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はてなキーワード: 背表紙とは

2020-10-08

読書

休みは、いつも同じブックカバーをかけた文庫本を持って席を立つ。

同僚に「あんたいつも本読んでるね、そんなに読んでて図書館にでもなるつもり?最近おすすめの本なんか無い?」と言われた。


私におすすめできる本なんてない。

私はこの文庫本を2年間かかっても読み終えていない。


そもそも私は本の内容を読んでいるふりして、いろいろな懊悩を隠すための装置として使っているだけだ。

そして、この沖縄で買ったビンガタのブックカバーの手触りが好きなのだ

背表紙のところの指のかかり具合が好きなのだ

ボーッとしながらスリスリブックカバーを撫でているだけなのだ

「うーん、私は安い本買ってただ消費してるだけだからおすすめなんてとくに出せないな」と答えておいた。「おすすめブックカバーならずっと語っていられるんだけどな」という事は口に出せずにいる。

私にとって文庫本は、ブックカバー衣装としてのそれでしかない。台座でしかない。

文庫本を選ぶとき基準なんて、本の厚みくらいしか見てない。

ジョジョ漫画のどこかで、若い女性の手首だけを持ち歩いてる男の話があったことを思い出した。

対象人間でないだけで、私の行為はそれに近いのかもしれない。


ちょっと背表紙感覚が好みと違ってきたな」とか、「また買いに沖縄に行こうかな」とか、「ほかのブックカバーを探すために買い物に行こうかな」とか、

通勤電車の中で読むでもなくスマホと一緒に持っている文庫本感触を確かめつつ、そんなことを思った。

2020-07-25

本を作るのは楽しい

少し前まで「紙媒体」と「web公開」の二つにこれと言った価値の違いを感じられなかった。

すぐに見てもらえる手っ取り早い方法web公開だし、「沢山の人に見てほしい」って想いもweb公開の方が叶いやすいよな?って思ってた。

でも作ってみて知ったんだ。

本を作ることは、本当に楽しい!!!!!

私はメチャクチャケチだ。

お金を使う時はその金額と手に入るもの価値を天秤にかけて、じっくり考えて何度も自問自答してから答えを出す。

それに加えて「紙媒体」に特別価値を感じていなかったから、自費出版って行為は完全に自分とは別世界のものだったんだ。

あとは入稿とか搬入とかそういうの大変そう、よく分かんないって思ってて、それも手が伸びない要因だった。

でもある時、ある人から「本が欲しいです」って言葉をもらったんだ。しかも既にweb公開してるヤツの。

なんで!?って思った。不思議だった。だって無料で読めるものをなんでわざわざお金払って…!?って。

その人はこんなことも言ってくれた。

「この作品は本がすごく似合うだろうなって」

「紙を捲って読みたいんですよね」

…………紙を捲る!!!!!!

よく分かんないけど、体中に電気ビリビリ流れるみたいな衝撃があった。よく分かんないのに、もう、私はその時、信じられないくらい嬉しかったんだ。

書き下ろしがチョロッと付いてたりなんかしたら大歓喜です」

こんなことも言われた。

…………チョロッとで大歓喜!!!!!!

その言葉がずっと忘れられなくて、だから私はメチャクチャ勇気を振り絞って本を作ってみようと思い立ったんだ。

せっかくだから中身はまるきりの新作にした。

本って形が似合うお話を作ろうと思って意気込んだ。

あと、素敵な言葉をくれたあの人への「ありがとう」を「丸ごと書き下ろし」に代えて贈りたいって気持ちもあった。


どれくらい売れるか分かんないのに印刷費用を全部自分で出すってのが、本当に本当に怖かった。丸ごと赤字になったらどうしよう、だってこの金があったら一体なにが買える?回る寿司とか出前とか何回利用できる?そんなことばかりが脳内を占めていた。生粋ケチだ。

部数もどうしたら良いか分からんし値段設定もよく分からん。悩みに悩んで、その結果初めての本は「部数は弱気・値段はほんのり強気」って感じで舵を取った。


入稿までスマホ一台で全部やった。カバー付きの文庫本だ。本にするなら文庫サイズがいいなってずっと思ってたんだ。文庫大好き。

本文はAの会社カラーカバーはBの会社印刷を依頼した。そのやり方が調べた中で一番安かった。もちろん最安の早割にした。少しでも赤字を抑えたかった。

本文をpdf化してくれる無料サービスもあったし、表紙はフリー素材のサイトからイケてる好みの写真を選んで使った。(無料とかフリーって言葉が大好きだ。ケチから)

表紙の入稿は三回くらい不備を出しちゃって印刷会社Bさんに多大な迷惑をかけてしまったけど、とにもかくにも、そんなこんなで、本体カバーがそれぞれ自宅に届いた。


………感動した。感動してしまった。

どうしよう、紛れもなく本だ。メチャクチャ文庫の本だ。

表紙に自分のつけたタイトルが印字されてる。中を開いたら自分の書いた文が明朝体でかっこよく印刷されてる。

紛れもなく、本だ。

なんだこれは。


なんだこれは!!!!!


初めて作った本、不備も幾度となく出したし誤字もメッチャあったけど、それでも、心から大好きだって思えた。愛しかった。誇らしかった。直接触ることのできる紛れもない宝物だと思った。

その時、あの人がくれた言葉を鮮明に思い出したんだ。

「本が欲しいです」

そうか、本にするということは、

触ることができるんだ。確かな重みがあるんだ。確かに存在してるんだ。愛しいと思いながらギュッと抱きしめることができるんだ。

このことに気付けたのがすごく大きな財産になった。一冊も売れなくて丸ごと赤字だったとしても、それは赤字なんかじゃない。素敵な価値観を印刷費というお金で知ることができたんだな、私は。

でもそうは言っても売れてくれとは思った。ケチなので。

カバー巻きという楽しい内職を終わらせ、初頒布イベント当日。

……本、メチャクチャ買ってもらえた。生涯忘れないと思う。人生トップ3に入るくらい嬉しい出来事だ。

それから一年後。

あの人が言ってたweb公開済のお話も本にしようと思い立った。全部で300ページで、その中の100ページは書き下ろしにした。

これも胸を張れる大好きな一冊になった。自分が作った本の中でこれが一番分厚い。背表紙の厚みがすごい。

あの人は数日後、通販で買ってくれた。

全部全部嬉しくて幸せで、伝えたかった「ありがとう」は何十倍も大きくなった。



あの日から今日までで合計五冊の本を作った。

五冊とも全部愛しくて誇らしくて大好き。作って良かった。本を作るという喜びに出会えて本当に本当に良かった。

出会わせてくれたあの人には今もずっと感謝してる。一回だけメール感謝を伝えた。超重たい超長文になってしまった。

何度も言うのはしつこいし重たいし、もうさすがに言葉にしてはないけど、これから先もずっとずっと「ありがとう」って思い続けると思う。

本を作る私の傍に、その気持ちはこれからもずっとあるんだ。

本当にありがとう

今度は新書サイズ作りたいなって目論んでる。黒っぽい感じの、鈍器みたいなかっこいい本を作りたいな。

2020-07-19

自分創作物が好きだ

ハッピー浮かれポンチが書いた記事あんま見かけないから書いちゃお

二次創作一次創作もしてるコミュ章の三十代。

小説、絵、歌、詩。とにかく自分が生み出す創作物メチャクチャに好きだ。自分が読みたくて見たくて聴きたいから頑張って形にしてる。いつもそうだ。

なんなら自分ブログ文章とかも好き。好きなことについて長々と書かれているから忘れた頃に読むと「分かり!!!」って興奮するし、当たり前だけどツボが一緒だから読んでて楽しい

