はてなキーワード: マヨネーズとは
原作はきくち正太。老舗料亭を舞台に和食見直すという内容で、スポンサーは味の素。
原作付きドラマの常で、放映中は原作派とドラマ派の言い争いが発生。確かに印象的な話が飛ばされていたりニコイチになってたりで寂しい部分もあるが、原作を知らなくてもきちんと楽しめるいい作品になったかなぁ、と思っていた。最終話のくだりまでは。
原作は「世の中で鰹節と呼ばれているものは本物(完成品)ではない」という話が連載中だったが、話の途中で連載が止まっており結論は見えていない。しかし味の素がスポンサーであることを考慮するとドラマの結末は以下のどちらかに落ち着くのではないかと思っていた。
しかし制作陣は最悪のカードを切ってきた。最終話に向け原作通りに出汁の話を展開してきたのである。さすがに原作派ドラマ派で喧嘩している場合でなくなり、「どうなるかわからないけど、まずは最終話を待ちましょう」と展開を見守ることになった。
そして最終話。内容は「マヨラーはよくない」、しかもマヨネーズを出せないのでケチャップにするという、斜め下すぎる展開に。これに原作派ドラマ派共に「あの最終回はないわー」と大団円。無事ドラマは黒歴史となったのでした。
元からあってないような気力で来たものの、俺と弟は少し憂鬱になっていた。
とはいえ、うっすら分かっていたことだし、大して気落ちはしない。
それに、ここに来た理由はもう一つある。
なんなら、こっちがメインといってもいい。
そう、あの駄菓子屋だ。
「あ、マスダも来たんだ」
「もう来ないかと思ったぞ」
「ワイは来ると思っとったで」
「カン先輩も来てたんですか」
「引越し手伝いの“ついで”や」
なんとなく察しがついた。
今の俺たちにとって、この駄菓子屋は“わざわざ”行かなければ辿り着けない場所だ。
かといって、わざわざ行くようなものでもない。
かくいう俺たちもそうだったから分かる。
「ふん、どっちが“ついで”なんだか」
「お互い様やろウサク。それに、自分らも“これ”が気がかりで来たクチやんか」
しかも普通のタコせんではなく、タコ焼きの入った「真・タコせん」だ。
どうやら、みんな考えることは同じらしい。
早速、俺たちも頼むことにした。
オバチャンが慣れた手つきでせんべいを取り出し、ソースを塗りたくっていく。
ガキの頃に見た光景と同じだ。
違うのは、その過程にタコ焼きを乗せ、もう一枚のせんべいで挟み込むという工程が入っていること。
「ほい、200円。こぼさないよう気をつけな」
弟は小躍りしながら真・タコせんを受け取った。
欲しくても手が出せなかったが、今じゃその安さに驚くほどだ。
世の中はモノの値段が全体的に上がっていると聞くが、それでもなお安いと感じる。
「これが真のタコせんかあ」
俺も食べ物を前に、ここ数年で最も気持ちが高揚していた気がする。
「いただきます」なんて省略だ。
俺たちはすぐさまタコせんを頬張った。
「……うん」
「まあ、美味い……」
しかし、俺たちの憧れは儚かった。
美味いのは間違いない。
少なくとも不味くないのは確かだ。
問題は味のクドさであり、半分も食べたあたりになると少し飽きてくる。
あと、サンドしているにも関わらず、思っていたより食べにくい。
せんべいが割れないようにしつつ、揚げ玉などがこぼれないよう食べるのに気を使う。
それに、タコ焼きを抜きにしても気になることはもう一つあった。
「あー、それワイも思た」
どうやらカン先輩たちも同じことを感じていたらしい。
なんだか以前と味が変わっている。
せんべいなのか、ソースなのか、マヨネーズなのか、揚げ玉なのかは分からないが、とにかく何かが違う気がしたんだ。
「ずっと同じだよ。せんべいもトッピングも全部市販のやつだし、ここ数年で味を変えたって話も聞かない」
「本当に? 実はこっそり変えたとかじゃなく?」
