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はてなキーワード: バーロとは

2022-12-26

増田公認!500円以下で買える Steam ウィンターセールインディー名作ゲーム

ウルトラマイナーはなるべく避けた一方で、超有名どころ!みたいなのは外したつもり。それでも「いやFTLは超有名クラスだろ」とつっこまれるかもですが、ご容赦を。


Cookie Clicker / 208円

いきなり超有名作ですね。いわずとしれたクッキークリッカーの有料版。クリック放置天文学的数字の枚数のクッキーを焼き上げよう。クッキー人生メタファーであり、グランマは母なる地球のことだ。


Punch Club / 245円

ボクサー育成アドベンチャー基本的にはステータス管理ゲーだが、「ストーリー重視」の謳い文句どおり、殺された父の犯人を追うというメインストリーがある。というとシリアスっぽいがパロディネタにあふれたバカゲーでもある。


Celeste / 495円

超高難度スタイリッシュ2Dアクション。色んなアクションギミックを駆使して足場から足場へと渡っていくのだが、とにかく死ぬひとつミスれば即死ぬ。しかし、死んだら即復活してやりなおせるので意外にストレスフリー。そして、困難に見合うだけの感動がある。大傑作。


Monolith / 399円

トップダウン視点2D全方位弾幕シューティングローグライクダンジョンゲーム。有名作でいうと『Enter the Gungeon』(今680円)、『Nuclear Throne』(値下げなし)あたりを想起してくれればいい。まあ要するに、バンバン弾を打ってガンガン弾を避けながらガシガシダンジョンを探索しろってこった。ただこちらは硬派なまでにシンプルグラフィックミニマルマップが特徴。それでいてアートワークが非常に美しい奇跡。そしてなによりタイトゲームバランス。中毒性高し。


The Hex / 252円

去年ゲーム界隈を騒がせた Inscryption(今1230円)の作者の前作。六人のビデオゲーム主人公たちが集まるある館で古典ミスリーを思わせる「殺人犯探し」を行うADV。道中に有名作のパロディっぽいいろいろなミニゲームをやらされる。一見ジャンル出自バラバラな六人に隠されたある共通点とは……。Inscryption が好きならマストプレイアンチゲームメタフィクション


Milk outside a bag of milk outside a bag of milk / 465円

ロシア鬼才が生んだ病み病みアドベンチャーシリーズ第二作。第一作のMilk inside a bag of milk inside a bag of milkも今60円で 超安いのですぐ買ってやれ。十分で終わるから。そして Milk outside ~ をつづけてやれ。永遠に残るから


FTL: Faster Than Light / 245円

宇宙船管理シミュレーション冒険ローグライト。襲撃してくる敵を時には砲撃戦で、時には船内へ誘い込んでの白兵戦で跳ね除けながら船を強化していき、宇宙の深部を目指す。限られたリソースギリギリでやりくりしていく苦しさと、それでなんとか乗り切ったとき快感は比類ない。数々のフォロワーを生んだ超名作であり、これ一作でローグライトインディーゲーム歴史が語れるようになる。


Orwell: Keeping an Eye On You / 252円

ビッグブラザーの一部となり、善良な市民監視するアドベンチャーゲームSNS書き込みを追い、メールを盗み読み、電話を盗聴し、「テロ犯」を捕まよう。管理社会ディストピア体制側の視点のほうがおもしろいことを証明してくれる一作。作業の単調さと日本語訳の質の悪さがたまにキズ


Legal Dungeon / 360

警官となり、さまざまな事件容疑者尋問していく取り調べシミュレーションADV基本的ゲームシステムは『Papers, Please』(今490円)に似ていて、証言事実を突き合わせて容疑者のアラを探していく。しかし本作の一番重要ポイントは「真実を見つけること」ではない。警察という巨大で強権的なシステムのなかで、「真実」いかに脆いものであるか、その苦さを味わうことこそがキモだ。


Detention 返校/ 472円

台湾製学園ホラー。居残りを食らってたまたま夜の校舎に残されたふたり少年少女を襲う怪奇現象の数々、それらに秘められた謎へ迫っていく。システムは『クロックタワーシリーズのようなポイントクリック形式。「1960年代台湾舞台であること」がなにより重要ファクターであり、日本人には馴染みの薄い台湾史の暗部を学ぶ機会にもなる。本国台湾では社会現象となり、映画化もされた。


