はてなキーワード: 同棲とは
ただのポエムです。
仕事が手につかないので吐き出したくなった。
昨晩3時半まで語り合った。眠いし泣いたせいで目が腫れていてつらい。
話し合う余地があるだけお互いに気持ちがあると思いたいけど、一時期は本当に終わりかと思った。
彼の言い分はもっともで、
私は女のくせに(これは彼が言ったわけではなく一般論的にこんな言い方になる)、家事全般やりたがらない。
彼はさみしがりで尽くしてほしい人なので、もっと自分に構ってくれという言い方をしていた。
私はエンジニアでばりばり働いているので帰ってくるの遅いし、
帰ってきたらご飯お風呂済ませて洗濯機回しながら寝るまでの時間はゲームをしている。
彼は愛情深くて夜求められることも多いけど、もともとそんなに行為が好きではないこともあって、
なかなか応えられないことも多くて、我慢ばかりさせていた。
ここ2~3週間、上のことは改善してきた。
でもそれが逆に彼の心に障ったという。
「いままでやってきてなかったくせに」と言われて、「たしかにそうだ」と思った。
そこまで不満を溜めさせてしまった私がよくない。
たとえ一緒にいることが居心地よくても、ずっと一緒にいる以上、いつかは不満も出てくる。
彼は自分ではない。
だから分かり合うためには言葉が必要だし、お互いに譲ることも必要だと思う。
それはこの先、死ぬまで一生ついてくる。
1年目は遠距離で、彼と生きていくことを諦めようと思ったことは何度もある。
それでも、彼がいいと思って私はここにいる。
なぜそう思ったのかは正直なところ明確な答えがない。
結婚してるひとたちってどう乗り越えてきたんだろう。
一緒にいる時間を積むごとに、うまい方法を見つけていくものなんだろうか。
お互いに匙を投げない気持ちだけあったら、きっと乗り越えていけるんじゃないだろうか。
彼女は少し前に婚約し、現在同棲している。しばらくしたら結婚するようだ。
私は彼女が好きだ。
だが今更どうしようもない。彼女は結婚秒読みだ。それを壊す気も何かをする気もさらさらない。
幸せになってほしい。
彼と幸せになってほしい。
私は彼女に想いを伝えることはせず、ひとりの友人として付き合っていくことに決めた。
ありがたいことに彼女は私を信頼してくれており、日常の色々な話をしてくれる。
彼がこんな話をしてくる。
彼が好きな映画に二人で行った。
彼のためにこんな夕飯を作った。
彼が。彼と。彼に。彼は。
彼はとても優しく、彼女とうまくやっているようだ。
どうか彼と幸せになってほしい。
ただ、話を聞くたびに胸がぐっと苦しくなり、
寝る前に涙を流してしまう。
彼女が好きだ。気持ちを伝える気は無い。友人として彼女の生活のごく一部になりたい。話を聞くのも楽しい。けれど涙が出る。
コントみたいだね。
煽りグズ、何かようか。
同棲してるし俺に隠れて食える訳ないからな(資金管理は俺任せ)
薬が効いてきて、やっと痩せ始めた。
貯金をはじめてから半年後、彼女の親から娘に内緒でお金を貸して欲しいと言われた。
複雑な事情を聞き、彼女を助けるためでもあると思い承諾して振り込みをした。親の人となりも知っていたし悪い人ではないと考えた。半年後までに返ってくればそれでいいと思った。
小分けに返してもらったが、振り込みは一度ではその場しのぎにしかならず何度か重なり、半年たっても2/3は返ってこず自分の手元には目標の半分程度のお金しか残っていない。
彼女の親は家具家電を揃えてくれることでその分の返済にするといってくれた。借りてる分以上の物にして返すと。忙しく引っ越し準備をする自分にはありがたい話であった。実際自分だけの予算内で揃えられなかったであろう家電が揃っていく。
ただ自分の頑張りが全て無くなったようで悲しい。それ以上で返して貰ってはいるが、彼女の中で自分は何もしていないのだ。準備を進め資金繰りをしているのは彼女の親なのだから。
https://toyokeizai.net/articles/-/266796
この5年間、就職活動をしたこともあったが、一度も定職には就いていない。では、ケンジさんはどうやって生計を立ててきたのか。
