「ルネサンス」を含む日記 RSS

はてなキーワード: ルネサンスとは

2022-12-28

anond:20221228182355

ルネサンス期のポリフォニーとか当時の理論的背景を知ってるかどうかで聞こえてくる音が全然ちゃうやでという話

2022-12-24

お笑い番組とか、昔はタブーがなくてやりたい放題だった、みたいなことが言われたりするんだけど、そうじゃなくて、昔もタブーはあってマズイことをやれば苦情の電話が鳴り止まなかったりして、それはそれで問題だったんだけれど、時代の流れとして、そういうタブーとかで縛り付けてくる勢力には絶対に負けないぞ!という社会空気感とかこれから時代はこうなんですよ!意識アップデート(なんて言葉はなかったが)して下さいよね、みたいな感じだったんだよな。

これはもう長い歴史の中で人類文化に起こる繰り返し性みたいなものなんだと思う。

ある時期には開放的な方向へと振れていくし

ある時期には規制的な方向へと振れていくという。

ルネサンスやらその反動やらとかってそういうことみたいなことだろ?

まあ今の時代はそれが規制的な方向へと向かっていく時代ということで。

からある時期に来ると突然、今みたいな堅苦しい主張をする人たちのほうが意識アップデートが出来ていない老人たちってことになる時代に反転するんだと思う。

2022-12-15

anond:20221215160540

薄っぺらい」のを特殊なことのように言ってるけど、今のオタクマジョリティって全部それだろ。

展開やキャラクターの良さを「性癖」だの「クソデカ感情」だの気持ち悪い雑な分類で語る奴が一番声デカいじゃん。

ルネサンスの裸婦画みて「チンコに来る/来ない」だけで語ってるような奴が美術理解者って言えるか?

オタクって本質的にそういうウザい奴じゃん。誤摩化すなよ。

2022-11-29

エロ見たい派のお気持ちが聞きたい

公共の場エロ広告表示するかどうかで見せるな引っ込めろと言った側がお気持ちだと批判されてる話。

「明らかにエロ狙いの絵なのにこんなの全然エロないよと言い張るのおかしくね」って話が昨日ブクマ沢山ついてたの見て思ったんだが、「公共の場エロが見たいんや!」って主張する人あんまり見ない気がした。「表現の自由を守れ!」は沢山見るんだけど。暗に「いや俺は別にももパンツギリギリ股間とかエロいとは思わないしー!全然エロく無い!エロと思うやつはフェミ!これがエロいなら過去の名画とか駄目でしょ!」と言いたげな人ならブコメでもわりと見た。

ちゃんと「俺は!公共の場エロが!見たいんや!」って人の方が正直で信用できる気がする。みんな正直になろうよ。

全然関係ないけど、ルネサンス宗教画とかも当時からエロ目線で見られてたみたいですよ。あとギリシャ神話は裸描くのにいい題材だった模様。みんな大喜びさ。えっちえっち。でも今見てもあんまりエロい感じがしないのは何故だろう。見慣れすぎたせいか

爆乳ルネサンスで抜いた

こういう自分性癖にあう絵が無限に生み出せる・・・

AI絵師騒動の時はフーンって感じだったが、いざ自分の求めるものが来てしまうととても夢を感じるな・・・

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/1979342

2022-10-21

anond:20221021134836

仮に英語の「maiden」が女性名詞に付くとしても、なぜ古英語などではなく、いきなりラテン語基準になるのだろうか。


  ・・・ それはルネサンス期あたりから英国に見られ始めた Latin envyラテン語かぶれ)というやつのせいでしょう。いろんなところに今でもそういう痕跡が見られますでしょ。

ラテン語だと船も航海も女性名詞ですから英語でもできるだけそれっぽくしたくなるわけで、船名自体Britannia だったり Lucitania だったりしますし、受ける代名詞she/her だったりしますよね。Lucitania and her crew とか Titanic and her passengers とか。

他にも国(patria/rēs pūblica)や国名(Rōma/Britannia/Caledonia)が女性名詞なので、今でも “France and her government” のように女性代名詞で受けたりもします。

