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2022-12-05

なわけないだろ anond:20221204171247

姫神せんせいしょん」ていうシンセユニット(?)がインストアルバム大ヒットさせてたの、1980年代前半やぞw

2019-01-20

anond:20190119232636

姫神社 では 靴供養を おこなっておりますので、奉納されてみてはいかがでしょう?

2017-12-29

ハヤテのごとく 大反省会追記分

https://anond.hatelabo.jp/20171226222422 の続き。

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上記の時点では大反省会(上)(下)未読で書いていたが、やっと入手できたので読んだ。

読み終えた第一声「本当に同人編は3巻くらいで終わらせるつもりだったんかい!?本当かよ!?」ってのが多分感想の8割くらいを占めてる。

じゃあ何であんな引っ張ったんだろうか?

ルカがいい子だから?と書いているけど、マジ?アニメ逆輸入とか各所への配慮とかではなくて?

もし本気だったなら、その選択が大きすぎる失敗だったと言わざるを得ない。

人気を維持するならば、間違いなく、カットしてしまった11月イベント(学園祭ナギ誕生日)に全力を注ぐべきだった。

定番ネタ定番過ぎてマンネリと見られるけど、定番から安心して読めるんだよ。

まあ畑センセが学園祭書いたらネギま学園祭パロ(加えて現実的イベント数的に)で3巻くらいかかってた気がするけど。

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あと公開時に一部で燃えてたらしい「マリアさんハヤテの姉です。」って、これ下にある本文と矛盾してる。本文で「だから途中で姉弟という設定もなくなりましたねえ。」と言ってるのに、あとがきでは設定が生きてたように書かれてる。

結局どっち?

実際に綾崎父の不貞の子だったことが王玉で分かったときの話が本編で描かれたとしたら、マリア編とかい位置づけになって数巻伸びてただろうけど。

それでも、新キャラどんどん出していくよりもそこはちゃんと回収していってほしかった。

どの時点でどのキャラ作ったかは結局あまり明かされてないけど、初期プロットにいなかったキャラがたくさんいたはず。その投入タイミング立ち位置の調整が上手くいかなかったのかな?

それとも初期のマリアの人気のなさ→テコ入れキャラ改変した結果、つながらなくなってカット

ここはなんとか本編中で回収してほしかったな。

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各所に、大風呂敷を広げすぎて伏線回収に失敗して後悔している様子が見える。

姫神とか予定通りにしてとっとと出しておいたほうがよかったじゃん。

この辺は多分やっぱり「長かった」のが一番の問題だったんだとは思う。

逆に、イクサがほぼ当初の意図ってのがいい意味で驚いた。

10打ち切り覚悟時点でも、あんキャラ出す気だったのかと。

でも冷静に考えると流血執事コメディならあれでもいいのか。

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そしてモニョったのが(上)ナギの絵側のページに書いてあること。

上の感想に書いたことはだいたいあってたけど、それまでのハヤテ中心の話を突然ナギの成長中心の話に切り替えたように読めてしまう。

方針転換に失敗した(上記認識してついていける人が少なかった的な意味で)、ともとれるのかな?

ブクマしてくれたコメにあった「やりたいことを詰め込みすぎた」ともとれる。

もしかしてナギ中心の話にしたらラブコメ上手く作れなくなって、それでハヤテとルカの話を(ナギ主人公ポジとして維持しつつ)上手く進められず、その結果あんなに長引いたのではなかろうか?

どうやったって、ナギの成長を書くならナギが常に出張ってないといけない。

ハヤテと○○(女の子)」のシーンの代わりに、「ナギと××(友人)」を出さなければならない。

そのうえで人気維持の要の一つであるハヤテを中心としたラブコメを描かなければいけない。

こんなジレンマの中で毎週の話を作っていくのはすごく大変そう。

それが解消されたのがイクサ以降…なのかもしれない。

全部想像しかないけども。

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(上)の扉コメントにある「でも漫画は生き物、変化し続ける。13年もやってればしょうがないのです。」と開き直るのはいいけれど、なんだかなー…。

全盛期にハマって、そのあとフェードアウトした身からすると、書いてあることの半分くらいが言い訳、もしくは明言できない大人の事情に見えてしまう悲しさ。

何故その展開に行けなかったのか?その時何をどう感じていて、どういう事情があって決断したのか?その辺の心理状態ほとんど書かれてなくて、「変わっちゃったんですよ~アハハ~」ってかるーく濁したのがとても残念で仕方ない。