ケンジさんは5年前、遠距離恋愛の女性と同棲を始めた。関東地方で暮らす女性の元にケンジさんが移り住んだのだ。彼女は会社員。彼はいわゆる“専業主夫”になった。
これ、乙武さんや東大生ほどの勝ち組ではないけれど、学歴に換算すると早慶合格レベルの社会的強者ではあるだろ。
このような性的強者を、あたかも恵まれない弱者のように扱う記事は止めて欲しい。
こうしたイラストを「百均で買ってきた材料で、さらさらっと描いちゃうんです」という。将来は、この才能を生かせる仕事に就いてほしい、それがチエさんの願いだ。
絵の才能まであるらしいし。
丁寧にありがとう。
彼自身はまだいいけど、背景は無理そう……
でももう、29なんだよね。
しかも社宅から出て同棲してて、私が追い出されることになるんだ。
彼はこの話をすると怒る。
彼母はキレやすく、彼もキレやすいから説得できないんだろう(説得もクソもないけど)
ちょっと将来像をしっかり考えてみる。
2年同棲してる。
彼母の都合で顔合わせが1年延期になった。
私の親は
「嫁にいくんだから、彼母知ってて当然」
(顔合わせは絶対にするべきだ)
彼母は意固地でヤンキーみたいに柄悪い。
顔合わせの日取り決め(何月にするのか)をお願いしているのに、全然やろうとしない。
元々決めていた日取りから、彼母の個人的理由で1年待った挙げ句、まだ待たされる可能性があるらしい。勘弁して。
「嫁は~しなければならない」と良くいっていたので、ヤバイ姑になりそうな気もする。
私の両親が亡くなっても、まだ生きている可能性はある。
あー、だるっ
また不感症になった。
久しぶりなわけではないが、もともと感じにくいのでいつぶりかは分からない。
まず、行為の回数が減った。
交際期間はまだ一年程度だ。半同棲から今は本格的に同棲している。
セフレがいたことがあるような人間に、こんなに早く飽きられるものかと悩む。
しかし、1日に何度も行為に及んでいた時期はそう昔の話ではない。
頻度が減った理由は、私の見た目やスタイルの醜さ、もともと感じにくい身体など、自分のせいだとしか思えない。
相手に甘えている未熟な私は、ハッキリと「私に魅力が無いから?」とよく聞く。
落ち込みが増して相手に悪い刺激を与えるような態度でした質問に対して、「別に」「勝手に思い込んで落ち込まないでほしい」といわれた。比較的お互い落ち着いて話し合ったときは、「今は自分のことで精一杯だから余裕がない」と言われた。自分のせいかと辛くなった時はその言葉を思い出す。
しかし、相手への理解を深めようとする姿勢をへし折るように、相手と同じように自分のことで精一杯のはずの私の性欲は湧き上がりやがて相手への不満となる。
セックスはしたい
したいといえば、してくれる。
したいという気持ちにやっと応えてもらった矢先、先走る気持ちについてこれない体は行為中に完全に乾き、相手に心配をかけ、意気込んで及んだはずの行為は中途半端に終わる。
そんなことばかり繰り返していた。
自分の姿を醜いと思うので、そんな自分が交際相手にセックスという大胆な行為を求めることも非常に申し訳なく、恥ずかしく感じる。
セックスはしたいが、誘おうとしない男を誘って、誘いに乗った価値のあるような時間を提供できるわけではない。
セックスしたところで、私に対してほとんど行われない前戯に傷つくことにも疲れた。
勇気を持って「今の前戯ではあまり濡れない」と伝えたが、変わらなかった。
それでも交際相手としたいと思って、求められない日々に、思ったように愛されないことに勝手に傷ついてしまう。
自信が日々失われていく。
気がつけばしたいはずのセックスで得るものは虚無感だけになっている。
昨日挿入前に相手が寝てしまっておあずけになった分を取り返したはずの今日は、嬉しさすらなく「気持ち良くないな」「したかったはずなのに楽しくない」という感情で頭がいっぱいだった。
3年前の冬の話だ。
その時の俺は25歳。大学院修士課程を終えて就職したから、社会人2年目が終わろうかという冬だった。
地元は関西だが、就職を機に関東へ引っ越してきた。家族とも友人たちとも離れた場所で一人暮らし、仕事もまだまだ慣れない、そんな生活に孤独感が日に日に強まっていた。
