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はてなキーワード: ガロアとは

2020-09-02

anond:20200827182934

ユークリッド幾何学学校で教える必要がある

公理から初めて論述によって命題を示すという手法現代数学の基本

代数微分積分などは計算だけできれば解けてしまうが

ユークリッド幾何学では厳密な論証を学ぶことができる

公理から論述命題を示す手法現代数学の基本であって

もしユークリッド幾何学を学ばなければ抽象代数学などが理解できなくなることは明らか

現代数学である群論ガロア理論公理から初めて命題を導く

微分積分などだけを教えていると群論ガロア理論などが理解できなくなってしま

ガロア理論では作図が主に扱われるからユークリッド幾何学応用になっている

から元増田の役に立たない論は明らかに間違い

ユークリッド幾何学はまず中初等教育において論述を教える題材として適している

代数などはただの計算であって厳密ではないがユークリッド幾何学公理から始めて曖昧さな命題を示す

これは現代数学の基本であって群論ガロア理論を学ぶ際に必要能力

代数では多項式とは?集合とは?などが厳密に説明されていないがユークリッド幾何学には曖昧さは無い

ユークリッド幾何学が扱う題材は図形であって初等教育にも馴染みやす

現代数学を厳密に展開するには公理集合論まで遡らねばならないが

ユークリッド幾何学公理中学生でも理解できて完全

このような条件を満たす単元は他には無い

群論ガロア理論などの抽象代数学はユークリッド幾何学の考えを継承している

これらが確立されたのは18世紀であり微分積分などはそれよりも大分昔の理論から厳密性がない

ユークリッド幾何学現代数学モデルであるから論述を教えることができる

群論ガロア理論対称性を扱う数学対称性とは回転や相似変換などの一般化だから

やはりユークリッド幾何学を学ぶことは群論ガロア理論を学ぶことに役立つ

特に群論では、群の正規群(特異点を持たない群)による商で対称性を分類する

この割り算にはユークリッドの互除法アルゴリズムを用いることができるからユークリッド幾何学の応用になっている

群論の一部であるリー群ではユークリッド空間の回転である直交群を扱うからこれもユークリッド幾何学が直接役に立つ

ユークリッド幾何学では公理から始めて命題証明するがこれは現代数学の基本

群論ガロア理論もこのスタイル継承していてユークリッド幾何学を学ばないと抽象代数学が理解できない

ガロア理論ユークリッド幾何学と同様に、対称性公理から作図可能性を論ずる

これはいくつかの公理から始めて可能な手順の組み合わせを厳密に論述することで様々な図形を作図していく

ヒルベルト提唱した円積問題などもこの応用であって、現代数学において極めて重要

ユークリッド幾何学公理から始めて論述のみによって命題証明する

これは現代数学の基本であってガロア理論ヒルベルト理論などがその手法を受け継いでいる

これは現代数学において極めて重要

代数微分積分はただの計算であって論述を教えていないか

ユークリッド幾何学をやらないと抽象代数学などを理解できなくなってしま

ガロア理論は作図を扱うからユークリッド幾何学知識必須

代数などでは計算しかやらず概念定義曖昧だがユークリッド幾何学論述には曖昧さが一切無く

ユークリッド幾何学は図形を扱うから中高生にも理解やす

初等教育論述を教える題材として適しており他にこのような条件を満たす題材は無い

2020-06-17

数学面白い」などと言う妄言

こんなことを言っている連中のうち、大学以降で学ぶ数学理解してる奴は1%にも満たないだろう。残り99%強は以下の2種類に分類されると思う。


前者は、たとえばフェルマーガロアラマヌジャン等の「逸話」が好きなだけとか、「数学の○○という分野が✕✕に応用される」みたいな話が好きなだけな奴である

こういう連中は数学に限らず、どこにでもいる。プログラミング等の具体的なスキルは無いが、技術トレンドを知ることでITぶってるような奴。率直に言って、私はこういう奴が嫌いだ。

あとは、数学的な内容が全く無いわけではないが、「0.999... = 1になるのは不思議」とか「Fibonacci数列の比が黄金比収束するのは神秘的」みたいな、どうでもいいようなことにいつまでも夢中になってる奴。

