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2024-04-10

4分音符の定義

4/4拍子だと全音符の1/4だけど

3/4拍子だとどう定義されるのか?

気になって眠れない

2023-09-16

ギター始めてしばらく経つけど、今何の音を出しているのかが全く分からない。

ピアノなら黒鍵2つ白鍵3つの塊、黒鍵3つ白鍵4つの塊、それぞれ合わせて1オクターブ区切り無意識認識してる。抑えた鍵盤の絶対的な音が一目見れば分かる。黒鍵2つが並んでる塊の一番左がドだと一発で分かる。逆に相対的に音を捉える事はあんまりない。

ギターはローポジションメジャースケールはCからBまで意識せずとも弾けるようになったけど、ハイポジションはCメジャースケールしか弾けない。それもまだ頭で弾いてる。

ピアノみたいな区切りの塊がないから非常に分かり辛い。一応フレットに目安の白ポチはあるけど、オクターブ上の目印くらいにしか使えてない。あとTAB譜見ながら練習する時の目印。

この地帯では何の音が鳴るのかが肌感覚で分からない。隣の弦に移るとどれだけ音の高さが変わるのか、頭で考えないと分からない。手癖で出来ない。慣れの問題なのだろうけど。

全音上げるのに2フレット、半音上げるのに1フレットという相対的な考え方をする事が多い。

何弦何フレットだからこの音だな、と考える事はまずない。ローポジションだとたまにそれもあるけど、かなり分かり辛い。

ギターという楽器特性として音を相対的に捉えるようになりがち、そして移調が簡単なのが強み。みたいなのはどっかで聞いた気がするけど、生まれた時点からピアノじゃなくギターに馴染んていたら逆の事が起きたりするのかなって思った。

2023-08-17

anond:20230817095750

常人という定義を例えば全音出版難易度C程度だと考えるなら一般受けする曲は結構あるよ、代表的なのだドビュッシーの月の光とか。

これは俺の主観になるんだけど、難易度Cぐらいの曲が引ければポップスなんかの曲は全然弾けるレベルなので人前で弾く曲にこまることは無いと思う。

とはいえ難易度Cを弾ける力量がツェルニー30番が出来るぐらいなのでここまでやり続けられる人は稀だとは思う。

昔通ってたピアノサークルとかではおっさんから初めた人で難易度Cレベルの曲を弾けるようになった人は一人も見たことがない。

2022-09-08

ボツ原稿供養〜昔話と中華ポータブルオーディオ(前編)〜

僕たちのiPod

中華ポータブルオーディオがすごい。
有識者に言わせれば、それこそ「何を今さら」な話題だと思うが、2000年代日本国内で興きたポータブルオーディオブームから数えて二十数年離れていた筆者からすると今の中華ポータブルオーディオは本当にすごい。

ここでさっそく筆者の年代を挙げれば現在30代であり、青春10代を振り返れば「iPod」が登場し、日本国内で大きなシェアを持っていた「MiniDisk(MD)」が徐々に斜陽化していっていた。
筆者も例に漏れMDプレイヤー、そしていわゆるiPod代表されるMP3などを中心に扱った「シリコンオーディオプレイヤー」という遍歴を辿る。
ただ、筆者と同年代であり同時期に青春時代を過ごした者であるならば、Webメディアで語られるポータブルオーディオ歴史とは些か違った遍歴を歩んだという者も少なくないのではないか?(※HDD搭載iPodは厳密にはシリコンオーディオプレイヤーではない)

世の成人したアーリーアダプターたち(主にAppleコミュニティの人たち)がiPod熱狂するそのとき日本青春時代を過ごした我々が熱狂したのは「Playstation Portable(PSP)」だったのだ。

しかしたら年代10前後離れているだけで当時のPSPの勢いを肌で感じることは難しかたかも知れない。
一部の成人ゲーマーなどは「モンスターハンターポータブル」あたりでPSPを頻繁に持ち出していた可能性はあるが、実はそのとき学生世代の間ではPSPiPodと肩を並べ、用途によってはiPod凌駕するポータブルデジタルメディアプレイヤーとして運用がなされていたと聞くと驚く人も居るかも知れない。

何せ「当時のPSPゲームソフトを持っていないのにPSP本体は所持していたという女子学生存在した」くらいなのだ
これは当時のiPodでは起き得ないことであり、陰鬱としたオタクというイメージ現在オタクイメージへ転換していく過渡期の中でPSPは少なからず影響を与えたハードウェアとして記録していく必要があるように思う。

ニコニコ動画PSP

筆者と同世代オタクであれば「2ちゃんねるニュー速VIPブームを経て、YoutubeからBANや動画違法アップロード祭りなど古今東西どう考えてもアウトな「ニコニコ動画」のローンチなどを経験したと思うが、怒られ叱られ叩かれ裁かれ逮捕者を出しながらも独自と言って良い文化形成できた。
当時の動画違法アップロードで一番の被害者であった角川書店ドワンゴが今では同じ会社になるとは時代の変化とは恐ろしいものだ。

そういった独自文化の中心にあったのは「東方」「アイマス」「ボカロ」のいわゆる「ニコニコ三大ジャンル」ではあるが、それらとほぼ同時期に萌芽するのが「歌ってみた」「踊ってみたである
そして歌ってみた踊ってみた興隆を後押しするのが「涼宮ハルヒの憂鬱」であり「ハレ晴レユカイなのだ

先に挙げたPSPが当時の若い世代に支持された理由MP3のほか、大画面でMP4動画再生できたからで、しかPSP動画プレイヤー機能コマ戻しコマ送りが物理ボタン可能だったこともあり、特に踊ってみたジャンル練習するためのハードウェアとして選択された。
更にPSPには別売のRCA(赤白黄)変換ケーブルによってPSPの画面をTVなどのディスプレイモニターへ出力することも可能で、アニソン電波ソングボカロソングゲームソング同人ソングなどの配信が乏しかったカラオケ店へPSPを持ち込んでカラオケ機材へPSP接続カラオケ配信楽曲以外を歌うという手法が現れた。
これへ呼応するように登場したのが勝手字幕を付けてカラオケ動画とする「ニコカラ」だ。
特にアニソンゲームソングでは無許可版権素材を活用した高クオリティで手のこんだニコカラ動画存在しており、JOYSOUNDがその需要に気付くまで人気を博していた。

稀に「なぜあんなにPSPが売れているのかわからない。モンハンだけじゃ説明付かない」というガジェット好きが居るが、ニコニコ動画を中心としたサブカルという背景があり前述したように「当時のPSPゲームソフトを持っていないのにPSP本体は所持していたという女子学生存在した」ほど売れていたのだ。
PSPは当時のSONY夢想したマルチメディア戦略の中でほんの一部界隈(ほぼサブカル界隈)でだけ成功を収めていた事実は周知されておくべきだろう(UMDPSP Goとかで失敗してるけど)。
そしてその需要iPod Touch、iPhoneが奪っていくというのは知られたとおりだ。

憧れのバランスドアーマチュア

多くの人々が音を聴くようになれば良い音質で聴きたいという需要が生まれるのは必然
iPod登場当初その付属イヤホン品質の低さが取り沙汰され、MD Walkman派やアジア系ポータブルオーディオプレイヤーから揶揄されるたびApple信者が「あのイヤホンは音が鳴るか確認するためのオマケ欧米ではそれが普通付属品にまでケチ付けるのは日本人だけ」などと言い訳擁護していたらAppleが競合他社と同等品質まで付属イヤホン品質を引き上げるというお家芸梯子外しがあったこともあり、その煽り合いが起きた前後で音の良いイヤホンへ注目が集まり始めた。

最初期に評価されたのはバランスドアーマチュア(BA)型ドライバー本家本元であるEtymotic Researchからリリースされていた「ER-4」だった。
BAドライバーは従来のダイナミック型ドライバー(DD)と比較して小型軽量に製造することが可能で、音を発生させる振動板の質量も小さかったため慣性の法則的に非常に反応が良く、iPod付属イヤホンの低品質さも相まって高い評価を受けることになる。