俺には彼女がいなかった。
しかしその時の俺は、寂しさを紛らす相手が欲しいと思っていた。
俺の会社には、昼休みになると食堂の入り口に保険のおばちゃんが何人か集まってくる。入社したばかりの右も左も分からない若者たちを捕まえて、保険に加入させようとするのだ。来るのはいつも決まった三人。一人は矢口真里に似た、ぎりぎりお姉さんと呼べそうな女性。一人は椿鬼奴に似たおばちゃん。一人は小泉今日子似のおばちゃんだ。
俺は小泉今日子と仲が良かった。矢口と椿は保険の話をしてくるのに対して、キョン2とは一度も保険の話などしたことがない。俺とキョン2の会話といえば、乃木坂46の中で誰が一番可愛いかとか、キョン2の娘がドルヲタになりそうで困っているとか、そんな内容だった。俺はキョン2との会話をそれなりに楽しんでいた。
その日も俺が食堂に行くと、キョン2が立っていた。キョン2はコソコソと俺を手招きし、隅の方に呼び寄せた。
「増田君、彼女いないんだよね?私の知り合いに良さそうな女の子いるんだけど、どう?」
確かに俺はいつも冗談交じりに「彼女欲しいっす」と言っていたが、まさか本当に紹介されるとは思っていなかった。今まで恋愛経験がなかったため、尻込みする気持ちもあった。だが俺は、ここは一歩踏み出すべきだと思った。
「是非。」
俺は女の子を紹介してもらうことにした。
後日、キョン2からLINEで3枚の写真が送られてきた。3枚の写真に、それぞれ別々の女の子が写っている。そして直後にメッセージ。
「どの子がいい?」
驚愕した。てっきり紹介されるのは1人だと思っていた。3人とも、と答えたい気持ちを抑えて、俺は1番可愛らしい子を紹介してもらうことにした。
キョン2から、その子の簡単なプロフィールを教えてもらった。キョン2は俺の会社に来ているのと同じように、他の会社へも保険の営業に行っている。その子、仮にバラライカと呼ぼう、バラライカはキョン2が営業に行っている他の会社の事務員だった。俺が選ばなかった他の2人も、そのような感じらしい。
そしてバラライカは、当時19歳、未成年だった。これは俺にとって衝撃的な情報だった。今冷静に考えると、19歳の何が問題なのか。1年経てば立派な成人である。だがこの19という数字が、俺には重くのしかかった。
とはいえ俺は、バラライカと連絡を取り始めた。25歳男が、生まれて初めて1人の女性と真剣に向き合った。慎重派の俺は、がっついて引かれてはならないと思い、ゆっくりとバラライカの職場のことや身の回りのこと、家族のことなどを聞いていった。バラライカは去年まで高校生、さすがに価値観のズレは感じた。まあでもそれは仕方がない、やり取りを続けていけばそのうち気にならなくなるだろう。そんな感じで慎重派の俺が殊更慎重にバラライカとやり取りをしていると、気づいたら2ヶ月が経っていた。1度も会うことなく、LINEのやり取りだけで2ヶ月だ。1度も会おうと言いださない俺もどうかしているが、このLINEに2ヶ月付き合い続けたバラライカもちょっとどうかしている。正直俺はどうしたらいいのか分からなくなっていた。この均衡を保つことが目的になり始めていた。どちらが先に我慢できなくなるか、これは俺とバラライカの戦いだった。結局、この戦いは俺が勝利した。バラライカから連絡が来たのだ。
「一度ご飯でも行きませんか?」と。
女の子の方から誘わせるとは何事だと思うかもしれないが、25年間恋愛経験がない男というのは、そこら辺の女の子以上に女の子なのだ。仕方がない。
とにかく、俺とバラライカはとうとう現実世界で会うことになった。もちろん俺は女の子との食事など初めてである。食事が決まった瞬間から俺の心臓は最高速で暴れまわっていたが、俺はまず、震える手で店選びから始めた。雰囲気が良く、それでいて敷居が高すぎない、丁度良い塩梅の店をなんとか探し出し、予約を入れた。服と靴を新調し、散髪に行った。髪型のセットの仕方も学んだ。
何度も言うが、この時の俺は乙女だったのだ。
そして、当日がやってきた。