プログラミングで言えば、Hello worldとかFizzBuzzなどに、「感動」を覚えているよく分からない奴である。まあ、知能が低いのだろう。

後者については、まあ好きな人はそれでいいと思うが、単純に、私は全く面白いと思わない。

中学高校入試などに出てくる図形問題は、出題者はまず間違いなく余弦定理などを使って答えを求めている。そのような問題のうち、上手いやり方を思い付くと小学校範囲で解ける問題が出題されるわけだが、いい大人がそんなもんやって何が楽しいのか甚だ疑問だ。

プログラミング世界でも、競技プログラミングというものがあるが、同じ理由で楽しさはよく分からない。

2020-05-30

宇宙際タイヒミュラー理論理解できない数学者って

ガロア群論とか提唱され始めた頃の圏論を「説明不十分で理解できないから、もっとわかりやすく書き直して欲しい」と一蹴した馬鹿教授立場と全く一緒だよね?恥ずかしいよねきっと後世の笑いものだよね?

2020-04-03

ABC予想ってこういうこと?

数学者ガロア群だ!」

数学者「環から次元を分離!自由度上昇!」

数学者パイロット、テータリンクよし!」

数学者マルチラディアル表示!」

数学者「遠アーベル幾何を保持!」

望月「行ける!宇宙際!タイミュラー!」

ABC予想「グッ…!まさか…この俺まで証明プルーフ>されるとは…フェルマーポアンカレ…」

ズズゥーン…

望月やれやれ…ったくお前ら、査読に8年も掛かるとはな。だが…」

数学者「言うな。分かってる」

数学者「へへっ」

数学者「小生の計算では〜この先も難解な問題が〜あぁぁ〜」

数学者「うふふ」

数学者「おいおい、このくらい楽勝ってか?勘弁してくれよぉ」

望月「ああ。まだまだ解ける」スッ

望月「俺の理論セオリー>ならな」

次の問題も、ソルブ---!

2019-02-18

anond:20190217100150

そうかぁ?(モーツァルト

まだまだ。(メンデルスゾーン

うーん.... (ガロア

はぁ? (J.S.ミル

なるほど。(オイラー

で?  (ガウス

2018-09-02

anond:20180902103608

整数論専門院卒、非数学者です。

まずは

1. ガロア理論

2. 楕円曲線

の二つについて理解することを目標にされるといいと思います

この二つは19世紀以前の数学最高峰であり、また現代数学の多くの分野に関連することから、IUTを目標としない人でも学ぶ価値のある理論だと思います

またIUTでは楕円曲線ガロア理論を用いて数の加法乗法構造を調べるというようなことをしています

以下では、上の二点についてもう少し詳しく説明してみます

1. ガロア理論

ガロア理論方程式を解くということを群という対称性を用いて理解するものです。これを用いて5次方程式の解の公式の有無や作図問題などの古典的問題解決されました。これを理解するためには代数学特に群や体について基本的な事を学ぶ必要があります

さら整数論に関わるものとして、p進体などを学んだ上で類体論勉強なさるのがよいと思います。p進体では(普通対数関数と同じように)log定義することができ、これはIUTでも重要役割を果たします。類体論特別場合として円分体のガロア理論理解すると、例えばガウスなんかの整数論の話もより深く理解できると思います

2. 楕円曲線

楕円曲線は楕円関数論をある種代数的に扱うようなものです。楕円関数というのは、三次式の平方根積分でこの積分を表すために導入された関数です。19世紀数学でかなり研究されたものですが、これについては複素解析という複素数平面上で微積分をするということについて理解する必要があります

さらにその後の発展として、リーマン面や基本群、ホモロジーといった概念が考えられました。基本群やホモロジーというのはトポロジーという分野で研究されているものですが、数論幾何でも重要役割を果たします。

上の二つの話は独立したものではなく、相互に関連しあうものです。例えば、基本群とガロア群はある意味では同じものだと観ることができます。このような視点を持って整数研究をするのが数論幾何という分野です。

まとめると、まずはガロア理論目標として代数基本的なこと、楕円関数目標にして複素解析を学ぶのが良いと思います

これは同時並行に進めることをお勧めします。

上に書いたようなことは数論幾何を専門にするなら学部生ぐらいで知っている話です。これらを踏まえてIUTにより近い専門的な内容を学んでいくのが良いでしょう。私もその辺りについて詳しいことは言えないのですが、例えば京都大学の星先生の書かれたIUTのサーベイをご覧になってみるのが良いのではないでしょうか。

ガロア理論って何の役に立っているの?

