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はてなキーワード: 人格者とは

2023-08-15

anond:20230815140022

有名な事故で鉄パイプが頭に突き刺さったまま生き続けた男。

それまでは人格者で人々から尊敬をされる人物

一夜にしてその事故以来下劣で怒りやすく最低の人間になってしまった。

現象としてはそれと同じなのだ

この手のハンドルを握ると性格が変わる問題人格問題であると考えるのは下策だ。

脳みその中で機能させる部分が運転しているときとそうでないときでは違うのだ。

2023-08-12

「本当の金持ちは〜」とか言う時の『本当の』ってただの理想じゃない?

ネットで定期的にそんな書き込みを見かけるけど、自分なりに疑問に思ってることを書く。

『本当の金持ちは敢えて上下ユニクロとかシンプル、でも靴と時計だけはこだわってる』

『本当に頭のいい人は難しい言葉を使わずこちらにも分かりやすく話してくれる』

言われると確かに~ってなるんだけど、同時に引っかかる点もあったので、

自分の考えの整理のためと、ほかの人の意見も聞きたいので内容をまとめる。

疑問①『本当の』金持ちって表現があるということは『偽物の』金持ちがいるの?

この手の話の中には共通イメージがあるようで、例えばお金持ちの話になると以下のような順序になる。

一般人 < ブランド品を身に着けて高級車を乗り回して自慢してくるタイプ金持ち < ひけらかさないいわゆる『本当の』金持ち

イメージとしては分かる。

少年漫画でも武器めっちゃ持ってるアーマー着たマッチョと、古びた刀一本持ってる寂れたジジイが戦ったらまず本当に強いのは寂れジジイの方だし。

でもブランド品を購入して高級車乗り回してるんだから、その人の金持ち度は偽物ではなくない?それを俺ら庶民が「ああいうのは本物の金持ちはしない」って否定するのおかしくない?

性格容姿みたいな数値化しづらいものならまだしも、資産という明確に数値化できる指数があるのに、それをひけらかすと本物扱いされないのはおかしいのでは?という疑問。

疑問②それ『本当に頭のいい人』っていうより『我々のような馬鹿に対して置き換えや比喩表現での説明が上手い人』じゃない?

馬鹿から周りの友達もずば抜けて頭のいい人っていなくて、サンプル数が少なくて申し分けないけどよォ、

人生の中で関われた頭のいい人って、理系大学教授数名と、元大企業役員だった増田の働く会社社長くらいなのよ。

客観的な数値を出したわけではないけど、まぁどちらも間違いなく日本人トップ数%の頭のいい人だから、『本当に頭のいい人』って言っても差し支えないと思う。

そういう人の話に出てくるワードって、俺たちが理解出来るレベル言葉に噛み砕いちゃうと、逆に齟齬が出ると言うか、事実と違う言い回しなっちゃう。

から正しい言葉のまま発信する必要があるし、むしろ受け取り手勉強していないとそもそも会話が成り立たない。

逆に表面上の浅い部分のみを、俺らに分かりやす比喩表現を交えて理解出来るところだけ話してくる人って、せいぜい俺らよりちょっと頭がいい人とかくらいで、それこそ本当に頭のいい人って立場上俺らに噛み砕いて説明する必要が無い立場の人なんじゃねえかっていう推測。

疑問③『本当の~』で話題に上がるイメージの人、全員人格者過ぎない?

お金持ちにも頭いい人にも一定性格が悪い人いるけど、『本当の』を付けると、何故か自然人格者である事が求められる。でも実際は性格悪い人って一定数いるけど、そういう側面を見ると「本当のOOはそういう事しない」って否定される。