俺は待ち合わせ場所に早めに着き、バラライカの到着を待った。バラライカの顔は、最初にキョン2から見せてもらった写真で分かっていたので、それと同じ顔を探した。約束の時間になったが、すぐにはバラライカと出会えなかった。いや、それらしい女性は1人いるのだ。俺の数メートル隣に、誰かを待っているらしい女性が。年齢も、19歳に見えなくもない。実物と写真というのはやはり違って見えるため、すぐには気づかなかったのだ。向こうも向こうで、どうやら俺だと気づいたらしい。こうして、俺とバラライカは初対面した。
軽く挨拶をし、店に向かった。少し雨が降っていた。
2ヶ月間毎日欠かさずLINEでやり取りしていたにも関わらず、いざ面と向かうと言葉が出てこない。不思議なものだ。緊張しているというのもある。しかし、そこまでの2ヶ月の間に一通り聞くべきことは聞き尽くしてしまっており、すでに話題がなくなっていたというのもある。
俺たちは、特別盛り上がることもないまま、食事を終えた。帰り際、バラライカは俺に紙袋を渡してきた。中を見ると、手作りのチョコが入っていた。そう、ちょうどバレンタインデーの時期だったのだ。母親以外からもらった初めてのチョコだった。俺は、こんなものまで用意してくれたのに、会話のないつまらない食事にしてしまって申し訳ないと思った。
ホワイトデーにはしっかりお返しをしようと思ったが、結局その後バラライカからの連絡はあまり来なくなり、そのまま自然消滅となった。
あれから3年が経った。俺には今彼女がいる。バラライカではない。別の知人から紹介されたのだ。半年前から同棲を始めており、近いうちにプロポーズするつもりだ。
バラライカとうまくいかなかったこと、そこから学んだことがあったから、今の彼女とここまで来れた部分もあると思う。
バラライカに何も返してあげられなかったのが少し心残りだ。バラライカから見れば、俺は彼女が欲しいのか欲しくないのか、意図のよくわからないやつだったと思う。俺のことなどとっくに忘れていると思うが、俺はバラライカのことを忘れない気がする。
俺の人生を変えてくれた恩人として。
家を用意するということが三世代以上その土地で暮らすことについてその確保がいかに重要かということで
そんな文化は実在したが実際家族が2世代でも同棲しない関係性を保たない現在で
家が土地ではなく居住スペースという意味でしかないものについては購入の条件が
自分の人生をほぼすべてかけるほどの出費ですり減らす必要はない
買っておいて得するメリット
先月、母方の祖母が死んだ。
最近は認知症で日時の感覚がわからなくなったり同じ話を繰り返したりしていたが、高校(?)の入試では満点を取ったり、あの時代に大学を卒業している才女だった。
昔は教職につき、あの時代に恋愛結婚をし、映画や革細工や日本画や書道が好きな、穏やかで優しいおばあちゃんだった。
一昨年の冬、私は初めての彼氏とUSJに行くことにした。飛行機に乗る小旅行だ。ついでに母方の祖父母にも彼氏を見せに行こうと思った。母方の実家は大阪にあるのだ。
母に猛烈に反対された。結婚するかもわからないのに変な期待をもたせるなと。そして母方の祖父母に挨拶に行く前に、父方の祖父母に挨拶に行かないと迷惑だと。USJに行くのは構わないが、祖父母に会わせるのはやめとけと。
私はその彼と結婚する気だったので、変な期待ではないと判断した。OK。
祖母の認知症は、ゆっくりだけど着実に進んでいる。私が結婚するまでに死んじゃうかもしらないし、それなら彼氏いない歴=年齢だった孫の恋人(結婚相手候補)を見てからの方が安心して死ねるだろう。
2つ目が問題だった。父方の祖母は形式にこだわり、また嫉妬深い性格なので「ウチを後回しにされた!普通は先に父方の祖父母に挨拶する!」みたいに怒るそうだ。それくらいのことでとおもったが、過去似たようなことでトラブルになったらしい。
結婚するなら親戚づきあいでトラブルは起こしたくない。USJ旅行の前に、宮城に住む父方の祖父母に、日帰りで会いに行くことにした。
宮城に行った2週間後に大阪に行くという、面白いスケジュールになった。快く承諾してくれた彼に感謝。何度もお礼を言った。