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ガロア理論

グロタンディークガロア理論において古典的ガロア理論は次のように理解される。K上のエタール代数はアフィンスキームSpec(K) の上のエタール層を表しており、

埋め込みK → K sep に対応する射 Spec(K sep) → Spec(K) が表す「点」でのファイバーをとることに対応する関手 FK sep: A → HomK(A, K sep)が、

同値 : Spec(K) 上のエタール層の圏 EtK≡ G が連続的に作用する集合の圏 BG をひき起こしている。また、絶対ガロア群はこのファイバー関手自己同型群として実現されており、

特定公理を満たしている関手 {\displaystyle \operatorname {F} _{K^{\mathrm {sep} }}:\operatorname {Et} _{K}\to (\mathrm {Sets} )} からガロア群を復元できることが分かる。

また、上の圏同値によって、体 K上の ガロアコホモロジーは、Spec(K) 上のエタール・コホモロジー理論同値となる。

これ、中二病適当に書いた文章じゃないんでしょ?

この理論は何を作るとき必要なの?

This is a pen位簡潔に説明してほしい。

2018-01-31

こんなんどれも5秒で思いつくだろ

ラクショーすぎるわ

16 ガーデニング アリスと蔵六職業花屋

20 海外ドラマ ラブライブ元ネタ

22 ウクレレ おじゃる丸ウクレレさん)

24 数学 アリスSOS問題)・仮面ライダービルド必殺技

41 ジャグリング カレイドスター(頻繁に登場)

42 切り絵 FGO(マシュ◯◯◯ライト

48 ルービックキューブ ファイ・ブレインキュービックガロア

49 バルーンアート ジョジョSBR(まだアニメ化してない世界だがアニメ化するのはほぼ確定の世界から問題ないはずの世界だ)

52 漬物 ボボボーボ・ボーボボ(けものはいものものはいない)

57 人間観察 ピーピングライフ名前の通り)

63 アロマ プリパラ(ありょま~)

64 スキー 艦これ(ただしスキー水上でやる)

65 ハーモニカ ふたつのスピカ見上げてごらん夜の星を

70 歴史 げんしけん2(そもさん!せっぱ!)

76 フルート キノの旅(出て来る回はだいたい神回になる)

77 盆栽 バンドリ(金髪の子可愛そう)

78 バードウォッチング ガンダム(手の空いている者は左舷を見ろ)

79 パントマイム ガラスの仮面恐ろしい子!)

81 スケボー クラシカロイドモツ

83 そば打ち てーきゅう(ごめん。うどんだった。まあ誤差みたいなもんでしょ)

84 ペン回し CCさくらペン(ギン大王)回し)

89 リフティング サンリオ男子(さっき見たから)

90 フラワーアレンジメント アリスと蔵六(よく考えたら花屋ガーデニングって似て非なるもんだわメンゴメンゴ)

91 キャンドル ポケモン(なんかそんなのいたはず)

92 切手集め ジョジョ4部(切(った)手)

94 ダム巡り ∀ガンダムダムガンダムダムでありその歴史を巡っている∀ガンダムは実質ダム巡り)

98 ジグソーパズル 宇宙兄弟ふたつのスピカと迷ったけど同じネタ2回は流石にね)

99 ペーパークラフト R.O.D

100 ステンドグラス まどマギ(なんかそんな演出合った気がする)

よっし俺の勝ち!