あれだけ単行本でもプッシュしてたアニメについてほとんど触れてないし。別口でどっかで書いてるからカット

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正直、新しい見方ができたところもあったけど、全体的には少しがっかりだった。下手すると読まなかったほうがよかったかも…。

それでも次の作品はまた別の作品になるはずなので、頑張って面白いマンガを描いてくださいな。アドなんちゃらも。

ただし、久米田作品みたいに舞台が違うだけでやってること同じ漫画を描くなら、多分同じ末路をたどるだろうから読まないと思うけどね。

2017-12-26

ハヤテのごとく

久々に思い立って、「ハヤテのごとく!」を読みなおした。その感想である

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多分、かつての多くのファンだった人同様、同人編あたりでふるい落とされたクチだ。

春ごろに「ようやく終わった」と聞いたまま、そのあとも単行本も追いかけずスルーしていた。

本誌で多少読んでいて、30巻くらいまでは何となく覚えていたので、アテネ編終わり、同人編はじめあたりから一気に最終巻までザーッと読んだ。

そのうえで、過去単行本を買っていた20巻くらいまでを読み直した。

とても懐かしい。懐かしすぎて死にそうになった。

そして、どうにも自分の心に留めて昇華することが難しくなってしまったので、ここに吐き出した次第である

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最終巻を読み終わり、まず出てきた言葉は「長かった、しかしようやく終わった」だった。

13年568話は、やはりこの作品には長すぎた、それが失敗だったのだと思う。

確か「下田編」(12巻あたり)でアニメ1期が決まり、その前後は本当に面白かった。

ヒナ祭り祭りとか最高に面白かった。

その後はだんだん下降線をたどり、「アテネ編」がキャラ萌えシリアスい組から反発を受け、「同人編」で多くのファン"だった"人たちに見切られた感じがある。

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同人編」(268話~433話 もしくは 25巻7話~40巻7話 あるいは 2010年4月2013年12月)

こう書くだけで、あまりにも長すぎたことが分かる。

3年半、あの同人の話で引き伸ばされていたんだ。そう考えてしまう。

何故俺が同人編でふるい落とされたかと言えば、シリアス分(≒非日常パート)の消失だろう。

アテネ編でようやくはぐらかされていたこっちの話が動いて、やっと王玉やら姫神やら色々貼られていた伏線が回収されるのか!と期待させられた。

さらムラサキノヤカタへの移転で棺とか出てきて、この路線を信じようとしてたと思う。

しかし、そこからはひたすらにマンガ同人の話、そして特定キャラピックアップしたラブコメを延々とやっていたような印象だった。

いつしか薄いラブコメと進展しないストーリーに飽き、サンデーのものを読むことを辞めた。

カユラあたりは見覚えがあったから、33巻くらいまで、2012年くらいまでは読んでたのかな。

アニメも3期が露骨な媚び売り萌えアニメ化していたので、一切見ることはなかった。二期までは多分ほとんど見てたのに。

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一方、同人編をまとめて読むと、そこそこストーリーは筋が通っていて、面白いと思う。

52巻あたりを読んだ後にパラパラ見返したが、なるほどナギが成長したのがよくわかる。

当初のワガママお姫様とはずいぶんキャラが変わった。

ただしそれは、ラブコメではなく、非日常シリアスでもなく、"ナギ自身を見つめなおして成長する物語"として見たときお話

それは当時のハヤテの読者層には求められていなかったのではないか

当時の読者層は、「パロギャグ好き組」「ラブコメ好き組」「キャラ萌え組」「ストーリー考察組」のような感じで分かれていたように思う。

果たして同人編でそれらの要素は重点的にピックアップされたのか?