以下、推測

①意外性によるバズりやす

お金持ち『なのに』あえて上下ユニクロ

難しい事が分かる人『なのに』難しい単語を使わない

こういう「普通こう思うけど実はOO」みたいなのってバズりやすいから目に付く。

意外性がフックになって、読んだ人が納得すると豆知識のように拡散したくなり、結果目に入る回数が増える。

人格者ではない成功者否定したい

個人的にはこれがインターネットの民の深層的にあると思っている。

きちんと事業成功させて、でもひけらかさずに謙虚な人とか最高じゃん。

俺らより何段階も頭良いのに、小難しい言い回しせずに真摯に分かりやすく話してくれる頭良いやつとか好きじゃん。

世の中自分より上の人ってそういう人がネットだと持て囃されるけど現実はそうじゃない。

お金あって性格最悪な人とか、頭が良く仕事が出来るけど、カタカナ語多用して伝わらないと馬鹿を見る目で見る人とか普通にいる。

から俺らの防衛本能として、そういう奴らは『本物』じゃないって自分に言い聞かせてるんじゃないかという推測。THEインターネッツ

これ書いてる増田は弱い人間から、心のどこかで『俺の尊敬出来る良い人間金持ちとか天才であってくれ』って僻み半分羨ましい半分で考えてしまう。比べてもしょうがないのにね。

他にも意見とか理由あったら教えて欲しい。

2023-08-01

自分の車を壊された先生加害者にこそ将来性がある」

模範的人格者だな

2023-07-29

職場の先輩がわざと帰宅時間を遅らせている

さなお子さんがいるのにいつも退勤時間が遅く、多忙な先輩とはいえ奥様ワンオペで大変だろうなと他人事ながら女性目線で余計な気がかりをしてしまっていたが、先日先輩との雑談で「子供が寝付いた後に帰れば自分時間持てるからなるべくできる仕事見つけて早く帰らないようにしてるんだよね〜」と悪びれる様子もなく豪語していて、申し訳ないけどかなり引いてしまった。

更に先日部署全員の仕事が早く終わった日に「まだ家帰りたくないし一緒にご飯食べに行こうよ!」と軽い調子食事に誘われドン引きする。既婚者と二人きりで夕飯行くチャレンジング精神はないので勿論断る。優しい人で職場では誰からも好かれている人格者で通っているがもう見る目が完全に変わってしまった。

これ奥様納得してるのか…?まあ家庭の事情なんてそれぞれだしそれで回ってるなら余計なお世話しかないんだけど、もし自分の夫の実態がこんなだったら辛すぎるなぁって。まあ独身戯言だけど。でも結婚怖ってなった。

2023-07-25

もし、コンクリ事件犯人が濡れた子犬を拾っていたら

触れるな!子犬が汚れる!!なんで子犬に慈悲をかけられる人間被害者あんなに残酷に踏み躙れたんだよ!!被害者はそんなにも価値のない人間だったのか!?ふざけるな悍ましい!!存在するな!!!

って思うだろう

というか、

性犯罪者は家庭では良い夫良い父親で素晴らしい人格者で虫も殺せないほど優しくて…」

みたいな話を聞くと、免罪どころか益々怒りしかない

ふざけるな!!なんで虫も殺せない人間が手前勝手欲望で女を踏み躙るんだ!女は虫以下ってことか!!人を選んで加害して被害者以外に慕われやがって!!なんで誰も彼もに加害して嫌われまくってくれないんだ!!