続いて注目されたのがマイクで有名なShureの「E5c」だ。
こちらもBAドライバーを何と2基も搭載したリッチモデルで、BAドライバーはその構造上音域が狭くなりがちなのを高音域〜中音域用と中音域〜低音域用に2基とすることで欠点カバーした製品だった。
更にER-4は現在主流の耳栓型イヤーチップとは形状が違う長めのイヤーチップ採用していたこともあり装着者を選ぶ傾向にあったが、E5cはSONYが売り出して大流行を果たす現在主流の形のイヤーチップ採用しており広い範囲の装着者をカバーできた。

しかしこれら評価の高いイヤホン学生の懐には大変厳しいという問題があった。
ER-4は約4万円、E5cに至っては約6万円でとてもとても学生には手が出ない高級品であり、着メロの打ち込みから端を発したDTM小僧だった筆者はなけなしのお年玉をはたいて有名ミュージシャンレコーディングでよく装着しているヘッドホンSONYの「MDR-CD900ST」を約2万円で購入し愛用していた(ちなみにこのMDR-CD900STは修理しながら今でも現役)。

しかし流石にいつでもどこでもMDR-CD900STを常用というのは辛くあり、当時評価の高かったSONYイヤホンMDR-EX90SL」を常用するようになる。価格は約1万円。
しかMDR-EX90SLはBA型ではなく従来どおりのDD型、無論MDR-EX90SLには評価されるだけの音質があり十分に満足していたのだが、BAイヤホンへの想いは募るばかりであった。

中華イヤホンに驚く

それから二十数年、社会人としてもそこそこ経験を積み、ちょっと頑張ればBAイヤホンも買えるようになりBAイヤホンをいくつか購入した後にポータブルオーディオから距離を置いていたが、何故かふと近年話題中華ポータブルオーディオへ興味を持った。
調べてみると本当にすごい。技術進歩大量生産により当時憧れだったBAイヤホンが当時のMDR-EX90SLと同等価格どころか下回る価格販売されているではないか
これはもう実際に入手して試してみる他ないとさっそく動いた。

KZ AS16 Pro

最初に入手したのがKZの「AS16 Pro」で、これは以前に「AS16」というイヤホンがありブラッシュアップして登場した製品価格は約1万円。

AS16 Proはこの記事を懐かしく読んでいて今まで中華ポータブルオーディオへ触れてこなかった読者は驚くはずだ。
なにせAS16 ProはBAドライバーを搭載しているが、その搭載数は片側8基、LR両側で合計16基というとんでもない搭載数を誇っている。
これが約1万円で買えるのが中華ポータブルオーディオ世界

その音の傾向はBAドライバーのみを多連装しているだけあり全音域がハイレスポンス、機敏に発声無駄な余韻なく消音する。音と音がよく分離しており違いをはっきりと聴き分けることができる。
低音域と高音域が少々強調された弱ドンシャリ型のチューニングがなされていて現代イヤホンでは派手な鳴りが好まれる傾向にありAS16 Proも例に漏れず弱ドンシャリの派手な鳴りだ。
ハイレスポンスで音の分離感が良いと言っても音楽制作用のMDR-CD900STのような分析的な鳴りではない元気でエネルギッシュ、タイトサウンドの多い電子音楽を聴きたくなる鳴りだ。

ただ逆に言えばレスポンスの良さは空間表現の苦手さにも繋がっており、MDR-CD900STでは継続する余韻がブツ切りするかのように消えてしまうことがあるのは気になった。
ホール残響感も音楽の一部と捉えるようなオーケストラなどは少々苦手な音楽ジャンルと言って良いだろう。

本当に鳴りがハイレスポンスタイトなので筆者はボカロソングが多数収録されるリズムゲームプロジェクトセカイ」や、電子音楽も多数収録される定番の「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)」、なぜサ終してしまうのか「東方ダンマクカグラ」をプレイし、思った通りリズム隊がよく聴こえる事を確認
現代ポピュラー音楽リスニングに、リズムゲーム用のイヤホンとしてAS16 Proは非常にオススメだ。

TRN VX Pro

ハイレスポンスBAドライバーだが欠点がないわけではない。
その構造上の制約でBAドライバー単体ごとの音域が狭くなりがちで結果としてBAドライバー複数基を多連装することで欠点カバーしているのだが、音というものは低音域ほど大きく空気を動かす必要がある。
小型軽量のBAドライバーは小型軽量であるが故に低音域になればなるほど鳴らすのが苦手という制約を持っており、非常にタイトな低音域を持つが深く沈むような表現が不得意なのだ

それをAS16 ProとMDR-CD900STの比較でしっかりと認識した筆者が次に手に入れたのがTRNの「VX Pro」だ。
AS16 Proと同様に片側8基、LR両側計16基のBA型を多連装しつつ、従来のDD型を片側1基、両側2基を搭載する、全ドライバー18基ハイブリッド多連装という化物スペックイヤホンである
このスペックでVX Proも価格は約1万円。とんでもない価格破壊。

VX Proは高音域から中音域にかけてまで非常にハイレスポンスでありながら、低音域を担当するDD型のお陰で低音が発音する際に大きく空気を動かせてAS16 Proと比較して低音域がよく沈む。
耳が従来のDD型に慣れているというのもあるだろうが、この低音域の感覚は非常に好ましく、万人へAS16 Proとどちらをオススメするか?と言われると筆者はVX Proを推す。
AS16 Proのハキハキとしたタイトな低音域を好む人も少なくはないだろうが、迫力ある豊かな低音域のほうが万人に好まれる傾向があるのは確かだ。

VX Proも現代イヤホンらしく鳴りは派手、高音域と低音域が少々強調された音楽的な弱ドンシャリ型のチューニング
キラキラと分離感のある高音域と、しっかりと空間を感じられる低音域はあらゆる現代ポピュラー音楽を聴きたい衝動に駆られる。
昔話も絡めて話しているのだからココは様々な楽器音が飛び交って音域も広い「ALI PROJECT」はどうだろうか?もちろん最初再生するのは「禁じられた遊び」「聖少女領域」だ。

音楽制作ミキシング経験がある者ならばわかるだろうが、別々の楽器であっても担当音域が被ると両方とも目立ちにくくなってしまうことがある。
例えばそれが現代ポピュラー音楽では重要ボーカルと、そのボーカルを支えるバックで流れる楽器の音域が被るとボーカルも聴こえにくくなってしまう。ミュージシャンはそれを経験則的に知っているのでミキシングの時点でイコライジングして聴感上のバランスを取る。
それと同様にミュージシャンが例えイコライジングしていても音域の分離感が悪いイヤホンだと各々の大事な要素が被ってしまい聴こえにくくなるのだが、VX Proはそれがほとんど無い。
ボーカルボーカルブラスブラスストリングスストリングスとしっかりと"書き分け"ており、オーケストラサウンドフューチャーしたプログレッシブロックALI PROJECTが誇るバックバンドを聴かせつつ、宝野アリカ表現力のあるボーカルを損なうことがない。
特にDD型によるベースラインの深さは特筆に値する。底がしっかりしているおかげでALI PROJECT全体の音楽世界観が明確になる。単に目立つ派手な高音域ばかり推せば良いわけではないのだ。低音域の支えによる相対的コントラストが輝くような高音域を演出するのだとVX Proは教えてくれる。

欠点がないわけでない。
やはりDD型の宿命か、タイトさが求められたときフルBA構成であるAS16 Proの歯切れの良さが勝る。まさに得手不得手の問題だ。

KZ ZAS / CCA CA16 Pro

同時に2つ紹介しているのはKZの「ZAS」とCCAの「CA16 Pro」はハウジング筐体デザインが違うだけの姉妹製品から。CCAはKZのサブブランドのような立ち位置であるらしい。
実際に購入する場合ハウジング筐体デザインの違いや販売価格吟味して購入すると良いだろう。
ちなみに1万円以下8千円前後くらいの価格の安さも魅力だ。

筆者が購入したのはKZのZAS。
箱出しで早速聴いてみたが何と音がスッカスカ。事前のレビュー調査では低音域が非常に豊かであると触れ込みだったのだが・・・
実はZASには罠がありZASの性能を十分に発揮するには付属のイヤーチップが低品質過ぎる。これも多くのレビューで触れられているので筆者も先人の導きによって神奈川県所在株式会社Final販売しているイヤーチップ「TYPE E オールサイズ」を別途購入した。
ZASの優れたコストパフォーマンスサードパーティイヤーチップを別途購入することで少々損なわれるのは口惜しいが、自身に合ったイヤーチップサイズ感を調べるきっかけにはなったので良しとする。

