「誤作動」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 誤作動とは

2015-08-04

http://anond.hatelabo.jp/20150804051451

たとえ話

ボタンを押すとナイフが発射され、的に突き刺さる装置がある

この装置絶対に同じ場所ナイフが刺さるように出来ている

では、的のわずか10センチ下に自分の頭が来るように固定されたとして(頭の上にはリンゴでも乗せて)、

微塵の不安も感じず、躊躇なくボタンを押せる人はいるだろうか?


言うまでもないが、普通人間には無理

どんなに「絶対」が保証されてても「絶対なんて無い」のがこの世だから

誰もが「もしも装置誤作動があったら」ぐらいは考えてしま

こういう「もしも」の思考がずっと続いてしまうことがまれにある

上のたとえ話では、装置から開放されれば不安は消えるだろう

装置の目の前で頭を固定されること」が不安キーから

だけどこの不安キーが明確でなく、自分がちゃんと状況から開放されたのかどうか知ることができないと、ずっと不安感に苛まれることになる

ID:n94822437

言っちゃ悪いけど確かにそこまで思いつめるほどとも思えない

http://b.hatena.ne.jp/entry/261639362/comment/n94822437

思いつめるほどでないと頭で解っているのに体が反応してしまうからこそ厄介なんだよ

「思いつめるほどではない」から誰にも相談ができない

まして病院なんて大げさすぎる

そんなことを考えて治療の機会をを失う人は多い

まあ正直見知らぬ他人ナイフつきつけられたとか、俺目線だと大したこと有りすぎなんだけど

2015-08-03

http://anond.hatelabo.jp/20150803155850

すっげえええええええわかる

仕事必要地図見てるときとかも怖くなって困る

何気なく地図見てて誤作動で変なとこ飛ばされたりすると「うわあああああ」ってなる

2015-07-25

電技解釈と漏電遮断器の話

元増田です。多少情報が増えたので、面倒臭いので逃げていた漏電遮断器の話を多少書いてみます。長いので読んでも特にためにはなりません

ざっくりしたまとめ

今回の事件一部報道とかで『電気柵の電源部分に漏電遮断器を設置しておけば防げた事件だった』という言い方をする人がいるが、これはある意味では正しいが間違ってもいるし、今回の事件にとっては本質的な要素ではない。

最初に電技解釈の話

電技解釈第4節「特殊施設」の第224条で[電気さくの施設]についての規定があり、

田畑牧場、その他これに類する場所のうち、人が容易に立ち入る場所電気さくを施設する場合にあっては、電気さく用電源装置電気供給する電路には、電気用品安全法の摘要を受ける漏電遮断器(定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下の電流動作形の物に限る。)を施設すること』

と書いてあるが、この規定は今回の事件とは関係ない。

漏電遮断器の話

下の方に書いてます

かい

http://anond.hatelabo.jp/20150724092101がよくまとまっているのでそれへの返事です。読んでも電気の知識のない人には意味不明です。

そもそも電流差で作動する漏電遮断機はこの例のように漏電させてナンボな用途には不適切じゃなかろうか。

2次端子A→(A)→電柵

2次端子B→(B)→アース

たぶんこんな接続をしていたんだろうから、仮に(A)(B)点の2線に漏電遮断機を入れていたとしても、

電柵から人体に流れた電流は、ほぼアースに回収されて(A)-(B)間の電流差は出ず、反応しないはず。

普通はこれで正解ですが、間違いの可能性もあります。仮に

トランス2次端子A→漏電遮断器(の左側の端子)→(A)→電柵

トランス2次端子B→漏電遮断器(の右側の端子)→(B)→アース

という回路を作った場合アースに繋いだ瞬間に漏電遮断器が落ちる可能性があるせいです。

例の、送電勉強したときに出て来る静電容量の関係です。ちゃんと計算してはいませんが、それなりの長さで電線引っ張っていった場合電線と地面の間をコンデンサが延々と繋いでる例の図っぽいものが再現されることになり、いきなり漏電判定される可能性があります、というかどっかの現場で似たようなことがあって原因に気付くまで大変でした(遠い目)。

保護回路いれるのなら、トランス2次側端子Aと電柵の間に電流制限する何か、

例えば mA で反応する高感度遮断機なりポリスイッチっぽい素子のような物を挟むのが正解なはず。

(それぞれ一般に売っているかは知らない)

これは現実的ではないでしょう。先述の静電容量による誤作動問題クリアできていたとしても、別の問題、というかより本質的問題があります

まり電気さくは、人間常時監視せずとも、ほったらかしでも動物を寄せ付けないのが最大のメリットです。高感度・高速型漏電遮断器を設置した場合動物(や飛んできたゴミやら植物やら人間やら)が触る度に手動で再始動させてやる必要があります

今回のような違法施工を行った設置主がそんな不便な装置に満足すると思いますか?