多分、ヒトラーが濡れた子犬を拾ってた場合、殺されたユダヤ人も同じことを思うだろう

2023-07-16

anond:20230716105841

作者もそう思ったのかクソ女ムーブから抜け出すべく人格者設定後付けしたのでどんどん矛盾広がってて面白い

あと逆あるからそこまで読も

2023-07-05

私の近所にいた弱者男性

2023-07-04

弱者男性が一番ありがたがられるには米大学への寄付しかない

米大から見れば日本人というひとくくりで大企業のような人格者とみなされうる

米大から起業家が生まれれば日本還元される

こっそりいいことが出来るね

日本大学寄付してもカースト最下位のラベル仕訳けられるだろうしな

2023-07-01

anond:20230630162302

英語を学び直すためにカナダ移住してた光浦靖子一時帰国してテレビ出てるの最近見たけど、

あの人って高学歴の才女だし努力家で美容(整形じゃなくて肌ケア)にも金かけまくってるから

めちゃイケやってた頃は激ブス扱いだったけど50代になった今は年齢のわりに肌が凄く綺麗な品のある女性になってて

一般人と比べたらむしろ美人な方なんじゃね?ってなんか感心してしまった

芸能界を少し離れて暮らすことでむしろ自信がついたみたいで性格も明るくなったようだし

でもブスブス言われて、「そっちにいった消しゴム拾ってレベルの頼みごと」も聞いてくれない環境仕事しておばさんになった頃に人生逆転って一般人は無理だよな

世の中そんな人ばかりじゃないって言っても朗らかな人格者が集まる企業ほど根暗ドブスは面接の段階で弾くだろうし

うーんまあやっぱり来世に期待ってことになるか……

2023-06-28

anond:20230628195358

自分子供持ちたくないけど育児家庭が育休取りやすいようにしたいってめちゃくちゃ人格者やね

2023-06-25

anond:20230625161426

ちょっとだけズレるけれど、

成功者しろ失敗者にしろ

人格者しろろくでなししろ

あらゆる人が言うアドバイスなるもの

理解して活かすのって案外難しいんだよなあ。

 

アドバイスというのは

誰が言ってるか、よりも

どういった内容か、よりも

もっと大事なのはタイミングというやつで、

ありきたりの助言でもタイミングさえピッタリと合えば、

ガチコーンとハマって人生が大回転し始めたりするからさ。

まあn=1の狭い範囲での観測結果ではあるんだけれど。

anond:20230624150405

福沢諭吉も必ずしも人格者ではなかったらしいけれど、学問のススメのポジティブイメージは大きいわな

あと、母子家庭で苦労して育ったらしい

https://president.jp/articles/-/27235?page=1

2023-06-12

anond:20230611184223

左翼全体に言えることなんだけど、主張は同意できる点が多々あるのに、やってる連中がクソなんだよなあ

人格者左翼党派では生き残れない

2023-06-03

飲食チェーン店で働いていた頃の思い出


ちょっと話してみたい。昔の話だ。

若い頃、都内繁華街にある飲食チェーンで店長職を務めていた。今はもう会社を辞めて実家に帰り、細々と親の仕事を手伝ってる。農業を営んでるから食料品という意味では繋がってる。

あの頃はまだ30代半ばで、男が乗っている時期だった。心も体も無理がきいて、若者の考えもなんとか理解できて。懐かしいなぁ。今では50代が近づきつつある。

守秘義務とか一応あるから、どこの飲食チェーンかは言わない。読んでるうちにわかるかもしれないが。できればそっとしておいてほしい。

何の話をしようか迷ったが、『人』の話がいいだろう。何人かに絞って話がしたい。皆、よくも悪くも思い入れがある。三人だけ挙げよう。



1人目 スダ君

 もちろん仮名だ。雰囲気で名付けている。背は低めだったかな。危なっかしいけど、素直な子だった。だが、ある事件を機に店を辞めてしまった。

 大学二年生で、MARCHクラス大学に通っていた。やんごとなき方々が通いそうな大学名だった。私は専門学校出なので、大学生と聞いただけで眩しい感じがした。

 彼は夕方~夜のメンバーだった。クローズまで残ることもあった。ところで、ある従業員I氏との折り合いが悪く、さらにスダ君が好きだった女子店員TさんがI氏と交際していることもあってか、勤務中に不安定な感じになることがあった。若さというものだ。

 閉店作業中にI氏と諍いになることがあったらしい。マネージャークラスアルバイト従業員場合、連絡日誌を付けるのだが、そういう報告をみかけた。

 実際、迷ったものだ。I氏は当時、二十代前半のフリーターで、付き合っていたTさん大学四年生だった。I氏はほかの女子アルバイトにも手を出していた。時には、新人クルーを無理やり自分ビッグスクーターに載せて、当店の近くにあるラブホテル直行することもあった。

相関図

I氏 ⇔ Tさん ← スダ君

ほかの女子数人(身体目的)

 当時は2000年代の半ばだった。男のそういう行為甲斐性のひとつとされた時代だ。迷惑行為ではあったが、相当の戦力だったため目を瞑らざるを得なかった。

 ある年の秋、閉店数時間前だった。いつもだと、店の目の前にある事務所シフトを作ることが多いのだが、この日ばかりは実店舗で指揮を取っていた。どんな時間帯にもインして、店舗運営状況を確かめねば……という意識もあったが、正直この日は気分だった。

 夜9時頃、スダ君がお店にインしてきた。この日は3時間半のシフトだ。だが、様子がおかしい。足早にタイムカードを切ったかと思うと、店の奥にあるシンクに手をかけてうずくまるように立っていた。