Final TYPE Eイヤーチップへ交換し再度ZASで聴いてみると派手を通り越した大げさと言って良いチューニングだ!事前のレビューで読んだ通り低音域は前へ出ており深く深く沈んでいく。
ZASのドライバー構成BA型が片側7基でLR両側計14基、DD型が片側1基でLR両側計2基、合わせて16基ハイブリッド多連装構成で当然ながら低音域はDD型が担当し、BA型が高音域〜中音域を担当するという仕様だ。

前述した通り、もう本当に低音域がすごい。
試しにTVアニメアイドルマスター XENOGLOSSIA」のオープニング曲微熱S.O.S!!」を聴いてみる。
冒頭一発目から入る超重低音が特徴で、曲中もキックベースが非常に目立つのだがZASで聴くともうブルンブルンだ。
BA型よりも大きく重いDD型の振動板がこれでもかと震えているのが感じられ、そのせいで耳たぶも一緒に振動してるんじゃないか錯覚してしまいそうになる。これは笑うしか無い!
続いてはアニメ魔法先生ネギま!からオープニング曲ハッピー☆マテリアル」だ。
冒頭のバスキック三連打が気持ちよく、そして低音域だけど思われがちなZASだが14基のBA型がタイトにハキハキと高音域〜中音域を発音し、豊かな低音域を更に深めてくれるように感じた。ZASは低音マニアへ是非とも奨めたくなる非常に面白いチューニングになっている。

ボツ原稿供養〜昔話と中華ポータブルオーディオ(後編)〜へ続く】

2022-02-21

anond:20220221152540

倍音という単語ホルン解説に使わせてもらうと、ホルンの常用音域は8~11倍音という、他の楽器では考えられないような超高音だったりする。

そして9倍音10倍音みたいな吹き分けは極めて繊細なコントロール必要なうえに、吹き間違えると人間の耳には全音ないし半音違って聞こえてしまう。

大変な楽器だわ。

2022-02-20

楽器の方でなんとかしてくれよ

甘く、柔らかい音が唯一無二な魅力の金管楽器ホルン

この楽器指導時に絶対言ってはいけない禁句がある。

それは「音を外すな」である

それくらいホルンは、音が外れやす楽器として世界的に有名なのだ

それも「プルッ」という耳障りな音とともに、全音とか半音とか平気で外す。しかしょっちゅう外す。

これは学校吹奏楽部出身アマチュアだけでなく、プロでさえ高頻度で外すため、純粋クラシックCDなど、OKテイクの継ぎ接ぎで作られるのが当たり前。

生演奏ホルンソロとか来た日には、他の演奏者はもちろん指揮者も観客も、揃って「外すなよ…」と神仏に祈ることになる。

というか「祈らせる」という意味では神父や坊さん以上に「良い仕事」してるので、これには神様も仏様もニッコリ?知らんけど。

ついには「世界一難しい金管楽器」としてギネス登録され、更にホルンで音を外すこと=「キークス」という名詞が用意されてしまった。

ではなぜホルンはそんなに音が外れやすいのか?可能な限り端的に言うと

「低い音が得意な楽器で、非常に高い音を常に吹かされているから」

ということになる。

もう少し詳しく言うなら

ヘ音記号の音域が得意な楽器で、いつもト音記号の音域を吹いてます

と書けばわかるだろうか。

まりホルンの美点である「甘く柔らかい音」は「低音楽器で超高音を吹く」という無茶振りによって成り立っていると、こういうわけなのだ

なので「管の長さを短くして音を当てやすくする」のは、音色的な意味であまり良い解決法じゃなかったり。

これはフルートを半分の長さにしたピッコロが、フルートと同じ音なのに全く違う音色に聞こえることと、ほぼ一緒の理由と言っていい。

とはいえプロでも音を外しまくる楽器なんて、これもう普通に楽器の欠陥じゃね?と思うわけ。

実際、上に書いた事情を知ってもなお、ホルンで音を外されるのは非常に不愉快だし。

なので、そろそろ現代ハイテクとやらで「管を短くする」以外の解決法を発明してほしいのだが、一向にそんな気配はない。

困ったもんだ。

おまけ

世界一難しい」とか書くと必ず「尺八はどんくらい難しいの?」などと愚にもつかない事を訊いてくるアホがいるけど、

世界的に無名日本民族楽器なんて、誰も難易度とか問題しません。尺八を吹く虚無僧世界中の街角で当たり前になってから、もう一度おいで下さい」

で終わりなんで、そこんとこよろしく

おまけ2

そもそも尺八発音原理フルートと同じ。

更にフルートが取り立てて難しい楽器とされていないどころか、本邦ではアマチュアフルート奏者が多数存在することを踏まえれば、自ずと難易度は把握できるわけで。

…なんて予防線のために書いたら、尺八吹き?の増田から思わぬツッコミが来たので↓に反論を書いておく。

anond:20220223144330

2022-01-29

トロンボーンの音がきったねえ

anond:20220106211813

ホルン倍音つってもよくわからなかったので調べてみたら、

そりゃ、プロでも普通に外すわなと。

だとすれば

「だったらもっと管の短い、高音が得意な楽器を作ればええやん」

となりそうだが、そうするとフルートを半分の長さにしたピッコロよろしく、音質が大きく変わってしまってNGなのだろう。

実際チェロト音記号の音域を弾いたときの美音を、ヴァイオリンヴィオラでは絶対に出せないのと同様、
ホルンの美点である「甘く柔らかい音」は恐らく「管の長い楽器ハイトーンを吹く」ことでしか実現できないみたいな事情がありそう。

ということで、そんな無茶振りに等しい演奏常態化していることも踏まえ、改めて「世界一難しい金管楽器」というのも納得である

さて、そうなると金管楽器ホルンに次いで不満があるのがトロンボーン

なんつーか

音程合ってて音がデカければ音質かんけーねー」

と言わんばかりの、騒音に等しい、潰れたような汚い音を平然と吹く人が多すぎな件。

欲しいのは力強く立体的な音なのに、そんな音に少しもかすらないのは、なんか勘違いしてんのか?と感じてしまう。

原理的には「長くて太いトランペットである以上、そこまでノイジーな音なんて出ようがないと思ってるんだけど、なんでそうなるの?

2021-07-27

藤井風の「サブスク発言は何が問題だったのか?

結論

何も問題ではない。

藤井風のサブスク発言とは

藤井風 @FujiiKaze

サブスクでたくさん再生してくれる人、それを呼びかけてくれる人たち真面目にありがたいな。。

https://twitter.com/FujiiKaze/status/1419585810819547141?s=20


大人気のシンガーソングライターである藤井風が投稿した1つのツイートに対し一部ファンが騒いだことに端を発する。

藤井風がサブスクリプションサービス自身音楽を聞いてくれること、さらに周囲への”サブスク視聴”を呼びかけるファン感謝の意を表した。


ところが、一部のファンがこのツイートに「サブスクじゃなくてごめんなさい」などと本人のコメント意図を汲めない返信をしたり、

曲解して「寝ている間にサブスクで無音再生して、再生数を増やします!」というキャンペーンを呼びかけるファンまで現れた。

リプ欄見ていて意外とサブスクって知名度低いのか?と思ったのでサブスクについて書くぞ。

藤井ファンだけでなく、最近音楽媒体とか何もわかんねーという人に伝えたい。


そもそもサブスクって何なんw

サブスクリプションサービス 略してサブスクとはそもそも何か。いわゆる「月額○○円で○○やり放題」的なサービスのこと。つまりバイキング、90分食べ放題

藤井風の言っているサブスクってのは音楽バイキングのことである

サブスク代表的サービスApple MusicSpotifyLINE MUSICAmazon Prime Musicなど。テレビCMでも紹介されるので聞いたことある人も多いのではないか

大体月額1000円で、世界中音楽が聴き放題。どれくらい聴き放題かって、あなたが頭に思い浮かべている音楽のほぼ全て聴ける。たぶんメジャー音楽で聴けないのはジャニーズ山下達郎中島みゆきブルーハーツハイロウズクロマニヨンズくらい。それ以外なら聴けると思っていい。嘘、言いすぎました。でも大体聴ける。

