はてなキーワード: ベイルアウトとは
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ワートリもぼく勉も作中世界に現実のようなモラルが欠けてるのはたしかだけど、それを作者がモラルがないから、葦原大介は少年兵肯定派で筒井大志はネオリベというのは短絡的過ぎる。
身も蓋もないことを言えば話の都合だ。
ワートリを現実で考えたらこの世界の兵器をほぼシャットアウトできるトリガー技術を民間団体が独占できるわけないし、ベイルアウトのおかげで死なないとしても日本で少年兵が許されるとは思えない。(マジで死ぬ可能性も高い遠征計画が作中でおおっぴらになっても叩かれてないのはどうかと思う)
何でワートリがあんな設定かと言えば多国籍の軍人上がりのオッサンたちより日本人の中高生に戦わせたかったからだろう。
ぼく勉で言えば(正直内容をよく覚えていない)、タコピーとか竜そばとか児童虐待や貧困が題材の作品に福祉が云々言われるけど、フィクションで映える展開ってのは基本的に自助、自己責任で、主人公が福祉側の人間でもない限り社会に助けてもらうより子供たち自身が戦った方が面白い。福祉は邪魔なのだ。
どんな作品も重要な部分の邪魔になる現実の何かを切り捨てている。
まあ、読者視聴者は現実の現代人だし作中設定が現代日本なら現実的な倫理観を持ち込まれるのもある程度しかたないしそこをどうごまかすかもフィクションのテクなので、ワートリやぼく勉の倫理が批判されるのも作者の自己責任ではあるんだけど、だからといって作品に描かれてることを直接的に作者の現実へのメッセージと取るのは短絡的過ぎる。細田守だって現実の被虐待児に自分でがんばれとは言わないだろ多分。
ただ、ワートリのセクハラやカップ数は作品のコンセプトと全く関係ない、どころかあの漫画の無機質的な雰囲気からしたら異物感の方が強いのでこっちこそ作者がねじ込んだむき出しの性欲って感じで純粋にキモいところはある。ワートリがエロコメだったら別に叩かれなかっただろう。
個人的に感心したのは、トリオン体という、ある種バーチャルな環境で戦闘が行われる設定だ。
これによって集団戦での捨て駒や相打ち作戦を実行可能としている。
ジャンプに限らずとも、バトルマンガではトーナメント物を覗くと基本味方の全勝(最低でも死亡者なし)で、最終決戦まで主要キャラがが死ぬことはない。
ONE PIECEのマリンフォード頂上決戦では、死んだメインキャラは2名のみだった。
ガチの戦争なのだから、双方の戦力が半壊ぐらいしていないと納得いかなかった。
実際に死ぬリスクがないので、敵わない相手でもなるべく粘って死ぬ(ベイルアウト)という「勝負に負けて戦いで勝つ」戦略を無理なく取れるというのがなかなか面白い。
しかし、トリオン能力の高いものは、自身の命と引き換えに黒トリガーを生み出し、それが局面をひっくり返すほどの威力を持つが故に敵は安易に攻め込んで来ないという設定も秀逸だと思った。
さて、話をタイトルに戻すと、味方の完全勝利ばかりが続くわけではないのでパワーインフレはかなり抑えられる。
むしろ連携で相手の隙を生み出し、浮いた所をキッチリ取るという勝ち方が多いため単純な比較もしにくい。
この、各々が自分の仕事をこなして全体の勝利を勝ち取るという所は社会人に刺さると思うのだがどうだろうか?
ワートリにおいて「気合や覚醒で勝つ」という事は今のところない。
『気持ちの強さで勝負が決まるって言っちまったら、じゃあ負けた方の気持ちはショボかったのかって話になるだろ』
『戦いってのは基本的に、数が 多いほうが有利だ。』
なんて事をキャラが平然と言ってのけるワートリは、ジャンプ連載作品でありながらジャンプあるあるのアンチテーゼとなっている。
少しでも興味を持っていただけたら手に取っていただきたいと思うのだが、ジャンプ+フェスの無料期間は21日に終わってしまってるんだよなぁ。
こないだの法科大学院の、ホモなのを強制カミングアウトさせられちゃった鬱だ氏のう→あの人、屋上からぶら下がってるよ懸垂してるジョニー大倉かな落ちたの話、命名「ベイルアウト自殺」なんだけど、
「こいつらに弁護士になる資格無し」なんて書いちゃう人は、よほど正義を振りかざしたいのか、悪を成敗していい気になりないのかな、はおいといて、
暴露されて困るなら告白なんぞするなよ。これが「実はあの殺人事件の犯人、ホモの σ(゚∀゚ )オレ なんだ」だったら、犯人隠匿だ被害者のことだ考えろよだろうに、これもおいといて、
これからも生きていかなきゃいけない被告白者。あなたが暴露しなければって、そっちが告白しなければだろうに。告白戦敗退後すぐ自殺なら、相手がヒドいこと言ったからかなとか思わんでもないけど、死ぬまでに2ヶ月間あって大学の教授に相談して、教授に紹介されたゲイの弁護士にも相談してて、今回のホモ側の弁護士がその人っていうのもどうかな、おいといて、
妹の「同級生の一言で兄を死に至らしめたことは許せない」これ試験に出ます。けどおいといて、
出落ちなんだけど、訴訟起こしたらニュースに出て、みんなにホモだったって知られて、さらに僕的にはみっともない事件だ。ブサイクな女子高生だって自分に責任もって生きてるのに。大学から聞いて初めて知ったってことは、親にも秘密にして知られたくなかったことなんでしょ、こんなことされて草葉の陰で「法廷に判断してもらうのは社会の構成員であることの放棄だね」なんて軽く受け流しながら、化けて出ないのかな。
http://anond.hatelabo.jp/20160716234517
アプリひとつまともにつくれねえお前は 所詮 みじめなAppbank
アクビひとつでやるぜ knock down 上場なんか夢のまた夢
上等言うぜ 俺はレペゼン ベンチャーキャピタル
けんすうにおべっか点数稼ぎ でも命数全然尽きてねえ 過ちて改ざるこれ即ち非社会人
増田でしか聴けない糞VCの証言 増田でしかウケないお前の挑戦
コピーキャットなチャットボットシット Check it out? 俺はベイルアウト
ばっかじゃねえの ザッカーバーグ? 違うお前だ 増田は増田だ
夜な夜ながむしゃら 糞チンコカイてんじゃ 一生シリコン・バレーにゃイケねえ
俺はジョブスなCEO おまえはノージョブR.I.P 人生既にQED
男だったら BtoB 俺すなわち Born to be a Billionaire この世界
ビジョンがないやつぁ非常にきびしい 根性論じゃイヌも食わねえ
「新しい連中が
どれだけ派手に
追い抜いて行っても」
「それで
消えてなくなる
わけじゃないんだ」
ワートリは泣ける。
三巻に一巻ぐらいのペースでボロボロ泣けるシーンが出てくる。
出てくるが、今回の泣けるシーンは、特別に泣けた。
冒頭で紹介したのは、B級13位柿崎隊の隊長である柿崎国治の独白だ。
まずこのB級13位とは何か?
ワールドトリガーは、異世界から侵攻してきた敵と戦うボーダーと呼ばれる組織を舞台にした漫画である。
ボーダーでは隊員を実力順にS級、A級、B級、C級に分類している。
漫画的に言うと、B級からは名前と顔があるモブでないキャラといったイメージで、
この142話時点で、S級はたった1人、A級は9チーム(1チーム大体4〜5人ぐらい)、B級は21チーム(チーム内の人数はA級と同じ、例外もある)である。
どうだろう、B級13位のパっとしななさが伝わるだろうか?
ちょっと、この「格」のパっとしなささを、わかってもらうために、長文を書こうと思う。
・序章
・侵攻編
・ランク戦
・侵攻編パート2
こんな感じだろうか。
まず主人公がチームを結成するまでの序章では、
遊真はブラックトリガーと呼ばれる他とは違う特別な武器を持っており、先ほど書いたボーダー内の「格」の分類では、S級にあたるぐらい強い。
そのS級に相当する遊真が、A級7位三輪隊と戦ったり、A級5位嵐山隊のエース木虎と共同して敵と戦ったりなどして、ブラックトリガーの性能で圧倒するシーンが続く。
遊真は滅茶苦茶強く、A級7位三輪隊はオペレーター含んで5人チームにも関わらず、たった1人で圧倒する。
そのぐらい、彼の持つブラックトリガーが異質であり、かつ彼自身の技術や経験も並大抵ではない、という「格」が描写される。
次のブラックトリガー争奪戦では、4人目の主人公であり、遊真と同じブラックトリガー使いの
S級隊員迅の戦いがメインになる。
A級1位太刀川隊の隊長にして個人総合1位攻撃手1位の太刀川と、隊員の出水
に加えて、先ほど書いたA級7位の三輪隊の4チームとの戦いが描かれる。
ここでも、S級隊員の、つまりブラックトリガーの強さは存分に描かれる。
A級5位嵐山隊のメンバーが助けに入るため、一部メンバーは分断されるも、
個人総合1位攻撃手1位の太刀川、個人総合3位攻撃手2位の風間、狙撃手2位の奈良坂といったボーダー内でも相当上位の「格」を持つ相手を、
ブラックトリガーを持つだけでなく、サイドエフェクトと呼ばれる超能力を戦闘に生かす迅は、なんと6対1という状況でありながらも、勝利する。
サイドエフェクトは遊真も持っているが、戦闘に生かせられる能力ではない上に、
A級7位三輪隊フルメンバーよりも「格」が高いメンバーを圧倒するS級隊員迅の強さは印象に残る。
そして、ようやく敵との本格的な戦いが始まる。
(え? ここに修対風間とか、ユーマ対緑川があるだろって? ごめん、忘れてた!)
この編では遂に名前と顔と人格があるまともな「人型の敵」が登場する。
しかも、彼らは迅や遊真と同じブラックトリガーを持っているのだ。
すわ、どうなる?
と、なるが、これがボーダー強いのだ。
B級6位鈴鳴第一の隊員で攻撃手4位の村上を苦戦させる強敵が登場する。
しかし、ブラックトリガー争奪戦では迅に負けた「個人総合1位攻撃手1位の太刀川」は、
このラービットを1人で圧倒し、なんと単独で11機も撃破している。
さらに、同じくブラックトリガー争奪戦で負けたA級3位風間隊も、ラービットを4機撃破し、
隊長の風間こそ敵のブラックトリガー持ちのエネドラに負けるも、
指揮官でありながらボーダー最強の忍田やB級10位諏訪隊と協力することで、
また、A級1位太刀川隊の出水、A級7位三輪隊の米屋、A級4位草壁隊の緑川らの即席チームも、
他のB級合同チームと協力しつつ、ブラックトリガーではないものの「人型の敵」を撃破する。
さて、長々と語ってきたが、ようやくタイトルの「柿崎隊」登場である。
B級13位柿崎隊の初登場はこの人型の敵である「ランバネイン」との戦闘である。
記念すべき初台詞は
「マジか
新型だけで
きちい
ってのによ」
である。
どうだろう「個人総合1位攻撃手1位の太刀川」が単独で11機も撃墜した新型=ラービットに苦戦しているだけでも、
如何にもB級13位のパっとしなささが伝わるだろうか?
当然だが、ラービットと余裕で戦えるのはA級チームぐらいで、単独で勝負できる太刀川が異常なだけなのだが、
先ほど書いた通り、その太刀川よりも強い迅などのブラックトリガー持ちも居る戦場なのだ、
そして「ランバネイン」との戦闘がいざ本格的に始まると、
メインはA級1位太刀川隊の出水、A級7位三輪隊の米屋、A級4位草壁隊の緑川らの即席チーム、
彼らは三人のチームとしての戦いはもちろん、緑川は単独で足を持って行く活躍を見せ、
太刀川のように個人総合○○位と付いていなくても、A級隊員の強さを存分に発揮する。
また、同じく戦闘に参加している、
B級11位の荒船隊の隊長である荒船とB級7位の東隊の隊長である東も、B級ながら活躍する。
スナイパーとして活躍しており、荒船は一発敵に当てるし、
A級隊員だけでなく、B級でも「隊長」となればそれなりに一芸は持っているシーンの描写だろう。
「ここで
押すのか!?
何が
変わった
ってんだ?
東さん!」
何とも頼りない台詞だろう。
もっとも、念のため強調しておきたいが、
漫画を読んでいる読者の視点では、この時点では東はただのB級7位の隊長だが、
実はこの東は、ボーダー最初の狙撃手にして、過去にA級1位のチームのリーダーもしている古株で、
幹部と上位チームが集まる作戦会議にも参加する程度には、偉い人なので、
柿崎さんが弱いというわけではない、弱いというわけではないが、
この時点での読者視点だと、柿崎隊長に凄い印象は無いのは間違いないだろう。
そして「ランバイネ」戦は米屋がトドメをさすも、チームの勝利といった感じで終わる。
感じで終わるが、ぶっちゃけ、柿崎隊は何をしたのか? と聞かれると微妙である。
足を奪った緑川、トドメをさした米屋、敵を上手く誘導した出水、それらをA級即席チームの戦いから敵の行動を見抜く東、辺りが活躍した話で、柿崎隊は何ともぱっとしない印象だろう。
だがしかしである、この侵攻編においてチームメンバーが一度も誰も欠けなかったのは、柿崎隊だけなのである。
え? やられシーンすら無いぐらい地味なチームだからだろって?
それはともかくとして、そういうところが、柿崎隊長の隊員思いな所であり
「柿崎さんの唯一の弱点は全部自分で責任を持とうとするところで
という評価に繋がる一片を見せているのは、さすが「遅効性SF」と評されるワールドトリガーならではだろう。
さてさて、他にも順位は付かない規格外の最強A級玉狛第一の活躍や、
相変わらず強い遊真や、ブラックトリガーを手放してすら強い迅なども活躍して、侵攻編は終わる。
こんどはランク戦と呼ばれる模擬戦闘が舞台で、主人公チームの玉狛第二の躍進が描かれる。
続いては、侵攻編でも活躍した
諏訪隊、荒船隊と戦うが、
ここでは、狙撃手でありながら攻撃手としてもマスターランクの荒船の遠近万能っぷりや、
諏訪さんの胆力が描かれたりなど、それなりに実力があることは伺えるシーンはあるものの、
攻撃手4位と言われてもラービットに苦戦する程度でしょ? と思っていたが、
これがやはり強く、那須隊の熊谷隊員を圧倒し、あの遊真とも互角の戦いを繰り広げる。
そして、四戦目では、組織の都合というか物語の都合というかで、B級に降格になった、A級の経験もある、
侵攻編でも言及した、B級7位東隊との、よつどもえが描かれる。
ここでは、4人いる主人公の内の1人でありながら、今まで一度も言及しなかった、修が活躍できず、主人公チームは敗北する。
個人総合2位射手1位の二宮は、射手として今までも活躍してきた出水を超えるランクであるだけあって、かなり強いし、
影浦は、順位こそついていないが、攻撃手4位の村上に自分より強いかも、と言わせるだけあって、
2人とも「格」は十分といった感じだった。
A級7位加古隊の隊長にして、東さんが率いた旧A級1位チームの隊員でもあった、加古さんが登場し、
「イニシャルがKで才能のある隊員を引き抜きたくなる」という、
「お前それ、伏線として見え見えすぎて、今からこの伏線がどう回収されるのか、気になりすぎるだろ」って伏線の描写の一環として、
「柿崎(KAKIZAKI)」隊長も、話題に上がるが、残念ながら、合わないタイプらしく、引き抜かれなかった。
さて、単行本になってない上に、こないだジャンプ捨てたので見返せないので、軽く流すと、
侵攻編パート2では、先ほど書いたランク戦で活躍したB級の面々も活躍する。
さて、長々と話してきたが、どうだろう、B級13位柿崎隊の微妙さが伝わっただろうか?
もちろんココに全てを書いているわけではなく、実際はもっと活躍している面々はいる。
ハッキリ言って、このエピソードが描かれる前までの自分が、ワールドトリガーのキャラクタを思い出した順番に言って行く場合、かなり下位なのは間違いない。
そして、作中の「格」としても、なんともしょっぱいのもわかってもらえただろうか?
さらに、今回の五戦目のランク戦は、主人公チームの新技のお披露目回なのである。
遊真と修のスパイダーを使ったコンビネーションやチカさんの新トリガーなどの、新技が侵攻編パート2で焦らされた挙げくの、お披露目回なのである。
そらもう、柿崎隊が活躍することを想定していた読者はいなかったんじゃないだろうか?
何なら、B級20位吉里隊、B級21位間宮隊のように瞬殺なんじゃなか? とすら思っていた。
けども、冒頭のこれである。
「新しい連中が
どれだけ派手に
追い抜いて行っても」
「それで
消えてなくなる
わけじゃないんだ」
「新しい連中が
どれだけ派手に
追い抜いて行っても」
のところでは、
主人公の1人遊真、
緑川、
木虎、
黒江、
緑川、木虎、黒江に関しては、入隊時の試験の成績がズバ抜けていたことが作中で示されていたり、
攻撃手4位の村上は、強化睡眠記憶のサイドエフェクトを持っていて、あっというまに上位陣に追いつく実力を身につけたり、
絵馬も幼いながらも、スナイパーとしては、当真、奈良坂辺りと並ぶような描写がされていたりと、
この6人は確かに、派手に追い抜いていった感じなんでしょうね。
特に木虎は、柿崎隊長本人が昔所属していた嵐山隊をA級5位まで押し上げたエースという肩書きまで持っています。
そりゃあ、自分が抜けたあとのチームを、自分よりも周りに評価させた新人が居たら
「それで
消えてなくなる
わけじゃないんだ」
ああ、もうね。
もうね、ワールドトリガーを「ゲーム感覚」と批判していた、自分が情けなくなってくる。
個人総合○○位とか、B級○○位とか、そういう順位の「格」や、
そういう、設定的な部分だけを見て「ゲーム感覚」だと思っていた、自分が情けない。
登場人物をゲームのコマだと思って、それを元に、やれあいつは強いだの、やれあいつは弱いだのと強さの「格」だけを評価していた、自分こそが「ゲーム感覚」じゃないですか。
B級13位だから、個人ランキングがわかってないから、侵攻編で活躍しなかったから、そういう気持ちで、
柿崎隊の面々を軽んじるその気持ちこそが、まさに「ゲーム感覚」だったんですよね。
ゲームなら例えば、パーティーのメンバーに上限があったりとか、
倉庫の空き容量とかによって、キャラクタを切り捨てることってよくありますよね。
そりゃもちろん「ビジュアルが好きだから、弱いけど使おう」とか「ストーリーで活躍したから、最後まで使ってあげたい」とかって気持ちも、ゲームやってて湧いてきますよ。
でも、それって全部「自分の価値観によって、取捨選択している」んですよね。
価値観が「強さ」なのか「ストーリー」なのか「ビジュアル」なのかが違うだけで、
誰かを切り捨てるってことは、それで価値を消してしまうことに繋がるんだよね。
散々「格」が劣っているというより「無い」
何か特筆すべきフックがない、
ワールドトリガーはゲームじゃない。142話「柿崎 国治」を読んで
「新しい連中が
どれだけ派手に
追い抜いて行っても」
「それで
消えてなくなる
わけじゃないんだ」
ワートリは泣ける。
三巻に一巻ぐらいのペースでボロボロ泣けるシーンが出てくる。
出てくるが、今回の泣けるシーンは、特別に泣けた。
冒頭で紹介したのは、B級13位柿崎隊の隊長である柿崎国治の独白だ。
まずこのB級13位とは何か?
ワールドトリガーは、異世界から侵攻してきた敵と戦うボーダーと呼ばれる組織を舞台にした漫画である。
ボーダーでは隊員を実力順にS級、A級、B級、C級に分類している。
漫画的に言うと、B級からは名前と顔があるモブでないキャラといったイメージで、
この142話時点で、S級はたった1人、A級は9チーム(1チーム大体4〜5人ぐらい)、B級は21チーム(チーム内の人数はA級と同じ、例外もある)である。
どうだろう、B級13位のパっとしななさが伝わるだろうか?
ちょっと、この「格」のパっとしなささを、わかってもらうために、長文を書こうと思う。
・序章
・侵攻編
・ランク戦
・侵攻編パート2
こんな感じだろうか。
まず主人公がチームを結成するまでの序章では、
遊真はブラックトリガーと呼ばれる他とは違う特別な武器を持っており、先ほど書いたボーダー内の「格」の分類では、S級にあたるぐらい強い。
そのS級に相当する遊真が、A級7位三輪隊と戦ったり、A級5位嵐山隊のエース木虎と共同して敵と戦ったりなどして、ブラックトリガーの性能で圧倒するシーンが続く。
遊真は滅茶苦茶強く、A級7位三輪隊はオペレーター含んで5人チームにも関わらず、たった1人で圧倒する。
そのぐらい、彼の持つブラックトリガーが異質であり、かつ彼自身の技術や経験も並大抵ではない、という「格」が描写される。
次のブラックトリガー争奪戦では、4人目の主人公であり、遊真と同じブラックトリガー使いの
S級隊員迅の戦いがメインになる。
A級1位太刀川隊の隊長にして個人総合1位攻撃手1位の太刀川と、隊員の出水
に加えて、先ほど書いたA級7位の三輪隊の4チームとの戦いが描かれる。
ここでも、S級隊員の、つまりブラックトリガーの強さは存分に描かれる。
A級5位嵐山隊のメンバーが助けに入るため、一部メンバーは分断されるも、
個人総合1位攻撃手1位の太刀川、個人総合3位攻撃手2位の風間、狙撃手2位の奈良坂といったボーダー内でも相当上位の「格」を持つ相手を、
ブラックトリガーを持つだけでなく、サイドエフェクトと呼ばれる超能力を戦闘に生かす迅は、なんと6対1という状況でありながらも、勝利する。
サイドエフェクトは遊真も持っているが、戦闘に生かせられる能力ではない上に、
A級7位三輪隊フルメンバーよりも「格」が高いメンバーを圧倒するS級隊員迅の強さは印象に残る。
そして、ようやく敵との本格的な戦いが始まる。
(え? ここに修対風間とか、ユーマ対緑川があるだろって? ごめん、忘れてた!)
この編では遂に名前と顔と人格があるまともな「人型の敵」が登場する。
しかも、彼らは迅や遊真と同じブラックトリガーを持っているのだ。
すわ、どうなる?
と、なるが、これがボーダー強いのだ。
B級6位鈴鳴第一の隊員で攻撃手4位の村上を苦戦させる強敵が登場する。
しかし、ブラックトリガー争奪戦では迅に負けた「個人総合1位攻撃手1位の太刀川」は、
このラービットを1人で圧倒し、なんと単独で11機も撃破している。
さらに、同じくブラックトリガー争奪戦で負けたA級3位風間隊も、ラービットを4機撃破し、
隊長の風間こそ敵のブラックトリガー持ちのエネドラに負けるも、
指揮官でありながらボーダー最強の忍田やB級10位諏訪隊と協力することで、
また、A級1位太刀川隊の出水、A級7位三輪隊の米屋、A級4位草壁隊の緑川らの即席チームも、
他のB級合同チームと協力しつつ、ブラックトリガーではないものの「人型の敵」を撃破する。
さて、長々と語ってきたが、ようやくタイトルの「柿崎隊」登場である。
B級13位柿崎隊の初登場はこの人型の敵である「ランバネイン」との戦闘である。
記念すべき初台詞は
「マジか
新型だけで
きちい
ってのによ」
である。
どうだろう「個人総合1位攻撃手1位の太刀川」が単独で11機も撃墜した新型=ラービットに苦戦しているだけでも、
如何にもB級13位のパっとしなささが伝わるだろうか?
当然だが、ラービットと余裕で戦えるのはA級チームぐらいで、単独で勝負できる太刀川が異常なだけなのだが、
先ほど書いた通り、その太刀川よりも強い迅などのブラックトリガー持ちも居る戦場なのだ、
そして「ランバネイン」との戦闘がいざ本格的に始まると、
メインはA級1位太刀川隊の出水、A級7位三輪隊の米屋、A級4位草壁隊の緑川らの即席チーム、
彼らは三人のチームとしての戦いはもちろん、緑川は単独で足を持って行く活躍を見せ、
太刀川のように個人総合○○位と付いていなくても、A級隊員の強さを存分に発揮する。
また、同じく戦闘に参加している、
B級11位の荒船隊の隊長である荒船とB級7位の東隊の隊長である東も、B級ながら活躍する。
スナイパーとして活躍しており、荒船は一発敵に当てるし、
A級隊員だけでなく、B級でも「隊長」となればそれなりに一芸は持っているシーンの描写だろう。
「ここで
押すのか!?
何が
変わった
ってんだ?
東さん!」
何とも頼りない台詞だろう。
もっとも、念のため強調しておきたいが、
漫画を読んでいる読者の視点では、この時点では東はただのB級7位の隊長だが、
実はこの東は、ボーダー最初の狙撃手にして、過去にA級1位のチームのリーダーもしている古株で、
幹部と上位チームが集まる作戦会議にも参加する程度には、偉い人なので、
柿崎さんが弱いというわけではない、弱いというわけではないが、
この時点での読者視点だと、柿崎隊長に凄い印象は無いのは間違いないだろう。
そして「ランバイネ」戦は米屋がトドメをさすも、チームの勝利といった感じで終わる。
感じで終わるが、ぶっちゃけ、柿崎隊は何をしたのか? と聞かれると微妙である。
足を奪った緑川、トドメをさした米屋、敵を上手く誘導した出水、それらをA級即席チームの戦いから敵の行動を見抜く東、辺りが活躍した話で、柿崎隊は何ともぱっとしない印象だろう。
だがしかしである、この侵攻編においてチームメンバーが一度も誰も欠けなかったのは、柿崎隊だけなのである。
え? やられシーンすら無いぐらい地味なチームだからだろって?
それはともかくとして、そういうところが、柿崎隊長の隊員思いな所であり
「柿崎さんの唯一の弱点は全部自分で責任を持とうとするところで
という評価に繋がる一片を見せているのは、さすが「遅効性SF」と評されるワールドトリガーならではだろう。
さてさて、他にも順位は付かない規格外の最強A級玉狛第一の活躍や、
相変わらず強い遊真や、ブラックトリガーを手放してすら強い迅なども活躍して、侵攻編は終わる。
こんどはランク戦と呼ばれる模擬戦闘が舞台で、主人公チームの玉狛第二の躍進が描かれる。
続いては、侵攻編でも活躍した
諏訪隊、荒船隊と戦うが、
ここでは、狙撃手でありながら攻撃手としてもマスターランクの荒船の遠近万能っぷりや、
諏訪さんの胆力が描かれたりなど、それなりに実力があることは伺えるシーンはあるものの、
攻撃手4位と言われてもラービットに苦戦する程度でしょ? と思っていたが、
これがやはり強く、那須隊の熊谷隊員を圧倒し、あの遊真とも互角の戦いを繰り広げる。
そして、四戦目では、組織の都合というか物語の都合というかで、B級に降格になった、A級の経験もある、
侵攻編でも言及した、B級7位東隊との、よつどもえが描かれる。
ここでは、4人いる主人公の内の1人でありながら、今まで一度も言及しなかった、修が活躍できず、主人公チームは敗北する。
個人総合2位射手1位の二宮は、射手として今までも活躍してきた出水を超えるランクであるだけあって、かなり強いし、
影浦は、順位こそついていないが、攻撃手4位の村上に自分より強いかも、と言わせるだけあって、
2人とも「格」は十分といった感じだった。
A級7位加古隊の隊長にして、東さんが率いた旧A級1位チームの隊員でもあった、加古さんが登場し、
「イニシャルがKで才能のある隊員を引き抜きたくなる」という、
「お前それ、伏線として見え見えすぎて、今からこの伏線がどう回収されるのか、気になりすぎるだろ」って伏線の描写の一環として、
「柿崎(KAKISAKI)」隊長も、話題に上がるが、残念ながら、合わないタイプらしく、引き抜かれなかった。
さて、単行本になってない上に、こないだジャンプ捨てたので見返せないので、軽く流すと、
侵攻編パート2では、先ほど書いたランク戦で活躍したB級の面々も活躍する。
さて、長々と話してきたが、どうだろう、B級13位柿崎隊の微妙さが伝わっただろうか?
もちろんココに全てを書いているわけではなく、実際はもっと活躍している面々はいる。
ハッキリ言って、このエピソードが描かれる前までの自分が、ワールドトリガーのキャラクタを思い出した順番に言って行く場合、かなり下位なのは間違いない。
そして、作中の「格」としても、なんともしょっぱいのもわかってもらえただろうか?
さらに、今回の五戦目のランク戦は、主人公チームの新技のお披露目回なのである。
遊真と修のスパイダーを使ったコンビネーションやチカさんの新トリガーなどの、新技が侵攻編パート2で焦らされた挙げくの、お披露目回なのである。
そらもう、柿崎隊が活躍することを想定していた読者はいなかったんじゃないだろうか?
何なら、B級20位吉里隊、B級21位間宮隊のように瞬殺なんじゃなか? とすら思っていた。
けども、冒頭のこれである。
「新しい連中が
どれだけ派手に
追い抜いて行っても」
「それで
消えてなくなる
わけじゃないんだ」
「新しい連中が
どれだけ派手に
追い抜いて行っても」
のところでは、
主人公の1人遊真、
緑川、
木虎、
黒江、
緑川、木虎、黒江に関しては、入隊時の試験の成績がズバ抜けていたことが作中で示されていたり、
攻撃手4位の村上は、強化睡眠記憶のサイドエフェクトを持っていて、あっというまに上位陣に追いつく実力を身につけたり、
絵馬も幼いながらも、スナイパーとしては、当真、奈良坂辺りと並ぶような描写がされていたりと、
この6人は確かに、派手に追い抜いていった感じなんでしょうね。
特に木虎は、柿崎隊長本人が昔所属していた嵐山隊をA級5位まで押し上げたエースという肩書きまで持っています。
そりゃあ、自分が抜けたあとのチームを、自分よりも周りに評価させた新人が居たら
「それで
消えてなくなる
わけじゃないんだ」
ああ、もうね。
もうね、ワールドトリガーを「ゲーム感覚」と批判していた、自分が情けなくなってくる。
個人総合○○位とか、B級○○位とか、そういう順位の「格」や、
そういう、設定的な部分だけを見て「ゲーム感覚」だと思っていた、自分が情けない。
登場人物をゲームのコマだと思って、それを元に、やれあいつは強いだの、やれあいつは弱いだのと強さの「格」だけを評価していた、自分こそが「ゲーム感覚」じゃないですか。
B級13位だから、個人ランキングがわかってないから、侵攻編で活躍しなかったから、そういう気持ちで、
柿崎隊の面々を軽んじるその気持ちこそが、まさに「ゲーム感覚」だったんですよね。
ゲームなら例えば、パーティーのメンバーに上限があったりとか、
倉庫の空き容量とかによって、キャラクタを切り捨てることってよくありますよね。
そりゃもちろん「ビジュアルが好きだから、弱いけど使おう」とか「ストーリーで活躍したから、最後まで使ってあげたい」とかって気持ちも、ゲームやってて湧いてきますよ。
でも、それって全部「自分の価値観によって、取捨選択している」んですよね。
価値観が「強さ」なのか「ストーリー」なのか「ビジュアル」なのかが違うだけで、
誰かを切り捨てるってことは、それで価値を消してしまうことに繋がるんだよね。
散々「格」が劣っているというより「無い」
何か特筆すべきフックがない、