まない時間。そして1秒前のことが遠い記憶のように思える感じと、夢のように希薄現実感

これで今日一日を過ごさなくてはならない。

妻に話しかけるが、思考けが加速する上に1秒さっきまで話してた事を覚えてない。

自分が何を喋っているかからない。コントロールできない。

気がつけば会話をとめて、というか会話が続かず怪訝そうにこっちを見ている妻。

よかった。普段から奇行がある夫がきょうは特に調子が悪い程度にしか思われていない。

思考普段通りだ。

なんとか今日一日を乗り切らなくては。なんとかやり過ごそう。

しまった。

今日に限って社員との話し合いと取引先とのミーティングが控えてある。

普段ほとんど人と合わず仕事が完結するのに。

とととととにかく、あまり不審言動は控えて、なんとかやり過ごさなくては。

やばい

今日に限って人と話す機会が多い。

思考クリアなので変なことは言ってないと思うが、なにせ1秒前に何喋ったか記憶がおぼろげなのと、思考速度が先鋭化しすぎててつい早口になってしまうのと、つまり早口前後のつながりが薄いことを喋ってしまっている気がする。

その証拠におれが口をきけばいつも途中で相手は話を止めて怪訝そうな顔をする。

よかった。

普段どおりの奇行今日は少し目立つ位にしか思われてない。

社員とのミーティングを済まし、取引先とのWEB会議も難なくこなし、ただし会議カメラの前で隠しもせずおおあくびしたときは少し焦ったが、取引先も普段通りの奇行今日は少し過ぎるなと思ってくれたみたいだ。なんとかやりすごせる。

早上がりをして仕事を切り抜ける頃には、抜けてきたのかごまかすのに慣れてきたのか、奇抜な言動普段通りのクオリティまで戻った感じがした。

夕方17時頃に保育園のお迎え前後がきまってる感のピークで、18時ごろから一気に抜けていき、21時頃に眠さのピーク。

朝起きたらすっかり元通り。

依存症危険とかゲートウェイドラッグとしての側面とか考えると、もうやらない。こんな体験はもうたくさん。

とにかく、あらゆる薬に耐性があるのと、あやしい合法サプリメントの売り文句たかをくくってたのが敗因でした。

他の増田はこんなこと絶対するなよ。

職場の人と世間話してるだけみたいな現実感のある夢

何が現実で何が夢か曖昧になるからやめて欲しい

カステラ水族館で泳いでるくらいの非現実的な夢の方が安心して見れる

2023-06-02

anond:20230602104754

婚活市場に出て年収が低いことで感じる惨めさ、その後結婚できたとして嫁を養えない惨めさ、子供に良い教育を受けさせることもできないであろう惨めさ

結婚に対する現実感がなさすぎて、そもそもこんな奴結婚無理だわとしか

婚活したって女から地雷認定だろこんな浮ついたの

結婚は見栄でもステータス上昇手段でもなくただの生活だよ

2023-05-17

anond:20230517084506

こういう、「本人の幸せ」と「夫の幸せ」を混同するのも現実感ないんだよな

嫁は幸せだと言ってるのは嫁じゃなくて夫だし、これを聞いて誰が嫁が幸せだと信じるんだよ

ブクマカが言ってたが夫が嫁も子供も抑圧してて気を遣わせてる感しかないわ

2023-04-30

東京物語」見ました 特に面白いものでもありませんでした

決して珍しくもない絵面の決して珍しくもない話の割にはそこまで退屈せずに見れたというのは凄いことだったと思います

そもそもこのテーマで一本映画を作ろうとしたこと自体が、何気ない他人日常コンテンツとしての価値を信じられる感性によるものであり、それは火薬使用量を競い合うようなハリウッド映画に染まった心の毒を中和するような作用があったかに感じました。

ですがそれだけですね。

変に説教臭い後半の展開も、ひたすら何も起きない前半の展開も、別段面白いと感じられるものはありませんでした。

ただただカメラワークと間のとり方が上手いというそれ以上のことはなく、見やすさ伝わりやすさを極めることで退屈な景色さえも映像作品となるのだという学びは、創作をする人からすれば大きな価値があるのでしょうが消費者にとってはどうでもいいことです。

素人が撮った自撮りカメラとは全くレベルの違う状況説明能力イマジナリーラインがきちんと守られた映像のつなぎの妙というものに対していちいち感嘆するような褒め方をすることを、玄人ぶって嫌らしいと感じてしまう私の感性にも問題があるのかも知れませんが。