大体どのサービスでも聴ける音楽は変わらないのだけど、各サービスごとに特色があったりする。独自ラジオテレビ配信していたり、プレイリストが充実していたり。配信してる音楽差別化を図っているサービスもあり、極端な例を言うと「アニソン特化サブスク」とかね。


ダウンロードとかサブスクの違いが分からん

藤井風の音源ほとんどは配信限定でリリースされており、「ダウンロード購入」と「サブスク」の2種類で聴くことができる。この2つの違いがよくわかんね〜という人もいるかもしれない。

ダウンロード購入」は1曲やアルバム1枚単位で「音楽データ」を購入し、パソコンスマホ聴くことができる。

一方「サブスク」は月額料金を支払って聴き放題だが、「データ」として手元に残しておくことはできない。サービスを解約した時点で聴けなくなってしまう。

サブスクは「買う」のではなく「借りる」行為に近いかもしれない。イメージは「レンタルし放題のTSUTAYA」みたいなもんですね。

もちろんデメリットもある。「購入」してるわけじゃないから、もしもその「レンタルし放題TSUTAYA」が閉店したり、品揃えを変更したら聴けなくなる。

例えば、数年前ピエール瀧が薬物所持で逮捕されたため彼の所属する電気グルーヴ音源配信停止になった。ダウンロード購入してる人やCDを持ってる人は引き続き彼らの音楽を聴けたけど、サブスクユーザー電気グルーヴ音楽聴くことができなくなった。サブスクではそんな事案がちらほら発生している。


でもCD買うのが正義でしょ?

かにCDで買うのが一番アーティスト還元される。

ただ知っておいて欲しいのは、いまCDで儲ける時代終焉に向かいつつあることだ。

世界規模で見ればフィジカル(CDDVDのような"モノ")よりストリーミング(ここではサブスクのことだと思ってください)が3倍近く売り上げている。

https://www.musicman.co.jp/column/314188]

とはいえ日本はまだフィジカルの方が売り上げが強い。その理由CD握手券ライブ参加券をつけてオリコンチャートを独占するアイドルを見れば瞭然だろう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ104XI0Q1A310C2000000/]

アメリカで生まれタワーレコードアメリカから撤退したという話は有名だ。アイドル感謝

そんな状況だから、サブスクに力を入れるミュージシャンもどんどん増えている。今までサブスク配信していなかった大物アーティスト全音源の配信を開始することも増えた(最近だとB'zが話題になりましたね)。


アーティストから見るサブスクの良さ

アーティスト側のサブスクメリット音源を作ったらすぐにリリースできることにある。

サブスクCDを作る手間が必要ないため、CDプレス時間お金もかからない。

藤井風がそうしているように、今はシングル配信だけ、というアーティストもかなり多い。

かつてはシングルカットされたドラマ主題歌を1000円で買い、その後アルバムを3000円で買い、そうでもないCDは1枚数百円でレンタルして

ものだけど。だって今じゃ1000円払えば2曲+カラオケ2曲だけじゃなくて世界中音楽が聴き放題なのだ。誰だってそうするでしょ。俺もそうする。


サブスク聴くべきたった1つの理由

何よりサブスクが素晴らしいのは「聴けば聴くだけアーティスト還元される」のだ。

還元率は1再生につき約1円と言われている。とはいえCD1枚の印税と比べたらめちゃくちゃ安いのだけれど。

とにかく、みんなが聴けば聴くほどアーティストは儲かる。

だってCDは1万回聴いても、最初に払った3000円の印税以上はアーティスト還元されないでしょ?


からサブスクで聴こう

さらに、あなたがサブスクで聴けば聴くほど「この曲は人気があるのだ」と公式プレイリスト(おすすめリスト的なやつです)に選ばれる。ラジオで言うヘビープレイ的なね。

また、各サービス利用者が聴いている視聴履歴データを集約する。そのデータを使って、あなたおすすめ音楽を教えてくれたり、同じような音楽趣味を持つサービス利用者あなたの好きなアルバムおすすめされる。

まりあなた好きな音楽をサブスク聴くことで、ファンが増える機会を作ることになる。

CDオリコンチャートTOP10入りするよりも、リアルタイムダイレクトな「購買運動」を行うことができる。買ってないけど。


余談だが、サブスクメジャーアーティストインディーズアーティストも同じように評価される。

インターネット発の若いミュージシャン最近人気になっているのもこれが一因だったりするし、あいみょんもサブスクのおかげでスターまでのし上がったとまで言われている。

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00173/00010/]


サブスクに加入する方法

スマホPCサービス名で検索、その後登録するだけ。

クレジットカードがなくてもケータイ料金とまとめて支払いもできるし、コンビニで利用カードを買えば現金も使えたりする。

みんなが思ってるよりハードル低いし、大体最初の1ヶ月無料キャンペーンもやってるのでお試しでやるのもおすすめ


結論

まり、もしあなた藤井風、ないし自分の好きなアーティストを世に広めたいのであればCDを買ってアーティスト印税還元し、その上でサブスク聴くことで再生数を伸ばして聴いた分の利益還元するのが良い。

昔のチャートより健全じゃないですか?

から最初の話に戻るけど、音消して再生数だけ回そうという考え方もダメじゃないけど、フェアじゃないよね。

実際Vulfpeckというアメリカファンバンドがサブスクで無音のアルバムリリースした。ファンの寝てる間にアルバム再生させてツアー費用を稼いだのだけど、結局ズルかったので約1ヶ月後にアルバムが削除された。

https://ja.wikipedia.org/wiki/Sleepify]

これは「無音のアルバム」だけど、本来音がついてるアルバムボリューム0にして再生数稼ぎました報告をアーティストは見て嬉しいか〜?という疑問は常に持ってようね。


あとたまに見る「サブスクアーティストへの利益が少ないからやらない」という意見もわかるけど、それ言うならCD利益も大概なんだからライブ行ってたくさんグッズ買うのが一番良いと思うよ。

たぶん一番良いファンCD買ってレコード買ってDVD買ってサブスクで聴いてライブ行ってグッズ買ってクソリプしない人だ!!!!!!

2021-05-10

ぼくの大好きなエレキギター、パパからもらったエレキギター、とっても大事にしていたのに、コピーしたい曲に出ない音がある、

6弦のBb、6弦D

Oh ... 半音ダウン半音ダウン、全音ダウン

Oh ... 半音ダウン半音ダウン、全音ダウン

チューニングごとにギターを持たないと駄目なの?😩

2021-05-04

N501iはやってるらしーね

このハイスペックやべえわ・・・

http://www.nec.co.jp/press/ja/9903/1702.html

10文字×10行の漢字表示が可能な大画面

送信メール/受信メールを各50件、メッセージリクエストメッセージフリー(注3)を各50件、ブックマークを15件、ホームページなどの画面メモを10件までそれぞれ記憶できる、豊富メモ機能

全音から16分音符まで、半音刻みに2オクターブ使用してオリジナル着 信音の作曲ができ、本体に3曲まで曲名をつけて登録することができる。また、曲のテンポを8段階で切り替えることもできるため、様々な曲を登録して利用できる。

2020-12-28

anond:20201228220044

全音階使えることが完全楽器の条件であるならパラメータ次第で何でも出せるシンセもっと完全なのでは?

anond:20201228215303

ピアノだけで基本的全音階使われているのだから「入り込む」というのが付け足すことを意味するなら付け足せるのはドラムセットくらいでは?

2020-12-20

音ゲー音ゲーカバーするという恐怖

ブシロード社運をかけているらしいクソデカプロジェクトのd4djについにナナシス曲が入ってしまった。

ナナシスを6年続けてる身として、ナナシスカバーは流れてきたとき本当にゲロが出るくらいビックリしたし怒りが凄かった。

正直選曲ゴミ。他にアニクラ定番曲あるやんけ…。カバーアレンジもクッソダサイ。これ集客行けると思ったのか?

で、ちょっと調べたらうたプリの曲もカバーしていてひっくり返りそうになった。聞いてみた。

ダッッッサイ!!