そういえば、あのArneの有名な愛国歌タイトルも “Rule, Britannia!” ですね。”Rule, Britain!”じゃなくて。

ついでに付け加えると、Pax Britannica とか Encyclopædia Britannica とか、よっぽど古典古代ラテン語が好きだったんですね。

他にも、さまざまな語句Latin envy の形跡が見られますね。文法用語の gerund他や、prior to, superior to, inferior to, senior to, junior to, survived by などのフレーズとか、data は複数形であって 単数形は datum が正しい、とか、split infinitive がダメなのはラテン語に無いから説、とか。

2022-10-17

anond:20221017041501

キリスト教は愛を発明したんだよ。

それまでそういう概念は明示されてなかったわけです。

少年愛とか男女の愛はあったけどね。

(色々あって男女の愛がハッキリ再定義されたのはルネサンスぐらいですが)

もっと広義の愛を発明しました。

2022-09-20

anond:20220920003134

基本綺麗だなーで十分だけど、世界史の流れパーっと復習しといて、年表持ってくだけで更に楽しい

ルネサンスとかこういう時代背景で生まれものなんだなあ、なるほど←予習の範囲

ただその中でも思想の違いあって画風に違い出るんだなあ←美術館に書いてある解説

2022-09-01

中世教会ウソを教えてて、宗教改革ルネサンス大航海時代を経て、周りの世界を見えるようになって廃れていった。

世界史を学ぶと今がよく見える。

2022-08-31

anond:20220831002414

問題の指摘は西洋でもルネサンス以前からされてたけど、新しい理論構築が全然だった。

ルネサンス以降啓蒙主義科学上のロマン主義を経て実証主義が始まるのだけれども、

人間精神生理学とも言うべき「生の哲学」を一定水準以上で論理的に完遂したこと意味があるし、

からこそ後世幾度となく広い分野で参照されることになる。

追記:ちょっと生の哲学」でまとめるのはガバガバ説明かも

2022-08-13

マスク外して歩こうよホリエモン運動」やろうずwwwwwwww

ホリエモン様はやはり神であらせられた。

2022年コロナ禍は3年目を迎え、市民は皆疲弊している。ソーシャルディスタンスを守るが故に人と人との精神距離は開いてしまった。マスクによって個人世界は隔たれ、市民内向的個人主義になってしまっている。空いた時間ネットに籠る。家で1人でのんびりしていたい。外の幸せなど求めない。その先に待っているのは何か。虚しい世界である。画面とばかり向き合って動物としての本能欲求を全く満たせない、冷たく機械的世界である

では何がいけないのか。マスクであるマスクなんかあるから表情での会話も成り立たず人間社会崩壊しつつあるのである。我々はもうマスクを外すべき頃合であろう。勇気を出すべきだ。コロナウィルスよりも恐ろしい病に完全に罹ってしまう前に、我々はマスクを外さなければならない。

2年前からノーマスクを訴え続けていた1人の神がいる。その名も堀江貴文

2020年9月22日

堀 江 貴 文 餃 子 屋 出 禁 事 件

神が餃子屋にノーマスクで入って揉めた事件であるが、この事件を通して神は市民に訴えていたのである

「このままでは世界が終わってしまう」

人間性を失った虚しい世界が待っている」と。

彼は救世主だったのである

さぁ今こそマスクを外そうではないかマスクを外すということはつまり21世紀ルネサンスに他ならない。人間性を取り戻すのだ。ネット民のおまいらなら出来る。ニートノーマスクで外に出てみよう。ホリエモン神に従って、世界空気を吸おうではないか!!!

2022-06-26

anond:20220626074200

麺をすするのは、日本の文化じゃなくて中国由来の文化だろ。

ちなみにヨーロッパでは箸がなかったので、麺(スパゲティ)を熱い汁に浸して食べることはできなかった。

フォークの登場もルネサンス以降なので、それ以前は手づかみで麺を食べていたから麺をすする文化は無かった。

あなたの言う「普遍的」とは、ヨーロッパ価値観にすぎないのでは?

