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はてなキーワード: 人月とは

2022-12-06

弊社、ブルックスの法則にすべて当てはまる

大炎上必至

半世紀以上こすられ続けた人月神話はいつのまにか人月神話神話なっちまった

2022-11-30

時給換算って意味あんのかな

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/digital-shift.jp/flash_news/FN221129_1

はてブで時給換算で金額が低すぎると話題になってた。

発注側ができないような高等な作業だけど受注側からしたら1日で終わるような作業があるとする。

これを1人月作業だと見積もって100万ふんだくることだってできるし、世の中そういうのは少なくないと思う。

10分で終わる作業を2時間かけてやったことにしたら時給1000円でも実質時給1.2万円。もちろん不当に高い額を請求するのは良くないがそういうのがあるのを思うとクラウドソーシングの時給換算ってそんなに意味がないように思う。

2022-11-26

anond:20221125154142

増田元増田イメージしているフリーランスと実際のITフリーランスはだいぶ違うぞ

ブクマカはやべーこと言ってそうだから見てない

 

ただ元増田のここだけは非常に同意である

ちなみにそういう外注敵視してたり、要求レベル無駄に高くてすぐクビにするようなところほど募集を多くかけている(anond:20221125112915)

 

ガチギーク天才もいるけどエンジニア99.9999999999999999%はただのリーマンから基本的に働きたくないのよね

なので外部からできるヤツ・仕事する気があるヤツが入ってきたら、そら意地悪も業務外しするよね

自分自身の席がなくなっちゃう or のらりくらり働けなくなっちゃもの

 

逆にコネ営業力だけで入ってきた『この人いったい何やったら出来るんや?』って人も

給与やっすいプロパーから見たら面白くないので軋轢は生まれやすいよな

商流が深かったり・微経験・へっぽこでもまぁ最低月単価60万以上は取るしな

 

なので夢見すぎなのはITエンジニア以外の人たちとなる

 

ちなみに縁もゆかりもない人にITフリーランスを分かりやす説明すると、ガチの腕利き・営業上手以外は、

実質的ちょっとだけ給与のいい(何があっても年商600〜700万以上は取れる)

派遣だと思えばいいと思います、フツーの事務派遣みたいなの想像していいよ

特に理由もなく若い子欲しがるところも一緒

 

多少、縁がある人に説明すると企業SESに払っている単価がITフリーランスに直接払われると思えば良い

商流の闇に飲み込まれていない限り、どんなへっぽこでも企業人月80〜100万くらいは払ってるので

まぁ妥当じゃないでしょうか

 

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追記:意外や意外、あのブクマカがそこそこフツーのこと言ってた

いつものはいつも通りヤベーが

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20221125112915

2022-11-23

マイナンバーのおかげでワンストップ申請ネット回線越しに一瞬で出来た!

って話にはならねえんだよなあ……結局ずっと前に発行した時に「6桁パスワードは後回しで」みたいな話になったから設定して無くて慌ててコンビニでやったわ。

コンビニでやったんだからいいじゃんで終わるなら良かったけど、実際にはその前にマイナンバーPW申請アプリと1時間格闘してんだわ。

写真がぜんぜん読み込まねえ奴な。

ほーんまクソ。

みずほのも政府のもクソ。

ペイペイはなんか上手くいったんだよね。

これが何を意味しているかわかる?

無能が作ったアプリゴミアプリアイディアは正しいけど、下請けに端金で発注しすぎ」ってことだよ。

はーほんまつっかねえ……徹頭徹尾これだわ。

アイディアはいい。

下請け頼む先のレベルが低すぎ。

しかもどうせ元請け結構かい所で普通にそれなりに金取っていってんだろ?

はーほんま終わってますわな。

この社会はそこが終わってるんだよね結局。

こういう話すると「下請けになるような技術力が無いくせに起業するカスが~~~」という話にすり替えるやつがいるが、そもそもそういう時は孫請けの辺りが社内の無能を集めてゴミ業務引受チームを作るから結局カスが安い給料でやるんだよ。

そういう「安い人月人間を生み出す仕組み」が本当に悪いってより、そこに「全ての尻拭いを責任を持って行うリーダー」がいねえわけで、居たとしても全業務負担を背負う給料に見合ってねえ。

まりは多重受けにおける取り分が多すぎるんだわな。

はぁ~~~~~~マジカス~~~~~休日ワンストップなんてやるんじゃなかったわ。

スッゲー嫌な気持ちになったね。

仕事中にでもコッソリやればよかった

2022-11-11

anond:20221111121537

要は騙して金取ってるんじゃん。

そのビジネスの不健全性に気付いたユーザーが多いからDXと言われているのでは?

