はてなキーワード: 世論調査とは
何やったのか当時の反応を含め記憶が曖昧なので内閣支持率を元にトピックスを書きだしたやつ。
去年の8月にも書いたが最近の岸田内閣で支持率の変動があったので追記。
前月と比較して7%以上内閣支持率の増減があったときのみ書き出した。
最初は5%増減で書こうとしたけど時事を調べるのが面倒で無理だった。
トピックス以外の雰囲気を掴む為、次のようなものも合わせて記す。(適当に作った)
内閣支持率の出典
構ってちゃんの頭の悪い露悪的な創作だが、ワイはこういう事を言うやつを微塵も信用していないぞ
少なくとも狩猟や農業で自分が食う分だけなら自分でまかなっているヤツならまだしも、
先進国の、それも都会のもやしが、何を寝言を言ってやがるって話ですよ
ほんといいカモだし、サイコパスな事件を起こす土壌は何しても消えないんだね
今よりも命がずっと軽い時代でどの立場でもみんな生き汚かったし、
身内のこととなったら質問責めにするぞ
ワイ身内の医療従事者、婆ちゃんの治療方針についてめっちゃ口出ししまくるからウザがられてたし、
ガンの手術する時は身内が務める大学病院にさせてたぞ。なお今元気に暮らしてる
世の中には自虐とか皮肉を、生得的な知能の問題、生得的な常識構築能力の問題(いわゆる発達障害やサイコパス)で
真に受ける人たちがいるし、
知能や共感性に特別な問題がなくても、親や世界に大切にされなかった呪詛を社会的に経済的に成功しても吐き続ける人がいる
マジでこういう頭の悪い露悪的な創作はよした方がよろしいと思います。軽蔑する
それから頭の悪い学歴コンプな増田の創作はともかく、似たようなこと言ってる自称医者は嫌ならやめろ
そもそも残業も不正研究や日本の医者の怠惰(論文読まない・サブスペシャリティの放棄が許される)もヤベーし、
AIの活用もオンライン対応もヤベーし、もっと庶民に門をひらけばいいだけだろ
常態的に月80時間以上の時間外労働をしているのが公立に限定せず3割いるが
医師の時間外労働上限を適用して、2024年までにすべての医療機関で960時間以下の時間外労働を目指すみたいなのもあるけど、
それと同時に特例のケースは年間1860時間までOKとか言ってるからな
医師が普通の職より恵まれているのは事実だし「嫌なら辞めろ」ではあるが、
根本的な解決策は、給与が下がるのがイヤ・競争激化がイヤとか言わないで
医師の仕事の委譲(医療職種間の業務の相互乗り入れ、スキルミクス)、
ついでに勘違いがあるようだが日本のすべての病院は公共財だ。営利目的で開設出来ない。嫌なら辞めろ
〔開設許可〕
第七条 病院を開設しようとするとき、医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第十六条の四第一項の規定による登録を受けた者(以下「臨床研修修了医師」という。)及び歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)第十六条の四第一項の規定による登録を受けた者(以下「臨床研修修了歯科医師」という。)でない者が診療所を開設しようとするとき、又は助産師でない者が助産所を開設しようとするときは、開設地の都道府県知事(診療所又は助産所にあつては、その開設地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長。第八条から第九条まで、第十二条、第十五条、第十八条、第二十四条及び第二十七条から第三十条までの規定において同じ。)の許可を受けなければならない。
5 営利を目的として、病院、診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては、前項の規定にかかわらず、第一項の許可を与えないことができる。
あと、2023-03-27:はてブもついにここまで来たか(https://anond.hatelabo.jp/20230327115830#)へのトラバで書いたこと再放送しておきますね
○ 米国における自殺幇助 (Assisted suicide in the United States - Wikipedia )
https://en.wikipedia.org/wiki/Assisted_suicide_in_the_United_States
「当然のことながら、死の幇助の受容性は文脈によって異なります。2014年のComRes/Careの世論調査では、73%が
“末期の病気で、自分の人生を終わらせることを明確かつ確定した意思を宣言した英国の 知的 精神的 判断能力 がある成人が、
致死量の薬を自己投与して自殺をする支援を受けることができる” という法案の合法化に賛成しています。
しかし、これらの同じ人々の42%はその後、死の幇助に反対するいくつかの経験的な議論が強調されたときに、考えを変えました。