まり、「漏電遮断器を設置していれば」というのは、「ちゃんとした電気柵用の電源装置を使っていれば」とか「専門の業者施工を依頼していれば」とか「あんな高電圧を流してなければ」とか「あじさいぐらい鹿に食われてもええやん」と言ってるのと大差ないです。

ポリスイッチも、動作特性的に感電から人間保護できるほど反応の速度の速い物があるかは疑問です。

ちゃんとした電気さく用電源装置はそんな面倒なことはせず、

「毎回の放電の度に、それこそ高速型漏電遮断器が動作した場合よりもさらに高速で電源を遮断している」

的な回路になっています電流値を監視して一定値より大きかったら遮断しようとか何とか、そういうややこしい判断は挟まず、毎回毎回止める方が確実でしょう。

何にせよ2次側は2次側で閉じた系になるはずだから、1次側上流に漏電遮断機が入っていても反応し

ないんじゃなかろうか、ってのには同意

この点はその通りです。と言いたいところですが、単巻トランス(一部ブコメで出ていたスライダックも単巻です)とか1次側2次側が非絶縁のトランスだと、縁切りできてないので、先ほど書いた「アース接続した瞬間に静電容量のせいで漏電遮断器トリップする」もあるんじゃないかと思います。まあよっぽど敏感でない限り作動しないとは思いますが、一応。

再び、電技解釈の話

というわけで「漏電遮断器電気さくの話はあまり関係ない」というのが結論になります

電気解釈に書いてるとおりの場所に漏電遮断器を設置した場合目的とは、

電気さく用電源装置故障して、装置から漏電していた場合事故を防ぐ」

ということになると思われます(ここはちょっと自信なし。識者の解説希望)。

市販品の電気さく用電源装置は(ごくごく短時間動作の繰り返しとはいえ)、数千ボルトの高電圧を発生させています。こういう装置については、漏電遮断器を設置すべしと定めるのは、たしかに理に適っています

電技解釈で漏電遮断器について書いてるのは第40条[地絡遮断装置等の施設]なんですが、これだけでは電気さく用電源装置が該当するかしないか分かりにくいので、第224条に明記しておくという方針理解できます


以上が本題です。以下は余談です。やる気がなくなったら書くの止めるし対象読者特に決めずに書き始めるので尻切れトンボになってたらお前ら察しろ


漏電遮断器って何?

遮断器の一種です。漏電(electric leakage)が起きたときに、回路を遮断する機器(circuit breaker)です。一般的な略号はELB。

現場で「漏電ブレーカー」という言い方もしますが、大変紛らわしいことに「漏電警報付きブレーカー」というもの世界には存在しており、それもよく「漏電ブレーカー」と呼んでる人がいます。間違えると困る場面ではちゃんと確認しましょう(電気屋以外そんな場面に遭遇しねえよ)。

漏電って何?

基本的に電源というのは端子が二つ(以上)ついており、一方の端子から送り出した電気がもう一方の端子から戻ってくる、という形で電気が流れます

それ以外の経路で流れなければ、基本的危険はありません。

※嘘です。送り出し端子と戻り端子に同時に触ると普通感電してとても危ないです。

で、送り出した電気が、そのまま戻ってこないで、どこか違う場所に流れるのが「漏電」です。

「どこか違う場所」と書きましたが、漏電の場合には実際流れる場所はほぼ決まっており、アース、つまり「地面」へと流れ出すのがほとんどです。

これを「地絡」と言います

慣用的に「漏電」と呼んでるものは「地絡」、つまり本来電気が通る道(電路)の途中で電気の一部が漏れて、地面に流れ出してしまうことです。

地面と電路との間に人間がいると、感電事故になります

送り出しの電路と戻りの電路に同時に触った事による感電事故ももちろんたくさんあるのですが、今回の事故、そして日常的にもよく発生するのは、こっちの漏電による感電事故の方です。

なんで地面に電気が流れるのか、という話を次項でします。

接地の話

さて、先ほど書いたとおり、電源というのは端子が2つ(以上)ついてて、送り出しと戻りとがあって、両方を繋ぐことで初めて電気が流れます

ですので、電気が流れ出さない状態であれば、たとえば裸電線に素手で触っても電気は流れず、感電しません。

「地面には無限電気が流れ込むから漏電(地絡)が起きる」と考えている人がいるかも知れませんが、そういうものでもありません。

たとえば、バッテリーを用意して、一方の極だけを地面に繋いでやって、もう一方の極は何も繋がない状態にしても、電流はほぼ流れません。

じゃあどうして地絡が起きるのかというと、電源の一方の極が、実際には地面に繋がっているからです。

さて普通交流電源は、極の一つが接地、つまり地面に接続した状態で供給されています。家庭で普通に使うコンセント供給される電源も同じです。

電源プラグコンセント差し込むときに、左右の向きを気にする人はあまりいないと思いますが、実際には左右で電気的な意味は大きく違っていて、普通は一方が接地側極、もう一方は電圧側極と呼ばれる物になっています(左右どっちがどっちかは本当は規定があるんですが、間違って繋がれてることが割とあるのでここでは書きません。調べるとすぐに分かりますし)。

接地側極に素手で触っても、普通感電しません。一方、電圧側極に素手で触ると…感電しないことも実はたまにはあるのですが、普通感電します。

電源の電圧側極→電線コンセント電圧側極→人体→(家とか床とか何か地面まで繋がっているもの)→地面→電源の接地線→電源の接地側極

という経路で電気が流れます。途中の家とか床とかの絶縁が完璧であれば、たぶん感電しないで済みます

逆に地面の上に直接立ってる状態だと激しくびりびりします。この事故を防ぐのが漏電遮断器の役目です。

漏電遮断器の動作について

漏電遮断器(ELB)を入れた回路が正常に動作している場合

電源の電圧側極→電線→ELB(慣習的には左側端子)→電線コンセント電圧側極→何かの電気器具→コンセントの接地側極→電線→ELB(の右側端子)→電線→電源の接地側極