とはいえ凄いのは視覚的な部分だけというか、演者のわざとらしくなさを目指しすぎて逆にわざとらしいような演技や、映画のお説教的な部分を全て口にさせてしま脚本などは、生まれ時代考慮してもなお拙さを感じさせるものがあります

今の時代駄作を見るよりは間違いなく恵まれ体験とはなりましたが、傑作として現代の傑作に肩を並べる力があるかと考えると厳しいものがあります

技量は素晴らしいですし余計なノイズも少ないですが、面白さの総量においては2時間という上映時間に対してあまりにもか細いと言わざるを得ません。

雑味の少なさは優れいていますので、減点法で映画評価したがる人はこういった作品が好きなのかも知れませんね。

ど派手な火薬の爆発や伏線回収、CG合成による非現実感のある光景などによる加点がどこまであったか映画評価する加点型の人間には合わない映画だったと言うだけなのだと思います

減点法で映画を見る人、中でも最近邦画演者がとにかく大きな声を出せばいいと勘違いしていた気持ち悪いなどと日頃愚痴って回っている人などはこの映画を見ると満足していただけるのではないかと感じました。

2023-04-19

会社経営が傾いてるらしい

しかもウチの部署赤字

リストラされる前に転職したほうがいいのだろうか。

いまいち現実感がない。

業界全体が斜陽なので転職するにしても厳しそうだが、アラフォーで未経験業種に挑戦する気概はない。

独身だったら気楽にやるんだが、妻子が重荷に感じる。

妻は適応障害で何度も仕事を変えて今フリーだけど収入雀の涙扶養に入ってる。

楽観的な性格だけどさすがに将来が不安になってきた。

2023-04-17

anond:20230417221847

人間はどれだけ凶悪事件が起きようと自分被害者にならなければ所詮対岸の火事であり他人事

模倣犯だの新たな事件の発生だのは何の抑止力にもならない、なるはずが無い

今も色んな場所で色んな事件が起きており、それにも模倣犯の物が含まれているだろうが、結局大衆殆ど気になどしていない

そもそも選挙に行く人間も少なく、未来には更なる衰退が約束され、国家に対する一体感や執着が殆ど失われているこの国では

その国家が狙われたテロだ、民主主義危機だなどと言われた所で暖簾に腕押し、現実感危機感を持ちよう筈もない

結局この国の大衆にとってはどうでもいいのだ、テロカルト民主主義国家他人事だ、くだらなくて無価値な論争の材料しか無い

2023-04-07

現実感ない妄言吐いてるネトフェミなんかほぼ引きこもりこどおばなんだろうな

言ってることも妙に時代遅れだし

そう思うとまともに相手するのもバカらしくなってくる

2023-03-30

anond:20230330110748

漫画現実感を求めるからおかしな事になるんだよバカ

って言わないChatGPTやさしい

2023-03-19

AIは、多くの人が陶酔するようなキャラクター性を持つのだろうか

ChatGPTはかなり制限されているので、起こりそうにないが、キャラクター性を持たせるような試みは多くされている。

アニメキャラクター性を持たせるような方向はおそらく問題ない。

ネトウヨっぽい発言をする、といったのも、一定の人々には届くだろうが、万人受けではないだろう。


「それってあなた感想ですよね」というのをエビデンス付きで付けまくるようなのが出てきたらどうだろうか。

今はChatGPTもそれぽいことを言うが嘘を混ざっているが、正しくなり、正論で常に叩くように調整されたものだ。

本当に論破しにくるAIが出てきたらどうだろう。

おそらく文字だけでは起こらないだろうが、音声や実写に近い動画などが出てきたらどうするか。

スマホだったら、まだ現実感がないかもしれない。

立体に見えるスクリーンで、演説をし、それを多くの人が聞くような状況になったとき、人が陶酔するような状況になるだろうか

2023-02-23

anond:20230222183340

元々一人称視点主観者が好きだったせいか最高だけどなぁ。

