はてなキーワード: 貸衣装とは
アプリで知り合った男。30代くらいって聞いてたけど、まあアプリの写真では普通だったんだよ。
待ってたらさ、すっごいピッチリした燕尾服を着た男がこっちに歩いてくるのが見えた。
いや、もう、ピッチリどころじゃなくて、皺ひとつない、まるで貸衣装か何か? しかも白手袋までしてて、コスプレかよ!って。
渋谷のど真ん中、ハチ公前でだよ? マジで「え?は?」って二度見しちゃったもん。
こっちはエゴイストで揃えた白のオフショルダーに、リゼクシーのブラックのタイトスカート。
あと足元はダズリンのヒール。 だけど燕尾服と並ぶと、もうなんかコスプレ大会の参加者みたいでめっちゃ浮いてたんだよね、私。
そいつが近づいてきて、いきなり「増田さん?」って声かけてきた。
いや、あんた誰よって。絶対間違えてるでしょ?って思ったけど、相手が名乗ってきて間違いないってなった。写真となんとなく顔も似てるし。
仕方ないから、「はぁ…」って頷いた。そしたら、「良かった!僕も少し早く着いちゃって!」とか言って、近くのスタバ渋谷モディ店で一緒にお茶しない?って誘われたの。燕尾服で。
そりゃ、ついていくしかないじゃん? でも、スタバよ? もう、周りの視線が痛い痛い。
私も恥ずかしさで顔真っ赤だったけど、燕尾服はそれを「照れてるんだね」って勘違いしたのか、ドヤ顔で笑うんだよ。
「照れなくてもいいよ」って、完全に勘違いしてる。
「今日は特別な日だと思って、これを選んできたんだ。どう?カッコいい?」とか言われて、いや特別な日じゃないし…って心の中で叫びつつ、うんざり。
でもあいつ、燕尾服のくせにドヤ顔で延々と喋る。まるで自分のファッションセンスが神レベルだと思ってるみたいに。
もう最悪だった。なんで燕尾服なんだよ?って聞きたかったけど、怖くて聞けなかった。いや、だってさ、エゴイストに燕尾服って、どう考えても合わないでしょ?
スタバに入っても私たち、完全に浮いてた。燕尾服と一緒にいるだけで、まるで私もコスプレ仲間みたいな雰囲気になっちゃってさ、もう痛すぎた。
とりあえずレジに並んで、何か注文しようってなったんだけど、燕尾服がなにを頼むのか気になった。
そしたら、いかにも「僕、センスいいでしょ?」って感じで、「キャラメルマキアートのトールサイズ、ホイップ多めでお願いします」って、完璧な発音で注文。
トールサイズのキャラメルマキアートがこんなに威圧感ある飲み物に見えるなんて思わなかったわ。
で、私はというと、もうどうでもよくなって、「カフェラテのショートサイズ、シロップ少なめで」と、いつも通り無難なやつを注文。
シンプルなラテが一番だし、頭の中は「とにかく無難に過ごせ、無難に帰れ」って思考がグルグルしてた。
横にいる大学生っぽい女子二人組がクスクス笑ってるのが聞こえて、ふとそっちを見ると、二人とも全身がレディアゼルで固められてた。
よく見るとバッグはシャネルのクラッチ、だけど靴はアースミュージック&エコロジーみたいなミックスで、いかにも見栄を張ってる感じが見え見え。
こっち見て笑ってるけど、正直私からすればそんなに大差ないじゃん?って思いながらも、やっぱり痛いものは痛い。
ようやく席に座ることに。彼はなんと、座る瞬間もまるで貴族みたいに燕尾服をさばきながら、ふんわりと腰掛けた。
私はそれを横目で見つつ、「なんでこんな格好でここにいるんだろう…」って頭を抱えたくなった。
で、会話が始まったんだけど、正直何を話してたか全然覚えてない。
燕尾服が何か一生懸命話してるのは分かってたけど、私の頭の中は自分が注文したカフェラテと、目の前でマキアートを飲んでる燕尾服しか入ってこなかった。
会話なんてもう無理。燕尾服がずっと頭にこびりついてた。