執筆時間 1500秒

2017-10-22

anond:20171022133643

いや、ゴキブリだとあまりに親近性がない。猫であればあまりシュレディンガーの化猫とかいう曲作られて、それをネタにまた創作が広がるから猫でいい。

シュレディンガー先生と、ガロア先生は、むしろネタ的に有名になりすぎてるなぁという感がする。

そのうちどこかのソシャゲで出てくるだろう。

2016-05-31

Tehuが天才扱いされたのは中国の陰謀でも何でもない

なにかとおさわがせなTehu君。

彼は中学生時代入門書レベルのしょうもないアプリを作っただけでマスコミから天才扱いされ、急激に露出を増やしていった。

そのため、中国政府華僑などが中国人の影響力を上げるためにTehuという天才祭り上げたのではないか、という陰謀論もある。

事実、彼は小学4年生と偽り国政に介入し、一国の首相から最も卑劣行為とまで言われるだけの事件を起こしたことがある。

しかし、Tehuがマスコミ天才扱いされたのは陰謀でも何でもなく、本当にマスコミがTehuを天才だと思ったからだと考える。

本当の若い天才というのは、例えばフランスガロアとか、若くして数学界で実績を作ったような人間である

ガロアの実績は、数学プロ40歳、50歳までかかっても全員がたどり着けるものではない。

こういうのが本当の天才だ。

Tehuの実績というのは、中学生が作ったから「そうなんだぁ。えらいねぇ、がんばったねぇ」と言われるれだけで、

20歳、30歳で同じようなものを発表しようものならば、失笑どころか精神病扱いされるレベルである

プログラミングできる人からすればね・・・

このプログラミングできる人、というのが問題である

次の記事を読んでいただきたい。

なんと、プログラマーとして応募してきた200人中199人がコードを全く書けないというのだ。

http://www.aoky.net/articles/jeff_atwood/why_cant_programmers_program.htm

であれば、プログラムとは無関係マスコミの連中は1000人に一人か1万人に一人ぐらいしかプログラムを書くことができないかもしれない。

本当にマスコミの連中には、Tehuが天才に見えたのだ。

これがTehuにとっての不幸の始まりだった。

彼はマスコミ無知が産んだ犠牲者なのだ・・・

2016-04-02

数学のわかりやすい本ですら、高校数学の知識は知ってる前提で進んでいく

エジプト時代区分求積法あたりからくそ丁寧教えてくれる解析学とか、

二次方程式の解の公式から丁寧にガロア群とか教えてくれる教本ってないよなあ。

 

高校数学時点で手に入る前提知識だけでもかなり多いから、いちいちカバーしてられないってのもあるし、

多少数学に興味のある人がだいたいの人は高校数学程度は知ってるってことなんだろうなあ。

2014-08-15

早稲田大学勉強するための場所でないことは事実

http://anond.hatelabo.jp/20140814201458

だって早稲田行く人って、結局東大京大に行く学力がなかった人たちでしょ?

東大京大といったって年に5000人くらい合格するわけだし、その中で研究者になれるのはほんの一握り。

その東大京大にも行けなかった時点で、これから勉強続けても先は見えてる。

早稲田のような大学役割勉強させることではなくて、人脈やコミュ力をつけさせて就活を有利にすること。

就職予備校的な側面を馬鹿にして、自分はちゃんと勉強をしたいんだ、学生の本分は学業だろ、と主張する早大生には

「思い上がるのもいい加減にしろ。お前は早稲田しかからなかった時点で学問を究めるのには向いてない」と言いたい。


元増田オススメ文章

青春ガロアアーベル

http://www.ritsumei.ac.jp/se/~takayama/MathEssays/galois.html

2014-04-15

「『数学ガール ガロア理論』第10章」の解説

数学ガール ガロア理論』の第10章(最終章)がそれまでの章に比べて難しくて挫折するという感想がけっこうあるようなので、その補足的な解説を試みます。『ガロア理論』第10章はガロアの第一論文を解説しているので、解説の解説ということになります

定理4までと定理5を分ける

10章でおこなわれるガロアの第一論文の説明は、

と進んでいきますが、ミルカさんはその途中で何度も、ガロアの第一論文テーマが「方程式代数的に解ける必要十分条件であることを確認します。

なぜ何度も確認するかといえば、最後定理5(方程式代数的に解ける必要十分条件)以外は、一見したところでは「方程式の可解性」に関わることが見て取れないので、途中で確認を入れないと簡単に道に迷ってしまうからでしょう。定理2(≪方程式ガロア群≫の縮小)や定理3(補助方程式のすべての根の添加)は、目的方程式を解くときに利用する補助方程式に関わる話ですが、やはり定理を見ただけでは「方程式の可解性」との繋がりはよく見えません。

