はてなキーワード: 小さな旅とは
授業中、ふとスマホを覗くとラインの通知には「卒業する先輩方に渡した花束代として、一人500円徴収いたします」という文章があった。二年生の先輩のものだ。次の集まりで渡さなければいけないらしい。
学園祭終幕後の集会にて、今年の学園祭を中心として引っ張ってきた三年生の先輩方が皆に挨拶をする。委員長は泣きながら「一年間ありがとうございました」などと言っていた。来年この委員会を引っ張っていく2年生が花束を渡して一緒に泣き始める。
一年生の自分はただ、「いいな」と思った。暖かかった。一緒に困難を乗り越えたというだけなのに。
中学高校と不登校だった自分は、人との交流を知らない。大学に入って、見た目を垢抜けさせたら、一緒に授業を受けている人たちに話しかけるうちに10人くらい、友達と言える人達はできた。彼らとは放課後にご飯に行ったり、夏休みに小さな旅行に行ったりした。いい感じの関係で、付き合えそうな女の子もいる。
でも、彼らとは利益のために繋がっているだけに過ぎない。勉強を教えてもらったり、小さな社会的承認を得たり、寂しさを紛らわせたり。彼ら自体には興味はない。人生のスタンプラリーを機械的に押している感じだ。いくら人間関係をこなせても、自分は本質的に孤独な人間なんだと思っていた。
けど学園祭終了後のそのひと時、人と人との繋がりが、それだけで価値があるように思えた。
サプライズでもらった花束は、嬉しいだろうな。花を渡すなんて行動は物語の中だけのものだと思っていた。花には渡す人が相手を大切に思っていることを強く実感させる力がある。そして、もらった人をとても幸せにしてくれる。
今日見てきました。会社都合で昨日今日と休みになって、家族は普通に平日なので一人でふらっと映画館へ。
平日の映画館はガラガラで巨大スクリーンほぼ独り占め(正確に言うと五人占め)でした。
映画の内容はあちこちに出てるのでここでは書かないけど個人的な感想としては良かった。
ロードムービー形式で話は進み移動しながら人に会い経験を深め、話が展開されて行く。その旅への共感、地震への恐怖の共感、もっと言うと小さい頃のすずめへ共感出来る人はすっごくハマると思う。
毎日は小さな旅の連続。そして人との繋がりの中で生きる、そんな日々。それは行ってらっしゃいとお帰りなさいで紡がれる日常。良い映画でした。
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にしても新海監督、これ以上壮大な映画は作れないのではと言うくらいネタを出し切った感がある。もうこれ以上の良い映画は撮れないと言うのではなく壮大さと言う点で。
*21 | マザーボードのフェーズの話 - PC Watch | https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1152140.html | 373849521 |
*22 | PCエンサイクロペディア:第8回 PCのエンジン「プロセッサ」の歴史(2)~性能向上に勤しんだ486/Pentium世代 2. RISCのアーキテクチャに近づくPentium - @IT | https://atmarkit.itmedia.co.jp/fsys/pcencyclopedia/008procs_hist02/procs_hist04.html | 4701261286880018114 |
*23 | トレンドの光るPCはハデなだけではつまらない ~【DIY PC 08】マザー&ケースの機能を活用して作るイルミネーションPC - PC Watch | https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1148442.html | 372842665 |
*24 | 【笠原一輝のユビキタス情報局】AMDのRyzen ThreadripperがIntelの危機感に火をつけた ~Intelの18コアのSkylake-X急遽投入の背景にあること - PC Watch | https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1062361.html | 347169693 |
*25 | 【Hothotレビュー】待望の第12世代Coreついに発売! ベンチマークで見るその実力 - PC Watch | https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1363614.html | 4710698281882741314 |