というか女が歌うことそのもの違和感拒否反応ヤバイのにアレンジ声優の下手さで拍車がかかってて地獄

………憎悪偏見を含んだ所感は置いておく。

正直、ナナシスうたプリという曲を売りにした、いわゆる音ゲーカバー音ゲーでやるというのは、金で圧力をかけるような横暴な行いではないか

しかも、まずは日和って雑魚万年サ終が囁かれるナナシスと、10年も前の(言ってて悲しくなるが)落ち目うたプリ

他のカバー曲も、正直それを隠したい部分があったんじゃないか…というくらい妙に古かったりニッチな曲がちらほら見えるのもどうなのか。wow wow tonight なんておっさんしかからなくね?それをアニメの一話で4回くらい聞かせてくるのも寒いからやめろ。モブ死体並みにヤバいって聞いたので1話だけ見て萎えて切った。耐えられないわアレ。

今後、ガルパの曲も入ってるし、サービス終了予定のエムマスとかのアイマスシリーズや、落ち目スクスタやらのラブライブ系列もぶっ込んできそう。

そうなったら、全音ゲーユーザーから顰蹙を買うかも知れないな……。まじでこのコンテンツ終了してくれ…。その分既存音ゲーユーザー分散できるとおもうんだよ

2020-11-28

anond:20201128134846

ブラックメタルとか北欧ゴシックは分かるけど、

まず自分が思い付くのはブラック・サバスなんだけどなあ

レッド・ツェッペリンディープ・パープルブラック・サバスは外せない

あとブルー・オイスター・カルトとか

何をレトロなことを、と思うかもしれないが、

メタル音楽的なルーツ音楽理論的にもルーツなのは上の3つのバンドだと思う

ロックとはなんぞや?みたいな音楽理論ネタNHK坂本竜一のスコラは本当に良かったと思う

話がズレるが、

メタルにおいて特にディープ・パープルリッチー・ブラックモアジョン・ロードの影響は大きかったのではないだろうか

いわゆるクラシカルフレーズとかそういう技巧的なものロックに持ち込んだ

リッチーのギターは今からすると誰でも弾けるレベルになってしまったと思うが、

その発展形がイングヴェイ・マルムスティーンなどになる、

というか、イングヴェイリッチー好きすぎるだろw

リッチー本人は結婚した奥さんの影響でジプシー音楽みたいなのに行っちゃったけどw

ブラック・サバスもとにかく5弦、6弦、パワーコード弾いとけば暗くてメタルっぽくなる、

みたいなノリはメタリカにも通じるように思う

とにかくアンチクライストっぽい歌詞を書いて、5弦6弦うだうだやって、半音全音下げチューニングしてれば、

なんちゃってデスメタルはすぐできる

寧ろ、あれは体力の問題だと思ってるw

いつもドラムが大変そうだよなあと思いながら眺めてたりする

というか、

甲本ヒロト氏が「今の人は歌詞を聞きすぎる」とか言ってたみたいだけど、

アンチクライスト歌詞から聴く、という人はあんまりいないんじゃないの?

いや、まあ、いるかもしれないけど…

それより自分メロディーというか楽曲自体の方が重要であって、

十字架キリストを逆さにしようが、ご飯を床にぶちまけようが、だからこの曲が好き、

なんて人はあんまりいねーだろ流石にwと思うんだよなあ

見世物小屋とかアングラ芸人じゃないんだから

あと、メガデス歌詞とかもアンチクライストっぽいものがあったりするけど、

大佐は癌?になったんだったかクリスチャンになったんではなかったか

クリスチャン改宗したみたいなことを何かで言ってたのは覚えてる

俺も大病で手術したか気持ちが分かるというか、

筋弛緩剤で全身麻酔して生還すると何か宗教的感覚に目覚めるよなwと思ったり

あと、これも書いとくか

しかブルースロックンロールがハードロックヘビーメタルパンクロックなどに発展して、

メタルの中にはアンチクライストアンチモラル歌詞を含むイメージがあったと思う

アンチクライストといえば自分としてはまずブラック・サバスブルー・オイスター・カルトが頭に浮かぶ

そこから派生して現在ブラックロックというか、デスやゴシックなどがあると思ってる

でも、自分は好きなデスメタルバンドもあるけど、

ブラック・サバスみたいな直球ネタは流石にダサく感じる気がする

サバスはボーカルオジー・オズボーン自体主体となって、

ランディー・ローズザック・ワイルドなどのギタリストも育て活躍しているわけだけど、

オジーだってアンチクライストを先鋭化してったわけじゃないし…

うーん、やっぱり今どきアンチクライスト直球ネタないわー、と思ってしま

歌詞にするにしても何か捻りがほしいと思う

当時はブラック・サバスコピーみたいなバンドはいっぱいあっただろうけど、

流石に、ロックメタルアンチクライスト、という発想が古い

そっち寄りでもそんなバンド今はそうないというか、そもそもあんまり売れない気がする

2020-07-27

MAD文化が消えつつある理由という話と今でも投稿され続けている傑作音MADを発掘する方法

MAD文化は消えつつあるのか

どうやら最近MAD文化というものがなくなったのだと考えている人が多い。

MAD文化がなくなったということは、もうMADの作り手がほとんどいなくなってしまったということが考えられるがそれは大きな誤解である

ニコニコで「音MAD」をタグ検索すると、5年前の2015年から2019年まで投稿件数は減っていないどころか大幅な増加をしているのだ。

2015年音MAD投稿件数---5901件

2016年音MAD投稿件数---7731件

2017年音MAD投稿件数---9024件

2018年音MAD投稿件数---9831件

2019年音MAD投稿件数---11291件

2020年はすでに9545件もの音MAD投稿されており、すでに2019年投稿件数を超えそうなペースで増加している。

少なくとも作り手がほとんどいなくなってしまったということはない。しかMADがたまに伸びたり、Twitterバズると「こういう動画減ったな〜」というコメントが必ずつく。これは一般視聴者MADを見なくなってしまったということである

私はMADを見なくなってしまったという人が多いのは皆が知ってる共通認識ネタが減ったのが原因であると考えている。

一昔前はオタクならほぼ全員が知っているコンテンツが見られていた(咲、禁書らき☆すたのようなアニメゲームなら艦これ等)

事実これらを素材にしたMADは多く再生されていた。

しかし昨今はオタク趣味ソシャゲVtuber等に細分化され、かつては多くのMADが作られていたアニメ自体視聴者日常系、なろう等の多ジャンル分散化された。

Vtuber四天王が出てきた2018年頃にはネット全体がVtuberというジャンルに注目しており、そのころは多くのダンスロボットダンス等のMADが作られていたが、その後にVtuberの主流が配信者となり、VtuberMAD視聴者層がほぼそのVtuberファンのみとなったため再生自体は減った。

平成投稿され続けていた名作音MAD

しかし今でもMAD特に音MADは良作が作られ続けているのは事実である。昨年11月平成投稿された全音MADから各人10個選び順位づけ、それらを集計したうえでランキングにしたイベントが行われた。このランキングには大体の人がMAD全盛期をイメージしている2009,2010年頃だけではなく、最近動画特に2018年動画が多くランキング入りしている。

平成音MADベスト100アーカイブ

https://www.youtube.com/watch?v=0fbikIWDKIU

長いと感じる人は10から動画(59:48~)がフルで見れるのでそこから見てほしい。

平成音MADベスト100結果公開マイリスト

https://www.nicovideo.jp/mylist/67036747

ベスト100結果スプレッドシート

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1q0oKdIh5AV8-2biDY8KYd_5uEB0-Im8EXShlf-z0I0Q/

MADを発掘する

話は変わり、ニコニコにおいては動画を発掘する手段としてタグ検索ランキングに上がっている動画を見るというのが主流であるが、タグ検索はその素材がよっぽど好きな人しかやらず、ニコニコランキングページはそもそも見る人が減りつつある。

今でも良いMADが作られていると言われても、これでは探しようがないと言う人におすすめするものがある。それは、毎年行われている「音MAD10選」である

こちらのホームページで毎年投票式によりその年ごとの良かった音MADを選び集計結果が発表されている。

http://oto10.s602.xrea.com/10sen/

1年おきではなく最新の動画群の中から良作を見つけ出したいという方は音MADの作り手の中に最新の動画マイリストに入れてニコレポに放流している人もいるのでそれをチェックしてみるのもよいだろう。