デザインセンスも好きだし言葉選びも好きだし、絵も、下手だな〜って思うけどやっぱり好きなんだよね。描いた人物の表情とか服装とか手とかに萌え転げてしまう。

余談だけどこの前作った本はタイトルが良すぎた…本棚に並んだその本の背表紙を見るたび「タイトル…かっこよ…」と痺れている。

とにかく「自分の作るものに自信がない」って思ったことが一度もない。本当に生まれてこのかた、一度もないんだ。

自分自身が誰よりも熱烈なファンなので、作品が出来上がった後の反芻タイムウルトラ長い。最高〜って思いながら見返す。何百回も。

作ってる時も楽しいし出来上がった後も幸せなことが確定しているから、死ぬまで創作やめられないだろうなと思う。

なんて素敵な文章書くんだ…とか、この表情が見たかったのよ…とか、才能がすごい…みたいなことを結構本気で毎回思っている。

自費で本を作ったりすると金銭が絡むので、在庫抱えたくないとか一冊でも多く売れてくれ…とかは思っちゃうけど、webに公開したものはそういう心配いらないから楽。

誰かから評価があればもちろん嬉しいんだけど、だけどそれがなくても成就しちゃってるんだ。私と私の創作物が既にハチャメチャに両思いから

誰も読んでなくても、感想が一つも来なくてもあんまり気にならない。ちぇ〜くらいは思うけど、もう創作やめよう…には絶対絶対に繋がらない。だって自分が誰よりも新作を楽しみに待っててくれてることを知っている。

メチャクチャ気合入れて書いたけど全然まれてないお話とかもあって、ちょっと寂しい気持ちはあるんだけど、それが自信喪失になったことはない。

もう絶対的に自分の作ったものが好きだから、この気持ちだけで立ててしまうんだよな、いつでも自分の足で。

ブクマリツイートもお手紙感想DMも超嬉しい。ありがとう大切にしますって心から思う。だけどそれに寄りかかって創作することはこれから先も絶対にないから、そこんとこマジで安心だなって自分に感じてる。安泰。

「読者がいるから」「感想の為に」「誰々に知ってほしいから」の類が動機っていう意見を見ると、苦しくないだろうか、期待を裏切られた時メチャクチャしんどいのでは、と勝手不安しゃしゃる。行動の動機他者なの、ダメだった時怖いよな。

でも行動の動機他者だとしても歪まずにやり続けられる人だってきっといる。そんなあなたメチャクチャすごいしかっこいい。どんな理由だろうと貫いてる人はかっこいいんだ。読者のため感想のためバズるため、なんでもいいよ、作品を完成させたあなたメチャクチャに優勝だ。

私はきっとダメなんだろう。弱くなる。キモくなる。貫けないんだろうな。だから動機他者にすることはしない。

創作以外の自分のことは全然きじゃないし自信もないしクソ弱虫ゴミ屑最悪って思ってるけど、まあその分のマイナスがこっちでプラスになってるんだろうなって思えば、しゃーないこれが自分だって前向きになれる。

プラマイは恐らくゼロ、いやギリギリマイナスかな。健やかに生きれてるのは創作のおかげなのかもしれない。

創作楽しい。大好きだ。幸せだ。

今日もこれからなんか書こうかな。

2020-07-16

タマちゃん絵本ラストトラウマだった

 多摩川タマちゃんのことを覚えている人はまだそれなりに居ると思う。2002年8月多摩川に出没し一躍有名となったアゴヒゲアザラシ愛称だ。

 そんなタマちゃん絵本タマちゃ〜ん キミが来てくれたから…」を子どもときに持っていた。その内容は今でも覚えている。題名はすっかり失念していたので今Googleで調べた。

 多摩川に流れ着いたタマちゃんは、母親を探すうちにそこに住むカエルと仲良くなり、親交を深めていく。しかし、ある日タマちゃんは突然「お母さんが呼んでる」と言って海の方へぐんぐん泳いでいってしまう。カエルは「声なんて聞こえない、行かないで」と懇願するが、既に遠くまで進んでしまっているタマちゃんにその言葉は届かない。

 次のページを開くと、見開き一面に海中が描かれており、中央タマちゃんのシルエットがぼんやり浮かんでいる。そのページには「目を閉じて僕のことを思い出して。僕はいつでも君の傍に居るよ」みたいなことが書かれていた。この文に関してはかなりうろ覚えなのだが、目を閉じて云々という言い回しがあったことは確かだ。

 グロでもホラーでもないのに、このラストの何がショックだったのか。それは、タマちゃんカエル唐突一方的な別れだ。

 二人が離れ離れになるだけでも悲しいのに、ラストタマちゃんカエル必死に引き留めていることに気づかない。カエル感情移入するとあまりにも辛い別れだ。

 しかし一方でタマちゃんの、母親に再会したいという気持ちもよく分かる。今まで探していた母親が呼んで(いるような気がし)たら無我夢中でその方向へ向かうだろう。

 どちらにも共感できるが故に情緒がめちゃくちゃになった。最後のシルエットのページで指示通り目を閉じタマちゃんのことを考えたら胸が締め付けられた。背表紙を見るとラストシーンを思い出すのでわざと本棚の奥の方にしまい込んだ。

 今となっては本当にどこへやったのか分からなくなってしまった。

 思い出補正もかかっているだろうが、自分の中ではラストショッキング作品ランキング上位に未だくい込んでいる。

2020-07-07

anond:20200707120016

以前、電子書籍を牽引してるのは女性向けエロ、って話で

エロ本を家の本棚に並べていつも背表紙を眺める生活をするのを嫌がる女性が多い」って話が出てたけど

あいうのを理解できない男性や一部女性も多いんだろうか

というとすぐ性嫌悪とか言い出すのが出てくるんだろうけど

一人暮らしで訪ねてくる人もいなくて家に何を置こうが気兼ねもないし

自らエロ本買うくらいエロ大好きだけど

四六時中エロ本が目に入る生活は嫌だって女性普通に沢山いると思うけどな

電子が売れたのは見たくない時は目に入れなくて良い、って面も確実にあると思う

やっぱ男性にはそういうのは想像もつかないんだろうか

2020-07-04

モデルハウス奇譚

最近はずいぶん蒸し暑いですね。

私は梅雨のない地域で生まれ育ったので、この季節特有空気感に慣れるのにはまだまだ時間がかかりそうです。夏の間はいつも冷たい素麺饂飩ばかり食べているのでどんどん痩せていきます。軽くなった体で往来を歩いていると、蜃気楼の中に自分が溶け込んでいくようです。