という経路で電気が流れています。ELBを通って流れた電気は、ELBを通って電源に戻っています。このとき、ELBは何もしません。

ここで地絡事故が起きると(話を簡単にするために地面の上に立っていたとします)、

電源の電圧側極→電線→ELB(慣習的には左側端子)→電線コンセント電圧側極→人体→地面→電源の接地線→電源の接地側極

という経路で流れます。先ほどと違って、ELBの右側端子を通らずに電気が流れていますね。そうするとELBは

「あ、左側端子を通っている電気と右側端子を通っている電気の量が違う! これは漏電だ、ヤバい!」

判断して電源を遮断します(これをトリップするとか飛ぶとか言います)。

当然、停電するので、懐中電灯を用意して漏電遮断器の設置してある分電盤まで出掛けて

「あ、やっぱりトリップしてる」

と言いながら手作業で復旧動作しないといけません(で、漏電原因が取り除けてなくてすぐにまたトリップする、というのもよくある話です)。

電気さくの場合

ざっくり言うと、普通電気柵は「地絡事故を起こしてその時の電気ショック動物を追い払う装置」です。

ですので、漏電遮断器を直接繋いだ場合に起きることとは普通は「電気は流れっぱなしで漏電遮断器作動せず、保護の役を果たさない」か「動物が触ると毎回毎回停電して手動で復旧しないといけない」のいずれかになります

電気さくには稀に「裸電線aと裸電線bに同時に触れると感電事故が起きてその時の電気ショック以下同文」というものもあるらしいですが、とりあえず今回の話には関係しない、と思われます

動作しない場合

上の方に書いた

トランス2次端子A→漏電遮断器(の左側の端子)→(A)→電柵

トランス2次端子B→漏電遮断器(の右側の端子)→(B)→アース

接続したとします。電柵に触ると、トランス2次端子Aから出た電気アースを通ってトランス2次端子Bに戻ります。当然、漏電遮断器は「左側端子を通っている電気と右側端子を通っている電気の量が同じだ。これは漏電ではない」となります。役に立ちませんね。

動作する場合例外的なケース)

さて、こう書きましたが、この漏電遮断器が実際には動作する可能性も少しはあります。なぜかというとアースに繋がれているのはトランスの2次側端子Bだけではなく、さらに上流の電源についても言えることです。この場合

(略)→電柵→動物→地面→(略)トランス2次端子Bの経路以外に、

(略)→電柵→動物→地面→地面→大元の電源の接地線→大元の電源の接地側極、

という経路でも電気が流れる可能性があるためです。実際にどういう条件だとどうなるかは面倒で計算していませんが、そっちの別ルートで十分な量の電気が流れた場合、漏電遮断器トリップして手動復旧する必要があります

トランスを入れると漏電遮断器が働かない話

で、さっきまで書いたのは「電気さくに漏電遮断器を直接繋いだ場合」の話です。

次はツッコミ記事の時にも少し書いた「1次側の漏電遮断器」の話です。

といっても実際に起きることは9割方「動作しない場合」と同じです。

今回は電気さくという「人工的に地絡を起こす装置」が相手なので、絶縁トランスの有無は実際にはほぼ関係ありません。




…あれ、関係ないなら書く必要ないのか。

2015-07-22

西伊豆感電事故の状況が多少分かったのでブコメに突っ込んでみる

http://anond.hatelabo.jp/20150720190643の続編。

電気屋的にはNHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20150722/k10010162021000.htmlでほぼ完結で特段疑問は残らないんだけど、ブコメ

http://b.hatena.ne.jp/entry/www3.nhk.or.jp/news/html/20150722/k10010162021000.htmlを見ると結構勘違いしている人が多いようなので多少フォローしてみる。

さらい・なんで人が死んだの?

電気さくではなかったからです。

法令定義されている電気さくではありませんでした。今回の事故の原因となったブツは「交流を流しっぱなしにしてある裸電線」です。

前回書いた平成21年淡路島で起きた死亡事故電気さくの事故でなく「100Vの電気が剥き身で流れている電線」の事故でした。

今回はさらにその上を行く「400Vの電気が抜き身で流れている電線」での事故です。

ツッコミその1:何アンペア電流だったのかって何か大事ことなの?

いいえ。ほとんど何も関係ありません。

前回も書いたとおり、人間感電死する場合、胸部を通過した電流が心筋を誤作動させて心臓を止める、というのが圧倒的1位です。

この時に必要電流値はというと0.1ミリアンペア程度です。理科実験で作ったレモン電池(いまでもやるのか?)程度の電気でも、体内の心臓のすぐそばに電極設置して流せば人は死にます

じゃあなんでレモン電池に触っても死なないかというと、電圧が低くて、それなりに電気抵抗の高い皮膚を突破して体の内部まで電気を流す力がない、というのが一番簡単な説明です。ですので、電流電流とうるさい人たちが批判している、電圧の方を気にした報道の方が、相当に理に適っていると言えます(最初に100Vが流れていたとか飛ばし記事書いたどこぞの新聞、オメーはアウトだ)。

市販の電気柵って4000V使ってるって聞いたけど、それは電流制御してるから安全なの?

