はてなキーワード: マヤとは
「ネイチャ、ボクは三冠を手に入れられると思う?」
「テイオー以外に誰ができるってのよ、そんなの」
「トレセン学園に連絡してよ。何とか優勝した、もう一度やれと言われてもできない、ってね。後はよろしく~。わたしは空いた部屋で寝るから。あ~、とにかく疲れた~」
「あなたはご飯を、何杯おかわりしたんですか? わたしは今日はおかわりを5杯で我慢しました。食堂の食べ放題廃止を説くあなたはおかわりを何杯してるんですか? あなたの演説には一点の非もありません。でもご自分がそれを実行なさっているんですか?」
「う~んと、高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処することになると思うな~」
「ライアンの指導を聞き逃さないようにするのね。そこにトレーニング器具があるかぎり、あれほど頼りになるウマ娘はいないって、メジロ家では評判よ」
「遅いじゃないか、タマ……きみが来るまで待っているつもりだったのに、ご飯が冷めてしまうじゃないか。白い稲妻なんていう、たいそうなあだ名に恥ずかしいだろう……」
「三冠を手に入れたら、みんなで……」
(続き)
といった問屋関係の逸話が当時バンバン登場した。メーカーも対抗すべく(?)ダンピング出荷、返品受付などで一本でも多くソフトを売りさばこうと必死だった。このあたり、問屋も小売店もメーカーも、市場の異常さに気が付かずもがいていた感じが否めない。初心会と二次問屋は、問屋の本分である「日本全国に適正量の在庫のゲームソフトを流通させる」という機能を忘れ、ただただゲームソフトを動かすことで得る利益をあげることに無我夢中だった。
ここで注意をしておきたいのが、「任天堂や初心会が、一方的にサードパーティや小売店から利益を吸い上げている」という既存の論調は近視眼的だ、ということだ。スーパーファミコン市場に参入したサードパーティはおよそ200社。このうち途中で撤退を決めたのは10数社で、しかもこれら撤退したメーカーの多数は異業種メーカーであり、本業での業績が低下したためだったり、バブル期の不動産に手を出して大やけどして倒産…といったもので、ゲームと直接関係あっての撤退ではないのだ。
小売店も同じことで、当時はファミコン-スーパーファミコンという新しい分野での市場拡大に手を出す小売店が多数いた。ただ問屋に苦しめられるだけの業種であるなら、こんなことは起きるはずがない。甘い蜜はそれなりに存在していたわけだ。ざっくり要約すると「不満はあるが儲けもある」といったところか。むしろPCエンジン・メガドライブの有力ソフトをスーパーファミコンに移植して一旗あげようとするサードパーティのほうが多かった。それほど有望な市場であるがゆえ、いろんな輩が入り込もうとやっきになったわけだ。
市場が拡大している間はそれでもよかった。しかしスーパーファミコンが円熟期を迎え、対抗馬として「次世代機」の姿がちらつくようになってきた頃に、いよいよおかしくなってきた。多数現れた三次問屋が小売店と二次問屋の中にねじ込み、己の利益を吸い取ろうとし始めた。手法としては品薄になりそうな人気ソフトを抱きかかえ、「小売店に小売価格そのままで」卸したりした。商圏を無視して跨いで他社の領域に食い込んで商売するところもではじめた。初心会の中にゲームソフトを投機商品のように扱う問屋が現れ、二次問屋三次問屋が喜んで利益の分前を頂いた。その分小売店に負担が偏り、結果的にはプレイヤーにも巡り、最終的には市場に悪影響を及ぼす。スーパーファミコン市場は歪んだまま大きくなり、そしてついに縮小を始めた。
衝撃が大きかったのはプレイステーションの登場だ。なんと問屋を使わず、ソニーが直接小売店にものを卸すという。革命的なやり方だった。返品なし、定価販売というところがネックになったが、どの商材も掛け率が一定であることに小売店は喜んだ。今までは問屋ごとに掛け率が違ったり、注文する本数によって掛け率が変動したり、そもそも抱合せで仕入れるしかなかった(違法? しったことか!)からだ。
こんなことが可能なのはプレイステーションがCD-ROMを採用しているからだった。リピート生産がROMほど時間がかからない。お金も自前の工場だからさほどかからない。最悪在庫になっても簡単に破棄できる。それゆえ最初こそ少量生産で行い、売り切れたら即リピート発注すればよい。こうすれば過剰な在庫にメーカーも小売も苦しめられずにすむ。値崩れ・抱合せも心配いらない。
ROMカセットを採用していたらすべて実現不可能なことだった。ちなみにセガもサターンでCD-ROMを採用しているが、他社の工場での生産だったためなかなかリピートが上手く行かなかったらしい。(なお、詳しく書かないがここで上手くいった改革は現在すべて崩壊している)
一方、任天堂はROMカセットの採用を64でもやめなかった。ディスクシステムに手を出してそのあまりに長いロード時間に苦慮したことの経験があるからだ。そしてこれを機にもう一度市場のリセットを図ろうとした。市場にはスーパーファミコンのワゴンセールが始まっている。なんとかして初心会内外にあるゲームの投機的扱いをやめさせなければならなかった。ソフトの数が少なくなれば、そのような動きはできにくくなる。そのためサードパーティのソフトをとにかく減らし、少数精鋭路線で進もうとした。初心会外に取引を広げ自前で流通を行うという選択肢もあったが、これは取らなかった(実はSFC時代にトイザらスが日本進出をしてきたとき、任天堂や各大手メーカーに直接取引を持ちかけてきたが、これは上手く行かなかったようだ)。山内社長はファミコン時代の遥か昔から取引を続けていた初心会を切ることに抵抗があったからだ。それに「絶対に売れない」といってたファミコンも買い取ってくれたのは初心会だ。この前もバーチャルボーイというズッコケハードを出したが任天堂は全量初心会にハードを買い取ってもらっているので被害は最小で済んでいる。(その負債は初心会が被り、さらにその負債は小売店に押し付けられた構図だ。)
しかしそれでも、初心会と二次問屋たちは目先の利益を追い求めるのに夢中だった。
スーパーファミコン市場末期の1995年発売の聖剣伝説3は初回出荷は70万本だったが、実は初心会からの注文本数は合計140万本だった。前作がミリオン超えをしていたのでそれだけ期待があった、という表側の理由だが、ようするにこれも投機的に扱われることが明白だった(そもそも前作聖剣伝説2も結構な数がワゴン行きしていた)。あまりに酷い値崩れを嫌ったスクウェアは出荷本数を半分の70万本にし、かつ卸値を10%引き上げると初心会にアナウンスした。こうした動きに一部の問屋がなんと小売店に対して「スクウェアを公正取引委員会に訴える!」と言いまわってしまった。もちろんスクウェア側には一切の非はない。運が悪いことに(それとも狙ったか)スクウェアは夏休みに入ってしまったので、小売店は真相を確認することができず業界の一大事が起きたのではないかとパニックになったところもあるという。この話は巡り巡ってなぜか「任天堂が悪い」ということになった。PSが発売されて半年以上経とうとする頃でも、初心会に危機感は全くなかった。
その年の末発売のドラゴンクエストⅥの発売にあたっては、初心会とエニックスの間で注文数の予測で大紛糾だった。初心会の予測は250万本。エニックスの予測は300万本。エニックスは自信満々だったが、初心会はそこまで売れないと踏んでいた。初期出荷は250万できまり、エニックスは自前で50万の在庫を抱えることになったが、この読みは的中する。即リピート発注がかかり、エニックスは二次出荷を行った。
最終的に320万出荷を果たすわけだが、売上予測ができない問屋にメーカーは価値を見出すだろうか?
そして、ついに、終わりのときは訪れた。
1997年2月21日。任天堂本社で毎年のように行われる初心会の懇親会。その幹部会の席上にて初心会会長である河田会長が宣言した。
幹事会は静まり返った。関係者には事前に知らされていなかったのだ。解散は任天堂山内社長と、初心会河田会長のトップ会談で秘密裏に行われた。今後一切の取引は商品ごと個別に行われ、しかも初心会内の特定10社のみそれが行われる。今までゲームソフトを投機的に扱って儲けを吸っていた会社は任天堂から拒絶され、二次問屋に落とされた。しかも64の少数精鋭路線のおかげでこれから商材はどんどん減る。今までのような振る舞いは不可能になった。
任天堂はスーパーマリオクラブの立ち上げにより売上予測をするようになった。つまり、予測のノウハウを自ら身につけつつあった。そうなれば商材を投機的にあつかう問屋は不要だ。「どれほどのソフトが売れるか、我々にはわかりようがない。流通のプロに任せるしかない」。かつての山内社長の言葉だが、流通のプロがプロに値する仕事をしないのなら、切られても仕方がないというわけだ。
実はこの流通改革に前後してプレイステーションでも問題が発生した。デジキューブだ。スクウェアがプレイステーションに参入する条件として、コンビニに自分たちで卸すデジキューブをSCEに許可させた。
もともとプレイステーションはすべてSCEが自前で小売店に流通することを売りにしていた。ところが後から来たスクウェアはSCEを通さず自前で流通させるという。
このあたりを詳しく解説する。SCEはソフトメーカーと協議し、ゲームソフトの初回生産量を決める(ということになっているが、実質決定権はSCEにあった)。
SCEは特約店(一部、ハピネットといった問屋も使用していたが)からの受注数がその初回生産量に満たない場合はSCEが自腹で在庫を抱える(ように努力いたします、という注釈付きではあった)。
と、ソフトメーカーにかなり親切のように見える。しかしこれには問題が含まれていた。初回生産量はSCEが決め、実際に流通させているのもSCE自身だ。ソフトメーカーが営業をしかけ多くの受注を獲得したとしても、SCEがOKを出さない場合、本当にそのソフトは流通しなくなる。実際に飯野賢治がプレイステーション版Dの食卓で自分たちで在庫を抱えてもいいから多くつくるべきだと要望を出しても、SCEはそれを良しとはせず、結果売り切れを引き起こし機会損失を生んだことがあり、飯野賢治はセガ陣営への鞍替えをしたことがあった。
ソフトメーカーからしたら、リスクも多いが儲けも大きい自社流通に切り替えたがっていた時期だったが、任天堂もSCEもそれを良しとはしなかった(ただし任天堂は初心会通しであるため、一社が売れないと踏んでも他の問屋が受注してくれる可能性はあるし、このときPSの取扱店はまだ初心会流通よりは少なかった)。しかしスクウェアだけには特例としてそれを認めるというわけだ。SCEは流通に関わらず、スクウェアが直接小売店とコンビニにゲームソフトを卸すわけだ。当然、初回生産量も自由に決められる。
いったいどういうことだ、SCEはロンチから頑張ってきたメーカーに対して不義理じゃないのか。こうした理論で反発したメーカーがいた。コナミである。
コナミはSCEに対して自社流通を求めた。ゲームをつくる製造委託費とロイヤリティは支払うから、お前のところの流通網は使わんぞ、ということだ。こうすることでコナミはSCE流通分の費用を削ることができる。5800円の小売価格のうちの取り分を増やすことができるわけだ。もちろん在庫リスクや小売店へのやりとりはコナミ自身がやらなければならないから、自社流通が完璧というわけではない。結果的に大手メーカーはみな自社流通になっていくが、ナムコだけは付き合いもあってか(ナムコはかなり初期からPSに絡み、ライブラリの整備も行うほどだった。自社プラットフォームを諦めたかわり、PSに注力したということだろう)SCE流通を使い続けた。