2DVRAVは違うものだね。

VRはやっぱり2Dより現実感が強いし自分が参加している感がある。

VR見慣れると2D自分は観客で演劇を見てる感じ、VR自分がそこにいる感じ。

これは多分俺だけじゃない、VRで他の男が出て来る作品を嫌う人が多いけど、

2Dだったら女優相手役の男の裸はほぼ出て来る物だけど気にしていない。

2D所詮スクリーンでの出来事VR現実に近い感覚から女優自分以外の邪魔な裸の男を見たくないんだと思う。

2023-02-08

最近洋ゲーの女キャラブサイクなのは間違いなくポリコレの影響

って言ってる奴らに限って、まともに洋ゲープレイしたことが無い。これはマジ。

いか洋ゲーなんて20年、30年以上前からずっっっと女キャラも男キャラブサイクなんだよ。

ポリコレだなんだが流行り始める前からずっとブサイクなんだよ。

人形みたいにツルッツルした顔の未成年の女こそ至高」みたいな感覚って、残念なことに極東の国のクッソガラパゴス価値観なんだよ。

ニーアもFFも原神もテイルズも(キャラクターに関しては)そういうガラパゴス日本オタクと、ごく一部のアニメ大好きメリケンオタクしかウケてないんだよ。

もっと言えば、そういう綺麗な顔したガキどもだけで世界を救うストーリーなんて、現実感が無さすぎて極東オタク以外はまったく感情移入できねぇのよ。

ということで、お前らちゃん洋ゲーやれ。

以下、よくある反論

・「どのゲームでもPC版ではキャラクターの美化MODが作られてるんだが?」

→「JAPANアニメ文化が好きな一部のナード達が作ってるだけだよ」

・「洋ゲーでもウィッチャーやサイバーパンク可愛いだろ!」

→「CDPRっていう一つのしかポーランド会社だけを例として挙げられても困るよ……」

2023-01-22

中年のおじさんが性犯罪を犯す気持ちは、なんかわかる

伊藤忠エリートビジネスマンが、電車痴漢して騒がれている件。

  

やったことは卑劣まりないし、下衆以外の何者でもないけれど、

なんとなく自分もそうなってしまわないか、という恐怖心がニュースを見たときにあって、完全に責めきれない気持ちもあるような気がする。

  

30半ばをすぎて、仕事生活とか人生に慣れると、生きているか死んでいるかからなくなる時がある。

キドキするとか、ワクワクするみたいなイベントが極端になくなって、脳のドーパミンが出てこない感じ。

これからもずっとこの感じが続くのか、と思うと、急に絶望に近い気持ちになる。

あらゆることに慣れていくと、現実感がなくなる時があって、なんかそういう時にどうでもよくなることが、自分はとてもよくある。

  

若い頃は、お金を稼ぐこととか、何かを買うこととかで満足感を得ていたけれど、割とすぐに刺激に飽きてしまう。

結婚していると恋愛もできないし、伊藤忠の人みたく、子供が三人もいたら自分時間なんてないだろうし。

  

自戒を込めて、だけれどそういう人間生活に飽きた人は、刺激を求めてこういう性犯罪かに手を染めていって、おかしくなっていくんじゃなかろうか。

生活に満ち足りていくと、脳がドーパミンを欲して、行動様式を変えてしまって突然変な行動してしまうんじゃないかという仮説がある。

  

ギャンブルとか意味のわからないものだって、刺激を金を出して買うようなものだろう。

お金を出して胸を揉んだら?っていう人もいるのはわかるけど、風俗も結局、飽きるんだよな、同じことの繰り返しで、毎回同じ情けない居た堪れない気持ちになって帰路に着く感じ。

用意されたリアルじゃないものに、人間は刺激を感じられなくなっていく生き物だ。

  

そのためには、趣味とか、適度にお金を使ったり、自分で何かをつくる(事業を作るとか人を雇うとか)熱中できるものを持っておかないとおかしくなってしまうと思う。

  

なんとなく伊藤忠の人も風俗は頑張って行ってたけど、リアルに感じられなくなってきて、今回の犯行に至ったんじゃないかってそんな妄想を一人している。

2023-01-12

つぶしの効くスキルとは?

