「事故物件」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 事故物件とは

2021-02-26

「あたたかくなってきたので人が死ぬ話をしよう」

記憶が完全に薄れてしまう前に、弟の誕生日なので、時効と嘯いて、書き留めます

その日は、自動車教習の実技最終試験の日でした。

から教習所に向かい、どうにか車を運転し終え、「まあ多分受かっただろ」と思いながら確認したスマホには、親からの「家の鍵持ってる?」「なかったら裏の鍵開いてるから」「昼適当に食べて」といったようなLINEが届いていた記憶があります

「何かあったのかな」と思いつつも、家の鍵は持っていたのでそう返しておきました。

ちなみに実技試験ちゃん合格していました。

合格をその日のうちに伝えられたかはよく覚えていませんが、とにかく昼頃には終わっていたため、家に帰りました。家には誰もおらず、親に電話をすることにしました。

「■■(弟)、死んじゃった」

涙声で伝えられたその情報に、まず出たのは驚きでした。現実において

「え??????????本当????????マジで????????????????????」

ぐらいの勢いで叫んだのは、後にも先にもここぐらいでしょう、というような混乱でした。

弟は、私が寮にいる間に、突然家出をし、自殺未遂をし、保護されたあと病院施設に入り、メンタルケアを受け、進学も家から遠く離れた施設から通える高校に行って、また自殺未遂をしたりしていました。その間弟は、家族を完全にシャットアウトしており、1年半の間誰も会えていませんでした。

自殺未遂をしていたこから、それが成功したんだな、ということは簡単に察することができるはずなのですが、私は「次会ったとき『よう……5年ぶりだな……』って一言目に言お」などと考えていたぐらいには弟の死への願望を非現実的に捉えており、まさか本当に成功させるとは思ってもいませんでした。

なので、正直なところ「マジかよあの野郎ッ やりやがった」ぐらいの気持ちで報告を聞いていました。

親は「帰りはいつになるかわからない」というので、まあそれはそうと思いつつ、電話を切り、家に常備してあるパスタを食べました。パスタはいつも通り美味しかったので、美味しいなぁ、と思いました。

薄情な兄だと思われるでしょうが、1年半前以前から私はほとんど寮におり、弟と会うのは帰省した時の食卓ぐらいでした。弟は部活をしており、土日も練習するため学校に出ていたからです。そのため、「昔よく遊んだが、最近会っていなかった遠い親戚が死んだらしい」程度の質感でした。薄情ですね。

お昼を食べたあとは、前からたかった時をかける少女アニメを見ました。正直なところ特に面白くもなく、内容が記憶にありません。ただし、流石に内心ではそれなりにショックを受けておりまともに見られていなかった可能性もあるかと、内容を調べてみました。しかし、やはりつまらなそうでした。

(今回はつまらなかったわけですが)、美味しいご飯を食べることも、面白作品を摂ることも、生きている人間特権です。

実は死んでもそれらはできるのかもしれませんが、本筋から逸れてしまうのでやめます。ただし、死ぬことで人間活動に付随する空間の縛りがなくなるなら、死んだ方が楽しそうですね。

ともかく、それができなくなるのはもったいない選択だなぁ、と思いながら親の帰りを待っていました。

ゆっくり人生をしていけば違った世界を見られたかもしれないのに、その可能性を排除して不可逆の選択を選んだのは、私には理解できないことでした。得られたかもしれない幸せ放棄しているから。

ただまぁ、私はまだ人生幸せを感じる余地はあると思っているから、なんとなく幸せになれそうな方向を探して生きています。全力で死ぬよりなんとなく生きる方が簡単なので。

から、全力で死ぬ決断を下せた弟は、ある意味ですごいなぁとも思っています

から知ったことですが、弟の財布に入っていたレシートには死ぬ前日のものがあり、そこではたくさんのお菓子が買われていました。弟にとっては、それが世界で一番幸せな時に近づくための手段だったのかもしれません。最期の晩餐がそれであることを私は可哀想とは思いません。もったいないと思います