いいえ。電気さくに触っても死なないのは電流制御とは別の方法です。というか電流値をそんな高度に制御できたら苦労はないというか次の開発機で頼みたいことあるから連絡よこしやがれ下さい。

報道でも何カ所かで説明されているとおり、市販の電気さくは

「0.9997秒ぐらい電気が流れてない時間→0.0003秒ぐらい4000Vの電気が流れる→0.9997秒ぐらい電気が流れない時間→……」

の繰り返しで動いています

前回貼った基礎資料https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1999/00268/contents/039.htm

最初に、『表4.1.2 電撃時間に対する危険接触電圧危険電流』が掲載されています

見ると分かるとおり、感電危険さは、電流値そのものだけでなく、電気が流れる時間にも大きく左右されるのが分かりますね。

市販の電気柵がショックだけで済む最大の理由は、電気がこんな短い時間しか流れてないからです。電流値とか関係ない。そりゃ4000Vだから、瞬間的には100mAとか1Aとかの、ずっと流れていたら人が死ぬぐらいの電気は流れますよ、そりゃ。普通に売ってる市販品で0.0003秒しか流れない電流値を制御するとか無理の無理無理です。

逆に言うと、今回の事故は「400Vの電気がずーっっと流しっぱなしになっていた」から起きた事故です。電流とか、さらに何一つ関係ない電力とかを気にしてるブコメ貴様の知ってる電流制御方法をよこしやがれ下さいお願いしますと言う感じです。

繰り返しますが、人が感電死ぬのは大火傷するような大電流が流れたような大事故でないかぎり、心臓近くに電気が通って心筋が誤作動してしまたからです。それを引き起こすのは大電力ではありませんし、大電流でもありません。そんな深いところまで電気を届けるだけの高電圧か、あるいは人体の電気抵抗の低下です。

今回は「400Vという高電圧」と「水場で体が濡れて電気抵抗が下がっていた」の合わせ技で起きた悲劇とみるのが普通です。

多少分かってる人向け、なんでブレーカー落ちなかったの?

今回のような感電事故では、普通ブレーカー(やヒューズ)は役に立ちません。普通ブレーカーの役目は大きく二つ、

電気の使いすぎの防止」と「短絡事故ショート)が起きたとき遮断」です。

電気の使いすぎ、というのはよくあるエアコン電子レンジを同時に入れるとブレーカーが落ちる、という奴ですね。電気電線で運ぶのですが、電線超伝導ではないので抵抗があり、電流を流すと発熱します。流れる電流が増えれば増えるだけ発熱し、最終的にはどっかで発火するか溶着するかします。

短絡もほぼ同じですね。コンセントの両極を金属(のような抵抗の低い物)で直結するととんでもない大電流が流れるので、遮断しないとさらに大変なこと(最悪、電柱の上のトランスが焼けるとか)になります

ブレーカーの動作電流は様々ですが、基本的には一般家庭向けの契約だと最小10Aなので、これだと人を何回も殺してお釣りが来ることになりますブレーカー感電事故を防ぐことは望み薄です。

感電事故を防ぐ上でもう少しアテになるのは漏電遮断器です。現状、新築の家であればホーム分電盤は大抵は漏電遮断器がついてて、30mAとか15mAの漏電が起きると止まることになっています

ですので、仮に報道の通り、100Vのコンセントに400Vに電圧上げるためのトランスが直結されていたとしても、本当なら30÷4や15÷4で7.5mAや3.75mAの漏電で作動する、はずです。このぐらいの電気ではなかなか人は死なない、はずです※。

パターンか考えられることはあります

  1. 漏電遮断器が付いてなかった:個人的には最有力候補。今でも漏電遮断器がついてない家はゴロゴロしています
  2. 漏電遮断器が付いていたが動いてなかった:個人的には次点。漏電遮断器というのは結構デリケート部品で、経年劣化します。で、劣化した場合に頻繁に誤作動する方向に行ってくれたらまだ「じゃあ取り替えようか」となるんですが、逆に「漏電してても全然作動しない方向」に劣化するのもよくある話です。
  3. 400Vに昇圧するためのトランスが絶縁トランスとして機能していた:これは「原理上は起きる」という話なんでたぶん関係ないと思ってます。一応説明すると…長いのでやっぱり止めます部分的に説明してるブログとかあるけど、本当は漏電遮断器の動作原理をきちんと説明する必要があるので長杉。

※なお漏電遮断器が本当に人命を守るための機器かというと微妙な部分もありますが、そこ書いてるとやっぱり長くなるので省きます

余談・一部ブコメにあるスライダックって何?