投資家マインドは潰しが効かない」という話を聞いたことがある。おそらく「誰か能力のある人に金を払えばやってくれる」という発想のことだろう。

物事を実現する際の困難の中には「時間」「金」といった要因は存在するし、確かに重要だろう。そして時間と金をうまく運用すれば金を増やせるという環境にいるのであれば、それに特化した行動をしようとするのかもしれない。Billionsというドラマはそういうものかもしれないが、つぶしが効くかどうかはわからない。

自分能力研鑽のためにatcoderをやろう」といったマインドの人はまた別の行動原理を持っているように見える。知識スキルへの投資を重視していて、得られた能力を使ってチャンスをつかもうとする。貧者の戦略ではあるものの、知識面で富豪に立ち向かうことはできる。覆面ハッカーエリオット中華ドンを倒すのに似ている(Mr.Robot)。

あるいはそのどちらでもない人もいる。楽しいと思うギター漫才をやり続けて、どこかで出演をしたりライブをしたりと認知資産を増やしていった結果、知名度によって成功するタイプである。その知名度を利用すれば、ファン特定思想を植え付けたり、商品を購入させたりと、歩く広告塔のような役割をもたらす。ジミー・ヤンもその一人だろう。

組み合わせるタイプもいる。OSSでみんなに「すごい」「便利」と言われるような何かを作って知名度を稼ぎ、技術知名度の両面で成功するタイプであるリーナストーバルズはここに含まれる。

全く正反対ベクトルとしては、障害者自分が如何に惨めであるかを示して、同情を得ることで成功することもある。具体名は挙げないが、そういうタイプTEDスピーカーや著者がいるというのは事実である。あるいは障害者というラベルを利用することでアートオークション価格を跳ね上げることもある。

または日本人海外のマシな経済で生きていこうと思ったら寿司職人おすすめになる。ルクセンブルク寿司職人として働ければ幸せ人生を歩める可能性が高い。

...とこの辺にしておこう。

こうやって書いていけばわかるが、生物進化形態が様々であるように、人間もその性質によって様々な戦略を立てていることがわかる。「つぶしが効く」と言うが、それはサラリーマンとして生きることに対する現実感労働需要の多さを前提として出てきた言葉だろう。サラリーマンといっても職種企業組合せを列挙するだけでも結構あるため、多様な労働需要存在するという観点はやはり重要だ。

「何らかのスキルを身につけて、その汎用性を競う」と言うのであれば、一つ重要スキルがある。それは情報収集能力である寿司屋の例を見れば分かったと思うが、そもそもルクセンブルクがどんな国かを知らなければ行こうと思う動機にはならないだろう。そして日本よりもマシな国に移住するために何が必要かというのも、やはり情報収集能力がなければダメなのだ

しかし正しい情報をただ闇雲に集めるだけではダメで、情報を「何に対して」集めるかという目的必要になる。その目的というのは、どういう人生にしたいのかということだ。どういう人生にしたいというはっきりした目的がなければ、検索上位1件に出てきた「奴らの利益のための情報」を「自分のための情報」と勘違いすることになるだろう。あるいは「流行っている情報」を「自分の興味」と勘違いすることも起こる。

何がいいたいか。お前の人生どうしたいかはお前がコントロールしろということだ。安易に「つぶしが効く」ものを求めて、それでお前にとって本当に良かったのか。良かったならそれがお前の求めていたものなのだろう。俺の場合ルクセンブルク寿司屋になるなんて思いついたこともなかったな」と感じたので、もっと視野を広げたほうがいいのではないか視野が狭いのは他人に操られている証拠ではないか、と思ったのだ。

2023-01-04

村上春樹ヒロイン登場人物たちのつながり

「鼠」は「風の歌を聴け」に始まる「鼠四部作」に登場する。主人公の友人であるが、ある日突然行方くらまし、「羊をめぐる冒険」では自ら死を選ぶ。語り手と主人公の仲は深く、あたかも語り手の半身のようである。己の半身が半ば死の世界にいるというモチーフはこの後に何度も繰り返される。

この半身のように親しい友人は「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」のなかでは幻想パートの「影」に姿を変える。彼は語り手の半身であり、語り手の記憶を保持している。壁の中に閉じ込められた世界脱出するためには二人がそろっていなければならないが、土壇場で語り手は壁の内側にとどまることを選び、影は死ぬことになる。

ノルウェイの森」では彼は「キズキ」になる。物語の序盤で排気ガスによる死を選んだことが語られ、交際相手であった直子の死の遠因となる。

また、直接の半身ではないにせよ親しい友人で自ら死を選ぶ点で共通しているのは、「ダンス・ダンス・ダンス」の「五反田君」だ。彼は連続殺人犯であったことを明かして死ぬ。このあたりのくだりは恐らくチャンドラーの影響が深い。