パロギャグは多少密度が減ったものの、キレはあったと思う。

しかし、ラブコメ好き組からすると、薄いイチャコラ。

キャラ萌えからすると、いつ自分の嫁がメインになるか分からない上に扱いが雑。

ストーリー考察的には、何も話が進まずヒントもほとんど出ないまま。

さらに絵的に大きく動きがあるわけでもなく、半分くらいはムラサキノヤカタ周辺でしっとりマンガラブコメ。(というイメージ偏見ともいう)

これで3年半。入れ込んでいた人が愛想をつかすには十分すぎる期間だったのではないか

さら同人編で明らかに絵が変わった。

28巻の表紙にいるルカの目の描き方、この辺から絵柄が変わったように思う。

個人的10巻くらいから25巻くらいまでの描き方がすごく好きだったので、これも落胆の要因だった。

41巻表紙のヒナギクとか別人すぎる。

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同人編が終わり、イクサ編になると一転、ようやく話が進みだした。王玉的な意味で。

2.5巻使ってイクサをまとめ、その中でイチャコラする感じはアテネ編以前を少し思い出した。

バトル自体シリアスよりになり、以前と比べると笑える流血執事ギャグバトルではなくなったけど、この辺りは同人編より前のノリを取り戻したように見える。

と思いきや修学旅行レベル5はまたなんか薄まったお話に。

これ毎週次の話を待つのは相当辛かったのでは。

何というか、通して読むと面白いけど1週間待って楽しみにするほどの面白さがない感覚

1話ごとのギャグとかがマンネリなっちゃったのか?

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47巻から事実上最終章の幕開け。

なんとなく、言われている半年ではなく1年かけて描ききるつもりで方針転換したように見える。

ここから最後まで、よく広げた風呂敷をうまくまとめた。とても面白かった。と思う。

話の軸として"ナギの成長"に明確にスポットを当てたように見えるのもここらへんから

最後ナギは確実にたくましい一人の女の子になったと思う。

株やFXの才能(自分の力)を使わない理由けがよくわからんけど。

使ったらまたダメになると封印でもしたのか?

しかし、やっぱり毎週1話を追っていくとして考えると、ここら辺の話は重いし、追うのはつらく見えた。

しかもいつかどこかで出てきたような、伏線だったか何だったかイマイチ覚えていないような内容を唐突に引っ張ってくるので、「誰だっけ?」「何だっけ?」が結構頻発した。

王玉もいつどこで誰がどれを持ってたかがよくわからなくなった。

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最後のあたりで不満があったとすれば、ナギ誕生日が1コマで終わり、マリア事実上の退場をしたこと。コミックスの補完を読んで納得したからいいものの、アレはちょっと…。

ストーリー展開的に無理なのは承知で、これまでならナギ誕生日に2巻分くらいかけてたのに、ヒロイン誕生日をほぼスルーはひどいと思った。

さらに引っ張りすぎた姫神の残念っぷり。

何あのキャラ?散々引っ張った割に、神様ロケットパンチからネタ拾ったところしかキャラとしてはほとんど面白くなかった。

法仙もよくわからんかったけど、ここまで引っ張ったなら法仙でよかったんじゃね?って感じ。

加えて、ラストヒナギク玉砕

わざわざ玉砕で終わり、それで出番が終わったのはウーン?

作中屈指の人気キャラからこそ最後にこうなったのか?

でもバックステージ見るとこのシーン忘れてたっぽいし。ヒナギクはもう伊藤静だったのかなあ。

初期ヒナギクが(テンプレツンデレ気味とはいえ)とても好きだったのでこの最後はとてもガッカリした。

逆にハヤテの両親周りは上手いこと描かれたと思う。

外道あん人間実際にいたらぶん殴るけど、初期から外道を綺麗に回収し、かつ落とし前をつけられたことを暗にほのめかされたのはよかった。

割とマジメにこの二人が出てきた当初は全然気づかなかった。

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冒頭に戻る。

こうダラダラ思ったことを書いていくと、「長かった」以外の言葉が見つからない。

ハヤテ同人編あたりから何がまずかったかのだろう?と考えると、「全体のプロットはよかったけど、各話がつまらん」だったのかもしれない。

特に同人編のプロットはマズかった。あれはせめて数巻でケリをつけるべき話だった。

一気読みすると、結果的には面白かったように見える。

しかし連載を追い続けていたり、単行本を追い続けているだけだと、「いつ終わるんだ」「風呂敷広げすぎ」と思うのも詮無いよなーと感じる。

現状のモデルとして、週間・月刊連載で人気を得続けるためには、少なくとも各話がある程度面白くないと読んでくれなくなる。

そのあたりがおざなりになってたのではないか

いやまあ、初期はこんなに長くなることは全く想定してなかったんだろうけどさ。

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…何か似たようなことを最近思ったなーと思い返すと、「うみねこのなく頃に」だった。