例えば、愛する人に負担にならないように彼らの人生を終えるように人々に圧力をかける 危険性のようなものです。」
オレゴン州尊厳死法(DWDA)の報告書によると、尊厳死を選択する患者の中には、終末期の懸念事項として治療費を挙げる者もいる。
anond:20231105103853 anond:20231105121811 anond:20231105122833 anond:20231105131112
反ポリコレ派の炎上はツイッター以降にすぎないので、正直、逆に思える
ポリコレ派が炎上した例なら、古くは「私作る人僕食べる人」のカレー広告があった
1990年代は同性愛者支援のベネトンがあったが、当時はエイズが新問題でネットブラウザもなく反ポリコレも存在しようがない
ブラウザ普及以降、むしろポリコレ派を炎上させる広告も増えている(男女差別や人種差別)
日用品、繊維、酒タバコなどの産業は、生活に密着しつつ軍需産業でもあるので、政治的プロパガンダや撹乱広告に使い易いと見られる
広告会社はもちろん世論調査会社であるから、広告自体も政治利用されるものである
1980 年代、心理学者のリチャード E. ペティとジョン T. カシオッポは、説得がどのように機能するかを説明する「精緻化尤度モデル」を開発した。ここでの「精緻化」とは、その情報をどれだけ注意深く考えるかという意味である。人々に注意深く考える意欲と能力がある場合、「推敲の可能性」は高くなる。これは、人々が関連情報に注意を払い、メッセージの議論の利点に基づいて結論を導き出す可能性が高いことを意味する。
他人を説得するには少なくとも2つの方法がある。最初の方法は「中央」ルートと呼ばれ、聞くメッセージを注意深く熟考することから生まれる。中央ルートが関与している場合、提示された情報を積極的に評価し、それが真実かどうかを見極めようとする。一方で「周辺」ルートが関与している場合、実際の情報やメッセージの内容以外の手がかりにさらに注意を払う。たとえば、誰かのメッセージの実際のメリットを考慮せずに、その人の魅力や教育を受けた場所に基づいてその人の主張を評価する可能性がある。
周辺ルートを通じてメッセージを受け入れる場合、中央ルートを通じてメッセージを受け入れる場合よりも受動的になる傾向がある。
有名な心理学者のスーザン・フィスクとシェリー・テイラーは、人間を「認知的守銭奴」と特徴付けている。彼らは「人間の情報処理能力には限界があるため、できる限り近道をするのです。」と書いている。
動機や議論を処理する能力が低下するにつれて、説得には周辺的な手がかりがより重要になってくる。
議論(中心ルート)の実際の利点を比較検討して信念を更新すると、周辺処理を通じて信念を更新する場合と比較して、更新された信念は持続する傾向があり、反論に対してより堅牢になる。慎重かつ思慮深い検討を通じて何かを信じるようになると、その信念は変化しやすくなる。
つまり、周辺ルートを通じてより簡単に操作される可能性がある。周辺ルートを通じて何かを確信している場合、操作者は周辺ルートをもう一度使用して最初の信念を変えることに成功する。
心理学者のレオン・フェスティンガーは、社会的比較プロセスに関する影響力のある理論の中で、人は自分の意見を他人の意見と比較することによってその意見の「正しさ」を評価すると示唆した。他の人が自分と同じ信念を持っているのを見ると、その信念に対する自信が高まる。
これらの考えを総合すると、人間の心の中には何らかのメカニズムがあることが示唆される。たとえそれが真実であっても、自分の地位を下げるようなことを言わないようにする。そして、たとえそれが嘘であっても、自分の地位を高めるようなことを言うように彼らを駆り立てる。
さらに、自身の評判がどうなるかという考慮が私たちの信念を導き、私たちの社会的地位を維持または強化するための一般的な見解を採用するように導くこともよくある。暗黙のうちに「この信念を保持すること(または保持しないこと)が社会にどのような影響をもたらすだろうか?」と自問する。
説得の周辺ルートに戻ると、多くの人がそれを信じている場合だけでなく、その信念の提唱者が権威ある人物である場合にも、何かを信じるかどうかを決定する。
オックスフォードの心理学者セシリア・ヘイズは、著書『認知ガジェット』の中で次のように書いている。彼らは、同じ年齢と性別の同じくらい身近な人よりも、大人が社会的地位が高いと考えるモデル、たとえば学校の校長を模倣する可能性が高い。
それでも、私たちが高い地位を持つ他人を真似するのは、彼らを模倣することで自分の地位が向上することを期待しているからだけではない。権威ある人ほど有能であると信じがちであるが、プロミネンスはスキルのヒューリスティックである。
研究者のアンヘル・V・ヒメネス氏とアレックス・メソウディ氏は、威信に基づく社会学習に関する最近の論文で、能力を直接評価することは「騒がしくコストがかかる可能性がある」と書いている。代わりに、社会的学習者は、モデルの外観、性格、物質的な所有物などから推測することによって、ショートカットを使用できる。