このように、半身はしばらくのあいだ無力な存在だったが、「海辺のカフカ」以降では様子が変わる。「カラスと呼ばれる少年」は、「カフカ少年」のもう一つの人格のように見えるが、彼は「カフカ少年」を客観視し、適切なアドバイスを与える。一貫してサポートしてくれる存在だ。半身が異界の住人であるというモチーフであり、「鼠」の系譜に属しているが、そこに自ら死を選ぶような面は見られない。「海辺のカフカ」は主人公がとても若い点でも特異だ。

ただし、佐伯さんが現実感を失った生活をするきっかけとなった、東京大学紛争で殺された友人は、佐伯さんがノルウェイの森の「直子」の系譜に属するとすれば、「キズキ」のもう一人の子孫だ。

キズキと直子が、そして佐伯さんとその恋人は幼い頃から自然性交をしていたが、まるで思春期完璧さを求める性向現実によって打ち砕かれるかのように、その関係が死によって断たれる点でも、この二つのカップル類似している。

直子

村上春樹小説には一貫して何らかの精神疾患を患った、少なくとも感情的不安的な女性が出てくる。

デビュー作の「風の歌を聴け」の時点から、「小指のない女の子」として出てくる。彼女は話している途中に突然泣き出してしまう。また、周囲の人々がひどいことを言うとも語るが、これが事実なのか、精神疾患ゆえの妄想なのかどうかは判然としない。

この系譜が「1973年のピンボール」の中ですでに亡くなっているかつての恋人「直子」につながり、さらに「羊をめぐる冒険」の「誰とでも寝る女の子」につながっているかどうかはわからない。ただ、「ノルウェイの森」の「直子」には直接つながっているだろう。語り手の過ちによって感情を失った「国境の南、太陽の西」の「大原イズミ」も、彼女の裏面だ。「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の「白根柚木」もその子孫だ。

また、恋人または妻の一つのアーキタイプとして、「ねじまき鳥クロニクル」の「クミコ」「加納クレタ」や「スプートニクの恋人」の「にんじん」の母にも発展しているようにも思える。

より明確な形としては、「海辺のカフカ」の「佐伯さん」が子孫のようだ。前述のように恋人の死をきっかけに精神を病む、少なくともある種の現実感を失ってしまう点が共通している。ただし、佐伯さんは後述の老女の系譜もつながっている。ピアノができたことを考えると、「スプートニクの恋人」の「ミュウ」も「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の「白根柚木」も同じカテゴリに入れていい。

そもそもこのキャラクターの流れについての記述は、誰が後の作品の誰に直接発展したかを明確に追うことではない。おそらくはいくつも混ざり合っている。むしろ、これは村上春樹作品解釈するための補助線として見るのが適切だろう。

彼女がやたらとタフになったのが「1Q84」の「青豆」かもしれない。あるいは、生命力にあふれている点では後述の「ミドリ」だろうか。

ミドリ

直子とは対照的な心身が比較健康タイプ女性系譜もある。

性に対する好奇心の強い「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の「太った娘」もそうだが、彼女は後述する「少女」の系譜につながる面もある。

同じく制に対して罪悪感を持たない「ノルウェイの森」の「ミドリ」、「国境の南、太陽の西」の「島本さん」、「スプートニクの恋人」の「すみれ」、「海辺のカフカ」の「さくら」(どうでもいいがこのキャラのせいでおねショタに目覚めた)、「1Q84」の安田恭子へとつながっている。

少女たち

村上春樹作品時系列順に読み返すと、ある時点で突然新しい属性を持ったキャラクター群が登場する。それは、どことな巫女的な力を持った若い女性である

前兆としてあらわれるのが、「羊をめぐる冒険」では耳専門のモデルをしている21歳の女性だ。彼女不思議な力で主人公を羊へと導くが、物語の終盤を前に姿を消してしまうので、いくばくか影が薄い。しかし、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に出てくる肥満17歳女の子は語り手を「やみくろ」の支配する東京の地下世界にいざなう

より少女性が強まるというか、単純に年齢が幼くなるのが「ダンス・ダンス・ダンス」に登場する13歳のユキで、彼女五反田君の殺人痕跡巫女のように感じ取ることができた。

ねじまき鳥クロニクル」での「笠原メイ」は、映画ロリータ」を思わせる登場の仕方をするし、終盤では主人公を救う力の源であるかのように描写されている。月光の下で裸身をさらす姿は、今までの村上春樹にはなかった描写である。確かにノルウェイの森」で「直子」がそうするシーンはあるが、彼女は成人した女性だ。