これも最近最後まで箱の中を描き切ったマンガ版を一気読みしたが、世間で言われているほどひどい話ではなかったと感じた。

問題半年に一度のリリースで待たせ続けたこと、Episode5になってもろくすっぽ話の根幹を進めなかったこと、そして最後のEpisode8の描き方に失敗したのが主原因だったんじゃないかと思う。

六軒島事件を解くミステリーだと思って読んでた人からすればガッカリどころじゃすまなかっただろう。

視点が入れ替わりすぎて読みづらいし。

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ハヤテに話を戻して。

もうハヤテの続きが描かれることはほぼないだろうし、アニメ絶対ないだろうし、原画展とかにも行きそびれたので今後思い出した時に触れることももほとんどなくなるだろう。

アド何とかも休載っぽいし、それが声優も終わったが、2018からの新連載はどうなることやら。

次のマンガはしっかり落としどころを決めてプロット作りこんで、2年~3年くらい(150話くらい、12~3巻くらい)で上手いことまとめて作ってほしいとは思った。

最後に。

そうはいっても青春時代は毎週ずーっと読んでたので。

しかった。楽しみですわとは言わんけど、頑張って面白いマンガ書いてほしい。

(俺が実際に読むかは知らんが)

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https://anond.hatelabo.jp/20171229190900 続きを書いた。

2013-02-18

海賊FMラジオのこと

※この話は実話を元にしていますが、あくまフィクションです。

大阪1994年の春頃。俺は15歳で高校受験の年だった。

当時は、勉強しながらよくラジオを聞いていた。友人たちがよく聴いていたのはAM放送のほうだったのだが、音質も悪くて、トーク主体番組が多い気がしてどうも性に合わず、俺はもっぱらFM放送を聴いていた。

あの頃の大阪FM放送といえば、5年前に開局した80.2MHzFM802が斬新な放送スタイルで一大ムーブメント形成しており、FMが流れている店は大体FM802チューニングされているといった風潮だったが、洋楽主体とはいえ基本的チャートインするようなメジャー楽曲ばかりを流す802は俺には物足りなかった。

なにしろその頃の俺はYMOを経て電気グルーヴを聴き始めた頃で「テクノ」と名のつく音楽に飢えていたからだ。

ネットもない時代サブカルに半分足を突っ込んだ引っ込み思案の中学生には情報もないし、それを補う行動力もない。しょうがないのでCDレンタルで、とにかくそれっぽい音楽を、BUCK-TICKカシオペア姫神、ようするにシンセが使われている音楽ならなんでもいい、といったところまでストライクゾーンを広げて、片っ端から聴いて、なんか違うよなあ、と思いつつ、飢えをしのいでいた。


そんな時、周波数75MHz付近ラジオ放送欄に存在しない局が存在することに俺は気づいた。

音質はかなり悪く、兄から受け継いだ馬鹿かいラジカセアンテナ限界まで伸ばしてようやく視聴可能というその謎のラジオ局は、だいたい19時頃から受信可能になり、深夜3時頃にぶっつりと止まる、明らかに海賊ラジオなのだが、俺はすぐさまその局に夢中になった。

なにしろ、その局は、俺が全く聞いたことも無いようなレイブテクノばかりをCMトークも無しにノンストップで延々と再生しつづけるという、まさに狂気ラジオだったからだ。


それからというもの、家に帰って飯を食うと、勉強と称してそのラジオを聞くのが日課になった。

そのうち、音楽の合間に海賊ラジオの主とおもわれる若い男のコメントが一瞬はさまれる事に気づいた。

彼は「○○MHzバンブーラジオ」とだけボソリとつぶやくとすぐに次の曲をかけた。

バンブーラジオレイブテクノの垂れ流し(いわゆる今は中古CD屋で100円以下で叩き売られているジュリアナコンピのようなノリと思ってもらえば良い)は、それほど当時の俺の嗜好に合っていたわけではなかったが、TUTAYAで借りたチックコリアよりはよっぽどテクノっぽかったし、中には心の琴線に触れるような名曲もあったのだ。

その度に俺は、この曲は何という曲なのか、どこに行けばこの曲が入ったCDを買えるのか、切実に知りたかったが、なにしろ曲名を読み上げもしないバンブーラジオなのだ。それを知ることはできなかった。

