はてなキーワード: 腕力とは
https://anond.hatelabo.jp/20201211083327
なんというか、この増田に対しても「差別する自分を自覚しろ」というブコメが星を集めるあたり、まるで連合赤軍の「総括」のようだなと思ってしまった。
差別に関する話は、突き詰めれば確かに諸個人の不断の内省によって超克されるものなのかも知れないが、実際嘆かわしいほどの差別が存在しているのに、むしろそう認識している筈の者ほど、それが現実問題として解決に貢献しそうにない方法を他人に強要しているように見える。
要は、差別を十把一絡げに話してしまえば、それがかえって差別を温存することに貢献する、ということにならないかと思うのである。
反差別批判なるものをする人は、おそらく差別についてひとしきり考えて一つの考察を得たのだろう。しかしその人が語るのは、解決すべき社会問題としての差別ではなく、決してなくならない差別が存在するこの浮世において清く生きるための方法であるように思える。
ちなみに、出羽守と言われるかも知れないが、英語では差別をもっとわかりやすく捉えようとしている。
差別を表すdiscriminationは、行動を伴うもの。prejudice(偏見)は考えや感情、価値判断を伴うもの。stereotypeは単純化された認識である。
例えば「黒人は腕力が強い」というのはstereotype。「黒人は腕力が強いから怖い・嫌い」というのはprejudice。「黒人の隣には座らない」というのはdiscriminationだ。
もちろん人間の認識に基づく話だからどれも混ざり合っているし、理想を言えばstereotypeをなくせたら最高かも知れないが、まあそれは無理な話だ。でも、その理想が追求できないからといって「しょうがないよね」ってのも違くね?という認識がここにはある。つまり、最低限discriminationをなくしましょうねというコンセンサスを得るために言葉を使い分ける。
最近の増田の例で言うと、「公立中学は荒れている」というのはstereotype。「公立中学は荒れているから動物園みたいなひどい場所だ」と思うのはprejudice。「公立中学校は動物園」とブコメするのはヘイトスピーチに当たると考えればdiscriminationになるだろうか。しかしこの差別の具体的な被害者は誰なのか。
どちらかというと、これを批判する者は、他人のprejudiceに足を突っ込んで叩こうとしているように見える。
今回のように見える形でprejudiceを表明するのはよくないが、表明しなければprejudiceもまた思想信条の自由に守られていたりもする。もちろんprejudiceなんて無い方がいい。しかし、クソ味噌一緒に全部差別で全部悪いとすることも、却ってよくないと思う。
まあ別に英語が優れているという話ではないんですが、いずれにせよ、自分が差別について理解を深め太郎になったところで世の中の差別はなくならないわけで、そういうことについてはどう思うんだろうなとか思っちゃうよね。
男同士肩がぶつかったら殺し合いの合図ですよ
令和にもなってそんなことを?と言われるかもしれないけど、こればっかりは本能に染み付いた鉄の掟。
江戸時代に刀の鞘同士がぶつかれば切られても文句を言えないのと同じ。
その時代の名残なんじゃなくて、本能的なものがその時代にそういう形としてルール化されただけに過ぎない。
かといって相手に道を譲るということは戦う前に負けを認めているようなもの。
そうして導き出された、無用な戦いを避けつつ、男としての負けを認めるでもない距離が増田のいう0.7人分という距離。
しかし全員がそういうわけでもない。そこには腕力ヒエラルキーに比例した距離感が隠されている。
1以上:弱者。そもそも道の真ん中を歩かない。危険人物に対して過敏に反応してそもそもぶつかりそうな位置に近づかない。
0.9~0.8:慎重派。怯えるほどでもないが常に遠くまで見通している。その分女性のこともよく観察しているむっつりスケベ。筆者はここ。
0.7~0.6:もっとも一般的な距離感。この距離感同士だとぶつかることはまずない。ただしスマホを見ていると反応が遅れて0.3~0.5に陥りやすい。
05~0.3:腕力強者。男性的自信に満ちあふれている。全員にぶつかるわけではないが、ぶつかってきた相手には容赦がない。
0.2~0.1:危険人物。もともと揉め事が大好きか、たまたま虫の居所が悪い人。こちらにどれだけ正義があったとしても近づいていいことはない。