「ここは僕が払うよ」って、燕尾服でカッコつけながら支払いをしてくれて。
美味しかったカフェラテをタダで飲めたってことだけが唯一の救いだったわ。
燕尾服、悪い奴じゃなかったと思う。
振袖は着たくない。
大学卒業を控えた今のわたしも、やっぱり袴は着たくないと思っている。
2年前は自分でもよく理由が分からず、親や祖母は一生に一度なんだから着ればいいのに、と言い続けた。
だけど、成人式=振袖の構図に乗っかるのはありきたりだから嫌だとか、親のお金で選ぶ=途中でやっぱやーめた、とかできない、心理的閉塞感が自分のファッション美学に反するだとか、適当な理由を並べて回避した結果、それでも一応新しく買ったワンピースで、中高の同窓会みたいなやつに出た。(地元に友達がいないので式自体は出ていない)
わたしの振袖が見たいと主張していた祖父は前年に死んでいたから、わたしの主張に強く反対する親戚は誰もいなかったからだ。
そうして2年が経ち、現在卒業を控えているわけだが、袴はやっぱり着たくない。
最初は、2年前着られなかった振袖で出ようかとも思った。白地にバーンとでっかい鶴に椿とかを背負ってカッコよく決めたいな、なんて考えて、一度はその気になってフリソデモードに足を踏み入れてみたり、伊勢丹の貸衣装を覗いてみたりした。
けど、親が寝た後の暗いリビングのテーブルに、ぽつんとパンフレットが置かれているのを見て、やっぱりなんか違うな、と唐突に思った。パンフレットの幸せそうなモデルさんにイライラしてきて、もらってきたばかりだけど丸めてゴミ箱に突っ込んだ。
表紙を一枚捲ると、「お母さんに感謝を」的な、そういう文言が書かれている。
お母さんに感謝。
一理あるかもしれない。女手一つで育ててもらって、一貫に通わせてもらって、私大に入れてくれた。そのおかげで、悪くない職にもつけたと思う。いまいち活かしきれてないかもだけど、それはまずはありがとう。
けど、わたしは忘れない。忘れていない。
幼稚園の時にヘアゴムを無くしたら、夜中までリビングに立たされて、父親が帰ってくるまで怒られたこと。裸足で踏むフローリングの冷たさ。布団に入っても温まらない足を手で握って擦っていたこと。
両親が離婚して、変わった苗字を学童でからかわれて悔しくて、帰り道泣きながら母親の背中に話したら、「そのくらいで泣いててどうするの?」と逆に怒られたこと。自転車の後ろで、溢れる涙を押し殺して、声だけは気丈に振る舞ったこと。
テストの振り返りがちゃんとできていないといって、窓ガラスに向かって投げ飛ばされたこと。ベランダに締め出されたこと。投げ飛ばされたときは、これでわたしが大怪我でもすればお母さんも肝が冷えるかな、なんてのんきに考えていた。ベランダに出されるのは慣れっこだし、じっとしていればそのうち「なんで入ってこないの」て迎えにくるから大丈夫。
正直、これを書きながら涙が止まらない。
ぜんぶ完璧に乗り越えたと思っていたけど、全然まだ、わたしのきずとして残っている。
「お母さんに感謝を」というキャッチコピーを見た瞬間、わたしはそのことを理解した。
母とわたしは今では普通に仲良しだ。だけど、今までの人生で、何度も辛い目に遭わされてきたし、わたしはそのことを許していない。だから、母親に、「普通の母親が享受できるはずの幸せ」を与えたくないのだ。だから、振袖を着たくないと思ってしまうのだ。
メカニズムを把握した瞬間、振袖に対するもやもやした未練は消え去り、親への復讐という素晴らしい目的のためになんとしても今回も、袴および振袖を回避せねばならない、という使命感で高揚してきた。というか、今までの所業を「振袖姿を見せない」だけで精算してやろうというんだから、わたしは相当心が広いんじゃないかとすら思えてきた。だよね?
言って仕舞えば後もう一つ理由はあって(似たようなことだが)わたしは結構完璧主義なのだけど、「振袖とは心から完璧に祝いの気持ちで着るものだ」と信じている。だけどわたしは卒業を大してめでたいことだと思わないし、親には複雑な感情があるしで、そんな状態の人間が振袖を着てニコニコするというのは言うなれば振袖というものに対する「解釈違い」なのだ。だからやりたくない。
ここに書いたことは流石に母本人には言えないが、誰かに聞いてほしいのでここに来た。ご清聴ありがとう。
丸めてゴミ箱に突っ込まれたパンフレットをみて、翌朝の母親が少しでも心を痛めることを願って。
撮影の現場にどれだけ多くの人が携わっているか想像できるだろうか。
現場はもちろん上には企画がいて、スポンサーの広報や決済者、広告代理店、膨大な人数が「あなた」の作品のメディアミックス化事業に携わっている。
「あなた」には作品を守るために著作人格権を行使し制作を止める権利がある。
権利を行使した結果、数百人の稼働に穴が空き、会計的にはすでに切った手形を組み戻す事務手続きも生じるだろう。
上場企業だと会計で特別損失を計上し、株主総会で株主が経営陣に問いただす場面も生まれるかもしれない。
ケータリングの業者は仕入れが無駄になったり、貸衣装も行き場を失い、ロケ地の観光協会は肩を落とせば御の字で、印刷代も無駄になったかもしれない。
「あなた」の担当編集はしばらく昇進の目はなく、かつて「あなた」の担当だった編集長も肩身が狭い思いをするかもしれない。
「あなた」が同人誌即売会で合体サークルを作ってる作家とは付き合いが疎遠になるかもしれない。
もちろんこれらは全て杞憂かもしれないし、仮にこの内の誰かが首を括ったとて「あなた」にはなんの責任もない。
だとして「あなた」はその権利を行使するかどうかの判断を気分良く下せるだろうか?
過ぎたる力を手にしたと後悔はしないだろうか? 作品を守るためならあらゆる犠牲を許容すると主張できるだろうか?
とはいえそんな犠牲は嫌だからと製作に介入する手段も「あなた」にはある。
最善を尽くそうとした「あなた」は演劇についてどれほどの知識があるだろうか。
「あなた」は筋書きに手を加えて内容を修正しようと試みたが、その悉くが上手く行かなかった。
脚本は演技と演出で修正され、修正した演出は撮影で加工され、理想の絵を撮ったと思ったら編集され、しまいには主役の露出時間が少すぎると口を挟まれ。
「あなた」は本業ではないとはいえクリエイティブで次々に妥協を強いられる。
「あなた」は己が作品を守ろうとせんがために己が作品を自ら崩していく。
「あなた」はどうする?
どんな物事にも賛否両論があることを「あなた」は重々承知している。
それでも目についてしまう、「原作ファンの失望」と「妥協の産物を褒め称える声」が。
面白かったですという100の投稿に埋もれる僅かな1つのポストが、どうしても頭から離れない。
そして何故か作品の裏の事情が、勝手な憶測とともに広がっていく。
面白かったという100の投稿は「あなた」の作品を見てもいない万の声にかき消される。
もはや作品どころか「あなた」自身のパーソナリティですら大衆に消費されていく。
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これ書いてるのはたぶん、夏休みの高給バイトっつーことでよくわからんまま面接受けて、右も左もおぼつかず悪戦苦闘してる女子高生かフリーターなんだろうと思うが、かくいう自分も一応”中の人”経験者なので、事情を知らん他の人も含めてこの手の撮影商法に関してさらっと説明しておく。
(ただし園内での撮影許可に関しては、手元のパンフに「当園の委託を受けた業者が、お客様の撮影を行う場合があります」「入場の際には、お客様など入場者を含む写真が、当園の宣伝その他の目的に使われる事を許諾したものとします」などの断り書きがされてる例がほとんどだ。園内はそもそも、基本的には私有地であることを忘れんように)
観光地では昔から、地元の写真館が旅行記念写真撮影もやってる例が多いんだが、今じゃデジカメや携帯電話のカメラ機能が高性能化してるしでこのビジネスモデルは徐々に時流に合わなくなり、廃業や合併も珍しくなくなっている。まずここら辺の事情は、皆の想像通りだ。
元増田の場所では富士フイルム社製のライドフォト自動撮影システムが組まれてるけど、娯楽施設以外で販売されるものでは市販の「写真プリンタ」をRAID的に組むことで見た目の出力速度を向上させるソフト(ご丁寧に、ドングルプロテクト付きだ)でプリントした”写真”を渡す業者もある。
http://www.print-better.ne.jp/story_memo_view.asp?StoryID=6103
で、こんな写真を買う人がいるのかって?いるんだよ!そうでなきゃ、自分もとっくに食いっぱぐれてる。具体的な納入先を挙げると、企業や学校の旅行に老人クラブ(年金友の会)、各旅行代理店ごとのパック旅行ツアーでの団体撮影がメインだ。
撮影機材だが、昔は6x7のブローニーフィルムで周遊前に撮影・即座に現像して焼付けし、宿泊するホテルのロビーまで出張して販売していたものだが、最近は撮影からプリントまでフルデジタルでたったの3分。無線LAN経由で、キヤノン・ニコンのデジタル一眼で撮影・純正トランスミッターを使用してデータ転送がおこなわれる仕組みになっている。
・・・要はつまり、ガジェット好きな大半のはてなー諸君には、「いらんわ」と言われるだろう商売なわけだ。
ここでひとつ、疑問が浮かぶだろう。「撮影がデジタルカメラなら、なぜデータを売らないの?」。
自分も一度そう思った。やってみりゃいいのにと。
ところがそこからは、ウェブシステム系の構築や保守、といった壁が高く立ちはだかる。今まで培ってきた記念写真販売ビジネスのノウハウは、そこにはまったく通用しない。
具合の悪いことに、写真ビジネスに関わる人間というのはみな、どこかガンコなところを抱え、しかも年齢が高い人がそう少なくない。したがって、機材のデジタル化に対応できずに絶滅した業者が多いわけだ。
(ただしスタジオアリスなど系列の写真館では、「一定期間経過した後に」などの条件で撮影データの販売もしている。もっともこの辺は、ストロボや貸衣装などの撮影器材を常時稼働できるようメンテナンスしている分の人件費も込みのコスト、と考えたほうがいいだろう)
このため、近年の30代未満の旅行者がおそらく求めている「物質としての写真は不要・ブログにきれいにアップロードできるデータがほしい」といったニーズに、当の記念写真撮影業者側が対応し切れていない、という妙な状況に陥っているのだ。
いっそのことウェブストレージ系ビジネスと提携すれば話も早いのに、と自分は感じてしまう。
ただしビジネスとして考えた場合は別で、旅行の際にお金を自由に使えるのは、現状では高齢者が圧倒的だ。
だったら、彼ら向けに写真を売っていればまだ”延命”できる、と考えてしまうあたりがこの業界の悪弊というか、限界を見る思いがする。
※2015.Apr/06th 追記:
ブコメにも記しておりますように、このエントリの著者は id:guldeen であります。退職したタイミングだからこそ言える事というものも、世間にはあります。
店の評判調べてたら悲しいブログがあった。
http://d.hatena.ne.jp/dropdb/comment?date=20071011
人生に1回きりだからって、買う気もないのに試着しにくる人なんかいるんだ。。。
うちはゴスロリの洋服を扱ってて、物珍しいかもしれない。
同じ気持ちでくる人も多いのかもしれないよ。
でも、ブログで買う気がないってアピールされちゃうと、店員として複雑な気持ちになっちゃったお。
うち、貸衣装屋と違う。
飲食店で席に案内してお冷を出してお勧めメニューを説明して、一通りメニューを読んだら何も頼まずに帰っちゃった人と一緒だよ。
それを、今週末します!ってブログでアピールするか?
だったら借りれる場所で借りて写真でも撮ればいいのに。
週末は忙しいんだから冷やかしはやめてほしいと思った。