親が帰って来たのは17時半とかで、まあまあ早かったなと思いました。記憶は朧げですが、遺体は布団に包まれていた気がします。それを車から下ろすときに足を持ったのですが、まだ温かく、しか感触は確かに〝終わっていた〟ので「肉の塊だな」と思いました。死体に触るのはもちろん初めてでした。

仏壇のある部屋に遺体を置き、改めてそれを見ると、首には縄か何かで頸った跡がくっきりと残っており、顎の辺りまでが紫色に染まっていました。服装私服だったか既に死装束だったかいまいち覚えていません。私がファッションに興味がないからでしょう。ましてや死んでから洒落しても何もないです。

親は泣いてるし、同居している祖母ももちろん泣いていました。私は涙も出てこないし、なんなら別に悲しくもなく、「へー死んだんだ」ぐらいの兄としては最悪な所感を以てその場にいました。流石に酷すぎるだろ、とも思いますが、勝手に死んだ弟如きのために感情を曲げて自分に嘘をつくのは嫌でした。

整理してて思ったんですが、マジで弟のことほんとになんとも思ってないですね。ぶっちゃけ弟のことはあんまりきじゃなかったです。ポケモンカードの強カード全部捨てられたり、買った本勝手に読まれしかも折り目つけて返されたり、DSソフト勝手にやられたり、いろいろありました。悪い思い出が。

ただ、一度距離感をとって、年をとって、互いに価値観確立して、その上でゆっくり話せば、あのときの最悪な話も思い出話になると漠然と思っていました。私は、自殺未遂も含めた弟の哲学について知りたかったし、弟が何を考えていたのか知りたかった。

それももったいないな、と思います

遺書はなく、スマホデータは消されており、わずかにカウンセラーさんと弟の友達から漏れでる情報によると、「自分に生きている価値はない」「消えるしかない」などと考えていたらしいです。

それはつまらない考え方だ、と私は思うのですが、それに至るまでの積もる話も、私は何も知りません。

独りで考えて、独りで完結して、そんな生き方自分もするのでしょうがさらに独りで死を実行して独りで死ぬのは、流石にどこかネジが外れていたような感じはしています。私が寮にいる間に、いろいろとあったようです。実は私のことも恨んでいるのかもしれません。私には私のことしかわかりません。

弟は朝を食べたあと、9時ぐらいに首を吊り、そのまま1時間ぐらい発見されなかったようです。春休みだったので無理もないですね、見つけた施設の人はさぞ驚いたと思います事故物件作りやがって……と私は思いました。

しかもどうやら発見時は舌が口から出ていたらしく、なかなかグロみがあったそう。

私が教官監視されながら車を走らせているときに、弟の生命活動が終わっていたのは、後から知るとちょっと面白いなと思いました。何が面白いのかは自分にも説明できませんが、「世界のどこかで人が死んでいる」という実感なのかもしれません。解像度が高くなって、知らない感覚を知れたという。

もう記憶があまりないです。呆然としすぎての方ではなく、興味がない方の記憶の無さだと思います。親の親戚も来て、もう片方の祖父祖母も来て、皆泣いていて、自分は二階でいつも通りインターネットをしていました。それこそが私の正しさでした。