今回の事件にはまず関係ありません。終わり。

技術的に言うと単巻トランスの一種です。出力電圧連続的に変化させることが出来て、交流を使った実験をやるときにはとても便利です。うちにも何台かあります

で、「電圧を変えることが出来る」という文言だけ見て勘違いした人がいただけでしょう。普通スライダックは100V入力でも上限電圧はせいぜい130Vぐらいです。100V入力して400V出て来るとかそんなスライダックがあったら便利だからよこしやがれ下さい。

あの文言を見た電気屋が普通に連想するのは

「2次側(いや実は1次側かもですが)に複数の端子がついていて、どこに繋ぐかで出力電圧が変わる」というよくあるマルチタップトランスでしょう。

余談の余談ですが、スライダックというのは本当は(今話題の)東芝商品名だったんですが、現在は製造されてません。ですが、『出力電圧連続的に変化させられる摺動型単巻トランス』のことはみんながみんなスライダックと読んでて違う呼び方してる人に遭遇したことはないです。

2015-07-20

西伊豆感電事故憶測してみる

状況がはっきりしなので、現時点での報道、主に以下の二つのソース依存

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20150720/CK2015072002000095.html

http://www.47news.jp/CN/201507/CN2015072001001513.html

感電の状況

47NEWS共同通信)の記事にははっきりしない点もあるが、『川遊び中に倒れた小学生男児左手に重いやけどを負っていた』は気になる。火傷を負ったから相当な電気が流れたはずだが、この男児は死亡していない。

さて、死亡せずに火傷するような電気を浴びようと思ったら、一番簡単方法は火傷する部位に限定して電気を流すことである

まり、この男児左手電線を握った状態で倒れた、と考えると一応辻褄は合う。

電気というのは極が最低2つないと流れない。理科時間にやったように、直流場合は+極と-極。電気柵の場合電線側とアース側となる。アースって何かと疑問に思う人もいるかも知れないが、文字通り大地、地面のことである。地面は電気をよく通す導体である

電気さくの原理は、電線電気を流しておくと、動物がそれに触ったときに、

電源装置電線側端子~電線~《動物の体》~地面~電源装置アース側端子

という経路で電気が流れてビリっと来て「うわっ」とびびって動物は近寄らなくなる、というもの

参考:http://www.getter.co.jp/electric_fence1.htmlイラストかわいい

参考:http://kitaharadenboku.com/cyoujyuu/power.html記述が詳しい)

まり、空中浮遊して移動する動物がいたら、体が地面に触れてないので電気は流れず、電気さくでは防げないことになる。

閑話休題最初から電線が水中にあったのか、陸上にあったのを掴んで水中に転落したのか、はたまたもっと違う状況だったか不明なので立ち入らないが、とりあえず火傷した男児電線を掴んだ状態で倒れていたとすると、

という経路で電気流れることになる。これはこれで危険だが、人間感電死する場合、胸部を通過した電流が心筋を誤作動させて心臓を止める、というのが圧倒的1位である。この経路なら、手の火傷で済んで命に別状なかったとしても説明は付く。

で、大人二人が亡くなっているのは、たとえばこの男児を助け起こそうとしたときに、

という経路で電気が流れて、この際に運悪く心臓近くを十分な量の電流が流れてしまった、という状況や、もしくは男児が掴んでいる電線をはずそうとしたとか、電線を踏んでしまったとか(この場合の経路はなんとも言えないが、こういうのでたまたま心臓近くまで電気が通ったというパターンも考えられる)、そうやって感電した、と考えれば辻褄は合う。

一応補足しておくと、

人間の体、特に皮膚は絶縁度が高く、乾燥していれば1万Ω程度はあり、これなら仮に100V電源に触れても流れる電流10ミリアンペア程度で命に別状ないことがほとんどである

参考:https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1999/00268/contents/039.htm

ところが、この絶縁機能は水濡れで簡単に低下する。今回のような水遊びをしていたケースでは皮膚の電気抵抗はほぼ期待できないレベルまで下がっていたと推測される。人体内部の抵抗は慣習的に500Ωで計算することになっているので、皮膚の電気抵抗ゼロだった場合100Vでも200mA(とても危険)が流れることになる。

本当に100Vが流れていたの?

平成21年淡路島で起きた死亡事故は、法令上の電気さくでなく、「100Vの電気が剥き身で流れている電線」の事故で、電気的に言えば家庭用コンセント金属製ドライバー突っ込んで感電死した、と大差ないぐらいの危険行動だった。

電気さくメーカー各社はそんな危ないものではなく、感電死などの事故をさけられるように工夫した電源装置を作っている。

今回、中日新聞100Vが流れていたと書いているが、これはまず考えられない。記者現場に到着した時点で電気が流れていたとは考えにくいし、流れていても近寄って電圧を測定できたとも思えない。もちろん、たまたまテスターをもった記者現場近くにいて、警察が駆けつけて現場保全する前に到着し、修羅場となっている事件現場をガン無視して電気さくの電線をわざわざ測定したら100Vだった、という可能性もゼロではないが。

また、47news記事に『家庭用コンセント電圧100ボルト)と変圧器を介してつながっていたことも判明』とあるので、これは普通は「電気さくには100Vは流れていなかった」というニュースである

変圧器というのは電圧を変えるための装置であり、電圧を上げるものも下げるものもある。この文章は、例えば充電中の携帯電話バッテリーが発火した事件報道する時に「充電器の電源が100Vだった」と書くのと大差ないレベルで「いや報道すべき事は他にあるだろ」としか突っ込みようがない。

例えば使用状況が悪くてコンセント側(1次側)の電気がそのまま電気さく側(2次側)に流れる、という事態もあり得なくもないが、なかなか考えにくい。

じゃあ本当は何ボルトだったの?