目的地まではまだ距離があります。あまり暑いので、途中で見つけたスーパーで冷たいお茶を買いました。あとは、お土産西瓜も一玉買いました。

お茶を飲んだせいか、片手にぶら下げた西瓜が重いせいか、一歩足を進めるごとに全身から汗が噴き出てきます。もう夕暮れ時だというのに、気温はまだ高いままのようでした。

ふいに私の後ろからなまぬるい風が吹いて、石けんと汗が混じった自分匂いしました。私は夕焼けを背にして歩いていたので、目の前には自分の影が長く伸びていました。私はもうこれ以上歩けない気持ちになって、シャッターが閉まった八百屋さんの前にあるベンチに座り込みました。

しばらくじっとしていると、もう何年も前のことになりますが、初めて一人暮らしをした年の夏の出来事が頭の中に蘇ってきました。

****

私が初めて一人暮らしをしたのはとても大きな街でした。

人々の歩く速度や、次の電車が来るまでのスピードは信じられないほど早く、私はよくそれらに圧倒されて駅のホームにあるベンチにただ座り込み地下鉄を何本もやり過ごしたものです。そういうとき、街全体がそこで暮らしている人々をも取り込んだ一つの巨大なシステムであるかのように感じられました。そうかと思えば、人気のない道端は吐しゃ物やごみで汚れていたり、ぼろぼろの格好をした人々が呻きながら寝転がっていたりしていたし、私が駅のホームぼんやりしていても変に思われませんでした。同じようにぼんやりしている人をあちこちで見かけました。そういった意味では暮らしやすい街だったなと思います

この街に来たばかりの頃はとにかくお金がなかったので、いつも働き口を探していました。私は学がなく、またひどい吃音緘黙症をもっていたために仕事探しは難航するかと思われましたが、幸運なことにこの大きな街においては仕事にあぶれることはありませんでした。

私はその年の夏、街の端の方に位置する治安の悪いXという地域にある建設会社で働いていました。

上司の指示を受けて色々な住宅展示場に出かけていって、モデルハウスの前のパラソルの下でお客さんが来るのを待ちます。お客さんが来たらパンフレットを渡して、モデルハウスについての簡単説明質問応対をスケッチブックパソコンを使って行います。お客さんが来ても来なくてもお給料は変わりません。そんな仕事でした。当時はほとんど話すことができなかったので、なぜ採用されたのかはよくわからないのですが。

お客さんはあまり来なかったので、週末に図書館で上限まで本を借りて、それらを読んで時間をつぶしました。仕事が終わる時間は十八時頃まででしたが、土地勘がないのと、ときどきバスしか行けないような場所の展示場に行くことがあったために(それまでバスに乗ったことがなかったので)帰り道を間違えてしまい、ようやく家に辿りつく頃にはもうとっぷりと日が暮れているというのが常でした。

お客さんが来ない日は、モデルハウスの中に立ち入ることは禁じられていました。一日に二回、私が勝手なことをしていないか上司が見張りにきました。とはいえそれはいつも同じ時刻だったので、その時間だけ本をかばんに隠してパラソルの下で神妙にしていればよく、それ以外の時間のんびりと過ごしていました。

夏至を過ぎると一気に気温が高くなって、私はそれまで体験したことのない暑さに驚きました。外の気温が体温を超えたときなどは、時間を見計らってこっそりとモデルハウス玄関で涼んだものです。窓と玄関のドアを細く開けると気持ちのよい風が通りました。髪をほどくと、風に吹かれて私の汗と石けんが混じった匂いしました。

その日の最高気温は三十八度で、朝から晩までかんかん照りという有様でした。

お客さんは一組も来なかったのですが、あまりに暑くて読書に集中することができませんでした。仕事時間が終わって戸締りをしようとしたとき、雲のない空からまっすぐに差す夕日が、太陽を背にして玄関に立つ私の影を家の中まで長く伸ばしました。

それを見た瞬間、真新しい家の二階の窓から夕焼けを見てみたいという強い気持ちが私を襲いました。それまで、お客さんが来ないときに家の二階まで入り込んだことはなかったのに。

ここで働くようになって初めて、新築の家の匂いを知りました。それは、少し化学的な匂いと、新品の布や畳の匂いとが混ざった匂いです。

階段を静かに上りながら、この家に自分が住んでいる空想しました。ベランダが付いている部屋を見つけて、ここを私の部屋にしようと思いました。その部屋の窓は南西に向いていて、西日が差し込んでいました。この場所には学習机を置いて、ベッドの向きはどうしようか?壁の一面には大きな本棚を置きたいけど、背表紙日焼けをしないように扉が付いたものでなくてはいけないかもしれない。友達が遊びに来たときのために小さいテーブル必要かもしれないな。そんなことをつらつら考えているとなんだか少し悲しくなってきて、その気持ちを振り切るように窓を開けてベランダに出ました。

辺りはすっかりオレンジ色に染まっていて、建物木々や道を歩く人々の輪郭曖昧にしていました。

それらを見つめながらかすかな風の中に佇んでいると、少しずつ気持ちが落ち着いてきて、これからまた何だってできるような気がしてきました。何しろ私はこんなに大きな遠くの街にいるのだから

部屋を後にしようとしたときクローゼットの扉が少しだけ開いているのがふと気にかかりました。窓を開けたせいで風にあおられて開いてしまたかもしれません。二階に上がったことを上司に知られてはいけないので、扉を閉めるために私はそこに近づきました。

扉の隙間からは妙な匂いしました。新築の家には似つかわしくない匂いです。手垢で小口が汚れた古い辞典をめくったときや、寂れた地下鉄の駅のホーム列車が来たときにこんな匂いかいだような気がしました。大工さんが中に何か忘れていったのかもしれないなと思って、私はクローゼットの扉を両手で開きました。

****

初めに「それ」を見たとき、私は大きな置物や等身大人形の類かと思いました。しかし「それ」は紛れもなく本物であるようでした。

「それ」を目にするのは初めてではありませんでしたが、こんなに乾いていてさびしげな「それ」を見たことはありませんでした。ほとんどミイラのようになっていたので、いわゆる腐乱臭のようなものは感じられませんでした。ひどく痩せていて、夕日が肉の落ちた腕やあばら骨の浮いた胸に濃く影をつくっていました。眼窩は落ちくぼんで暗くなっていましたが、色々な方向からのぞき込むと、小さな白い虫が奥の方でひっそりと蠢いているのが見えました。