父方の祖父母に「今度彼氏を連れて日帰りで遊びに行くよ」と電話した数日後、「父方の祖母は私と彼を本家に挨拶に行かせたがっている」と父から聞いた。祖父が10人兄弟の9番目だから親戚から今まで軽んじられてきたけど、孫がまともな人と付き合っていて結婚もするらしいということで、自慢したいらしい。私が返事をするより先に父が断ってくれていた。
朝早く新幹線に乗って、挨拶して青葉城を見ておいしい牛タンを食べて、夜遅く東京に帰った。
挨拶の前、彼はとても緊張していたが、終わってからは「いい人だった」とケロっとしていた。
2週間後に大阪に行った。USJはとても楽しかった。次の日に祖父母に会いに行った。
持って行ったケーキをみんなで食べながら、祖母は「このケーキ綺麗やなぁ。飾りが繊細で、王冠みたいな形になっとって、綺麗なぁ。いやほんまに。作った人は、こういうのどうやって思いつくんやろなぁ」「増田ちゃん、いい人見つけてよかったなあ」と何度も言っていた。
帰り際になると祖父は別の長くなりそうな話をして引き止めようとした。
挨拶の後彼は「先々週より疲れた。引き止めようとしてたね。帰っちゃうの申し訳ないね」と言っていた。
昨年の12月、母方の祖父母に電話をすると、祖母は「来年結婚式たのしみにしてます。おばあちゃんはどんな人か知らんけど、増田ちゃんが選んだならきっといい人だと思うわ。本当に楽しみにしてるで」と言っていた。
母方の祖母は先月、お風呂で寝てのぼせて死んだ。多分苦しくなく、あったかいなあって思いながらの、幸せな最期だったと思う。
やっぱり、無理はしたけど、一昨年彼と会わせておいてよかったなあ。
3年前の冬の話だ。
その時の俺は25歳。大学院修士課程を終えて就職したから、社会人2年目が終わろうかという冬だった。
地元は関西だが、就職を機に関東へ引っ越してきた。家族とも友人たちとも離れた場所で一人暮らし、仕事もまだまだ慣れない、そんな生活に孤独感が日に日に強まっていた。
俺には彼女がいなかった。
しかしその時の俺は、寂しさを紛らす相手が欲しいと思っていた。
俺の会社には、昼休みになると食堂の入り口に保険のおばちゃんが何人か集まってくる。入社したばかりの右も左も分からない若者たちを捕まえて、保険に加入させようとするのだ。来るのはいつも決まった三人。一人は矢口真里に似た、ぎりぎりお姉さんと呼べそうな女性。一人は椿鬼奴に似たおばちゃん。一人はブルゾンちえみ似のおばちゃんだ。
俺はブルゾンちえみと仲が良かった。矢口と椿は保険の話をしてくるのに対して、ちえみとは一度も保険の話などしたことがない。俺とちえみの会話といえば、乃木坂46の中で誰が一番可愛いかとか、ちえみの娘がドルヲタになりそうで困っているとか、そんな内容だった。俺はちえみとの会話をそれなりに楽しんでいた。
その日も俺が食堂に行くと、ちえみが立っていた。ちえみはコソコソと俺を手招きし、隅の方に呼び寄せた。
「増田君、彼女いないんだよね?私の知り合いに良さそうな女の子いるんだけど、どう?」
確かに俺はいつも冗談交じりに「彼女欲しいっす」と言っていたが、まさか本当に紹介されるとは思っていなかった。今まで恋愛経験がなかったため、尻込みする気持ちもあった。だが俺は、ここは一歩踏み出すべきだと思った。
「是非。」
俺は女の子を紹介してもらうことにした。
後日、ちえみからLINEで3枚の写真が送られてきた。3枚の写真に、それぞれ別々の女の子が写っている。そして直後にメッセージ。
「どの子がいい?」
驚愕した。てっきり紹介されるのは1人だと思っていた。3人とも、と答えたい気持ちを抑えて、俺は1番可愛らしい子を紹介してもらうことにした。
ちえみから、その子の簡単なプロフィールを教えてもらった。ちえみは俺の会社に来ているのと同じように、他の会社へも保険の営業に行っている。その子、仮に聡美と呼ぼう、聡美はちえみが営業に行っている他の会社の事務員だった。俺が選ばなかった他の2人も、そのような感じらしい。
そして聡美は、当時19歳、未成年だった。これは俺にとって衝撃的な情報だった。今冷静に考えると、19歳の何が問題なのか。1年経てば立派な成人である。だがこの19という数字が、俺には重くのしかかった。