分かりません、としか答えようがない。47news記事にある「変圧器」が何か分からいかである

電気屋が「変圧器」と言ったらそれは普通変圧器トランス)単体のことなのだが、この記事は訂正前は『変圧器は付けられていたが、作動していなかった可能性もあるとみられる』という、電気屋的には謎としか言いようのない一文が入っていたので、執筆した記者にあまり電気素養が無いことはほぼ確定している。

よって、

などの場合が考えられる。もっと言うと、コンセントでも200V用とかあるので、警察の人や記者が誤解していて、100Vでなく200Vだった可能性すらゼロではない。

お手上げであり、続報を待つしか無い。

なぜ何人も感電してるのに電気は止まらなかったの?

これも分かりません、としか答えようがない。上記の状況のいずれかが不明なためである。その他、この家の受電状況とか漏電ブレーカーが付いてるのか付いてないのか故障していたのか否か等、分からないことが多すぎるためである

お手上げであり、続報を待つしか無い。

2015-06-25

Yahoo!チャットって場所があったんだよ

昔さ、Yahoo!チャットって場所があったんだよ。お前は知らないかもしれないがな。

当時はみんなホームページってやつを持っててな、誰が読むんだかしらね自己紹介とか何番目の訪問者です!ってのやっててな、ひどいとこになると熊のアイコンみたいなのがビュンビュンとカーソルを追いかけてくんだ。ありゃ恐怖だったね。

誰が興味あるんだかしらねえ、使用パソコンスペック書くヤツまでいてな、「CPU: PentiumII、350MHz」とかドヤ顔で書いてたんだよ。タワー型のパソコン写真まで載せてな。なんのため?しらねえよ、本人に聞け。

でな、そういうところには必ず掲示板ってやつがあってな。BBSとか言ってたな。山陰放送じゃねえぞ。で、キリバン踏んだらBBSに報告することが義務付けられてて、しなかったら末代まで祟られて呪詛にかけられるんだけど、熱心なヤツになるとチャットっていう、リアルタイムに文字でお喋りできるやつまで設置してたんだ。

BBSチャットCGIっていう技術使っててな、パーミッションの設定だかなんだかしらねえけど設置するのは結構しかったんだよ。掲示板チャットも自前のやつ設置してるヤツはけっこうできるヤツ、そう見られてたんだ。

でもな、誰がパソコンスペックとか見に来るよ。誰がタダシのFM-Vの写真みにくるよ。誰もこねえよ。熊のアイコン追いかけてくるしな。だからこれらのBBSチャットは軒並み廃墟になってたんだ。チャットなんて「森ぞーが入室しました」「森ぞーが退室しました」が何行も表示されてるだけよ。寂しさの象徴、それでしかなかったね。

だけどな、天下のYahoo!様がチャットを設置したとなれば話は別よ。集客力抜群。色々なジャンルチャットルームが設置され、そりゃあ賑わっていたいたもんよ。全然覚えてないけど「エンターテイメント」とか「地域」みたいなカテゴリがあって、その中でユーザーが部屋を立てられるようになってたんだ。みんなこぞって趣味が合うやつとチャットしたもんさ。

ちょっとすぐには見つからないんだけど、「出会い」って分類の中に「アダルト」ってカテゴリーがあってな、事実上、そこが18禁エロカゴリーとして使われてたんだよ。信じられねえだろ、Yahoo!公式エロよ。そこで色々と、人間煩悩Javaアプレットにしたみたいなエロい部屋が数多く立てられててな、当時の俺は狂ったように通ったもんよ。

その中でも、一番すごかったのが「オナニー部屋」ってやつで、そこにはオナニーしたい女が集まってくるってテーマがあったんだ。そう、チャットオナニーだ。でもな、文字で「んっんっ」とか「いくー」とか「ゆーか!ゆーかちゃん!」とか書くわけじゃねーぞ。

当時としては最先端ボイスチャット機能、これがYahoo!チャットには搭載されていたんだ。これはすげーぞ、声で女のオナニーが聞けるってえ代物だ。

興奮度がマックスになってしまうのはもちろんだがな、別の側面としての利点もあったんだ。それが「今オナニーしているのは絶対に女である」という点だ。こりゃあすごかったね、ブレイクスルーだったね。

当時は今みたいに誰もがネットしてる時代じゃねえんだ。みんなチェックのシャツ着てバンダナ巻いてテレホタイムよ。女が圧倒的に少なかった。文字だけのオナニー部屋なんてやろうものなら1000%の確率で、女のふりしたオッサンがあんあん文字打ってるだけよ。ネカマっていうんだけどな。男のオナニー文字を男が見て興奮する、そんな殺伐とした時代よ。

でも声ならごまかしきかねえんだ。絶対に女である、そういった保証があった。年金より確実な保証がそこにはあった。おりゃあインターネットやっててよかったと思ったよ。Yahooチャットばんざーいとも言いたくなるよ。

でもな、やっぱ女は少ねえんだよ。その絶対数が少ないし、Yahooチャットに流れ着いてアダルトに行ってオナニー部屋に辿りつく。こりゃあ天文学的確率よ。さらマイクを所持していて、みんなにオナニー聴かれてもいい、なんてなるとほぼ不可能に近い確率だってわかるだろ。でもな、そこそこいたんだよ。そりゃ入れ食いとまではいかねえよ。でも、ジッと待ってると本当に来たんだ。女が来たんだ。