そんなある日、いつものようにバンブーラジオをかけると、珍しく人の声がした。おそらく生放送で、バンブーラジオ局の主とその友人とおもわれる若い男が二人で楽しそうに会話している。

会話は主が友人に海賊ラジオを始めるよう勧誘する内容で、

FM放送なんて簡単だって日本橋でパーツ買ってきて、ちょっと改造したらええだけやん。3万もあればできるで」

みたいなことを言っていた。俺は、個人FMラジオを開局するという、そのとんでもない発想に興奮し、乗り気でない友人に替わって、自分にその方法を教えてもらえないものか、とすら思った。


ダベリ放送は延々と続いていたが、日付が変わった頃、主が

「そうだ、リクエスト受け付けてみるか」

と言い、おそらく主の自宅の電話であろう、電話番号を読み上げた。

俺の胸は高なった。「同じテクノ好きな人間と話すチャンスかもしれない!」

電話番号をメモしたものの、しかし、実際に電話をかけるとなると、躊躇した。俺は無知なただの中学生で、しかも主のかける曲名、ましてやそのジャンルが何というのかすらまったくわからなかったからだ。(当時はディスコでかかるような曲、という程度の認識だった)

リクエストしようもないし、そもそも俺が知りたいのは、いつもかかる曲の曲名のほうなのだ

そんな質問をするために自分電話していいものか…さらに言うと、携帯もない時代に、固定電話のある真っ暗な居間に降りていって、見知らぬ、それも違法めいた事をしている男に電話をかけるというのも、何かすごく悪いことをするような感覚があった。もし電話しているところを厳しい母親に見つかったら、と想像すると、俺の興奮は急速に冷めていった。


ラジオの向こうの電話は鳴らなかった。

正確には一回だけ鳴ったが無言電話だった。もちろん犯人は俺ではない。

そのうち、主とその友人も飽きてしまって、元のノンストップ放送に切り替えた。

残念な気もするが、まあ、また機会もあるだろう、俺はそう思って納得することにした


バンブーラジオはその後も放送を続けていたが、やがて、いつもの時間でも休止していることが多くなり、放送があっても、まったく関係ない、違う個人運営ラジオ放送素人くさい女DJJ-POPトークの合間にかけるといったもの)を中継していることが多くなった。

季節は冬になろうとしていて、受験本番の日が近づきつつあった。

ある時、習慣でバンブーラジオラジオを合わせると、聞き慣れたレイブテクノが聞こえた。

ああ復活したんだな、良かった。

と俺は思い、そのまま聴き続けたが、合間にいつも主がはさむ「○○MHzバンブーラジオ」の名乗りに変化があった。

「○○MHzバンブーラジオ。今夜が最後です。」

俺は驚愕して、眠い目をこすりながら放送を聴き続けた。深夜2:00頃だろうか、音楽ふいにフェードアウトし、主のボソボソ声に切り替わった

最近忙しくて、ちゃん放送ができなくて申し訳ない。この放送は、○○(大阪地名から放送してるんですが、なんかどうも電波岸和田あたりまで届いてたらしいですね。どれぐらいの人が聴いてくれていたかは知りませんが、今までありがとうございました。」

放送を辞めるのは、神戸に引っ越すからで、そこでも放送を続けるかは正直わかりません。やりたいとは思ってますけど、設備問題もあるので。」

「ではそろそろお別れです。スイッチを切ったら、屋根アンテナ外して、これでバンブーラジオは本当に終わりです。」

そして、数秒のブザーの後、放送は止まった。ヘッドフォンからホワイトノイズが流れていた。


あの時、電話しとけば良かったなあと俺は少しさびしくなったが、実は、その時にはそれほど感慨はなかった。

なぜなら、俺は既に電気グルーヴテクノ専門学校シリーズを手に入れて、自分好きな音楽クラブテクノミュージックというものであることを知ることができており、またテクノ専門学校セールスがそれなりに良かったのか、ソニーミュージック海外インディーズレーベルを中心としたリリースラッシュAphexTwinBlack Dogデトロイトテクノアーティストなど)もあって、大きなCDショップに行けば、簡単に好きなテクノミュージックが手に入るようになりつつあった。