「仮にちょっと変わったとして、それが分かるほどアンタらの舌は繊細なのかい。ましてや久々に来たくせに」
つまり、俺たちの記憶違いか、味覚が変わったってことなのだろう。
昔の記憶にすがるほどの思い入れはないが、そのギャップ差に軽くショックを受けた。
「ま、ちっちゃいの頃の憧れなんて、そんなモンなんやろうな」
あの、当たりつきの奴だ。
「カン先輩、それって……」
「知っとるか、マスダ。駄菓子の当たる確率は、全て数パーセント以内と決まっとるらしい」
「はあ、そうなんですか」
「つまり週一でこの菓子を数個買ったとしても、当たりにはまず巡りあえないわけや。巡りあえたとして、その程度の確率では総合的なコスパはイマイチ。あの頃のワイは、この菓子にまんまと踊らされてたっちゅうこっちゃ」
こちらの言いたいことを知ってか知らずか、カン先輩は流暢に語りだす。
まさか、わざわざ調べたのだろうか。
それほどまでに当たらなかったの根に持っていたのか。
「そこまで分かっているのに、また買うんですね」
「言いたいのはな、こういうのは当たるとかハズレるとか前提で買うもんちゃうってことや……ちっ」
そう達観したようなこと言いながら、先輩は微かに舌を鳴らした。
どうやらハズレだったらしい。
「『無欲になれば当たりやすくなる』って本に書いとったのに」
「それ、ロクな本じゃないですよ」
『ハテナ学童』と書かれたトタンの看板が、今まさに取り外されようとしている。
あの駄菓子屋も、そう遠くないうちにこうなるのだろうか。
「“終わりの始まり”……か」
ウサクが言うには、学童での決まりも近年で色々と変わったらしい。
「正直、こうやって看板が降ろされるのを見ても、なんだかあまり感慨深くないんだ。上手く言えないけど」
タイナイはそう呟く。
答えこそしないが、俺も同じだ。
この時の気持ちをありきたりな是非で語るのは陳腐で的外れに思えた。
酷い思い出があったってわけでも、良い思い出がなかったってわけでもない。
宙ぶらりんのような状態だ。
ちゅーぶらりん……チュー……。
「そういえばタイナイ、せっかく来たのにあれは食わないのか。『チューチュー』とかいうの」
「ああ、あれね……僕がいつも食べてたメーカーのは、もうないらしいんだ」
「そうなのか、それは……残念だな」
「似たような商品はあるし、それほど残念でもないよ。売ってないのを知った時も“あ~、そうなんだあ”って感じだったし」
ハテナ学童がなくなるのと同じで、案外そういうものなのかもしれない。
結局のところ俺たちができるのは、漫然と“そういうものがあった”って覚えておく位だ。
弟はというと、ボロボロに崩れたタコせんをどう食べるかで未だ苦戦していた。
そのために、かなりアウトローなやり方に手を染める者もいる。
「なんか最近、砂糖の減りが早い気がする……お前ら、こっそり舐めたりしてないだろうな?」
「さすがに、そこまで意地汚い真似はしないよ」
「クチャクチャ……せやせや、虫に食われてんちゃう?……クチャ」
特にカン先輩のやっていた方法はえげつなかったので、今でも記憶に強く残っている。
「カン先輩、さっきからずっとガム噛んでますね。もう味しないでしょうに」
「いやいや、まだするよ。甘い甘い」
「“甘い”?……カン先輩の噛んでるのって、甘さがそこまでない奴だったんじゃ……」
「あ……いや、ちゃうねん。アレや、『お前の考えが甘い』って意味の“甘い”や」
なんと、学童にある砂糖をガムにまぶして、味の延命を図っていたんだ。
そんな感じで、俺たちは思いの思いのやり方でオヤツを楽しんだ。
「オバチャン、タコせん頂戴」
そのせんべいにソースを塗りたくり、マヨネーズをかけ、最後に揚げ玉をふりかけて提供される。
いま思うと、「タコのせんべい」だからじゃなく「タコ焼きみたいなトッピングのせんべい」だから「タコせん」って呼ばれていたのかもしれない。