どんな商売でも明朗会計健全でしょう。

 

実際スタートアップ~中堅では、見積からCRMからERPまでクラウドと自社開発で完結しているところが増えている。

人月商売は90~2000年代ITに当てはめてできたビジネスモデル。

そろそろ時代的にも変革がやってくるのはしょうがない。

あとユーザーITネイティブが増えてきて、「よくわからいからやっといて」という丸投げの馬鹿ばかりじゃなくなってきているということもある。

B2Bシステムでは、

開発したもの利用者にもたらす利益の大きさから販売額を決めるべきなんだけど、

実際はそうできないことが多いでしょ。

一人で1か月かけて作ったものは、1人月100万で売ってねって言われちゃう

そいう売り方しかできないから、仕方なく、

一人で1か月で作ったものでも、3人で作ったことにして300万で売ることにする。

これは会社が生き残るためには仕方ないでしょ。

anond:20221111115108

B2Bシステムでは、

開発したもの利用者にもたらす利益の大きさから販売額を決めるべきなんだけど、

実際はそうできないことが多いでしょ。

一人で1か月かけて作ったものは、1人月100万で売ってねって言われちゃう

そいう売り方しかできないから、仕方なく、

一人で1か月で作ったものでも、3人で作ったことにして300万で売ることにする。

これは会社が生き残るためには仕方ないでしょ。

2022-10-17

anond:20221015204847

趣味としてのそれら活動否定するわけではないが、中途半端Webサービスとかゲーム作ったり競プロやるくらいなら、興味ある分野の本の通読の方がよっっっっぽどためになるし、筋肉のように自分の身に付くよ。

個人によって実装力には差があるから一概には言えないものの、つよつよプログラマは「0.6人月から大したもの作れないかも」とは言わないのではないか判断した。つよつよなら、自分のやりたい作業に対して最低限必要時間くらい分かる。

興味ある分野がないなら、強い静的型付けの関数型プログラミング入門とかどう。浅井健一著「プログラミングの基礎」でも読んだら。演習をやればゲームも作れるし。新刊の「コンピュータを操る」は情報科学的な考え方(プログラミング的思考と言われがちなもの)を押さえつつブロックプログラミングを紹介してるから自分勉強だけでなく子供教育のためにもなるよ。

2022-10-15

ひと月有給取るんだが

時間あったらなにがしたいですか?」

何かアイデアくれ。

子供いるので泊りがけの一人旅とかは無理。仕事IT系仕事は嫌いだが何か作るのは好き。読書は嫌い。多少金がかかってもいい。

今考えてるのは

なんかアイデアないですか。できれば消費系より生産系の方がうれしい。「3か月だったら○○あるのにな~」とかでもいい。

2022-09-27

デザイナー「え、ボタン一個追加するのに0.5人月もかかるんですか?」

SEぼく「じゃあお前がテストケース書いてくれるか?」

2022-09-02

anond:20220902092144

その「支援」が難しいか宗教二世のブチギレとか育児フェミニストとか発生してるんやで

そもそも子供ってのは最初の6か月だけは最低でも「24時間働く奴隷人月」を要求するし(下手すると70歳くらいまで飯風呂寝るの引きこもりを演じるし)それを「主婦実態育児出産で体を損なっている病人)」に「愛情」っていう建前であたりまえにおしつけて無料労働搾取することでようやく日本人は「働ける」んだから

2022-08-30

昔の人ってどう考えても賢いよな


物の本質について

www.amazon.co.jp/dp/4003360516

昔の人ってどう考えても賢いと思う。今の知識人と比べても知性のレベルが高い。

上の本は、ニコニコ動画奇書紹介で取り上げられてたから読んでみたけど、驚愕したわ。

原子存在を、当時の学問水準で完全に予見してしまっている。ほかにも、万物の総量は常に変化しないとか、物には意思は宿らないとか、音や匂いや色は目に見える物質と比べて丸くて軽いから早く飛ぶんだとか、なんかもう色々と驚きだった。

※我々は物質から常に飛び出ている原子を観ているとか、太陽や月が地上からの見た目とほぼ同じ大きさだと主張していたり、ツッコミどころもあるにはある。

で、そういう生活に密着した科学や、人間とは世界とは何かを考える哲学も当然そうなんだけど、ここでは恋愛結婚システムを語ってみたい。

恋愛強者3割理論

https://news.yahoo.co.jp/byline/arakawakazuhisa/20210918-00258826

先日このヤフー記事を読んだ。「なるほどなるほどー!」となった。要約すると、大昔から自発的恋愛できる男は全体の3割しかおらず、残りの7割は自分から女に声をかけにくいというものだ。