0:ヤバイ人。ありとあらゆる意味でヤバイ人。故意だろうが過失だろうがぶつかって損をするのは自分。ぶつかってくるおじさんもここに分類される。当然ぶつかってくるほうが悪いが、批判してなくなるものでもないので、自分から避ける以外に避ける方法はない。
それに対して、女性は基本的に0.3~0.5までしか避けない。どうして私が避けなくちゃいけないの?という顔で平然と直進してくる。
これはやはり、ぶつかったときのリスクがぶつかった衝撃だけであるのと、命、もしくはときに命よりも重くなる男としての名誉というものに関わってくるかの違いだと思われる。
増田が書いたと通り、0.7避けているのに女性が避けずにぶつかってきたとき、いらだちを表現してしまうことは確かにある。
ただそれは、こっちがこれだけよけたのに!という気持ちより、お前それ男同士なら殺し合いだよ?という気持ちが強い。
ただ、女性が女性として大変なように、男は男で人生のこんなどうでもいい瞬間にも男が試されなきゃいけないストレスの多い人生だということも知っておいてほしい。
酷い性犯罪事件のトピックのたびに「こんなゴミカスはゲイに掘られろ」という怒りを表明するコメントに対して増田みたいな発言が必ず出るから、増田のような人は今回も必ず出るだろうと思っていたよ。
自分は認知のゆがみきった人間がある属性に対してヘイトを吐いた時に『お前の言い分が正しいとするなら』こういうことになるな。お前もそうしろよ。『嫌だってんならお前の言い分は大嘘』ってことになるな。つまりテメーの認知は歪みきってんだよ」という意図をもって、あえて増田がさす「誤った他者を矯正する装置としての何某」を使用する事にしている。女性差別的な意味で認知のゆがみきった非モテを自称するヘテロの男に己の論理の誤りを映して刺し返す効果的な装置として、増田の指摘する通りゲイという存在は非常に効果的だから(というより他の属性では実在性のなさ、抵抗可能な腕力等の問題で全く刺さらないから)だ。
なので「己を『人間で、ヒトの男を愛する事ができる』と称し、大抵のヒトの男より力が強く、ヒトの男の肛門を介して直腸に卵を産みつける生態をもった生物」が実在していればゲイでなくそちらを使う。そのほうが効果的だからだ。「なにが産後うつだ、子供を産めるだけ有難く思え」と非モテの女が暴れていれば「なら金稼ぎと家事と育児とセックスと同居と介護全部やれと抜かしてくるDVカス男の奴隷になってこい」と返す。認知のゆがみきった非モテ女にはゲイではなく嫁を奴隷だと思っているDVカス男の方が効果的だからだ。増田がそれを嫁を奴隷だと思っているDVカス男差別だというならそうなのだろう。
なので自分に関しては「件のブコメそのもの」が差別的なものであることは認める。それでも「元増田のようなヘテロのミソジニー男と望んで性行為を望むだろう層」を想定してかなり予防線を張ったつもりではいるが。
増田は「ゲイを女が捨てた残飯のゴミ箱にするな」と書いている。
しかし先に「どんな残飯でも口に食物を突っ込んでいただけるだけお前は恵まれている。飢死するよりマシなので選り好みせずありがたく思え」と言ったのは元増田の方だ。
「ならばお前も残飯を突っ込まれろ」と言い返されるのは当たり前の話だ。先に「男の承認欲求を満たす穴として機能するゴミ箱はそれだけで恵まれている」と他者をゴミ箱扱いしたのは元増田である。「『お前の論理が正しいならば、』お前もゴミ箱になれば幸せになれるのだからそうなれ」と、『元増田の論理を引用した側の者』ばかりが差別者扱いされるのはおかしな話ではないか。誤っているのは、望まないものを押し付けられて嫌がる他者を「恵まれているから有難く思え」と決めつけて被害者ぶる卑劣な者の論理の方なのだ。
論理の誤りを指摘する装置として使用しただけの者の属性に考慮しろと言うならば、男の承認欲求を満たすための装置としてあてがわれるべきだと心を持たないモノのように取り沙汰され、望まない関係を強いられれば相応に傷つき、不用意な性行為をすれば相応に妊娠し、相手が逃げれば相応に独りそれを抱え込み、その結果がどうであれ歩く殺人現場だのカスに股開いたバカ女だのと他者から罵倒される「女」という存在はどこまで考慮に値しない存在なのだ。
おそらくこの増田のブコメには「そうだそうだこれだからクソフェミはLGBT差別を平気でするゴミクズの集まりだ」と大喜びで尻馬に乗るミソジニストが山ほど湧くだろうから「私は差別したつもりなんてありません」なんて素知らぬ顔で綺麗事をぬかすつもりもさらさらない。