夕暮れどきの時が止まったような不思議雰囲気のためか、私の心は奇妙なほど落ち着いていました。あるいは、日中の暑さで頭がうまく働かなかったのかもしれません。

ここでの私の仕事は、パラソルの下でお客さんを待ち、お客さんが来たら簡単説明質問応対を行い、時間が来たら戸締りをすることです。もし家の中に「それ」があったときには上司に報告したり警察通報したりするように、などという指示は受けていません。私はクローゼットの扉を静かにぴったりと閉めました。

部屋を出て階段の方に向かったとき、奥の部屋から何かの気配と殺気のようなものをふと感じました。私は子供の頃に大きな野良犬対峙したときのことを思い出しました。その犬からはまっすぐな殺意が感じられましたが、奥の部屋から漂う殺意には迷いがあるようでした。そこにいる何かが心を決める前に、私は階段下り玄関のドアを開けて戸締りをして、人通りの多い道を選んで駅まで歩きました。

****

ふと気が付くともう太陽が沈むところでした。私の目の前には誰かが立っていましたが、暗くて顔がよく見えませんでした。大丈夫ですかと尋ねられて初めて、私はその人が恋人であるとわかりました。

約束した時間を過ぎても私が家に来ないので迎えに来てくれたようでした。夏でもいつも平気そうにしているはずの恋人の額には汗が浮かんで、髪が少し乱れていました。

ぎゅっと心臓をつかまれたような気持ちになって、迷惑をかけてしまたことを謝りました。彼は私の頭のところにそっと手をやって、あまりにそこが熱くなっていたらしくびっくりしていました。こんなに暑いなのだから自分がそちらの家を訪ねればよかった、すみません恋人は言いました。そうやってベンチにすわってお互いに何度も謝り合っているうちに少し涼しくなってきたので、家に向かうことにしました。

手を繋ぐと、恋人の腕の内側の皮膚が私の腕に触れました。少し汗ばんだあたたかいその皮膚は、その下に肉や血の通った血管があることを教えてくれて、私はそれで少し安心することができたのでした。

今日晩御飯は一緒にピリ辛茄子素麺を作る約束をしています西瓜はすっかりぬるくなってしまったけど、水とたくさんの氷を浮かべたお風呂に沈めておけば、夕食の支度をして食べ終わった頃にはちょうど冷えているかもしれない。そんなことを話しながら、蒸し暑い夏の夜道を二人で歩きました。

2020-07-02

ハヤカワ文庫はたまに買うんだけど

ハヤカワ文庫〇〇ってのはそれぞれ何が違うのかとか

なんで背表紙の色が何種類にも分かれてるのかとかいまだに分からない

まあ分からなくても困らないよね

2020-06-17

ラミネートシールに挟まれて封された背表紙ベルに、意外に跳ねたラー油が染み入りました。

本そのものは無傷。

図書館へ素直に申し出るのが筋ですが、なんとかならないものかと考えてインターネットめぐりAmazonを探す。こうして悪知恵がつく。

インターネットの神よ、懺悔します。

2020-04-15

背表紙を見られないなら休館しているのと同じ」

という公開書架至上主義の人々は

いくらネットで予約すれば借りられると言っても

聞く耳を持たないのだろうな

2020-03-10

素人童貞の32歳が彼女を作ろうとマッチングアプリを使ってみた結果

スペック

執筆動機

結論から述べると、マッチングアプリでは彼女を作ることはできなかった。

けれども、2年間の経験から何も学ばなかったわけではない。そのことを再確認し、次のステップに進むために本記事を書く。自分を振り返り、失敗した点を反省しながら、絶望したり自棄を起こしたりしないように、時折この記事を振り返ることとしたい。

また、これからマッチングアプリを使う人にとって、参考になることがあればうれしい。確かに女性交際にまでは至らなかったが、全然マッチングしなくて困っている人には、役に立つかもしれない。

使用したアプリ

pairsとwithを使用。それぞれの仕組みは基本的に同じ。検索条件で異性を絞り込み、気になる相手に「いいね!」を押す。互いに「いいね!」を押すとチャットができるようになる。どちらも、毎日ランダム無料で「いいね!」を押せる相手が出てくる。

プランはどちらもプレミアム的なもの選択。これだと通常1か月に付与される「いいね!」が30回から50回に増える。

この二つのアプリ仕様はよく似ている。どちらもコミュニティに入ることで共通趣味や興味関心で検索ができる。ただし、withのほうがおおよそ2週間に1度DaiGoによる心理テストがある。そして、このテストにより相性がいいとされた異性は「いいね!」を1日に10人までなら無料で押すことができる。適度に「いいね!」を押す相手が入れ替わるし、無料で選べる相手が増えるのはありがたいが、心理テストのたびにDaiGoドヤ顔を毎回見ることになる。

アプリのもの使用

pairsを半年、しばらく休んでwithを1年半使ってみた。結果、どちらが特に使いやすいということはなかった。しかし、どちらも毎日ログインすることにより無料で「いいね!」に交換できるポイントがたまっていく。普通に使っていれば毎日ログインボーナスがもらえるのでありがたいのだが、まるでアプリこちらの行動を支配というか指示されている気がするのはいただけない。ソシャゲの類をやらないので、そうしたことが煩わしく思えてしまう。

使い勝手のものはいいのだが、こうやって様々な条件の女性が並んでいるのは、カタログみたいで興ざめというか殺伐とした気持ちになる。それに、相手女性が何人からいいね!」されているかも表示されるので、野菜か何かの品評会みたいだ。18歳のビキニ女性に3000近くものいいね!」がついているのを見るとやりきれない思いがする。谷間を見せたりしているだけでも露骨に「いいね!」がついているのも、あまり気持ちのいいものではない。自分おっぱい大好きだけどさ。

逆に、「いいね!」をたくさんもらっている男性プロフィールも参考にすることができるのだけれど、僕の苦手なさわやかな人間写真が出てきたので、即閉じた。

具体的な戦略

プロフィールはできるだけ詳細に書いた。それから、友人と楽しそうにしているところをサブ写真に選んだ。コミュニティはできるだけたくさん入った。自分読書が好きなのだが、読書コミュニティだけではなく、作家ごとのコミュニティにも入った。こうすることで、共通話題の多い女性を探しやすくなった。

こちからいいね!」を押すのは、大体20から40くらいの「いいね!」が押されている相手を中心にした。何百もの相手からいいね!」をされている相手からすれば、当然埋もれてしまうからだ。弾の無駄打ちはしたくなかった。確かにお金を払えば「いいね!」する回数を増やせるが、すでにプレミアムプランを使っていたので、その必要はないだろうと判断した。それに後述するが、自分は同時進行が苦手だ。

