2022-04-25

船舶事故遺体が見つからない場合

北海道で観覧船が沈んだ件で、遺体が見つからんかったら7年間は保険下りなかったりするのかな?

と思って調べてみたんだけど、これって2パターンあるっぽいんよね。

 

民法第30条(失踪の宣告)

2 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする。

船舶が沈んだ時に船内にいた人間の生死がわからない場合は1年で死亡扱いになる。

ちなみに『前項』っていうのは生死不明人間は7年で死亡扱いにできるという項。

 

戸籍法第89条(に基づく認定死亡)

 水難、火災その他の事変によつて死亡した者がある場合には、その取調をした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。但し、外国又は法務省令で定める地域で死亡があつたときは、死亡者本籍地市町村長に死亡の報告をしなければならない。

戸籍法第89条に基づいて自然災害で生死が不明(だけどほぼ死亡が確実な場合)各官庁は該当者の死亡を認定することができる。各官庁が探索をおおよそ終えて、見つからなかったけどこれで打ち切りですとした時点で認定される。

遅くてもだいたい3か月くらいで認定されるっぽい。

震災なんかの場合はこっちで死亡認定されることが多いらしい。

東日本大震災ときもっと簡易な超法規的措置がとられたとのこと。

 

色々見てみるとどちらが採用されるかは「どれくらい死亡が確定的か」で変わるらしい。

多分今回の場合は、発見された人がほぼ全員死んでいるので見つかってない場合認定死亡が採用される。

 

後者認定死亡の場合は「生存証明された」時点で死亡認定を取り消すことができるが、

前者の失踪宣告の場合は「生存証明された」としても裁判所で「失踪宣告の取消し」を行って

失踪宣告が取り消されるまでは死亡状態は解消されない。

 

ちなみに、死亡が取り消された場合、死亡したことによる相続離婚は取り消される。

ただ、想像した財産使用してしまっていた場合は残ってる分を返すだけでいいし

遺族が再婚してた場合は、死亡前の婚姻関係は復活しない。

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