*26 | 見れば全部わかるDDR4メモリ完全ガイド、規格からレイテンシ、本当の速さまで再確認 - AKIBA PC Hotline! | https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/sp/1231939.html | 4680749088087636034 |
*27 | 新登場の32GBメモリモジュール、使えるチップセットは? : AKIBAオーバークロックCafe | http://blog.livedoor.jp/ocworks/archives/52098537.html | - |
*28 | シングルチャネルおよびマルチチャネル・メモリー・モード | https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/articles/000005657/boards-and-kits.html | 374335238 |
*29 | 【特集】同じSSDでもこれだけ違う。SATAから第4世代PCIeまで速度差を検証 - PC Watch | https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1386511.html | 4715121623230645378 |
*30 | SSDの選び方:SLC、MLC、TLC、QLC、PLCの違いを解説 | ちもろぐ | https://chimolog.co/bto-ssd-slc-mlc-tlc/ | 369046698 |
*31 | 消耗品と有寿命部品について : NEWS: ビジネスPC | NEC | https://jpn.nec.com/products/bizpc/info/pc/cosmable.html | 4668458216799596930 |
*32 | M-DISC - Wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/M-DISC | 260312391 |
*33 | PS5にみる物理メディアの終焉 - ITmedia NEWS | https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2006/17/news056.html | 4687255935115670114 |
*34 | 【特集】チャタってしまった10年物マウスが3,000円で完全復活! ~ドスパラ「マウスボタン故障修理サービス」に依頼してみた - PC Watch | https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1160250.html | 4662344022334670305 |
*35 | ロジクールのトラックボールマウスM570を自分でスイッチ交換修理した方法 - ネットの海の渚にて | https://dobonkai.hatenablog.com/entry/Logicool-m570-repair | 4680507411203374530 |
*36 | マウスの左クリックがおかしくなったので分解修理した : トイレのうず/ブログ | https://1010uzu.com/blog/overhaul-mouse-failing-in-left-click | 304301040 |
*37 | Logicool MX300 Optical Mouse M-BP82のメンテナンス | https://orz7.web.fc2.com/rat/log/mx300-optical-mouse-m-bp82.htm | - |
*38 | 加水分解の止め方、ベタベタの除去 - 黒色中国BLOG | https://bci.hatenablog.com/entry/kasuibunkai | 4697762672020785762 |
*39 | Mouse Roller Wheel Durable Optical Pulley Repair Parts for Logitech MX510 518 G400|Replacement Parts & Accessories| - AliExpress | https://www.aliexpress.com/item/1005003407488009.html | - |
*40 | ASCII.jp:Windows 11にアップグレード可能なCPUは基本はやっぱり第8世代/Zen+以降になりそう? (1/2) | https://ascii.jp/elem/000/004/061/4061479/ | 4704977165657723746 |
*41 | Microsoft、2022年にWindows 11の高速化に注力すると宣言 - iPhone Mania | https://iphone-mania.jp/news-420988/ | 4711489752449241922 |
*42 | BIOSからUEFIへ BIOSはなぜ終わらなければならなかったのか:“PC”あるいは“Personal Computer”と呼ばれるもの、その変遷を辿る(1/4 ページ) - ITmedia NEWS | https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2202/24/news067.html | 4715865033555686850 |
*43 | マザーボードのCSM(Compatibility Supported Module)を有効にする方法(ASRock製マザーボード) | TSUKUMO サポートFAQ | https://faq.tsukumo.co.jp/index.php?solution_id=1316 | 4709334416996014018 |
*44 | そうだ、グラフィックボードを増設しよう! でも、その前に... - ツクモ福岡店 最新情報 | https://blog.tsukumo.co.jp/fukuoka/2015/08/post_116.html | 298062585 |
*45 | 【備忘録】mbr2gptコマンド実行後の回復環境消失の対応方法: YOSIの小さな旅の記し | http://kykyblog.air-nifty.com/blog/2021/09/post-802f79.html | - |
*46 | Windows10/11でDiskPartコマンドを使用する方法 | https://www.diskpart.com/jp/windows-10/diskpart-windows-10.html | 4705642648092693218 |
*47 | アライメント | https://www.pc-master.jp/mainte/aft-hdd.html | 4699883528408540354 |
*48 | Windows 10 で Administrator ユーザーを有効にする方法 – ラボラジアン | https://laboradian.com/enable-administrator-on-windows10/ | - |
*49 | Windows 10 は既定で OneDrive にファイルを保存する | https://support.microsoft.com/ja-jp/office/windows-10-%E3%81%AF%E6%97%A2%E5%AE%9A%E3%81%A7-onedrive-%E3%81%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%92%E4%BF%9D%E5%AD%98%E3%81%99%E3%82%8B-33da0077-770c-4bda-b61e-8c8e8ca70ac7 | 4687214936939669538 |
*50 | OneDriveのドキュメント・ピクチャ・デスクトップのバックアップ同期をやめる手順 | パソコンりかばり堂本舗 | https://ikt-s.com/onedrive-backup-skip/ | - |
*51 | Windows8をインストールしたSSDの寿命を延ばす対策 | ZAKKINKS | https://zakkinks.com/windows8_ssd_hack/ | 168055874 |
*52 | Windows10でSSDの寿命を延ばす対策【第一回】 | ZAKKINKS | https://zakkinks.com/windows10_ssd_optimization/ | 268597709 |
*53 | Windows10でSSDの寿命を延ばす対策【第二回】 | ZAKKINKS | https://zakkinks.com/windows10_ssd_optimization2/ | 276446264 |
*54 | 新しいコンテンツの保存先を変更する ( アプリのインストール先変更方法を例に ) | ドスパラ サポートFAQ よくあるご質問|お客様の「困った」や「知りたい」にお応えします。 | http://faq3.dospara.co.jp/faq/show/4557?site_domain=default | 369837603 |
*55 | 一方、ふうえんさんちでは… SuperfetchとPrefetchについて~(1) | http://blog.phooen.com/blog-entry-39.html | 217075081 |
*56 | windows10でAppData/Localを別ドライブへ移動する | ピースペース | https://nasu38yen.wordpress.com/2015/11/19/windows10%E3%81%A7appdatalocal%E3%82%92%E5%88%A5%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%81%B8%E7%A7%BB%E5%8B%95%E3%81%99%E3%82%8B/ | 274477044 |
*57 | mutaguchi on Twitter: "Win10のスタートメニュー、ショートカットファイルとの関係性が未だにいまいちわからん。ショートカットファイルを編集すると、スタートメニューから消滅したりするんだよなぁ。挙動が分からなくて困る。" / Twitter | https://twitter.com/mutaguchi/status/1298882977863270406 | - |
トラバ・コメ・ブクマしてくれた方々に感謝。人の興味を惹く内容を投稿できて良かった。
hoimin-densetsuさんのセルクマか
ブクマエントリのdata-entry-createdと件のブクマの日時分が一致してるが、濡れ衣だ。
Core第1世代(Nehalem)のつもりで書いたが、Core Duoとかもっと古いのを失念してたので本文修正。
電源は新品がいい
古い電源でもイケるのではと憶測してそれを実証してみたいと思わなければ、自分もきっとそうした。
旧PCのだいぶ後で、TV録画のために買った外付HDDが元。ケースが死んだので、中身をデータ用ドライブとして使っていた。
一体何にパソコンを使っていたのか
はてブと5chとTwitterとそれらの引用元を隅々まで読む作業、動画・漫画鑑賞、Paradoxゲーム、相場観察。
上記用途にしか使ってないので、他に良いPCを買うのは勿体なくてできなかった。
Socket7のM/Bとかその頃のPC雑誌とか、必要な人がいたら譲るんだが。
参考文献57まであって草
老眼の始まったアラフォーで、日本人学生で、増田ユーザで、最近10年ぶりに自作PCをしたという積集合が空でない可能性とは。
無欲ではなく最高の贅沢なんだろね
過ぎた吝嗇は強欲と執着の発露だとは思う。
他の人は言うのを遠慮してたのに。
生憎、数年前のRyzenショックを見逃す程度には、自作PC事情への関与が薄かった。
なんでブログで書かなかったの
完璧主義と自意識過剰と怠惰のせいでブコメすら継続的にできない性質なので。今回は衝動的に長文を書きたくなって投稿した。
多分友達になれる
支出を抑制しようとする情熱が収入を増大させる方に向かって欲しい人生だった。
古老の趣味やな
初老のおじさんに何てことを。
机の周りもめちゃくちゃ綺麗にしてそう
偏執狂は恐ろしく整備された部屋か恐ろしく汚い部屋かどちらかに住んでいるものだと思う。
そういう行為から抜け出せないならそうすることが許容される愛嬌は持ち合わせたいものだねと。
町のブックオフによって、ぜんぜん知らないけどなんとなくタイトルに惹かれた110円の文庫小説を買って、
それから駅に行って、ぜんぜん行ったこともない降りたこともない駅までの切符を買う
なんだこの設定は?なんて思いながらも気づけば熱中していて、ふと顔を上げるとぜんぜん知らない人が向かいに座って小難しそうな顔をしてる。
その裏に見える景色はのどかで、その小難しい顔と妙に対比になっているようで心の中で少し笑ってしまうんだ。
知らない駅に降りたら駅前の商店街を歩いて、パン屋を見つけたらそこに入って好きなパンを買って少し歩く
公園があったらそこに入って日陰のベンチに座ってパンを食べて、本を読んで、疲れたら顔を上げて公園に居る人たちをふっと見てみる
心地よい風が吹いてて公園には親子連れやカップルやらがいてみんな楽しそうで、見ているこっちも少し楽しい気分になる。
本を読んで疲れてうとうとしたっていい。風が肌に優しくて気持ちいい。
夕方になったら駅前の居酒屋に寄ってお酒は強くないから少し飲んですぐ気持ちよくなって、あとは酔いに夢心地で電車に揺られて帰りたい。
数年前、ふとある村の事を思い出した。
心のこもったもてなしが印象的だったが、なぜか急に行きたくなった。
連休に一人で車を走らせた。
記憶力には自信があるほうなので、道は覚えている。
村に近付くと、場所を示す看板があるはずなのだが、その看板を見つけたときあれっと思った。
「この先○○km」となっていた(と思う)のが、「巨根オ」になっていた。
変な予感と行ってみたい気持ちが交錯したが、行ってみる事にした。
車で入ってみると村は廃村になっており、建物にも草が巻きついていた。
車を降りようとすると、20mくらい先の草むらから、男根がやたら大きい人間?が出てきた。
え?え?とか思っていると、周りにもいっぱいいる!
車から降りないでよかった。
恐ろしい勢いで車をバックさせ、とんでもない勢いで国道まで飛ばした。
帰って地図を見ても、数年前に言った村と、その日行った場所は間違っていなかった。
だが、もう一度行こうとは思わない。
隣国で女王交代の儀が執り行われるとの話を聞いたので、愛用している小さく丈夫な革の旅行鞄に、筆と帳面とありったけの乾物を入れ早速出かけることにした。助平と思われるかもしれないが、私は人様に助平と申せる程に助平ではない。照れや恥からではなく、真実人並み程度の助平心しか持ち合わせていないのだ。それならば何故、女王交代の儀の知らせを聞くや否や隣国まで出かけることにしたのかと言うと、理由は三つある。
一つは私がしがない物書きであること。それも自らの世界を書く創り手ではなく、異境の珍奇なる事柄を面白可笑しく書く記し手であるからだ。十日程前に大家に納めた店賃で蓄えは全てなくなってしまったので、ここ何日かは温かい飯を食らうこともできずにひたすら乾物を囓っていた。何か書かねば飢えてしまうし、飢えはせずとも店賃を払えなければ追い出されて凍え死んでしまう。しかし書くことがない。諸国を放浪した際に見聞きした珍奇なる事はほとんど書いてしまっていた。どうしたものか。嘘八百を書いてしまおうか。そんな時に女王交代の儀の話を聞いたのだから、一も二もなく飛びついたわけだ。
二つ目は私が珍奇なる事柄が三度の飯よりも大好きであること。食うや食わずの物書きなど堅気の人間はやりたがらぬことを望んで生業としたのはそのためである。稚い頃から記し手の話を手に入れると飯を食うのも忘れて何度も何度も読み返し、頭に浮かべたその珍奇なる世界に思いを馳せていた。商家の倅として生まれた私だが、数をパチパチ弾くだけの変わり映えしない生活に飽き飽きしていたせいか、尋常ではない入れ込みようであった。そんな私だが隣国の女王交代の儀は未だ見たことがなかった。前回の儀は十六年前。既に珍奇なる事柄に興味を持っていたのだが、十をようやく超えたばかりの子には隣国は少し遠すぎた。夜明け前に荷を持って出かけたのだが、翌日の夜には親から捜索を頼まれた者たちに連れ戻されてしまった。三つ隣りの村だった。それ以来、女王交代の儀には並々ならぬ関心を持っていたというわけだ。
そして三つ目。いくら書くことがないとは言え、いくら稚い頃から関心を持っていたとは言え、隣国はそれでも旅に出るにはまだ遠い。容易ならぬ山道を幾日も歩くよりは、手っ取り早く嘘八百を記してしまうなり、それでなくとも以前に書いた珍奇なる事柄を記してしまった方が、良いではないか。そう考えるのが常であろうし、他の珍奇なる事柄ならば私もそう考えたかもしれない。しかしそれでも私は迷うことなく家を出た。すなわち三つ目の理由とは、二つの理由を後押しして迷わず出かける程度にはある、私の助平心ということだ。
そうして乾物を囓りながら小さな旅行鞄を片手に私は隣国へと旅立った。
隣国へ着いたのは儀の一日前だった。儀は取り決められてから十と五日後に執り行われる。噂を聞いてからすぐに飛び出た御陰で間に合った。街の外れの安い宿屋でなけなしの銭を渡し部屋を取ってから、まずは儀の執り行われる広場へ足を向けた。広場には縦横五丈、高さ一丈程の舞台のようなものが造られていた。何人かの職人が最後の仕上げに舞台へ上がる段を拵えていた。明日執り行われる事を考えると何とも言えない気分になるが、それを見たさに来ているのだから我ながら始末が悪い。
陽も沈んできたので宿に帰ると何やら賑わっていた。先ほどは裏通りから入ったので気付かなかったがどうやら宿があるのは裏手であって、その向こうにある中央の通りと面してる方に酒場があるようだった。宿の奥にある細い通路を抜けると賑やかな酒場に出た。中央の通りに面してるとは言っても街の外れには変わりがないので上等な客層ではなかった。眺めていると顔を真っ赤にした日に焼けた中年男が声をかけてきた。私が旅の者で、しかも記し手であることがわかると、珍奇なる話を求められたので話してやると、大層気に入ったようで酒を奢ってくれた。こうして珍奇なる事柄を多く知っていると得なこともある。話をし尽くし、奢ってってもらい尽くした自分の街では使えないのが残念だが。男と話をしていると明日を大層楽しみにしていることがわかった。新たな女王の誕生だ。これから国は良くなる。そうは言っていたが下卑た笑いからは、それが本心とはとても思えなかった。
男が酔い潰れてしまったので酒場を見回すと俯いて飲んでる男がいた。酔い潰れた男が注文していた酒を手に持ち、その男のもとへと行き、酒を注いでやった。特に驚くことも嫌がることもなかったので、そのまま前の椅子に座り酒を飲むことにした。しばらくすると男は愚痴り始めた。幼いときから知っている。心の底から崇めていた。しょうがないことなんだろうが。やりきれない。自分より少し若い男はそう愚痴をこぼしやはり酔い潰れてしまった。恐らく初めての女王交代の儀なんだろう。もし自分がこの国に生まれてたらどう思うだろう。そんなことを考えながら酒場を後にした。部屋に戻るとすぐに睡魔に襲われ眠りに落ちた。久しぶりの酒のせいだろう。結局答えは出ずに考えだけがぐるぐる回っていた。
翌朝、太陽の眩しさに目が覚めた。朝は大分過ぎているようだったが、儀が執り行われる昼にはまだ時間があるようだった。乾物を囓りながら広場に行くと街中の人間が集まっていた。下卑た笑いを浮かべる男に、俯きがちな男。そんな男を呆れた目で見る女に、にやにやしながら待つ女。恐らく街中の人という人が集まっていた。そんな様子を見ていると太鼓の音が鳴り響く。後ろを見やると兵士に連れられた女王が、いや元女王がやってきた。手を縄で縛られ、襤褸切れの首の所だけに穴を開けた服で、歩く度にちらりちらりと肌が見える。しかし、それでもなお女王の風格を纏っているのだから、なかなかの傑物だったのだろう。囃し立てる男達に、罵声を浴びせる女達。その中を兵士達が道を作り、元女王は舞台へと上がった。
そして仰々しい礼装をした老人が束ねた紙を手にして舞台へ上がる。女王を補佐してた中で一番の有力者が告げると聞くので彼がそうなのだろう。老人は恭しく女王の罪状を述べた。曰く不作。曰く日照り。曰く疫病。さしもの女王でも如何ともし難いことばかりだった。罪状を告げ終わると兵士が元女王の身を纏う襤褸切れを剥ぎ取り、性器を模した木型を手にした老人が女王の股間に突き刺す。女王の小さな悲鳴と共に赤い血が流れる。老人が破瓜の血を吸った木型を掲げると大きな歓声が沸いた。その後は代わる代わるに犯され続けた。脂ぎった男に、木型を持った女に、行為の意味もわからぬ稚児の拳に、そして昨日酒場で悩んでいた俯いてた男に。
陽が暮れるまで犯し嬲られ罵倒されつくした女王には、もう女王の威厳は宿っていなかった。それどころか人としての心さえも壊れてしまったようで、目の焦点は合わないままだった。そして呻き声しか発せられなくなった白濁の元女王が横たわる舞台に火がつけられる。人々はその周りを騒ぎながら踊る。夜が明けるまで。国を悪くした元女王がいなくなったことに喜びながら、新たな女王が国を良くしてくれることを祈りながら。
翌朝、国へ帰ることにした。金穴と好奇心と少しの助平心で来たものの、人並み程度の助平心しか持たない私には少し重すぎたようだった。満たされた好奇心以上に後味の悪さが残る。それでも飯の種ができただけいいかと街を出る途中、城の前を通りかかると新女王の戴冠式が行われていた。そこにはまだ物心もついてないだろう稚児が、数えきれないくらいの人間に崇められていた。何かわからない子ども達は不思議そうにしていたが、大人達は皆真剣に頭を下げて女王を讃えていた。
少し歩くと、酒場で出会った日に焼けた中年男がいた。周りと同じように真剣に崇めている様子だったが相変わらず下卑た笑みを浮かべていた。何かを期待するような下卑た笑みを。またしばらく歩くと、酒場で出会った自分より少し年下の俯いてた男がいた。彼もまた真剣ではあったが日に焼けた中年男と同じ顔をしていた。この街ではこうして大人になっていくのだろう。真剣に崇めれば崇めた分だけカタルシスは大きくなる。だからこそ、この街の大人は皆真剣なのだろう。不思議そうに大人の真似して頭を下げてる子を見て、一昨日の問いが再び頭に上る。小さな旅行鞄から取り出した乾物を囓りながら、私は隣国を去った。
どーしても調子が悪いとき、自分はとりあえずその環境から逃げるようにしている。
年に1,2二回は土日にも忙しい日がどーしてもあるもので、そんなとき、唐突に「あー。天気がいいなぁ、逃げてえなぁ」と思い立ち、回りに特に連絡もせず、携帯の電源を切り、いく当ても無い自転車のたびへ出る。
気分と行ったことがなさそうなところへと方向を決め、コンビニでジュースとおにぎりを買って、ぶらぶらと走る。
山を超えたり、田んぼを過ぎ去ったり、住宅地なのに人がぜんぜんいない雰囲気のところを見かけたり、ふと自転車を降りて山の中のわき道へ入っていって、なんだかよくわからない工場地帯へ出て驚いたり。
それは一日限りの小さな旅だけど、帰ってくると「ただいま」と言ってほどよい疲れと空腹感を感じている自分がいる。