相手女性は、自分と同じ内向的読書家で、美術館が好きそうな人を中心に「いいね!」していったが、もしかしたら意外と相性がいいかもしれないと思い、例えば国内旅行登山好きな人も選んでみた。ガチ勢ではないが、友人と富士山に登ったことはあるので、新しい趣味として開拓してもいいかもしれない、と考えたのだ。結局そういう相手とは会話が続かなかったけれど。

結婚歴は未婚を選んだ。もしかしたら、離婚歴のある人のほうが優しくしてくれるかな、とも思ったのだけれど、今回はやめておいた。やっぱり過去の人と比べられてしまうのが怖い。御覧の通り、僕は器が小さい。学歴は初めのうちは気にしていなかったが、結果として高卒よりは、大卒専門学校卒のほうが共通話題も多く、話は長く続いた。

メッセージを同時進行するのは気が引けたが、相手もそうしているだろうし、そこは割り切ることにした。ただ、自分の頭の処理能力を考えて、3人までの同時進行とした。どのみち、同時進行でデートに誘うことができたケースは1回だけだった。自分はそこまでモテるわけではないので、そうした心配はしなくてもよかった。

会話をして1~2週間してから実際にデートに誘った。そこで音信不通になるケースもあるので、実際にデートができたのは1か月に1度か2度だ。

デートの雑感

もともと、デートした各相手について項目を立てて論じようかと思って手帳を取り出していたのだが、馬鹿らしくなってやめた。10人以上の相手それぞれについて思い出すのも大変だし、振られた相手なのだから面白くない。それに、細かく書いていくとねちねちした恨み日記になってしまう恐れがあるので、細部は省く。

結果だけ言うと、様々なタイプ女性と会った。たいていは常識的だったが、中には残念ながら失礼な相手もいた。

ひどいケースだと、こちらを一目見るなりムスッと黙り込んで、理由もわからないまま不機嫌な相手水族館を回る羽目になったこともあった。2回目のデートで「ごめんなさい、やっぱりあなたとは恋愛できそうにないです」と告げられたこともある。誠実な人柄を感じたので諦めもついたのだが、その直後に「あなたの顔って、面白いですね」などと言われたのには傷ついた。男性女性に対して敬意を欠いた失礼な態度を取るのが許されないのと同様に、女性男性自尊心大事にしてほしい。

まだマシなケースでは、会話が弾まなかったり、恋愛対象にはならない相手だって互いに気づいてしまったりした。でも、これはどっちも悪くない。需要供給が一致しなかったのだ。

でも、マッチングアプリを使っているうちに、1回で終わるデートが2回目に続くことがぽつぽつと出始めた。

そこで、ある女性と3回目にデートした時に告白した。3週間連続デートできたので、これは間違いなく行けるだろう、と思ったのだ。けれども、彼女は驚いた様子で返事を保留した。僕は待つことにした。そして、7回目のデートの後、8回目のデートリスケジュールの途中で、彼女音信不通になった。

さようならを言う機会さえ与えられなかったのか、と思うと吐きそうだ。悔しい。小説漫画音楽趣味がぴったり合って、普段ならできないディープな話を何時間してもお互いに飽きなかったのに。

そういうこともあり、一緒に見に行った岩井俊二三谷幸喜映画まで嫌いになったし、彼女が好きだと言っていた東京事変の印象も悪くなってしまった。すすめてくれた「子供はわかってあげない」や「北北西に曇と往け」も背表紙が見えないように逆にして本棚に置いている。ついでに、「パラサイト」を見に行こうという話になっていたのだが中止になったので、ポン・ジュノ監督映画はしばらく見たくないし、ついでに是枝裕和監督のことも褒めていたので、当分この監督作品を見ることもないだろう。なんというか、自分の好きだったものまで嫌いになってしまいそうでみじめだ。しばらくすれば、またまっさら気持ちで好きなものを好きだと思えるようになるはずなのだけれど。しばらくは映画を見たいとは思えそうにない。

きちんと「一緒に過ごして楽しかったけれど、あなたとは交際できません。ごめんなさい」の一言があれば、ずっと救われていたのに。その程度の言葉をかけるのも面倒くさかったのか。そこまで軽んじられているのかと思うと情けなくて泣きそうになる。そういえば、本名を教えてくれた時も、男性でいえば鈴木一郎みたいな感じだった。そもそも偽名だったのかもしれない。そういえば遅刻魔だったのも、僕のことなどどうでもいいと思っていたのだろうか。それとも、本当に事故にあったのであろうか。心配でならない。

こういう時に限って、過去恋愛のみじめな失敗を思い出す。例えば、大学時代片思いをしていた女性から童貞馬鹿にされたこととか、前の職場の同僚の女性から面と向かって恋愛感情を見せたわけでもないのにいきなり迷惑だといわれたことだとか、告白したけれどもやっぱり保留にされて、1年以上たってから振られたこととか、とにかくみじめな失敗ばかり浮かんできて仕方がなかった。

そして、残念ながら2年間で1度も手をつなぐことができなかった。

成長した・学んだポイント

  • 自分他愛ない話で笑ってくれる女性がいるとわかった。これだけでも大収穫。
  • デートだけならしてくれる人がいる。
  • 数年ぶりに3回以上デートしてくれる人もいた。
  • 女性を過度に理想化しなくなった。素敵な人もいれば身勝手な人もいる。
  • 1回や2回のデートで振られても気落ちしないようになった。
  • 需要供給が一致しなかったのだと開き直ることを覚えた。
  • 女性から失礼な態度を取られたとしても、その程度のやつだった、と割り切れるようになった。
  • 女性嫌悪に陥りそうになったら、深呼吸するようにした。
  • そして、家族や同僚が優しくしてくれた時のことを思い出すよう心掛けた。
  • 勘違い野郎にはならないで済んだ。
  • 異性から馬鹿にされる、敬意を払われないことはこれほどまでにつらい。
  • 自分がされて嫌だったことを他人にはするなんて、したくない。

近況

現在音信不通、という最悪の結果を受け入れてから2週間ほどだ。正確にはラインの返事が来なくなってから4週間、こちからの催促のメッセージが未読のまま3週間が過ぎた。土日はジョギングをするほかは、家に引きこもって寝ているばかりだ。コロナウイルスのせいで、美術館に気晴らしに行くこともできない。仕事にも集中できない。失恋した直後は同僚のなんということのない口調に激昂しそうになった。その時は1度席を離れて6秒数える、アンガーマネジメントを試みた。しかし、腹の虫がおさまらなかったので、100まで数えることを3度やった。さすがにこれは効果があった。とはいえ、そのあと結局体調を崩して職場を2日間休んだ。