そこで逆に、いったん「方程式の可解性」の話から離れて定理5を除外して、それ以外だけに注目します。

方程式の可解性」から離れて見たとき定理1から定理4までで何をやっているかというと、

ということ(ガロア対応と呼ばれます)を示していますミルカさんの言葉を使えば(p.362)、体と群の二つの世界に橋を架けています

この体と群の対応関係を図で見ると、10.6節「二つの塔」の図(p.413、p.415、p.418)、あるいは

http://hooktail.sub.jp/algebra/SymmetricEquation/Joh-GaloisEx31.gif

http://f.hatena.ne.jp/lemniscus/20130318155010

のようになります(この体と群の対応関係は常に成り立つわけではなく、第8章「塔を立てる」で説明された「正規拡大」のときに成り立ちます)。

体と群に対応関係があること(定理1~定理4)を踏まえて、定理5を見ます

方程式代数的に解く」というのは「体の拡大」に関係する話です。

方程式の係数体から最小分解体まで、冪根の添加でたどりつくことが、方程式代数的に解くことなのだ」

(第7章「ラグランジュ・リゾルベント秘密」p.254)(ただし、必要なだけの1のn乗根を係数体が含んでいるという条件のもとで)

そこから、「体と群の対応」を利用して、方程式の解の置き換えに関する「群」の話に持っていくのが、定理5になるわけです(なお「方程式を解くこと」と「解の置き換え」が関係していることは、すでに第7章に現れていました)。

「≪群を調べる≫って≪体を調べる≫よりも(...)」

「いつも楽とは限らない。でも方程式の可解性研究のためには、群を調べるほうが楽だ」

(第10章「ガロア理論」p.394)

「解の置き換えの群」を定義したい

ここまでの話で、定理4までで行いたいことが「≪体の世界≫と≪群の世界≫の対応関係」だということが分かりました。

しかしこの対応を示すためには、まず、この対応関係における≪群の世界≫というのがいったい何なのかをきちんと定義しないといけません。

≪体の世界≫というのは「体の拡大」で、これは8章「塔を立てる」で説明されています

一方、その「体の拡大」に対応する「群」は「方程式の解の置き換え方の可能な全パターン」なのですが、これが正確にどんなものなのかは10章以前には定義されていません。

「解の置き換え方」であるための必要条件

(以下、4次方程式の例をいくつかあげますが、面倒なら流し読みでさらっと進んでください)

たとえば一般3次方程式では、解α、β、γの置き換え方は全部で6通り(3×2×1)あります(第7章p.252)。同様に考えると、一般4次方程式では、解α、β、γ、δの置き換え方は全部で24通り(4×3×2×1)あることが分かります

ところが、x4+x3+x2+x+1=0という4次方程式を考えてみます。これは5次の円分方程式です(第4章「あなたくびきをともにして」)。

x5-1 = (x-1)(x4+x3+x2+x+1)なので、この方程式の解α、β、γ、δは1の5乗根のうちの1以外のものだと分かります。したがって、解の順番を適当に選ぶとβ=α2、γ=α3、δ=α4という関係が成り立ちます

これについての解の置き換え方を考えると、αを、α、β、γ、δのうちのどれに置き換えるかを決めると、それに連動して、β、γ、δがどの解に置き換わるかも自動的に決まってしまます。たとえばαをβ(=α2)に置き換えると、(β、γ、δ)=(α2、α3、α4)は、

(β、γ、δ) = (α2、α3、α4)

↓ αをβに置き換える

2、β3、β4) = ((α2)2、(α2)3、(α2)4) = (α4、α6、α8) = (α4、α1、α3) = (δ、α、γ)

となるので、

(α、β、γ、δ) → (β、δ、α、γ)

のように置き換わります。αの置き換え方は4通り(α、β、γ、δの4つ)なので、この4次方程式x4+x3+x2+x+1=0の解の置き換え方は次の4通りとなります

(α、β、γ、δ) → (α、β、γ、δ)  = (α、α2、α3、α4)

(α、β、γ、δ) → (β、δ、α、γ)  = (α2、α4、α6、α8)

(α、β、γ、δ) → (γ、α、δ、β)  = (α3、α6、α9、α12)

(α、β、γ、δ) → (δ、γ、β、α)  = (α4、α8、α12、α16)