2022-06-07

anond:20220606233532

すでに知ってそうだけど

同時に音を鳴らす「和音」をいか時間的に進行させるかの考えが「和声法」

| | | | | |

| | | | | |

| | | | | |

連続する「旋律メロディ)」をいかに同時に重ねられるかの考えが「対位法

――――――――――

――――――――――

――――――――――

さらカノンの話とか、ルネサンスバロック古典派の変遷とか、

パッヘルベルカノン」って3声カノンに加え通奏低音も伴ってて、そのコード現在もっとも有名なコード進行になってて

まさに上記の変遷をぴったり表してる話とかいろいろ浮かんだけど長くなりそうなのでやめた

2022-05-19

anond:20220519153752

元増田は本人は違うと言ってるものの結局イラストレーター漫画家をごっちゃにしてるんだよな

二次元という文脈で語られるフィクトセクシャル的な漫画を是としてるだけ。漫画ルッキズムなり性の対象としてしか見てない。

からイラストに求められるものと同じ価値観で考えちゃうんだろうね

しろ二次元オタク向け漫画自体手塚治虫を萌芽として後発的に創出されたものにすぎす漫画の本流じゃないといか芸術でいうバロックルネサンス関係のようなもんにすぎないだろ

特定様式ばっか主流になると、もとい、特定様式のものばっか自分の身の周りにあるとそれらへのカウンターになるようなもの価値を置くようになるごくありがちな認識の変容過程の一途にいるだけではないか元増田にとってはたまたま高年齢向けの漫画が目だって目についた。

2022-04-07

anond:20220407184933

数学出来るのが偉いのではなくて、数学出来ないのは学者として資質がないと言ったほうがいい(文学歴史神学といったルネサンス以前からあるごく一部の分野ーこっちのほうが学問としては正統だがーを除いて)

数式を使わないで、自然言語だけで厳密に論理を展開できるのであれば問題ないけど、そっちのほうがはるかに難しい、てか究極的には不可能

2022-02-05

anond:20220205105660

ルネサンスワックスって2500円前後ワックスがあってな、それを塗るとフィギュアが長持ちするとかそういう記事を見かけて合わせて買ったんだ。

それ塗る時もっとむずむずするぞ、色んな意味オススメ

2022-01-10

anond:20220110151306

https://en.wikipedia.org/wiki/Early_modern_period

The early modern period of modern history follows the late Middle Ages of the post-classical era.

近代史におけるearly modern時代とはこれこれこういうものである

→modern history項目があるので見に行く

https://en.wikipedia.org/wiki/Human_history#Modern_history

Modern history (1500 to the present)

ルネサンス期含んでるじゃねーか

anond:20220110020311

ローマルネサンスが語られてないあたり、近代史に強いが中世以前の歴史に弱い中国人なんだと思うw

2022-01-09

anond:20220109163108

イギリス音楽中世からルネサンス期そしてバロック期もパーセルくらいまでは非常に輝かしいのだけれど。パーセルが若死にしなければ多少は変わっていたのだろうか。というより、バロック期に大陸風の音楽の取り入れに方向転換したということなのだろうか。ロマン派イギリス気質に合わなかったのだろうか。古楽復興運動が早くから興って盛んなのもそのせいなのかなぁ。ドルメッチ親子とかダートとかマンローとか。

イギリス音楽の謎

イギリス音楽ビートルズローリング・ストーンズ辺りから知名度を上げた「UKロック」で、今なお大きな存在感を示している。

そんなイギリス音楽ルネサンスくらいから、一時代を築いた作曲家が何人もいる。

しかしながらこのイギリス音楽は実のところ、バロック時代に絶大な評価を勝ち得たパーセルから近代エルガーまでの数百年間、国際的に有名になった作曲家が一人もいないのだ!

まあクラシック音楽でも古典ロマン派ドイツ系が圧倒している感が強いっちゃ強いのだが、それでもイタリアロッシーニからドニゼッティヴェルディプッチーニフランスならベルリオーズサン・サーンスなどの巨匠がいる。

それがイギリスは、ヘンデルしろハイドンしろドイツからの輸入モノだし、それ以降「なんかあったっけ?」状態

この「暗黒時代」ともいうべき空白期間、一体全体どうしてこうなった!?という感じなのである

2021-11-03

小説を書いていた俺が面白かった中世ヨーロッパの本を共有する

歴史を学ぶ上での四つの視点

かつて趣味小説を十年近く書いていた者だ。俺も理系だが、理系歴史を学ぶ上で決して弱みではない。むしろ物事を大局的に眺め、出来事意味や結果をロジカルに考えるうえでは助けになるし、論理的文章も得意だろう。なので、自信をもって執筆に向かってほしい。