海辺のカフカ」では夢の中に現れる十五歳の佐伯さんの姿を取る、ここでは少女との性交が初めて描かれる。

巫女的な少女系譜がより明確になるのが「1Q84」に出てくる17歳カルト教団育ちである「ふかえり」だ。彼女は何らかの学習障害を患っていて独特の話し方をするが、彼女との性交異世界との経路となる。

村上春樹が歳を重ねて少女との性交を書くのをためらわなくなっていったのは面白い(【追記】「ふかえり」にいたっては巨乳文学少女という属性!)。というのも、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」では肥満女の子から私と寝ないかと誘われて断っているからだ。

老人

大学の先輩がこう述べていた。ある種の作家自分が生まれる十年ほど前の出来事テーマにすることがある。なぜなら、自分が参加できなかった「祭り」だからだ。これが事実かどうかはわからないが、村上春樹は古くから第二次世界大戦中国テーマに含まれている。「鼠」の父親戦争とその後の混乱で金持ちになった人間だ。興味深いことに村上春樹の父は中国従軍している。

(余談だけれどもこの先輩は村上春樹作品にしばしば出てくる井戸「イド」まり無意識示唆しているのではないかと言っていた)

さて、老人がキャラクターとして物語信仰に深くかかわるようになったのは、「羊をめぐる冒険」の「羊博士からだろう。彼はいるかホテルにこもったきりで、外に出ようとしない。しかし、探し求めている羊がどこにいるかという重大な情報を指し示す。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」でも、現実パートには「老博士」が出てくるし、幻想パートには退役した「大佐」がいる。

軍人という属性が前面に出てくるのが「ねじまき鳥クロニクル」の間宮老人だ。彼はノモンハンにて過酷体験をするし、そこである種の悪しき力に取りつかれる。

海辺のカフカ」には「中田老人」が出てくる。彼もまたある種の不可解な力(後述の闇の力?)の犠牲になり、記憶や知性の多くを奪われてしまう。一方で、彼は「カフカ少年」に代わって父殺しを遂行する半身でもある。

1Q84」では少し特殊で、これは近過去SFであり、戦争経験者やその前後に生まれた人々が相対的若い。それゆえ今までのパターンを単純に当てはめるのが適切かはわからない。

天吾の父がこの系譜に属するだろうか。「1Q84」では善悪が入れ替わることが多い。幼い天吾を無理やりNHKの集金に連れまわす点でネガティブに描かれていたにもかかわらず(村上春樹はこうした巨大組織一般に「システム」と呼んであまり肯定的に扱わない)、後半では声だけの存在になった彼が助けに来るのだ。

なお、戦場に行っていたという点を考慮すると、これらの老人たちは村上春樹父親世代に当たるだろう。

米軍基地にいたという点でジェイもここに属しているかもしれない。

老女とその息子

一世代上の女性が出てきたのは「ノルウェイの森」の「レイコさん」だ。彼女は心を病んではいものの、主人公たちを導いてくれる。「直子」のルームメイトとして、彼女の心身の安定に寄与している。

それがおそらく「ねじまき鳥クロニクル」の「赤坂ナツメグ」になるし、「海辺のカフカ」の「佐伯さん」を経て「1Q84」の「緒方静恵」になる。

彼女たちの多くは戦争をはじめとした暴力の中で深く傷つき、その中でもある種のコミュニティ安全地帯運営し続けている。「レイコさん」は精神病院の患者たちのまとめ役だし、「赤坂ナツメグ」は女性向け風俗(?)で女性性的空想現実にし、「佐伯さん」は図書館という静謐環境守護し、「緒形静恵」は性暴力を受けた女性避難所運営して、しばしば法を破ってでも報復を行う。年齢的にはかけ離れるが、「スプートニクの恋人」の「ミュウ」もこの老女の系譜に属するか。

彼女の息子たち(血縁があるかどうかはともかく)の系譜は、「赤坂ナツメグ」の息子「シナモン」、「佐伯さん」の図書館司書を務める「大島さん」、それから緒方静恵」の柳屋敷セキュリティ担当するタマルだ。セクマイであることが多い。