葬儀家族葬で、これは本当に何も覚えていません。

あっという間に出棺の日が来たらしいです。棺には、一つの他愛もないメッセージを書いた紙を入れました。「また会おうぜ」、みたいなやつです。

火葬場に向かう川沿いの道に、満開の桜が並木となって咲き誇っていました。親がずっと覚えておこうと言いました。私もあれは確かに綺麗だと思いました。

いよいよ焼くときになって、最後に何か、というタイミングで、親が膝から崩れ落ちすがり付いて哭いているのを見て、弟に「何やってんだよ」という気持ちが沸きました。

結局私は今まで泣けていません。これからもないかもしれません。

ともかく、人が一人死んだ、そういうお話でした。

2021-02-25

石原チン太郎東日本大震災天罰と言っていたが、それなら今回のオリンピック天罰なのではないだろうか

「穢れ」という考え方がある

この「穢れ」とはコロナではないが感染するのである

それは事故物件であったり、自殺した家系だったり、水子供養を怠ったり、時効になった殺人犯であったり、

そういった前科があるものと関わると穢れるのである

まり、今回のオリンピックの発端は石原チン太郎であるわけだが、そこから穢れていたのではないだろうか

その穢れが脈々と受け継がれ、コロナという悪運を引き寄せ、今の混乱にまで続いているのである

夜になると隣の部屋からウキで掃くような音がする

しかし、よくよく調べてみると、それは首を吊った死体着物の帯が畳を擦る音であり、その穢れが脈々と受け継がれてきた、

というような話は小説だけではなく現実にもあるのである

アホーが今回のオリンピックは呪われていると語っていたが事実なのではないだろうか

今すぐ、私のような優れた霊能力者に相談することをオススメしたい

誰かがこのオリンピックの穢れを断ち切らなければ、今度は関係している日本全体が穢れ、日本全体が呪われてしまうのである

そして、これは帝都が霊的に護られていないということも関係しているのではないだろうか

誰かが将門の首塚荒らしたとか、そういう覚えはないだろうか

東に青龍、北に玄武、西に白虎、南に朱雀の🐘を建造する必要があるのではないだろうか

帝都に巣食う鬼神を祓うために陰陽師の助けが必要事態にすでになっているのではないだろうか

そんなことをトイレで考えながら踏ん張ってみたが、期待した💩は出なかった

不要不急の外出を控えてるため運動不足からであろう

便秘がつらい

2021-02-23

anond:20210223125217

新築物件と築40年のボロ家の違いやぞ。

金のないおっさんなんかもはや事故物件や。

2021-01-29

派遣ITエンジニアは歳を取るほど図々しくなるが、これには合理的理由がある

IT派遣エンジニアを客先に放り込んでおけば自動的お金が入ってくるため、

技術力や競争力がない会社でも非常に簡単会社経営ができる

そのためエンジニア基本的に金蔓、金の卵である

行く先々でトラブルを起こすようなどうしようもない事故物件でなければ、

基本的には誰でもウェルカムという姿勢会社が大半である

エンジニアだんだん自分金の卵であることを理解してくるので、

同じIT派遣業界であれば転職は非常に容易であることを知る

更に派遣会社は往々にして社内間での繋がりが薄く、

福利厚生もしょぼく、給料も少ないので会社に対する忠誠心は生まれない

これを理解すると派遣ITエンジニアは気に食わない会社なら辞めれば良いという考えを持ちがちであることが理解できる

そして、いつでも辞めてやるという開き直った態度から傍若無人の図々しさが年々強化されていくのである

2021-01-25

努力するほど幸せから遠ざかる

昔、中学受験をやった

文字通り、起きている時間ほとんど勉強していた

別に私立中学に行きたいわけじゃなかった

ただ、親の暴力から逃れたい一心だった


勉強していないと見なされると暴力を受けた

から必死勉強していた

当然頭は良くて、小学校では授業が退屈、生活態度は最悪だった

当時の担任に「勉強だけできてもろくな人間にならない」と怒られたのを覚えている

自分もそう思うよ、畜生

だったら親に言ってくれよと、そればかり願っていた


家にいれば勉強しないといけない

学校に行くと勉強ばかりしていることを責められる

勉強から解放されるには受験するしかない

受験が終われば自由になるのだ

こんなどうしようもないジレンマからも、暴力監視の日々から


かくして受験完了

第一志望合格

第一志望に合格すれば今後はゲームをして良い、学習塾強制しない」という約束を親と交していた

やった!自由だ!