何百年以上前の昔の人って、どう考えてもわかってたよな。恋愛強者3割理論を。だからお見合いというシステムを作って、特に村落なんかでは性的な繋がりについて、子ども若者フツーに生きてるだけでも学べる(若者の中の年長組が年少組に指南する。江戸時代若者組)仕組みを作ったんだよな。

で、ヘテロの人もアセクシャルの人も同性愛者の人も関係なく皆結婚して、子どもを産みまくって、農業従事者を増やしていった。これが自由恋愛だったら、7割の人は自発的恋愛しないので農業生産力は衰えてしまう。

今よりずっと厳しい時代だったから、ここまでの知恵や工夫がないと生き残れないわけだ。お見合いって、少年時代自分は「ダサー!!!」としか思ってなかったけど、普通にいいじゃん、これ。復活させた方がいいって。

何なら、日本政府マッチングアプリとかやったらどうだ。参考例として『恋と嘘』みたいな感じでさ。政府しか持ってない情報によって効率的マッチングを図るのだ。

というか、結婚とか子どもの数がその時代社会的経済的な情勢によって決まるのだとしたら、少子化を止めるのは不可能だってすぐにわかるじゃん。

今の時代は豊かだ。子どもを産む意義は薄い。特に情報革命が起きてからは、狩猟農業建築土木仕事みたいな人月による労働積算という考え方は嘘みたいに軽くなってるし、はてなブログの人気記事を読んだ限りでは、優秀エンジニア1人≧普通エンジニア100人みたいな感じがする。

今のは残酷な話だが、いい点もある。とある才ある人間が超努力した場合文字通りの100人力以上になってしまえるということだ。そんな人達によって、これから社会ますますかになっていくだろう。それで、ますます子どもがいらなくなる。

子どもができたらがお金かかるし、子育ては面倒だし、何より遊べないだろう。こないだだって子どもを置いて遊びに出かけて幼児を殺した夫婦逮捕されてた。無理に子どもを作らせたって、ああいうケースが増えるんだよ。

少子化を防ごうとしたら、時代を逆行するしかない。例として、大昔だったら生まれ子ども間引きしたり、頭が残念な子を村の奴隷にしたり、娘を売春宿に売る権利が親にはあったわけだろう。現代でもそれに似た仕組みを作れば、安心して子どもを産むことができる。はずれを引いても捨てればいいんだから



人類進歩しすぎた感がある。例えば100年後、世界経済の成長が頭打ちになって、フェルミ漫画大学が超積極的に進めるところのインデックス投資通用しない時代がやってきたとしよう。子どもが生まれなくなって追い詰められた世界は、どんな対応をするのだろう。人権意識が今よりずっと進歩した時代だとは思う。だとしたら、近世以前のような結婚出産強制はできまい。

やれることといえば、人工人しかないんじゃないのか。その世界ではきっと、科学進歩によって男性は今よりもたくさん自慰行為をしているのだろう。もちろん女性も。

ベッドやソファの上で何かを観たり読んだりしてるのかもしれないし、電脳空間セックスしてるのかもしれない。もしくは、風俗店価格が安上がりになっているとか(機械娼婦マジェスティックドールとか呼ばれてそう)。

時代は違えど男性射精したいと考えているはずだ。ということは、精子は取れる。あとは子宮卵子さえ揃えることができれば……今から100年後なら、まあ余裕だろうと信じたい。

身も蓋もないけど、今の社会制度のまま出生率改善させようと思ったら貧乏になるしかない。日本国内だったら沖縄とか、外国だったら東南アジアの貧しい国とか、アフリカ大陸の国々とか出生率高いじゃん。ひとえにいって、貧乏からだ。子ども経済生産力としてカウントされて、産むだけの投資価値が増える。娯楽がなくてセックス地位が上がってるとか、倫理観が薄くて強姦するのも犯られるのにも抵抗が薄いとか、理由はほかにもありそうだが。

脱線したけど、やっぱり昔の人って賢いよ。今よりもベリーハード時代を数万年以上も生き残ってきたんだから。素直に尊敬しかない。ありていな結論ですまんな。

2022-08-23

anond:20220823205245

毎回思ってるんだけど、毎月何十万も貯金できるようなある程度余裕のある人って、一人月1万くらいの保険に入ったら有事には大金ヤッターってなるんじゃないの?

お金持ってる人ってお金減っても平気なの?