なので、好みの合わないレイブ系のラジオが終わっても、わりとどうでも良かったのだ。

それから1ヶ月もしないうちに、1.17 阪神・淡路大震災が起こった。

俺の家の被害はガスが止まったぐらいで大したことはなかったが、尼崎に住んでいた叔父一家被災するなどして、大混乱だった。親戚全員の無事が確認された後、俺が真っ先に思い出したのは神戸引っ越しバンブーラジオのことだ。

ラジオで読み上げられる無数の被災者の名前を聞きながら、俺はバンブーラジオの主の無事を祈ったが、もちろんそれを確かめ方法はなかった。


その後、志望校合格し、春から始まる高校生活を前に、期待と不安で宙ぶらりんになっていた俺は夢を見た。

大阪電気の街、日本橋入学祝いお金を握りしめて、FM放送のための機材を買いにいく夢だった。

何故か、ピエール瀧バンブーラジオの主が同行してくれて、俺に色々とアドバイスをくれる。

棚に並べられた、無線機の列を眺めながら、俺はこれから始めるFM放送の構想にワクワクしている。


目が覚めた。そして、朝日の中、それが夢だとわかった時、本当の寂しさが襲ってきた。

俺の好きな音楽を一緒に楽しめる友人は、本当は一人もいないのだ。

中学友達AphexTwinAmbient Worksを聞かせても曖昧な笑みを浮かべるだけなのだ。そんなわけのわからん音楽よりこれ聴けよ、と渡されたカセットテープにはボンジョビミスターBIGが90分詰まっている。trfじゃないだけマシだけど、俺にはこの良さがさっぱりわからないのだ。

同じように、誰も、誰一人、AphexTwinの初期アンビエント空気感や、カールクレイグの無機質なマシンドラムの良さなどわからない。

俺はどうしようもなく一人だった。そしてそれは、春から始まる進学校での高校生活でも同じだろう。いやもっとひどいかもしれない。

夢で訪れた日本橋無線ショップに、俺は1週間前に実際に行っていた。自分FM放送を始めればあるいは、と思ったのだ。

膨大な機材に圧倒され、マヌケにも「FM放送をしたい」と馬鹿正直に店員に告げた俺は、表情を一変させた店員に「それは犯罪からね。帰ってくれる?」と追い出されたのだった。


幸いクラブミュージックはその後、ファッション文脈を得て一大ムーブメントを巻き起こした。送信機の代わりにシンセを買って宅録するようになっていた俺にもその手の友人が何人もできて、俺は一人ではなくなった。

ブームが終わって、俺が挫折して、シンセを全部売り払った今でも、彼らとの親交は続いている。

彼らとたまに昔話をする度に、俺はバンブーラジオを思い出す。向こうは俺のことなんて知らないだろうけど、今でも俺にとってバンブーラジオの主は、音楽を好きになって最初に出来た頼もしい先輩で、そして大切な友人だからだ。


皆がオフラインになった冬の夜、決してチューニングできないどこかの周波数で、あのアッパーでどうしようもなく頭の悪いレイブテクノが、あの時のままノンストップで流れ続けている。

俺は、まだそういう夢を見ている。


追記:海賊放送と書きましたが、バンブーラジオが本当に違法だったのか、実は知りません。でも電波が飛んでる範囲からして、当時のコミュニティFMに許された範囲は超えていたように思う。あと、念の為書いておきますが、この文章違法行為を助長する意図はありません。不正電波ダメゼッタイ。いい子は各種法律守ってネットでやりましょう。

2008-07-27

ちょいケルオタが非オタ彼女にちょいケル世界を軽く紹介するための10本

まあ、どのくらいの数のちょいケルオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、

「オタではまったくないんだが、しかしちょいケルの童貞臭さを肯定的に黙認してくれて、

 その上で全く知らないちょいケルの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」

ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、アニメのことを紹介するために

見せるべき10本を選んでみたいのだけれど。

(要は「the most relaxing feel」「iamge」の正反対版だな。彼女アニメ布教するのではなく

 相互のコミュニケーションの入口として)

あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴うイベント、「芸能山城組ケチャまつり」「Sound Horizon Live Tour - 領土拡大遠征」などの参加は避けたい。

できればアルバム、1アーティストに1枚にとどめたい。

あと、いくらちょいケル的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。

ちょいケル好きが『JVC WORLD SOUNDS』もちょいケルだ!と言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。

そういう感じ。

彼女の設定は

ちょいケル知識はいわゆる「テレビまんがから流れてくる劇伴」を除けば、菅野よう子程度は聞いている

サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。

まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

PAINT THE SKY WITH STARS-THE BEST OF ENYAEnya

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「Enya以前」を濃縮しきっていて、「Enya以後」を決定づけたという点では

外せないんだよなあ。アルバムベスト版だし。

ただ、ここで「Enyaの姉がClannadというアイリッシュトラッドグループに参加して……」と言ってしまうと、「エロゲーオタ超キモイ!」と彼女との関係が崩れるかも。

この多重録音過多な作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の癒しポイント彼女

伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力ニューエイジ臭くなりがちなちょいケル暗黒部をできるだけスルーするという意味合いにおいて)」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

「月奏~ツキカナデ」-Ar tonelico hymmnos concert Side紅、「澪~ミオ」~Ar tonelico2 hymmnos concert Side.蒼~(志方あきこ等)

アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうなヒーリングミュージック(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの

という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには

一番よさそうな素材なんじゃないのかな。

「ちょいケルオタとしてはこの二つは“音楽”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

Comparsa - Deep Forest III(Deep Forest

ある種のちょいケルオタが持ってる自然への憧憬と、エリック・ムーケとミシェルサンチェーズのオタ的なサンプリングへのこだわりを

彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにもDeep Forest

童貞的なださカッコよさ」を体現するアフリカン・ヴォイス

童貞的に好みな女」を体現するリズムのいいシンセメロディ

の二要素をはじめとして、オタ好きのする要素を音楽にちりばめているのが、紹介してみたい理由。

Are You Shpongled(Shpongle

たぶんこれを見た彼女は「Hallucinogenだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。

この系譜の作品がその後続いていないこと、このアルバムに収録されていた「Divine Moments Of Truth」がFlash作品となって大人気になったこと

アメリカなら亜流が大量に発生して、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、

ちょいケル界隈でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

河童のクゥと夏休み オリジナルサウンドトラック若草恵)

「やっぱりちょいケルはアニメによく収録されているよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「地球少女アルジュナ

でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかける原の思いが好きだから。

ガムラン使いてーと言ってAKIRAで先につかわれくそー!と思ってもアルバムに収録されている「逃走」で使っちゃうっていう所が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、

その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。

クゥの長さを俺自身は冗長とは思わないし、もう削れないだろうとは思うけれど、一方でこれが

宮崎アニメ久石譲だったらきっちり自分の音楽の枠内にしあげてしまうだろうとも思う。

なのに、若草恵に頭下げて東南アジア楽器を取り入れた劇伴を作らせてしまう、というあたり、どうしても

「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえ原がそういうキャラでなかったとしても、

親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

Le mystere des voix bulgares(ブルガリア国立放送合唱団

今のちょいケル若年層で生のそのままのブルガリアン・ヴォイスを見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。

菅野よう子よりも前の段階で、ちょいケルの哲学とか女性ヴォイス技法とかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、

こういうクオリティの作品が民俗音楽として大昔にかかっていたんだよ、というのは、

別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくちょいケル好きとしては不思議に誇らしいし、

いわゆる「Zone of the Enders Beyond the Bounds - Theme from Anubis」でしかブルガリアン・ヴォイスを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

The VOICEKOKIA

KOKIAの「声」あるいは「歌詞づくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。

「終わらない祭を毎日生きる」的な感覚がちょいケルオタには共通してあるのかなということを感じていて、

だからこそテイルズ オブ イノセンス主題歌KOKIA姫神以外ではあり得なかったとも思う。

「祝祭化した日常を生きる」というちょいケルオタの感覚今日さらに強まっているとするなら、その「ちょいケルオタの気分」の

源はKOKIAなどの女性ヴォイスにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、

単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

Symphonic Suite AKIRA芸能山城組

これは地雷だよなあ。彼女がカネダーテツオーと騒ぎ出すか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。

こういうむき出しのエスニックミュージックをこういうかたちでアニメ劇伴音楽化して、それが非オタに受け入れられるか

ナカマーハシルーを誘発するか、というのを見てみたい。

涼宮ハルヒの憂鬱石原立也監督

サンホラとかルルティアくせーハルヒキャラソンとかあればゲラゲラ笑いながら聞きてーなぁ。

「駄目だこの増田は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。

こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。

 
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