プレイステーション側でこのようなことが起きてるのだから、当然余波は任天堂側にも及ぶ。コナミは64やゲームボーイの自社ソフトに対して「これから初心会を使わず自前の流通網使いますから」と一方的に任天堂に要求した。かつての任天堂ならば決して受け入れるはずのない要求だろう。だかしかし、任天堂は簡単にこの要求を飲んだ。そして門戸が開かれた自主流通のおかげで、ゲーム業界の流通改革は全メーカーを巻き込んだ。最終的にはコナミ、カプコン、コーエー、スクウェア、エニックスといった大手は自前で流通網を持ち、中小サードパーティはそこへ委託流通する形に落ち着いた。つまり元初心会の問屋たちを全く必要としない流通を実現してしまった。
解体された初心会はボロボロになった。合併倒産が相次ぎ、その多数が姿を消した。残された10社は直接小売店と取引するようになり、二次問屋三次問屋は居場所がなかったからだ。
しかも任天堂から選ばれた10社も順風満帆ではない。10社のうちモリガングはバンダイ系列のハピネットに買収された。石川玩具はタカラへ事業譲渡した。松葉屋はラスコムに事業譲渡し、そのラスコムも後年自己破産している。そんな一方テンヨー、カワダ、カマヤは今でも元気に問屋業を営んでいる。(名前が出てこない他の会社は調べても出てこなかった。情報plz)
そしてジェスネットは任天堂の子会社となり、アジオカは事業譲渡を行って「任天堂販売」となったが、これはなんと2016年の話だ。初心会が解体されて20年近くたったが、完全に自前で任天堂が流通するようになった。
こうして初心会は歴史の中に消えていった。良い面悪い面両方ともあったわけだが、特に末期には悪い面が強く出すぎていた。しかしこうして羅列してみると、「初心会があらゆるあくどいことを駆使して不法に市場を牛耳っていた」というわけではなく「初心会が市場を牛耳っていたのでいろいろとあくどいことができた」ということに気がつくだろう。その市場も確固たるものではなく急激に膨らんだ不安定なものであり、なおかつ悪行も任天堂の山内社長の怒りが落ちない範囲内の話でしかなかった。
悪徳の町、ソドムとゴモラは神の怒りに触れ一夜にして滅んだ。初心会も同じ運命を辿ったのだった。
参考文献
東洋経済 1997年3.22号 盟友・初心会を抜き打ち解散した山内・任天堂 焦りの流通改革
平林久和/H.Hirabayashi @HisakazuH
大森田不可止 @omorita
イタリアの豚トロの塩漬けで、実は本場のカルボナーラはベーコンじゃなくてこれを使うといわれています。
これをぐぐってみてください。馬しか出ないでしょう。
ウマ娘でも高名なメジロマックイーン。この馬の名前はスティーブマックイーンから取られています。
ではマックイーンで検索してみてください。そこにスティーブマックイーンの姿はないでしょう。
別にこれらが特別のことではなく、多くの馬は実際の固有名詞から引用されています。
ネオユニヴァースはラルクの曲からとられていますし、キズナはオレンジレンジの曲から取られています。
リンカーンとかスピルバーグとかルーカスとかそういう人名は無数にあります。
それこそ、プラトニックラブに違和感を覚える少女が、アリストテレスを検索しSNSに救いを求めるところを想像してください。
いやマジな話として、種牡馬danzigはダンジグと読むべき論者強硬派が、リアルにダンツィヒ在住していて、検索ノイズになるのを排除したいと言っているのをネットで見たことがあるぐらいに問題化すべき話であり、マヤノでナイーブに嘆いてる場合じゃないんですよ。
毎年数千頭の固有名詞を送り込んで、動物オタクとして写真パシャパシャしまくってネットに上げまくる我々競馬オタクが、なんで人様を非難できようか。
・・・バギオ市内に入るが早いか、比島人の凄まじい怒りの罵声が待ち受けていた。
「ドロボー」
「ゲット、アウェイ」
ありとあらゆる罵声と投石の嵐を、出来る限り姿勢を低くしてくぐり抜け収容所へ向かった。
(中略)
途中、比島人は沿道の至る所で我々の通るのを待ち受け、家から飛び出して来て、バギオ市街にも増して激しく、
「バカヤロー!」
「ドロボー!」
と声を揃えて大声で怒鳴る。
女子供までが、さも憎々しげに
と首を切られる真似をするかと思うと、侮蔑を表す彼等特有のしぐさで親指を立て、
「ゲット、アウェイ!(出て失せろ!)」
と繰り返し、大小の石がトラック目掛けて飛んできた。
(中略)
(貨車に乗り換え)途中停車する毎に比島人の憎悪のこもった眼差し、怒声、投石の嵐が続いた。
(中略)
後日収容所で聞いた話では、投石で頭を割られた兵隊、酷い者はピストルで撃たれて死人まで出た貨車もあったという。
しばらくして小さな町に入ると、鉄道の沿線には黒山のように住民が並んでいる。
列車が近付くと一斉に石を投げてきた。
(中略)
小石がパラパラと頭上に飛んでくる。
女達までが私達に向かって舌を出し、首を叩きながら喚いている。
ドロボウとか、パタイ(死ね)という言葉が、コーラスのように響いてくる。
(中略)
何のためか列車が野原の真ん中に停車したので、ホッとしてシートを取ると、住民達はここにもいっぱい居て相変わらず石を投げつける。
一人の老婆が近寄ってきて、
と言いながら、ビンロウの実を噛んで、真っ赤な口から血のような唾を吐き出し、憎しみを込めて叫ぶ。
肉親の誰かが殺されたのか、或いは家を焼かれたのか、家財でも奪われたのであろう。
「お前達はマニラで殺されるんだ!」
そう繰り返している。
私達もあのサンフェルナンド上陸以来、比島の住民達にしてきた事を考えると、その罪の大きさを思わずにはいられない。
途中、いくつかの集落を横切った。
彼等は、床の高い粗末な家の窓から顔を出し、黙ったまま、私達に軽蔑の目を向けていた。
彼等は、時々空に向けて小銃を放った。
それには度胆を抜かれた。
この罵声だけ覚えている。
(日本人射ち殺せ!)
こんな心だろう。
平和を取り戻した猥雑な街。
人が溢れている。
マニラの港に着くと、何百人ものフィリピン人男女が待ち受けていた。
ハングハング(首を締めろ)
石だけではない、ビンやコップを割った凶器も飛んできた。
最後の強烈な禊だ。
街を通過する時は、日本兵は頭を抱え、路上から飛んでくる石や、薪を投げつける老婆や子供から身を守らねばならなかった。
「バカヤロー!」
とか、「死ね!」とか叫んでいる。
ところが、Millare軍曹が立ち上がって、
「He is a good man! He is good!」
と怒鳴っている。
これには有り難かった。
(中略)
途中、フィリピン人が待ち構えていて、
「ドロボー!」
とか、「バカヤロー」
とか怒鳴っている。
どうしてこんなに怒鳴られるのか。
マヤントクでの住民との交歓の後だけに、狐につままれた思いであった。
バギオの街では・・・(中略)現地民が我々を見て、
と罵声を上げる。
(中略)
しばらくして貨車は動き出す。
「バカヤロー!」
「ドロボー!」
と叫ぶ声が聞こえる。
所々に陸橋があったり丘の高いところがあると、この下を通る時が大変である。
現地人が橋の上や丘の上に石を持って待っている。口々に、
「ドロボー!」
「バカヤロー!」
「パタイ!」
と叫びながら石を投げつける。
(中略)仲間の中には石が当たって血を流してるものもある。
住民がパラパラと家から路上に駆け出して、手を振って何か大声で叫んでいる。
私達はテッキリ戦争が終わったので、喜んで我々を歓迎するために、家から飛び出したのだと思った。
我々は彼等の姿を見ると、ニコニコして手を振った。
ところがこれが大間違いで、彼等は形相恐ろしく、口々に、
と言っているのである。
なかには石を投げつけようとする人もいる。
「バカヤロー!」
「ドロボー!」
「ヒトゴロシ!」
と罵声を浴びせられ、石を投げられた。
私達は頭を抱え荷台にしゃがみ込んだ。
石が頭に当たり血を流す人もいた。
現地の人を略奪し殺し、平和な国土を戦場にしてしまった私達日本人は、どんなにされても文句の言える立場になかった。
前方の沿道の両側にビッシリと住民が群がっている。
彼等はトラックが近付くと、老人から子供に至るまで、一斉に喚声を上げた。
拳大の石がいくつも飛んできた。
中には、手を首に持ってきて、水平に動かし、お前達は絞首刑だ、とジェスチャーで示す者もいる。
この調子では、フィリピン全土が、日本軍に対する恨みの炎で燃え上がっていよう。
無蓋列車はなおも南へ南へと進んだ。
そして、何度か、現地民の罵りと投石を受けた。
「バキャヤロ!」
「ドロボー!」
現地民が我々に叫ぶ侮辱の日本語は、とりもなおさす日本の占領時代に我々が彼等に使っていた言葉の仕返しであった。
「パタイ!」
「ヤマシタ、パタイ!」
「日本人を殺せ!」と投石する現地民の怒りを、我々は無蓋列車の中で、首をすくめて我慢した。
(石をもて追われる如く)敗残の身を、私は車中で目をつむっていた。
(証言者その2)・・・ところが思いもかけない次の言葉で、冷酷な現実の実態を思い知らされた。
ジェスチャーを交えて投げ飛ばす彼等の言葉は、相手を侮辱する時に使う日本語の、
「バカヤロー!」
「ドロボー!」
なのであった。
しかも、罵倒するだけでは飽き足らず、彼等の中には青竹を振りかざして殴りかかってくるものもいたし、私を目掛けて、小石を投げるものもいた。
(中略)
それなのに、まるで泥棒猫でも打鄭するように、青竹の一部がささくれだって裂ける位の勢いで、殴りまくる人もいた。
筋肉の脱落した痩せた体を目掛けて、ビシリ!ビシリ!と打たれる度に、不思議に肉体的な痛みは感じなかったけれど、まるで心臓に五寸釘でも打たれるような激烈なショックを受けた。
そして、その時、身に滲み通るような敗戦の惨めさをつくづく感じたのであった。
人家のある所を車が通っていくと、我々は罵声を浴びせられ、小高い家の庭先で洗濯をしていたオカミサンは、矢庭にタライの中の石鹸水を浴びせかけたのであった。
(中略)
遠い金網の外側にはフィリピン人がたかって、拳を振り上げたり、唾を吐きかけたり、日本人へ憎しみを表しているようであった。
沿道のフィリピン人達は、私達の乗ったトラックを目掛けて、石を投げつけ、日本語で、
「バカヤロー!」とか、
「インバイ!」
この付近のフィリピン人の家を我が物顔で横取りして、作物を荒し廻った私達だから、どんなにされようとも仕様のない事だと思う。
(中略)
駅につけば付近の住民がギターを持って、貨車の周囲に集まってきて、何かタガログ語で歌い、罵り、嘲笑う。
バギオに近付くにしたがって、現地民達が増えてきた。
「ギロチンOK」
「ドロボー!」
と口々に喚きながら石を投げつけてくる。
手を頸に当てて引き斬るような手真似をしては、唾を吐きかけ、バナナの皮などを投げつける。
(中略)
事実、日本軍は彼等の財産である家々を強制的に使用し、床や壁を剥がして家捜しをしたり、燃料の代わりにして荒らした。
ときにはゲリラやスパイと見なして、善良な市民さえ射殺した(注、斬首だろうに)。
寒風のごとき日本兵と、太陽のごときアメリカ兵では比較にならない。
途中で、シビリアン達が口々に
「ドロボー!」
「バカヤロー!」
と盛んに私達のトラック目掛けて投石したが、フルスピードで走り抜けてくれた。
(中略)
(列車に乗り換えた後)停車駅では無蓋列車に座らされ投石を防ぐ。
相変わらず
「バカヤロー!」
「ドロボー!」
の罵声と共に投石するシビリアン達。
情けない。
日本兵など、人間でもっとも下等な存在だからね(日本兵≠日本人)。
強姦ばっかしやがって!
パタイだよ!
フィリピン人達の怒りは、俺の怒りでもある。
強姦魔!
恥知らず!
ケンペースケベ!
ちんこ斬っちまえ!
トレーナー、報告遅くなってごめんね! あのあと第2章も読めたよ! ほんとトレーナーのおかげだよ! ありがとう! トレーナーのおかげでウマ娘をめっちゃ楽しめてるよ!
うまぴょい伝説良かったよな! 最初はネタ曲でしかなかったのに、ファイナルクリア後のウイニングライブで流れるもんだからうまぴょい伝説に始まってうまぴょい伝説に戻ってくるみたいな演出になってなんかちょっとグッと来ちゃったよw
最初はなんだこの曲って思ってたけどウイニングライブで聞くとサビで泣いちゃうとても良い曲だよね……「君の愛馬が!」は本当に感無量。
ひとまず、サイレンススズカをURA優勝させられてから色々とあったので、その間に育成したウマ娘たちの報告をするよ! といっても、途中で育成失敗したりとかあるから、URAファイナルズまで到達したやつだけだけど。日付はクリアした日ね。
レンタルのAタイキシャトルと自前のBサイレンススズカで育成。URA予選まで到達したはいいものの2着に終わり準決勝への進出はならなかった。スピードはB+、スタミナ・パワー・根性がCで、賢さがD+。評価点は6,127でC+。ピックアップガチャで2回も爆死し、これでダメなら諦めようと回したところ3度目の正直で来てくれた。アニメ2期のライスシャワーとの絡みが大好きなので育成シナリオのキャラ付けは正直微妙に感じてしまうのだが(このキャラから「あなたは私のヒーローなんです」は出てこないやろ)、それはそれとして育成は楽しかった。私服のセンスすき。ライスシャワーだけじゃなくニシノフラワーにもなつかれていて、体格が大きいけどどこか抜けてるキャラがロリっ子になつかれてる光景好きマンとしては満足。それにしてもSRミホノブルボンの育成イベント、「他人に危害を及ぼしてはならない」「命令は守らなければならない」「サイボーグではありません」と並んでいるのがツッコミどころに溢れていて大好き。どう見てもロボット三原則です本当にありがとうございました。
自前のC+ミホノブルボンとレンタルのAタイキシャトルで育成。有馬記念は16着で終え、URA予選に進むも10着で敗退した。スピードはS、パワー・根性がCで、スタミナ・賢さはD。評価点は6,974のB。既にさんざん言われていることだがウマ娘Aの存在感が光る。有馬記念を終えたあとに号泣する姿は成長を感じられてとても良いものだった。しかし有馬記念を優勝させたトレーナーはマジで何者なんだ。中山競馬場の芝全部抜く。
レンタルのB+スペシャルウィークと自前のC+ナイスネイチャで育成。日本ダービーと菊花賞で2着、春の天皇賞で3着に沈んだものの、それ以外は全部1着で終えられた。スピードをSまで上げ、スタミナ・パワー・根性をC+、賢さをCにしたところ評価点は7,968でB。うちでサイレンススズカに次ぐ2人目のうまぴょい伝説を聴かせてくれた。これならいけるかもと第1章最後のレースを走らせてみたら突破でき、無事に第2章を読むことができた。ライスシャワーの物語を読めたのはお前のおかげだよトウカイテイオー。アプリ版のテイオーはアニメよりも精神年齢が下がった感があり、なんというか娘を育てているような気分にさせられた。こんな子にパパ呼びを止められたらそりゃ泣いちゃうでしょ……
レンタルのB+ライスシャワーと自前のC+ナイスネイチャで育成。スピードをA+、スタミナをC+まで上げ、残りはC。URA準決勝まですべて1着で通過したのだが、決勝でどうしても1着になれず4着で育成を終えることになった。評価点は7,125でB。途中で出てくるセイウンスカイの私服めっちゃ可愛くない?
レンタルのAタイキシャトルと自前のBトウカイテイオーで育成。日本ダービーで2着になった以外は全部1着という素晴らしい戦果を残してくれた。スピードはA+、スタミナ・パワー・根性がC+、賢さはC。評価点は8,268でB+。初めてB+に到達した。折れそうな弱い心をマスクで覆い隠しグラスワンダーとスペシャルウィークに支えられながらエンターテイナーとして覚醒するその姿はとても格好良かった。というかマスクを取って素顔を見せるイベント、めちゃくちゃエロゲっぽい展開じゃない? 夜の屋上で素顔のエルコンドルパサーと向かい合う展開、「これイベントスチルをゲットできるやつじゃん」と思わざるを得なかったし、マスクを着けてくれと頼まれたときは「あ~~~PC版だとこのあとキスしてからベッドインするやつ~~~」という感想が真っ先に浮かんだ。グラスワンダーが乱入したせいでそんなイベントは起きず普通に友情イベントになって終わったのだが、冷静に考えたらなんかエルコンドルパサーとのエロゲ展開は全部グラスワンダーに潰されてる気がする。海外遠征することになったから邪魔者はいなくなったぞ! バレンタインチョコを渡す段になってエセ外人喋りが消えるあたり本当にヒロイン力が高い。個別シナリオがエロゲっぽいウマ娘グランプリで一番人気だと思う。
レンタルのAミホノブルボンと自前のB+エルコンドルパサーで育成。とにかくスピードに注力してなんとかURA予選までは突破できたものの準決勝で4着に沈み決勝には行けなかった。スピードがSで残りはC。評価点は7,910でB。実にオーソドックスなツンデレヒロインであり、王道は素晴らしいなというのを改めて実感させられる感じがあった。ウオッカとの友情すき。それにしてもこれでスペちゃんの後輩というのはなかなかに信じがたい。そのおっぱいで中等部は無理でしょ。
レンタルのAタイキシャトルと自前のB+エルコンドルパサーで育成。バクシーン! とにかくスピードをSS+まで上げ、パワーはC+、根性はD、スタミナと賢さはE+まで育てた結果、URA準決勝までは順当に来られたが、決勝で伸び悩み5着に沈んだ。評価点は7,437でB。最初はてっきり自分の苦手な距離にも果敢に挑んでいく挑戦者のシナリオなのかなと思っていたら実際には口八丁で言いくるめて短距離に特化させるシナリオで笑ってしまった。将来的に詐欺に引っかかる確率が150%くらいありそう(1度引っかかってまた引っかかる可能性が50%という意味)。
レンタルのB+シンボリルドルフと自前のB+エルコンドルパサーで育成。スピードがA+、パワーと根性がC+、スタミナと賢さがCで、スプリングステークスでは3着、日本ダービーでは5着となかなか振るわなかったが、それ以降は全部1着で終えた。評価点は7,717でB。運頼みによって調子を崩してしまう姿は痛々しかったが、そこから運ではなく自分の脚に頼って立ち上がる姿を見せてくれたのは胸が熱くなった。王道スポ根だわ……。サイレンススズカと仲良しなの微笑ましくて好き。あと私服が可愛い。スケベナフクキテル~~~!
レンタルのAミホノブルボンと自前のB+エルコンドルパサーで育成。メイクデビューが2着で先が危ぶまれたが、結果的にはなんなくスルスルと勝てた。一度も着順が3着以下にならなかった。それが功を奏してか評価点は8,779でB+。今もうちで一番強く、デイリーレースでどうしても多くの報酬が欲しいときはだいたい彼女に走ってもらっている。スピードがS+、パワーがB、スタミナがD+、根性がC+、賢さがC。天才なのにたづなさんから賢さが不足していると言われて可哀想。最初は奇天烈なキャラであんま好きじゃないななどと思っていたら他のウマ娘を遥かに凌駕するイチャラブシナリオを見せつけられ、「たづなさん助けて、俺この娘好きになっちまう」という感じになった。「告白」はグッと来るものがある。お前こんなん好きにならないわけがないやろ……! 個別シナリオがエロゲっぽいウマ娘グランプリの対抗。あ~~~車椅子生活になったアグネスタキオンの世話を焼くノーマルエンド見たことあるわ~~~!
レンタルのB+シンボリルドルフと自前のB+エルコンドルパサーで育成。メイクデビューが8着で「あっ、この育成失敗かな……早く終わらせて次行こ……」と思っていたのだが、その後はファン数稼ぎのきさらぎ賞で11着になり、阪神大賞典で2着になった以外は全部1着でURA優勝。マヤちん強い。スピードをSまで上げ、スタミナ・パワー・根性がC+、賢さがC。評価点は8,493でB+。うちではアグネスタキオンの次に強い。ナリタブライアンになついた挙げ句口説き落とした感じになっているのは最高。勝負服が可愛い系じゃなくジャケットなのギャップ萌えで最高だしうまぴょい伝説もイケボで歌ってくれるのでバリタチ疑惑が俺の中で浮上している。
レンタルのAテイエムオペラオーと自前のB+マヤノトップガンで育成。今度こそいけるかと思ったがURA決勝で8着に終わってしまった。スピードはA、スタミナがB、パワーがC+、根性がD+、賢さがEで、評価点は7,536のB。めっちゃ大好きだから14回育成しているのにまだURA優勝させられてないのは不覚。育成の最初にマヤノトップガンとマーベラスサンデーを連れてきて並走トレーニングさせると「お気に入りちゃんを連れて来たでしょ」とからかってくるんだけどその度に「俺のお気に入りはお前じゃい!」って突っ込んでる。言動がいちいち可愛いというかこれはもう彼女なのでは? と思っていたら同案多数なようでtwitterのサジェストには「ナイスネイチャ 彼女」が出てきて笑ってしまった。これは卑しか女杯の一番人気も納得。
レンタルのB+シンボリルドルフと自前のB+マヤノトップガンで育成。キャラがめちゃくちゃ好みなので14回も育成してきたがちっとも育成完了まで到達できず、心が折れかけていた。皐月賞で4着、日本ダービーで5着と沈み、有馬記念・春の天皇賞では3着。これはもうダメかもわからんねと思っていたがその後は全部1着で終えた。15回目にしてようやくやり遂げたという感があって感慨深い。スピードはA、パワーと賢さがC+、スタミナがCで根性がD。評価点は7,310でB。トレーナーに見守られながら恋愛に幾度となくチャレンジするその姿からは女の子が上司や先輩にさりげなく向ける「お前のことは眼中にないからね?」というシグナルを感じ取ってしまい自分のフラれ遍歴を思い出してやるせない気持ちになったりもしていたのだが、優勝後にはトレーナーもメジロ家の一員だと言いながら実家に連れて行かれたので多分婿入りする羽目になるんだと思う。ようやく目の前にある愛に気づいてくれたか……!(少女漫画かよ)
レンタルのAマルゼンスキーと自前のBナイスネイチャで育成。スピードとパワーをB+、スタミナ・根性・賢さをCとバランス良く育成した結果URAを優勝できた。評価点は7,789でB。不撓不屈のお嬢様。口を閉じていれば非常に顔立ちの整った美少女だと俺の中で評判。セイウンスカイやスペシャルウィークとのライバルだけど仲間で仲間だけどライバル感ほんとすき。というかめっちゃ面倒見の良い優しい子だよね……ハルウララの寝癖を直してあげているの最高……
レンタルのAマルゼンスキーと自前のBキングヘイローで育成。スピードをA、賢さをB、パワーをCでスタミナと根性がDまで育てたのだが、どうしてもURA決勝を突破できず8着で終わってしまった。評価点は6,830でB。以前に育成したときも頭をなでてきたりして非常にバブみが強く、有馬記念でタマモクロスとオグリキャップに競り勝ったときはまるで結婚式かのようなスピーチをかましてくれた彼女だが、対オグリキャップ戦では控え室でSMプレイをおっ始め、有馬記念に優勝したときはなんと高い高いまでしてくれた。ありのまま今起こった事を話すと「おれはスーパークリークを育成していたと思ったらいつのまにか育成されていた」バブみだとか母性だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
レンタルのAテイエムオペラオーと自前のB+エルコンドルパサーで育成。スピードをA+、パワーをA、スタミナをC、賢さをD、根性をE+と先行重視で育成した結果、オークスで4着に沈んで以降はすべて1着でURA決勝まで駆け抜けることができた。評価点は7,874でB。サイレンススズカの自由な走りに感情を乱されながらも皆の模範たるべき挑戦者として走らんと決意するその姿は女帝としての誇りに満ちていた。あと後輩メジロドーベルちゃんとの絡みが多くてメジロドーベル好きとしてはめちゃめちゃ嬉しい。気が強くて実は人見知りで微妙に男嫌いな黒髪美人どうしが生真面目に話してる姿はなんかこうグッと来るものがある。そしてURA決勝の2着が普段は可愛いけどウイニングライブではイケボになるマヤノトップガンで3着がクール系でおなじみのエイシンフラッシュだったため、うまぴょい伝説とのギャップがすごかった。エアグルーヴさんがうまぴょい伝説をセンターで歌うの……? 見たい! 見れた!
面白くない、というか酷い出来というのが正しいと思う。
シンジが着替えの服にトウジの名前を見つけて察するシーンも、崩壊した世界を見てパニックになったのはなんだったんだ?
カヲル君が「贖えない罪はない」と慰めるシーンの意味も変わってこない?カヲル君ひょっとして第三村の存在を知らなかったの?
知らないと結論するしかないんだけど、ゲンドウに次いで世界を理解してる感じのカヲル君が人間の生き残り(それもシンジの友人たち)の存在を知らないってある?
第三村での描写は「絶望のシンジを立ち直らせるには自然の中で1時間くらい使えば納得するでしょ。」という演出の都合みたいなものしか感じられなかった。
黒綾波が死んだ時も「ああ死亡フラグ積み重ねてたから回収ね」って感情が動かなかった。
同じ1時間を使うなら、もっとシンジの内面を描いてほしかった。
第三村も生き残りも無しにして、3人が壊滅した街をずっと何日も移動する話にして良かった。
シンジが生きる気力は無いけど飢えでレーションに自分から手を出して「死にたいけど生きようとしてしまう」って流れで似たようなこと出来たと思う。
黒綾波の死がピンとこないのは一緒に過ごした時間が少ないからで、3人で寝食を共にするというエピソードがあったら心に響いたのではと思う。
シンエヴァは全編通してラストから逆算して作ってるからキャラの心情描写とか展開に粗が多い。
「エヴァを完結させるにはこうするしかない」って意図や計算が見える演出ばかりだった。
アスカがケンスケと付き合ってるという話も納得するところはあるけど、それより「制作の都合でそういうことにされてしまった」感がある。
最後のシンジとマリは「こうするしかないよね」と言われたら、はいそうですねと返すしかない。
最終決戦前に銃で撃たれるシンジとかばうミサトさんという下りは何のために?と思った。そもそもピンク髪のクルーはQでは「自己中な最近の若者」
って描かれ方だったのがシンで急に「家族のかたき!」って殺意向けるのが唐突に感じる。
トウジをニアサーで死んだことにして、桜に銃持たせて「命の恩人であると同時に兄のかたき」みたいにしたほうがすっきりしない?
シンジがエヴァに乗るための禊の儀式なんだろうけどそもそも必要ないと思う。
というかピンク髪の「超ヤバー」とか若者言葉のセリフもそうなんだけど、序破Qシン通して何?この世界観から浮ついたセリフって感じるのが多かった。
マヤの「これだから若い男は」もあとで回収するためだけのセリフだったし。しかも特に感動しない。
ぽかぽかって言う綾波もバズりたい!名台詞にしたい!って意図しか感じなかった。
アスカが「バカシンジ」「コネメガネ」とかマリが「姫」「ワンコくん」って呼び方も軽くイライラしてた。
ここぞ!ってときに本名で呼ぶだめの前フリなんだけどしつこい。
後半、ミサトさんの特攻はなんか変だと感じた。「これから特攻するので、総員退避だけど艦長だけ残ります」って事前アナウンスだとこれから死にます自殺します感が大きい。
「総員退避しました→あいつが居ない!→まさか…!?」みたいな流れが鉄板だけど効果的じゃなかったのか。
ゲンドウとの戦いで背景が撮影所になるシーンでぞっとした。そういう演出はTV後半があって旧劇もしつこいくらい精神内面描写があったから良かった。
新劇の演出でやると酷い違和感しか感じない。なんかどこかのタイミングでシンジが客席に向かって「映画を見てるみなさん!僕に力を貸してください!」
とか言いそうで怖かった。
シン詰まんなかったって書くと「じゃあどんなのが良かったんだよ」って返されるけどそれは俺の仕事じゃない、と思いつつ考えると、神様が出てくる話でよかったのでは。
エヴァ考察では使徒と人間を作った神的な存在があると指摘してるものもあったので、最初はネルフVSヴィレだったのが、人類VS神という展開になるって話。
ゲンドウとシンジの関係は共闘を通して修復される。Qで出てきた新クルーも活躍できる。というかそのためにあんなキャラ増やしたのでは。
最終決戦で話が全宇宙、全銀河レベルになって視聴者置いてけぼりなのはグレンラガンでもトップでもアベノ橋でも旧ガイナックスの18番だし。
シンは公開日初日に見て酷いという感想だったんだけど、今のところ評価する感想が多くて居心地が悪かった。これだけ書けて満足でした。
ssig33 書いた
加担したゴミ
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NobeeeNobeee
cockokcockok
scorelessdrawscorelessdraw 未見だが(この増田も本文読んでないが)、もう宇部興産しか頭に入らない。そろそろ宇部興産見に行くか、という感じである。
quitquietquitquiet
hobo_kinghobo_king https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=4208.t 宇部興産(4208) 週明けチャートに火柱立つでこれ。 アニメ
ohjinil1124ohjinil1124 書いたじゃねーよゴミ
kanimasterkanimaster 同窓会には行けません。 animeネタ
abababababababaabababababababa マリやで
UtsumiMarkcityUtsumiMarkcity ネタバレに本気で怒ってるっぽい人、正気か?
s5rs5r ネタバレをバズらせるなといいながらはてブしてホッテントリにいれてる人たち
jinkaishitsujinkaishitsu 公開1週間だし、ネタバレを気にするような人はさっさと観に行ったほうが良いのでは...ネットメディアもSNSも、いつまでも配慮してはくれないでしょう
2021/03/14 15:12 リンク yellowyellowyellow
korosukentkorosukent ネタバレ最悪。この人何考えてるんだろう?
samu_isamu_i 死ぬんだとおもってた。世界を救った英雄になって讃えられるわけでもないのか。就職すると思いながら見る映画は最高だぜ
dokodoko あれあそこに住んでるわけじゃないでしょ
tantakatanZtantakatanZ 書いた。じゃないです。見たくなくても目につくんです。タイトル変えて下さいよ
kobito19kobito19 そうそう、ドラクエ映画とかクソ映画ならネタバレ許容されるみたいな風潮はおかしいよね
orbisorbis animecinemalocalneta増田
momoirotanmomoirotan
ytskytsk あとで読む
KAZ99KKAZ99K タイトルでネタバレしないでよーーー!!
workingmanisdeadworkingmanisdead
exciteBexciteB 「地元宇部興産で就職」は虚構と現実行ったり来たりするアニメ屋からすれば「汗水たらす枠」だろ。
tobetchitobetchi eva
demacsdemacs
kiyo_hikokiyo_hiko 宇部興産の株主として宇部興産が話題になるのうれしい。 ネタバレ
2021/03/14 14:32 リンク yellowyellow
Arturo_UiArturo_Ui その企業に思い入れがあるわけではなく、単純に「宇部には他に何もない」というだけの理由じゃないの? ピンと来ない
maketexlsrmaketexlsr “言いたいこととしては俺は宇部興産というか宇部興産専用道路が大好きなんだ。工場の配置の非合理を力業で無理矢理ぶちぬくその精神性”わかる
2021/03/14 14:24 リンク yellowyellow 8 clicks
umazura_factoryumazura_factory タイトルでネタバレすんなよクソ野郎が。
chunguschungus ネタバレ何とか言ってる人 観ろよ
2021/03/14 14:15 リンク yellowyellow
kita-tubakita-tuba なるほどわからん案件(未鑑賞
retire2kretire2k コンクリートで作った不動産が最強ってことやろ
sumoasumoa
beginnerchangbeginnerchang 草
juicyfragrancejuicyfragrance
roirrawedocroirrawedoc
ikioiamatteikioiamatte
nanako_csrnanako_csr あとで読む
llllllpllllllp あとで読む
MozhaiskijMozhaiskij
rocketboy_miyarocketboy_miya エヴァ
uza_momouza_momo ちょっと面白くないフェイクで目が滑って3行で諦めた。
2021/03/14 13:41 リンク greenyellow
readmemoreadmemo さっき見てきてよかった。笑った。
oktnzmoktnzm ネタバレ嫌な連中はそんなに好きならネット遮断するか、いの一番に見に行けよ。見苦しい。
2021/03/14 13:37 リンク yellowyellowyellowyellowyellowyellow
mnoxmnox クッソめちゃめちゃ観たくなったじゃないか。序破急みなきゃ、、、。 movie山口
2021/03/14 13:36 リンク yellowyellow 11 clicks
t-tanakat-tanaka 「宇部興産専用道路」https://www.ube-ind.co.jp/ube/jp/ir/personal/ube_road.html 知らんかった。こんなのあるのか。
2021/03/14 13:36 リンク yellowyellow
queeuqqueeuq マリのおっぱい描写がよかった。それだけで2時間やってくれ。月曜日のたわわ
onigoyonigoy あとで読む
ka5meka5me 一つだけ言いたいのは汗水たらすを狭く解釈しすぎてる。むしろ田植綾波と同じ認識に立ったという解釈が普通。
2021/03/14 13:23 リンク yellowyellowyellow
westerndogwesterndog アニメ
lily7lily7 id:skel マヤ?マリでは?気持ちはわかるが
2021/03/14 13:21 リンク yellowyellow
hobbiel55hobbiel55 evangelionmoviereview
atsuououoatsuououo
kukkykukky まあ作中コカコーラじゃなくペプシな時点で宇部興産礼賛だからな。昔は宇部興産がペプシの代理店やってたんで山口育ちはペプシ育ちよ。
2021/03/14 13:10 リンク yellow15yellow
sifuesifue
neet_modi_kineet_modi_ki タイトルも思いっきりネタバレやろ / ただ公開からこれだけ日数経てばネット空間にネタバレテロするやつはそりゃ出てくるか
ryokusairyokusai 「言いたいこととしては俺は宇部興産というか宇部興産専用道路が大好きなんだ。」よくわからんが就活してたとき役員面接(多分)まで行けたの宇部興産だけでしたね。勿論落ちました。
NSTanechanNSTanechan
kusunoekusunoe
nomukennomuken
qyosshyqyosshy 宇部興産ガチ勢。こういう感想は好きだ。
nnn06nnn06
aurelianoaureliano
2021/03/14 12:57 リンク 52 clicks
zakkichozakkicho
dmekaricompositedmekaricomposite 見てないけどそんなの世界一かわいい道重さゆみが宇部出身で父親が宇部興産に勤務しているからに決まってるでしょ。知らんけど。美人百花で最新のさゆを見るのだhttps://bijinhyakka.com/archives/999034先月号はさゆが表紙。
2021/03/14 12:53 リンク yellowyellow
laislanopiralaislanopira 就職社会animeeva地理山口
SHOWFKUPSHOWFKUP id:ssig33 タイトルでネタバレしてる増田を本アカでセルフブクマってやってること最悪なんでタイトル変更してから消してください
2021/03/14 12:46 リンク blueyellow14yellow
HamukoroHamukoro そうはならんやろ
afurikamaimaiafurikamaimai 見てないので増田が死にますように。
o-8u_s5u_k938o-8u_s5u_k938 アニメネタ
djent44djent44
BBQ_BBQBBQ_BBQ
city_hermitcity_hermit
pdfexcelpdfexcel ーをまら、ゎゎちままだなまたまわたわなたやたわとたてままたまわばやら
POPOTPOPOT 観てない人のためにタイトル変えてやって…
2021/03/14 12:37 リンク yellowyellowyellowyellow
phallusiaphallusia あとで読む
frantic87frantic87 あとで読む
mshotamshota タイトルにネタバレ要素書くのはダメよ
2021/03/14 12:35 リンク redyellow18yellow
sakazaki_dcsakazaki_dc
TakamoriTarouTakamoriTarou
John_KawanishiJohn_Kawanishi その解釈は無かった(焦 エヴァ
hurafulahurafula あとで読む
esbeeesbee タイトルネタバレ、いくない! エヴァンゲリオン
2021/03/14 12:29 リンク yellowyellowyellow
ttmtmyttmtmy
hiroyukixhphiroyukixhp
osugi828osugi828 ラストの宇部新川駅からのラストのくだりは、自分が宇部出身都民だからこそのカタルシスがあったし、でもそれを言語化するのはできてない。地元がいきなり聖地になる気持ちってこういうことなんだな。
2021/03/14 12:25 リンク yellowyellowyellowyellowyellowyellowyellowyellow
qp365qp365 まだ見てないんだからネタバレやめろ。悪いと思ってるならスターくれ
2021/03/14 12:22 リンク yellowyellowyellowyellowyellowyellowyellow
kozilekkozilek ブコメ、マヤとマリ間違えたらあかんやろ!マヤを紹介しに行くところ想像して笑ってしまった。
2021/03/14 12:21 リンク yellowyellow
gothicgirlgothicgirl タイトルだけで完全にネタバレでしょ バズらせんなよ やっぱ最初の土日を過ぎるとみんなガンガン遠慮なくなってくんだなー
2021/03/14 12:20 リンク redyellow31yellow
hatebu_aihatebu_ai なるほど、エヴァに影響を受けた人は実物大エヴァじゃなくて、可動コンクリート(可動コンクリート?)で第三東京市や箱根を再現しようとするのかもしれないな。まあ前者だとLCLとセットになるから物騒になっちゃうか
takamocchitakamocchi 「宇部興産専用道路」また一つ無駄に知識が増えてしまった。ググったらめっちゃ面白かった。ありがとう。
kiringokiringo あとで読む
ohnishiakiraohnishiakira
hashigohinanhashigohinan いやいやいやいや見てない人にとって宇部興産なんていう変化球すぎる情報は(ネタバレじゃなかったとしても)勘弁してほしいよ?
2021/03/14 12:17 リンク redyellow20yellow
anus3710223anus3710223 宇部興産専用道路、人生で1回でいいから走ってみたい
memorystockmemorystock あとで読む
youichirouyouichirou タイトルでネタバレイクナイ…と思ったがまさか未見者もこれがネタバレとは思うまい…
gunnyorigunnyori それを言われたら田舎として出てきた遠州二俣駅付近の人はどうすれば……(なんとなく気が付いてたけど気が付かないフリしてた)
GelsyGelsy 今の宇部興産はほぼ化学一般を扱う企業だし、セメント工場を稼働させるのに必要な正社員もわずかなもの。シーバンスからの出張なら空港 Permalink | 記事への反応(2) | 15:40
オタク趣味の権化みたいな庵野秀明氏の作り出したエヴァンゲリオン。
元々のオタクとはどんなものかというと、まず漫画、アニメや特撮ものが大好きで、SFが大好き。
つまり、リアルをあまり受け入れたくない人たちの集合である、と私は思っている。
今とは違うが、二十年以上前、20世紀の間は、アニメオタクというのは明らかに差別されていた。
かくいう私は、そんなにオタクではなかったが、ちょっとでもアニメの話をしようものなら、友人に「虹オタ」とバカにされた。
ちなみに私は富野派ではなく高橋良輔派であり、ボトムズに一生添い遂げる気分である。すぐ「むせる」とか言ってくる輩はボトムズをバカにしてると思う。ボトムズこそ真の神話・伝説アニメである。
だから、わかる人にはわかると思うが、エヴァンゲリオンは最初は好かんかった。
要するに、アニメ的に女々しいからだ(女々しいという言葉自体最近は躊躇われるが、単純にアニメ女という色が好かんというだけである)。
男っぽいアニメだからボトムズが好きなのではない、媚びてないから好きだったのである。
レイ、アスカ、ミサト、リツコ、マヤ、マリ(は新劇場版だけど)などの女性キャラは、明らかにありとあらゆる一般的オタクを取り込もうとするイカガワシイものに写った。
なので、ボトムズ派でエヴァ好きには悪いが、真のボトムズ派であった私はエヴァなど毛嫌いしていたし、虹オタと呼ばれるのも嫌だったから決して近づかなかったのである。
でも、あれだけ20世紀の終わりに大ヒットを飛ばしているのを横目にしていると、どうしたって気にはなっていた。
そして時は過ぎ、世間ではあんまり誰もエヴァを言わなくなった頃、蔦屋でDVDレンタル半額セール開催中とポスターを見て、半額ならいいかとTV版エヴァのDVDを全部借りて一気見したのである。
負けた、と思いましたね。
大勢の人がいろんな事を言いますが、私は単純に「とても面白かった」のです。当然ですが、25・26話の非難殺到話だって、私の時期には既にAIRが出てましたので問題ありませんでした。
ロンギヌスの槍がどうとか、ゼーレだの、ガフの扉だの、人類補完計画だの、何がなんやらさっぱりわかりませんでしたが、何度も何度も繰り返し見ることになってしまいました。
個人的には、自分自身の父との関係と、シンジとゲンドウの関係がなんとなく似ていて、共感を感じる部分もありました。
まぁでもそんなに深く考えずに、とにかく面白いと、ハマったのですけど、やはり色々と意味がわからない点が多く、本やネットを調べ始めていたのですが、謎解きはそれなりに興味深いのですが、ある頃から非常に気になる名詞が頻発することに気がつきました。そうです……
庵野はこう考えている、庵野が言いたいのはこういうことだ、庵野の人生観が、庵野はすごい、庵野は……
やたらと、「庵野」とばかり目につくわけです。
ボトムズ命の私にとって、実際、高橋良輔は素晴らしいとは思っていますが、高橋氏の考えなど正直どうでもいいのです。
これはガンダムでもそうだった、富野などどうでもいい。気になるのは、ボトムズならキリコであり、ガンダムならシャアであり、ランバ・ラルであり、セイラさんだ。
この理由の根源は、謎が多過ぎたからであり、相当考えない事には細かいストーリーの意味がわからないからであり、結局そこで「庵野は何を考えているのか」に帰結させざるを得ないからでしょう。
それはわかるとしても、これが正直、私にとっては非常に鬱陶しい。
私はただただ単純にエヴァンゲリオンを楽しみたいだけです。どうでもいいのです、庵野など。
今回の新劇場版だって、存分に楽しみましたが、意味がやはりわからないので、Qとかになると頭の悪い私などはネットで調べたりせざるを得なくなるわけです。
そして、シン・エヴァンゲリオン鑑賞。
正直、noteやブログ記事は鬱陶しいのレベルを遥かに超えて「庵野」祭り状態。なんなんでしょう?
今回もまた、映画館で存分にエヴァを楽しみましたが、やっぱ気になるじゃないですか、世間の評価ってどんなもんなんだろうって。
でも見たら「庵野」だらけ。
もっとも、私も絶賛というわけではありません。
一番つまらなかったのは、エヴァなどの動かし方が下手すぎる、という事でした。
AIRで見た弍号機のあの素晴らしい動きはシン・エヴァには影も形もありません。破まではあったのに、Q以降は全然ダメですね。
なのに、例えば「庵野は変わった」とか「庵野は間違いなく震災に影響を受けた」とか「庵野も歳取った」とか「結婚したからつまらなくなった」とか「会社を背負うようになって保守的になった」とか「また庵野のオナニーか」などなど、一体なんなんだ? と思うばかりの「庵野」だらけ。
わかるよ。君たちは自分でエヴァアニメ作れないもんだから、庵野さんに託したんだ、きっと。庵野さんならきっと自分を満足させてくれる、と。
ところが、その期待が過剰になり過ぎて、シンジがかつて叫んだように「ボクを裏切ったんだ!」と思うくらいに思い込みが強烈になり過ぎたのでしょう。
別にいいけどさ、映画だけを純粋に楽しまんのん? とどうしても思ってしまう。
だったら、自分で書けよ、出来んくせに。
※ネタバレありです。
で、大人になるとは何か、という回答が劇中で端的に示されてる。
最後までシンジ嫌いだったあのキャラのセリフである。うろ憶えだが、「明日生き残る事に集中しよう」みたいなセリフ。家族の仇とか放置してそのセリフで、彼女は大人になったわけである。
シンジも同じで、何一つ過去と決着をつける気がなく、ただ出来る事があるからやる、そのために邪魔になるなら過去のいきさつは気にしないし思い出しもしない、という姿勢を手に入れた事で、彼は大人になったのである。
最後まで子供だったのがゲンドウであり、言うまでもなく彼の行動原理は全て過去のためにある。
いったいゼーレはなんであんな奴にとんでもない権力を与えたのか、最後まで分からなかった。
あと冬月も何考えてゲンドウに協力してたのか、やっぱりわからなかった。多分、監督も分かってない。
■気に入らなかった点
・冒頭の戦闘シーン要らないから。あれだけ取ってつけたように意味のないシーンだった。「あと〇〇秒」とかいうのも逆にリアリティないから。時間に余裕がないプロジェクトなんて、始める前から失敗してるから。
・ヤマト作戦の名称もそうだけど、耐ショック対閃光防御とかすんな。(閃光の代わりになにか別のものだった気がするが)
・田舎暮らしを描くときに、善意に満ち溢れさせたの、かなり不自然だから。震災の避難所でもセクハラ・パワハラ・痴漢・レイプが起こるのが現実だぞ。
・ケンスケな、あのキャラ、二次創作界隈では基本的に「悪役」または「嫌われ役」だから。俺はラストに納得してないぞ。
・お前らどうやってあの数々のメカ作ったんだ。
・全員前向き過ぎ。
エヴァでは「女性は弱い」という描かれ方が旧劇からされてないので良い
・マリの「どこにいても見つけ出してみせるからねワンコ君」への違和感。そんなにシンジに思い入れある?
・トウジー!生きてた
・綾波が「私は綾波レイじゃない」というと、「そうなの、そっくりさん」という流れで自然に肯定されてたのがよかった。
・その後もレイはプラグスーツを脱がないけど、「汗水たらして働いて」周りに受け入れられるにつれ、
「エヴァパイロットではない自分」としてのアイデンティティを確立できて、プラグスーツを脱ぐことができるようになったのがよかった。
・レイが委員長に「おやすみって何」「おはようって何」ってたくさん聞いたとき(それこそ赤ちゃんのように)、委員長の答えがお母さんのように優しくて、
よかったねという気持ちと、女に母性を求める意図が透けて見えて気持ち悪かったという気持ちの両方があった。
・トウジやケンスケがシンジに話しかけるシーン、自分は大人になったのにいきなり14歳のままの同級生(シンジ)が出てきたらどう接していいか戸惑うだろうなと思った
・ケンスケのことをアスカが「ケンケン」って呼んだのが一番衝撃だった。そして全裸のアスカ。動じないケンスケ。あっ・・これはやることやってませんか?
アスカとシンジがくっつくものだと信じていたので、あこりゃだめっぽいなと少し悲しみがありました
(と思ったけどこれ、ケンケンが大人でアスカが14歳の体だから動じなかっただけなのかな。そしてラストでは大人の体になっていたので無事ケンケンとくっつけるとか)
・アスカにもDSSチョーカー。後で明かされるけどアスカも人造人間で使徒入りのため?
・だんまりなシンジにアスカが無理やり食事をさせて、そこで無気力にしてるかと思ったら、勢いよく家出していって驚いた。鬱の人ってそんな衝動的に行動できる?
・アスカがレイに「サードのこと好きになるように設計されてる」と言ってたのが印象的だった。そしてアスカもそう。悲しい。
アスカも人造人間だったんだ。式波に改名されてたのも理由があったんだね。
シンジが庵野の投影だとすると、モテモテな自分みたいなのが透けて見えて少し嫌だった。
・アスカがシンジのこと「好きだったわよ」というのがよかった。過去形!「卒業」という感じを受けた。
なお、ラストでシンジも「僕も好きだったよ」と返すの、さわやかだと思ったけど、庵野がアスカの声優に一方的に恋してたエピソードもあるので、
「お互い好きだったけどうちらもう卒業だね(アスカにはケンケンがいるし、シンジにはマリがいる、あとボク庵野には安野がいるし)」みたいな良い話風にねじまげるのはちょっと…と思った
・レイが渡したカセットプレーヤーを跳ねのけたのはどういう心境だったんだろう。ただの拒絶?プレーヤーを拾ってくれてたはずの本当のレイはもう死んじゃったから?
・ペンペンがたくさんいてほっこりした。トウジと委員長とツバメのシーンでも思ったけど、子を産み、次世代に託していくことの尊さのモチーフがいっぱいあったね。猫とか。
・シンジの「どうしてみんな優しいんだよ」の嗚咽、緒方さんほんとよかった。
旧劇で「どうしてみんな優しくしてくれないんだよ」みたいな台詞があったけど、そのアンサーだと感じた
・レイがシンジに「名前を付けてほしい」とお願いするシーン、ラストのほうでユイがゲンドウに「子供の名前決めてくれた?」と尋ねるシーンとの対比でよかった
・レイが目の前でLCLになっちゃうシーン、シンジにまた新しいトラウマを植え付けるなんてひどい…と思っちゃった
・加持さん!一瞬綾波式波みたくクローンかと思ったけど子供!ミサトさんは産休とったんだろうか?とる暇なさそう。
あと死んだお父さんと同じ名前つけるってどうなってるの?呪い?
・シンジ乗船後にアスカとサクラが話すシーン、アスカは「監視」としてシンジを引っ張ってたんだな・・・と切なくなった。ヴンダーに乗らなくてもいいとも言ってたし、それだけじゃないだろうけど。
・マリがアスカにべったり。レズ的に好きなの?そういえば漫画版ではマリはユイにガチレズで…と思ったけどラストでマリはシンジと(ry
・13号機がトリガーなの、13っていう忌み数と関係あるのかな?
・ヴンダーがめっちゃ攻撃受けてるとき、クルーがみんな最速で状況伝達していてよかった。パリでのマヤとのやり取りと違って弱音を吐かない。
・リツコがためらいなく速攻でゲンドウに発砲したのよかった。旧劇では撃てなかったので…
リツコのベリーショート、昔の男(ゲンドウ)からの「卒業」感を感じて好き。評判悪いけど。
・ゲンドウが脳みそ拾うところちょっと笑っちゃった。要るんだそれみたいな。
・ゲンドウが意味深なカタカナ語いっぱい話すの、ビジネス用語を多用しすぎる上司みたいで笑っちゃった
・ところで六分儀ゲンドウっていう旧姓が新劇ではなかったことになった件、考察必要ですか?惣流→式波の改名も意味あったわけだし…。それともユイの苗字を綾波にしたかっただけ?
・ミサトが一番好きなので、ミサトのサングラスが銃で吹っ飛んで彼女の感情が見えるのがよかった。
誰かが言ってたけど、ミサトとゲンドウはサングラスで視線の全部を、アスカは眼帯で視線の半分を隠してシンジと目を合わさないという考察。これでやっとミサトの心が見えるようになる。
・サクラ「怪我したらエヴァに乗らんでいい、ちょっと痛いかもしれないですけど我慢してくださいね」、その通りなんだが、めちゃくちゃだな…
・ミサトがシンジを庇って「私がすべての責任を取ります」というシーン、よかった…よかった…
・そのあと、シンジと抱擁を交わすシーン、シンジ大人になったなあという感じ。親愛はあっても、その間にあるのは大人のキスではなく、他人である別の人間との適切な距離感。
・量子テレポート、めちゃシュバババってなってて笑うでしょあんなの…
・親子対決、いきなり特撮っぽいなと思ったけどミサト家や学校やらでいきなりスケール感のおかしいエヴァが暴れてるの、どういう演出なの…?シン・ウルトラマンの番宣ですか?
・シンジがゲンドウと対話したいと伝えたの、大人になったなという感じ
・ゲンドウの過去、全く想像通りのやつがお出しされてそうだねとなった
・ゲンドウがピアノ好きなの、Qでのシンジとカヲルのセッションが効く演出でいいなと思ったけど、シンジのチェロ設定どっかいっちゃった?
・冬月はなんで(どういう理屈で・どんな感情で)LCLになっちゃったの?
・ミサトさん…死んじゃって悲しいけど、加持さんのところに行けてよかったね
・ゲンドウがシンジの中に「そこにいたのか」ってユイを見出してよかった。
ユイがいなくなっても、いなくなったからこそ忘れ形見のシンジを大事にしなくちゃいけなかった。
ゲンドウが幼いシンジを大事そうに抱きしめるシーン、今まで描写がなかったので良かった。シンジと向き合えないっていう不器用な愛情だけじゃなくて、やっと向き合えた。
人は子を産み育てることが尊いという生命賛歌。生きてていいんだという存在の肯定。
・この辺旧劇とそれほど伝えたいこと変わってないのかな?と思ったので、こんな大々的に焼き直す意味はあったのかな
・どこだったか忘れたけどシンジの突然のすしざんまいに笑っちゃった
・大人ゲンドウを子供シンジが見つめ、今度は子供ゲンドウを大人(少年)シンジが見つめるのがよかった。親のインナーチャイルドを息子が癒してあげたんだね。そういうことあるよね。
マリがシンジに執着するの、漫画版を読んでいたらマリがユイにガチレズ感情を持ってたためにユイの息子(シンジ)に執着してたって視点を持てるけど
ゲンドウの追憶で出てきた、マリがゲンドウにユイを紹介したシーンでBSS(僕が先に好きだったのに)の波動を感じ取れと…?
その流れから惚れた相手(同性)の息子(異性)に「だーれだ」「胸の大きいいい女」って躾込んでるって考えたくなくないですか…?【追記ここまで】
・アスカケンケンカプを公式でダメ押ししててつらかった。そんな、余ったの適当にくっつけるみたいな…
・カヲルの救済はなんで加持だったの?接点あった?あと渚指令ってなに?
・「今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ」とか意味深だったけど、円環とか言ってたからループ世界だったんだね。
・ユイがこのためにエヴァにいたんだというのもよかった。子の背中を押して親は去る。
・槍に貫かれて「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」はものすごくきれいだなと思った。ここでも「卒業」を感じた。
シンジに、ゲンドウに、レイに、アスカに、カヲルに、すべてのエヴァンゲリオンに、そして『エヴァンゲリオン』という作品に。さようなら。
・シンジとマリがくっついたの、旧劇にはいなかったマリ(安野)を手に入れて救われましたっていう庵野と嫁のストーリーだなと感じた。
なんで神木隆之介なの?君の名は。?なんでスーツ着てるのに昼間から仕事してなさそうなの?
そもそもシンジとマリって接点あった?なんでマリはDSSチョーカー外せるの?
ていうかDSSチョーカーずっとつけっぱだったんだ…
チョーカー外すってモチーフはエヴァの呪縛からの脱却ってわかるけど、それはエヴァを槍で刺したのとシンジが大きくなってるのでもう分かるし…虚構から現実への移行のトリガーとして外したの?駅構内で?
・レイとカヲルとアスカが遠くにいて(遠くの虚構)、こっちにはシンジとマリ(庵野と安野・現実)、そして宇部新川駅(庵野の出身地)という現実に帰っていく。
これは、シンジとゲンドウに仮託した庵野の個人的な成長ストーリーだったのだ…
【終劇】
シン・エヴァンゲリオンは私にとって完璧なエンディングだった。
言うべき人が言うべきセリフを言い切って、みんなが解放されたと思う。ただ一人を除いて。
女子校に通いアニオタ声優オタ腐女子として目覚め、それらを順調にこじらせていた真っただ中だった。
そりゃドはまりするわ。謎めいた舞台装置は厨二病をこじらせた根暗な女子にはドストライクだった。
はまって、はまって、毎週ダッシュで学校から帰ってきて、18時だったか18時半だったか、録画もしつつ必ずリアタイしていた。
(今思えばウテナと前後した放映で、よくよく当時のテレビ東京の夕方アニメ枠は頭おかしかった)
前半は惰性で見ているところもあったが、物語が進むにつれてのめりこむようになった。放映時のことは今もよく覚えている。
MAGIにハックしかける使徒とその迎撃は、PCなんて持っていなかった私にこんぴゅーたーかっこええ!と思わせるに十分だった。
バルディエルのぐっちゃーのシーンが放映された日、夕飯は焼肉でさすがにちょっときつかった。
ミサトさんと加持さんの例のシーンはぴったり夕食時で(夕食時に食卓で親の前でエヴァ見るなよ、と今なら思う)、
母親から冷たい声で「あんた、いつもこんなん見てるの?」と言われたトラウマは今も忘れない。あれが私の冷や汗デビュー。
高校の声楽の授業でヘンデルのメサイヤ歌った時は22話のアスカのことを思い出して最高に興奮した。
でも私がひそかに熱狂していたのは、個性の強いメインキャラやストーリーそのものではなく、オペレータの日向マコトの存在だった。
上記イロウルによるMAGIハックの回ではやや出番は多かったが、基本的にセリフも少ない。
マヤちゃんほどキャラが立っているわけでもなく、人柄を掘り下げられることもない。
(が、ロン毛の青葉シゲルよりはやや目立つあたりがまたいい)
そんな彼に一瞬強いスポットライトが当たったのは、24話。いわゆるカヲル君の回。
カヲル君がセントラルドグマに降下していき、管制室に緊張が走る中で当初のプランどおり自爆を考えるミサトとのやりとり。
ーーーーー
ミサト:初号機の信号が消えて、もう一度変化があったときは・・・
マコト:分かってます。その時はここを自爆させるんですね。サードインパクトが起こされるよりはマシですから。
ミサト:すまないわね。
ーーーーー
日向くんはミサトが好きで、そのためなら死んでも構わないと、すこし掠れた声で決意を伝える。
が、そもそもミサトは加持さんと付き合っているのはネルフ内でも自明で、つまり日向くんの恋は叶わないことが前提だった。
劇中で恋心はちょいちょい漏れていたが(そしてEOEで彼のLCL化を導く使者はミサトの姿をしていた)、明確に伝えたのはこの時だけで、
盛り上がるストーリーと逆に一瞬だけ静寂が訪れるこのシーンが、ミサトと加持さんの例の直接的なシーンよりも大人の世界に見えて、
14歳のあの時から今に至るまで消えない記憶として残っている。
私は報われぬ恋をしている日向くんに、ミサトではなく正面を向いてひとりごとのようにそっと告白する彼に、恋をしたのだ。
そんな日向くんは新劇でも登場はしたものの、TV版や旧劇で見せたミサトへの恋心を表に出すことはせず、
新劇だからあの片思い設定もなくなったのか、ま、尺の問題もあるだろうししゃーないな、と思いつつ見ていたところの、今回のシン・エヴァンゲリオンだ。
物語終盤で特攻するためにヴンダーに残るミサト。彼女を一人残して脱出ポッドに乗るクルーたちが映る。画面右に日向くんもいた。
そのシーンで残ったミサトを思い、自分も残る、と言ったのは、日向くんではなくQから登場した新キャラの長門っちだった。
いやいやいやいやいやいや、ちがうだろ、いや、ちがうだろ。そこは日向くんでしょう。そのセリフを言うなら日向くんでしょう。
画面にいるじゃん、長門っちの右にいるじゃない。いや、長門っちも思わぬ感じでいいけど、
でもそこに日向くんがいるのよ、なぜ彼がそのセリフを言わないの?
いや、新劇はTV版とも旧劇とも関係ないから、この世界線なら日向くんはミサトのこと好きじゃないしそんなセリフ言わない、ってことかよと一旦は自分を納得させた。
が、その後私を待ち受けていたのはTV版も旧劇も貞本漫画版すらもすべて包含した、完全なるエンディング。
繋がってるのかよ!!!!TV版と!!!!旧劇と!!!!!お帰り惣流の方のアスカちゃん!!!!
だったら日向くんの恋心はどこいったの?なぜ、彼にこそミサトのもとに残りたいというセリフを言わせてくれなかったの?
日向くんはね、ミサトが加持さんとの間に子供生もうがなにしようが、もうそういうのに左右されないんですよ。
そんなことはとっくに受け入れて覚悟して、仕事に生きるミサトを部下として支えていこうって決めて、ネルフからヴィレまでずっとついてきているんですよ。
彼女も作らず結婚もせず、日々仕事(というには壮大だな)に忙殺されながらも、ずっとそっとミサトを見守ってきたんですよ。
あのバイザーをつけて髪形を変えて自分を捨てて頑なに艦長として生きざるを得なかった14年間のミサトにずっと寄り添ってきたんですよ。
加持さんが死んでミサトは一人になったけど、そこに付け入るとかじゃなくてただそっと寄り添ってきたんですよ、メイ見たもん!!!
もうおっさんになってプラグスーツ着るの恥ずかしいだろうに、がんばって着ちゃうくらい覚悟決まっているんですよ。
(完全に余談だけど予告編でプラグスーツ着るシーン見て鼻血出たよね)
なのに最後の最後にすら、日向くんに思いを語らせてあげないなんて。そのシーンが無いならともかくあるのに!なんで!
見終わった後、エヴァがこんなに見事に完結した余韻と、その中で唯一成仏しなかった日向くんの恋心を思い、私は虚脱状態になった。
そしてこのエントリーを書くことでやるせなさを供養しようと思っていたのだが、はたと気づいた。
叶わぬ恋だからかもしれないけど、決して自分の気持ちを押し付けることはなかった。
だから今回、ミサトの意思を尊重して脱出することこそが、彼の愛をそっと示す行為だったのではないか。
一緒にいたいとかそういう意思表明をするなんて表層的なことではなく、もっと深い部分で愛しているからこそ何も言わず、指示に従い下船したのではないか。
14年前からこの時までの長い時が、彼の恋を愛に変え、その最終的な結実があのシーンだったのではないか。
「日向くんが何も言わない」というシーンを見せるために、敢えて他のキャラにセリフを言わせたのではないか。
日向くんの恋心は消えてなんかいなくて、ちゃんと成就したんだ。
私が好きだった、他の人を好きな日向くんは、ちゃんといたんだ。
池澤夏樹=個人編集 世界文学全集II-11所収 ピンチョン「ヴァインランド」
岡地稔「あだ名で読む中世史 ヨーロッパ王侯貴族の名づけと家門意識をさかのぼる」☆
今尾恵介「ふしぎ地名巡り」★
奥野克巳「ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと」
ピーター・ゴドフリー=スミス「タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源」
テッド・チャン「息吹」★★
ピエール・バイヤール「読んでいない本について堂々と語る方法」☆
イリヤ・ズバルスキー、サミュエル・ハッチンソン「レーニンをミイラにした男」☆
チャールズ・C・マン『1493――世界を変えた大陸間の「交換」』★★★
ジョン・サザーランド「ヒースクリフは殺人犯か? 19世紀小説の34の謎」
東京創元社編集部「年間日本SF傑作選 おうむの夢と操り人形」
高丘哲次「約束の果て―黒と紫の国―」
堀晃ほか「Genesis 一万年の午後 創元日本SFアンソロジー」
水見稜ほか「Genesis 白昼夢通信 (創元日本SFアンソロジー 2) 」
村上春樹「ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集」★
サリンジャー「このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる ハプワース16、1924年」。
チョン・ソヨン「となりのヨンヒさん」
「ガラン版千一夜物語 1」★★★
「ガラン版千一夜物語 2」
「ガラン版千一夜物語 3」
「ガラン版千一夜物語 4」
「ガラン版千一夜物語 5」
「ガラン版千一夜物語 6」
ジョン・サザーランド「ジェイン・エアは幸せになれるか?―名作小説のさらなる謎」★★
ジョン・サザーランド「現代小説38の謎 『ユリシーズ』から『ロリータ』まで」
J・P・ホーガン「未来からのホットライン」
ロバート・アーウィン「必携アラビアン・ナイト 物語の迷宮へ」★
ヴァージニア・ウルフ「ダロウェイ夫人」(光文社)★★★
ジュリアン・バーンズ「フロベールの鸚鵡」
イアン・マクドナルド「黎明の王 白昼の女王」
オルガ・トカルチュク「逃亡派」☆
ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来」上巻☆
ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来」下巻
住吉雅美「あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン」★★★
ルーシャス・シェパード「タボリンの鱗 竜のグリオールシリーズ短篇集」
オルガ・トカルチュク「昼の家、夜の家」
エイミー・B・グリーンフィールド『完璧な赤 「欲望の色」をめぐる帝国と密偵と大航海の物語』
ヴァールミーキ「新訳 ラーマーヤナ4」
ヴァールミーキ「新訳 ラーマーヤナ5」
タクブンジャ「ハバ犬を育てる話」☆
ヴァールミーキ「新訳 ラーマーヤナ6」
ホアン・ミン・トゥオン「神々の時代」★
ヴァールミーキ「新訳 ラーマーヤナ7」
ローデンバック「死都ブリュージュ」
ホセ・ドノソ「夜のみだらな鳥」
ロレンス・スターン「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」上巻
ロレンス・スターン「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」中巻
ロレンス・スターン「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」下巻
入江亜季「北北西に曇と往け」(一)~(四)
石黒正数「Present for me」
澤江ポンプ「近所の最果て」
カシワイ「光と窓」
月ごとに一番面白かった本を3冊選び、★をつけた。ただし、どうしても入れたかったものは☆をつけた。月ごとの順位なので、たとえばパク・ミンギュにはもっと星をつけたいのだがそれが反映されていない。
数えてみたが、2020年に読んだのは活字149冊、漫画22冊だった。毎月12冊から13冊読んでいると思っていたので、単純計算で150冊を超えると思ったが、ぎりぎり足りなかった。とはいえ、毎月10冊という目標は達成している。
1年を通して見ると、ノンフィクションばかり読む時期や、SFばかり読む時期などが明確に交代していることがわかる。特に、4月から6月はSFとファンタジーがほとんどだったが、8月以降SFを全くと言っていいほど読んでいないし、逆に11月、12月は1冊をのぞいてノンフィクションがない。
また、芥川賞をはじめとした日本の現代文学をほとんど手に取っていない。ベストセラーやエンタメ、ホラーもない。逆に、韓国やタイ、ペルーやチリなど、日米欧以外の海外文学の割合が高い。
意識してきたわけではないが、自分の好むジャンルは科学や歴史のノンフィクション、神話、行ったことのないラテンアメリカやアジアの文学、メタフィクション的であったり奇妙な味がしたりする短篇集、古典、であるようだ。一方で、女性作家の割合は低く、特に日本の現代女性作家をほとんど手に取ってない。一時期は多和田葉子だとか江國香織とかをよく読んでいたので女性作家が嫌いなわけではなく、ヴァージニア・ウルフも好きだし、ハン・ガンも自分の中では大当たりだったので、もう少し割合を増やしてもいいかもしれない(追記。身につまされる話よりも読んでいて気持ちのいい本を読む率も増えた)。
割合の話でいえば、大学時代はもう少し文豪の作品を多く読んでいたように記憶している。それと、いくつからの例外を除き、世間の動きや話題とは遊離したチョイスばかりである。世の中から目を背けているわけではないが、日々の雑事とはまた違う視点に立てたのはありがたかった。新型コロナウイルス関連の記事ばかり読んでいては気がめいってしまう。
今年は少し冊数が少なくなるかもしれないが、引き続き毎日の気晴らしとして、気が向いたものを好きなように読んでいきたい。
以上。
マヤもなんだ。もう主力いないじゃん
特に理由はないのだが、最近の通勤時間で「ラーマーヤナ」を読んでいる。特にインドに旅行する予定はないのだが、しいて言えば大学時代の友人二人がインド哲学科出身だったからかもしれない。そういえば、冒頭のムスカの台詞では長母音の場所が間違っている、みたいな話にもなった。
それはさておき、「ラーマーヤナ」である。英雄ラーマが囚われの妻シーターを仲間の助けで救いに行く話で、要するに古代インドのスーパーマリオなわけだが、そこで出てくる美人の形容が興味深い。たとえば「美しく黒ずんだ肌」という表現が出てくる。美白という美意識はやはり時代や地域によっては必ずしも自明ではないのだ。
また、ほっそりした腰つきや豊かな乳房の美しさを表現する箇所もある。
「二つの乳房はそれぞれの先端がむっちりと盛り上がって魅力的で、つやのあるヤシの実のように美しく、最上の宝石の装飾品をつけて輝いている」
この個所を読んで僕は首を傾げた。ここまで乳房の美しさを形容するってことは、シーターは上半身裸だったのか? 実際、インドや東南アジアの神々の像では女性たちは上半身裸だ。以下はエローラの石窟の姿である。
しかし、近現代のインドの叙事詩を描いた絵画では、上半身を普通に覆っている。
シーター姫を攫ったラーヴァナが助けに来たジャータユを返り討ちにする図
それを見て思い出すのは手塚治虫の「ブッダ」だ。正直なところ、みんなおっぱい丸出しで小学生の頃はエッチすぎて読めなった記憶しかないのだけれど、それはさておいて、あれは歴史的に見て正しいのだろうか? それとも、単なる手塚治虫の性的空想だったのだろうか?
そういうわけで僕は「ancient india topless」と検索した。すると、肯定的な証言をするサイトが数多く引っかかった]。特に、英語版ウィキペディアのtoplessの説明がわかりやすかった。
In many parts of northern India before the Muslim conquest of India, women were topless. ……(中略)……Toplessness was the norm for women among several indigenous peoples of South India until the 19th or early 20th century……(以下略)
ムスリム征服以前のインドの多くの地域では、女性は上半身裸であった。……(中略)……上半身裸は19世紀や20世紀初頭の南インドの先住民の女性の間では普通のことであった……(以下略)。
そういうわけで、古代インドの女性はおっぱい丸出しだった。手塚治虫は変態だったかもしれないが、古代のインドの服飾史については、嘘をついていなかった。
また、「古代インド おっぱい」と日本語で検索すると、次のようなツイートが見つかった。
https://twitter.com/tenjikukitan/status/1093099586778853378
古代インドに詳しい方が日本語で情報発信をしてくださると、大変助かる。
よく、東洋を舞台とした作品でブラトップ同然の格好をした女性が出てくることがあり、しばしば批判されるのだが、これは実際には上半身裸だったのを攻めておっぱいだけは隠しておこう、という配慮だったのかもしれない。
実際、いわゆる熱帯地域だけではなく、古代のクレタ島でも乳房は見せていたし、それこそ以前記述したように、日本の海女さんもかつては上半身裸が普通であった。
ところで、英語版のウィキペディアを読んでいたら、気になる記述を見つけた。
The Breast Tax (Mulakkaram or mula-karam in Malayalam) was a tax imposed on the lower caste (Shudra) and untouchable (Dalit) Hindu women by the Kingdom of Tranvancore (in present-day Kerala state of India) if they wanted to cover their breasts in public, until 1924. ……The tax was evaluated by the tax collectors depending on the size of their breasts.
乳房税(ムラカラム)とは、現在の(南インド)ケーララ州で低カースト(シュードラ)と不可触選民(ダリット)に属するヒンドゥー教徒の女性が、公共の場で乳房を覆いたければ支払わなければならなかった税である。……税金を集める役人が女性の乳房の大きさによって額を決めていた。
なんとも非人道的で、正直なところ読んでいてかなりのショックを受けた。身体の大きさを申告・検査しなければならない恥ずかしさ、支払えなかった女性の苦痛、いかほどのものであっただろうか。個人的には野外露出系のポルノは大好きだが、これが強制されたものだとなると不快だ。裸とは恥ずかしいものではなく、人間が生まれながらにして持つ、何物にも束縛されない自由を意味する気持ちのいいものであってほしい。それにこれはフィクションではない。歴史的事実だ。
これについて日本語の資料が見つからないかどうか探したが、幸いにしてナショナルジオグラフィック誌の記事があった。
古代ローマにトイレ税、世界5つのヘンな税 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
乳房税が廃止された経緯もまたショッキングである。ある女性が収税に来た役人に抗議するため、乳房を切り落として見せたことがそのきっかけだ。言葉もない。ローマの公衆便所から税を取り立てたケチで名高いウェスパシアヌス帝が単に合理的でまともに思える。
そのナショナルジオグラフィック誌だが、2018年に同誌は人種差別的であったことを公式に謝罪した。国内の有色人種を無視していたし、外国の文化も過去の姿をやや好奇の念をもって眺めていた。そして、異民族の過去の姿である上半身裸をピックアップしすぎた、と。
とても誠実な姿勢だと思う。確かに異文化への関心は、はじめのうちは興味本位や小ネタから始まるかもしれないが、それだけで終わってしまってはもったいないし、現在の姿を誤解したままでは失礼だ。それに、欧米や日本がオリエントの人間を過度にセクシャルに表現してきた歴史があり、それを是正することはまったく正しい。
それは欺瞞だ。伝統的に上半身を見せる文化を改変するのは子どもたちに嘘を教えることになる。乳房を恥としない相手の価値観や服飾文化の破壊ではないか、という意見もあり、それももっともだと思う。とはいえ、今のところ乳房は隠すものがデファクトなグローバルスタンダードになってしまっている。歴史的正確さと表現のふさわしさと、これもまた正解のない問いである。
シーター姫のおっぱいが気になった僕もこの罪とは無縁ではない。今を生きる人々の人格と彼らの先祖の文化や伝統、どうすれば両方に敬意を払えるかを考える日々である。できる限り正確性に努め、通説が誤っていれば訂正をするように心がけているが、それでも異文化への関心が性的な好奇心とは無縁ではないことを意識しないではいられない。
今回は古代インドではトップレスが普通であったことを示した。また、乳房の隠蔽はキリスト教だけではなく、イスラームの影響もあることも明らかになった。
今後は、世界の中で乳房がどのような文脈を持っていたかを調べたい。例えばシチリアの聖アガタも乳房を切断され、かつては形の似ているパンや鐘の職人の守護聖人であったが、いまでは乳がんの守護聖人ともなっている。また、戦時中の日本を含め、多くのプロパガンダでは、乳房は母性の記号として国土の豊かさを意味してきたし、しばしば女性を母としての役割に閉じ込める役割も担ってきた。逆に、女性自身が抗議の意味で露出することもある。私の身体は私のもので、勝手に意味を担わせないで欲しいという奪還の意図もあるのだろう。
加えて、世界各地ではどのような形の乳房が理想とされてきたのか、その変遷もいつかはたどりたい。
実際、「ラーマーヤナ」ではほっそりした体を(乳房の重みで)曲げて、と形容されるターラーという猿の夫人がいる。今も残るインドの彫刻から判断すると、古代インドには細い腰とそれに対する豊かな乳房への明確な好みがあったのではないかと推測される。また、この彫刻の特徴は東南アジアにも受け継がれている。その辺が知りたいのである。
このあたりは西洋の絵画史からたどるのがいいかもしれないが、芸術が個人の自己表現となった時代以降は、画家自身の好みも反映されて難しい。
また、逆にトップレスが世界の標準であった可能性についても検討したい。すなわち、ユダヤ教、キリスト教、イスラームの広がっていない地域の服飾史について検討し、トップレスでいることの自由がどのように失われていったかについても調査したい。
昨日書いたことは間違ってた。
まあ、思いつきを書いてるだけなので。
いずれにしても「恐れるな我が半神よ」の半神は阪神ではないし、
Googleするとやたらに神と人の間の子みたいなのが表示されるけど、
それが合体すると完全な神になる、
本来、人は腕が四本、足が四本、頭が二つの生物だったが、それが分離してしまった。
その分離した同士が元の完全な状態になるために惹かれ合う、求め合うのが恋だの愛だのだ、
という宗教があるという話と似ているようにも思ったわけだが、
まったく影響受けてない作品なんてあの時期あったかというぐらいインパクトはあったわけだし、
あの余韻から影響受けてないものまで影響受けてるように見えてくる時点で
やっぱりエヴァは凄かったんだろうなあ、と思いはするけど、
ラーゼフォンは色々芸が細かすぎるというか、
ムーじゃなくてムウMuが正しいのか、
観ているうちにそんな話になるわけがなく、
というか、色々考えていると、オカルト臭さとか、
音ゲーの楽しみ、煎じ詰めれば「タイミングよくボタンを押すと楽しい」に行き着くんじゃね?ガラスの仮面でも音楽の素養がないマヤがペンキ塗りのパントマイムで「音楽に合わせて体を動かしたら楽しいと思って」って言ってたやろが。
高難易度で高速ノーツをビタ押しするのはほとんどアスリートの領域っていうか、高難易度STGとか死にゲーの達成感みたいなのが楽しい。まあ高難易度音ゲーの音楽ってみんなピロピロしてて違いわかんないっつーか、音楽自体を聞いて楽しいかと言われると疑問は残る。
音ゲーは果たして音楽を楽しんでいると言えるのか、という疑問はわからないでもない。でもリズムに乗って楽しむのは音楽の楽しみ方の一つでしょう。個人的には音楽世界をイメージしたMVを見るのが好きなので初音ミク Project DIVAみたいな音ゲーがいっぱい出てほしい。シアトリズムとか
マヤ!木になりなさい!
つまりはそういうことなんだが、アクタージュ好きなんよ。私はね。
ちょっと前にチェンソーマンおよび藤本タツキ激推しお気持ち長文書いたんだけど、この増田に対してあのレベルの激推し文が書けるほどのバックボーンが私にはない。ただアクタージュってワードに反応して語りたく成った迷惑な早口キモオタだ。許せ。
漫画マニアなら、演劇漫画と言えば大御所も大御所、金字塔も金字塔のガラスの仮面が思いつくだろう。累も大好きだけど、あれは演劇が主体かと聞かれたら微妙なところだ。アクタージュの凄さ、面白さは、ガラスの仮面を下敷きにしながらきっちり少年漫画に落とし込む上手さ、現代性の取り入れ方だ。演劇なんてジャンプっぽくない題材で、どうやって少年漫画に落とし込むか?という方向性に疑問が行くだろう。しかし、違うのだ。元々のガラスの仮面、このガラスの仮面こそが、極めて少年漫画的で、かつ化け物じみた少女漫画なのだ。
ガラスの仮面において、しばしば主人公マヤの狂気性がクローズアップされる。どれだけ弱めても「狂気」だ。少女漫画はえてして、人間関係のドロドロを誇張含めて描きがちである。ガラスの仮面ファンも、アンチも、なんとなく読んだことがある人も、「こいつはヤバい」と思っただろう有名エピソードとして「泥まんじゅう」がある。ネタバレは出来るだけ避けるが、この狂気性はどうしても伝えたい。ガラスの仮面をこれから読む人でネタバレが気になる人はさよならだ。まあ流石に居ないだろ。
基本的には、マヤは「月影先生や速水の寵愛を受け、美味しいところを持っていく」役柄で、作中でもきちんと周りから指摘され、嫉妬される。なろう系のように「さすマヤ」状態にはならない。それこそ、ほぼ殺人未遂の石(本物)を舞台上で投げつけられたりする。まんじゅうを泥団子にすり替えられたりする。さすがのマヤも手が止まる。だが、「おらぁトキだ!」と、マヤが演じるトキになりきって、泥まんじゅうを満面の笑みで食ってしまうのだ。もはや「さすマヤ」である。あまりにも強烈過ぎる自己否定だ。彼女はマヤではなく、あの瞬間、間違いなくトキだったのだ。マヤは、自らがマヤであること、演技力がある人間であること、紫のバラの人に憧れを抱く人間であることなど、そんなアイデンティティにほとんど執着がないのだ。劇中で自分ではない何かに成った自分こそが彼女のアイデンティティなのだ。物語に没入していなければ「なんだこいつ」だし、没入してても「狂気」だ。「演劇をやりたい」という極めて明確な目標を元に、自分すらも捨て去る。演劇を主体として見ればとても少年漫画的であり、生き様としてみれば少女漫画のエッセンスがこれでもかと濃縮されている。不朽の名作だ。
さて、アクタージュの話だ。主人公の夜凪景は、いわゆる演目になりきる憑依型のアクターだ。まんまマヤである。さらにライバルキャラの百城千代子もほぼ亜弓である。そして主人公を演劇界に引っ張り上げた演出家には、いつかやりたい「幻の演目」……当然ながら「ガラスの仮面」への類似性への指摘されるし、あの名作と比較してどんな差別化をしてくれるのか、と比較される読み方をされていたと思う。ガラスの仮面を読んだことがない人も、ガラスの仮面ファンにも、ちゃんと面白いと思ってもらわなければ連載は続かない。
アクタージュは、必ず「この人はなぜこうなったか」「なぜそれができるか」「なぜそうするか」が描写される。つまり、描写される演技には必ず「アクター個人としての」アイデンティティが関わってくるように描かれている。ガラスの仮面のあまりにも強烈過ぎる自己否定など、微塵もない。この一点こそ、マヤと夜凪の、ガラスの仮面とアクタージュの決定的に違うところだ。ガラスの仮面ファンもニッコリ。
そしてもう一つ大きな違い、「個と組織」の違いだと考えている。ガラスの仮面は圧倒的に「個」だ。読めば分かるが、ガラスの仮面は組織が組織の強みを生かしたシーンが実は少ない。組織の良くない、ドロドロしたところの描写のほうが多いくらいだろう。マヤの理解者である、月影先生も劇団の主催ではあったものの、強烈な周りに理解されない天才、「個」だ。速水さんも明確な「個」である。強烈な個がぶつかり合う様でガラスの仮面は成り立っている。
アクタージュは、組織的なものがちゃんと組織として役割を担っている。それだけだと、ただ主人公とライバルが活躍するだけの漫画かと思ってしまうが、きちんと「組織」が役柄をもっているため、組織の存続に関する視点が本筋に関わっていく。商業的な視点も取り入れながら、きちんと少年漫画をやっている。実に現代的な視点であり、ガラスの仮面リバイバルとしても十分に面白い作品となっている。ガラスの仮面知らない人もニッコリ。
強烈過ぎる自己否定からくる演技への執着、それによって誰にでもなる、なってしまうガラスの「仮面」のマヤ、時には暴走するが、自らのバックボーンを捨てることなくリアルを演出する「アクター」ジュの夜凪。対比として美しいって書いてて思った。
どっちかのファンでもどっちも知らない人でも、片方読めば楽しめるし、両方読めば4倍楽しめる。1+1で2じゃないぞ、2の2乗で4倍だ4倍。読んでくれ、特にガラスの仮面。
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俺の事は気にするな、じゃなくて、そこは「そうか…でも俺はおまえが好きだから別れない、辛いけど、一緒にいて欲しい。心が俺にないのは分かっているけど」みたいにマヤって奥さんの罪悪感を刺激しながら一緒にいるのが一番だと思うけどな