 ほかのアルバイトも「様子がおかしいのでは?」と察していた。私は、スダ君と仲のいい大学ふたり事情聴くように指示した。こういう時はこれでいい。私が聞いても真実を答える保証はない。聞き取りするとしたら彼らの後だ。

 大学ふたりが聞き取ったところによると、スダ君が事務所に入った時、こんなことがあったらしい。

事務所の休憩室で、I氏とTさんが半裸でセックスをしていた

・運悪く、スダ君が入ってきた音に気が付かずに目撃することとなった

過去にもスダ君の目線からみてそうなのでは、と思うことがあった

 これには悩んだ。どう対処すればいいのか。店を預かる者としては判断に迷うところだ。というのも、I氏もTさんも、はっきりいって当店の最高戦力(I氏はマネージャークラスTさん接客専門職クラス)であり、辞めてもらっては困る。困るのだ。ただでさえ人手不足なのに。

 本来免職処分とすべきだ。事務所本来目的以外に使うな、とは言わない。待機時間学校での課題を片付けたり、シフトを上がった後にお喋りをするとか、そういう使い方をしてもいい。少しくらいは。

 ただ、過去においては、休憩室で飲み会を催していたクルー3名をまとめて免職処分したことがある。線引きが難しい。

 結局、I氏もTさんも当店に残すことにした。I氏は「次やったら辞めさすぞ」と何度もクギを差したうえで、出勤停止処分とした。Tさんは、大学卒業まで残り数か月だったのもあり、比較的温情のある処分をした。※思惑までは書かない。自分なりにバランスを取ったつもりだ。

 スダ君には、「人生いろいろあるけど挫けてはいけない」「あなたはひたむきだから。きっと報われる時がくる」など精一杯フォローしたものの、冬になるまでには店を辞めて、同系列チェーン店移籍した。確か、そこの店長から電話があって、「面接に来たけど、彼どんな子?」と聞かれたから、「ひたむきでいい子です。ちょっと心が弱いところもありますね。でも、戦力になりますよ」と答えた。今でいうリファラル採用だった。

 それから一年後、あの時スダ君から聞き取りをしてくれた大学から連絡があった。スダ君が、移籍した先の系列店でマネージャークラスランクアップしたという。私もその店に行ってみたところ、確かにスダ君がいた。社員と同じ服装でキビキビと働いていた。あの頃とは雰囲気が違う。人間として成長したのだ。

 それからすぐ、私も遠方の店に異動になってしまって、スダ君を見ることはなくなった。今はどんな人間に成長しているのだろう。いい男になっているだろうか。そんな未来を願っている。



2人目 フナモトさん

 この子は、いわゆるプレーヤータイプ極致だった。ほかの繁盛店から移籍してきた子で、クルーとしての実力は折り紙付きだった。POSでの接客もキビキビとこなすし、サービスレベルは最低限以上だし、料理を作るオペレーション作業も人並み以上にできた。

 どんな分野でもマルチ活躍できる子だった……ただし、現場作業に限っての話ではあるが。残念ながら、性格であるとか、人格であるとか、気質であるとか、そういうところに問題のある子だった。

 話は逸れるが、圧倒的美人だった。街を歩いていたら男は皆振り返るし、雑誌モデルをしていたとして不思議ではない。そういうルックスの子だった。

 ただやはり、性格に難があった。気に入らないクルー雑談を振られても冷たい態度を取ったり、無視することがあった。相手のことをミカンの皮くらいにしか思っていないのだ。

 ある時だったか、フナモトさんの接客現場でこんなことがあった(※当時は、女子厨房に入る子は極端に少なかった)。母親子どもふたりレジに並んでいて、子どもおもちゃ付きセットの説明を求めた。店内のカウンター横には、おもちゃの反則セットが豪勢に飾ってあった。※フナモトさんmaidになる。

 だが、彼女は冷たい様子で「ポケモンです。種類はこちから」とメニューを指さすだけだった。そのお子さんが十秒ほど迷っていたところ、フナモトさんがローファーの先でコーヒーシロップストローが入ったラックを何度も蹴り飛ばすのが見えた。

 またある時などは、夜の店内におばあさんがテイクアウトの注文後、「お水を持ち帰りでくれませんか」と言ってきた。フナモトさんはマニュアルどおり「お水は持ち帰りができません」(※衛生管理上の問題。お客の家で水が品質劣化した場合など)と答えたところ、おばあさんは「車にいる孫が薬を飲むので……水がほしいんです」とのこと。

 さて、こういう時はどうすべきか。一応、会社マニュアルには、接客については「ルールに準じつつも、自分らしい接客スタイルを求めてください。お客様のためになる接客を。迷った時はマネージャーに指示を仰ぎましょう」といったことが書いてある。

 フナモトさんはおばあさんに告げた。「その子カウンターまで来るなら用意できます」と。なるほど、機転が利いている。おばあさんが了承したところ、フナモトさんが水を用意してカウンターの前にいるおばあさんに水を届けた。

 しかし、おばあさんは水を取って、そのまま車に戻ろうとしたのだ。フナモトさんが一瞬早かった。おばあさんの二の腕を掴んで、水泥棒をガードしたのだ。

船「ダメっていいましたよね!?」

婆「いいでしょ。やめて!」

船「ダメって言ったよな、おい!?」

婆「ちょっと!」

船「おい!! ……お廻りさん呼びましょーか?」

婆「……」

 さすがに堪忍したのか、おばあさんは諦めて外の渋谷通りに留めてあった車に歩いていった。私はその様子を観ていたけど、どっちもどっちだと感じた。フナモトさんはお客様ファーストではなかったし、おばあさんにしてもジュースを買えばよかっただけのことだ。別に水でなくてもよかった。

 私だったら、「本来は衛生管理上の問題があり認められませんが、今回はお薬の事情があるということで持ち帰りを認めます」と言っていただろう。マニュアルに反する行為ではあるが、これなら上の人間が観ていたとしても申し開きできる。

 三つ目になるが、フナモトさんが専門学校卒業する半年前のことだ。店内のポジションを替わりたいという要望があった。弊社では、漢字表記だと接客専門職とでもいうべきランクがあり、それに選ばれるとお洒落制服を着ることができる。昔懐かしい、アンナミラーズ制服ちょっと似ている。

 だが、それはフナモトさんのわがままに過ぎなかった。本人から理由を聞いたところ、「可愛い制服から最後に着てから卒店したい」とのことだった。当然却下したのだが、それに激昂したフナモトさんは「だったら店を辞めます!!」と宣言して、マネージャールームパイプ椅子を立った。そのまま事務所を出て行き、二度と連絡してくることはなかった。残りのシフトはバックれてしまった……。

 約二週間後、別の系列から「フナモトさんという子が面接に来ているけど、どんな子ですか?」という問い合わせがあった。ちょっと迷った挙句に、こんなことを答えたかな。

「一本筋が通った子です。いい方に働くこともあれば、そうでないこともあります

 と告げた。嘘は言っていない。確かに嫌な別れ方はしたけれども、かつての仲間だ。応援はしたい。少なくとも、ほかの店への移籍妨害したくない。

 人格者じみたことを書いたけれども、保身のためでもあった。フナモトさんとは過去に二度、ホテルに行ったことがある。お店の公式飲み会があると、私はいつも若い子だけの方がいいだろうと思って(一万円を置いて)早めに帰るのだが、その時は最後の方まで残っていた。

 宴も酣(takenawa)ということになって、二次会に行こうと幹事が言い出した後で、フナモトさんと帰り道が一緒になり、いろいろ話すうちに飲み直そうということになった。私はまだ三十代だったので、いろいろと抑えることができなかった。

 フナモトさんの見た目はクールビューティといったところだが、いざ一緒に寝てみると情熱的なところがあった。やはり、体のいろいろな部分が柔らかかったのを憶えている。そういう体験が二度あった。

 それで、上の段で電話を受けた時は、フナモトさんが暴走したらよくないことになるのでは……!? という懸念があった。そうはならなくてよかった。

 思い返すと、これも懐かしい記憶だ。あの子は今も元気にしているだろうか。健やかであってほしい。



3人目 ワタベくん

 この子も鮮烈だった。当時は大学生。独得な雰囲気の子で、普段はボーっとしているかと思えば、厨房でのオペレーション中は熱気に満ち満ちていた。閉店時のクローズ作業も抜群に早かった。