ここで、次のような疑問が生じる。周辺的説得による操作の影響を最も受けやすいのは誰か? 教育を受けていない人々のほうが操作されやすいと信じるのは直感的に思えるかもしれないが、研究によると、これは真実ではない可能性がある。
心理学教授のキース・スタノビッチは、「マイサイド・バイアス」に関する自身の研究について論じ、次のように書いている。「あなたはそれに属しているのは、それらはあなたの気質と生来の心理的傾向に適合しているからです。」
一流大学の学生や卒業生は、自分側の偏見に陥りやすい。彼らは「自分自身の以前の信念、意見、態度に偏った方法で証拠を評価し、証拠を生成し、仮説を検証する」可能性が高くなる。
アメリカのジャーナリストであり、『第三帝国の興亡』の著者であるウィリアム・シャイラーは、ナチスドイツの従軍記者としての自身の経験をこう語った。シャイラーは次のように書いている。「ドイツの自宅やオフィスで、あるいは時にはレストラン、ビアホール、カフェで見知らぬ人と何気ない会話をしているときに、一見教養があり知性のある人たちの突飛な主張に出会うことがあった。彼らがラジオで聞いたり新聞で読んだりしたナンセンスをオウム返ししているのは明らかでした。時には同じことを言いたくなることもあったが、まるで全能者を冒涜しているかのような不信感を抱かれた。」
同様に、ソ連崩壊に関する研究では、大学教育を受けた人々は高卒者よりも共産党を支持する可能性が2〜3倍高いことが研究者らによって判明した。ホワイトカラーの専門労働者も同様に、肉体労働者に比べて共産主義イデオロギーを支持していた。
今日の米国内のパターンはそのような調査結果と一致している。政治アナリストのデビッド・ショールは、「高学歴の人々は、労働者階級の人々よりもイデオロギー的に一貫した極端な見解を持つ傾向がある」と述べている。これは、問題に関する世論調査やイデオロギー的な自己認識にも見られる。大卒の有権者は穏健派であると自認する可能性がはるかに低い。
この理由の 1 つは、時間や場所に関係なく、社会の富裕層の方が地位を維持したり、地位をさらに獲得したりするために正しいことを言う可能性が高いためであると考えられる。
カリフォルニア大学バークレー校のキャメロン・アンダーソンが主導した最近の一連の研究では、社会階級が社会的地位への欲求と積極的に関連していることが判明した。より多くの教育を受け、お金を持っている人は、「他人の意思決定に影響を与えることを楽しんでいます」や「名声や社会的地位を得られたら嬉しいです」などの発言に同意する可能性が高かった。
ケイトー研究所がYouGovと協力して行った調査では、全米を代表する2,000人のアメリカ人サンプルを対象に自己検閲についての質問を行った。
その結果、高校教育以下の学歴を持つ人の25%が、政治的見解のせいで解雇されたり、雇用の見通しが損なわれることを恐れているのに対し、大学院卒の学歴を持つ人の割合は44%であることが判明した。
政治学者のジェームズ・L・ギブソンとジョセフ・L・サザーランドによる「口を閉ざす:米国における自己検閲のスパイラル化」と題された最近の論文の結果は、Cato/YouGovの調査結果と一致している。彼らは、自己検閲が急増していることに気づいた。マッカーシズムの絶頂期だった1950年代には、アメリカ人の13.4パーセントが「以前よりも自分の意見を自由に言えなくなったと感じている」と報告した。2019年までに、アメリカ人の40%が自分の意見を気軽に言えないと回答。ギブソンとサザーランドは、「自分の意見を言うことを心配している民主党員の割合は、自己検閲を行う共和党員の割合とほぼ同じで、それぞれ39%と40%である」と報告している。
この増加は特に教育を受けた層の間で顕著である。研究者らは次のように報告している。「自己検閲に従事する人々が限られた政治的資源を持った人々ではないことも注目に値し、おそらく予想外である…自己検閲は最高レベルの教育を受けた人々の間で最も一般的である…この発見は、以下のことを示唆している。社会学習のプロセスであり、教育を受けた人ほど、自分の意見の表現を妨げる社会規範をよりよく認識している。」
興味深いことに、教育が自分の権力意識とマイナスに関連していることを示す示唆的な証拠がある。つまり、教育を受けていればいるほど、「自分が意見を表明しても、自分の意見はほとんど揺るがない」「自分の考えや意見は無視されることが多い」といった意見に同意する可能性が高くなる。
ミュンスター大学のリチャード・ラウ氏が率いる「他者の最良または最悪の見方:一般化された他者認識の尺度」というタイトルの論文を考えてみる。
研究者らは参加者に、ソーシャルメディアのプロフィールや動画に登場する人物を評価するよう依頼した。参加者は、「この人が好き」「この人は冷淡だ」などの発言にどの程度同意するかを尋ねた。その後、参加者は自分自身についてのさまざまな質問に答えた。