今日も最低限のパフォーマンスは確保しているが、突然襲ってくる虚無感は抑えがたい。手が止まってしまう。それでも、原因がわかっている落ち込みだから対処仕様はある。

いやっほーい、自由だ! これから風俗で未経験プレイたっぷりしんじゃうぞ! うひひ! みたいな気分になることもないではないが、それはちょっと躁状態ときの考えだ。本当は、自分好きな人と手をつないでデートしたり添い寝したりしたいのだ。まるで人生の実績解除みたいに、複数プレイに興じたり、白人美少女と寝たり、メイドさんにお尻ぺんぺんしてもらったりしても、そこまでの喜びはないのだと思う。

今後の展開

自分恋愛対象としては魅力的ではないのかもしれない。そのことを身をもって体感させられた。しかし、それで絶望するつもりはない。結婚相手としてなら考えてくれる人もいるかもしれないからだ。

もともと自分結婚願望が強く、子供も欲しい。マッチングアプリからの疲れから十分に回復したら、そういう条件で折り合ってくれる人を探してみたく思う。マッチングアプリは単純に素敵な彼氏彼女を見つける場所で、僕に対する需要が少なかった可能性がある。

それに、結婚相談所にはアドバイザーがいる。なんであれ、苦手だったり詳しくなかったりする分野の出来事に立ち向かうには、専門家相談するのがいいはずだ。病気になったら医者にかかる。進路相談には学校や塾の先生相談する。悩んだらカウンセラー相談する。それと同じことだ。

かに自分の生涯にはロマンチック出来事は少ないかもしれない。自分高校大学時代の甘酸っぱい恋愛にあこがれたが、失敗してきた。こういう絵にかいたような青春が欲しくて、人生をやり直したくなり、胸が苦しくなることもあるが、自分10代、20代にそうした恋愛に挑戦し、敗れてきた。そのことは悔しいし、無力感に押しつぶされそうになることもある。恋愛を扱ったテレビを見るのも苦痛だ。元カレ元カノという言葉を聞くだけで、複数相手と付き合ったことがあるのだという事実を見せつけられている気がして悔しい。だが、それでもチャレンジしたことは恥じてはいない。行動せずに文句だけこぼしていたよりは、ずっとましな人生を送ってきたはずだ。

最後

長々と読んでくれてありがとう

つらい失恋の渦中にある人が慰められるといいと考えて執筆した。

そしてこれを読んで一歩踏み出す勇気が出る人がいたら、もっとうれしい。

これは失敗の記録だ。だが無意味ではない。

泣いたっていい。気が済んだらもう一度アタックする。

女性から断られる勇気がまた出てきたら、それは3か月後か半年後かわからないが、またチャレンジしたい。

追記(3/11早朝)

たくさんのコメント、本当にありがとうございます。励みになりました。

ここまでコメントをともらったのが初めてで、すべてにレスポンスはできないのですが、こちらも勇気が出ました。

一言だけ。手を繋げなかったのは、相手がずっとポケットに手を突っ込んでいたからです。

それと、美術館リストを紹介してくださった方。ありがとうございます。参考になります

皆様も、恋愛・友人を問わず、良縁に恵まれますように。

2020-02-12

本の背表紙が好き

TSUTAYABOOK・OFF雰囲気が好きで会社休み時間はよく本屋に出向く

しかし思い返してみるとここ1年間くらい仕事関係以外の本を1冊も読んでいない

本屋はいつも実用書や新書のコーナーに行く

こんな健康法があるのか、この本とあの本はタイトル似てるけど内容被ってないか心配だな、この作者は思想が偏ってるな……、なんて考えながら、ほとんど本棚に手をかけることはない

たまに手に取っても表紙と目次を読んだら満足してしま

そんなんだからいくら本屋へ行っても教養は身につかないし、こうやって増田投稿する時に己の文章力を嘆くことになってしま

久しぶりに本を買わないとな、と思う

とりあえず小説コーナーにいくことから始めよう

2019-12-27

自分を優秀だと思い込んで人が退職した

自分の事を才能と知性が溢れ、冷静で思慮深く寛大な心を持ってると思い込んでた元同僚、退職してくれてありがとう。あれから数ヶ月職場平和です。

・所定の位置書類収納出来ない。書庫の扉に●●置場、ファイル表紙・背表紙に●●と書いてあっても△△置場に●●のファイルを入れてしまう。色分けをしても出来ない。

関数だけならまだしもマクロも壊す。関数はシート丸ごとを非表示にしてるのに「何もしてないのに壊れた」と言う。(しっかり再表示させたまま) マクロに関しては読めない癖に「この部分は機能していないから削除した」と心臓部分をごっそり削除。

歴代担当者は1ヶ月に1件しかエラーを出さなかった処理をやらせると毎日20件以上エラーを出す。複雑なものではなくチェックボタンを押すだけ。当人曰く相当な技能必要な事でこれくらいのミスは許容されるべきと反論される。

・謝らない。自分ミスを指摘されると激昂する。「ごめん!ここAからBに書き換えてくれるかな?」って優しく言ってもキレて机を蹴る。

・舌打ち、ため息、睨み、無視、会話中に背を向けて他の作業をすると言った一連の行動を慎むよう指摘すると、「そんな事はするはずが無い。現にこうやって冷静に会話をしている」と怒鳴りながら捲し立てる。そういうのもやめようねと諭すと無視

どこに自分を優秀だと思える部分があるのか未だに謎。

2019-12-07

実家黒歴史ノートが大量にある

小学生高校生の時に、オリジナル漫画を描いてのだが、そのノートが大量に実家に残っている。

数えたことないけど、本棚を埋め尽くすほどなんで、千冊近くはあるんじゃないだろうか。少なくとも1番長い話で、ノート200冊を超えてた。

本棚に、みっちりはいってるので、背表紙部分しか見えない。一見すると昔使ってた勉強ノートみたいな感じで、特に問題無い。

しかし、ノートの表紙には、きっちり恥ずかしい絵と文字が描かれていて、一たび本棚から流出した瞬間に、甚大な被害が発生する状態だ。

現在自分は、すでに成人し、結婚し、実家を離れていて、漫画は一切描いていない。

妻には、恥ずかしいんで、漫画を描いていたことは一切言ってない。さらに、おかげさまで、今月子供が生まれる予定だ。

もし万が一、妻とこれからまれ子供に、あのノートを見られたら、一家の長としての尊厳は、完全に失われる。

実家には、いわゆるエロ本とかも残っている。しかし、量が少ないこと、ノーマルな内容であること、隠した場所自分でもすでに忘れてしまたこからエロ本を見られることには、何の心配もしていない。

しかし、漫画ノートについては、量、内容ともにアブノーマルであり、部屋のど真ん中に堂々と鎮座していて、思い出しただけでも吐き気がする状態だ。

妻と一緒に帰省しても、妻がノート群に興味を示したことがないため、問題にはなっていない。

しかし、この先、あらゆるもの好奇心を示すはずである子供が生まれるわけで、これは確実に破綻する。確実に。

実家が遠くて、年に一回程度しか帰れないこと、あまりノートが大量に存在するため、捨てるにしても大変であること、捨てるといきなり本棚が空になって、妻も実家の両親もびっくりしてしまうこと…以上から、捨てるのも難しい状態だ。