 難点があるとすれば、マイペースなところや、人を怒らせる発言をするところや、常識のなさだった。ある時などは、冗談だと信じたかったが、早朝の開店作業中に「今日気合いを入れるためにビールを飲んできました!!」と宣言していた。

 今でいうところの、発達障害というやつだと思う。そうでないならパーソナリティ障害か。医師ではないので判断はできないが。

 さて、そのワタベ君だが、大学三年生のある時に「マネージャーになりたい」と言ってきた(※説明が遅れたが、正社員仕事をするアルバイトをいう)。確かに作業能力的には余裕でマネージャークラスだった。しかし、彼の発達障害的な言動は、他のアルバイト仲間の間では賛否両論だった。マイルールに対して過剰適応なところがあり、それが特に若い高校生クルーとの間に軋轢を生んでいた。

 当時のマネージャー全員に賛否を聞いたところ、半々ということになった。これは低い数値だ。普通は八割以上が賛成する。そして、ワタベ君本人に対して「貴君の意に添いかねる」という意思を告げたところ、なんと……彼は弾けた。バックレたのだ。

 フナモトさんと違って、自分シフトちゃんと消化していったが、店長である私に何も告げずに店を辞めた。ほかのアルバイト仲間には辞めることを伝えていたらしい。なんということでしょう……(劇的ビフォーアフター)。

 でも、これでよかったのだ。こういう極端な行動を取る人間管理者として相応しくない。彼がマネージャーになっていたとして、またどこかで軋轢を生んで誰かが店から消えてしまうような、そういう事態になっていたに違いない。

 それから、約七ヶ月が経った頃だった。なんと、ワタベ君がお店に戻りたいという(ほかのマネージャーから聞いた)。なんでも、そのマネージャーにワタベ君が電話をかけて「就職活動が終わったので店に戻りたい」という旨を伝えたらしい。

 これは、社会人でいうところの根回しに相当する行為だ。ワタベ君は成長したかもしれなかった。直球ストレートではなく、カーブを覚えた的な意味で。ワタベ君やるなぁ……。

 実際、この時期はとんでもない忙しさだった。スタッフの頭数があまりに少なく、基準に達していない人でも雇わざるを得ず、それがまた現在クルーとの摩擦を生むという悪循環だった。さすがの私も、相当な日数出勤することになった。時間外手当はゼロだった。名ばかり管理職というやつだ。

 話が逸れた。数日後、ワタベ君とマネージャールーム面談をしたところ、次のような意見があった。

・もうマネージャーになりたいとは思わない

・これまでは申し訳なかった

・週に四日以上必ずシフトに入る

 まあ、バックレではあるが、これからちゃんとするならいいだろうということで、ワタベ君を再雇用することにした。

 しかし、私が人を見る目がないのは皆様すでにお分かりのとおりだ。本当に見る目がない。この会社でも、最終的にはエリアマネージャー部長級)までは行けたのだが、そこでさらに上のクラス人達と揉めごと(本部クラスセクハラ関係)を起こしてしまい、最終的には理不尽降格処分店長に戻れ!!)を突きつけられ、会社を辞めることにした。

 さて。ワタベ君は普段はマジメだった。しかし、稀に凶悪な面を見せることがあった。ある日の早朝、お店の目の前に食品資材を搬入するトラックが停まっていた。ワタベ君は、せかせかと動いてトラックドライバーと協力し、荷台から野菜ジュースコーラシロップタンクPotatoを下ろし、店内に運んでいた。

 だがある時、見てしまった。トラックドライバーの目を盗んで、ワタベ君が野菜ジュースが50本ほど入ったビニル巻きの段ボールを――丸ごと盗んでいるのを。一瞬の早業だった。私でなければ見逃していたね。※一応、どうやって盗んだのかは伏せる。同様の行為を防ぐため。

 その時ほど、自らの人を見る目のなさを恨んだことはない。ワタベ君はすでに雇用三ヶ月目だったし、彼がいなければ深夜と早朝のシフトが回らない。困った事態だった。当時の私には、見て見ぬ振りしかできなかった。