高等教育は一貫して、人々に対するあまり肯定的な見方に関係していなかった。この論文は、「人々の感情、行動、社会的関係を理解するには、彼らが他者に対してどのような一般的な見方を持っているかを知ることが非常に重要です…人々がより良い教育を受ければ受けるほど、他者に対する認識は肯定的ではなくなります。」と結論付けている。
したがって、裕福な人々はステータスを最も気にし、自分にはほとんど力がないと信じており、仕事や評判を失うことを恐れており、他人に対してあまり好意的な見方をしていない。
つまり、意見は、その真理値に関係なく、ステータスを与えることができる。そして、自分の地位を維持したり高めたりするために特定の意見を表明する可能性が最も高い人は、すでに社会のはしごの上位にいる人でもある。
ともかく1年前、私たち楽観主義者は、現実に比べてデータが悪い数値を示している口実を探していました。いまはその逆です。悲観主義者たちが、データは誤った印象を与えていると主張しようとしています。ですが、その主張を通すのはどんどん難しくなっています。
——EBCの中期インフレ率目標は2%で、2025年のインフレ率は2.2%と予測されています。中央銀行の幹部たちはどこまで本気でこの0.2%にこだわると思われますか。
先のことについては、不確実なことが多いように思います。こうした予測は一貫して間違ってきました。インフレについては楽観しすぎで、雇用については悲観しすぎる傾向にあります。2.2%の予測を真に受けるべきかどうかというと、私はそうは思いません。自然利子率については明らかに不透明な部分が多いものです。
米国の場合、労働市場のデータや実体経済の状況を考えると、インフレ率が下がったことにそれほど驚きません。私が驚くのは、現在の金利で、いま以上の景気減速に至っていないことです。
インフレ率2%にこだわるべきか
——経済はこれまでのところ、うまく持ちこたえています。でも、この流れが行き過ぎるのを懸念されませんか。
インフレ率を2%に戻すには、いまより高い失業率が必要かもしれません。でも2%に戻すことは、そんなに重要でしょうか。セントラルバンカーたちは、「2%に戻せなければ自分たちの信頼に傷がつく」と思っています。たぶんそれは正しいでしょう。そして彼らはこうも信じています。「自分たちの信頼性はとても重要だ」と。でもたぶんそれは正しくありません。
重要なのは、「実体経済」であって「市場」ではありません。インフレとの闘いの上で「中央銀行の信頼性」が重要な要素だというセントラルバンカーたちの考えを立証するデータは実際、存在しません。
もちろん彼らの行動は経済に大きな影響を及ぼします。けれども「市場の彼らに対する信頼性が鍵を握る」とする信念は、彼らが思う以上に正当化できないものです。もし、あなたが中央銀行の総裁なら、あなたの一語一句に注目する金融関係者と一日中、話すことになるでしょう。けれども価格や賃金を決めるのはウォールストリートでも、ロンドンのシティでもフランクフルトでもありません。その意味でも、中央銀行の信頼性がどれほど重要かは、私には確信が持てません。
——彼らが、何百万件もの住宅ローンに影響が及ぶ金利を設定しても?
変動金利型住宅ローンの問題は、欧州では一種の歴史的なアクシデントなのではないかと思います。米国の住宅ローンの大半が15年か20年の固定金利である事実は、(金利の変化の)間接的な影響を防ぐのに役立っています。
——日欧米の中央銀行の総裁たちはポルトガルのシトラで開催されたフォーラムで、賃金上昇について警告しました。企業利益をめぐって何が起きているのでしょう。
「企業利益」のほうが「賃金」より伸びています。このため「賃金上昇」がインフレを直接牽引しているわけではありません。「企業利益」と「賃金」の伸び率の差のすべてではないにしろ、その一部は、市場支配力による搾取を反映しています。この状況を生み出した要因の1つは「強欲」でしょう。でも主な要因ではないと思います。
また賃金があまりに急速に上昇している場合、インフレを抑制することはできません。このような場合、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が賃金に注目するのは正しいと思います。賃金は、経済の過熱具合を監視する1つの指標だからです。そして賃金の急上昇は、ユーロ圏の経済が依然として過熱していることを示しています。
——国際的な機関は各国政府にインセンティブの廃止を呼びかけています。財政面ではどうすべきなのでしょう。
欧州の状況についてはわかりませんが、米国では、インセンティブは事実上すべて廃止されました。別の時代の、別の政治状況下であれば、いまこそ一時的な増税で需要を抑制するときでしょう。でもそのようなことは、起きません。
——増税ですか?