2022-08-14

(コラム)「手が空いたら他人ヘルプ経営日本人生産性を下げる

① 池ポチャ後、キャディーは元の位置から打つ選択肢も考えられるためにゴルフバッグを残して、池まで行った。

② まだ、どちらから打つか決めていないのに、同伴競技者のキャディーが気を利かせたつもりで大西選手ゴルフバッグを持ってきてしまった。

大江キャディーは、元の位置から打つかもしれないのに、バッグを持ってきてしまった同伴競技者のキャディーに大声で注意した(「なんで持ってくるんだよ!」みたいに強めの口調だった?)

④ そのことに対して、大西選手大江キャディーに注意した。(18Hの会話で「(バッグを)持ってきてくれてありがとうで終わりじゃん。」と大西選手は言っている

https://www.youtube.com/watch?v=qzWMMV7qMZo

これは勝手に他の選手のバッグを持ってきたのが発端ですな

多くの職場でもこうしたことが起きていて、日本職場生産性を落としていることが多い

「手が空いたら他人仕事ヘルプ」は、専門性の低い労働集約ジョブでは意味があるが、

しかし、専門性のある仕事では逆効果になるのである

専門性のある仕事であればあるほど余計な事であり、優秀な人間の足を引っ張ることになる

たとえば60分かかる仕事10分で終わったら、50分を別のブルシットジョブに充てるというのは愚の骨頂である

経営者自体労働集約型の発想から抜け出せていないためである

SIer人月計算など、元来的に足を引っ張りあったほうが儲かるビジネス場合を除く)

おそらくアメリカなどはこの余剰リソースの考えが優れているか大国なのだと思う

余剰リソースを作った=優秀な人間、という評価が下されるのである

日本は逆で、余剰リソースを作らせない、全員が均等になるような方向で動く経営者が多い

根本論として「みんなで平均的でありましょう」という、「運動会みんなで一緒にゴール思想」があるためと思われる

この場合はキャディという専門的判断を要するプロ他人仕事に、勝手に手を出したことが原因だろう

ただしこの場合バッグを持ってくるというのが戦略的に致命的とも思えないので、

発端はほかにあれど、大声を出したのが失敗という結論でいいと思うが

2022-08-13

anond:20220813183154

デュアルディスプレイをつけて)100万人月+100万人月で200万人月!!

いつもの2倍の労働時間が加わり、200万×2の400万人月!!

そして、いつもの3倍の実務経験を盛れば、400万×3の

BUFFALOマン!お前をうわまわる1200万人月だーっ!!

2022-07-18

UNIX 哲学」についていくつか

名著「UNIXという考え方 - UNIX哲学」は本当に名著なのか? 〜 著者のガンカーズは何者なのかとことん調べてみた - Qiita

この記事はよく調べてあるなぁと思う反面,事実関係の間違いも多く当時の空気感など欠けていると思う部分がいくつかある。事実関係に関しては追い切れないので参考文献を挙げるにとどめておくが,空気感のほうはいくつか書いておく。なお当該記事の「当時と今では状況が全然違うんだから安易に『UNIX 哲学』とかいうな」という主旨には大賛成である

参考文献

初期の UNIX歴史について興味がある向きには次の書籍お薦めする。

Peter H. Salus『A Quarter Century of UNIX』(1994, Addison-Wesley Publishing)

和訳の『UNIXの1/4世紀』(Peter H. Salus, QUIPU LLC 訳, 2000, アスキー) は絶版のうえ訳も微妙なので薦めづらいが,原書The Unix Heritage Society (tuhs) で PDF が無償公開されているので,英語が苦にならないのなら読んでみるといい。

また同じく tuhs で無償公開されている Don Libes and Sandy Ressler『Life with UNIX』(1989, Prentice Hall)を読めば80年代終りの UNIX の状況(XENIX についてもしっかり言及されている)や利用者目線での雰囲気もある程度判るだろう。

哲学

記事で一番気になるのが「哲学」という語の捉え方。この言葉の強さに引きずられているように読める。でもこれ,当時は設計基本的な考え方くらいの意味でわりとよく使われていた言葉なんだよね。たとえば米 BYTE 誌のアーカイブを “philosophy” で全文検索するとこんな感じ。

https://archive.org/details/byte-magazine?query=philosophy&sin=TXT&sort=date

ほぼ毎号のように出現していたのが判るだろう。

もっとも猫も杓子も「哲学」を振りかざしていたわけではないし,UNIX開発者たちが「哲学」の語を好んで使っていたのも間違いないように思う。傍証の一つが AT&T定期刊行物『The Bell System Technical Journal』の1978年7, 8月号だ。元記事言及されているマキルロイの Forword の初出がこれで,ネットのアーカイブから PDF が入手できる。

この号は二部構成になっていて第一部が Atlanta Fiber System に関する論文12本(全172ページ),第二部が UNIX に関する(Preface や Foreword を含む)論文22本(全416ページ)となっている。さて前述の PDFOCR されているので “philosophy” で全文検索してみると8箇所見つかる。これが見事に全部 UNIX論文なのだ。もちろん論文性質もページ数も違うからこれだけで確定的なことはいえないが「日常的に使っていたんだろうなぁ」という推測は成り立つだろう。じつはマキルロイ哲学とされている部分は “Style” であり “philosophy” の語は一切使われていないというのもちょっと面白いUNIX開発者たちがなぜ「哲学」という語を好んだか正確なところは判らないが,それまでにない新しい考え方に基づいた OS を開発しているという意識があれば,そういう言葉を選ぶのが自然時代だったことは間違いない。

UNIX認知され拡がっていく過程で「哲学」も知られるようになっていった。自分が好むものの良さを他人にも識ってもらいたい,あわよくば他人もそれを好むようになって欲しいという布教活動は今も昔を変らないわけで「哲学」はその便利なツールとなったわけだ。元記事ではガンカースの著作を「外部の人間が後から打ち立てた哲学」と表現しているが,そんなたいしたものではない。マキルロイ論文に影響を受けた布教のためのああい説教は到るところにあった。たとえば前掲の『Life with UNIX』にもしっかり Philosophy の項がある。また日本最初期の UNIX 解説本のひとつである村井純井上尚司・砂原秀樹『プロフェッショナル UNIX』(1986,アスキー)には冒頭次のような一節がある。

オペレーティングシステムは,コンピュータを使うものにとっての環境形成する基盤であるから,そのうえで生活する者の個性尊重し,より良い環境へと作り上げて行く課程を支援するような素材を提供するソフトウェアでなければならない。この主張こそが,UNIXオペレーティングシステムとしての個性ではないだろうか。

 

    プロフェッショナル UNIX村井純井上尚司・砂原秀樹,1986,アスキー)p 3.

「より良い環境へと作り上げて行く課程を支援するような素材を提供するソフトウェア」とはテキストを入出力フォーマットとする単機能コマンド群のことで,これらをパイプでつなげたりシェルスクリプトでまとめたりすることで「そのうえで生活する者の個性尊重し」た「より良い環境へと作り上げて行く」ということだ。こういった説教はありふれたものであった。たんにそれを「哲学」の語を用いて書籍にまとめたのが,たまたまガンカースだったというだけのことである

そしてじつは UNIX場合布教活動とはべつに「哲学」を広めなければならない切実な理由があった。これを説明するのは非常に面倒くさい。当時と今ではあまりにも環境が違うのだが,その違いが判らないと切実さが伝わらないからだ。マア頑張ってみよう。

UNIX の利用環境

UNIXPDP というミニコンピュータミニコン)上に開発された。このミニコンを使うためには専用の部屋に行く必要がある。その部屋は,もちろん場所によって違うわけだが,マアおおよそ学校教室くらいの大きさだ。長机が何列か並んでおり,そのうえにはブラウン管ディスプレイキーボードを備えた機器が等間隔に置かれている。壁際にはプリンタが何台かあるだろう。通っていた学校コンピュータ室などと呼ばれる部屋があったならそれを思い浮かべればだいたい合ってる。ただし置かれている機器コンピュータではなくコンピュータ接続するための端末装置ターミナル)だ。端末装置キーボードで打った文字コンピュータに送られコンピュータが表示した文字がそのディスプレイに表示される。現在 UnixOSCLI を使うときターミナルとか xterm という名のアプリケーションを用いるがこれらは端末装置エミュレータで,もともとは実体のある装置だったわけだ。

さてコンピュータ室にたいていは隣接するかたちでマシンルームなどと呼ばれる六畳くらいの部屋がある。窓ガラスで仕切られたこの部屋には箪笥洗濯機くらいの大きさの装置が何台か置かれている。これがコンピュータ本体だ。もっとコンピュータが何台もあるわけではない。この箪笥CPU でそっちの洗濯機ハードディスク,あの机に置かれているタイプライタ管理コンソールといった具合に何台かある装置全部で一台のコンピュータになる。どこが〝ミニ〟だと突っ込みたくなるかもしれないが「六畳で収まるなんて,なんてミニ!」という時代お話だ。

端末装置それぞれからUSB のご先祖様の)RS-232 という規格のアオダイショウみたいなケーブルが伸び,マシンルームに置かれたターミナルマルチプレクサと呼ばれるスーツケースに台数分のアオダイショウが刺さってコンピュータとの通信を行う。コンピュータと多数の端末装置を含めたこれら全体をサイトと呼び,root 権限を持って管理業務を行う人をシステム管理者あるいはスーパーユーザと呼んだ。

結構上手に説明できたと思うのだが雰囲気は伝わっただろうか。ここで重要なのは一台のコンピュータを数十人が一斉に使っていたという事実だ。洗濯機とかアオダイショウとかは,マアどうでもいい。

自由不安定OS

当時の UNIX評価一言で表すと〝自由不安定OS〟となる。メーカお仕着せではなく自分好みの「より良い環境」を作りあげる自由さらに他のメインフレームミニコンOS に比べると一般ユーザ権限でできることが圧倒的に多かった。そしてその代償が不安定さ。今では考えられないが UNIX のその不安定さゆえにプロOS ではないと考える向きは多かったし「でも UNIX ってすぐ落ちるじゃん」というのは UNIX アンチ定番ディスりだった。UNIX の落とし方,みたいな情報がなんとなく廻ってきたものだ。

こういった雰囲気を鮮やかに伝えてくれるのが,高野豊『root から / へのメッセージ』(1991,アスキー)だ。当時アスキーが発行していた雑誌UNIX MAGAZINE』に連載されていた氏のエッセイ1986年11月から1988年10月掲載分までをまとめた書籍である。著者の高野氏は勤務先の松下電器1980年ごろから UNIX サイトスーパーユーザを務めており,日本では最古参の一人である。この本の中で高野氏は繰返し UNIX自由さと不安定さに言及している。すこし長くなるが,その中の一つを引用しよう。

CPU は,システムにとって重要な共有資源であるが,この CPU実質的に停めてしまうことが UNIXはいとも簡単にできる。たとえば,cc コマンド10個くらい同時に走らせてみたらよい。VAX-11/780 といえども,同時に実行できるコンパイルはせいぜい3つか4つである。それ以上実行することも当然可能ではあるが,他に与える影響が無視できなくなる。つまり,てきめんに viカーソルが動かなくなる。あるいは,すこし大きめなディレクトリ上での ls コマンドの出力が表示されるまでに煙草を1本吸い終えてしまったり,タイムアウトログインが撥ねつけられたりといったバカげた現象が起きだすのである。こういった状態になると,UNIX破壊されたに等しい。真夜中,独りで VAX を占有して使っているのなら何をやろうとかまわない。しかし,20人30人と多数の人間が使っているとき勝手をやられると非常に困るのである当人仕事が遅れるのは自業自得だとしても,そのとばっちりで他のエディタまで止まってしまうと,もはやどの仕事も進行しなくなる。

ディスクについても同様なことがいえる。UNIX では,ファイルシステムを使いはたすまで大きなファイル自由に作ることができる。したがって,自分プロセスがいったいどのくらいの容量のファイルを作り出すのか見当もつけられないようなアマチュアが使うと悲惨なことになる。ディスクを使いはたすと,コンソールタイプライターにエラーメッセージが出力されるが,夜中にそれが発生して,コンソールタイプライターが一晩中エラーメッセージを打ち続け,朝マシンルームに行ってみると紙を一箱打ち尽くしてしまい,ピーピーと悲しげな声を上げて人を呼んでいた光景を私は何度も見てきた。こうなると,それをしでかした本人のプロセスは当然のこととしても,同じディスクで走っている他のプロセスも先に進めなくなってしまう。すこしでも負荷を夜間にまわそうとする善意は逆転してしまい,わずかでも仕事を先に進めようとする意図完璧に打ち砕かれてしまうのである

 

    root から / へのメッセージ高野豊,1991,アスキー)pp16-17.

そして,こうした不安定さが「哲学」を必要としたのだ。自分が利用しているサイトに「cc コマンド10個くらい同時に走らせ」たり「自分プロセスがいったいどのくらいの容量のファイルを作り出すのか見当もつけられないようなアマチュア」がいるとその累は自分にも及んでしまう。だからサイト利用者全員に UNIX設計基本的な考え方を理解してもらうことが,自分のために必要だった。UNIX伝道がより苛烈だった理由ひとつがここにあるのだ。

ミニコン UNIX終焉

ミニコン上で誕生した UNIX は 4.3BSD(1986)で最高潮を迎える。注意したいのはミニコン時代UNIX は Research UNIXCSRG BSD みたいな区別をせずにまとめて UNIX として扱われていたことだ。実際『プロフェッショナル UNIX』も『root から〜』も UNIX記述されてはいるが実際には BSD を扱っている。べつに当時の人が無知だったわけではない。なにしろ BSD を利用するためにはまず AT&T から UNIXライセンスを購入し,そのうえでカリフォルニア大学バークレー校(UCB)から BSD を入手しなければならなかったからその関係は当然広く知られていた。ベル研発明された UNIX を外部の人たちも含めみんなで改良し,それら全体が UNIX であるという考え方が自然だっただけである。『Life with UNIX』のような英語の文献によく登場する “Berkeley UNIX” という言い回しが当時の気分をよく表している。UNIX vs BSD みたいな捉え方は法廷闘争を経た90年代以降の感覚だ。