あるいはx4-5x2+6=(x2-2)(x2-3)=0 という方程式を考えます。解は√2、-√2、√3、-√3の4つですが、この場合「√2と-√2の置き換え」や「√3と-√3の置き換え」は許されますが、「√2と√3の置き換え」は許されません。

なぜかというと、(√2)2 -2 = 0、という式を考えると分かります。この式で√2を√3に置き換えると、左辺は(√3)2 -2 = 1となり、一方、右辺は0のままです。このような等式を破壊してしまうような解の置き換え方は認められません。そのため、可能な解の置き換え方は4通りになります。ただし、4通りの置き換え方のパターン(解の置き換えの「群」)は、5次円分方程式ときの4通りの置き換えパターンとは異なっています。(α、β、γ、δ) = (√2、-√2、√3、-√3)と置くと、可能な置き換え方は

(α、β、γ、δ) → (α、β、γ、δ)  = ( √2、-√2、 √3、-√3)

(α、β、γ、δ) → (β、α、γ、δ)  = (-√2、 √2、 √3、-√3)

(α、β、γ、δ) → (α、β、δ、γ)  = ( √2、-√2、-√3、 √3)

(α、β、γ、δ) → (β、α、δ、γ)  = (-√2、 √2、-√3、 √3)

となります

では、「認められる置き換え方」であるためにはどのような条件を満たす必要があるのかというと、それは

  • 「解の置き換えをおこなうとき、解は、共役元のどれかに移らなければならない」

というものです。つまり解θの最小多項式f(x)とすると、解の置き換えをしたときに、θはf(x)の根θ1、...、θnのどれか(この中にはθ自身も入っています)に移らなければなりません。この条件を満たしていれば、等式に対して解の置き換えをおこなっても、等式が破壊されることはありません。

簡単な場合帰着させる

解の置き換えであるための必要条件が出ましたが、この条件だけではx4+x3+x2+x+1=0のときのような、解の置き換えで複数の解の動きが連動しているような場合をどう考えればいいのかは、まだ分かりません。x4+x3+x2+x+1=0のときは一つの解の動きを決めれば他の解の動きが決まりましたが、方程式によっては解の間の関係もっとずっと複雑にもなりえます

しかしそれは、たくさんの解を一度に考えるから解の間の関係が複雑になって混乱するのです。

もしもx4+x3+x2+x+1=0のときの解αのように、ただ一つの解の動きだけを考えて全ての置き換えが決まってしまうならば、話はずっと簡単になります

そして、その「一つの解の動きだけを考える」ようにしているのが、

です。

体に注意を向けたほうがいい。添加体を考えれば、補題3の主張は一行で書ける」

K(α1、α2、α3、...、αm) = K(V)

(10.3.3節「補題3(Vを根で表す)」p.369)

これによって、「解α1、α2、α3、...、αmの置き換え」ではなく、ただひとつの「Vの置き換え」だけを考えればいいことになります

これと、解の置き換えの必要条件「解の置き換えをおこなったとき、解は、共役元のどれかに移らなければならない」を合わせると、「解の置き換え方の可能な全パターン」とは、「Vから、Vの共役への置き換えのうちで、可能なものすべて」となります

そして補題4(Vの共役)は、「Vの(共役への)置き換え」をすると、もとの多項式f(x)の根α1、α2、α3、...、αmの間の置き換えが発生するという性質を述べています。つまり「Vの置き換え」によって「方程式f(x)=0の解の、可能な置き換えが実現される」わけです。

この考えにもとづいて「解の置き換えの群」を定義しているのが、定理1(≪方程式ガロア群≫の定義)の説明の途中の、10.4.4節「ガロア群の作り方」です。

(ガロアは正規拡大の場合にだけ「解の置き換えの群」を定義したので、正規拡大のときの「解の置き換えの群」を「ガロア群」と呼びます)

体と群の対応関係証明する

前節で、証明のかなめとなるVと「解の置き換えの群」が定義されました。Vの最小多項式fV(x)の次数をnとすると、次が成り立ちます(最小多項式は既約で、既約多項式は重根を持たないので、Vの共役の個数は最小多項式の次数nと一致することに注意する)。