とはいえ、いきなり中世ヨーロッパ舞台にした小説を書くのは難しい。農民であれ騎士であれ、生活の細部を思い描こうとするだけで筆が止まってしまう。朝起きて顔を洗い、用を足して食事をする、その半時間のことなのに細部がさっぱりわからず、筆が進まない。ありがちな悩みだが、深刻な悩みでもある。

仮に十年前の日本舞台にした小説を書こうとしても、「当時はスマホが既にあったか」「はやっていた音楽は何だったか」「あの事件はもう起きていたか」など、俺たちの記憶は甚だ頼りなく、資料に頼らざるを得なくなる。ましてや、生まれる前の出来事など仮定仮定を重ねた蜃気楼のようで、資料なしでは立ちすくんでしまう。よくわかる。なので、俺が読んで面白かった本を共有したい。

ところで、増田世界史勉強したいと述べているが、どうも「小説を書くための中世ヨーロッパ知識が欲しい」と「知識から漠然世界史について学びたい」が混在しているようだ。ブクマレスを見ると、その両方に対する回答がある。俺は、ひとまず前者について答えたく思う。後者については、中央公論社の「世界歴史シリーズか、講談社の「興亡の世界史」を読んで、そこから気になったキーワードからどんどん広げていくといいと思う。なお、俺は前者しか通読していない。

さて、過去世界を生々しく想像するためには、俺は四つの視点必要だと考えている。数理的視点物質視点、非物質視点それからエピソード視点だ。以下、それぞれについて述べる。各々の視点に応じて、手に取るべき書籍は異なってくる。

さらに、この四つの視点があると、頭の中で歴史知識を整理するのに役に立つ。少なくとも俺にとってははやりやすい。

数理的視点

過去世界は偉大なようだが、人口現代よりも少なく、都市の規模は小さく、穀物工業製品生産量も少ない。そういうわけで、もしもタイムスリップして中世大都市を眺めたとしても、その小ささに俺たちは意外さを覚えるかもしれない。確かに現代にも通用する芸術作品はあるかもしれない。時代は異なるが、ピラミッド紫禁城のような壮大な建物もあるだろう。とはいえ庶民はそんな生活とは無縁であったはずだ。パリ城壁は今や環状線であるが、今のパリ都市圏はそれを越えて広がっている。

さて、小説を書く上ではリアリティ必要になる。それを支えるのが数の感覚だ。例えば、ある国家人口がどれくらいで、即時に動員できる兵士がどれくらいで、都市都市距離がどれくらい離れており、移動速度はどれくらいか集落の規模はどの程度か。船舶で運べる量は。モデルとする時代数字をおおよその知っておくことで、明らかに自然描写は減らせるだろう。このあたりについては「銃、病原菌、鉄」や通史的に世界人口を扱った書籍が助けになると思う。細かいことは気にしなくていい。オーダーが合っている程度で充分だ。数字を確かめるだけなら、ウィキペディアだけでもいい。これは英語版を併用することを薦める。

物質視点

要するに衣食住の細部だ。先ほど騎士農民の一日を想像するのが難しいと述べた理由はこれになる。増田必要としているのはおそらくフランシス・ギースの出しているシリーズだ。都市農村、城の生活が細かく書かれている。

他に、当時栽培されていた植物動物については、「世界史を変えた50の○○」シリーズもいい。ある素材が手に入るか入らないか、あるいは知識の有無だけで国の命運が変わるというのは、たびたび起きてきたことだ。中世ではないが、例えばヒッタイトで鉄の製法が独占されたこと、柑橘類で長期航海の敵、壊血病が防げるとか、そうしたことだ。

また、具体的な書名はいちいち挙げられないが、図版の多い図解○○のようなシリーズも良い。もし、増田視覚的にものを考えるタイプならなおのことだ。慣れていくと建築芸術の○○様式というのが何となくわかるようになってくる。

