はてなキーワード: 月光とは
を書いたら、なんでかすぐに正体がバレてもうたんやけど
ブコメとかツイッターに「で、どこを見ればええんや」って書いてる人が居たから考えてみたで。
セレクションブックとかも出てるけど長編シリーズかっとばしてるからおすすめできへん。
アニメより単行本が一番早いわ。アニメ初期は長期シリーズになると思ってなかったから結構改変もあるねん。
これじゃあ足りんやろって思うかもしれへんけど、最短ルートやからな…。
1巻 すべての始まり
2巻 宮野明美(アニメで改変されてるから、実はアニメって筋通ってないんやで。読みや)
(7巻) ピアノソナタ月光事件。これ最短ルートにはいらんねんけど、外したら怒られそうでな。
(10巻) 西の名探偵 服部平次が初登場するで。黒の組織はまったく出てこーへんけど読めや。飛ばしてええとか言うなや。
12巻 ゲーム会社のやつ。テキーラさん、関西弁やったな。ちらっとバーボンとか言っとんで。
18巻 灰原哀登場
19巻 同上
(20巻) 競技場無差別脅迫事件。どうもなんか未回収の伏線回っぽいから読んどけや。
21巻 ロス行き飛行機の話。工藤の本格探偵デビューや。ここで初めて「本庁の刑事恋物語」がスタート。23巻24巻にパート2。その後の恋物語はぐぐってや。
(25、26巻)命がけの復活シリーズや。ちょっと間だけ工藤が戻ってきてたわ。
28巻 そして人魚はいなくなった「動いたら殺すぞボケ」。服部もかっこいいし超重要な未回収伏線話やから見とけ。
30巻 超弩級の重要回「集められた名探偵! 工藤新一vs.怪盗キッド」白馬探登場。中間テストで西の探偵は参加できへんかった…。
37巻 黒の組織との接触。大ピンチ。ゲーム会社からの伏線回収話。そして最新刊までの伏線やで。
38巻 同上
41巻 42巻につなぐ重要巻
42巻 満月の世の二元ミステリー。ベルモットと直接対決。服部も頑張っとったで。
(43巻)後日談
49巻 同上 本堂瑛祐が登場
56巻~59巻 赤と黒のクラッシュ ここ読まないと、あとが読まれへんで。
60巻 バーボン編開始や。俺あんま出番無かったな。沖矢昴が登場。
65巻 赤井秀一っぽい人が出てくるで。
67巻 赤井秀一っぽい人が出てくるで。
71巻 ある意味黒の組織より衝撃的な工藤と姉ちゃんの最重要ラブコメ回や。
72巻 同上
73巻 世良真純が登場
(74巻) 76巻へのフラグ。博士のやらかしにより灰原ピンチ。
75巻 ウエディング・イブ。安室透が登場(前も言ったけどアムラーここから読むと後で読み直しになるから気を付けや。56巻からや)
(77巻)読むと流れが分かりやすいで。
78巻 漆黒の特急 ミステリートレイン 当時「最も真実に近づくシリーズ」として大々的に宣伝されたで。特別ポスターもある。
85巻 緋色シリーズ 59巻からの伏線回収や。最も真実に近づいたのコレちゃうんか?
88巻 領域外の妹の正体に近づくで。
89巻 ラムの正体に近づくで。
(91巻)あいつの小学校に新しい先生がくるで。大岡紅葉が…初登場やな…。
(93巻)この辺は後々に響いてきそうやから見とけや。
94巻 あいつ呑気に修学旅行行こうとしてるで。(次の回でラブの予感や…「あの方」も分かるで)
頑張って41巻で追いつけるな。言うて最近のやつが一番多いし。
(最近展開早いねん…終わるんかな。まだ俺告白してないねんけど)
有栖川有栖著「月光ゲーム」の第1章冒頭はこんなシーンで始まっている。
「『Yの悲劇』」
織田が即座に答え、ガムを口の中へほうり込んだ。
お察しの通り、主人公たちがミステリのタイトルでしりとりをしているわけなのだが、
問題はこの描写が始まる前にあったはずのミステリのタイトルは何なのか、ということだ。
「即座に答え」とあるのだから、『Yの悲劇』の前に何かあることは確かなのだが。
俺には思いつかない。
(ちなみに、舞台設定は1988年なので、それ以前のミステリであることが条件だ)
このあと主人公が「ルパン対ホームズ」を答え、そこで描写は終わるのだが、じゃあ「ず」から始まるミステリってなんなのか。
懸垂式がいいんだな。すると候補地がしぼられる(´・∀・`)
うわーもりあがってるっ
盛り上げてくれたみなさま、ありがとう。
こどものころから空がすきで、飛行機プラモつくりながらニルスを観て育って、空が日常の生活空間だったらどんなにステキだろうと思ってきた。もちろん現実にはヴァンシップも月光号もニルヴァーシュもありえない。
でもモノレールが走る街ではそれが実現してる。
空が日常にある世界につよくあこがれて、とかく地に足をつけない人生を選んできた。これからもそうするつもり。
モノレールがすきであつく語るひとが案外多いことにおどろいた。
みなさまにおかれてましては、これからもより地に足をつけない自由な人生をおくられますように!
愚者(あほ)が出てくる、村外(とかい)が見える――『屍人荘の殺人』批判に答える
第28回鮎川哲也賞を受賞した今村昌弘『屍人荘の殺人』が話題になっている。私も読んだ。
夏休みに大学生たちが山荘を訪れて、その場が閉鎖状況となって連続殺人に発展するという、設定だけなら片手で数えられる以上の似た作品を諳んじることができよう。
しかし、本作はその閉鎖状況の構成要因が変わっている。それが閉鎖状況下で発生する第一の(一見平凡な)密室殺人や第二の殺人を、この状況下「だからこそ」の、より不可解な謎を生じさせている。
(余談になるが、この構成要素に関して、小説の興趣を削ぐからと箝口令を敷く空気が流れているが、要素そのものが真相でもなく、そこから推理小説としての面白みに繋がるわけだから、過敏になる心証がよくわからない。だって、みんな有栖川有栖『月光ゲーム』の内容紹介に火山噴火のことが書いてあるからって怒らないでしょう?)
そして、謎解きの段に於いても、用意された設定が存分に活かされたうえで意外性のある真相へ導かれていくのだから、新人のデビュー作としては文句のない出来だ。
選考委員の一人である北村薫氏が選評でも書いているように、年末のミステリ・ランキングにもランクインすることだろう。江戸川乱歩賞受賞作が出なかった2017年に至っては最大の新人である。票が集まる可能性は高い。
なお、これより先の文章は『屍人荘の殺人』の結末に言及することになる。よって未読の方は注意されたい。そうは言うものの作品分析とは違うので、そういうものをお望みの方には本文章は無用である。ほかの小説や評論を読んでいるほうが、よほど有意義な時間の使い方というものだろう。本格的な『屍人荘の殺人』論は私も読みたいので、その仕事はほかの方にお任せしたい。
それでは本題にはいろうと思う。
あらゆる作品に言えることだが、普段そのジャンルの読者を標榜する輩が仲間内で褒めているうちは、実際の読者数はそんなに多くないというのが常だ(そういう輩は自分の村の外には碌に目を向けられない田舎者で、声だけは無駄におおきい)。
一方そういったジャンル読者のなかから以下のような記事(詳細はリンク参照)を書く者が現れ始めると事態は変わってくる。田舎者が批判するのは他所者と相場で決まっている。つまり、彼らの仲間以外の人々がその作品について(読んで)語っていて、その感想へのカウンターとして下記のような記事は生まれてくる。これはより多くの読者を獲得しつつある、要は売れる兆しと言える。
http://rikuriaikawa.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
本人のtwitterを拝見する限り、文学フリマでは200頁超のミステリ評論も頒布したらしい。熱心な書き手である。残念なことに自分はミステリ評論のほうは手に入れていないのだが、それほどの分量なのだから、すくなくとも労作であることは間違いないだろう。
もし、そのミステリ評論も先に紹介した記事と同程度の読みの確度であるなら、物を書くことに徒に時間を浪費するより、余生は別の趣味を見付けることをお勧めしたい。
読者の疑問に対して、作者が答えられる機会はそう多くない。作者一人に対して読者は数千数万といるわけだし、アホな質問にいちいち答えられるほど作者も暇ではない。
なので、ここでは氏の疑問に対して僭越ながら自分が答えたいと思う。
もちろん私は『屍人荘の殺人』の作者ではない。ましてや作者の知人でも、インタビューして伺ったわけでもないので、あくまで氏と同じ読者の立場から作者の意図を拾って回答するかたちとなる。ここでの回答が作者の望むものとは同じでないことは(こんなこと本来は言うまでもないことだが)留意してほしい。
「『屍人荘の殺人』を読んで16の疑問」という記事を書いた藍川陸里氏は、冒頭を読む限りでは、まず『屍人荘の殺人』が「過剰に絶賛されて」いる状況に疑問を持っている。本作が完成度以上の賛辞を得ている点には、私も反論はしない(とはいえ、その現象に対して私が差し挟む疑問や意見もない)。氏は本作に関して「さすがに不備が多すぎるんじゃないか」と、本人曰く「辛口のレビュー」を展開している。
しかし「レビュー」とは言ったものの、「手落ち感のあった16の箇所」を列挙しているだけなので、いわゆる書評の体裁からは程遠い。「手落ち感」という予防線を張った書き方も気になるが(明確に「手落ち」と言えるのであれば手落ちと書けばいい。取って付けたようにオブラートに包むことで批判を「雰囲気」に回収して最初から退路を用意する書き方は、物を書く(それによって批判する)者のスタンスとしては最低である)、ここは氏のやり方に倣って自分も箇条書きにて回答したい。
念のためもう一度注意を促すが、これより先の文章は明確に『屍人荘の殺人』の結末に言及することになる。よって未読の方は、このくだらない文章を読む前に、興味があるなら作品を読むことをお勧めする。世評や他人の感想ばかり集めて読んだ気になるのは、読書に於いて最大の愚行である。
……登場人物のひとりが話す(映画における)ゾンビの特徴を実際に発生したゾンビに当て嵌めて話を進めるのは納得いかない、と氏は批判している。しかし、謎解きの道具である特殊設定(現実では有り得ない設定)の説明に筆を割けば割くほど、物語における主従が逆転して本末転倒になっていく。氏の指摘は尤もだが、これは特殊設定を活かしたミステリ全般が孕む問題であり、本作に限ったものではない。ほかにもそういう作品があるから本作でも問題にならないというわけでは勿論ない(こういった問題をクリアしている作品もちゃんとある)。本作はミステリ研究会の会員が作中でミステリについて言及するなど「お約束」を踏まえた舞台づくりになっていて、更にそこに加えられた異常な状況を、ゾンビ映画の「お約束」で説明している構図になっている。自己言及的なこういう遊びは、すれっからしのマニアもにやりとさせるためのサービスなのだと考える方が多少は面白く読めるというものだ。読書はすこしでも楽しい方がいい。
当該記事のなかでは数少ないまともな指摘なので、あまり長くなっても仕方ない。ここで止めておこう。
……記事から引用しよう。「第一の殺人ではゾンビがなぜ部屋から消えたのかは犯人からの自白によって落下したということが明らかになるけれども、さすがにそこは落下したという証拠を元に推理をして探偵が独力で辿りついて欲しかった」
端的に言って、この指摘は誤りである。まず、犯人指摘より前の段階、第一の殺人の真相が明かされた直後に探偵役は「詳しい状況はわかりませんが」という留保のうえで、「星川さんは進藤さんと揉み合いになり、手すりを越えて下へと転落したのでしょう」と推理している(267頁2-3行目)。この推理は厳密には真相と異なるが、星川麗花(ゾンビ)の落下に関しては自白の前に既に推理が為されている。何より、第一の殺人直後の現場検証に於いて「ベランダの窓は外に向かって開け放たれ、足跡というほど明確な形ではないが何者かが歩いたような血の跡がベランダの外へと続き、手すりにもべったりと付いていた」と手掛かりまで書かれている。
また、この項目のなかでは「最後に犯人を指摘する際、葉山か静原のどちらかが犯人だというところまで来て、結局しズはらの自白により犯人が決定したのも手落ち感があります。この腐対rのどちらが犯人なのかという所はちゃんと推理で絞って欲しかったです」と指摘が続く(誤字まで原文ママ)。
しかし、これに関しても、用心深い読者なら頁を遡って「彼女に見送られて俺は部屋に戻り」(191頁8行目)という記述を見付けたことだろう。この記述から、最後に自室に戻った人物(=犯人)が静原美冬であることは明白である。語り手の意図によって一部欠落した記述はあるが、彼は嘘はついていないので、上記の箇所も手掛かりとしては有効だ。ここまで親切に手掛かりが用意されてあるにも関わらず、確認もせずに批判する人間がいるとは思えない。もし確認したうえで上記のような批判を出しているのであれば、氏は真に恐ろしい書き手である。
……探偵役が提示した「全員が死ぬか生きるかという追い詰められた状況で、わざわざ密室の中の進藤さんを殺す必要があるのか」(142頁6-7行目)という謎の提示に対して、氏は「その真相が「こんな状況じゃなくても元から殺す予定だった」っていうのはさすがにしょぼすぎる」と批判しているが、これも正しくはない。
まず、第一の殺人(進藤殺し)の犯人は「元から殺すつもりだった」(290頁16行目)静原ではなく、ゾンビとなった星川である。よって静原の動機は、ここでは本来関係ない。
また、第一の殺人における眼目は「なぜ殺したのか?」に見せかけた「誰が殺したのか?」である。犯人が人間ではないという真相が明かされることによって「なぜ殺したのか?」も明らかになる。明かされる事件の構図から考えても、「動機がしょぼい」という批判は的外れとしか言いようがない。
……「推理の根拠となったのがただ1つ「布団の裏側に血がついていた」というものだけ」とのことだが、2.の回答でも書いた通り、そんなわけがない。
そもそも、この疑問自体がほとんど2.の重複で、さして意味のないものである。きっとこの項の手前で氏は一度記事を書くのを中断したのだろう。途中まで書いた内容を忘れて、同じ疑問を書いてしまったに違いない。
5.1つめの殺人の顔が食べられた謎
……このあたりから、箇条書きの見出しも日本語が怪しくなってくる(係りが不明瞭である)。
進藤の顔がゾンビとなった星川に「噛みちぎられた」理由は解決編で犯人が話している通り「星川さんに口づけをした」からである(292頁14-15行目)。氏は本当に解決編を読んだのだろうか。
……この項にいたっては、該当頁の典拠さえ誤っている。他人の文章をあげつらう労力の何割かを自分の文章に向けることをお勧めする。
7.登場人物の名前をゴロ合わせで覚えやすくしているけれども意味がない。
……難癖以上のものではない。
8.キャラの書き方が雑すぎる
……言い方を変えてはいるが、新本格に対する「人間が描けていない」という批判と何が違うのか。ここで繰り返すのも馬鹿らしいことではあるが、謎解きを主軸に据えたパズル・ストーリイに対して、心理描写の多寡をあげつらうのは的外れも甚だしい。こういう時に出てくる「深み」という言葉は、どうしてこれほどまでに浅薄に聞こえるのだろう。
9.音楽の伏線の回収は面白かったけれども、伝聞であるのが良くない。
……このあたりから作品評を離れて、遂に難癖をつけること自体が目的となってくる。氏によれば、探偵役とワトソン役が体験した以外に集めた手掛かりはぜんぶ信憑性はないそうだ。それでは、探偵役が証言を集める事自体が意味はなく、安楽椅子探偵は頭から存在を否定されることとなる。
10.最初のワトソン役の推理がものすごく適当な推理をする意味が分からない
……氏曰く「偽の推理をさせる場合は最低限納得できるものにしてほしい」とのことだが、こういうのは可能性の消去であって、推理に於いては当たり前の手順である。
……だから、どうしたというのだろう。
読者を驚かせることが推理小説の第一義でない以上、犯人の予想がつくことは瑕疵とはなり得ない。
何よりメタ読みは推理でもなんでもないので、それで犯人がわかることを殊更に主張する真意がわからない。
……叙述トリックが本筋でないことは誰が読んでも明らかだ。これもまた的外れな批判である。
……「――あげない」
強い口調。
「彼は、私のワトソンだ」(302頁15-18行目)
この箇所にすべてが書かれてある。氏が、こういうロマンティシズムに感興の湧かないひとなのだと思うだけである。
14.3つめの殺人の毒の入手方法は面白かった。けれども、毒を仕掛ける部分の描写がさすがに不足している
一から十まで書かれていないと理解できないのだろうか。書いてあることも理解できていないのだから、仕方ないのかもしれない。
15.屋上まで逃げた時に、丁度ヘリコプターが来るのはさすがにずるい
……「救助のヘリが現れたのはそれから四時間後」である(303頁18行目)。
何がずるいのかさっぱりわからない。
それでは、何時間後にヘリコプターが現れるのが現実的だというのかご教示いただきたい。
……読みやすさは、ひとつの美徳である。「引っ張ってくれない」と作者の「もてなし」を求めるのは、「お客様は神様だ」と宣うことと何が違うのか。こういう考えを抱く読者が改心することを願って已まない。
ここまで氏が指摘した「手落ち感のあった16の箇所」に対して回答したが、その後も熱心に指摘が書き連ねられている。
それらのひとつひとつに付き合う程私も暇ではないが、看過できない指摘もある。
「選評で北村薫が「奇想と本格ミステリの融合」と評しているのだけれども、ただゾンビを出しているだけだと思います。化け物が出てくれば何でも奇想とするのはさすがにどうかとは思いました」
……恐ろしい。とうとう選考委員の北村薫氏まで批判の対象となるのである。
推理小説に於いて「奇想」という言葉が謎の不可解さや意外な真相を形容する語として用いられることは、多少推理小説を読み慣れている者には周知のことだろう。もちろん北村氏も、ここではゾンビの存在を踏まえたうえで事件の不可能趣味や真相の意外性を以て「奇想」と評して、それが本格ミステリの作法に則って書かれているから「融合」と賛している。
決して「ゾンビ」が出てくる事自体を「奇想」と評しているわけではないことは、前後の文章を読めば大半の読者にはおわかりのことと思う。文脈が読めない読者というのは、作者にとっては脅威以外の何物でもないだろう。
田舎者も村の外を一歩でれば、自分の価値観や考えが偏ったものと知ることとなる。
そこで考えを改めるか、それともこれまでの考えに固執するかで人間は分かれる。
すくなくとも、村の外に出ることなく、出ていった者や訪れてきた者を思い込みで批判する人間は、内と外どちらにとっても害悪以外の何物でもない。
まずは卑小な自意識を捨てて、村の外に出ることを勧める。(WY)
本気でかっこいいとおもってやりました。実在の人物や作品に関係はありません。
・死屍の綾なす四ツ辻の、獅子も恐れる行く人の、知らぬは読者ばかりなり、綾辻行人ッ!
[中範囲に防御無視のダメージ(ダメージ量は詠唱者のHP残量に反比例)+範囲内の味方のDEFアップ]
・我が産みし死靈は天上天下に及ぶものなし! 開け、聞け、探偵三道宝階ッ! 麻耶雄嵩ッ!
[フィールドの天候がランダムに変化+各敵キャラの装備をランダムでひとつ破壊(防具や魔法による回避不可)]
・私の城は美しいお城、私の頭文字は完全なる円にして王の証ッ、死ぬまで踊れっ、舞城王太郎ッ!
・実るほど頭を垂れる稲穂かな。不燃にして不稔に非ず、エリシャの奇跡の裔と知れッ! 米澤穂信ッ!
・円心に居して惑うことなし、今宵ささめくあなたの挽歌、参ります、円居挽ッ!
・連なる城は堅固にして絢爛、三度否まず三界を紀(おさ)むッ! 連城三紀彦ッ!
・その桜の木は一本でした。桜の木は満開でした。咲いて撃ち抜けッ! 桜庭一樹ッ!
[敵全体にチキン]
・清涼のうちに流水は苔むさず、命育みメフィストフェレスの女媧とならん! 清涼 in 流水ッ!
・月光の遊戯、双頭の悪魔。国名を端から君に聞かせよう…… 英明なる都は祝福に満ちている。今出(いまいず)る川より通るがいい――アリスト(高貴なる)アリス、有栖川有栖!
[敵全体にストップ]
・朝明に白む山よッ! 一なる愛を識る永遠よッ! 枕木に憂う士(さむらい)よッ! 三位を全一なる二文字に集えッ! 乙一ッ!
・投之於冰上
鳥何燠之
何馮弓挾矢
殊能将之ッ!
・楽園の死神、その胸中に二心あり。右はくろがね、左はからかね。楽園の死神、その掌中に二刀あり。左は剔(そ)るもの、右は樵(こ)るもの。いのち捧げよッ! 汀こるものッ!
[敵全体にレベル3デス]
・占うッ、亜細亜の星を――島々の星は荘と出たッ! 島田荘司ッ!
・いちかはじめか、はじめかいちか。どんととびでて折るか祈るか、心は螺旋、折原一ッ!
[敵味方全体のうちランダムで一人にデス+ランダムで一人にレイズ(気絶キャラが存在する場合のみ)]
[敵全体に特攻大ダメージ。詠唱者は戦闘から除外(死亡ではない)]
・その本は本にして本に非ず、立体にして三次元に非ず、凶器にして狂気に非ず、どすこいどすこい京極夏彦ッ!
[中範囲の敵に大ダメージ+確率でスタン+三マス後方へノック]
未だ謂わなひで好色めゐた其の云葉
期待なんて鉛のやうに重ひ
魅了して母よりも大きゐ其の胸で
曝す覺悟が有るのならば
億万の液のベッドに
埋れ見る夢よりも
馨しく私は生きてゐるおw
如何すれば醜ひスレが
開かずに羽ばたゐて逝けるのか
一人スレの中
うpし続けても
糞スレと貶されて
絆されるの
ネ申樣と何処までも馴れ合ひ
死んでも良ひ此の尊ひネ申の胸の中
埋れる事が出来るのならば
氣ニシテル譯ヂャナヰ
滅び逝く子供達の學力
復明日も目覺める度に
壱百億の種を蒔く
眠らなゐ魂のヲナニ猿
喰ひ込むパンテヰ 一滴の液
何視てもカルピスに思へや爲なゐ
ブチ撒けて母に見つかる僕
カルピスと悟られなゐやうに誤魔化して
此れは如何見ても精子なのでせうか
もう謂はなひで卑猥めゐた其の云葉
囁ゐて母より優しひソプラノで
どんな覺悟も出來るならば
さぁ謠ってよ其の震へる唇で
醉ひ癡れて私の( ゚∀゚)o彡゜おつぱゐで
射拔く勇氣が有るのならば
Q「青二才さんの読者ってどんなやつなんですか?」10;A「ストイックなオタクすぎてオタクと気が合わない&オタクのくせにタイ料理とかオシャレ居酒屋が好きだから、オタクっぽくない人感じの人が多いです。よく言えば文化人、悪く言えばその日暮らしみたいな感じのやつが多いのかと」— 三沢文也@こっちは本気で遊んでるんだ! (@tm2501) 2016, 1月 4
大澤としてはこちらのほうを推していきたさある
鮫島事変 @6TKbJmCFIH1YutY 9時間9時間前
最近のオタクは食オタも兼ねてる奴が多いから、オタク=気取った飯屋を好まないと括るのもどうかと
日尭太郎とすてきな一日 @gyo_taro 7時間7時間前
オタクとしての立ち位置に拘りたがるの、ダメに意味でオタクっぽい
俺たちはすぐに殴るしすぐ死ぬ
これ好き
俺の読者はみんなこう、精神がだめ
ソートン@今年はZenの年です @AthlonvsK6_3 9時間9時間前
「オタクなのにオタクっぽくない奴」っての、10年ぶりくらいに見たな
青二才さんウォッチ系列かなー、そんなに見てるわけじゃないけどねー・
でも有料メルマガ関連はしばらく追っかけるよ!
(๑´ڡ`๑) 青二才さんの読者ってどんな人なの?
╰(´◔ω◔`)╯ 一言でいうと彼のアンチだな。青二才さんが夏休みに盆踊りを踊るのさえ指を指して笑うという奴らだよ
青二才がピャーすると観測しないように努めてもどんどん流れてきてどんどん渋くなる。
青二才がピャーするととりあえず借金玉の浮上を待つ体勢が整っている
なんでもインターネットに書いてしまう人間と恋愛するリスク相当なものだと思うのでインターネット人間と恋愛するのはオススメできない
めずらしく皆静かな飲み会で、一人こっそりとはまってるワインを誰に邪魔されるでもなく楽しむことができた。
情熱的なチリもいいけど、南仏の奥ゆかしさもいい。会社にはそんなことをともに楽しめるような同僚もいなかった。
適当な理由をつけて一足先に店を出ると少しほてった頬を秋風が出迎えた。
そのあまりの気持ちよさに、家までの3駅分を歩いて帰ることにした。
飲むと音楽を聞きながら歩く癖があるのだ。
ビルの隙間を見上げると、うっすらとした雲のかかった満月と目があった。さっそくiPhoneのライブラリからドビュッシーのベルガマスク組曲を探して再生をタップした。
千鳥足とはいかないまでも、汗をかかない程度にのんびりと歩きつつちょうど楽曲が月光に差し掛かった頃、高らかなヒールの音を慌ただしく響かせながら水色のブラウスにタイトなスカート姿の女性が長い髪を振り乱しながら僕を追い抜いていった。
決して早いとはいえない時間帯。昨今の男女平等、女性の社会進出によって見ることのできるようになった風景の一つだ。そのことに僕は特に賛否を持っていない。
女性は狭い路地への曲がり角に差し掛かると、少し立ち止まりつつかばんを探りだした。そうして目当ての何かを見つけて歩き出すと同時に、女性のかばんから何かが落ちるのがわかった。
ハンカチだった。
僕からは10mほど先の出来事だ。女性はそのまま曲がり角に消えていった。
時間も時間なだけに、のんびりとした足取りですこし考えてみたが、お酒の力も手伝って僕はそれを拾うことにした。
追いつかなければそれでいいし、声をかけて振り返らなければそれでもいいのだ。
拾ってみるとそれはやわらかいタオル地で、嗅いでみたわけでもないのにそれがいい匂いであることが確信できた。
そうして曲がり角を曲がると、タイミングの悪いことにちょうど女性がマンションの入口に入ろうとしているところだった。
女性にしてみれば、住まいに入ろうとする時に見知らぬ男性から声をかけられるなんて事は恐怖に違いない。
しかも「ハンカチ落としましたよ」だなんて、今時どれだけできの悪いナンパか。
やってしまったと思いつつももう後戻りもできない。
女性を不安にさせまいとできるだけ明るい声を心がけながら、さらに現物を見せれば安心するだろうとハンカチを持った手を必死に伸ばして声をかけた。
どうでもいいことに、頭のなかで「落ちましたよ。」「落としましたよ。」「落ちてましたよ。」のどれが適切かを考えてしまったがために次の言葉が続かずに、かといってそのまま近づいていくことも恐怖を与えてしまいそうでと、ハンカチを持った手を伸ばしたまま無言でその場に立ち尽くしてしまったのだ。
完全に不審者だ。叫ばれてもしかたない。捨てて逃げるか。様々な考えが一瞬で頭をよぎる中、もっとも予想を反する反応が帰ってきた。
「あー!ありがとうございます!助かりました!」と、実に素直に喜んでいるような声が狭い路地に響いたのだ。
その声の明るさに、つまらぬことに悩んでいた自分は完全に萎縮してしまった。
恥ずかしさのあまり、相手に近づくどころか顔を上げる事すらできなくなってしまった。
それを察したのか近づいてきてくれる女性。かろうじて一瞬だけ見ることのできた顔は、屈託を感じさせない満面の笑顔だった。
ハンカチを受け取って僕の後頭部にお礼を言うと、女性はそのままマンションへと引き返していった。
その足音が少しだけ軽くなっていたような気がして、僕はすこしほっとしたような温かい気持ちになった。
後日談は期待しないで欲しい。
残念ながら、僕はその女性の顔すら満足に見ることができなかったのだ。
だけどそれから変化したことが一つだけある。
今まで僕の中で鏡のように静かな湖面に映る三日月を奏でたものと思っていた月光が、この日から満月に変わったということだ。
ついでに増田らしいオチも加えておくと、後日、この女性とそっくりな格好をした素人AVを見つけた。
ショップで作品名や女優名を記憶してXVIDEOで検索すれば十分派を貫くつもりだった僕だったが、画質と保存性のためならお金を払っても良いと思えるようになったきっかけでもある。
FableIIIというゲームの話をしたいと思う。
FableIIIは、XBOX360&PC用のRPGで、僕がプレイしたのはXBOX360だった。
洋ゲーによくあるオープンワールドゲーって感じ。スカイリムとか。Falloutとか。
当時Twitterでフォローしてた、洋ゲー好きのゲイの人がそう呟いてた。
その時大学生で、ちょうど何かゲームがやりたいなと思っていた僕は、
当時「アイドルマスター」専用機だったXBOX360を引っ張りだした。
(なんでゲイがアイマスやるのか?ホモはアイドル好きだから。)
FableIIIの主な舞台は、ざっくり言うと剣と魔法の中世ファンタジー。
主人公は王子なんだけど、ひょんなことから統治者である兄から国を追われ、
剣と魔法を使って復讐を誓い、レジスタンスを率いて国を奪還する、みたいな話。
で、同性恋愛要素ってのは何かっていうと。
このゲーム、ゲーム中に登場する全てのNPCに男好きか女好きかが設定されてて、
自分がそれに合い、そのNPCの好感度を上げれば、恋仲になれるってことらしい。
しかも、同性でも結婚式を上げることができて、セックスもできる。
というわけで僕はプレイしながら男の吟味をしはじめたわけだ。ホモだし。
王城を出て最初の町は、山賊みたいな痩せ男しかいなかったので、軽くスルーしつつ、
成長を進めて、恋愛要素を解禁していく。
で、いくつかの施設を通り過ぎたあとの、ブライトウォールという名の町にいたのがジョーだった。
背は少し低め、がっしりした体つきに、顎ひげと優しそうな顔が印象的な男。
(NPCに話しかけると、なんとその人が同性愛者かどうかが表示されるのだ。現実もこうならいいのに)
すぐさまジョーに話しかけまくり、沢山遊びをして、好感度を上げていくと、
「ジョーの手を引き、湖畔まで送り届ける」
FableIIIの要素として、NPCと手をつなぐ、というのがある。
まあICOみたいなものだ。そうやってクリアするクエストがいくつもある。
僕はジョーの手を引き、村を出て、村と山道をつなぐ大橋を渡る。
手を引かれながらジョーが喋る。
「ところで俺、なんで付き添ってるんだ?パーティーに行くんだっけ?」
「変な夢を見た。あるお店に行けば、19.99ゴールドで全世界を手にすることができるんだよ。」
そうなんだ。ジョーはよく軽口をたたく。
途中、魔物が出るので、ジョーを一旦離れたところに連れて行き、魔法で魔物を一掃する。
それからまた手をつないで湖畔に向かう。
村を出た頃には日が暮れていて、湖に着いた頃にはもう夜になっていた。
湖面に月光が揺らめいている。
ジョーを指定の場所まで連れて行き、さてどうする、と思っていると、メッセージが出る。
どうしてこんなゲームに夢中になっていたんだろうって思う。
いや、なぜかは分かる。
ただ、それらが全部、今まで僕の方を向いていなかっただけだ。
だから、たまたまそれが僕の方を向いてくれて、キスをしてくれた時、僕はそれに心奪われた。
そういう体験を、僕はずっとしたかったのだと思った。
そのあと、僕は大都市で指輪を買い、近所の広場で結婚式を上げた。
ブライトウォールに一軒の家を買って、そこにジョーを招いた。
(FableIIIでは不動産を所有できる。)
お金がなかったので小さい家だったが、それでも心の底から嬉しかった。
ベッドがあったので、そこにジョーの手を引いていき、セックスもした。
画面暗転からの、声のみだったけど。
そうやって、ジョーとの日々を楽しんでいた僕だったが、ひとつ気になることがあった。
wikiを見てみると、なんと、武器や魔法のレベルをどんどん上げていくと、それに応じて外見が変わるというのである。
確かに、スキルをカンストしていた僕の外見は、体に紋章が浮き出るムキムキマッチョマンだった。
これはちょっとよろしくないな…と僕は思った。
僕はどちらかというとちょっと小太りな感じのほうが好きなので、これだとジョーと釣り合う男になれない、と思ったのだった。
なので、ちょっとこれはリセットするべきかな~とつい思ってしまったのだ。
それにまだ、ギリギリやり直しても気力が持つかなーくらいの序盤ではあったのだ。
で、やり直して気付いたのだが、なにやら街にいるNPCの名前がぜんぜん違う。
そう、どうやらNPCの生成は、性別名前外見性指向ふくめて全部ランダムだったのだ。
じゃあ毎回ブライトウォールにジョーがいるわけじゃないのか、なあんだ、と思ってメニュー画面に戻り、
一瞬血の気が引いた。
ってことは、ゲームをまた初めからプレイしてしまった時点で、前の世界は消えてしまったのか?
いやいやいやいや。
僕は走りだす。
ブライトウォールの町を隅から隅まで全力疾走して探すが、そもそもジョーという名前のNPCすらいない。
日が暮れて、僕は途方に暮れた。
仕方なく、僕は、違う街に行こうと思った。
ランダム生成なら、違う街で、ジョーと同じ外見で、同じ性指向で、同じ名前の男が見つかるかもしれない。
でも見つからなかった。
じゃあ、と、同じ条件じゃなくていいから、男の同性愛者ならいいや、と思い、恋愛関係を結んでみた。
でも、それは、ジョーではなかった。
というかそもそも、友情関係から恋愛関係に移行するためのクエストが、NPCによって違う。
あの湖畔でのデートはもう二度と繰り返せない。
ジョーの声がする。
行きたいよ。君のところに行きたい。
というのは嘘で、本当は、その数日後に、ちゃんとロードメニューを見つけたのだった。
すげーわかりにくい場所にあった。
一旦戻ってまた違うファイルを開かなきゃいけなかったのね…。
僕は、泣いた。
僕はブライトウォールに一回り大きな家を買った。
それから、貧民街の孤児院を修繕し、黒人の子をひとり引き取った。
家は村の高台にあるので、玄関を出ると、山向こうに日が沈んでいくのが見える。
それをジョーと僕の子供の3人で並んで見守る。
ジョーが言う。
「俺、25年後はどこにいるのかなあ、って考えるんだ。それから、26年後のこともね。」
僕もそう思うよ。
ジョーのセーブデータは、今でもXBOX360のHDDの中に入っている。
…いや、もしかするともう消えてるかもしれないけど。
なんかレッドリングかなんかになると全部ダメになるんだっけ?知らないけど…。
だから、1年に1回くらい起動しては、ジョーとの会話を楽しんだりする。
もうとっくに全部のパターンを聞いちゃったけど。
5年も前のゲームだけど、発売日に買った思い出のゲームでもあり、
それを今日、夕飯を買った帰り道にふと思い出して、ここに書いた。
あの日、確かに俺はジョーを見つけたんだ、ということを残しておこうと思って。
それだけの話である。
もう二十年以上前の話だから時効ということで許して貰えるだろうか。実は私は生首を運んだことがある。十七歳の時のことだ。
その日真夜中に『2001年宇宙の旅』を観た私は、感激のあまり外に飛び出し線路沿いの道を歩いていた。夜空に煙草を押し付けて穴を開けたような月が空に輝き、灰色の線路が鈍く輝いていた。
既に路線の運行は終わっていたので、私の足取りも勢い大胆になる。私はいつしか線路の真ん中を歩いていた。すると私は、線路沿いの側溝に黒いものが落ちていることに気がついた。
それはクラスメイトのヨーコの生首だった。ヨーコが線路に飛び込み自殺したという話は聞いていたが私は普段は列車を使わないし、ヨーコとも特に仲が良くなかったので自殺の話はそのまま忘れてしまっていたのだ。
初めて私はヨーコの生首を見た。切断面は粗く踏み潰されたようにぐちゃぐちゃになっており、辛うじて骨と分かる部分が肉色に染まりながら白く光っていた。生首に手を触れてそれを拾い上げる。手ににちゃにちゃと脂と血がついたのだがそれは構わなかった。
ヨーコは目を閉じていた。土で汚れていたが未だ生命力を誇示するかのようにストレートな髪が私の腕をくすぐった。頬は奇跡的に綺麗なままでその象牙のように白い肌を光らせていた。
閉じられた瞼に目をやったところ、生首も瞼を開けた。死んだ魚のように濁っていた。生首は口を開いた。
ミツバチ君じゃない。
こんばんは。ヨーコだよね。
呼び捨てにしないで、とヨーコは言った。そんなに仲が良かったわけでもないでしょう?
私は生首を私の首の高さに掲げた。面と向き合う形にしたかったからだ。結構人間の生首というものは重いんだな、と思ったことを思い出す。
ミツバチ君、こんな遅くまで何をしてるの?
さっき『2001年宇宙の旅』を観たんだ。最高だったよ。
私とヨーコの間には、改めて言うが何の付き合いもなかった。せいぜいフリッパーズ・ギターやモーマスのCDを貸し借りした程度の仲だった。
ねえ、それより私を運んでくれるかしら、とヨーコは言った。
どこへ?
沼まで。私が案内するわ。
その言葉に従って、私は生首を胸のところで抱きかかえて歩き始めた。
ヨーコはその角を右に、左にと指示していく。私はその通りに歩いた。私たちはどんどん線路から外れていく。家に無事に戻れるんだろうか、と心配になった。
やがて私たちは町の外れの森に辿り着いた。既に道は舗装されておらず、土が茶色く光っていた。
森の中に入ると、道の両側から立っているクヌギがその幹を誇示してどこまでも高く伸びていた。森は腐葉土特有の芳醇な匂いに満ち充ちていた。そしてその頂点にある四方八方に伸びた枝から生えた葉が頭上の月を丁寧に隠していた。僅かな月光を頼りに二人で歩いた。
ヨーコは言った。ねえ、ミツバチ君。
どうしたの?
さっきはごめんね。呼び捨てにしないでって。
こっちこそ呼び捨てにしてごめん。確かに僕らってそんなに仲良くなかったよね。
ミツバチ君のことは気に入っていたのよ。告白しようかって思ったこともあった。
そうなんだ。
今から思い出せば私はあの頃は恋愛に特に興味を持って居なかった。好きに音楽を聴いたり本を読んだり出来れば幸せだったのだ。だから異性の私に対するそうした反応に対しても私は極めて鈍かったのだろう。
今度は私から尋ねた。ヨーコさん。
何?
死ぬってどんな感じ?
ヨーコは少し目を閉じた。しばらく黙りこくったうちに、ごめんね、と言った。脳が痺れてうまく考えがまとまらないの。
分かるような気がするよ。
私たちはどんどん森の内奥へと入っていく。それはまるで陰部をどこまでも探るような淫靡な試みだった。森の中を彷徨う私たちの足取りに到達点などあるのだろうかと不安になる一方で、月をやがて覆い隠すクヌギの森の葉が濃くなってきたことに興奮を覚えた。
ヨーコは言った。生きていた頃のことが全部夢だったみたい。
途方もない夢だね、と私は言った。十七年間も続いたんだから。
そうよね。本当にね。
私たちはそのようにして森を小一時間ほど歩いて、ヨーコの言っていた沼に辿り着いた。表面が鰻のように黒くぬめっていて、おぼろげに月が反射していた。
中に沈めて、とヨーコは言った。
いいの?
いいわよ。私泳ぐのが好きだったから。
そこで私はヨーコの首を沼の中に漬けた。最初は浮かんでいた首はやがて水の中に沈んでいき、上方に漂う髪の毛が藻のように揺らいでいたがそれもまた沈んでいった。彼女が浮かべる細かな泡が後に残った。私は帰ることにした。
森の中は相変わらずどこかじめじめと湿り気を帯びており、土を踏む私の足は時々剥き出しになっている石に躓いて転びそうになった。途中で小動物らしきものが立てるかさかさとした物音が聞こえた。私は森の中をどこまでも歩いた。
死ぬってどんな感じなんだろう? そんなフレーズがヴィーナス・ペーターの歌にあったことを思い出した。「死ぬって何だろう?/解ってる、この漂う世界は/一時的な輝きに過ぎないんだ」……。
私は家に着き、窓から二階の自室に入り込んでそして眠った。クヌギの木の匂いと彼女の首の匂いは朝になっても残っていた。
今でもヨーコのことを思い出す。つい最近休暇が取れたので私はあの沼に行き、追悼の言葉を呟いて戻って来た。何故かは分からない。ただ、そうしなければいけない気がするから、そうして来た。それだけだ。
一応最初に言っておくが、ロイド探偵事務所に居るもじゃもじゃ頭の真音嬢ことマーニーとは関係が無い。
喘息の発作持ちで、引っ込み思案で、うまく周りと関係を築けない絵を描くのが好きな女の子、杏奈が主人公だ。
そこそこの漁村であり、どうやって生計を立てているか良く判らない家具職人とか、地域の顔役になってる上がりかまちがある家のPTA会長っぽい人がいる街で、主人公の杏奈は絵を描いて静かに過ごす。そして洋館で金髪の少女、マーニーに出会う。
アリエッティの監督が描きだす、間違いなく日本の田舎でありながら、それでもなお美しい。
招待されたパーティーで、マーニーが男の子とダンスを踊ると、なんだか面白くない。
そうして過ごしていく杏奈は、現実と空想とが入り交じったような、不思議な体験を繰り返す。
自分が必要として、必要とされ、友情ではないような、約束のような、愛情のような、そんな純粋な少女の心の機微。
静かで、美しく、そして、ほんの少しだけ現実が入り交じる、結論のない成長の物語。
ほんの少しだけの成長と、ほんの少しだけの奇跡のような出会い。
日当五千円プラス必要経費で初恋の相手を探すもじゃもじゃ頭のマーニーとは関係のない、そんな物語だ。
個人的には、じゃもじゃ頭で友達思いで、仕事に誠実なマーニーは個人的にはかなり好みのタイプだ。
ハッキリ言ってあの水着姿は反則レベルで可愛い。ミーハーでイケメンに弱いのも女の子っぽい。
推理小説では無く、殺人事件もなく、それできて探偵小説ではある。
幸せな気分に浸るために他人の結婚式に参加する趣味のあるゆりかちゃんに振り回されながらも真摯に仕事をこなすマーニーは、とても可愛らしい。
名探偵マーニー、週刊少年チャンピオンで絶賛連載中だ。是非一度目を通して、彼女の魅力に心を打ち抜かれて欲しい。
あ、思い出のマーニーも凄い良かったですよ。なんと言っても映像が綺麗だ。