  • K(α1、α2、α3、...、αm) = K(V) の拡大次数はnである
  • (Vの共役はちょうどn個あるので)「解の置き換え方の可能な全パターン」の個数は、n以下である

※1 考えている体K(V)に含まれない数へのVの置き換えは「解の置き換え」には認められないので、「解の置き換え方の個数」と「共役の個数」は一致するとは限りません。

※2 「最小多項式」は8.2.8節「Q(√2+√3)/Q」と8.2.9節「最小多項式」で説明されていますが、最小多項式が既約であることと一意に決まること(8.2.9節p.282)は、定義(可約と既約)と補題1(既約多項式性質)から証明されます

そして、

  • K(V) (=K(α1、α2、α3、...、αm) ) が正規拡大の場合、「解の置き換え方の全パターン」は、ちょうどn個ある(なぜなら、正規拡大ではVの共役がすべてK(V)に入っているため、VからVのどの共役への置き換えも「解の置き換え」として認められるので)。

したがって正規拡大のときには、

  • K(α1、α2、α3、...、αm)の拡大次数 = 「解の置き換えの群」の要素数 = n

という等式が成り立ちます。この関係が「体と群の対応」の第一歩目になります

このとき(つまり正規拡大のとき)、

が成り立ちます。実のところこの性質1と性質2は

  • ≪体の塔≫と≪群の塔≫の一番下の段が、互いに対応している

ことを主張しています

そして定理2(≪方程式ガロア群≫の縮小)と定理4(縮小したガロア群の性質)で、

  • ≪体の塔≫と≪群の塔≫の中間の段が、互いに対応している

ことを主張しています

定理3(補助方程式のすべての根を添加)と定理4で、

ことを主張しています

このように定理1、定理2、定理3、定理4によって、体と群の対応が示されます

定理5(方程式代数的に解ける必要十分条件)に進む

方程式代数的に(つまり冪乗根によって)解けるかという問題は

と言い換えられます。そして、

  • 「1の原始p乗根が最初から係数体Kの元にあるとする」(p.403)と、Kに冪乗根「p√a」を添加したK(p√a)は、Kの正規拡大になる

ので、「適切な冪乗根が存在するか」という問題は「適切な正規拡大が存在するか」という問題になり、体と群の対応により

という問題になります。この「適切な正規部分群があるかどうか」をもっと詳しく正確に述べたのが定理5です。

まとめ

まとめると、第10章の流れは次のようになっています

  1. 補題1(既約多項式性質)
  2. 補題2(根で作るV)、補題3(Vを根で表す)
    • すべての根α1、α2、α3、...、αmの添加を、ただひとつの要素Vの添加に帰着させる。
  3. 定理1の説明(10.4.4「ガロア群の作り方」) + 補題4(Vの共役)
    • (添加したVを使って)ガロア群(「解の置き換えの群」)を定義する。
  4. 定理1(≪方程式ガロア群≫の定義)、定理2(≪方程式ガロア群≫の縮小)、定理3(補助方程式のすべての根の添加)、定理4(縮小したガロア群の性質)
  5. 定理5(方程式代数的に解ける必要十分条件)

それでは改めて第10章を読んでいきましょう。



(追記: 数式の間違いの指摘ありがとうございます。訂正しました)

2012-12-07

http://anond.hatelabo.jp/20121207163455

ガロアとか二十歳で死んでるからな…

俺が80歳くらいまで精進してやっとガロアの8歳くらいの頃のレベルに到達するんじゃないかと思ってる

2012-06-18

http://anond.hatelabo.jp/20120618003912

朝倉数学史叢書の「リーマン論文集」と、同じく「アーベル/ガロア 楕円関数論」を持っているよ。

読んだ順序は「アーベル/ガロア 楕円関数論」→「リーマン論文集」だけど、素人自分には読みこなせなかった。

昔挑戦してみたから今やってみるとまた違った理解が得られるかも知れない。

思い出させてくれてありがとうあなたのおかげで勉強するモチベーションがあがったよ。

2010-04-29

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51438687.html

小飼弾すごいな、まがりなりにも数学物理学に造詣が深けりゃあ、

「そのときにはなんの役に立つか、本人にも誰にもわからなかった」が、

現代科学技術文明に多大な功績がある数学理論物理理論なんか両手に余るほどあるのもわかると思うんだがなぁ。

リーマンアインシュタインガロア説明責任を求める気か?