とはいえ俺は、聡美と連絡を取り始めた。25歳男が、生まれて初めて1人の女性と真剣に向き合った。慎重派の俺は、がっついて引かれてはならないと思い、ゆっくりと聡美の職場のことや身の回りのこと、家族のことなどを聞いていった。聡美は去年まで高校生、さすがに価値観のズレは感じた。まあでもそれは仕方がない、やり取りを続けていけばそのうち気にならなくなるだろう。そんな感じで慎重派の俺が殊更慎重に聡美とやり取りをしていると、気づいたら2ヶ月が経っていた。1度も会うことなく、LINEのやり取りだけで2ヶ月だ。1度も会おうと言いださない俺もどうかしているが、このLINEに2ヶ月付き合い続けた聡美もちょっとどうかしている。正直俺はどうしたらいいのか分からなくなっていた。この均衡を保つことが目的になり始めていた。どちらが先に我慢できなくなるか、これは俺と聡美の戦いだった。結局、この戦いは俺が勝利した。聡美から連絡が来たのだ。
「一度ご飯でも行きませんか?」と。
女の子の方から誘わせるとは何事だと思うかもしれないが、25年間恋愛経験がない男というのは、そこら辺の女の子以上に女の子なのだ。仕方がない。
とにかく、俺と聡美はとうとう現実世界で会うことになった。もちろん俺は女の子との食事など初めてである。食事が決まった瞬間から俺の心臓は最高速で暴れまわっていたが、俺はまず、震える手で店選びから始めた。雰囲気が良く、それでいて敷居が高すぎない、丁度良い塩梅の店をなんとか探し出し、予約を入れた。服と靴を新調し、散髪に行った。髪型のセットの仕方も学んだ。
何度も言うが、この時の俺は乙女だったのだ。
そして、当日がやってきた。
俺は待ち合わせ場所に早めに着き、聡美の到着を待った。聡美の顔は、最初にちえみから見せてもらった写真で分かっていたので、それと同じ顔を探した。約束の時間になったが、すぐには聡美と出会えなかった。いや、それらしい女性は1人いるのだ。俺の数メートル隣に、誰かを待っているらしい女性が。年齢も、19歳に見えなくもない。実物と写真というのはやはり違って見えるため、すぐには気づかなかったのだ。向こうも向こうで、どうやら俺だと気づいたらしい。こうして、俺と聡美は初対面した。
軽く挨拶をし、店に向かった。少し雨が降っていた。
2ヶ月間毎日欠かさずLINEでやり取りしていたにも関わらず、いざ面と向かうと言葉が出てこない。不思議なものだ。緊張しているというのもある。しかし、そこまでの2ヶ月の間に一通り聞くべきことは聞き尽くしてしまっており、すでに話題がなくなっていたというのもある。
俺たちは、特別盛り上がることもないまま、食事を終えた。帰り際、聡美は俺に紙袋を渡してきた。中を見ると、手作りのチョコが入っていた。そう、ちょうどバレンタインデーの時期だったのだ。母親以外からもらった初めてのチョコだった。俺は、こんなものまで用意してくれたのに、会話のないつまらない食事にしてしまって申し訳ないと思った。
ホワイトデーにはしっかりお返しをしようと思ったが、結局その後聡美からの連絡はあまり来なくなり、そのまま自然消滅となった。
あれから3年が経った。俺には今彼女がいる。聡美ではない。別の知人から紹介されたのだ。半年前から同棲を始めており、近いうちにプロポーズするつもりだ。
聡美とうまくいかなかったこと、そこから学んだことがあったから、今の彼女とここまで来れた部分もあると思う。
聡美に何も返してあげられなかったのが少し心残りだ。聡美から見れば、俺は彼女が欲しいのか欲しくないのか、意図のよくわからないやつだったと思う。俺のことなどとっくに忘れていると思うが、俺は聡美のことを忘れない気がする。
俺の人生を変えてくれた恩人として。
3年前の冬の話だ。
その時の俺は25歳。大学院修士課程を終えて就職したから、社会人2年目が終わろうかという冬だった。
地元は関西だが、就職を機に関東へ引っ越してきた。家族とも友人たちとも離れた場所で一人暮らし、仕事もまだまだ慣れない、そんな生活に孤独感が日に日に強まっていた。
俺には彼女がいなかった。
しかしその時の俺は、寂しさを紛らす相手が欲しいと思っていた。