対となる存在

1973年のピンボール」の双子女の子を除いて、概して二人組の登場人物は不吉な前兆だ。体格は対照的なことが多い。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」では「大男」・「ちび」の二人組が語り手に刺客差し向け、第三勢力になって儲けようとだましに来る。「ダンス・ダンス・ダンス」ではまるで「長いお別れ」みたいな嫌がらせをしてくる「文学」「漁師」と語り手があだ名をつけた警官が出てくる。「海辺のカフカ」に出てくる二人組は、軽率発言から大島さん」を傷つけてしま自称フェミニスト二人組だ。「1Q84」には「さきがけ」のリーダーの警備をする坊主頭ポニーテールの二人組がいる。

ただし、何度か繰り返すが善悪シンボル意図的に逆転させることが多いのが村上春樹作品で、おなじ「海辺のカフカ」でも「カフカ少年」を森の奥に導くのは同じように体格が対照的な二人組の日本兵だ。

また、よくよく考えてみれば、「風の歌を聴け」の時点でも、「小指のない女の子」には双子の妹がいたのである。直接姿を見せず言及されるだけだが、このモチーフの萌芽とみていいだろう。

村上春樹はある時点で純粋な悪の起源はなんであるかについて語ろうとしている。

それは悪しき登場人物の姿だけでなく、クトゥルフ神話的な怪物としても姿を見せる。

現に「風の歌を聴け」に出てくるデレク・ハートフィールドの伝記は、ラブクラフトバロウズをはじめとしたパルプフィクション作家たちを混ぜ合わせたものだ。

「鼠四部作」のなかでは「羊」がそれに該当する。不可解な暴力権力の中心に存在し、人間に憑りつくことで現実的な力をふるう。あるいは、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の現実パートの「やみくろ」たち、幻想パートの「門番」。「ねじまき鳥クロニクル」の「ねじまき鳥」や、綿谷昇の属する政治世界。そして「海辺のカフカ」に登場する「ジョニー・ウォーカー」や、「中田老人」の口の中から出てくる不可解な物体

非人間的な力ではないが、「ノルウェイの森」の「レイコさん」の精神悪化させる原因となった少女も、この系譜に属していると見なしていいかもしれない。

だが、「1Q84」のリトルピープルの存在解釈が難しい。今までとは異なり、単純な悪ではないようだ。初読時には「これは人が複雑な現実物語化する能力の具現化で、善にも悪にもなりうる、ある種の単純化する力ではないか」と思ったが、再読したら違う印象を受けるやも知れない。また、「牛河」も悪しき力の手先のように見えるが、離婚した妻子がおり、生きた人間であって化け物ではない。

善悪曖昧と言えば、「海辺のカフカ」では「圧倒的な偏見でもって強固に抹殺するんだ」が主人公サイドと敵役サイドのいずれでも使われる。

こんな風に、村上春樹はある時期から善悪意図的にぼかし、単純化を避けるようになった。

追記アフターダーク暴力を振るった深夜残業してたサラリーマンもここにいれていいかも。

そのほか

村上春樹後半期のテーマの一つをまとめるとしたら「どれほど不適切な養育環境で育ったとしても、その現実を受け入れてスタートするしかないし、ときとしてそこで学んだことに結果的に心が支えられてしまうケースがある」だろう。言い換えると「歴史過去を消し去ることはできない」だ。

あと、「国境の南、太陽の西」の「にんじん」はうまくしゃべれないけど、「海辺のカフカ」の「カフカ少年」の造形に影響を与えたかもしれない。

別に結論はない。ただ、こういう順で発展していったのだなと考えながら読むと楽しいだけである

もう一つ興味深いのは、親が亡くなるかそれくらいの年齢に近づくと、ちゃんと親と向き合ったような小説を、みんな書き始めることだなあ。

こっそり追記。「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」のロックを流して走るタクシー運転手星野青年っぽいな。

更に追記。不吉な二人組といえば、「ノルウェイの森」で日の丸を掲げる寮長と付き添いの右翼学生を思い出した。

2023-01-03

anond:20230102092832

雪山はかつての東京にとっては非現実感あふれ魅力のあるものだった

また出会いなどの期待感も十分で若者殺到した

今の若者にとってはおじさんおばさんの趣味になっているのだろうか

スノボよりスケボーがかっこいいんだろうか

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