オナニー部屋はスピードタイミングそしてチームワークが重要だ。これらが完全にマッチしないと女のオナニーにはありつけねえ。生きるか死ぬかの勝負がそこにはあった。

オナニー部屋に入ると10人ぐらいのサムライがいるわけよ。全部男だ。そこで女が到来してくるのを待つわけだ。気配を殺してジッと待つ。追い込み漁みたいな感覚だ。そこに会話はねえ。肉食獣みてえに研ぎ澄まされた連中だ。

mina」とか「kana」とか明らかに女くせえアカウント名が入室してきたら勝負開始よ。釣りで言うところの魚が餌をツンツンしてるところだ。まだひいちゃいけねえ、焦っちゃいけねえ。がっついてサムライどもが襲い掛かったら女は逃げちゃうからな。

ここで俺たちは黙って見守っているんだ。何をって?オナニー指導員の誘導を見守ってんだよ。女が部屋に入ってきて、いきなりマイクいであんあん言い出してみろ、結構そんな女、嫌だぜ。そりゃあ女だってオナニー部屋に来るくらいだ、オナニーする気満々よ、聴いてほしいんだよ。でもいきなりやられたらお互いに興醒めよ。そこにはちゃんと予定調和ってやつがあんだ。

そこで優しくオナニーするオナニー指導員の登場だ。こいつはマイクを所持してて、優しい声してんだ。男前な声してんだ。

「いらっしゃい、ミナ、今日の気分はどうかな?」

まるでベイFMのDJよ。俺が女ならイチコロだね。

マイク持ってる?」「え、あるんだ、繋いでみる?お話しようよ」「カワイイ声だ」オナニー指導員はこんな感じで誘導していくわけよ。ここで初めて俺たちガヤの出番だ。チャット画面に「カワイイ声」「キュートな声」「澄みきった清流のような声だね」心にもないことを書きまくっておだてる

そうこうしてくると、どんどん男どもが入室してくる。オナニーの気配を感じ取ると、すごい勢いで入ってくる。スピード勝負って書いたのはこれで、実はYahoo!チャットは一つの部屋の定員が100名だ。オナニーが始まりそうになるとすぐにこの定員は歴戦の猛者どもで満たされる。

そうすると自動的に「オナニー部屋_2」みたいな部屋が作成されて、以後の入室者はそこに飛ばされるようになる。でも、そこにはオナニーしたい女もオナニー指導員もいねえんだ。オナニー聴きたい猛り狂った男が100名いるだけだ。こんな悲しいチャットルームはインターネット歴史の中でそうそうないぜ。

話を戻すと、オナニー部屋では選ばれし98名が指導員と女の会話を聴いている。ここで俺たちはジッとまってねえといけねえ、全部指導員に任せるんだ。俺たちは指導員に全幅の信頼寄せている。伝説指導員「シャドウウィザード265」さんを信頼しきってる。

「じゃあちょっと触ってみようか」

はい

こうしてオナニーが始まる。俺たちが目指していた場所約束の地だ。オナニーが始まったら指導員の声は邪魔から無視ボタンを押す。いらん。女の声だけを聞く。こうして女のオナニーにありつけるってわけだ。

女は聴いて欲しかったオナニーを聴いてもらえる。指導員も俺が誘導してオナニーさせたと自尊心を満足させる。俺たちも興奮する。誰も敗者がいないシステムだった。強いて言うならば「オナニー部屋_2」に押し込められた屈強な100人の男たちが敗者か。

そんなある日、いつものようにオナニー部屋で待機していると、女がやってきた。「ラビアンローズ」とかそんな名前だったと思う。なかなか高貴そうな名前だ。

その日はブラッディレイン0721さんがオナニー指導員だった。甘い声と穏やかな口調、しかしひとたびオナニーが始まると女に対して「脱がなきゃダメじゃないか、ふざけてるのか」と厳しい一面も見せる人気のあるオナニー指導員だった。

いつもの流れで挨拶をし、マイク接続させる。するとラビアンローズの声に俺らサムライは驚いた。こんな品があってキュートで高貴な声があるだろうか、そんなレベルだった。声から良い香りがしてきそうな勢いだった。

手に汗握った。別なものも握った。こんな高貴な女が今からオナニーをする。小学校の時に高校生兄貴がいるクラスエロ博士兄貴エロ本を盗んできた時くらいの緊張が俺を襲った。

それは指導員のブラッディレイン0721さんも同じようだった。誘導にいつものキレがない。上玉の登場に緊張しているのだろう。それでもそこはブラッディレイン0721さん、数多くの修羅場オナニー誘導)をくぐってきただけあって、静かに上玉をオナニー誘導していく。

チャット定員は既にパンパンだ。「オナニー部屋_5」くらいまで作られたのを確認した。そんな中、本当に精鋭だけがこの部屋にいて上玉を見守っている。

今日はどうしてここにきたのかな?エッチな気分?」

ブラッディレインが勝負を仕掛ける。

ちょっと、こういってはなんですが、その、少し、エッチな気分になりまして、恥ずかしながら、きて、しまいました」

その場にいた全員がパンパン空気入れすぎたタイヤみたいになっていたはずだ。今日が僕らのYahoo!チャット記念日だ。こんな上玉に出会える日なんてもう来ないだろう。心臓が破裂しそうだった。Yahooチャットバンザーイ!