俺の会社には、昼休みになると食堂の入り口に保険のおばちゃんが何人か集まってくる。入社したばかりの右も左も分からない若者たちを捕まえて、保険に加入させようとするのだ。来るのはいつも決まった三人。一人は矢口真里に似た、ぎりぎりお姉さんと呼べそうな女性。一人は椿鬼奴に似たおばちゃん。一人はブルゾンちえみ似のおばちゃんだ。
俺はブルゾンちえみと仲が良かった。矢口と椿は保険の話をしてくるのに対して、ちえみとは一度も保険の話などしたことがない。俺とちえみの会話といえば、乃木坂46の中で誰が一番可愛いかとか、ちえみの娘がドルヲタになりそうで困っているとか、そんな内容だった。俺はちえみとの会話をそれなりに楽しんでいた。
その日も俺が食堂に行くと、ちえみが立っていた。ちえみはコソコソと俺を手招きし、隅の方に呼び寄せた。
「増田君、彼女いないんだよね?私の知り合いに良さそうな女の子いるんだけど、どう?」
確かに俺はいつも冗談交じりに「彼女欲しいっす」と言っていたが、まさか本当に紹介されるとは思っていなかった。今まで恋愛経験がなかったため、尻込みする気持ちもあった。だが俺は、ここは一歩踏み出すべきだと思った。
「是非。」
俺は女の子を紹介してもらうことにした。
後日、ちえみからLINEで3枚の写真が送られてきた。3枚の写真に、それぞれ別々の女の子が写っている。そして直後にメッセージ。
「どの子がいい?」
驚愕した。てっきり紹介されるのは1人だと思っていた。3人とも、と答えたい気持ちを抑えて、俺は1番可愛らしい子を紹介してもらうことにした。
ちえみから、その子の簡単なプロフィールを教えてもらった。ちえみは俺の会社に来ているのと同じように、他の会社へも保険の営業に行っている。その子、仮に聡美と呼ぼう、聡美はちえみが営業に行っている他の会社の事務員だった。俺が選ばなかった他の2人も、そのような感じらしい。
そして聡美は、当時19歳、未成年だった。これは俺にとって衝撃的な情報だった。今冷静に考えると、19歳の何が問題なのか。1年経てば立派な成人である。だがこの19という数字が、俺には重くのしかかった。
とはいえ俺は、聡美と連絡を取り始めた。25歳男が、生まれて初めて1人の女性と真剣に向き合った。慎重派の俺は、がっついて引かれてはならないと思い、ゆっくりと聡美の職場のことや身の回りのこと、家族のことなどを聞いていった。聡美は去年まで高校生、さすがに価値観のズレは感じた。まあでもそれは仕方がない、やり取りを続けていけばそのうち気にならなくなるだろう。そんな感じで慎重派の俺が殊更慎重に聡美とやり取りをしていると、気づいたら2ヶ月が経っていた。1度も会うことなく、LINEのやり取りだけで2ヶ月だ。1度も会おうと言いださない俺もどうかしているが、このLINEに2ヶ月付き合い続けた聡美もちょっとどうかしている。正直俺はどうしたらいいのか分からなくなっていた。この均衡を保つことが目的になり始めていた。どちらが先に我慢できなくなるか、これは俺と聡美の戦いだった。結局、この戦いは俺が勝利した。聡美から連絡が来たのだ。
「一度ご飯でも行きませんか?」と。
女の子の方から誘わせるとは何事だと思うかもしれないが、25年間恋愛経験がない男というのは、そこら辺の女の子以上に女の子なのだ。仕方がない。
とにかく、俺と聡美はとうとう現実世界で会うことになった。もちろん俺は女の子との食事など初めてである。食事が決まった瞬間から俺の心臓は最高速で暴れまわっていたが、俺はまず、震える手で店選びから始めた。雰囲気が良く、それでいて敷居が高すぎない、丁度良い塩梅の店をなんとか探し出し、予約を入れた。服と靴を新調し、散髪に行った。髪型のセットの仕方も学んだ。
何度も言うが、この時の俺は乙女だったのだ。
そして、当日がやってきた。
俺は待ち合わせ場所に早めに着き、聡美の到着を待った。聡美の顔は、最初にちえみから見せてもらった写真で分かっていたので、それと同じ顔を探した。約束の時間になったが、すぐには聡美と出会えなかった。いや、それらしい女性は1人いるのだ。俺の数メートル隣に、誰かを待っているらしい女性が。年齢も、19歳に見えなくもない。実物と写真というのはやはり違って見えるため、すぐには気づかなかったのだ。向こうも向こうで、どうやら俺だと気づいたらしい。こうして、俺と聡美は初対面した。
軽く挨拶をし、店に向かった。少し雨が降っていた。
2ヶ月間毎日欠かさずLINEでやり取りしていたにも関わらず、いざ面と向かうと言葉が出てこない。不思議なものだ。緊張しているというのもある。しかし、そこまでの2ヶ月の間に一通り聞くべきことは聞き尽くしてしまっており、すでに話題がなくなっていたというのもある。
俺たちは、特別盛り上がることもないまま、食事を終えた。帰り際、聡美は俺に紙袋を渡してきた。中を見ると、手作りのチョコが入っていた。そう、ちょうどバレンタインデーの時期だったのだ。母親以外からもらった初めてのチョコだった。俺は、こんなものまで用意してくれたのに、会話のないつまらない食事にしてしまって申し訳ないと思った。
ホワイトデーにはしっかりお返しをしようと思ったが、結局その後聡美からの連絡はあまり来なくなり、そのまま自然消滅となった。
あれから3年が経った。俺には今彼女がいる。聡美ではない。別の知人から紹介されたのだ。半年前から同棲を始めており、近いうちにプロポーズするつもりだ。
聡美とうまくいかなかったこと、そこから学んだことがあったから、今の彼女とここまで来れた部分もあると思う。
聡美に何も返してあげられなかったのが少し心残りだ。聡美から見れば、俺は彼女が欲しいのか欲しくないのか、意図のよくわからないやつだったと思う。俺のことなどとっくに忘れていると思うが、俺は聡美のことを忘れない気がする。
俺の人生を変えてくれた恩人として。
私はフラれた側です。
田舎のFラン女子大に進学して、近くのFラン経大との飲み会で知り合って付き合った。
付き合って半年で同棲を始め、何をするにも一緒だった。楽しかった。
彼は就職活動を始めたくらいからお金の勉強に目覚めて、「金持ち父さん貧乏父さん」とかその辺の似たような本を中古で買っては読み漁っていた。
就職活動は一緒に夜行バスで東京や大阪に行って、頑張った努力が実って、お互い無事に内定をもらった。
私は大手の人材派遣の企業に就職し、彼はベンチャーの人材紹介の企業に就職した。
営業職の彼は仕事にのめり込んでいった。いつも終電で帰ってきて朝早くに出勤していた。
新人賞やMVPなど数々の輝かしい賞をとり、会社になくてはならない存在になった。
私はというと、入社して半年もたたずに上司のパワハラでうつと診断され、1年休職した後退職した。
うつだった私には本当にハードルの高い行動だったけれど、彼の顔を立ててお邪魔することにした。
そこには彼のシスター(?)がいて、彼の話通りとても綺麗な人だった。シスターさんも料理人の彼氏を連れてきていた。
途中、男性のみなさんがお酒を追加で買いに出たときに、シスターさんから彼についての質問をたくさん受けた。
「家ではどんな感じ?」とか「いつから付き合ってるの?」とか、私はそのときに、この人は私の彼を気に入っているのだなと思った。
心臓がどきどきして痛かった。シスターさんは美人で、かたや私は薬でぶくぶくに太っていてとても醜かった。
大学時代、彼は私を美人だといつも褒めてくれたが、いつの間にか言われなくなっていた。
その元彼が、私と別れてすぐにその美人のシスターさんと結婚していた。
子どももいるようだ。Facebookなんて登録するんじゃなかった。
私には「30歳まで結婚したくない」と言っていたが、28歳で結婚していた。
別れ際に言われた言葉の辻褄がどんどん合っていった。悲しい。
幸せだ。幸せだけど、元彼と離れることができて本当に良かったと思うけど、元彼のことは一生許す気はない。
私を家政婦扱いして、別れたあとセフレになろうと言われたこと、
男友達と連絡を取っただけで「クソ女」と毎日泣くまで罵ったこと、
今思うとモラハラだとわかるのに、あの頃はそれが当たり前でまったく異常さに気づけなかった。
でも、なんとなくあの奥さんにはそういうことしてないんだろうなと思う。
だからいつまで経っても傷が癒えない。
大事に扱われなかったのは、私がそうさせていたんだと思っている。
どうか彼が不幸になりますように。