はてなキーワード: シロウトとは
昨日の夜、仕事帰りにスーパーに寄って買い物をして出てきたら、駐車場に停めた車の前におっさんが2人、立っている。ややこしいことになったらいややなあと思いながら近づくと、問題なのはこっちの車ではなく、隣に停めた車だということがわかった。左前輪がパンクしている。おっさんはその車の持ち主だ。もうひとりのおっさんは、おれの車をはさんだ隣に車を停めていて、おっさんが困っているのに気づいて手伝いを申し出たところらしい。
成り行き上、手伝わないわけにいかない。近頃の車はなかなかパンクしないから、なかなかないチャンスでもあるし。
タイヤ交換のこととかおっさんの身の上話とか、それはそれで書いてもいいのだけど、まあどうでもいいことだ。それはおいといて驚いたのは、なんとこのタイヤ、ワイヤーが出てるどころかワイヤーが擦り切れていて、その下のゴム1枚でもっているという恐ろしいシロモノ。溝が消えてるとかそういうレベルのもんじゃない。こんなもんで走ったら事故るってのはシロウトでもわかる。駐車場に停めてるだけでパンクしたのも不思議ではない。いや、駐車場でよかったよ。走行中なら間違いなく悲惨なことになる。
で、不思議なのは、おっさんが「タイヤをこないだ交換したところだ」と主張していることだ。言われてみれば後輪はピカピカの新品で、スペアタイヤも完璧だ。ただ、前輪だけがありえないほどにすり減っている。
そのときは、腑に落ちないながらも他人事なんで「すぐに修理工場に行きなよ」とだけ言って別れたのだが、あとで知人にその話をしたら、
「それはタイヤ、パクられたな。前輪だけやったんは犯人のスペアタイヤが底をついたか、時間がなかったか、どっちかやろ」
と言われた。なるほど、そうでなければ、あの、それほど走ってなさそうな車で、あそこまでひどいタイヤが吐いていた話の辻褄が合わない。
別に恨んでなどいませんよ。
非正規に何もしない労組という事実が確認出来て、今では良かったと考えています。
あなたは「企業側の理屈に配慮している」と言いますが、配慮しない方が問題です。それこそ大昔の共産党系闘争を望んでいるということですか?
無理な賃上げ要求の結果会社の体力を削いで赤字や倒産になれば、正規非正規関係なく、元も子もありません。健全な労使関係のもと適切な要求をすることが大事なんです。
残業代未払いや労働基準法違反は労組が戦う必要など無く、普通に弁護士案件です。
だいたい労組に戦わせたら、後に解決金と運動の協力で吸われ続けるじゃないですか。
金額が小さければ運動協力でこき使われ、金額が大きくなると弁護士の方が安いという誰得ですよ。
私が労組に行ってしまった時は何も知らなかったのですが、今思えば断ってくれて本当に良かったです。
最低賃金をあげる権限が政府にあると言うのは誤解です。最低賃金審議会において決定されています。
最低賃金に関しては連合もまだまだ低いと考えていて大幅な引き上げを主張していますが、交易代表と使用者代表が賛同しないことで上がっていないんですよ。
知っていますよ。で、その最低賃金審議会で安倍首相が音頭を取る前後の伸び率見てみましたか?
都心でプチバブルが発生していた時にも大して伸びなかった最低賃金がいい勢いで伸びていますよ。
企業側の理屈に阿る労組が無駄に遠慮していたのを、音頭を取る事で加速させた功績は間違いなく有るでしょうね。
加えて非正規の賃上げですがまさに批判されているトヨタでは実施されていますがご存知ないでしょうか?上に載せたリンクにも書かれています。
もちろん他にも非正規、期間雇用の賃金改善を実施している会社はあります。
このような形でちゃんとしている組合は活動しています。その状況で勝手に定めた3%の目標値を指標にして活動を批判されることをどう思いますか?
当職はフリーランスとして働いていますが、どこの会社も数年前から同程度のスキルで月20万UPが当たり前です。
採用担当者と顔を合わせると「誰かいい人いない?単価上げたから紹介してよ」というのが挨拶ですね。
組合費を巻き上げて専従置いたトヨタ労組クラスが、元々安値でこき使われていた非正規の賃金を月数万程度UPで誇られても何を言うのやらといった感想ですね。
ましてや今年の正社員の伸び率は目を覆う惨状と言っても過言ではありませんね。
無駄に企業に配慮して伸び代を食いきれなかった労組はどう見ても怠慢ですよ。
労働分配率が低いことも言われてますが、それが労組要員ならリーマンショック時に労働分配率が急激に高くなったことも労組要員でしょうか?
違います。不況時に分配率が上がるのは利益が少なくなるのだから当然です。逆に好況時には下がります。
問題は分配率が下がり続けている(会社は儲かっている)のにまともなベアが取れない労組ですね。
政府の実績に3者協議している最低賃金が含まれて、ベアや年休の増加等々が労働組合の実績にならない理由が本当にわかりません。
増加の幅の問題です。1円でもベアがあれば俺たちの実績だとでも言うつもりですか?
最後に行動に移せよですが、やっぱり他人に丸投げじゃないですか。
自分も労働者ですし、自分はもう行動に移しています。自社の賃上げも実施していますし休日日数、有給の増加や各種手当の増額など達成しています。
それを知らない人からごっこ遊びしていると謗られる理由はありません。
凄い特権意識ですね。やってる俺は偉い、お前は何もしていないに違いないですか。
一つ前にも凄いこと書いてましたよね。
労働貴族にお願いすると解決金や運動協力等で高くつくので仲間内の定期的な交流会でやってますね。
数人のシロウトの無料の集まりで普通に成果は出ますが、プロで法的にも保護されている労組の皆さんは何をされているのでしょうね。
いままでもいろいろ分解してきていまさらでもあるのだけれど。
久しぶりに実家の掃除機を分解して、「メーカーの技術者は頭いいなあ」と思ったので。
取説には冒頭に「絶対に分解するな」と書いてあるので、くれぐれもマネはしないように。
まず、基本的に分解は想定していない。なので、表面に現れているネジは非常に少ない。
最近の家電はプラスチックのノッチで嵌め込むようになっているのも多いのだが、さすがに掃除機ぐらいのヘビーデューティー製品になるとネジ止めしてある(といってもタップネジだから心もとないものではあるけれど)。よく見ていくと取っ手のところの「ここはいくら何でも装飾部分でしょう」みたいなところが6本のネジで止めてある。それから、リア部分の黒いところに、目立たないような黒ネジが3本ある。そのうちの1本はまさかの電源ケーブル収納部の入り口に隠れていたので、最後まで見つけられず、苦労した。
で、これらのネジを外すと、次々と重要な部分のネジが現れる仕組み。うまく隠してある。
いくら説明書に「分解するな」と書いてあっても、やっぱりやってしまう私のような大馬鹿者がいるのだから、それを防ぐためにしっかりと隠してあるわけだ。そういうのを見るたびに、「こいつら、頭いいよなあ」と思う。家電なんてシロモノで単純なものだと思ったら、とんでもない。そういったネジの配置にまで、気がきいている。内部機構にはもっと工夫があるんだろうけど、私みたいなシロウトにはわからんな。とりあえず、分解から組み直しまで2時間かかって、どうにか動いたので良しとしよう。やれやれ。
Hagex氏のブログとは、なんだかんだで結構長いつきあいになっていた。毎日のように読むときもあれば年の単位で離れているときもありで、最近は職場の昼休みに流し見てフフッと笑う、そのぐらいの距離感だった。結構楽しみにしていたのは間違いない。
その矢先にあの事件が起きた。あまたの追悼が書かれたし分析めいた記事まで出てはきたが、個人的にはなにも発信しなかった。わざわざ自分が言うことなんだろうかという変な自意識が邪魔をしていたんだと思う。いい年こいてそれもどうかと思うが、事実だからしかたがない。ただ、ブラウザに残っているブックマークだけは消すに消せず、あのちょっとイラッとするスポンジボブがただ一つ故人を偲ぶよすがになっていた。
今日もまたそれが目に付いた、それがこんな日記を書くきっかけだったりする。四十九日もずいぶん過ぎたというのに頓珍漢もいいところだが、事実だから仕方がない。
はっきり言えば、個人的に楽しみにしていたのは2ちゃんねるのまとめの記事で、そのほかの記事にはそれほど面白みを感じていたわけでもない。イケハヤ氏やはあちゅう氏いじりも対象に思い入れがなかっただけにちょっと悪趣味だよなぐらいの印象しか持てなかったし、映画評やPV紹介についても当人の知識の広さに驚きはしたけれど、やはりこのジャンルの音楽に思い入れがあまりなければ興味はそこで停まってしまっていた。もちろん独自記事でクリーンヒットはいくつもあって、それはだいたいページ脇の「人気記事」にランクされていたりする。やはり面白いと思う記事はみんなそう思うんだろう。
実はHagex氏のブログも、最初期は身辺雑記や写真のような独自記事だけで構成されていた時期があるのだが、その路線であのような巨大ブログに成長できたとは思えない。結局のところまとめ記事の質と量が氏のブログを成長させたのは間違いないだろうけれど、それを氏がどう感じていたかはわからない。ただ、ときどき混じる「文章を書くのは苦手だしヘタだ」といったような自己言及はあんがい本心だったのではないかと思うし、氏の弱音の部分だったようにも感じていた。
そのことと関係があるのかどうかは分からないが、氏は、今年に入ってからリアルでの活動を増やすと明言していたし、実際そのように行動していたと思う。行われた講座も総じて好評のようだったし。しかし、そのことがあのような悲劇を招いたのだと思うと、本当に言葉もない。
それでも俺は氏のまとめ記事が好きだった。そのまま読んだら蠱毒のグルメとしか言いようがない無数の心中吐露を巧みにカットアップしてシロウトさんが食べても食べられるぐらいにデトックスしてくれていたし、それでいて対象をいたずらに小馬鹿にすることもなかった。それは、敬意とまで言っては言い過ぎだろうが、いい意味でも悪い意味でもウォッチ対象へのポジティブな興味が働いていたからだと思う。これは人間全般への興味と言い換えてもひょっとすると差し支えがなかったのではないか。思うに、Hagex氏自身は自称するほどには悪趣味でもなかったし、自覚するほどサブカル的でもなかったんじゃないか。氏の記事の全体的に「陽性な」感じ、肯定的な雰囲気から感じ取った個人的な印象である。一面識もなかった故人の印象を勝手に述べることほど失礼なこともないけれど、しかしこのことは、例の事件の後に出てきた、氏の編集者としての驚くばかりの有能さの証言によって、ちょっと裏付けられたように思った。
前口上が長くなりすぎた。すいません。おすすめのまとめ記事10本を紹介して故人への手向けにするだけのつもりだったんだけれど、思っていた以上に思い入れは強かったのかもしれない。本当にタイミング外れもいいところだけれど、これでようやく故人の冥福を祈れる、そんな気分である。
以下おすすめ記事紹介。順不同。嘘松かどうかは一切気にしていません。
◎ピタゴラスイッチみたいな結婚式 http://hagex.hatenadiary.jp/entry/20130622/p10
不幸な結婚式エピソードの中でもいちばん好き。おーぷんになってから結婚式エピソードが拾えなくなったと氏がどこかで嘆いていたのが残念。
◎豹変した親友 http://hagex.hatenadiary.jp/entry/20120501/p2
世の中のどこかにはこういう連中が居るんだろうな……と考えるとドンヨリした気分になる。
◎何も出来ない義理の妹 http://hagex.hatenadiary.jp/entry/2016/08/23/032338
しかしこれは無能とか言う以前になにか問題がありそうな気がする。
◎自己都合弟嫁の末路 http://hagex.hatenadiary.jp/entry/2014/07/26/034503
ひたすら自己主張だけする人っているよな……。
◎母親が弟を捨てる瞬間 http://hagex.hatenadiary.jp/entry/2015/12/23/090919
これは読んでいて辛かった。弟は本質的には悪くないよな、と思うとなおさら。
◎もう死んどるでしょ http://hagex.hatenadiary.jp/entry/2015/04/20/010114
露骨なオカルト系の話は大抵嘘くさいけれど、こういうほんのり不思議な話のほうが怖い。
◎暴君の兄と愚かな両親 http://hagex.hatenadiary.jp/entry/2015/08/24/040008
搾取子・愛玩子のエピソードの中でも、両親の愚かさが際立つ一本。
◎40年前のBL好き姉の大暴走 http://hagex.hatenadiary.jp/entry/2016/01/17/044022
腐女子黎明期のオモシロエピソード。子供のころ見てたアニメだけど、その影ではこんなことになっていたとはw。
◎先生とデキた経緯 ttp://hagex.hatenadiary.jp/entry/2015/10/16/080051
◎イワナヌンチャクで撃退 http://hagex.hatenadiary.jp/entry/2015/11/21/102909
最後は馬鹿ネタで。ただの駄ネタが投稿者の自爆で馥郁たる香りを。
追記:リンク10個になると投稿できないと言うことなので、Hな記事一つだけh抜きにしました。
追記2:どうしても探せなかった記事がある。喪女の義姉?に職場の後輩の彼氏ができて家に連れてくるものの、
それを顧客に提出しようとしていたのを慌てて止めて、
いろいろ進言させてもらった。
その関連については、前職からの経験でそれなりに精通しているので。
言い方には気をつけたつもりだったが、ナメられたらしく半笑い。
ワイ「わかりました」
ワイ「できました」
上司・同僚「……え?」
できるとは思っていたなかったようである。
あとで他の同僚たちから
「スッキリしたわ」
と言われた。
これは私の前職の話です。
私は「多少絵が描ける人」なんですが、自分より上手い人がいるのは、
周りにプロ並みの人が大勢いるので、レベルはわかっているつもり。
「絵が上手な人」ということになっていました。
別にアピったつもりはなかったんだけど、何かしら必要に迫られて
絵が上手い人に見えたようです。
かなり雑な絵しか描いてなかったんですけどね。
そんな時、お客さんからカラーイラストのデジタル塗り作業が必要な仕事が
持ち込まれて、何を思ったか、それを私にやらせようという話に……。
私はそんなのやったことないので無理だと言ったんですけど、
ただの謙遜だと思われたみたいで。
だけど、いきなりぶっつけ本番でやれっていうんだから無理に決まってます。
プロレベルの技術もないのに担当するなんて、お客さんにも失礼だし。
とにかく無理だと言い続けて「仕事に対する熱意が足りない」ってなじられて
終わりました。
今回のテロ等準備罪とか共謀罪とかいう法案なんだけど、いったいだれがなぜつくりたがってるの?
野党がいうように、別につくらなくても不都合はない(条約上の問題はない、既存の法体系で全て対処可能)というのは明らかでしょ。
けど、それとセットで野党が言ってる「政府は治安維持法みたいな法律を作りたいんだ」っていうのは全然説得力がない。
だいたいが、自民党の一部には戦前に回帰したいって人々はいるけど、治安維持法まで戦前の美徳だなんて思ってる人はいないでしょ。
国会ウォッチャーさんの観察では、自民党そのものがあんまり法律の中身をわかってない。
じゃあ、だれがわかってるの?
中身がわかってる人が、つくりたいんだよね?
それはだれ?
適当に増田のキーワードリンクをつついていたら「増田の流行語を調べてみたら、やっぱりお前らは○○コンだった」というエントリにたどり着いて面白いなと思ってしまった。
http://anond.hatelabo.jp/20140127113403
これならできるかもと思い立ち、5時間を費やして完成した2017年3月版(1日から22日)がこれ。
シロウトなのでどれがノイズか分からないし、単語の切り分けもMeCab+JUMAN辞書とお手軽に済ませてしまったので、同等のものだとは思わないでね
一日中張り付いて書いてる人がいるよね
好きとか言わない人達かと思ってた。失礼だった。
5割がた増えた
数は減っているが、集計日数的にも減ってるので2%減の横ばい
13位 意味 = 799
14位 会社 = 752
15位 関係 = 745
16位 世界 = 734
18位 女性 = 716
19位 死 = 712
20位 家 = 695
21位 普通 = 694
22位 社会 = 676
23位 金 = 662
25位 相手 = 606
26位 気持ち = 604
27位 アニメ = 598
29位 頭 = 558
30位 理解 = 544
ちなみに
人類は進歩しているので専門職がやってる事はシロウトには理解できないモノになって来ていると思うのですよ。
増田界隈に多いと思われるIT系技術者も自分の仕事を家族に理解してもらえてない人もいるんじゃないかと思う。特に親世代にわかってもらえないのはもう当然なんじゃないか。
金属の加工だって医療だって専門領域は深くなりシロウト的な知識と発想ではまったく追いつかない。
それぞれの領域を職業としなくてもしっかりと勉強しているシロウトは存在するがそれ以外の多くの人間には口出しすらままならないという話に異議がある人は少ないと思う。
ここまで「思う」で通してきてる事からわかるようにエビデンスやソースはないが文明が進歩して分業を進めるとはそういう事だろう。
この辺までに異論は少ないと信じる。ここまでを前提としてなぜ政治に関してはシロウトが堂々と口を出せる仕組みになっているのだろうか?と言うのが今回提起したい疑問だ。
納税額や学歴で選挙権を設定すれば今よりも不公平な世の中になるかも知れない。女性参政権や人種によらない権利は人類が勝ち取った権利だ。それはいいのだが複雑になった法律、条約、金融システム、国際関係、その他問題を判断し処理する政治家を何もわかっていない(自分を含む)大衆が選んで本当にいいのだろうか?
知的障害とか精神障害がある人が犯罪を犯した場合、罪が軽くなったりしてるじゃん?
そうするとすぐに「権利と義務はセットだ。罪を犯しても罰せられないのならば(罪を犯す機会のある)通常の生活を制限するべき!」という意見が出てくる。
それに対しては「知的・精神障害者の犯罪率は一般人と比べて高くない。障がい者だからと言って一律に生活を制限するのは不適切」という回答がある。
でも一度犯罪を犯し、障害者だからという理由で刑を減免された人が普通の暮らしに戻ることはどうにも納得ができない。
一般人と同様の日常生活を送るのならば罪を犯した際の罰も同様に受けるべきだし、刑(義務)を減免されるならやはり権利も減らされるべきなのではないかと思うのだが…
ということで知りたいのは
1) 精神障害などで刑を減じられた人はその後は元通り普通の生活に戻っているのか?(刑務所ではないにしろ隔離された病院とかに入る?)
元日本マイクロソフトの古川享さんブログより。このブログかなり前から消えてるんだけど、復活の目処は無いのだろうか
http://furukawablog.spaces.live.com/blog/cns!156823E649BD3714!4256.entry
https://web.archive.org/web/20061105065656/http://furukawablog.spaces.live.com/blog/cns!156823E649BD3714!4256.entry
さて、この話をいつかはちゃんと記述しておかねばと常々思っていたのですが、それに取り掛かろうと思うと胸の古傷が疼くというか、平常心を保って書こうと思ってもキーボードを叩く手に自然と汗が滲んでくるのです。しっかり深呼吸をして、書きます。(またまた長文にて、失礼)
まず、1999年5月24日発表の郵政省資料「地上デジタルTV放送方式について電気通信技術審議会から答申」に記述のある以下の文章をご査読ください;
「また、昨年9月の暫定方式や既に答申がなされているBSデジタル放送方式、CSデジタル放送方式の技術的条件において、実証実験を必要とする映像の表示方法とされていた720p(有効走査線数720本の順次走査による映像表示方法)について実験を行った結果、その性能が確認されたこと等が併せて報告されました。 この中で、720pは技術的にHDTV放送と位置付けることが可能である、と結論付けられています。」(同上答申より引用)
関連記事は、日経産業新聞(1999年5月25日PP.3)、日本経済新聞(1999年5月25日PP.11)、電波新聞(1999年5月26日PP.2)などにも掲載されています。
今となっては、720pや1080pのプログレッシブ方式はプラズマや液晶テレビとの親和性、映画やCGなどの映像制作に有利なバリアブル・ピッチによる撮影、パソコンによる編集や再生環境においてその優位性を疑う人は居ないと思うのですが...1998年からこの1999年5月24日までの間、この720pを日本の放送業界から抹殺しようとする「ありとあらゆる活動を展開した集団」がおり、その軋轢の中で多くの人が傷付き市場から去ることになったのでした。
私個人の主張、そしてマイクロソフトの立場は、1080iと720pどちらが良いか、どちらかひとつを採択するかではなく、仕様の中に1080iと720pを併記して頂きたいというものでした。 米国の放送方式はATSCによるHD放送に向けた放送の標準フォーマットとして早くから1080i、720p、480p、480iが規定されていました。50年以上前に発明されたテレビ放送が米国に合わせてNTSC方式を日本は採用し、ヨーロッパ・中国・ロシアなどがPAL方式を採用してきた背景からすれば、日米のテレビ方式がデジタル・ハイビジョン(HD放送)の時代になっても米国と同様の1080i及び720pを両方サポートするということは自然なことと思われました。日米間の互換性だけではなく、当時よりブラウン管チューブを使った重たいテレビ受像機は、急激な勢いでプラズマTVや液晶テレビに取って変わることは明らかであり、走査線が走り一本ずつの光るスダレを交互に表示して人間の眼の残像を利用してひとつの映像に重ね合わせるという飛び越し走査よりは、一つ一つのセルが自ら発光する、もしくは遮光をオン・オフして光源を反射もしくは直視し映像を表現するフラットパネルの時代には、プログレッシブ(順次)方式が有利と思われました。さらに、映像圧縮に採用されたMPEG2方式においては、1080iは22Mbpsでは最高品質の映像を表示するも、その転送レートを15Mbps以下まで落としてくると映像が破綻するという現象も既知のことでした。720pはMPEG2による映像圧縮でも15Mbpsでほぼ最高品質を達成し,12Mbpsでもほぼ実用の域を保ち、さらにMPEG2以外の圧縮方式MPEG4、H.264、WMV(現在のVC1)などを使えば8Mbpsから12MbpsでHD放送を伝送できるというのが、私たちの主張でした。
当時の私の主張をまとめると、「HD放送は1080iもしくは720pいずれでも撮影、記録、編集、伝送、受信、視聴できることとする。映像圧縮に関してはMPEG2に限らず、将来の斬新な圧縮技術を随時採択できることにする。コンテンツ保護技術や、個人の認証、課金技術は特定技術一つに限らず、複数の技術をそれぞれもしくは組み合わせて提供可能とする。放送と通信の融合(連携)サービスを記述するメタ言語はHTMLをベースに各種プラグインそしてXMLに対応する。XHTMLをベースにしたBMLはそのサブセットとして組み込む。」
それに対して、1080i擁護派は、「1080iが優れた方式で、議論の余地は無い、プログレッシブの話をするなら帰れ!!」(実際に砧の某研究所で当時の所長に言われた言葉ですが...今の所長さん(E並氏)はとても紳士ですので、私は尊敬しております。決して誤解のないように)郵政省の会合でも何度となく放送のプロ達に諭(さと)されたものです。「君はPC業界に都合の良い方向へ持っていこうとしてるんでしょ」「崇高な放送の世界を邪悪な世界に引き込もうとしている」と..多くの人が同席する会議の場で私は名指しで糾弾されたものです。
将来のデジタル放送の規格に720pは絶対入れないという強い意思とあらゆる活動は「1080iと720pを併記したらどうか」と主張する陣営を徹底的に痛めつけました。
当時、松下電器産業殿は720pの優位性を説きながらDVC Proをレリースされ、1080iと720pの両用機能を持った松下電器産業のHD D5という放送局用ビデオデッキは、AJ-HD2700やAJ-HD3700という型番で欧米の放送局でも沢山採用され、放送業界の権威あるエミー賞をDVC ProもHD D5も受賞されています。このD5というビデオデッキはNHK殿に納入する時、720pの機能が付いているなんてことがバレると殺されるので、本体に点在するボタンを11個以上押さないと、(つまり二人の人間の指を駆使してボタンを押さないと720pの機能はアクティブにならないように細工がしてあったそうです。)..まるで隠れキリシタンが隠し絵にキリスト像を描いていたような話でありますが..この類(たぐい)のプレッシャは日々激しいものになってきて、魔女狩りに駆り出された狂信的な信者が、誰彼となく次々と火あぶりに挙げるような行為が続いたのです。
480pと720pの実験放送をやっていた日本テレビのSさんとKさんの受けた仕打ちは、某放送局のEB沢さんから直接日テレ社長のUJ家氏に電話をかけてこられて、「お宅の技術のトップの人間は、ウチに対抗して何かやっているようだけど、けしからん話だ。そんなことではデジタル・ハイビジョンの映像をウチから供給できなくなるけれど、それでも良いのかねぇ」と迫ったそうです。その結果Sさん、Kさんは当然将来取締役が約束されてもおかしくない何十年にも渡る業界に対する貢献がありながらいつのまにか表街道を去ってしまうことになりました。
テレビ朝日殿が新しいスタジオを作るにあたり、1080i/720pの両用ビデオ・スイッチャーを東芝から導入された時、某放送局のキツイお達しがテレ朝と東芝に飛び、720pの機能は殺して納入するようにとの指示が飛んだそうです。そして、BS-iのスタジオ導入で,1080iのカメラと720pのカメラを性能評価したという話を聞きつけて、「まさか720pのカメラを導入するなんてことはありませんね?」という問い合わせが某局から入ったそうです。
TBS殿も全く同様にメインスタジオへのHD機材導入にあたって1080iと720pの両用システムの導入計画は純粋な技術的観点の選択肢だけではなく、それ以外の見えない力に奔走されておられました。「魂の報道」を標榜するTBS殿の報道部門が、DVC Pro 720pを採択されたことが、唯一の救いと感じられました。
NAB98の会場にて明日から開場というまさに前日のこと、某放送局のY氏、会場を事前に巡回されJVC殿の会場にて1080iと720pの両用カメラを発見、JVC殿に対して「好ましくない表示は控えるようにと一括」結果としてNAB98の初日には無残にも綺麗にできた展示パネルの1080i/720pの文字列の720pの部分にはガムテープが張ってありました。
毎週のようにこのような話を耳にするにつけ、これは魔女狩りでも特高警察の検閲でもあるまいに…現代の話なのに本当にそんなことが起っているのだろうかと自分の耳を疑っていました。そしてそれが、とうとう我が身にも降りかかったのでした。
1998年のNABショウでマイクロソフトは初めて放送関連のコンベンションで技術展示をすることになりました(関連記事)。松下殿より当時500万円程したHD D5デッキをマイクロソフトは購入し、1080iと720pの映像を左右1対で比較デモ表示し、どのように優位性が表示されるか比較デモを予定していました。1080iの標準的な撮影は1440x1150の1080i標準ビデオカメラによる撮影結果を1920x1080の映像に計算しなおし(アップスケール)、それをスダレのような偶数・奇数のフィールドに振り分け送出するという方式を取っていました(現在のデジタル・ハイビジョン放送の標準撮影方法です。)。そして同じ映像を1280x720の720p標準カメラで撮影しD5デッキに録画した映像をそのまま720pで再生するというデモ内容でした。映像の再生には当時の最高品質のCRTスタジオ・モニター(8000ドルクラスのSONY製品を2台)をマイクロソフトの展示会場に用意しておりました。比較展示用デモ映像は同じスタジオ環境で撮影した1080iと720pのそれぞれの映像データをお持ちの松下電器産業殿からD5の録画テープをお借りして、初日のデモへ向けて全ての設営と映像チェックが終わった時のことです。某放送局の方が、マイクロソフトのブースを垣間見るや、とても渋い顔をしておられます。
私は夕方の6時過ぎに会場の設営も終わり、ホテルに戻ろうとしていたところ、松下殿から緊急の連絡が入り、展示に使っていたビデオテープを持って松下殿の技術担当役員のホテルの部屋まで来て欲しいとのこと..部屋に入るとその役員さんは、ベッドの上にあぐらをかいて、その両脇には15人を超そうという松下の方々が壁沿いに2列にずらりと並んで座っているではないですか..その姿はまるで、新入りの囚人(私)が牢名主の親分に「今日からお世話になります」と仁義を切るのかい、というような雰囲気でありました。
そしてその親分さんが言うには、「そのテープ黙って置いて、帰ってくれ」とのこと..「冗談じゃない、そんなことしたら明日の展示は何も映像が表示できないではないですか?何故そんな唐突な話をこの期に及んでされるのですか」と問いただしたところ、松下がマイクロソフトに協力して720pを推進するのはけしからんと、某放送局からお叱りを受けたと..それだけでも絶句の出来事なのに…「とにかく松下から映像を貸し出すなどとんでもない..即効撤収してくるように」との具体的な命令を受け私は必至に食い下がり、「その映像作品は全て松下殿の著作物であり、某放送局に文句を言われる筋のモノでは無いはずです。それを何故ゆえに引き上げなければならないのですか?」と伺えば..「その中のヨーロッパのお城のシーンはARIB加盟各社がテスト映像として皆で利用するために松下が供出したもので、そのテスト映像をARIBの会員でもないマイクロソフトが勝手に使うのは如何なものか?」とのこと..私はさらに一歩も引かず交渉を続け…もしそれが現実になるのなら「明日の朝は急遽説明のパネルを書いて、某放送局の名前を実名で明らかにした上で、この名前の会社の不当な介入でマイクロソフトでは展示ができなくなりました」と張り出しますよとまで迫りましたが担当役員は首を立てに振りません。最期に私は「判りましたこのテープはここに置いて行きますが、夜中に誰かに盗まれたということにして私が犯人になりますから..盗難届けを出してください!!それでは如何でしょうか?」と交渉は3時間を越える押し問答となりました。
その結果最後に明らかにされた背景は、某放送局の方から松下の役員に語られた厳しい言葉でした。それは、「君、僕らは今年50億円くらい君の会社からモノ買う予定だよねぇ、そんな態度でいると、50億円のビジネス失うことになるよ、君ぃ!! それでも良いのだね!!!」というもので、担当役員は縮み上がってしまったのだそうです。技術担当の役員がマイクロソフトの展示に協力をした結果、50億円のビジネスを失うことになったら営業担当の役員との軋轢を生むことは必至であり、そこまでのリスクを負ってまでビデオテープをマイクロソフトに貸し出すわけにはいかないとの判断、私はビジネスの交渉でこんなに困り果てたことは一生に何度も無いというぐらい意気消沈しきっておりました。
夜10時にならんとするタイミングで、日本からシアトル経由でラスベガスに到着後、時差から回復する間も無く会場の設営を手伝っていた私はもうダウン寸前…そこで思いついた解決策は「判りました、このテープはお返ししましょう。その代わり今から新規に撮影を開始しますから、必要な機材と人を朝まで貸してください」と何とも無謀な提案を申し出たのでした。 NABのメイン会場からマイクロソフトの借りていたヒルトンホテルの部屋まで、HDカメラ(当時は100kg以上あったと思います)とD5のデッキを担いで深夜に部屋へ持ち込みスイッチャーや編集機もないままイッパツ撮りでデモ映像を仕上げなければなりません。私はそれまでにいくつかの放送スタジオに見学に行ったことはあるものの、映像プロデュースも撮影も全くのシロウトですので、カメラのライティング、撮影のオペレーションに付き合ってくれる人たち3人ほどに朝まで付き合ってもらいました。
途方に暮れて困ったことは、深夜の12時にラスベガスのホテルで撮影できる生素材など有りはしないのです。それも著作権、肖像権を侵害せず、HD映像の違いが際立って表現できる素材、なおかつ1080iより720pの方が綺麗に見えるという素材(多くは、風にそよぐ木々とか波打つ水面、キックされたサッカーボールなんてものが使われるのですが..残された時間に日中でロケハンに出かけることもできず、全てはラスベガス・ヒルトンの部屋で深夜、朝までの6時間以内に解決しなければなりません。
まず、深夜のルームサービスで果物の盛り込みを頼みました。そしてその果物の表面に霧を吹いて光るリンゴの表面に張り付く水滴なんてものを撮影しました。本格的なスタジオと違って光の回り方も映像のモニタを視ても、思ったような映像にはなりません。
夜も更けて3時を廻り4時にならんとした頃でしょうか、雑誌のカラーグラビアをメクりながら、この際著作権の許諾を無視して雑誌に写っている写真を撮影してしまおうか?こんな深夜にマトモに著作権の許諾などできる素材など有りはしないし、と途方に暮れていたところ、あるアイディアが湧き出てきました。「そうだ、ドル紙幣を撮影すれば手彫りのエッチングで表現された人間の顔やお札の文様はHD撮影すればビックリするほど細かい映像として撮影対象になるに違いない、誰でもそのパターンが何か理解できるはずだし、何よりもお札の縦横無尽に走っているストライプが際立って720pと1080iの違いを引き立ててくれるに違いない」と確信するに至ったのです。ドル紙幣をビデオ撮影しても肖像権や著作権を主張する人もあるまい、という点が一番大事なポイントだったのです。
壁に貼り付けた50ドル札(私の持っていたピン札はそれしかなかったので)にバッチリとライティングを施し、撮影した結果は「キタ、キタ、キターッ」という感じ!!カメラをパンして右へ左へ振りながらお札の表面を舐めるように撮影した720pの映像は細かい線の1本1本を明確に表示して、1080iの映像は実に見事にモアレ縞が出まくり画面にチリチリと汚い映像が糸を引きます。これでこの映像をそれぞれディスプレィに表示した上で、 Permalink | 記事への反応(0) | 11:32