「かつてはそれでもよかったが、今はそんな時代ではない」というのなら、

自己満足のための研究なんか自費でやればいい」理論も「そんな時代ではない」と言えるんだし。

それと、説明責任と奇麗事を言っているだけで、実態は「絶対権力者である仕分け人が万能感を味わうための肥料

であることにまったく触れようともしないってのはいったい見識なんだろこの人。

検察弁護人が論戦して裁判官が決める、っていう構図ならともかく、

検察が一方的に判決を下す権限を持つ裁判で「弁護人からの弁護も聞くよ」ってのがいったい何の意味があるのかと。

2010-03-07

数学者の言う「エリート」とは秀才ではなく天才である

http://anond.hatelabo.jp/20100307133147

森毅は「数学者」だったということを考慮に入れなかったために起きた勘違い

数学者の言うエリートとは要するに「天才」のことで、

天才というのは

群論を生み出し20歳で死んだガロア

「乗ってきたタクシーナンバーは1729だった。さして特徴のない、つまらない数字だったよ」

これを聞いたラマヌジャンは、すぐさま次のように言った。

「そんなことはありません。とても興味深い数字です。それは2通りの2つの立方数の和で表せる最小の数です」

実は、1729は次のように表すことができる。

1729 = 12^3 + 1^3 = 10^3 + 9^3

すなわち、1729が「A=B^3+C^3=D^3+E^3」という形で表すことのできる最小の数であることを、ラマヌジャンは即座に指摘したのである。

という狂った逸話の残るラマヌジャンのような人間が想定されている。

はなから一般人がマネできるような生き方ではないのだ。

2009-09-20

http://anond.hatelabo.jp/20090920184007

だから、「みんな数学が苦手」と言えるくらいに、理科社会国語英語も苦手なの。

理科は数理科学を含むのであれですが、社会国語は、教えられて理解できない人はそういないでしょう。

英語は脳の言語処理ネットワーク最適化の問題があるから別ですが。

義務教育の時点で、社会ができないというのは単に覚えていないだけであって、教えればその瞬間くらいは記憶してるわけです。

ところが数学の場合、現役で教えられてる状況ですら、どんなにがんばっても理解できないという人がかなりいるわけです。

とまぁここまで書いて思ったのは、数学の場合積み重ねが必要だから、というのはあるんですかね。

社会ならいきなり近代史に行ってもそう問題は無いけど、数学の場合いきなり微分やるわけにはいかんわけで。

そうすると、教育の比較的初期で数学が理解できる人とできない人の差は何かっていう話になるわけですが…。

別に自慢にも何もならないですが、俺の場合小学校代数学(算数)で困ったこと全く無いんですよ。

物心つく前は算数博士(笑)とか呼ばれてたらしく。

それは俺の脳が初期状態で言語脳内ネットワークのような何か変わった構造を持ってたりしたってことなんですかねえ…。

それとも単に「積み重ね」効果によって初期状態の微妙なバラツキが指数関数的に拡大するようなスケールフリー構造があるってだけのことですかね。そんな気もしてきました。たとえばガロアみたいな超天才の世界では別の構造があるとは思いますが。

2008-04-14

けだし、ガロアアーベルだと騒ぐのは、ずいぶんミーハーな心構えであって、 こんな調子で大学生活を送る学生は、「もぐりの数学者」にはなれても、立派 な数学者になれる事は少いのではないかとも思う。私の周囲の人で、立派な数 学者になっている人は、数学者の伝記ではなく、数学そのものに惹かれて数学 の道に入っているようである。高校時代にKleeneのIntroduction to metamathematics を読んで面白かったとか、ブルバキセミナーのセミナリーノー トシリーズ高校時代の愛読書であったとか、大学回生のとき、某大先生大学院生のための集中講義を聞きに行って「こりゃあ面白い」と思ったとか、 物理に進むつもりだったのが、友人につき合って岩沢健吉の「代数函数論」を 読んで、そのまま数学にはまってしまったとか、そういう人が偉くなっているようだ。 考えてみれば、当り前の話だとも言える。

http://www.ritsumei.ac.jp/se/~takayama/MathEssays/galois.html

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