Her Story / 252円

実写映像を駆使したゲームに拘り続ける異常クリエーター、サム・バーロウの出世作コンピュータの端末に保存されている、ある女性インタビュー映像を視聴して彼女の謎を追う。何百もある映像はいずれも断片的なクリップで、プレイヤーはゲーム内のコンピュータ検索ワードを打ち込んで、そのワードに関連する映像を拾っていく。クセのあるシステムでやや人を選ぶが、ミスリー好きならぜひ。


Salt and Sanctuary / 445円

2Dソウルライク(『ダークソウル』みたいなムズ戦闘アクションのことだぞ!)の嚆矢的な名作。ダークソウル3Dで考えることが多くて難しいよ〜〜〜という人はやってみては。2Dからといって死なないわけじゃないことがよくわかります。もちろんダークファンタジー世界観も単なるフォロワーってだけじゃなくて作り込んである


Understand / 329円

パズルエリアステージごとに設定された特定ルールにしたがって、マス目上に置かれている記号記号一筆書きで結んでいく。最大の問題は「特定ルール」がほとんど一切プレイヤーには明かされないこと。ひたすらトライアル・アンド・エラーを繰り返し、「特定ルール」を解き明かしていくことがこのゲームのカギ。「なんもわかんねえ……」状態から「わかった!」になるとき快感は唯一無二。


Recursed / 230円

再帰アクションパズル。今年は Patrick’s Parabox (今1640円)という「箱の中の箱の中の箱の中に箱が!」な再帰パズルがバズったが、その先駆ともいえる作品。箱の中に空間があり、入ると中には箱がある。その箱の中にはもちろん別の空間が広がっていて中には箱があり、その箱を箱の外に出したり別の箱の中に放り込んだりしてパズルを解いていく。状況によっては箱同士が無限に参照しあって箱の中を永久にさまようハメになるが、まあ、君なら大丈夫だ。


The End Is Nigh / 296

高難度アクション。Celeste と同じく死にまくりアクションゲームで、こちらはこれ系の元祖である『Super Meat Boy』(今148円!)のプレイフィールにより近い。ゴミなんだか黒い餅なんだかよくわからん生き物を操作して理不尽即死ステージクリアしていこう。なにがたのしいかって? 気づいたらクセになっちまうんだ、こういうの。


Neverending Nightmares / 370円

悪夢のなかをさまよい歩く系ホラー怪物に襲われたりなんかして死ぬとまた悪夢の中で目覚めて無限悪夢をさまようことになる。いちおうエンディングなんかもある。エドワード・ゴーリー風のビジュアルがなんともいえない味になっていて、怖さのなかに愛嬌がある。


Evan's Remains / 360

パズルアクションアドベンチャーうつくしいドット絵ビジュアルが特徴。ある少女行方不明天才少年エヴァンからとある無人島へ呼び出され、自分を探してほしいといわれる。最初アクションパズルメインみたいなツラで進行するが、本作の最大の衝撃はストーリーにある。一見価値あり。2時間くらいで終わる。


Reventure (レベンチャー)/ 164円

王道2DアクションRPG……の皮をかぶった死にざま探求ゲームプレイヤーは勇者をあやつり、100種類のエンディングほとんどはバッドな死)を試行錯誤して回収していく。雑魚に殺され、王様殺害犯人として処刑され、溶岩飛び込み自分の仕掛けた爆弾に巻き込まれ……とにかくバカバカしい死に方がもりだくさん。とにかくなんでも試してみよう。


Tacoma / 396円

3Dアドベンチャー無人宇宙ステーションを探索しながら、そこにいたクルーたちの日常、そしてそこで起こったある出来事調査する。名作アドベンチャー、Gone Home(今296円)の開発元といったら伝わる人には伝わるか。Gone Home 同様、本筋以外にも限られたマップなかに散りばめられたディティールが豊かで緻密。