もっともそういう70年代風味の牧歌的風景ミニコン世界限定の話であった。BSDのものミニコンのものしかなかったが,そのコードを受け継いだ BSDUnixAT&T推し進める System V などがワークステーション市場舞台80年代中盤から激しく覇権を争うようになる。いわゆる Unix 戦争で,PCUnix であるマイクロソフトXENIX も当然参戦した。ミニコン世界牧歌的だったのは,ぶっちゃけていえば先のない技術だったからだ。ただ Unix 戦争あくまでも標準という聖杯を争う戦いであり,AT&TBSDUnixSun Microsystems が共同で System V Release 4.0 (SVR4) を作りあげたように後の法廷闘争とは趣が違う。

こうしたミニコン UNIX からワークステーション Unix への転変は Unixのもの文化にも変化をもたらした。まず激しい競争Unix の高機能化を加速した。商品として判りやす惹句が「あれもできます,これもできますなのは誰もが知っている。もちろん安定性を増すために quota のような利用者自由制限する機能も含まれていた。またワークステーション Unix現在UnixOS と同様同時に一人が使うものであり前述の布教必要性は大幅に減じた。達人たちのみの楽園から万人に開かれた道具に変ったのだ。こういった変化を体感したければ『root から〜』と水越賢治『スーパーユーザの日々』(1993,オーム社)を読み比べてみるといい。『スーパーユーザの日々』はワークステーション Unixシステム管理入門書だ。この本ではたんに知識を羅列するかわりに架空ソフトウェアハウス(開発会社)を舞台新卒社員が先輩社員からシステム管理を学ぶという体裁をとっており,そのおかげで架空の話とはいえ90年代前半の雰囲気が堪能できる。出版年でいえば『root から〜』と二年しか違わない『スーパーユーザの日々』の落差は “dog year” と称された当時の激烈な変化まで体感できるだろう。

UNIX 哲学背骨

当時はよくいわれたのに今やほとんど聞かれなくなったものがある。マキルロイ論文結論部分に書かれたそれは,1973年出版されたイギリス経済学者エルンストシューマッハー著作題名で,中学生英語力があれば十分に理解できる平明な一文だ。

Small is beautiful.

マキルロイは『人月神話』を引いて一定留保をつけてはいものの,これが UNIX 哲学背骨であることに違いはない。機能をありったけ詰め込もうとして失敗した “kitchen-in-a-sink” な MULTI•csアンチテーゼである UNI•x にとって,これ以上のスローガンがあるだろうか?

ひるがえって現在UnixOS をみれば,ブクブクと肥え太ったシステムコール,全容を俯瞰するだけでも一苦労するライブラリインターフェイス,一生使うことのないオプションスイッチまみれのコマンド群。UNIX仮想敵とした OSのものだ。そのことについてとくになにも思わない。ハードウェアは長足の進歩を遂げ,コンピュータの応用範囲は途方もなく拡がった。UNIX が変らなければたんに打ち棄てられ,歴史書を飾る一項目になっただけだ。ただ現在UNIX 哲学」を語るならそうした背景は理解していなければならないし,どれだけ繊細な注意を払ったところで〝つまみ食い〟になってしまうことは自覚すべきだ。

2022-07-14

anond:20220713222426

人月商売からの切替過渡期かねぇ

優秀な人が稼げるようになる状況自体は悪くないな

2022-06-29

6次請けの謎

どういう仕事が6次請けに至るんだ

自分はせいぜい3次までしかたことがないから、業界案件規模が違う世界の話な気がするんだよね

例の20人月とか…

うちは保険と金融の仕事は取らない方針なのでその辺には関わりがない

2022-06-14

スクエニは樽のポリゴン作るのに2、3ヶ月かける企業と言ってて目眩がした

しくじり先生FF14の失敗を話してたのを見た。

色んな失敗したポイントがあって、その中にビジュアルの作り込みに手間をかけ過ぎてたと反省していた。

樽のポリゴン作るのに2、3ヶ月かけてる社員いたと言っていて目眩がした。

人月50万だとしたら150万の樽のポリゴンかよ…と。

自分がその樽担当だったら、なんで俺は樽をこんなに時間をかけて作ってるんだろうと自尊心バキバキに折れると思う。

どういう社内文化組織なのか雰囲気はあまり掴めなかったけど、ゲーム面白さと直接関係ないところにコストかけ過ぎてて、スクエニから面白ゲームが出にくくなったと言われてもしょうがないと思った。

もうちょっとスクエニは働いてる人や面白ゲームを作るための純度というか優先順位大事にしてやってくれ。

樽のポリゴン作るのに2、3ヶ月かけるのは酷過ぎ。

anond:20220614010758

時給1000円だと16万5000円にしかならないのヤバい

まともなインターンでも酷くて時給2000円とか普通で時給3000円なのに、それよりも低い価値しか提供できないのか?

技術検証とか、リファクタリング試行とかインターンやらせたりするが、10年やってもそのインターンよりも低いレベルなのか?

孫請けSIer零細企業だと月給20万円とかい世界があるのかもしれんが、もしインターンより安いのが当たり前だと思うなら転職した方が良い。

クソみたいなJST大手SIer雇用してる低レベルプログラマーでも月100万円/人月で、

月稼働時間が(22日*7.5時間/日=)165時間だとすると、時給6060円だぞ。

200万円/人月だと時給1万円越えるんだぞ。

簡単なことをやるにせよ、

2022-06-11

プログラマー無能扱いされる訳が分かった

https://togetter.com/li/1899761

これ見て気付いたけど、世間一般では「プログラミング=地道な単純作業」なんだな

設計コードに落とし込むだけでしょ?」

設計は違うけどコード人月計算できるでしょ?」

とかも全部同じ理由なんだろうな

からプログラマーには給料を払わないし

その結果、設計みたいな上流工程かに人が流れていくし

全然アジャイル開発が進まないでウォーターフォールばっかりしてる

構造的にそうなってるから、やっぱりプログラミングが地道な単純作業になってるってことかな

2022-06-06

自動化させるためのバリ取り」によって発生するコストが「自動化で浮く工数」を上回ることを説明しているんだが

何故か理解してもらえない。

多分俺の説明が悪いんだろうな。

何度か挑戦しているんだが毎回失敗する。

1ST LOOP 「脱穀機に入れる前に砂利を取り除かないといけないんですよ」作戦

俺「脱穀ってあるじゃないですか。稲を玄米に変えるアレ。アレの機械ってものによってはまず石を人間が取り除いておかないと玄米ごと石をジャリジャリやるから玄米が砂まみれになるし、なんなら機械も壊れやすくなるんですよね」

だいぶ上の上司「僕の実家の近くには自動精米機があるが、アレは自動で石を取り除く機能がついている。それを実装したまえ」

俺「それを実装することによる例外処理コストがだいぶかかるのですが」

俺の直属上司「そんなことないよ!異常なデータを取り除くだけだから簡単ですよ。すぐにやらせます

俺「異常かどうかの判定を凄く荒くすれば出来ますけど、それをやると自動化出来る部分が大幅に減って」

よそのそんな偉くない上司「つまり出来るということのようですな。喋る前に手を動かすべきですな」

GAME OVER

2nd LOOP 「面接の時に学歴フィルターをかけるでしょ」作戦

俺「面接の時には学歴フィルターをかけるわけですが」

まり関係ない部署上司「我が社はそんなことは断じていたしておりません!不愉快だ!かえりゅ!」

俺の直属上司「おい。謝りに言ってこい」

俺「はい

よその上司はいじゃないが」

直属の上司「本当に反省はしているのか。頭を冷やしてから、謝りに言ってこい」

3rd LOOP 「とにかく工数説明しよう」作戦

俺「今まで通りのやり方で作業した場合工数がおよそ2人月かかるデータに対して自動化を目指したと仮定しますと、そもそも自動化のフォーマットに合わせてデータを調整する作業自体に1人月、その後自動化で出力されたデータ確認作業に0.5人月自動で処理できなかったデータに対しての作業に1人月がかかり結果として合計のコストは増えることに」

偉い上司「つまりこの企画自体が失敗だったということなのですね」

俺の直属の上司の直属の上司「そんなことはありません!企画のコンセプトは正しいのです」

偉い上司B「では何故このようなことに?」

偉い上司C「想定しているデータの規模が小さすぎて自動化のスケールメリットが発生していないのではないかね」

俺「自動化は出来ても初期の処理や確認においては手作業に近い部分が入りますので」

偉い上司D「それを自動化することは出来ないのかね」

俺の直属の上司の直属の上司「今後の改良によって可能となります

俺「(無理だっつってんだろ)」

2022-06-02

anond:20220602124552

俺は給料一人分しかもらってないのに同時に二つの案件に一人月ずつ投入されてあっぷあっぷしているというのに…

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