どうしたらいいんだろうか。

漫画を描いていた時は、こんなことになるなんて微塵も思っていなかった。しかも、何年も時間をかけて一心不乱で続けていたことが、今自分を苦しめるという悲しい状況。別に何も悪いことはしてないのに…。

誰か助けてほしい。

[] #81-3「AIムール」

≪ 前

ブースに近づくと、担当らしき人物が俺たちに声をかけてきた。

「『AIムール』に興味がおありですか?」

「うわっ、びっくりした!」

「俺は、お前の“びっくりした”って声でびっくりした」

「だ、だって、この人がいきなり近くに……」

実際は俺たちが近づいてきただけで、その人は最初からそこにいた。

タイナイは声をかけられるまで全く気づかなかったようだ。

「こ、声をかけるなら、僕らがもっと離れていた時にお願いできませんか」

申し訳ございません。あなたパーソナルスペースを把握していなかったので」

失礼な反応ではあるのだが、まあ無理もない。

その人は他のブース担当者たちと比べて、覇気がまるで感じられなかったからだ。

「『AIムール』って、僕たちの学校近くに最近できた“アレ”ですよね?」

「その通りです」

俺はそのときになって初めて、あの建物が『AIムール』という会社であることを知った。

タイナイは情報中毒(略して情中)だったため既に知っていたらしいが。

いや、この場合は俺が無関心すぎた、といった方が正確だろうか。

パンフレットをどうぞ」

担当らしき人は淡々とした対応で、おもむろに小冊子を差し出してきた。

何だか変な感じだ。

他のブースでは皆すごい気概があったのに、ここの人は「別にもこなくていい」と言わんばかりに冷めている。

参加者全然集まっていないようだったが、そのことに対する焦燥感はまるで感じられない。

こちらに会社概要が書かれております

受け取った小冊子は無線綴じになっているようで、背表紙にもタイトルが書かれている程に分厚い。

この場で読ませるものとしては些か重たくないか

「まずは目を通していただければ」

しかし俺たちは担当の不気味さに気圧され、言われるままそれを読み込んだのだった。


そこに書かれていることによると、『AIムール』とは「AI人間向けのサービスを如何に助けるか」という理念のもと設立された社会的企業らしい。

技術開発が進んだことで、今まで人間しか出来なかった事業も請け負えるようになったんだとか。

「この『AIムール』って会社自体AIロボットが中心で働いているのか」

「へえー、随分と意欲的なんだね」

そしてパンフレットを読んでいて最も納得したのが、『AIムール』の“大本”だ。

「あ、『ラボハテ』が本社だったのか」

そこなら俺も知っている。

技術開発、特にロボット製作で有名なところだ。

様々な事業実験的にやることでも有名で、この『AIムール』もその一環なのだろう。

AI中心で仕事をやる会社なんて、先進的すぎて勇み足だと思ったが、あそこが関わっているのなら理解できる。

だが、それによって新たな疑問も浮上した。

「あの、すいません。職場体験とはどういった内容になるんでしょうか」

タイナイは担当者にそう尋ねる。

俺も気になっていた。

AIが働く職場なのに、そこで俺たちが短期的に働いたところで何を体験できるというのか。

「主にやっていただくことは、AIとコミニケーションをとって、その内容を報告していただくことです。その記録を基にAIに不備がないかなどを調べることができます

なるほど、ある意味で納得した。

要はモニターが欲しいってことだ。

担当者の淡白対応も、元々は募る気がなかったのなら説明がつく。

AIムール』は最近うちの学校で“大きな支援”をしたから、学校側が気を利かして枠を用意したのだろう。

次 ≫

2019-10-29

anond:20191029175542

マイナーものでも電子書籍化される可能性が高いサイトはありますか?

いまだと一つのサービス配信されたなら他のサービスでも配信されるでしょ。

背表紙」「そで」「裏表紙」が見れる電子書籍サイトはありますか?

プラットフォームよりもコンテンツ側の問題であることが多いんじゃないの。

出版社によって、あるいは作品ごとに、どこまで収録されるかはまちまちだよ。

電子書籍サイトどこがいいの…?

電子書籍特にマンガはどこがいいのか教えて欲しいです。

普段利用しているのは KindleKindle unlimited で読んで気に入ったらセール時に購入しています。(実用書やラノベメイン)

家族にこれ以上は(物理的に)本を増やすなと言われてしまったので、コミックスもそろそろ電子書籍で購入しないとと思って

色々見比べて無料本とかをアプリダウンロードして試し読みしている状況。

購入予定のジャンル参考にレーベルあげます

追記

反応ありがとうございます

いまだと一つのサービス配信されたなら他のサービスでも配信されるでしょ。

サイトによってジャンルの得手不得手があるとのことでしたので特化したジャンルがあるのかと思いましたが、時差はあれどどこでも配信されそうですね。

個人的に問い合わせて返事がきたところを情報共有しておきます

Kindlehonto さんでは残念ながら「背表紙」が追加される機能がなく、可能性も未定とのことでした。

今の所は、実用ラノベKindle、「背表紙」を並べたいコミックスなどは ebookjapan‎、書籍電子も欲しい場合honto(購入した本の電子版は半額になるため)で揃えようかなと思います

ありがとうございます

2019-10-01

紙の本って頭いい人アピールだよね

俺はこんな小難しい本を読むインテリなんだと電車の中で背表紙で主張する

紙の本を買う連中は自慰意識過剰で気持ち悪い

2019-09-10

anond:20190909222633

ずらっと並んだ背表紙を眺め続ける増田の姿を想像したら心配になってきた

2019-09-09

[]

マンガ倉庫にてプレミア本を300円でゲットした!!!

この興奮は超ーーーーーーーーー久しぶりで、結構キドキした!!!

まあプレミア本っつっても買取価格4000円程度なんだけどね

昔はこういうの割とよくあったのに最近ほとんど見かけなくなっちゃったからなあ

最初見つけたとき値段下がった再販版かなんかかなと思って一応ネットで調べちゃったわ

平積みじゃなくて棚に刺さってたか背表紙だけでわかる人にしかからなかったからこれまで無事だったんだろうな

直前買い取りコーナーでとあるもの査定出そうとしたら古くて買い取れませんって言われてちょっとむかついてたからウサはらせた感じ

さな幸せ

宝くじ1万円分連番で買ったのが当たったような感じだわ

フリマ奥ならもうちょい高く売れるかな

中身も興味なくもなかった本だからさっそく開けてなかみようかなー

わくわくふんふふーん

2019-08-23

anond:20190823120243

わたし夏休みに『太宰治』を読みました。この本の表紙と背表紙には「走れメロス」という副題も付いていました。きっとこの物語主人公である太宰治さんがメロス応援する強い気持ち、それが表紙に念写されたのでしょう。誰が書いた話なのかはわかりません。作者不詳の民話のようなものなのでしょう。

いきなりメロスは怒っていました。わたし最近怒ったのは、お母さんが冷蔵庫アイスを食べてしまたことなので、メロスもきっとそれに怒っていたに違いありません。メロス気持ちはよくわかります

途中でセリヌンティウスという初めて聞く単語が出てきました。去年の夏からずっと居間ゴロゴロしながらワイドショーを見ているお父さんが、今日居間ゴロゴロしながらワイドショーを見ていたので「セリヌンティウスってなに?」と聞くと「知らん。牛の名前か何かだろ」と答えてくれました。わたしもいつかセリヌンティウス牛丼を食べてみたいと思いました。

ここまで読んだところで右手左手の握力がなくなってきたので、続きは明日読みます

明日になりました。続きを読みます。ページを開くと、冒頭に「恥の多い人生を送ってきました」と書かれていて「あれ?違う本かな」と思って表紙を確認しましたが、そこには昨日と同じく『太宰治』とあったので、同じ本でした。アイスの件で怒りがこみ上げていて見落としていたようです。

メロスセリヌンティウスに「ウザ。ウザ」と言われていて悲しい気持ちになりました。メロス自分の命をなげうってセリヌンティウスをわざわざ助けに行ったのに、セリヌンティウスはそれをウザいと唾棄したのです。まったく、この牛は信じられません。出荷されればよかったのに。

最後のシーンで、メロスが宿敵のカルボナーラ兄弟から魔法書「セリヌンティウス」を奪還し、スーホの白い牛に乗って火星に帰っていくところは30回読み返しました。泣きながらこれを書いています

太宰治』を読み終わって「これはわたしのことを書いている」と衝撃を受けませんでした。来年の夏は『夏目漱石』という本を読もうと思います

2019-08-01

anond:20190801171311

うわ、こんなにたくさん。ありがとうございます

全部買うだけかって積読しといてもいいかなと思ってきた。

バッドカンパニーは以前書店で見かけて背表紙見かけて気になってた(ジョジョで同じ名前スタンドがいたなあ…なんて思ってた)

ので買って帰るよ。今夜読むね。

告白映画で見たけど小説だとまた違うだろうからこれも読むよ。

本当にありがとう

2019-07-28

君が代に貼る校歌プリント

小学校の時の音楽教科書、一番後ろのページにある「国家」。

学年が上がり先生が変わるたびに、校歌歌詞印刷した紙を貼らされた。

となりに真っ白い背表紙があるのだからそちらに貼ればいいのに、わざわざ君が代に被せて貼らされた。

子供ながらになぜ?と聞くと、背表紙はツルツルしていて貼りづらいでしょう、と言われて、そんなものかと納得した。

大人になって、それは一種政治思考だと知って、怖くなったし、反戦を呼びかけるには方法として悪手だなと感じた。

子供教師という立場ステルス思考押し付け存在に対して、プラス感情を抱けるかというと、とてもじゃないけど抱かない。

悲しい戦争を繰り返したくないという思想には共感するけど、そのために国歌を排するというのは、どうかと思う。

指示してきた先生の年齢は年配の人が多かった気がする。

あの頃から15年以上経っているけど、今もあの慣習は変わらず残り続けているのかな。

2019-07-16

本屋めぐり

といっても、モルタル店舗書店めぐりじゃなくて、ネットでの本の私的買い方のご披露

🐢

まず最初に、最大手(だよね?)の某「A」サイトで目指す本を検索する(1店目)。大概はヒットするので、おもむろに検索結果を開いて先ず確認するのは出版年月、定価、古書の有無。ここで古書の取扱があって、(送料+価格)が定価以下、品物の評価が「良い」以上、加えて取り扱いの古書店が既に買ったことのある自分的に実績のあるところか、取り扱い点数が万以上で「悪い」評価が1%以下のところであれば注文する。知らない業者場合プロフィール確認して、住所からストリートビューで現地を確認、実店舗があるなら安心材料となる。まあ、最近ネット専業の古書店が増えてて、ストリートビューで見つけると閉店した仏具店だったりして、う〜んとか唸っちゃうようなことが増えてるけど。

「A」サイトでの古書の取り扱いで適当ものが見つからないときには、「日本の古本屋」へ直行(2店目)。検索して、1店目と同じような条件での取り扱いがあるなら注文。知らない業者ときは、やはり実店舗があるなら安心材料となる。「日本の古本屋」では取引の手順ひとつずつが専用のメッセージシステムでやり取りできるので、古書店主との「膝突き合わせて感覚」があって安心感がある。

さて、「日本の古本屋」での取り扱いが無いときには、残念ながら古書での購入を断念。再び「A」に戻って(3店目)新品での購入となる。ただしここで気をつけないといけないのは、ときどき外部業者による取り扱いが優先表示されたりすることだ。発送元と送料を確認「A」サイトの発送なら安心できるが、発送元が外部業者で、送料がかかっているときには手を触れないようにする。ひどいところになると、千数百円の本に800円も送料とったりするからね。新聞書評欄やテレビ番組で紹介されたりすると新品が欠品、それと同時に在庫を確保している外部業者が乗り込んできてるみたい。

「A」サイト古書も新品も買えないときには「紀伊国屋ウェブストア」に向かう(4店目)。取扱量が多くてお客が沢山集まる所為で欠品となりやす「A」サイトとは違って、こちらには在庫が余裕であったりする(規模の経済の“明るい陰”の部分、とでも云うのか)。ということで、欲しい本は大概この4店目までで入手できる。

🐢

公共図書館とか大学図書館という手もあるし、どちらも近所に揃ってるから使わない手はない――とは思うんだけど、手許に本があるかどうかというのは重要なんだよね、きっと。読みたいときにすぐに読めるかどうか、配架しなおしながら背表紙を眺めて考え事をするとか、そういうのはやはり自宅の本棚じゃないとできないから。

場所とるし、重たいし、お金かかるし、埃がたまるけど、やっぱり手に取れる物理本が好きだ。

2019-03-28

anond:20190328160049

ツタヤ図書館」って問題になってたじゃん。時代遅れマニュアル本を公的図書館TSUTAYAでの売れ残りと思われる本を置いて蔵書数を水増したとかさ。図書館運営費用は市町村から受け取りながら、同じグループTSUTAYAから買い上げる的なことをしていたという。加えて、壁や棚の見栄え良くするために、背表紙の絵だけで誤魔化したりとか。

(こんなにもCCC意味理解していない人が多いとさ。元増田の同僚がCCC意味理解していたのかどうか、適当に会話を合わせていただけではないのかという疑問が起きるけどさ)

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