かつてのインターネット

かつては創作の場において2ch(現5ch)が主流で多数の面白い人が集まりコピペFLASHAA等多くのネット文化が生まれた。その後に人の集まる場所Twitterに移ったが、最近異なる思想の人が一つに集まりすぎることの弊害からか、強い口調で煽り合ったり他人意見否定することが増えつつある。動画投稿生計を立てるという新しい職業を生み出したYoutubeも、最近の急上昇は芸能人が席巻し、新規素人が出る幕がなくなってきた。しかし、ニコニコにおけるMADの作り手は当然のことではあるが一切の見返りにもならずとも動画を作り続け、技術の向上を目的にしたり、純粋面白い動画投稿したりし続けている。その姿はニコニコ、いや大きな資本が投入され続ける前の楽しかたころのインターネット文化継承している最後の砦といえるのかもしれない。

2020-02-16

音感についてまとめてみたのでφ(..)メモメモしておく

絶対音感 ある音の高さを他の音と比較せずに識別する能力

相対音感 ある音の高さを他の音との関係において識別する能力

出典:デジタル大辞泉小学館

国語辞典には載っていますが、楽典には音感は載っていません。

識別方法音楽の分野では心理学の分野だからです。

ヒトには音の高さを感じる能力があります内耳蝸牛聴覚細胞が並んでいて、周波数によって興奮して信号を発する部位が違っています。これが脳の聴覚野で処理されて音の高さとして認識される。

長さに例えると長短は比較できますが「ものさし」がありません。何㎝と分かるには、単位を決めて物差しを作らないといけません。作成したものさしを基準点に合わせて長さを測ります

音の高さはラ=440Hzの基準を決めます周波数が2倍の880Hzの音を人間は「同じ音」に感じます。この音程・音の高さの間隔を1オクターブといいます。合成された波形の周期が元の周期と一致します。音の高さには「トーハイト」と「トーンクロマ」という2つの考え方があり、トーハイトオクターブ単位で違う音はトーンクロマが同じと感じられます

返信を取り消す

周波数が2:3の音程は美しく響き合うと感じられます。合成された波形が単純な繰り返しになります音楽ではこの音程を完全五度と名付けています

2:3の関係で音の高さを決め、1オクターブ範囲を超えたら周波数を半分にして折り返します。こうしてできる12音の音列を半音階といいます。この方法ピタゴラス音律と呼びますピタゴラス音律では13音目が最初のラと「ほぼ同じ」なのですが、このために和音の響きが濁ります不快な「うなり」が発生します。この音程の誤差をピタゴラスコンマと呼びます

これを補正するために、様々な音律半音階の周波数比が考案されてきました。ピタゴラスコンマ分散させています

ピタゴラスコンマを均等に割り振ったのが平均律。きんとうに和声が濁ります

これで、音の高さのものさしが完成しました。

ラ=440Hz と 平均律音程 を 覚えて、半音階上位置を判定します。これが相対音感。ラの周波数は可変です。半音階の音高に「音名」をつけます。が、ドレミファソラシは7音・全音階に命名されていて、半音階は♯♭をつけて表されます

絶対音感は訓練によって、半音階の音の高さを記憶して、絶対的ものさしとして使います記憶には短期間で忘却する短期記憶長期間保持し続けることのできる長期記憶があります短期記憶を繰り返すことで、長期記憶として定着すると考えられています絶対音感・音の高さの長期記憶は、幼児期でないとできないとされています。脳の発達により能力が失われる。相対的な音の高さを思考できるようになると、単純な記憶をする訓練が妨げられる。諸説あります

色覚はたくさんの色を認識することができます。これは光の周波数・波長を感じています日本の文化では、赤橙黄緑青藍紫が波長の順に命名されています

絶対色覚……という用語はありません。緑と青の間にも無数の色があり、これを明確に区別することができないから。

絶対音感は、ドレミファソラシの周波数を固定的に記憶しています

ドとド♯の間の音は「わからない」 精度が低ければ近い方に誤認します。ドに近い・ド♯に近いと分かるために、相対音感で補間をします。

赤~紫の光は、赤・緑・青の3つの合成で作ることができます。0~256の強さで表すと256*256*256の色を表現できます

音には1秒間の振動数で表すHzという単位の他に、音楽では1オクターブを1200分割して1セントとする単位があります

可視光を7分割するのは、日本の文化文化によって色名の数は異なります

半音階12音の音程感を覚えて、相対音感習得しましょう。

絶対音感があると、音がすべて「ドレミに聞こえる」という誤解があります音感があると音の高さが「ドレミで分かる」だけです。もし「ドレミファソラシ~♪」という音声が聞こえていたら、それは脳が作り出したもの生活に支障があるならばそれは「幻聴」という病気

絶対音感記憶している半音階に拘りがありすぎると、強迫性障害発症します。長さが1cm刻みぴったりでないと許せないと言い出したら病気ですね。

人には聴覚から入ってくる情報を取捨選択して無視できる能力が備わっています。これを「カクテルパーティー効果」といいます言語の音声を多数同時に処理できるほうが稀な能力ですし。雑踏の話し声がすべて頭に流れ込んでくるとか、どこからか話し声が聞こえてくるとか言い出したら病院

音感があっても複数パートを同時に処理し記憶することは容易ではありません。そのような優れた音感記憶力は「絶対音感」と誤解されていますが、音感の種類である絶対・相対とは関係ありません。

2019-07-27

anond:20190726200351

クラシックピアノ曲場合

楽譜を売っている店へ行く→曲の傾向から作曲家の見当を付ける→全音楽譜集にINHALT(メロディ索引みたいなやつ)があるのでそれを虱潰しに当たる。

まあピアノ教室先生学校音楽先生に聞けばもっと早くわかったのだろうけど、ちょっとHなアニメの劇中に使われた曲なので恥ずかしくて聞けなかった

2019-06-17

[]猿には分からない裏コード入門

ハ長調、Cメジャーにおいてドミナントセブンスはソシレファ、実音で下からGBDFだが、このBとFはトリトン、つまり全音である

この三全音は展開してもコードインターバルが変わらないため、BとFの三全音且つ三度体積を担うD♭とA♭からなるセブンスコードを、ドミナントセブンスの裏コード定義したのだ。

ちょうどこの2つのコードは五度圏上で対極に位置しているのはたまたまではないが割愛する。

2016-10-21

騒音難聴になりましたレポ

2週間ほど前に人生二回目のライブハウスに行ったら騒音難聴になりました。

やっとこ聴力が回復したのでどんな感じだったのレポです。

注意喚起あるいは騒音難聴になった人の参考にでもなれば嬉しいです。

ついでに嬉し恥ずかし増田デビュー。まあ文章上手くないので箇条書きなんですけど

0日目:

ライブハウス下手のほぼ最前列で1時間ほどライブ観賞

ライブ終了後,音が聞こえにくい状態に加えスピーカーがあった左側の耳で耳鳴りがする状態に(ピーという高音とノイズのようなシャーシャーした音)

騒音難聴は知っていた(http://sauce3.hatenablog.com/entry/2015/05/11/082730)ため,やってしまたかと背筋が冷える

・寝たら治ることにわずかに期待し就寝

1日目:

・起きても耳鳴りが治まっていないので耳鼻科に行くことを決意

・午後3時ごろ耳鼻科へ。聴力検査の結果、左耳のみ4000Hzの聞こえが悪い

・あっこのグラフ進○ゼミ(上記のリンク先)で見たことある状態

騒音難聴と診断され、アデホスメチコバールプレドニンを1週間分処方される

2~4日目:

大人しく薬を飲む。ステロイドプレドニン)は飲み忘れダメゼッタイ

・どうしても人と話をする必要があるとき以外耳栓装備

・なるべく早く寝る,なるべく安静にする。安静って何だろうと悩む

・相変わらず耳鳴りはするが,徐々に治まってきているようなそうでもないような

5~7日目:

・薬を飲み耳栓生活も続行

・このあたりから1日の中での耳鳴り/耳鳴り無しの時間が半々くらいになってくる

8日目:

・再度耳鼻科へ。聴力検査の結果,高音域の聞こえは戻るも何故か左耳のみ低音域の聞こえが悪化

アデホスメチコバールをまた1週間分処方される

9日目~14日目:

ステロイドが無くなったため気が抜けて10回に1回ぐらい薬を飲み忘れる

耳栓電車に乗るときのみにする

耳鳴りは完全になくなる

15日目:

耳鼻科で聴力検査の結果,全音域で聞こえが回復

というわけでした。自分場合片耳だけ症状が出ましたが,ぐぐってみると両耳とも症状が出るのが一般的なのか?といった感じ。逆に突発性難聴は片耳だけ症状が出ることが多いらしいですね。

騒音難聴突発性難聴も,とにかく早期治療をしないと聴力が回復しなくなってしまうそうなので異変を感じたらさっさと病院行きましょう。音楽聞くのが好きなのに音楽を聞いたせいで音楽が聞けない体になるって悲しすぎますし。

同じ音量を聞いても騒音難聴になる人ならない人がおり,体質でどうしようもないらしいです。

今回は聴力が戻ったので一安心ですが,これからライブに行くとき耳栓するマンになります!隣の人が耳栓してても怒らないでやってくれよな!!