 それから、ワタベ君は大学卒業まで店に在籍した。発達障害はやはりそのままで、ほかのアルバイト仲間との小競り合いが度々起こった。実は、ある時期から人手不足は解消していて、別にワタベ君には辞めてもらってもよくなっていた。クビにしようかと思ったことがある。しかし、性格や人柄が悪いとしか思えない彼が、多くのスタッフから嫌われながらも、一部のスタッフには懐かれているという現象を目の当たりにして思い留まった。

 なぜ、そんな判断をしたのか? 彼は本当に悪どい人間なのか、と思ったのもあるが――今風の言葉でいえば「多様性」だ。彼は確かに社会人以前に人として未熟なところが多くあった。だがしかし、一部の得意分野においては紛れもなく輝いていた。だったら、嫌なところには目を瞑ろう。それが当時の私の判断だった。

 風の噂だと、新卒時点での彼は、都内の某区役所地方公務員としてのキャリアスタートしたらしい。東京まれ東京育ちだから、やはり地元が一番ということだろう。彼も、元気でやっているといいのだが。



以上で終わりになる。

当時を振り返ってみて、間違いだったと思われる行動は多々ある。どれだけ後悔しても足りない。でも、それも人間だ。迷いながら進んでいくしかない。

ところで、満たされない心というのは、すごく大切だと思う。当時も今も、満足できる仕事をこなすというのは、とてもとても遠いことだと錯覚していた。

成長していくためには、これまでの自分を一人ずつ殺害していく必要があるのだと30代の頃は思っていた。朝が来るから起きるのです、みたいな当たり前のことだと思っていたけど、違うんだな。

人生が満たされなくても、自分自分なのだ理屈も何もない。ただ、それだけだ。だから店長として飲食チェーンで働いていた頃の失敗だらけの自分も、今では受け入れられる。そういう情けない私まで含めて私なのだ再確認できてよかった。

ここまで読んでくれてありがとう増田の皆さまの幸福を祈ってる。もし希望があれば、時間を空けて続きを書いてみたい。

2023-05-31

anond:20230530201925

認知的不協和

モテ=人格者非モテ=クズという偏見を持っているので

モテ男がやらかしときは「あいつは非モテだったんだ」と現実を歪めることで認知的不協和を解消している

2023-05-26

anond:20230525131807

みんな勘違いしているが、結婚制度というのはおまえら夫婦のためにあるのではない。子供のためにあるのだ。

子供が成人して独り立ちするまで、親が逃げないように縛る制度、それが結婚だ。

から結婚していなくても逃げないような人格者ばかりの世界であれば結婚制度不要であるし、

実際、親が面倒みなくても国が面倒見る仕組みになっているフランスなどはそもそも結婚していない婚外子のほうが多い。

2023-05-22

男が女に求めるのは

子供を産める体

・養わなくてもいい稼ぎがあるor養いたいと思える程度の人格者

これだけ

2023-05-20

anond:20230520091955

本当に相談して同時自殺したなら、段四郎さんは絶対遺書を残すはずなんだよ。

段四郎さんはめちゃくちゃ人格者から、残される者への配慮を怠らない。

その1点だけでこれが時代劇のような刃傷モノだと分かる。

2023-05-13

anond:20230513125335

人の日記読んで文句垂れる、ユーモアを解さない、短気、素晴らしい!模範的増田である貴公のような人格者こそが増田というハゲ山を賑わすのだ!励み給えよ!

2023-05-05

anond:20230504231348

現実話すと、中国アメリカスイスにでも行かないと、2000万ポジなかなかないよ。分野にもよるけど。情報関係なら多いけど研究職の括りだと広すぎだし、

そこでパーマネント職得られるくらいの人格者が未婚とか見た事ないな。研究職行っても生活苦しくて企業入るのもいるし。

200万は論外としても400万くらいで出費の傾向が変な物に入れ込んでなければ、自分の食い扶持と生活費ちょっとした物を努力範囲が賄えてる場合が多いから、

普通に自分のことが自分でできて人柄が良ければ、高収入下方婚形態とか言われても結婚している人はは多いと思う。

まり年収399万以下でキャッシュフローおかしくて自分生活範囲の事がまともにできなくて人柄が悪い奴を拾うのは

男でも女でも生活負債になるから結婚相手に選ばれない。それは下方婚とかじゃなくてリスク回避

まあ増田現実とは違うのかもしれない。

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