「じゃあちょっとだけ触ってみようか」

一番の勝負どころだ。俺的にはまだ早いんじゃないかと思ったが、ブラッディレインは一気にぶっこんできた。彼も勝負を焦ったのだろう。この「触ってみようか」のタイミングを間違うと全ては水泡に帰す。早すぎては逃げられる、遅すぎても、女のテンションが下がる。一番難しい判断だ。誰も彼を責めることはできない。

沈黙の時が流れる。誰もが女の返答を持った。ブラッディレインも喋らない。女も喋らない。チャットも動かない。時間概念が覆りそうなほど、何も動かない時が過ぎた。張り詰めた緊迫感をこの場にいる全ての人間が共有していた。

静止した時の中で俺は耐えられなくなっていた。この緊迫感、緊張感、沈黙、頭がおかしくなりそうだった。何かチャットに書き込んでブラッディレインを援護したほうがいいのか、それとも静観していたほうがいいのか。俺たちのルールではこの瞬間は余計なことは書き込まないことになっていた。でもそうは言ってられない。何が正義で何が悪なのか分からなくなっていた。

何をトチ狂ったのか、気がつくと「Ctrl」と「v」を押し、エンタキーを押していた。まだ自分気持ちも決まっていないのに、何かしなきゃと気ばかり焦り、コピーしていた文字列チャットに投下していた。

ええい、ままよ!投下してしまったものは仕方がない。問題はその内容だ。確か、俺の記憶が確かならばいつもの定型文、「ああ、カワイイ声だなあ。田舎を思い出すような安心感のある声」っていう意味不明なやつがコピーされていたはず、それを貼り付けた。それなら沈黙を破ってまで投下する価値はないとは言え、援護書き込みになる。大丈夫だ、きっと大丈夫だ。

祈るような気持ちチャット画面を見る。頼む、援護書き込みコピーされていてくれ!頼む!恐る恐る自分発言視線を移した。画面には衝撃的文字列が並んでいた。

カマキリ

なんで俺はこんなもんコピーしてんだ。いつだ、いつだよ。いつコピーした。それよりなにより、これ四文字じゃねえか、コピーしてんじゃねえよ。打ち込めよ。

勝負所の静寂の中、耐え切れないほどの緊張感の中、チャット画面に燦然と輝くカマキリの文字。先程とは別の意味で全ての時間が止まった。

沈黙を破ったのは女だった。

カマキリってなんですか? 私がカマキリみたいな声ってことですか?失礼な人ですね。気持ち悪い」

その声からは深い怒りが感じ取れた。カマキリみたいだった。

ラビアンローズさんは退室しました」

無慈悲システムメッセージが少し薄いグレーの文字で表示される。オナニー寸前だった高貴な女が怒って帰ってしまったことを指し示していた。

これに怒ったのはブラッディレインと97名のガヤたちだ。

死ね

「お前マジで殺すぞ」

「ここまで頑張ったブラッディレインに謝れ」

「代わりにお前がオナニーしろよ!いやするな!気持ち悪いわ!やっぱしね!」

俺はこれまでの人生でここまで叩かれまくったことは4回くらいしかない。とにかく半泣きになりながら謝りまくった。

「なんでカマキリとか書き込んでんだよ!」

キレてるブラッディレインの問いに何故か知らないけど

「すいません、パソコンスペックが低くて誤作動しました。変な文字がペーストされました。本当は援護するつもりだったんです」

意味不明な嘘の供述をしてパソコンのせいにしてた。

「はあ、スペックが低くて誤作動?あるわけねーだろ、スペック書いてみろ」

CPUPentiumIIの350MHzです」

「じゅうぶんじゃねーか、俺なんかPentium133だぞ」

こんな心温まるやりとりがあったんだ。ここからはみんなオナニーのこと忘れてパソコンスペック申告大会よ。みんなスペックを書きたがったんだ。そういう時代だった。いい時代だった。今よりちょっと昔の、全てが煌めいていた時代お話さ。お前が今インターネットの何に夢中になってるのかしらねえ。でも、数年後にこうやって思い出話にできるといいな。そうなるように祈ってるよ。

2015-05-28

俺のスタンド能力

スマートフォンGPS誤作動させる能力で、Ingressやるのに便利。

でも、瞬間移動のほうがよかったな。

2015-03-26

ケータイ電波なんかでペースメーカー誤作動しない! 安全だ!

って総務省通達してるだろ!

……と皆が言うから総務省H25の指針とやらを読んだんだけど「3cm寄ると誤作動する機器もあるから念のため余裕もって15cm離す配慮を」ってあるだけで安全だとか影響なしとは書いてない。

とすると、人と人が密着する都心ラッシュだとやはり優先席付近では使用を注意すべきだと思うんだが……。他人背中や胸のすぐそばでケータイ操作してる人とか多いし、あれ、3cm守れてるんだろうか? 本当のところどうなんだ?

2014-11-06

ケツに熱いシャワー当てたら

ケツが誤作動起こして便が漏れ

この時期はみんなも注意してよね!

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