ついでに心配な人はぜひライブ耳栓もって行ってください。2000円くらいで見た目も目立たない良いやつ買えますからだだいじに。

2011-01-14

酔っぱらいながらぶちまける

近親調以外の転調を遠隔調への転調と定義することで、調性圏内の和声は飽和した。広い意味での調性、あるいは無調、またそのようなものの連結は、厳密には定義されず、慣習として認知されるにはま歴史の積み重ねが足りない。

もともと、教会旋法があり、そこからの選別を経た結果として残ったIonian、Aeolianが一時は主導権を握り、和声的連結ももっぱらこの二つを考えたものだ。

ところが19世紀、ドビュッシー教会旋法を再評価する。(厳密にはドビュッシーに限らず、かのリストや数々の音楽家から群発的様相をもって現れてきたものだが、代表はドビュッシーである、ということは異論はないはずだ。)そのドビュッシーの「帆」は、全体にわたってMTL1、すなわち全音音階が散りばめられ、幻想的な雰囲気を醸すことに成功している。後にも先にも全音音階が効果的に使われたのはこの曲のみといっても過言ではない。

この時期は、既存和声の崩壊が随所に現れる。トリスタン和音、神秘和音といった概念はこれまでの和声に衝撃を与えた。型破りな進行と、限定的、効果的なものが共存したそれは矛盾をはらむことなく組み込まれていくこととなる(もちろん、穏健的な層からの反発はあった。今でこそ評価の高いドビュッシーの作品すら「誤用」と声を挙げるものもいたのだ。)

SomethingNewを求めた先に、過去歴史の再評価があったとはなんとも興味の惹くところだが、この時代の印象主義に限らず、あらゆる作曲家は新たな音楽観の萌芽を享受し、育んでいったのだ。

また、クラシック音楽界隈以外にもJAZZ誕生など、別方面からムーブメントが起こったのは見逃せない。巨大な市場が成立すれば、作曲家も無視するわけにはいかなかったのだ。JAZZ史を俯瞰するだけで何十万字という文章が書けるが、今回は省略しよう。とにかく、新たなアプローチが産声をあげ、互いに影響されたのだ。

そのなか、新規性が斬新さを持ち過ぎて受け入れがたい空気が醸成されたのもまたひとつ事実であるストラヴィンスキーの「春の祭典」は、初演当時そうそうたる作曲家――ドビュッシーサン=サーンスなど――が席を同じくしただが、その結果は賛否両論がふさわしく、それ以前「ペトルーシュカ」まで彼を評価していたドビュッシーすら、この演奏以降をもってアンチポジションを取るようになるほどのものだったのだ(もっとも、ニジンスキーのあの振り付けを初めて見て冷静に評価しろというのもなかなか難しい注文だと思うが)

これを期にして、というわけではないが、今後の音楽シーンは「クラシックな」ところから乖離していく動きが目立つようになる。シェーンベルクがドデカフォニーを確立し、システム的な面が強調されるようになる。後のセリー技法に直結するこの動きは、今日穏健派から黒歴史認定されている。

時系列的に和声の展開を捉えれば、それは不協和音程の和声的獲得である現在パワーコードやモーダルクラスターなど、ごくごく当たり前に用いられるのも、こうしたプロセスを経たものである

では、この先どうなるのだろか。

すでに一部急進派は、微分音を積極的に導入し、1オクターブを何十分割にもしてきた。穏健派も遅れながら、限定的な用法で微分音を導入しつつある。十二音を崩壊させてどこへ行こうというのだろう。

和音連結が微分音を獲得するときはくるのだろうか。

2008-12-11

音楽理論について

ポップスの根幹を成すコードというものは基本的にスケールを一つ飛ばしで作るものだ


スケールとは音の並び、もっと言えば音がどういう間隔で一オクターブ上まであがって行くか、である

そのため、ドレミファソラシドとレミファソラシドレは違う

レミファ#ソラシド#レなら同じである


全ー全ー半ー全ー全ー全ー半で一週するのをメジャースケールという

全ー半ー全ー全ー半ー全ー全で一週するのをマイナースケールという

ポップスは、ほとんどこのスケールである

ジャズブルースは違ったりする

ここで唐突に出てきた全半の記号ではあるが、

これは全音半音を表している

ギターなら1フレットが半音、2フレットが全音

ピアノなら白鍵黒鍵ごたまぜで鍵盤一つが半音、二つが全音である


そして、このとき基準となる音を、最初に弾く音とする

これをキーとよぶ(大事な音であるからだろうか?)

キーはアルファベットで書かれるが、

要はC=ド、D=レ、E=ミ、F=ファ、G=ソ、A=ラ、B=シという至極単純な読み替えである

キーを一つカラオケで下げたりする人がいるが、僕としては二つ下げたほうが歌いやすいと思う

理由は後々触れると思う


コードの話に戻るが、コードを作るには、

最初に基準の音を決め、そこから一個飛ばしにして取っていく(例)ドミソ、レファ

こうして重ねたのがコードである、ということで今回は終了

2008-04-16

Sound of Silence

「ねえお父さん、新しい足音ダウンロードしていい?」

「ん?去年変えたばかりだろう」

「もうあきちゃったよう」

「お母さんに聞きなさい」

小学校4年に上がったばかりの美奈子にねだられると、宇崎はなかなかダメだと言えない。厳しかった父が見たらせせら笑うだろう。自分で子供を厳しく育てるのがこれほど難しいとは思わなかった。

一昨年他界した父のことを思っているうちに、予想に反して、妻のよう子はダウンロードを許可してしまった。2万円もするサウンド・コラージュスキンをだ。父が「お母さんに聞きなさい」と言うのは暗黙のNoであり、母はそんな場合決して首を縦に振らなかったが、宇崎の家庭ではまだそこまで阿吽の呼吸ができていない。結婚して13年になるのに。

美奈子は妻が返事を終えるか終えないかの内にコンピュータに飛びついて、スキンの最終選定に入った。プリウス・サウンド・コラージュスキン。しかし日本ではもっぱら足音と呼ばれている。2010年カリフォルニア州議会での歩行者保護のための法案可決を受けて各社がハイブリッド車用の「仮想エンジン音」を実装した。同時に、一部車種でクラッキングが成功するとカスタムスキンが爆発的な流行を呼ぶことになった。メーカーは公式プラグイン以外の存在を認めていないが、それはそれ、解析できないはずのエンジンコントローラですら、ガレージハウスに解析してもらえるよう、分かりやすい実装がなされているのだ。一般層の売り上げに直結するスキンに厳重なプロテクトなどかけるはずがない。著作権無視の勝手スキンから、ポルノまがいのどこに持っていっても堂々たるアングラで通用しそうなスキンまで、探せばなんでもそろう。

昨年のスキン購入時に美奈子には公式スキンしか買わないときつく言ってある。今もPCの前で迷いに迷っている長女は結局2017年版の「野鳥の声」あたりを選んでくるのだろう。前回2016年版の野鳥の声を美奈子が選んできたときには暗い気持ちになった。上京したとき、人で溢れかえるJRのホームで聞いた、場違いな鳥のさえずりを思い出した。あのときの苦い気分は、忘れるどころか最近は思い返す一方だ。

美奈子、もう9時だぞ。寝なさい」

「はーい」

購入許可と言う勝利をもぎ取ったせいか、今夜は馬鹿に素直だ。長女がシャットダウンしたコンピュータを見つめながら、宇崎は嫌な気分を振り払えないでいる。床に就くまでウィスキーをもう二杯呑まなければならなかった。

………

「…おいしい、おいしい、焼き芋だよ…」

家を出た宇崎の横を、三軒となりの佐藤さんの車が小声でつぶやきながら追い越していく。佐藤さん本人は「分をわきまえた」人だったが、子供教育はそれほどでもなかった。大学生になった長男に古い車を譲った途端、安全音がさおだけ売りの珍妙な声に変わった。今聞いたのは通算三つ目だ。運転している本人は「笑える」とでも言っているのだろう。

「…ワンワンワンワンワンワン…」

「…舎利子 是諸法空相 不生不滅…」

「…おほん、うぉっほん、うぉっほん…」

ニュースによれば、ほとんどの人はまともな安全音にしている。本当だろうか。そもそも「まとも」とはなんだろうか。ほぼ無音で走ることのできる車に、閑静な住宅街でわざわざエンジン音を鳴らさせるのがまともだろうか。後ろからぴちゃぴちゃと足音が近づいてきて、ハイブリッドクラウンが追い越していった。

住宅地の外の道路に出る。幹線道路との合流まで続くハイブリッド車の列は、思い思いのつぶやき声を上げている。

あるものは小声で歌い、あるものはキャタピラの音を立て、あるものは鼻歌、ひづめの音、単車のエンジン音、ヘリコプタージェット機、口笛…

(俺が子供のとき夢見た21世紀がこれか)

21世紀は、白昼から百鬼がうろついている。

2007-09-23

理系文系の区分けなんて、ソプラノアルトパートわけのようなもの

私はまだ幼い頃、しばらく合唱と取り組んでいた。部活動とか OB の集いとか、要はクラス合唱に毛の生えたようなものだったけれども、クラス合唱レベルでは体験できないうたやオンガクの世界を垣間見ることができた。

でもって、クラス合唱や授業での合唱かそれ以上のことをやったことあるかたならば必ず経験のある儀式パート分け。声(音域)が高いからソプラノテノール)、声が低いからアルトベース)、に分ける、と思っている人が多いのではないだろうか。ほんとうは違う。これは、理系文系の区分けと実によく似ている。

実際、普通の個人の発声できる音域の差というのは、そう大して違うものではない。簡単にいうと、存在するのは「ソプラノ向きの声」と「アルト向きの声」だ。プロを考えてみればわかる、3大テノールの人は、ベースの音域が発声できないか、そんなことはない。充分カバーしている。(ではベースの人が世界レベルテノールが歌う高音域を出せるのか、というと、それは流石に無理だし、逆も勿論そうだ。しかしそれは飽くまでぎりぎり限界まで追求するプロ同士の場合の話であって、通常の合唱曲のパートぐらいならば余裕だろう。)

しかし現実には、クラス合唱などでもありがちな話として、ほんとうに喉から音が出ない、という物理的な制約からパートチェンジを余儀なくされることはある。「○○ちゃんと一緒のパートじゃないとヤダ」とかいう中二的な物言いなんかあったりして、懐かしい(まさかと思うかもしれないが、女子だけではない、男子でもこういうことを言うのを目にしたことがある)。身体ができあがってなければ正直なところ声はできあがらない。まだまだ未熟…というか、ほとんど取り組んでもいない状態で、これからどう伸びる可能性があるかわからない状態で、パートわけをしなくてはいけないのだ。たまたまそのとき高い音が出しづらいだけかもしれない。たまたま低音が乗っているだけかもしれない。(もちろん、「ハモリパートが好き」とかいう単に音楽的に器用かどうかがパート志望の理由になることもあるし、「主旋律じゃないと歌った気がしない」なんていう(楽して)目立ちたいかどうかだけがその理由になることもある。)ただまあ、ひとつ言えるのは、中学生変声期も迎えたかという頃になんなんとすれば、多くの人にだいたいその「片鱗」は見えてくるものだ。私は合唱の指導の経験はないが、ときどき街中を歩いていて聞こえてくる喋り声を聴いて「ああ、この人はソプラノかな、高音域の楽声を聴いてみたいなあ」とか「この低音の充実感はアルトだろうな」とか思うことがある。因みにしゃべり声の高低と合唱におけるパートは無関係ということも多く、地声が高くてもパートアルトの人もいるし、地声がガラガラでやんちゃなのにソプラノの人もいるのだ。(…ただし、私の「妄想」が合っているのかなんてわからないのだけど。)

もうひとつ、現実には「パートバランス」という切実な社会的要求がある。個人の資質をどれだけ正確に見極め、適切なパートに放り込んだとしても、合唱全体が「頭数」としてそのバランスでいいといっているかどうかはまた別問題だ。高々数十人という狭い範囲内(社会)で、これは解決されなければならなくなる。「どっちでもできそうな人」や「正直どっちとも微妙な人」などが、パートを移動することになる。勿論この「パートバランス」に関する要求というのは、歌われる楽曲によってそれぞれ異なる。だから、場合によっては、曲の部分部分で「あなたとあなた、ここだけアルトを手伝ってね」とかいう「手」もたまに使用されたりする。さらに、テノール人間アルトを手伝ったり、なんてこともないわけではない。

(「どっちとも微妙な人」(つまり、合唱全体の中では声量的に貢献しないんじゃないかという人)を動かして意味あるのか、と思う人もいるかもしれないが、これがまた合唱というものの不思議なところで、案外意味があったりするのだ。)

でもって実際、歌い始めてみると、「音域」と呼べるほど音程が異なるのは曲の中でもそう多くはなく、ほとんどが 3度 とか 6度程度。1オクターブも違いやしない。通常の流れでは「音域」はほぼ重なっている。単に「役割分担」程度の話。クラス合唱なんかでパート分けをなかよしグループ分けか何かと同一視する病理をあながち一笑に付すこともできない。

楽曲が高度になってゆくと、パート内で「ディビジョン」が頻繁に発生する。通常、合唱団では、ディビジョンした場合のパート分けは決まっており、例えば私はセカンドテナーテノールの下のほう)だった。男声四部の場合は通常上から 2番目を担当することになる。トップテナー担当することはあまり無かった。私の同期に私よりも適任がいたからである。ただし楽曲が高度になってゆけばゆくほどこの予め分けた「パート分け」は強い意味を持たなくなってゆく。

個人の資質というところでみると、例えばソプラノだったら高い音を出す練習ばかりしていればいいか、というと、そんなことはない。全音域を練習し、充実を図り、音域を広げる努力を続けることが、ひいては自分の得意な音域を充実させることに繋がる。

こうしてみてゆくと、パート分けにかかるあらゆる事項が「文理分け」と酷似していると言える。まだ習いたてもいいところの数式を目の前に「得意・不得意」を判断し、たまたまあたった先生のその授業で「苦手かどうか」「伸びうるかどうか」を判断し、また判断される。実際は、もっとあとに決めたい。でも、あとでは遅い。いま、決めなくてはならない。そんな中、「どっちつかずの人」とか「正直どっちでも同じようにできそうな人」なんてのも必ず出てくる。周りがどう見ても「こいつは理系だろ」と思うのに、「自分には将来やりたいことがある」と、文系科目をさらりとこなして進学してゆくようなのもいる。

理系だからといって物理数学ばかりやってればいいというものではない。様々な分野を習得し、深めてゆくことにより、ひいては得意分野についても実力の「底上げ」が図れるのである。

合唱おもしろいソロでは決して為し得ない音楽をつくり出すことができるのが、合唱だ。しかし、全体として少々高度なことをやっていこうと思うと、たちどころに構成員の個人個人の資質がその成果へと反映してゆくのだ。この点も文理を基準として見た場合の社会のありようとすさまじく似ているといえよう。

個人で何かやろう、事業でも起こそう、なんて思った人にとって理系文系がどんどん関係なくなってくるのも、そうだ。曲を構成できる音域を全てカバーしなくてはならない。苦手な音域も多少の無理をしつつ広げていかなくてはならないかもしれない。でも、そういうのが向いている人もいる。向いていない人もいる。

いま、その分野で、自分は「鳴って」いるか。「響いて」いるか。これからのひとは、長い目で見て、そのパートを気持ちよく充実して歌いこなせそうか。そのための鍛錬ができそうか。そんなふうに考えてみるのもいいかもしれない。

「その音域が出せるか」ではない。誰だって出せるのだ。「その音域を響かせることができるか」「その音域をよく鳴らせているか」。

 
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