自分の横で、母親の際限ない欲望が渦巻いていた


母親約束を破り、予備校への入校手続きを済ませていた

放課後自習に使おうと思っていた時間を、身の丈に合わない高レベルな授業に費やされた

サボって連絡でも行くと後が怖い

嫌々通った

既に中学受験で無理をしていたのもあって限界が近かった


更には入学先の学校が最悪だった

偏差値に見合わない校則の厳しさ

偏差値が高いほど校則が緩いとはなんだったのか

自由が遠かった


努力は願いを叶えてくれるものだと信じていた

しかし実際は、努力をして更に自分を苦しめる状況に身を置いただけだった


勉強させるために親が使う文句が「ゲームを壊す」から学校を退学させる」になった

学校学校でクソみたいな校則精神論で溢れた受験少年院だった

辞めたい学校だったが、辞めるには費やした努力が惜しかった

手に入れたものゴミだったのに、ただただプライドからそれに縋った


死にたかった


未来を諦めることのできない自分から解放されたかった

いとも簡単約束を破る親の元に生まれ自分から解放されたかった

努力が実を結んでも、それが自分を救う結果にならない星の元に生まれ自分から解放されたかった


努力するほど幸せから遠ざかる


中学高校は自堕落に過ごした

好きな物を作らなかった

好きな物母親にバレると、自分勉強させるための脅迫材料になる

ならば何も趣味を持たなければよかった


趣味で脅せないなら、次は自分を捨てると言い出すだろうなと思った

それならそれでよかった

死んでやろうと思っていた

自分の命に価値を感じていなかった

どうせ生きていても、生きていたいという気持ちを利用されるだけなら死んだ方が幸福だった


予想に反して母親は自堕落自分放置した

そのまま自堕落に生きて、自宅から通える範囲大学に落ちた

浪人して、ろくに働かない頭でも受かった地方国立入学した

実家から飛行機距離


これは死ねると思った


死ぬ準備をしたが死ねなかった

自分が死んだら事故物件になるマンションの、その管理人があまりにいい人だった

その人を困らせる真似はしたくなかった

他にいい場所もなかった


堕落に生きた

人生の節目になりそうな場所だけ少し頑張った

派手さも名誉もないが、自分のやりたかったゲームに埋もれた幸せな日々を送れた

努力しない方がすぐ幸せに届いた


努力をするほど不幸になる星の元に生まれついたのかもしれない


こうやって一生、努力を避けて生きていくんだろうなあと思った

毎日好きなゲームをして、最低単位卒業して、目先の幸せだけ齧って生きていく生活だった

これからもきっと、子供時代幸せの追求と最低限度の努力だけで生きていくんだろう

未来展望薔薇色に甘くて、ふふふと笑いが出た

それから涙が出た


努力を信じていたかった

2021-01-23

anond:20210123130815

事故物件いかなぁ。

安い金額でしばらく住んで金を貯める。

ちなみに事故物件は期限が決められてるところが多い(1年くらい)だから、居心地に慣れたころに値段を元に戻される可能性も高いのでケツに火がつく。

がんばれ!

2021-01-07

anond:20210106102133

普通にメンタル事故物件だわ。

常識範囲内のブスなら、まともな精神状態してたら10代のうち(何かあっても20代前半まで)にはセックスしているだろ。

これ以上なく的確で草

2021-01-06

anond:20210106095336

事故物件かどうかは知らんが、そら30処女だわなこのまま40処女かなって感じだね

2020-12-22

さすがにコレは反論できない

婚活で高い金を払いようやく結婚した相手堕胎豚の事故物件

妊活さらに高い金をボラれる

2020-11-20

家の審査おちた

20代零細企業委託

最近いろいろとかつかつなので、固定費を浮かそうと引っ越そうとした。

場所家賃45000円の事故物件マンション

審査通るかなと思ったけど落とされた。信販系の会社(オ〇コ)だった。

言っておくが家賃公共料金もきちんと払っている。貸与型の奨学金ももらっていない。金融機関から借金もしていない。

そもそもクレジットカードも持っていない(過去に二度審査おちした)。

IQ69の大学病院に通っている精神障害者だったのがいけなかったのだろうか。今となってはわからない。

ただ、5年前無職だったこ普通に審査に通ったので謎ではある。

 