加えて、児童書も侮っては行けない。専門家が監修した子供向けの本は、えりすぐりの内容を含んでいる。仮に含まれていないとしても、これだけは伝えておきたいという基礎知識は抑えてある。これは立花隆が言っていたことだったと記憶しているが、なじみのない分野を学ぶためには基本的な内容の本を三冊読むといいそうだ。なぜなら、本当に大事なことはその三冊すべてに書かれているからであり、結果的にその分野の基礎を身に着けることができる。

物質視点

これは当時の人間が何を知っており、どんな風に考えていたかを指す。直接は物質として残らない、人の頭の中にあった知識文化にまつわることだ。当時の科学知識価値観法律迷信などもここに含めてよい。

さっき中世人の朝を想像するのが難しいと述べたが、昼以降の社会生活想像するのはこれでさらに難しくなる。

たとえば俺は異世界ファンタジーをあまり読まないのだが、中世には叫喚追跡という風習があった。当時のイングランド自由市民犯罪が生じた場合には、その犯人逮捕処罰する義務を負っていた。隣保組織の長は角笛を吹き、大声で喚声をあげながら犯人を追跡しなければならず、また周囲の住民もその指揮に従って追跡に加わることが義務付けられていた。しかも、この協力を怠った住民に対しては制裁が課せられる。寡聞にして、こういうファンタジー小説は読んだことがない。

ここまではいかないにしても、海外文学を読むとなじみのない、ちょっとしたジェスチャー迷信出会うことがある。欧米だと、指を交差させることで幸運を祈るし、ロシア人は今でも扉越しに握手をすることを嫌う(宇宙ステーションでさえ)。この辺にリアリティは宿る。ジェスチャー関係なら、中世とは少しずれるが「常識世界地図」が面白い。

法に関しては詳しくないがが、習慣や生活については先ほど述べたフランシス・ギースの本が参考になると思う。価値観では「中世の秋」がいいだろう。科学史については、増田理系から「磁力と重力発見」を薦めたい。難易度はかなり高いが、知識いか科学になっていくかを肌で感じられる。

当時の職業に関しては、未読だが「十三世紀のハローワーク」がいいらしい。

キリスト教宗教史に関しては、聖書エピソードの概略や聖人伝を知っているといい。絵画が好きなら名画で学ぶ○○といったシリーズがたくさん出ている。ただし、聖書がわかったからと言ってキリスト教がわかったことにはならないので注意。

エピソード視点

これは著名な人物の伝記に関する話だ。あるいは、当時の人々が親しんでいた物語も含めてもいい。こういう偉人の伝記や小話をたくさん知っていると、歴史好きの物知りとしてマウントを取ることができるが、その出来事世界史上でどのような意味があったかを語れなければ、自己満足で終わり益は少ない。とはいえ、興味深いのは確かで、プロットの参考になるかもしれない。

このあたりの知識のためには、児童書も含めて伝記を読みあさることになる。または、ハプスブルク家歴史だとか、各国史だとかを扱った新書を乱読する。絵画に興味があるなら、これも名画で見る○○のようなシリーズおすすめだ。

当時の人々に身近だっただろう中世騎士物語については、ブルフィンチアーサー王伝説シャルルマーニュ伝説をまとめている。それとは別にマビノギオン」も面白い。とはいえ、いきなり原典に当たる必要はなく、入門書を読めばいい。

ギリシアローマ神話は呉茂一の本が細かいところまで網羅しているし、ホメロスオウィディウス岩波文庫に入っているが、呉茂一の本は初心者には細かすぎるし、原典に当たるのは趣味領域から小説を書くなら入門書で充分だと思う。同様の理由で、「史記」だとか「ローマ帝国興亡史」なども趣味に属する。当時ならではの視点面白いが、鵜呑みにできない誤謬もあるだろう。

かに読んで面白かったもの

もちろん、単純に上記の分類にすべて本が収まるわけではない。大抵の通史・各国史はこれらを兼ね備えている。

以下、何となく面白かったものを思いついたままに書く。「中世ヨーロッパ歴史」「十二世ルネサンス」「ケルトの水脈」「西ヨーロッパ世界形成」(ただしこの本は著名な王の事績ほとんどの載っておらず、当時の価値観や考え方についてのページがほとんどで、そこがアマゾンで叩かれている)。それから、隣人から視点として「「イスラームから見た世界史」「アラブが見た十字軍」など。

書き洩らしているかもしれないが、今のところ思いつくのは以上だ。

他に、中世舞台にした小説映画おすすめだ。難解だが読み応えのあるミステリ薔薇の名前」、SFだが「異星人の郷」がいい。「大聖堂」は未読だ。「モンティ・パイソン・アンド・ホーリーグレイル」はコメディだが細部の正確さは中世映画随一であるとのこと。毒のある笑いに抵抗がなければおすすめ

増田に注意してほしいこと

中世風の舞台を描くために中世について勉強する。素晴らしいことだ。俺は敬意を表する。それに読んでいるうちにどんどん楽しくなってくるだろう。何かを知る、これは純粋な喜びだ。

だが、小説を書く以上、ある程度は想像力で補わないといけない。ある場面を書く際に必要情報があるとしても、そもそもその資料存在しないかもしれない。研究者でさえわからないことは多い。俺もこれだけ読んできたが、わからないことだらけだ。むしろ、疑問が深まった感さえある。細部も忘れてしまった。増田はぜひ自分で本を買ってメモを取るなり線を引くなりしてほしい。読み飛ばさず、時間を掛ければそれだけ得るものも多いだろう。

もっとも、描写に困った場合は、該当シーンを省いてしまうのも手だ。小川哲がどこかで述べていたが、ある歴史SFを書くときに、細部を省略したシーンがあるという。ストーリーにあまり関わらない部分を省くのは、立派なテクニックだ。読者だって中世建築の細部について延々読まされても困るだろう。

もうひとつ忘れてはいけないのは、増田研究者になろうとしているのではなく、小説を書こうとしている、ということだ。知識目的ではなく、手段だ。これを忘れてしまうと、他人の設定の粗を探したり、中世なのに価値観現代的なのを揶揄し始めたりする。こうなると、物語世界を素直に楽しめなくなる。

大事なのは歴史的正確さよりも、読者を喜ばせることだ。そういう意味では、演出として火薬が出てきたっていい。あるいは、読者が感情移入やすくするように、人を殺してなんぼの武将ではなく、戦争で人を殺すことをためらう武将として、描写する必要がある(ドラマ戦国武将がやたらと戦争を嫌い、優しいのはそのためだ)。異世界ファンタジーの読者が読みたいのは中世ではなく、中世っぽいものだ。そもそも中世ヨーロッパ風なのに唯一神を信じていないファンタジーは多い。

そういう意味では、本を読んでもその知識が直接生きることは少ないかもしれない。くれぐれも、読者に向かって知識をひけらかしてはいけない。あるシーンの正確さのために資料に当たるのはいいが、その成果を延々披露しては読者のストレスになるだけだ。もちろんそういう衒学的な歴史小説もあり、固定ファンはついているが、ネット小説の読者には少ないだろうし、ネット小説の肝であるPVを稼ぐことにはならない。これはいい悪いではなく、ネット書籍媒体の差だと思っている。

また、レッドオーシャン中世ヨーロッパファンタジーに飛び込むのなら、正確さよりも作者の専門知を活かしたものの方が(ブクマで書いている方もいるが)読者の目に留まりそうである。そして、くどいようだが、これだけおすすめの本を書いてきたが、読者が欲しいのは正確な知識ではなく血沸き肉躍る物語である

だが、作者にとっての最大の危険は、どんな物語よりも過去に起きた事実の方が面白いのだと気づいてしまうことだ。この罠にはまると、どんな小説所詮作り事と思われて素直に読めず、何を書いてもむなしくなってしまう。言い換えるなら、創作欲が知識に殺されてしまう。増田には、これに一番気を付けてもらいたい。

それを防ぐには、面白小説を読み、面白ものを書くこと、これに尽きる。先行作品としての中世ファンタジーを愛し、数多く読み、繰り返し読むこと。

知識の増える専門書を読むより、中世ファンタジーの書き方を読むべきだった、と増田がならぬよう、幸運を祈る。

anond:20211031163129

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん