はてなキーワード: 花のようにとは
駅前のモスバーガーで私と有村くんは弟の話をしていた。近場だと、弟にばれてしまう可能性があるため、有村くんの提案で普段と少し外れた町に来ていた。私が詳細を語り、頭を下げると、有村くんは指を口びるにあて、くりくりと目を動かし、少し笑った。
「んー、別に君が悪いわけじゃないから、大丈夫だよ。気にしていないから」
私は少し安心し、もう一度頭を下げてありがとうと言う。
「いいよいいよ、そんなことしなくても」
彼はぱくりとモスバーガーを食べる。パンとパテの間からソースがこぼれる。トマトをベースにしたと思われる鮮やかな赤のソース。有村くんは唇についたソースを口で拭き、そして舌でぺろりと舐めた。そのあとは他愛もない話をした。最近、人力検索を使って大量のバカを釣った、行っているバイトの上司がむかつく、とかそういうどうでもいい話の羅列。そんな話をしている時の有村くんの眼はとてもいきいきとしていて、私は嬉しくなる。
「もうそろそろ帰らないと弟からまた文句言われるんじゃないの?」
彼の一言に、もうそんな時間だっけ、と時計を見る。まだ少し余裕があるから、大丈夫だよ、とは言うのだけれども、彼は早めに出ていたほうが、ばたばたしなくて済む、と言った。確かに、ぎりぎりになって、何かのせいで遅れたならば、また弟に、また"制裁"をされるだろう。単純に困ってしまう。私は、彼の好意に甘えて、出ることにした。彼は笑って、いいんだよといった。その笑い顔は本当に眩しかった。
でも本当に、好意、なのだろうか?
有村くんは少し早道をしようと言って、私の手を握り、裏路地へと回る。道は二人並んでやっとくらいの狭さであり、その道を挟む無機質なビルが自らの存在を主張し、圧迫感を感じる。見上げると空が細長く切り取られている。今日は曇り。
私達は歩き続けた。右に曲がったり、左に曲がったり。私はいったい何処へつれていかれるのか解らなかった。解っているけれども、このまま時空の歪みでもうひとつの世界へと軟禁されてしまうのではないかという気がした。でも、それで弟から逃げられるならば、それもいいかと少しでも思った自分は少し残酷な人間だと思った。
気のせいか、段々と雰囲気が鬱屈したものとなり、人の臭いのしない道になってきた気がする。相変わらず私を押し殺してくるビルの数々。
――そして行き止まり。
「あれ、道間違えたの?」
私は後ろから声をかける。有村くんは素早く私の後ろへと回り込み、袋小路へと押し込む。遠近法の錯覚なのだろうか。見ては解らなかったけれども、段々と道は狭くなっており、袋小路の壁へとついたころには、一人通るのが精一杯で、すれ違うことも難しいような場所になっていた。
「ううん、間違っていない」
不意に足元が崩れ、視線に入るのが道路から空に変わる。そのあと、有村くんが覗きこむ。
「手荒な事をしてごめんね。こうするしかないんだ」
こうすること?どうして?私は理由を聞こうとする。だけれども唇で塞がれる。
「ねえ、もう弟の思い通りになるのは辞めたらいいと思う」
彼は私を見下ろしながら服を一枚一枚脱ぎ始めた。
細長く薄暗い空。殺伐としたビル。そこに一厘の花のように咲く彼。その彼の白い肌は何かの御伽噺から抜け出てきたように綺麗だった。出るところは出て、引き締まったところは引き締まった、メリハリのある、成熟した男の体。もしかしたら本当に御伽噺なのかな、とも頭では思った。そうであった欲しかった。でも現実。手を伸ばし、私の首筋を軽く爪で掻く。弟との鎖の跡。
「弟に言いように扱われて苦しいんだよね、解ってる。その鎖は今のうちに切り離しておかないと、段々と君をがらんじめにして窒息させてしまう」
そんなこと、昔から解っていた。でも、私にはどうすることもできなかった。いや、なんとかすれば出来たのかもしれない。でも弟に対する疚しさもあったのだろう。彼の愛に答えることができない、自分の不甲斐なさに。
でも、それは別の帰結を作り出す。
つまり、有村くんの鎖を受け入れるということ。
それは、弟の鎖よりも幸せな鎖になるのだろうか?
「でも、君は怠け者だから、なかなか自分ではやりたがらないし、仕方ないから僕がしてあげる。これは君の幸せ"でも"あるんだよ」
彼の視線は私を貫いた。それは弟と違う"オトコ"の眼だった。
続く
なんかはてなの奴らって皆ツンデレっつーか、素直じゃないよな。基本的に。
「○○じゃね?」という発言があったとき、自分がその意見に否定的なときは「は?んなわけないだろ…何子供みたいなこと言ってんの?」とか言って、じゃあ肯定的なときはどう言うかっていうと「うん、そうだよ。ちなみにいうとうんたらかんたら」「え、ていうか何で今更そんな分かりきったことを?」「いや、そりゃそうだけど?何お前、いままでそうじゃないとか思ってたの?気付くの遅すぎ」みたいな反応をする。「か、かんちがいしないでよね!あんたの言うことには一応賛成してあげるけど、別に私は前々からあんたのいうようなライフハックには気付いていたんだからねっ!べっべつに感心してるわけじゃないんだからっ!これで勝ったと思わないでよねっ!」みたいな。素直に「へー」みたいな反応しておきゃいいだろwなんでそう一言一言多いんだよお前らはwリアルで会ったら絶対「なんかあいつ、いちいちうるさくね?」「だよな。一言多いっつーか、なんでそんな事までわざわざ言うんだよwみたいなとこあるよな」とか言われてるタイプ。俺も人の事言えたタチでもないが。
が。しかし時たまそんなプライドのド高いはてなーの中にも素直な人がいて、そういう人がブクマの中で「確かにそうだ。教えてくれてありがとう!」とか言ってるのはなんかアスファルトに咲いた花のように見える。よくぞ咲いてくれたねみたいな。よくぞこんな素直じゃない奴ばかりの集まりのなかでお前だけは素直でいてくれたねみたいな。よくその心をはてなーたちに汚されず残ってきたねみたいな。でもそういう人が自尊心の塊のはてなでやっていけるのか、不安になる。はてなーから見たらそういうタイプは「何?偽善くせーんだけど」「エコとかやってそうキメエ」みたいな反応されそうだから。だから俺はそう言うタイプの人を見ると何となく応援したくなってはてなスターをつける。
そんなことを呟きながら僕は今日も一人、夜の大学からの帰り道を歩いていた。もちろん本気で死ぬつもりなんかさらさらなかった。大学生活は、楽しいことは何もないけど、だからといってつらいこともないし、本当はそんな日常に満足していて、でもそんな自分を「天才少年」と呼ばれた僕は認めたくなかったから、「死にたい死にたい」言って、平凡な僕を自己嫌悪している振りをしたいだけ……
そんなことを考えながら歩き続けていたら、突然、後ろから
「じゃあ、あなたの望み、叶えてあげるね?」
という声がした。振り向いてみると、そこには白いワンピースを着た、中学二年生ぐらいの女の子が、美しい笑顔を浮かべながら、裸足で立っていた。
そして、振り向いた瞬間、僕は、その女の子が頭に振り下ろしてきたトンカチにより殴られ、倒れ込んだ。
倒れ込んだ後もかろうじて意識はあったが、体はもはや動かなかった。そこでさらに少女は遠心力を最大限に活用できる殴り方で何度も何度も頭を殴り、そして僕は、自分の頭蓋骨がめりめり音を立てて陥没していくのを聞きながら、失神した。
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目が覚めたとき、僕は、うすぐらい部屋に横たわっていた。
起きようとする。しかし起きようとしたとたん、腕と足に激痛が走る。
腕と足、さらに胴は、針金で床に固定されていた。たぶん無理に起きようとすれば、それらの部位はあっという間にちぎれ、体はばらばらになるだろう。
そのとき、部屋のとびらが開き、少女が入ってきた。少女のワンピースは所々に赤黒い模様がもまるで花のように描かれていてた。それはたぶん、俺が殴れているときに飛び散った血だろう。
少女は、入ってきたとたん
「ウケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケ」
と笑い、そして
「さー、儀式を始めるましょう♪これで私はカミサマになれる♪なんでもやりたい放題よ♪世界は私の思うがまま♪」
と歌いながら、くるくると回り出した。手には、プーさんのぬいぐるみがある。
少女は回りながら僕に近づいていき、そして僕の腹にいきなり乗っかり、その上で歌のリズムに合わせてスキップを始めた。
ドンッ、パタッ、ドンッ、パタッ、ドンッ、パタッ、ドンッ、パタッ、ドンッ、パタッ。
いったん腹に飛び乗ってはまた飛び降り、また飛び乗ってはまた飛び降り、そして飛び乗られる瞬間に僕は激痛を感じながら、「ぐおっ!」と叫んだ。僕は、文化系の人間だから、腹筋はまるでなかった。
そんなことが30分間続いた後、少女は、僕の横に座り込み、手に持ったプーさんのぬいぐるみと会話を始めた。
「さー、おさらいコーナーだよー。」
「わーい」
「私はどんなことをすればカミサマになれるのかなー?」
「自分のことを心の底から恨んでいる人間の、血をいーっぱい浴びればカミサマになれるんだよー。」
「そーだよねー。でも人から恨まれるってどうやればいいのかわからないよー。」
「簡単だよー。昔いじめっ子にされていたように、苦痛をいっぱい与えれば、人間はその苦痛を与えた相手を恨むんだよー」
「じゃあこいつはもう私のこと恨んでるのかなー」
「試してみよーかー。」
そういうと少女はポッケから小斧を取り出し、右腕の付け根に
「ドン!」
と振り落とした。
血がまるでシャワーのように吹き出る。その吹き出た血を少女は浴びながら
「これでカミサマになれるのかなー」
と言っていた。
「ねー、私カミサマになれたかなー」
と話しかけた。
「なれたんじゃないかなー」
「じゃあ試してみよー。ていっ、くまちゃん、自分でうごけっ」
「うごけないよー?」
……少女はうつむきながら、「何でうごかないのよっ!」と涙声で叫んだ。そしておれの髪の毛を思いっきりつかんでひきちぎり、ポッケから取り出した塩を腕の傷口にぶちまけた。じゅわっ、ビリビリッ!その痛みにより、僕は再び気絶する。
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再び目覚める。少女は片隅に座っていた。
「あっ、起きた起きた♪」
そしてぬいぐるみにこう話しかけ始めた。
「あのねー、私昨日いっぱい考えたのー。何でカミサマになれなかったのかなーって。それで考えたんだけど、もしかしてこいつ、ずっと気を失ってたんじゃないかなぁ。なんか人間ってある程度痛みを感じると意識を失うっていうし。だからー、今日は私、考えてきたんだー。」
まぁ、ずっと起きてたけどね。
そしてそんな言葉を言い終わった後、少女はポッケから注射器を取り出した。そしてそれを、腹にぶすっと刺した。
「これはー、ある部分だけ痛みを感じなくさせるお薬なんだよー。だから、これを使えば、こいつのおなかに何したってこいつは起きたままなんだよー」
そう言いながら少女は、ナイフを腹に突き立て、十字に切り、そして十字から手を突っ込んで、僕の腸を引きずり出してきた。
ぐちゃっ、じゅるっ、べりべりべりべり。
そして少女は、その腸を自分の首に巻き付け、こういった。
「へっへー。ネックレスー。どー、怒った?怒った?」
腸をべりべりと引きずりだし、そしてそれをむりやりひきちぎった。
「でもこのネックレスくさーい。やっぱいらなーい」
そう言うと彼女はその腸を僕の口に押し込んできた。当然はき出そうとするが、強引に口の中に入れられ、そして口をガムテープで縛られる。
吐きだそうとするかが、もう胃も腸もないため血が逆流してくる。口の中が自分の腸と自分の血で一杯になる。鼻から血が吹き出る。そんな様子を見て、少女はゲラゲラ笑っている。「あははー、鼻血だしてるこいつー。」
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「おなかすいたなー」少女がつぶやく。
そして、残っている腕の手の指に、いきなり食らいつき、そして噛みちぎる。
手指、耳、乳首、かみつけそうなあらゆる場所に噛みつき、食いちぎられていく。
しかし、やはり人体は味がよくないみたいで、少女はぺっと吐き出し、そして
「あんた、なんとかしなさいよね。」と言いながら、それらを僕の口に押し込んでくる。
そして食べるが、それが食堂からふたたびぼろぼろ零れる。だって、僕にはもう、食道から先はないから。
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「あーなんでこんなにやってるのに、カミサマになれないのかなー」
塩の100倍ぐらいある劇薬を塗った針を火であぶって、僕の体に何万本も突き刺しながら彼女は呟く。
僕には答えが分かっていた。
だって、君が好きだから。
「そーだ。今度はうんこでも食べさせてみよう。」
いや、逆にそれ喜んじゃうから。
帰りが遅くなった。
――ぱたぱた。
ふと、背後で足音が聞こえた……気がした。
嫌な予感がした。
気のせいだ、と自分に言い聞かせる。
――ぱたぱた、ぱたぱた。
気のせい、のはずだ。
振り向いた瞬間、銀光が脇腹をかすめた。
彼女はかたくなに名前を言わない。
ただ、帰るところがないというので、僕はうちに来ないかと誘った。
彼女は、この人は何を考えているんだろうという顔で、「ほんとに?」と呟いた。
僕だって自分の考えがわからない。
どこの誰だかわからない少女を、僕は自室に泊めようとしている?
自分を殺そうとした通り魔を?
狂ってしまったんだろうか。
僕はおかしくなってしまったんだろうか。
心が痛いんだ。
「ときどき無性に人が殺したくなるの、止めたいけど止められないの」
僕は努めて明るい口調で言った。
「分かるよ、誰でも感情が抑えられないときってあるからね」
「あなたになにが分かるって言うのよ!」
彼女は激昂して、僕を突き飛ばした。
馬乗りになって僕を殴り続ける彼女は泣いていた。
夜、誰かの気配に目を覚ます。
暗闇に薄黒い影が見える。
かすかな衣擦れの音。
首筋に触れる冷たい指。
僕は声を出せない。
……どのくらい経っただろうか。
ゆっくりと、彼女の手は離れていった。
彼女が笑ったところを見たことがない。
これだけ長い時間を同じ場所で過ごしているのに。
まだ心を開いてくれてないのだろうか。
……とてもつもなく不味かった。
新しく買った二段ベッドの上で彼女ははしゃいでいる。
「こけるぞ」と言ったのと、あ、こけた、と思ったのが同時。
彼女が上から降ってきた。
衝撃。
……重い。
という言葉だけは何とか飲み込んだ。
べったりと身体が密着していた。
「ああああああああああ」
彼女は絶叫して飛び退いた。
恥ずかしがっているのだと思った。
違った。
あれ以来、彼女の心は不安定になっている。
街を歩いていたとき、ふとしたことで酷く取り乱し、野菜入りのスーパーの袋を振り回した。
あわてて止めようとした僕を、凶器と化したレジ袋でがしがし殴りつけた。
痛い。とてつもなく痛い。
キャベツなんて買わなきゃよかった。
このままじゃいけない、でも僕には何もできない。
焦りばかりが募っていく。
「これで住むところもなくなっちゃったな」
半ばやけくそ気味に僕は笑った。
それを聞いて、彼女はごめんなさい、ごめんなさいと、ぽろぽろ涙をこぼしはじめた。
責めるつもりなんてぜんぜんなかった僕は、うろたえてしまって何も言えない。
ただぎゅっと彼女を抱きしめるだけだった。
最期に彼女は「私と一緒に死んでほしいの」と言った。