審査に落ちたことはデータベース記載されるのだろう。だから今ほかの審査会社審査通してもらっても落ちる可能性が極めて高い。

今住んでいるところは3度目の更新を迎える。審査もあるだろうしそこでも落とされるに決まっている。

2回の審査は健常者のころ研究所に勤務していた時受けたものだ。

他の物件保証会社必須のところばかりで審査おちするだろう。公営住宅も一人で入居できるところはない。

実家実家で荒廃しきったくそ田舎だし帰ったら精神状態悪化する。

 

どのみち詰みだし家財道具全部質に出してから冬の山奥で果てようかな。

ホームレスになる気概もないし生活保護も受けられないから。

2020-11-03

家畜解体する事件

賃貸風呂家畜解体されるの大家的にもこれ、最悪じゃないのか

肉や油や血液で、水まわりが汚れて詰まってそう

事故物件までにはならないと思うけど、その後住みたくないし、隣で解体してたとわかったら、いやな気持ちがするわ

そもそも普段から人が集まって騒いでそうだし、家畜悲鳴とか物騒な物音もしたんだろうな

2020-10-29

anond:20201029114622

もう30半ばにもなるのに、そういう女と結婚はおろか彼女も居ないのであれば、とんでもない事故物件ってことだろw

6.2%の内に1~2%はゲイとかゲイよりのバイとかもいるだろうし、結婚しない信条の人もいるだろう、そんななか彼女すら居ないって、非モテエリートだよw

2020-10-28

江戸城みたいな事故物件に住んでるって

よっぽど金ねえんだな天ちゃん

2020-10-05

だんだん人が消えてゆく

いまのアパートに住んで3年くらい経つんだけど、人の入れ替わりがちょっと多いような気がする。

事故物件ではないが、気がつくと郵便受けテープが貼られるのをよく見かける。

かに駅近ではなく、そんなに新しくないが、今年で全体の半数近くが変わった。内、数件は今でも郵便受けテープが貼られているが、賃貸検索をすると一向に対象に出てこない。

から、少しずつ人が減ってるんだよね。何か起きてるのかな?

ま、アパート周辺の人達おかしな人が多いのがちょっと気になるけど、はてさて。

2020-09-08

本当の事故物件ベスト3

何かと事故物件話題になっているので自分過去に住んで本当に怖かった物件を紹介する

3位 傾いた家

過去自殺者の出たアパート2Fの角部屋、白を基調とした小綺麗な2Kの部屋で、駅は少し遠いがバス停は近く、都内にも関わらず家賃2万8千円の破格だったので入居することに。

自殺と言っても室内ではなく、居住者駐車場練炭自殺をしていたそうなので本来事故物件扱いではないそうだが、立て続けに新規入居者が早期で解約しただけでなく、他の部屋の入居者まで出ていってしまったそうだ。

その結果仕方なく全体的に家賃を下げて、特に該当の部屋は安く貸し出すことにしたそうだった。

入居当初は何も問題無かったのだが、1ヶ月ほど経つと身体が重く、疲れが取れない日が続くようになった。

まさか…と思いながら生活していたが、ある日相談していた物件好きの友人が遊びに来て床に座るなり一言「ここはできる限り早く引っ越した方がいいよ」と言った。

驚いて理由を聞くと、友人は「ほら見て」と言ってエアコンリモコンから単3電池を抜いて床に置くと、電池はなかなかの勢いでそのまま転がり続けていった。

そう、この部屋は盛大に傾いていたのであった。

友人曰く、歪んだ床の部屋で暮らしていると、段々と身体に不調が出始め、精神的にも不安定になる傾向があるそうで、事故物件と呼ばれる部屋の多くは「床が歪んでおり、かつ風通しの悪い部屋」だそうだ。