The Shrouded Isle / 147円

終末カルト運営管理シミュレーションとある海辺の村、そこに住まう数世帯はみ〜んな邪神を崇拝するカルト信者! あなたはそこの長として不満が出ないように各種リソース管理しつつ、異端者をあぶりだして処刑したり、年一で適当な生贄を選んで邪神に捧げたりする。時に邪神さまからあーしろだの注文が入ったり、時に信者からこーしてだの要求がされたり、中間管理職的悲哀が味わえる。そういう点では、今年の話題作 Cult of the Lamb (今1927円)とゲーム性こそ違うが似ている。


They Bleed Pixels / 245円

血がドバドバでる死に覚え高難度アクション。血はドバドバでるけどドット絵から怖くないよ。主人公カニハンド少女通称カニちゃん)をはじめとしたらビザールカワイイグラフィックが魅力。


GRIS / 432

アクション。とにかくアーティスティックで美麗なビジュアルに尽きる。マジでれい以外の言葉がでない。ただうつくしいというだけで体験に値する数少ないゲームひとつ


Mini Metro / 490円

駅をつなげて線路電車を増やし、乗客たちをさばいていくシミュレーション。極限まで記号化されたミニマルビジュアルが特徴。ゲームシステムも簡潔ながらも奥深い。


Minit / 300円

1分でゲームオーバーになるアクションRPG。1分で死ぬ呪いにかかった主人公たまごっちみたいな外見)をあやつって何度も死に戻りながら呪いを解く方法模索していく。得たアイテムなどを引き継いだり、ショートカット発見したりしてどんどん行動範囲拡張させていくプロセス気持ちいい。とぼけ世界観キャラも魅力。


Tokyo Dark / 453円

日本在住の英国人制作した異色の伝奇刑事ものADVSAN値などを管理しつつ、行方不明になった相棒の謎を女刑事が追う。精神不安定にさせる演出の数々が見もの日本文化や神話などをフィーチャーした物語ユニーク。惜しむらくはバグが多すぎること。


ケロブラスター / 294円

不朽の名作『洞窟物語』の作者によるカエル労働シューティングアクショングラフィックシステムクラシカルアクションだが、ゲーム内容はストロングスタイル的な歯ごたえがあって秀逸。カエルかわいいしね。


ギリギリ500円以下にならなかった名作たち】

Kaze and the Wild Masks (512円) 目つきの悪いクロノアみたいなのが主人公のスピーディアクションゲーム

The Red Strings Club(510円) Steamサイバーパンクアドベンチャーはいちゃん好き

A Short Hike(533円) 世界いちばん癒やされるゲーム

Hell is Other Demons(505円) ローグライトアクションシューティング。一時期めちゃハマった。かっこいい。

2022-12-04

高級車乗ってるのに路駐してる奴

見栄張ってんじゃねぇよ。

目と鼻の先にコインパーキングがあるのによ。かっこわりぃよ。

てめぇのドケチ根性のせいで歩行者が轢かれたらどーすんだバーロ

次見つけたら10円玉でグリグリしてやる。

2022-01-08

たまにものすごく従量課金を細かく計算するとこあるよな

ユーザ企業数何百万というクラウドの3大業者とかがやるならわかるけど、しょうもないスタートアップ無名サービスで1分単位課金とかやってるとこあると、やりすぎと思う。

あと偏見だがこういうところは結局請求がふくれあがって、経営反社臭いところが多い。

明朗会計、というのは飲食店でもなんでもそうだが、優良店のバーロメーターではないだろうか。

名探偵コナンバーロー」

2020-08-30

Gorogoaの物語

ホットエントリーに上がっていたこんな記事にふとした気まぐれで目を通した。

業界人が選ぶ、過去10年で最も優れていたビデオゲーム(IGN Japan

https://jp.ign.com/games/46189/feature/10

 

ゲームは年に1本買うか買わないかライトゲーマーなので大半の作品タイトルも知らなかったし、業界人たちのコメントを読んでいてもピンと来るものはなかった。しかしその中でひとつコメントちょっと心が動いた(太字筆者)。

簡単な答えは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』ですが、統計的な考え方では、私は『Gorogoa』を選びたいです。デモの早期リリースと、その結果である早い時期でのハンズオン体験のおかげで、本作は何年にもわたって私のGOTYであり続けました。『Gorogoa』は魔法のように魅惑的で斬新なゲームです。明確なビジョンに基づいたこ作品は、ゲーム作りの過程が全く想像できないほどの複雑な成果をもたらしました。新しいメカニクスと新しいインターフェイスを持つ本作は、芸術技術物語正真正銘パズルシームレスに融合させています。これは私がエッシャー作品や、キット・ウィリアムズ絵本、「まほうの筆(The magic paintbrush)」をはじめとする私の好きなおとぎ話から得たすべてのものを凝縮した体験です。『Gorogoa』はハッと息を呑むような驚きを私に与え、私の心を喜びで満たしてくれました。開発者ジェイソンロバーツにはこの作品に満足したまま何もせず、別のゲームを作らないでほしいと私が願うほど、『Gorogoa』は本当に唯一無二の傑作です。

(Drowning a Mermaid Productions サム・バーロウ氏)

本職のゲーム開発者がここまで絶賛するゲームとはどんな作品なのだろう、と急に興味がわいた。

元来パズルゲームは好きなほう(MYSTシリーズは全部やったし、ふだんも数独倉庫番をヒマつぶしに遊んでいる)なので、ちょっとやってみようかという気になった。PlayStation Store で1,528円。安い。

遊んでみた。雷に打たれたような体験だった。まるでマグリットの絵の中で『無限回廊』を遊んでいるような感じだった。

感想については私の拙い語彙でくだくだしく書くよりももっとすぐれたテキストネットにあるのでそれを見てもらえば十分だ。

 

『Gorogoa』認知フレームを軽やかに飛び越える絵画パズルゲームインディーゲームレビュー 第40回】(ALIENWAREZONE)

https://alienwarezone.jp/post/1321

 

GOROGOA が見ている(ゲーム感想)(S. Miyata)

https://note.com/38tter/n/nb58c34279de7

 

そして本稿で私が書きたいのはこのゲームの紹介ではない。

この何の説明もなく謎だらけでタネ明かしもない不条理ゲームに、どうにかして「解釈」を与えたくなったので、そのメモである

以下は断定形で書いていてもすべて私の解釈である

後半に至ってはほぼ創作だが、ゲーム中では語られなかった「裏設定」を私が想像で補完したものだ。

 

ロゴアの物語

 

ある日、街に巨大な謎のクリーチャーが出現する。街並みに隠れて全容は見えないが、アパート屋根ごしにカラフルなたてがみが見えるほどだからかなりの巨体だ。

書物をひもとき、それが伝説の聖獣ゴロゴアだとわかる。

古文書には、五色の果実が盛られた器を若者と年配者がふたりで支え捧げる様子が描かれている。

聖獣ゴロゴアの怒りを鎮めるには、世界に散らばる五色の果実をすべて集めて捧げなければならないようだ。

 

ひとつめの赤い果実は、とある民家の庭木の枝になっており、車椅子に座った謎の男が見守っていた。

枝にとまった烏がつと飛び立つと、赤い果実は器の中に転がり落ちた。

 

ふたつめの緑色果実は、町はずれの穏やかな公園女神像が手に持っていた。

廃墟にたたずむ松葉杖をついた男性がゴロゴアの姿を思い描くと、廃墟壁紙の紋様はゴロゴアの瞳となり、その緑色の瞳は果実となって器の中に転がり落ちた。

 

ランプの灯りをたよりに仄暗い部屋で寝食を忘れて何ごとかを熱心に研究する男性。部屋の片隅には松葉杖。この男も足が悪いのか。

ランプのひとつひとつに星の明かりを捕まえ、その明るさに惹き寄せられて来た蛾たちに導かれるままに道を進むと、夜空の星のひとつ黄色果実となって器の中に転がり落ちた。

 

気づくと色あせた写真の中にいた。壁にかけられた五枚の写真のうちの一枚だ。

杖をついて世界の果てを巡礼して回る男に助けられながら写真から写真へと歩みを進めると、どこにあるとも知れぬ神殿に捧げられた青い果実を手に入れた。

 

たくさんの資料に埋もれるように何かを研究する初老男性。部屋の片隅には愛用のステッキ

蜘蛛の巣のように街を縫って走る路面電車初老男性の助けを借りて乗り継いでいくと、高い塔の頂上で最後果実紫色果実を手に入れた。

これですべての果実がそろった。ついに儀式の時が来た。

 

果実の盛られた器をゆっくりと宙に捧げると、五つの果実はまばゆく光りながら激しく燃え上がった。

 

──その時、突然器が砕けた

そして聖獣ゴロゴアはそれを許さなかった。

ロゴアが怒り狂うと、空には虚無の淵がばっくりと口を開け、世界は暗黒の炎に包まれた。

儀式は失敗したのだ!

 

私は身体を闇の炎に焼かれながら尖塔のやぐらから転落し、瀕死の重傷を負った。

長いあい車椅子生活余儀なくされたが、頭はゴロゴアのことでいっぱいだった。

何がいけなかったのか。どうすればあの獣の怒りを鎮めることができるのか。

 

聖獣ゴロゴアは時おり暴虐の限りを尽くした。

ロゴアが暴れると街は爆撃を受けたように廃墟と化し、あちこちで火の手が何日もくすぶり続けた。

 

どうにか松葉杖で歩けるようになると、私は情報収集を始めた。

焼け残ったがれきの中から資料を掘り出し、聖獣ゴロゴアをよく知ることにつとめた。

 

一方、気まぐれに襲ってくるゴロゴアの攻撃の合間を縫って人々は街の復興を始めた。

がれきを片付け、建物を建て直し、鉄道を引き、時おりゴロゴアによる破壊を受けながらも、それを上回る勢いで街は発展を続けた。

 

私の部屋の壁はゴロゴア関連にとどまらず、世界の様々な伝説伝承考古学書物で埋め尽くされた。

時おりゴロゴアの来襲があると電気は止まり、暗い中でランプの灯りをたよりに研究することもあったが、私は寝食を忘れて研究に没頭した。

 

その間中、私は「何かの視線」を常に感じていたが、それが何かはわからなかった。

ただ、私の研究が、誰とは知らぬその視線の主の助けになっている、そんな実感がなぜかあった。

 

研究を進めるうち、私の心のうちには、ゴロゴアに対するどこか畏敬の念のような気持ちが芽生え始めた。

そしてその畏敬の念は、やがて純粋信仰心へと変化していった。

ロゴアの怒りを鎮めるには、我が身と心をゴロゴアに捧げなければならない。そうすることでしか儀式はきっと成功しない。

私はそう思い詰めるようになっていった。

 

私は巡礼者となり、ゴロゴ信仰の源流をたどって世界各地を巡礼することにした。

灼熱の太陽が照りつける砂漠、寒風吹きすさぶ高地

体調は決して万全とは言えなかったが、ゴロゴアにこの身を捧げるという信念が痛む脚を前へと運ばせたのである

 

研究の進捗が遅々として進まず年月が無為に流れていくばかりになると、時おり深い絶望に襲われることもあった。

無力感にさいなまれるそんな時には、決まってあの悪夢の日、儀式に失敗した日の転落の記憶フラッシュバックした。

そうした場面にも、常に「あの視線」は私とともにあった。

 

月日は流れ、私も初老と呼ばれる年齢になり、髪も髭もすっかり白くなってしまったが、私の研究は大詰めを迎え、ついにひとつ結論に到達しようとしていた。

 

古文書には、五色の果実が盛られた器を若者と年配者がふたりで支え捧げる様子が描かれている。

 

この記述によれば、儀式ふたり人間によって為されなければいけなかったように思える。

しかに、最初儀式自分ひとりで行ったために失敗してしまった。

では、儀式成功させるためには、あらためてふたりで執り行う必要があるのだろうか?

 

そうではなかった。

 

絵図に描かれたふたつの人物像は、「時間を隔てたひとりの人物」を表していたのである

儀式はひとりの人物によって二度行われなければならなかったのだ。

 

思えば一度目の儀式へと至る道のりでは、さまざまな場面で陰日向に何者かの協力を得ていた。

その役割なくして儀式は成し得なかったとさえ言えるのだが、その協力者は、ほかならぬ私自身であったのだ。

 

時空を超えておのれ自身と手をたずさえ、二度の儀式を完遂させる。

それこそが聖獣ゴロゴアとの魂の交歓を成立させるための条件だったのだ。

 

私は今、復興いちじるしい街並みを見下ろしながら、二度目の儀式のために尖塔を登っている。

 

この儀式が終わった時、ゴロゴアと人間の間には新たな関係が訪れるのだ。

 
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