「ソースは二度塗り、三度塗りやろ! 串カツちゃうんやぞ。マヨネーズと天かすも、もっとかけーな! ケチくさいなあ」
カン先輩の態度はちょっとアレだが、トッピング増しの要求は学童全員やっていた。
なにせこれ一つで手持ちがなくなるんだから、ちょっと図々しくなっても仕方ない。
「あ~、やっぱ天かす多い方がええな」
「その点は同意ですが、『天かす』じゃなくて『揚げ玉』って呼んだ方がよくないです? “かす”って言葉じゃあ響きが悪い」
「なにがアカンねん。『駄菓子』って言葉にも駄目の“駄”が入ってるやん。上品ぶらんと、ちょっと下品なくらいがちょーどええねん」
“下品なくらいがちょーどいい”
俺たちが食べる、トッピング増し増しのタコせんは見た目も味も下品だった。
本来のせんべいの味なんてしない、上品なんて言葉とは無縁の代物だ。
だが、それに比例して満足感も上がる。
俺たちはそれでよかったし、それがよかったと言ってもいい。
「それに、言葉の響きとか言うたら『揚げ玉』も金玉の“玉”やん」
「えー……、その理屈はともかく、だったら揚げ玉って呼ぶのも良くないですか?」
「なんでや、“天かす”やぞ? “天のかす”やぞ? 『腐っても鯛』と同じってことや」
「違うと思います。それに、先輩の最初の言い分から少しズレていっている気が……」
しかし下品だとしても、俺たちにとってタコせんは贅沢品だった。
飴玉ひとつを勿体ぶって舐めている間に、せんべいはなくなってしまう。
買うには多少の思い切りが必要なんだ。
だから食べる時は自然と口数が多くなり、どうでもいい話をして、コスパだとかいったものから目をそらすようにしていた。
だが、それでも“情念”は頭をもたげてくる。
「あ~あ、“このタコせん”でこの美味さだったら、“あのタコせん”はどれほどなんだろ」
通常のタコせんに更にタコ焼きが加えられている、憧れの存在だ。
「マスダ弟ぉ、その話はすんなって前に言うたやろ」
「でも気になるんだもん」
「それは皆同じなんだよ。でも気にしたってどうしようもないだろ」
挟んで食べるなんて夢のまた夢だった。
結局、俺たちはあの「真・タコせん」を食べないままティーンエイジャーになった。
今だったら、食べようと思えば食べられる。
だが、未だ手つかずだった。
あの時の憧れは嘘じゃないが、なぜか今は食べたいと思えなかったからだ。
卵が先か鶏が先かなどはどうでもいい。
鶏は美味いし卵も美味い。
そんなことよりも明星一平ちゃんにおいてついてくる小袋、ソース、ふりかけ、マヨネーズ。
この順番が問題だ。
どっちが正解なのかいつも悩むので毎回あやふやになってしまう。
このほうが見栄えとしてはいい。インスタに撮るときはそうする。
ただし、ソースとマヨネーズをかけたあとによく混ぜてからふりかけをかけたほうがマヨネーズの混ざり具合が良くなる気がする。
全部混ぜるってのはちょっといただけない。ふりかけに関してはまだらにかかっていたほうが味に変化があって美味しいからだ。
味変を優先するならふりかけだけかけて普通に食べはじめてから後半にマヨネーズを投入するという技もあるがそれだとマヨネーズがトゥーマッチだ。
とても悩ましい。
4月1日から2年目のザ・平成生まれペーペー社畜だけど同期男子のセクハラが異常だもん。
一見常識わきまえた世代に見えるかもしれないけど、あいつら横の繋がりに限れば容赦なく酷いことやってくる。
同期の陽キャ女が彼氏とのセックスや過去の性体験について楽しげに語らえるタイプだからって調子乗って、クソ男どもは地味目で大人しい女の子にもセクハラしてるぞ。
ウインナーにマヨネーズつけたのくわえさせてキャッキャキャッキャ大笑いしたりして。
世代間の違いなんて大してないよ。
コミュ力採用やったらエンジニアですらこれだもん。大手広告代理店とか入社式で大規模乱交パーティーでもやってんじゃないのか?