2位 ゴキブリ天国

仕事の都合で大阪半年ほど滞在することになり、とにかく安さと利便性だけで物件を探していた時に見つけた部屋。

駅近くの繁華街の中ある相当な古さの木造アパートで、コの字形居酒屋飲食店に囲まれているので騒がしいという難点があると説明を受けたが、1Kながら家賃2万円という驚愕の安さもあり即決した。

どこでも寝れるという特技があるので騒がしさは気にしていなかったが、本当の事故物件理由は住み始めた夜に判明する。

周りの飲食店も閉まり始めた深夜2時頃、ガサガサという異音がやけに近くに感じられ、電気を付けると晩飯コンビニ弁当ゴミに大小のゴキブリが十数匹群がっていた。

慌てて袋を縛ってゴキブリごと部屋の外に投げ捨てたが、耳をすませるとあちこちから這いずる音が聞こえてその日はしばらく眠れなかった。

翌日、ゴキブリ対策のグッズをあれこれ買うも絶対数が多過ぎたようで、ホイホイが一瞬で満杯になりホイホイごと動き出すという奇怪な現象を見るに至った。

(因みにこのホイホイを燃やしたらキーキーと音がしたがゴキブリの鳴き声だったのだろうか)

とある夏の日にはトイレの網戸の外が真っ暗だったが、よく見るとゴキブリがびっしり張り付いていたということもあった。

職場で夜を明かすことも多かったので結局我慢して半年間住んだが、それ以来飲食店の近くは避けることにしている。

1位 枕元に老人が立つ家

再度都内の話に戻るが、そこは築年数こそ長いが比較的小綺麗にされている木造アパートの一室で、仲の良い老夫婦が住んでいたもの旦那が先に痴呆になり、奥さんが面倒を見るも先に部屋内で病死し、旦那はそのまま施設送りになってしまったという部屋だった。

頭はボケていたものの婆さんが倒れているという通報は早かったために死体の腐乱などもなく、部屋はキレイなままだったが、家賃は2Kで2万円という驚異的な安さだった。

理由として「痴呆症の元居住者施設を抜け出して訪ねてくる」という説明を受けたが、基本的仕事が忙しく部屋にいる時間が少ない自分には関係無いので大喜びで契約した。

住み始めて数日後、居心地も良くすっかり住み慣れて気持ち良く眠っていた夜のこと、ガタガタという物音と気配を感じて目を覚ますと、80過ぎの爺さんが枕元に立って自分を見下ろしていた。

寝惚けて悪い夢か何かだと思っていると、その爺さんはそのまま部屋をうろつき始め、冷蔵庫や戸棚を開け出した。

ようやく覚醒して、恐る恐る話し掛けると「うちの婆さんを知りませんか」という言葉不動産屋が話していたことを思い出した。

その日は結局警察に連絡して迎えに来てもらい、それからは施錠をしっかりすることで解決したと思ったのだが、その数日後にも鍵が掛けてある窓のガラス戸をあっさりと外して入ってこようとする爺さんを慌てて止めるなどのトラブルが多発した。

どうやらこの爺さんはかなり腕利きの大工だったらしく、鳶の仕事も全て自分でやっていたため、建物の2階だろうが平気で抜け出していってしまうらしかった。

加えて、このアパートも爺さんが建てたものだったため、どうすれば部屋に入れるかを熟知しており、戸締まりをどう頑張っても爺さんが入ってきた痕跡があるという状況で、金目の物が取られるということは無いが冷蔵庫の中身を勝手に食べられるという地味にストレスが溜まることをされ、次に来たら流石にどうにかしてやろうと考えていた。

とある日、しばらく爺さんの侵入痕跡が無い日が続いたのだが、ある日テーブルの上に和菓子大工道具が置かれており、持っていくだけでなく忘れ物までするのかと施設クレーム電話を掛けたところ、

「ご迷惑をお掛けしており申し訳ございません、ただ入居者様は先週に亡くなられておりますので、その前に置いていかれたものでしょうか」

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん