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2021-06-10

古典教育否定論を見て思ったこ

もしも「シェークスピアバイロンシェリーブレイクコールリッジ、ワーズワーステニスンの詩なんか学校教育で教えるのは無意味」とか言う英国人がいたとして、それを見たら、英国人じゃない自分でも「うわ……」と感じるだろう。上の例でピンとこない人は、ホメロスなり、ダンテなり、ゲーテなり何なり、適当人名に入れ替えて下さい。

実際は、欧米政府首脳や政治家は、演説聖書の一節、ギリシャ/ローマ古典、有名な詩人の詩から引用することが珍しく無い。そういう場面を見ていると「風雪に耐えて残った古典」の価値を見抜ける/理解できるような頭の持ち主でなければ、国家百年の計と云う長期的なプランを建てる重職を任せられないと云うコンセンサスが、政治家有権者の間に有るように見える。

また、古典宗教その他の思想バックボーンを反映しているものなので、良かれ悪しかれ国民性を反映している。政(まつりごと)をするには民の心を理解して掴まねばならない。したがって、為政者は和漢の古典を読み、よく人の心を学ぶべしと云う旨を、江戸学者は説いていた。昔の中国でも、知識人は同じ旨を説いていたと思う。それらは理想論に過ぎなかったのかもしれないけれど、理想を失くしたら人間は御仕舞だと私は思う。

自民党政治家もそうだし野党政治家もそうだけど、日本の政治家は古典引用した演説をしない(できない)。それを見ると、この人たちは、行き当たりばったりで長期的に物事を見る能力に欠けている、その場凌ぎ思考人間ばかりなんだなと私は思う。五十年〜百年経ったら、後は野となれ山となれと云う考え方の持ち主なのだろう。

虚偽答弁をする政治家に対して、対立政治家が「いつはりの無き世なりせば如何ばかり人の言の葉しからまし」とか知的洒落皮肉を言えたら、グッとくると思う。しかし、現実日本の政治家は、バラエティ番組的な物言いをする人間ばかりである

古典に関する教養は、即物的意味で役立つ訳ではないのは確かである。けれども、頭の中身や心が貧しい人間か否かを見抜くためのバロメーターにはなり得ると思う。心が貧しい人間政治家をすると、人間に対して酷薄政治をすると思う。例えば、麻生太郎言動を見ると、そう思わないだろうか?まあ、野党政治家も五十歩百歩なのだけれども。

少なくとも、口先だけは愛国心を説くくせに日本古典に対する教養を持たないような政治家を、私は信用できない。そして、それを国民が見抜ける状態でいるためには、やはり古典に対する教育必要なのだと私は思う。

2021-04-23

anond:20210423083454

かい小さいではない。上がってるか垂れてるか、それが問題だ。 - ウィリアムシェークスピア

2021-04-07

「要するに○○って××と同じでしょ?」

そりゃ要したらシェークスピアもカチカチ山もエヴァもなろうも全部同じだろ。

パンクッキーうどんパスタ小麦粉から同じって言うのか?

それはただの味音痴だろ?

まりお前は違いのわからない音痴で、そんな発言ドヤ顔してる場合じゃないんだよ。

もういいから黙って座ってなよ。

共感性羞恥でこっちが死にそうだよ。

2021-03-26

anond:20210326213448

あの人はもともと専門のシェークスピア関係のところで頭角を現して知名度が上がったけど、その後専門外であろうフェミニズムに関する発言で敵を作りまくっていたから、まあどこかでこうなるんだろうなという感じはしてたね。良のツイフェミと違ってパーソナリティが出てるしね。

2021-03-24

anond:20210324180108

今回の炎上騒動北村准教授にも返り血がいっぱいかかったと思う

ロンドン博士号をとったシェークスピア学者だったのが、ラディカルフミニストのスターとして認知されることとなってしまった

上野千田諸氏に続く存在になればアカポスには困らないだろうが、マツコの番組に呼ばれることはなくなりそうだ

2021-03-22

どうにも

三郎が、都合のよい折を見計らって、遠藤の部屋を訪問したのは、それから四五日たった時分でした。無論その間には、彼はこの計画について、繰返し繰返し考えた上、大丈夫危険がないと見極めをつけることが出来たのです。のみならず、色々と新しい工風くふうを附加えもしました。例えば、毒薬の瓶の始末についての考案もそれです。

 若しうまく遠藤殺害することが出来たならば、彼はその瓶を、節穴から下へ落して置くことに決めました。そうすることによって、彼は二重の利益が得られます。一方では、若し発見されれば、重大な手掛りになる所のその瓶を、隠匿いんとくする世話がなくなること、他方では、死人の側に毒物の容器が落ちていれば、誰しも遠藤自殺したのだと考えるに相違ないこと、そして、その瓶が遠藤自身の品であるということは、いつか三郎と一緒に彼に惚気話を聞かされた男が、うまく証明して呉れるに違いないのです。尚お都合のよいのは、遠藤は毎晩、キチンと締りをして寝ることでした。入口は勿論、窓にも、中から金具で止めをしてあって、外部から絶対に這入れないことでした。

 さて其日、三郎は非常な忍耐力を以て、顔を見てさえ虫唾の走る遠藤と、長い間雑談を交えました。話の間に、屡々それとなく、殺意をほのめかして、相手を怖がらせてやりたいという、危険極る慾望が起って来るのを、彼はやっとのことで喰止めました。「近い内に、ちっとも証拠の残らない様な方法で、お前を殺してやるのだぞ、お前がそうして、女の様にベチャクチャ喋れるのも、もう長いことではないのだ。今の内、せいぜい喋り溜めて置くがいいよ」三郎は、相手の止めどもなく動く、大ぶりな脣を眺めながら、心の内でそんなことを繰返していました。この男が、間もなく、青ぶくれの死骸になって了うのかと思うと、彼はもう愉快で耐らないのです。

 そうして話し込んでいる内に、案の定遠藤便所に立って行きました。それはもう、夜の十時頃でもあったでしょうか、三郎は抜目なくあたりに気を配って、硝子窓の外なども十分検べた上、音のしない様に、しかし手早く押入れを開けて、行李の中から、例の薬瓶を探し出しました。いつか入れ場所をよく見て置いたので、探すのに骨は折れません。でも、流石に、胸がドキドキして、脇の下からは冷汗が流れました。実をいうと、彼の今度の計画の中うち、一番危険なのはこの毒薬を盗み出す仕事でした。どうしたこと遠藤が不意に帰って来るかも知れませんし、又誰かが隙見をして居ないとも限らぬのです。が、それについては、彼はこんな風に考えていました。若し見つかったら、或は見つからなくても、遠藤が薬瓶のなくなったことを発見したら――それはよく注意していればじき分ることです。殊に彼には天井の隙見という武器があるのですから――殺害を思い止まりさえすればいいのです。ただ毒薬を盗んだという丈では、大した罪にもなりませんからね。

 それは兎とも角かく、結局彼は、先ず誰にも見つからずに、うまうまと薬瓶を手に入れることが出来たのです。そこで、遠藤便所から帰って来ると間もなく、それとなく話を切上げて、彼は自分の部屋へ帰りました。そして、窓には隙間なくカーテンを引き、入口の戸には締りをして置いて机の前に坐ると、胸を躍らせながら、懐中から可愛らしい茶色の瓶を取り出して、さてつくづくと眺めるのでした。

MORPHINUM HYDROCHLORICUM(o.g.)

 多分遠藤が書いたのでしょう。小さいレッテルにはこんな文字が記してあります。彼は以前に薬物学の書物を読んで、莫児比※(「さんずい+(日/工)」、第4水準2-78-60)のことは多少知っていましたけれど、実物にお目にかかるのは今が始めてでした。多分それは鹽酸えんさん莫児比※(「さんずい+(日/工)」、第4水準2-78-60)というものなのでしょう。瓶を電燈の前に持って行ってすかして見ますと、小匙こさじに半分もあるかなしの、極く僅かの白い粉が、綺麗にキラリキラリと光っています。一体こんなもの人間死ぬのか知ら、と不思議に思われる程です。

 三郎は、無論、それをはかる様な精密な秤はかりを持っていないので、分量の点は遠藤言葉を信用して置く外はありませんでしたが、あの時の遠藤の態度口調は、酒に酔っていたとは云え決して出鱈目でたらめとは思われません。それにレッテル数字も、三郎の知っている致死量の、丁度二倍程なのですから、よもや間違いはありますまい。

 そこで、彼は瓶を机の上に置いて、側に、用意の砂糖清水せいすいを並べ、薬剤師の様な綿密さで、熱心に調合を始めるのでした。止宿人達はもう皆寝て了ったと見えて、あたりは森閑しんかんと静まり返っています。その中で、マッチの棒に浸した清水を、用意深く、一滴一滴と、瓶の中へ垂らしていますと、自分自身の呼吸が、悪魔のため息の様に、変に物凄く響くのです。それがまあ、どんなに三郎の変態的な嗜好を満足させたことでしょう。ともすれば、彼の目の前に浮んで来るのは、暗闇の洞窟の中で、沸々ふつふつと泡立ち煮える毒薬の鍋を見つめて、ニタリニタリと笑っている、あの古いにしえの物語の、恐ろしい妖婆の姿でした。

 併しながら、一方に於おいては、其頃から、これまで少しも予期しなかった、ある恐怖に似た感情が、彼の心の片隅に湧き出していました。そして時間のたつに随って、少しずつ少しずつ、それが拡がって来るのです。

MURDER CANNOT BE HID LONG, A MAN'S SON MAY, BUT AT THE LENGTH TRUTH WILL OUT.

 誰かの引用で覚えていた、あのシェークスピアの不気味な文句が、目もくらめく様な光を放って、彼の脳髄に焼きつくのです。この計画には、絶対破綻はたんがないと、かくまで信じながらも、刻々に増大して来る不安を、彼はどうすることも出来ないのでした。

 何の恨みもない一人の人間を、ただ殺人面白さに殺して了うとは、それが正気の沙汰か。お前は悪魔に魅入みいられたのか、お前は気が違ったのか。一体お前は、自分自身の心を空恐しくは思わないのか。

 長い間、夜の更けるのも知らないで、調合して了った毒薬の瓶を前にして、彼は物思いに耽っていました。一層この計画を思止おもいとどまることにしよう。幾度いくたびそう決心しかたか知れません。でも、結局は彼はどうしても、あの人殺しの魅力を断念する気にはなれないのでした。

 ところが、そうしてとつおいつ考えている内に、ハッと、ある致命的な事実が、彼の頭に閃ひらめきました。

「ウフフフ…………」

 突然三郎は、おかしくて堪たまらない様に、併し寝静ったあたりに気を兼ねながら、笑いだしたのです。

馬鹿野郎。お前は何とよく出来た道化役者だ! 大真面目でこんな計画を目論もくろむなんて。もうお前の麻痺まひした頭には、偶然と必然区別さえつかなくなったのか。あの遠藤の大きく開いた口が、一度例の節穴の真下にあったからといって、その次にも同じ様にそこにあるということが、どうして分るのだ。いや寧ろ、そんなことは先ずあり得ないではないか

 それは実に滑稽極る錯誤でした。彼のこの計画は、已にその出発点に於て、一大迷妄に陥っていたのです。併し、それにしても、彼はどうしてこんな分り切ったことを今迄いままで気附かずにいたのでしょう。実に不思議と云わねばなりません。恐らくこれは、さも利口りこうぶっている彼の頭脳に、非常な欠陥があった証拠ではありますいか。それは兎も角、彼はこの発見によって、一方では甚はなはだしく失望しましたけれど、同時に他の一方では、不思議な気安さを感じるのでした。

「お蔭で俺おれはもう、恐しい殺人罪を犯さなくても済むのだ。ヤレヤレ助かった」

 そうはいものの、その翌日からも、「屋根裏散歩」をするたびに、彼は未練らしく例の節穴を開けて、遠藤の動静を探ることを怠おこたりませんでした。それは一つは、毒薬を盗み出したこと遠藤が勘づきはしないかという心配からでもありましたけれど、併し又、どうかして此間このあいだの様に、彼の口が節穴の真下へ来ないかと、その偶然を待ちこがれていなかったとは云えません。現に彼は、いつの散歩」の場合にも、シャツポケットから彼かの毒薬を離したことはないのでした。

 ある夜のこと――それは三郎が「屋根裏散歩」を始めてからもう十日程もたっていました。十日の間も、少しも気附かれる事なしに、毎日何回となく、屋根裏を這い廻っていた彼の苦心は、一通ひととおりではありません。綿密なる注意、そんなありふれた言葉では、迚とても云い現せない様なものでした。――三郎は又しても遠藤の部屋の天井裏をうろついていました。そして、何かおみくじでも引く様な心持で、吉か凶か、今日こそは、ひょっとしたら吉ではないかな。どうか吉が出て呉れます様にと、神に念じさえしながら、例の節穴を開けて見るのでした。

 すると、ああ、彼の目がどうかしていたのではないでしょうか。いつか見た時と寸分違わない恰好で、そこに鼾をかいている遠藤の口が、丁度節穴の真下へ来ていたではありませんか。三郎は、何度も目を擦って見直し、又猿股さるまたの紐を抜いて、目測さえして見ましたが、もう間違いはありません。紐と穴と口とが、正まさしく一直線上にあるのです。彼は思わず叫声を上げそうになったのをやっと堪こらえました。遂にその時が来た喜びと、一方では云い知れぬ恐怖と、その二つが交錯した、一種異様の興奮の為に、彼は暗闇の中で、真青になって了いました。

 彼はポケットから毒薬の瓶を取り出すと、独ひとりでに震い出す手先を、じっとためながら、その栓を抜き、紐で見当をつけて置いて――おお、その時の何とも形容の出来ぬ心持!――ポトリポトリポトリ、と数滴。それがやっとでした。彼はすぐ様さま目を閉じて了ったのです。

「気がついたか、きっと気がついた。きっと気がついた。そして、今にも、おお、今にも、どんな大声で叫び出すことだろう」

 彼は若し両手があいていたら、耳をも塞ふさぎ度い程に思いました。

 ところが、彼のそれ程の気遣いにも拘かかわらず、下の遠藤はウンともスーとも云わないのです。毒薬が口の中へ落ちた所は確に見たのですから、それに間違いはありません。でも、この静けさはどうしたというのでしょう。三郎は恐る恐る目を開いて節穴を覗いて見ました。すると、遠藤は、口をムニャムニャさせ、両手で脣を擦る様な恰好をして、丁度それが終った所なのでしょう。又もやグーグーと寝入って了うのでした。案あんずるよりは産うむが易やすいとはよく云ったものです。寝惚ねぼけた遠藤は、恐ろしい毒薬を飲み込んだことを少しも気附かないのでした。

 三郎は、可哀相な被害者の顔を、身動きもしないで、食い入る様に見つめていました。それがどれ程長く感じられたか事実は二十分とたっていないのに、彼には二三時間もそうしていた様に思われたことです。するとその時、遠藤はフッと目を開きました。そして、半身を起して、さも不思議相に部屋の中を見廻しています。目まいでもするのか、首を振って見たり、目を擦って見たり、譫言うわごとの様な意味のないことをブツブツと呟いて見たり、色々狂気めいた仕草をして、それでも、やっと又枕につきましたが、今度は盛んに寝返りを打うつのです。

 やがて、寝返りの力が段々弱くなって行き、もう身動きをしなくなったかと思うと、その代りに、雷の様な鼾声かんせいが響き始めました。見ると、顔の色がまるで、酒にでも酔った様に、真赤になって、鼻の頭さきや額には、玉の汗が沸々とふき出しています。熟睡している彼の身内で、今、世にも恐ろしい生死の争闘が行われているのかも知れません。それを思うと身の毛がよだつ様です。

 さて暫くすると、さしも赤かった顔色が、徐々にさめて、紙の様に白くなったかと思うと、見る見る青藍色せいらんしょくに変って行きます。そして、いつの間にか鼾がやんで、どうやら、吸う息、吐く息の度数が減って来ました。……ふと胸の所が動かなくなったので、愈々最期かと思っていますと、暫くして、思い出した様に、又脣がビクビクして、鈍い呼吸が帰って来たりします。そんなことが二三度繰り返されて、それでおしまいでした。……もう彼は動かないのです。グッタリと枕をはずした顔に、我々の世界のとはまるで別な、一種のほほえみが浮んでいます。彼は遂に、所請いわゆる「仏」になって了ったのでしょう。

 息をつめ、手に汗を握って、その様子を見つめていた三郎は、始めてホッとため息をつきました。とうとう彼は殺人者になって了ったのです。それにしても、何という楽々とした死に方だったでしょう。彼の犠牲者は、叫声一つ立てるでなく、苦悶の表情さえ浮べないで、鼾をかきながら死んで行ったのです。

「ナアンダ。人殺しなんてこんなあっけないものか」

 三郎は何だかガッカリして了いました。想像世界では、もうこの上もない魅力であった殺人という事が、やって見れば、外ほかの日常茶飯事と、何の変りもないのでした。この鹽梅なら、まだ何人だって殺せるぞ。そんなことを考える一方では、併し、気抜けのした彼の心を、何ともえたいの知れぬ恐ろしさが、ジワジワと襲い始めていました。

 暗闇の屋根裏、縦横に交錯した怪物の様な棟木や梁、その下で、守宮やもりか何ぞの様に、天井裏に吸いついて、人間の死骸を見つめている自分の姿が、三郎は俄に気味悪くなって来ました。妙に首筋の所がゾクゾクして、ふと耳をすますと、どこかで、ゆっくりゆっくり自分の名を呼び続けている様な気さえします。思わず節穴から目を離して、暗闇の中を見廻しても、久しく明い所を覗いていたせいでしょう。目の前には、大きいのや小さいのや、黄色い環の様なものが、次々に現れては消えて行きます。じっと見ていますと、その環の背後から遠藤の異様に大きな脣が、ヒョイと出て来そうにも思われるのです。

 でも彼は、最初計画した事丈けは、先ず間違いなく実行しました。節穴から薬瓶――その中にはまだ数滴の毒液が残っていたのです――を抛り落すこと、その跡の穴を塞ぐこと、万一天井裏に何かの痕跡が残っていないか、懐中電燈を点じて調べること、そして、もうこれで手落ちがないと分ると、彼は大急ぎで棟木を伝い、自分の部屋へ引返しました。

「愈々これで済んだ」

 頭も身体からだも、妙に痺しびれて、何かしら物忘れでもしている様な、不安な気持を、強しいて引立てる様にして、彼は押入れの中で着物を着始めました。が、その時ふと気がついたのは、例の目測に使用した猿股の紐を、どうしたかという事です。ひょっとしたら、あすこへ忘れて来たのではあるまいか。そう思うと、彼は惶あわただしく腰の辺を探って見ました。どうも無いようです。彼は益々慌てて、身体中を調べました。すると、どうしてこんなことを忘れていたのでしょう。それはちゃんシャツポケットに入れてあったではありませんか。ヤレヤレよかったと、一安心して、ポケットの中から、その紐と、懐中電燈とを取出そうとしますと、ハッと驚いたことには、その中にまだ外の品物が這入っていたのです。……毒薬の瓶の小さなコルクの栓が這入っていたのです。

 彼は、さっき毒薬を垂らす時、あとで見失っては大変だと思って、その栓を態々わざわざポケットしまって置いたのですが、それを胴忘どうわすれして了って瓶丈け下へ落して来たものと見えます。小さなものですけれど、このままにして置いては、犯罪発覚のもとです。彼は恐れる心を励して、再び現場げんじょうへ取って返し、それを節穴から落して来ねばなりませんでした。

 その夜三郎が床についたのは――もうその頃は、用心の為に押入れで寝ることはやめていましたが――午前三時頃でした。それでも、興奮し切った彼は、なかなか寝つかれないのです。あんな、栓を落すのを忘れて来る程では、外にも何か手抜てぬかりがあったかも知れない。そう思うと、彼はもう気が気ではないのです。そこで、乱れた頭を強いて落ちつける様にして、其晩の行動を、順序を追って一つ一つ思出して行き、どっかに手抜りがなかったかと調べて見ました。が、少くとも彼の頭では、何事をも発見出来ないのです。彼の犯罪には、どう考えて見ても、寸分の手落ちもないのです。

 彼はそうして、とうとう夜の明けるまで考え続けていましたが、やがて、早起きの止宿人達が、洗面所へ通う為に廊下を歩く跫音が聞え出すと、つと立上って、いきなり外出の用意を始めるのでした。彼は遠藤の死骸が発見される時を恐れていたのです。その時、どんな態度をとったらいいのでしょう。ひょっとしたら、後になって疑われる様な、妙な挙動があっては大変です。そこで彼は、その間あいだ外出しているのが一番安全だと考えたのですが、併し、朝飯もたべないで外出するのは、一層変ではないでしょうか。「アア、そうだっけ、何をうっかりしているのだ」そこへ気がつくと、彼は又もや寝床の中へもぐり込むのでした。

 それから朝飯までの二時間ばかりを、三郎はどんなにビクビクして過したことでしょうか、幸にも、彼が大急ぎで食事をすませて、下宿屋を逃げ出すまでは、何事も起らないで済みました。そうして下宿を出ると、彼はどこという当てもなく、ただ時間を過す為に、町から町へとさ迷い歩くのでした。

2021-03-11

翻訳分野でもアメリカの本気度合いがうかがえる

黒人詩人作品でまた騒動、「属性理由白人翻訳者契約解除

https://www.afpbb.com/articles/-/3336122

 【3月11日 AFP米国ジョー・バイデンJoe Biden)大統領就任式で詩を朗読したアマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)さん(23)の作品めぐりカタルーニャ語版の翻訳者10日、性別、年齢、人種などの「属性」が合致していないとして契約を解除されたと明らかにした。

 この翻訳者は、スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州州都バルセロナ(Barcelona)出身ビクトル・オビオルス(Victor Obiols)さん。英劇作家ウィリアムシェークスピアWilliam Shakespeare)や英作家オスカー・ワイルドOscar Wilde)らの作品翻訳実績がある。

 オビオルスさんによると、米国から「ふさわしくない」と連絡があった。翻訳者としての能力問題視されたわけではなく、23歳の米黒人女性であるゴーマンさんの作品を訳すのは、「女性で、若く、活動家であることが必須で、黒人が望ましい」と伝えられたという。

 オビオルスさんは、「非常に複雑な問題なので、軽々しく扱うことはできない」と前置きした上で、「21世紀若い黒人女性でないという理由で詩の翻訳ができないなら、紀元前8世紀ギリシャ人でないかホメロス(Homer)だって訳せない。16世紀英国人でないかシェークスピアも訳せなかったはずだ」と述べた。

 ゴーマンさんの作品をめぐっては、オランダ人作家マリエケ・ルーカス・ライネベルト(Marieke Lucas Rijneveld)さんも、白人ではなく黒人翻訳すべきとの批判を受けて、翻訳を辞退していた。(c)AFP

オビオルスさんはカタルーニャ出身ということでアメリカ差別問題に詳しくないのかもしれないけど、もはやカタルーニャ語を使える翻訳者なら誰でもいいという時代ではないんだよね。

それほどまでにアメリカは本気で差別撤廃しようと取り組んでいる。

オビオルスさんにもグローバルな視点を持って欲しいよね。

23歳の米黒人女性であるゴーマンさんの作品を訳すのは、「女性で、若く、活動家であることが必須で、黒人が望ましい」と伝えられたという。

この指針に従うため、7000以上の言語対応できる若い活動家黒人女性専門家アメリカ養成されることになる。

若者の、活動家の、黒人の、女性社会進出さらに推進される。

ゾンカ語もタジク語も、ロマンシュ語もイ語もガガウズ語もカタウィシ語も、若い黒人女性活動家責任と誇りをもってゴーマンさんの作品翻訳する。

2021-02-20

anond:20210219101113

シェークスピアは言いました。

What's in a name? (名前というものにはどんな意義があるのか?)

That which we call a rose by any other name would smell as sweet.

ということで、

Deny thy father and refuse thy name;

だそうです!

2021-02-18

anond:20210218134433

見せるのが悪いのか見るのが悪いのかはシェークスピアも悩んでたな

ポロン

2020-10-27

anond:20201027011755

勉強してる人は娯楽小説を読んだり大衆音楽を聴いたりドラマアニメを見たりはしないのかね?

  

   

← 横だが、俺は中高時代はそういうのはほぼ皆無だった。いや、小学校高学年くらいからだ。中学受験があったから。

読む本は勉強教養になるモノばかりを求めた。むしろそういうのに飢えていた。歴史なら三国志よりホイジンガー、とか。小説なら漱石から始まってシェークスピアとか。音楽クラシックが主で、ジャズフォークが多少。

おかげで京大に現役合格さら大学院まで進学したよ。

2020-09-24

anond:20200923144622

他のジャンルに男女差がないって言うのが間違い。

男のファンが多いバンドと女のファンが多いバンドはやっぱりあるシェークスピア恋愛劇はやっぱり女受けする。

宗教画とかタビンチに男女差が無いことも気にしてるけど、それは当時代は全ての芸術が男のものだったからだね。男向けジャンルに女が参入した現在があるに過ぎない。

 

男と女で嗜好の違いは確実にあって、男の子はやっぱり剣のおもちゃが好きだし、女の子はおままごとをするんだよ。それはジェンダーではなくて、セックスなんだ。ジェンダーフリーを信じてしまった母親が息子の嗜好を妨げる悲劇も、過去にはまあまあ報告された。そんなことはあってはならない。

から市場の側が年齢やジャンルと同様に、男女に分けた需要分析を行うのは、全く理にかなった行動だ。

 

もっとも、それによって障壁みたいなのが生まれてたのは、お前の言う通りだけどね。

でも、俺も男だけど少女漫画読むのが現代だよ。

障壁普通に問題ない程度に消えたんじゃない? ここ20年ぐらいでさ。

2020-09-14

anond:20200914103214

男性に合わせるのか女性に合わせるのかそれが問題だ。

ってシェークスピアが言ってました!

2020-05-30

anond:20200530092721

たぶんシェークスピアの『ベニスの商人』が有名だったためかと。

あと、ユリウス・カエサル英語風の読み方ジュリアス・シーザーの方が有名なのもシェークスピアの『ジュリアス・シーザー』が有名だったためでしょうね。

2020-05-27

anond:20200526215103

超まじレスシェークスピアロミオとジュリエットとか真夏の夜の夢とかマクベスとかリア王とか。

劇団が公演でシェークスピアやると人が入るからね。日本人にとっても古典となってきている模様。

今の日本文化的には相当レベルまで欧米文化圏の一部になっている。特に英語圏の影響大。

2019-12-10

演劇に詳しくない私だとキモいモテない人間と化け物の間にいるようなものバカにされる演劇といえばシェークスピアテンペストだと思ってるけど、シェークスピアに詳しい人が色々こねくり回して非モテ叩きポルノにしたら多分怒る

2019-11-23

anond:20191122213650

シェークスピアオセロ中世ヨーロッパにいた黒人軍人白人の嫁さんをもらってゴタゴタする話だよ。

それを知ってるだけで、その頃ヨーロッパ黒人いたことはわかるよね。

もうちょっと調べると、シェークスピアより後に生まれてるシャルルペローシンデレラの作者)やヴィルヌー夫人美女と野獣の作者)が生きた時代にはもう黒人召使いヨーロッパいたことがわかるよ。

それを出すのがおかしいっていうのはなんで?

レイシストから

知らなかったんだったら他人語学力馬鹿にする前にもうちょっと本を読んだ方がいいよ。

2019-11-22

anond:20191122140719

シェークスピアの話してるんじゃないし

シンデレラ美女と野獣黒人が出てきたらおかしいって話だよ

ニホンゴワカリマスカ?

anond:20191122091657

ディズニーからどうせポリコレ関係で無理やり黒人を出したんだと思って、史実に忠実じゃないやろ!ってシャープな指摘をして怒ってる人をやりたかったんだけど、シェークスピアオセロを知らなかったからそれを指摘されてキョドってる人」の仮装

2019-08-19

スーパーコンビニけがお店やさんじゃない

でもそういうお店しかないならそれ以外のお店やさんを知らない

人間関係も似たようなところがあって知らない世界、知らない価値観体験しなくても遠い知識で知っていたい

そういう意味ではシェークスピアテンペストあおり運転カップルも私にとっては似たような物語

また別の意味後者現実被害を受けた人がいるので起こって欲しくなかった現実

2019-06-07

anond:20190606183632

古典作品現代作品と同じ評価軸には並べられないよ。

シェークスピアがいま有象無象作品と混ざって出版社投稿されても目にとめられないだろうし。

からこそ単純に作品として見た場合、褒めちぎる人ばかりというのはおかしいんだよね。

 

『奴らはマンガを読んでるんじゃない。"手塚大先生の名作"という情報を読んでるんだ』

2019-04-27

anond:20190427193151

レトロスペクトにおもしろおもしろくないと断罪するのはテクスト批評としてはあんまり賢い方法じゃないね

それよりもシェークスピアが後世の英語空間に与えた影響の大きさに目を向けるべき

2018-09-13

anond:20180913185331

逆に筆記が難し過ぎるというか実用性がないよね

シェークスピアが生きてた頃にしか使わないような、ふっるい表現ノートに書いたって無駄

日本語習う外国人がいきなり源氏物語ならうようなもんだ

日本で習う英語日本大学受検でしか役に立たないか

筆記緩くしてリスニング増やしゃいいのにとは思う

2018-07-30

anond:20180730024727

ログアウトした自信があるなら、未知の脆弱性をついたのかもしれない。

昔のUNIX機でパスワードとして任意文字列を65文字以上入力するとオーバーフーローして無条件でローグーイーンーできるという脆弱性があった。

問題特定してメーカーに教えたら10万円くらいくれるかもしれない。

猿がシェークスピアを書く可能性はない。

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