はい。米国では1967年と1968年にそのような増税が実施されました。リンドン・ジョンソン大統領が、インフレを抑える目的で一時的に所得税を上げました。いまでは考えられないことです。
——スペインでは7月の総選挙の際に、右派が減税を訴えていました。
そうですね、低税率は長期的には経済成長を刺激するという偉大なる“ゾンビ的思考”が存在します。欧州のすべての国は、米国よりずっと手厚い社会的セーフティーネットを備えています。これは概して良いことです。そうしたセーフティーネットが働く意欲を削いでいるようなことはありません。就労率は現在、高いですからね。
では現実的に見て、財政縮小はどうすれば実現するのかというと、支出はたいてい良いことのために使われています。増税は政治的にほとんど不可能です。ですから当面の間、すべては金融政策にかかっています。
——1970年代の世界的なインフレの危機のあと、米国では調整がおこなわれました。今回も同様の流れとなるのでしょうか。
米国のインフレ率は約9%から3%まで下がったものの、失業率はまったく上昇していません。ですから70年代のインフレのときとはぜんぜん違います。このため、このまま何もせずに乗り切れるのではないかと私は結構、楽観しています。この度のインフレを70年代のそれと重ねるのは無理があります。
いいえ、実際には米国ではその逆のことが起きました。インフレは貧しい人たちにより深刻な打撃を与えると誰もが考えるものです。でも実際には米国では、高所得者層より低所得者層の賃金の伸び率のほうが大幅に大きい状況が見られました。このため米国ではコロナ禍で格差がかなり縮小しました。1980年代以降、広がった賃金格差の4分の1くらいを回復できました。これは相当です。インフレ率を超える収入の伸びを経験したのは実際、賃金が最も低い労働者たちでした。
——でもスーパーで物価の上昇を一番、実感するのは低所得者では?
確かに、そうです。けれども、それはインフレが、食品価格やエネルギー価格に大きく反映される間のことです。食品もエネルギーも家計に占める割合が大きな品目ですからね。このため食品価格やエネルギー価格の上昇によるインフレが起きている場合、格差は拡大します。けれどもエネルギー価格は現在、ぐんと下がっています。また食品価格も米国では下がっています。
——人々は常に「問題は経済だよ」と言ってきました。でもスペインでは経済活動は活発化しており、雇用も増加していて、インフレ率も2%未満です。にもかかわらず、5月末の統一地方選挙で有権者は与党を評価しませんでした。私たちはいま、経済が最大の関心ごとではない、別の方向に向かっているのでしょうか。
そうかもしれません。米国では、昨年11月に中間選挙がありました。経済が極めて悪い状態にあったため、共和党が地滑り的な勝利を収めるだろうと誰もが思っていました。でもそうはなりませんでした。
スペインの世論調査がどのような傾向を示しているかは知りませんが、米国では妙なことが起きています。人に経済的にどんな調子かと尋ねると「結構いい感じだよ」と答えます。けれども国の経済はどうかと尋ねると、「ひどいね」と答えるのです。ですから本当に不思議なことが起きています。人々の実感は、経済的な現実とかなり乖離しているようなのです。
——スピーチのなかでソーシャルネットワークやメディアの影響力に言及されました。
米国には、さまざまな事柄についてポジティブあるいはネガティブな報道に触れたかを尋ねる調査があって、たとえば「雇用」に関してだと、こんな具合です——雇用ブームのなか、労働市場への新規参入者が月20万人から30万人いたにもかかわらず、多くの人が、見聞きしたニュースの大半は「悪いものだった」と答えたのです。その一因は情報操作です。米国には「フォックス・ニュース」があり、党派的なメディアもありますからね。
——その一方で「気候変動は存在しない」と主張するメディアがある。でもあなたがいらっしゃるスペイン北部はこの猛暑で……。
ええ。マドリードはもっと暑いんですよね。妻はテキサス出身なのですが、そこでは郵便配達員が倒れて、なかには亡くなった人もいます。とんでもない世の中です。
長期にわたる個人的な付き合いがあるポルトガルについてのほうが詳しいのですが……。でもスペインは比較的、良い状態にある国の1つだと思います。2010年代はじめの債務危機がいかに深刻だったかを思えば、経済は持ち直しました。なかにはかなり状況が悪化している国もあります。ドイツは、実際には人々が思っている以上に深刻な状態にあると思います。スペインはそれほどではありません。