まず、議論を進展させたいという親切心で、より伝わりやすい表現を提案しているやつ。あっぱれな心掛けだ。
だがここまで読んで分かっただろ？　どんなにうまい表現をしたところでバカは上述のようなトンチンカンな反応をするし、逆に理解力のある人間にとっては、たとえが多少下手だろうと大して議論に支障はない。
まあそういう建設的な意図の提案は歓迎したいところだがな。

もう一方は、大喜利したい、うまいこと言いたいだけのタイプ。
本題と無関係な話をしている自覚があるならまあそれもいいだろう。そこまで芸術点に自信があるなら、面白いかもしれんから言ってみろ。高確率でクソだろうがな！

「AとBが○○で同じなのは分かったが、××が違う。Aに関しては○○よりも××のほうが重要な論点だ、なぜなら……」

これはクソじゃない、良い方の例だ。上のやつと大して変わらないじゃないかって？　もはやお前は相当のバカだな。

元の発言者は最初からAのことしか話してない。Bのたとえを持ち出したのもすべて、Aについて伝えたいことがあったからだ。

お前はそれを受けて、Aの話を続ける。Aに関して認識の相違があるならその話をする。

比喩が役目を終えたなら、その比喩は用済みだ。
比喩による説明が失敗した場合も、その比喩は同じく用済みだ。
次の話をしろ。

それでいいんだよ。

後書き

増田の母親です。このたびはうちの馬鹿増田がこのような糞エントリを書いて皆さんに大変な迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした。

煽り口調で何かを書く体験をしてみたかったのですが、こんなスタイルは初めてなので、いろいろと拙いところがあるやもしれません。バカだのクソだのはすべて撤回いたします。だらぶちとかファッキンとかも多分言ってないけど撤回します。

あとタイトルを見て「すべからくをことごとくの意味で使うなバカ」と思ったあなたは正しい。

追記

コメントに反応させていただきます。全部じゃないのはごめんなさい。
※ちょっとカテゴリ分けした。

すべからく 警察だ！！

すべからく警察です
- ありがとうございます。お待ちしておりました。
増田母の後書きだけ読んだ。
- 訓練されている……
『～やつは当然バカである』という意味だと解釈すれば誤用とは言いきれない
- それも考えたけど、「～すべき」という意味が含まれないのに「すべからく」を使っていいのかなあ、というあたりがよくわかっていないです。
増田の母親が時間差で現れたのかそうでないのか知りたい警察です。
- 母親の後書きは本文と同時、この追記だけ時間差です。
タイトルで有名な誤用をする事で内容に突っ込まれないようにするという高度な技術
- いやタイトルは釣りだし、内容につっこんでくれ
お、おしなべて…
- なるほど「ことごとく」じゃなくてそっちでもいいな。微妙にニュアンスが違うのもいい。
「すべからく」を「あまねく」みたいな用法で使う増田はバカ
- 「あまねく」も結構難しくないです？動詞にくっつけるのはいいらしいけど他はいいのかなあ、とか。不勉強で申し訳ない。

一般的なコメント

イエスは答えて言われた「...だから彼らには譬で語るのである。それは彼らが、見ても見ず、聞いても聞かず、また悟らないからである
- 私も書きながら、そういえば聖書って比喩だらけだな、と考えてました。しかしイエスも偉そうだな。
譬え話が問題のフレーム設定だってことが理解できないのかなあ。そこで合意できない議論が建設的になる理由はないのでは。まず自分の問題設定が妥当かどうかから始めては如何かな。
- これは確かに重要で、問題設定自体がおかしいという批判はあってしかるべきですね。その場合「たとえがおかしい」みたいな指摘はちょっと迂遠ではないかなあ。あと問題設定自体に合意が無いのはままあることだし、議論ってその状態からすり合わせていくものだと思っている。
比喩の使い方を読者がわかっているのと同程度に筆者が比喩を使いこなせている確信がないと比喩を正しく受け取るのは怪しいということ…？片方が=の意味で使っている可能性がある時点で高度な心理戦が生まれる？
- これも重要で、比喩を使う人は、多少冗長でも「比喩に頼らない説明」を併記すべきだと思います。よくわからん比喩が単独で放たれるとそれだけで迷走する。
〜だから例えじゃない、重要論点を無視とツッコまれた途端なかったことにしろとか、コミュニケーションコスト自分から上げて開き直るとかイタすぎる。一助になる時もあるが四六時中やるバカは間違いなく酔ってるだけ
- なかったことにしろって言われて腹立つのは分かる。でも、議論を進めたいなら、やっぱりなかったことにするか、もしくは論点自体の変更を提案すべきでは。コミュニケーションコストが上がるのはまさにその通りで、所詮「一助になる時もある」程度でしかない、というのに気を付けないとね。
たとえ話でイメージ出てくるのが孟子や荘子や韓非子や列子と言った故事成語のエピソードなので中国は大昔からたとえ話でやりあっていたのかなあ。
- おお、そうなんですね。アリストテレスとかも比喩についてなんか色々言ってるし、洋の東西を問わないんだと思う。
例え話をしていたらそっちの話のほうが面白くなっちゃって、もともと自分が何の話をしてたのか忘れてしまうことがよくある。よね。
- あるある。ゆえに危険……
増田は「例え話が使われる状況」での聞き手の知性と話し手の誠実さを信頼し過ぎている。
- 確かに。知性については多めに見積もった方がいいというスタンスなんだ。誠実さはもうちょっと警戒すべきなのかもしれないな。
“バカすぎて、たとえの意味を理解できなかったのか？”←読み手に理解力を求めていいのは純文学だけです
- そうね、繰り返すがまずバカは撤回します。意味が理解できなかったときは堂々と聞き返せばよいと思う。
例え話は善意があってこそ正当化されるのではないか。
- そう善意、これは特に重要だ。ただたとえ話に限らず、議論全般に言えると思います。お花畑なことを言いたいわけじゃなくて、「議論を効率的に進める」ことの第一条件が「相手が何を言おうとしているのかを汲み取ろうとする」という善意だと思っている。／（追記）違った、比喩を使う側の善意のことを言いたかったのかな。確かにその考えはなかった。
じゃあたとえ話をしよう。「抗菌洗剤で微生物を差別し殺害することはナチスのユダヤ人虐殺とロジックとして同じ事である」と言う人がいたら、君はまともに相手にするかい？
- 微生物となると、まあ正直、議論じゃなくてケンカしたいだけじゃないかって警戒はしますよね。動物への種差別の話だったらまだ聞く余地あると思うよ、どう同じなんだ？って。先方に議論の姿勢が無いと厳しいけど。蛇足の聞きかじりだけどシュヴァイツァー博士は微生物を殺しまくる医者という職業ながら、微生物にまで敬意を払っていたらしい。ホントかな。
よく麻生がヒトラーやナチスを例示するんだが、あれ突っ込んだらダメなんでしょうか…
- おっと、それは良いツッコミだ。影響力のある人物がそんなデリケートな話を雑な比喩に使うんじゃない、というのは大勢が納得するはず。一般人だったらやっぱり、叩く前にワンクッション議論があっていいかな……。これはダブスタと言われても反論できない、境目が難しい。
ごもっとも。10年前に書いた自分の記事と読み比べるなど。http://deztec.jp/design/08/04/15_blog.html
- ワァーオ！完全にここに書かれてるじゃないですか！
後半のQ&Aだけ流し読みした。例え話に例え話して例えばが積み重なっていく様が端的に言ってバカらしいの。
- まさにそうで、最初のたとえ話の意味が伝わったら（伝わらなくても）そのたとえ話にこだわらずにさっさと切り上げて本題に戻れ、ってのを言いたかったのです。そこは説明が下手だった。
たとえ話は証明ではない
- お！それもたとえ話ですね。「たとえ話」と「証明」の共通点と相違点は何？それで何が言いたかった？
たとえ話が例えになってないからつっこまれてるのでは？
- そのケースはあり得る。意味不明なレベルで成立してなかったら「よくわからんから別の言葉で説明しろ」と要求すべきですね。意味が分かったなら、そのたとえ話の巧拙につっこむのは無益だから次に進んではいかがか、という考えです。

そもそもたとえ話をするなor使いどころを考えろ派

ちゃんとした認識を持って議論したいのであれば、元のモデルのまま取り扱わないと死ぬ。
- 正直そう思う。ただ、場合によってはすごく有効なはずの比喩という手法がすべて封じられると不便だな、と思って。
たとえ話を議論でしないことが常識になってほしい https://anond.hatelabo.jp/20161001180438
- おおこんなエントリが。そうなんだよねぇぇ。正直「たとえ話はしない」というスタンスが正解な気はする。でも表現の選択肢が減るのはもったいない……。私のこのエントリは「たとえ話が放たれたときにどう対応するか」の話だと思えば、いかがだろうか。
比喩は議論ではなく説得の道具。自分が答えを知ってて相手を言いくるめるときには使っていいが、答えを今から考えるときに使ってはいけない。
- なるほど議論と説得か、確かに。ただ現実にはけっこう混ざる。
例え話は説明に使うべきで合って、議論に組み込んだ時点でそれは詭弁だと思う。例え話のまま議論を進めてる人へのツッコミは正当だ。議論が変質して論点が壊れるから。ツッコミはすなわち「議論しない」のポーズ。
- その通りだ。議論に「説明」が挿入されることはあると思うけど、その後は速やかに議論に戻るべきだよね。このエントリは、まだそこまで破綻してないのに……という事例を想定して書いた。
「場合によってはすごく有効なはず」そんなのわかってんだよ。でも難しいから、有効な場合が限られてるから安易に使うなって話だよ。
- 同意します。すでに使われた場合はどうする？　やっぱり、使う前の状態まで話を戻せって感じかな。そうなのかもしれない。ううむ。
とりあえず具体例と比喩を区別したうえで、比喩は大概不要だしそれどころか議論の邪魔になることがあると言いたい。
- 個人的には比喩を見て「おおなるほど」って思うこともあるんですよね……。でも禁止していいレベルで邪魔になりがちなのは同意する。
単に本質を示したいなら構造を取り出せばいい。比喩や具体例があると分かりやすいというのはよくある誤解だ。また多くの場合、本当の問題は本質ではなく皮相的な部分にこそあり、比喩はそれを消してしまう。
- なるほど面白い。構造を取りだすための道具が比喩だと思っていたけど、かえって本質を消してしまうことも確かにありますね。気付きを得た。

内容ではなくエントリのスタイルの話

ドライブ感がありつつ細かい緩急とスパイス的なハードワードでグルーヴ感がありバイブス感じるライムだった
- すげえ論評だな、嬉しい、ありがとう。
雑なことをぶち上げて後出しでつべこべ言い訳しているさまが最高に格好悪い。確かにこの態度に比べれば雑な比喩で議論に余計なモヤモヤを持ち込む人間の方がましだ。
- そういう美学もあるのか。私は後出しの応酬にこそ価値があると思っているのでね（現に私はいろいろな観点を吸収できてよかった）。ただ「そもそも比喩を使うな」という意見を想定していなくて、後からいろいろ述べることになってしまったのは、私の考えが足りなかった、ごめん。
最近、考えられる状況をズラズラ並べるその長文対費用効果薄そう文の増田が多いよなあ。もしやひとりの人が書いてるの？超ご苦労さんなんだけど。
- うーん以前に一回だけズラズラ系（短いけど）を書いたことあるけど、他は違います。論点網羅スタイルは好きなんで、そういうの増えてるの私は歓迎している。
追記の方が長いテキストが醸し出す、「これを書いた人間は馬鹿です」感は異常。
- そうね、私もこのやたら長いテキストの羅列を醜悪だと思っているよ。削るには時間と技術が要る、それをやるには私は馬鹿すぎる。。。
このニート感
- ギクリ（ちゃんと自分が稼いだ貯金でニートしてるよ！）

ネタ系

たとえるならパンティーのような増田だなみたいなこと言われても困るだろ
- フフッてなった。そりゃ困る
詭弁論部に入部すると真っ先に訓練させられるのが比喩。馬鹿をわかった気にさせて誤った結論へ導くためにこれほど優秀な道具はない
- 詭弁論部！　（分からない人は『夜は短し歩けよ乙女』を読んでくれ！　大好きな本なんだ！）
一番かっこいいたとえは「たとえるなら　空をかける　ひとすじの流れ星」だと思う。二番の「たとえるなら　風をはらい　荒れ狂う稲光」もいい。意味は正直よくわからない。
- 自分の読書記録をパッと眺めた感じだと、coolだと思った比喩は「その衣は冬を象って青く、春を呼び返すべく緑であった。容貌は美しいが、仮借なき天と星辰をしか映さぬほど高所に据えられた鏡のように無感動である」（ユルスナール『東方奇譚』）かな。（議論関係ない）
スカラベは糞虫
- 確かファーブル昆虫記の1巻がスカラベだったっけ？　私はサソリとナルボンヌコモリグモとツチハンミョウが好きだった。あんまり覚えてないけど。
まるで将棋だな
- は？