自分は「お前は差別者だ」と指を差してくる者がいると承知であのブコメを書いた。「認知のゆがみきった者にそいつの論理を最も効果的に刺し返すための装置」として特定の属性を自覚的に使ったことを、実際に差別者であると指差す者がいるならば自分はそうなのだろうし別にそれで良い。
中学一年生の三学期、隣の市からA(半キラキラネーム)という転校生がやってきた。
休み時間に、その子がアニメのキャラの絵を描いているのを見た。私も当時ハマっていたアニメだったので、こちらから声をかけてすぐに仲良くなった。Aはそれまでの私の人生で出会ったことがないタイプの人間だった。私の中学にもオタクの友達はいたが、どちらかというと仲間内で細々やっている大人しめのオタクだったのに対し、Aはイベントに行くわ絵を描き散らすわデカい声で萌え語りをするわとても活動的なオタクだった。彼女のオープンさにヒヤヒヤすることはしょっちゅうだったが、同時に大人しすぎるオタク仲間に物足りなさを覚えていたこともあり、私はAとよく遊ぶようになった。
Aは変わった子だった。繰り返すが、今まで会ったことがないタイプだった。彼女のようなキラキラネームの持ち主に会ったことも初めてだったし、「前の学校は治安が悪かったが、男子に喧嘩で引けを取らなかった」と聞いた時は、さすがに嘘だろと思った。Aはラグビーをやっているらしくふくらはぎには固い筋肉があったし、実際腕力も強かったが、それでも信じられず彼女の名前で検索をかけたところ、ラグビーのクラブチームの名簿がヒットしたので、ラグビーをやっているのも嘘じゃないとわかった。本当に喧嘩が強いのかもしれない。私の中学は平和だったので治安の悪い状態というのがドラマのようなものしか想像がつかず、知らない世界からやってきたAへの憧れは強くなった。
その他にもAは様々な信じ難いことを言った。
全員キラキラネームの妹が3人いて4人姉妹。(これはまあなくはない)
両親が事情があって別居するので転校してきた。
隣の市の祖父母の家は車のディーラーをやっていて、そこそこ金持ち。
その店には暴力団関係者も来るので、その手の人と繋がりがある。(ダメでは?)
車屋の事務用のデカい印刷機で小説同人誌を刷ってイベントで頒布した。それは年齢制限ものだったが、特に咎められなかった(ダメでは?)
覚えているのだけでもこれだけあるが、多分もっと小さい忘れているものも数多くある。
一度だけAの家に遊びに行った時に彼女の妹たちと会っているので、4人姉妹なのは本当だ。
今思うとこれを全部信じるなんて相当の世間知らずかバカなんじゃないかというところだが、当時中学生の私は世間知らずのバカだったし、少なくともラグビーや姉妹の話は本当だと確認したし、何より私の知らない世界から来た彼女なら、もしかしたら本当ということもあるのでは?と思ってしまっていた。Aの非日常な名前が、性格が、バックグラウンドが、話のありえない部分にも肉付けをしていた。
従兄弟のBは彼女に劣らないキラキラネームで、そこそこイケメンで、彼女と仲が良いということだった。AはよくBの話をした。
AがBの家に遊びに行った時、私はBと初めて会話した。といっても直接ではなく、私がTwitterのDMでAと会話している時に、私がBと話してみたいと言ったら代わってくれたのだ。
趣味やお互い知らないAの様子の話で盛り上がった後、Bは「絶対に漏らさない」という条件で、とある秘密を教えてくれた。曰く、BはAを恋愛的に好きだという。そして、なんやかんや上手くいくようにAの気持ちをそれとなくBに誘導してほしいというのだ。驚き、面白そうだと思った私はそれを了承した。Bは彼のTwitterアカウントを教えてくれた。プロフには腐男子だと書かれていて、Bも私たちと同じアニメが好きなようだった。
私は2人の関係をちょくちょく気にするようになった。AがBの話をしたらBを上げ、二人が仲がいいことを賞賛した。AとBがTwitterでやり取りするさまを眺めた。診断メーカーで2人の「相性が良い人」欄が完璧にマッチしていたとき、Bは明らかにAを匂わせるコメントをし、Aもそれを意識しつつも完全には気づいていないようなコメントをした。正直AはBの好意に気づかない振りをしていると思った。彼女のふるまいは鈍感系主人公のそれだった。
ある夜、Aの家族とBの家族が一緒に食事に出かけた。そこで何かあったようで、Aは動揺した様子で私にDMを送ってきた。
その日は一段とBのアピールが激しかったという。もう好意を隠す気もないような態度を一貫してとり、Aの指にソースがついたときなど、なんとその手を取って舐めたらしい。その話を聞いた時はさすがにオワーーーーーーッッッ!!!!となった。現実でそんな事する奴が本当にいんのか!?!?!!?しかしAとBは共に重度のオタクだったし、リアル中学2年生が厨二病を患っていたら、もしかしたらそんな血迷ったことをしてしまうかもしれない……と思った。
Bの行為にAは驚いて泣き出してしまい(引かれてるじゃねえか)、その場を飛び出したと言う。しばらくそうやってDMで話していると、Bのアカウントから突然「今から告白する」という旨の文が届き、それからAが「Bが来た」と言ったきり返信がなくなった。しばらくして、Bのアカウントから連絡があった。
同時にAからも連絡が来た。舐められて驚いたが、嫌だった訳ではないらしい……?私は指を舐められたことがないので気持ちがわからない。
なにはともあれふたりは付き合うことになった。と言っても私はBの事をキラキラネームであることとAのことが爆裂に好きであるということ以外知らないのでこいつにAを任せていいか不安だったが、それは置いといて私はふたりにおめでとうと言った。その後特段に変わったことは無かったが、Aの話に時たまBとの惚気が入るようになった。
Aから「夏休み明けに、また元の中学へ戻る」と連絡された。Aの話はどこまで本当かわからなかったが、それでも家庭環境が確かに複雑であることは読み取れたので、おそらくそのせいだろうと思われた。
私はAと本当にお別れしたくないと思うようになっていた。Twitterのアカウントは知っているが、少し前から彼女のツイート頻度は減っていて、彼女はLINEの返信も遅れがちだったので、とにかく不安になった。それでも私に彼女の引越しを止めることなどできるはずもなく、彼女は予定の日から数日オーバーした後、私の中学から姿を消した。
しばらくはTwitterなどで今まで通り連絡を取り合うことができていた。しかし、彼女のTwitterアカウントはある日完全に停止した。数日後見るとブロックされていた。LINEも既読がつかなくなった。Bのアカウントも全く動かなくなっていた。
私はAに何があったのかと心配したが、彼女の今の住所もわからず、治安が悪い(と聞いていた)中学に凸する勇気もわかず、やはり何も出来なかった。しかしAはメンヘラとはいかないまでも精神的に不安定な部分があったので、いきなりこんなことが起きても意外ではなかった。時が経つにつれ、Aも向こうでなんとかやっているんだろうと思うようになり、いつしか私はAのことを考えなくなっていった。
中3になり、私の所属している部活に新入生が入ってきた。その名前を聞いて、私は心底驚いた。
その子は、Aのすぐ下の妹と全く同じ名前だった。Aの妹かと聞くと、そうですと言った。確かにAの面影があった。
なぜAとその妹が別居しているのか、家庭の事情があるのだろうと察せられたので深く聞くのははばかられた。ただ、妹から、Aは元気にやっているということは聞けたので、そこは安心した。
私は妹ちゃんに、一緒に過ごしていた頃のAの様子を話して聞かせた。妹ちゃんはとても良い後輩で、彼女もやはりオタクだったので仲良くなるのは容易だった。
ある日、私は妹ちゃんに尋ねた。
「Bは元気にしている?」
「……誰ですか?」
「え?Aが、Bっていう従兄弟がいるって言ってたんだけど……」
ぞっとした。
私はBの顔を見た事がない。写真は見せないでほしいと言われていると、Aがそう言ったからだ。
正直、暴力団うんぬんや同人誌の話はAが盛った話だろうと思っていた。日々の生活の中で、Aがそうやって話をちょこちょこ盛る悪癖があることを、あとの方の私は薄々感じていた。
でもまさか、存在しない人間を作って、そいつとの恋愛模様を一部始終見せつけられたなんて、思いもしなかった。地域の祭りの日に一度だけAを見かけたが、話しかける気には到底なれなかった。
Aは家庭環境が複雑らしいから、もしかしたら妹ちゃんが会ったことがない従兄弟がいるのかもしれないと、そう考えたこともある。しかし一度Bの存在を疑ってしまうと、今まで感じていた違和感たちが風船のようにむくむくと膨れ上がった。
Aは友達が多い方ではなく、中学では私と一緒にいることが多かった。今となっては、Aのことを覚えている同級生の方が少ないかもしれない。転校してしまったので卒アルにも載っていない。Aの嘘で塗り固められた話に惑わされた私は、もうAの存在すらも、夢のようなものだったのではないかと感じている。
これを書くにあたってAとのDMを遡ろうとしたのだが全部消えていた。おそらく過去の私が恐怖のあまり消したのだろう。Aは垢変を繰り返したようで追跡は困難、Bのアカウントは完全に消えていた。私の机の引き出しにしまってあるAがくれたラバストだけが、確かなものとしてそこにある。