前回、フォルクスワーゲンで考える社会保障の持続性というエントリを書いたのだけれど、今回は再選するに至ったトランプ次期米大統領について書こうと思う。
取り敢えず言っておくが、自分自身は特にトランプ次期米大統領支持派ではない。カマラ・ハリス支持派でも無い。前回のエントリの傾向から察して貰えるとありがたいが、敢えて支持を表明するなら日本経済支持派。外国よりも自分自身が生きる日本、日本全体よりも自分自身が該当する氷河期世代の味方をする。
まず1つ目としてトランプ次期米大統領はケインズ経済学主義者であるということを認識しておかなければならない。
先日、在米増田、トランプが勝った理由がよく分かるやシリコンバレーでキラキラした生活をしてる俺が雑感を書いてやろうというエントリが人気ブクマ入りしていたが、良くも悪くも反トランプ派が持ちがちな考え方が詰まっていて、トランプ次期米大統領の経済政策をしっかりと吟味した形跡がない典型的な反トランプ派の主張だ。
敵は愚かなのだと、トランプ側へ票を投じたやつは愚かでなければならないという考えが滲み出ていて、自分たちが当然そうであるように相手側だって少なくとも義務教育を修了しており、相手側にも大卒や大企業勤めは居るし、何なら高度な学問を修めて専門研究に励んている方々も居る。
そしてトランプ次期米大統領は成功したビジネスマンであり、これまでの人生でアダム・スミスやマルクス、ケインズ、フリードマンなど膨大な経済論を見聞きし、最終的に選んだと思われるのがケインズ経済学で、それを支持するケインズ経済学主義者(ケインジアン)になったのだと思われる。
そう、トランプ次期米大統領は各種経済論の理解が深い可能性が著しく高いのだ。
ケインズは言う、流通する国内資本を増大するためには公共事業を積極的に行って国民の雇用を創出することが大事であり、公共事業から得た金銭で国民は生活をするので流通する国内資本は自ずと増大していき、結果的に景気は回復すると。
ケインズ経済学のわかりやすい理解として「穴を掘って埋める仕事でも良い」などと説明されるが、この様な意味のない仕事でも国内資本の流通を刺激するには良いとされ、例えば意味のない「メキシコとの国境に壁を建設する」公共事業でも良いわけだ。
まず前提として、ケインズの重要な論文『雇用・利子および貨幣の一般理論』は世界恐慌からの経済回復にあえぐ中で発表された論文であり、その趣旨は不景気から脱却するにはどうしたら良いのか?である。
ケインズ経済学の発端趣旨としてそもそも不景気対策であり、トランプ次期米大統領は不景気対策と言えばケインズ経済学だと判断して(悪く言えば思い込んで)いるのだ。
トランプ次期米大統領の目的はケインズ経済学を元にした国内資本の流通増大であり、例えば「不法移民が違法労働により表へ出にくい国内資本を得ている」のであれば目的達成を阻害するので不法移民へ対して強く出ようとするし、不法移民は総じて貧困労働層と労働市場で競合するし、メキシコの壁と合わせて国内資本の増大という面から見てシナジーがある。
これを偶然のシナジーだと断ずるのは無理があるし、それが無理だとするのであればトランプ次期米大統領やその支持者たちは"意外と"愚かではないということになる。
「たとえトランプが勝って自分がさらに貧しくなろうが関係ないのである。一緒に堕ちてほしい」わけがなく、ケインズ経済学の機序を理解しているのかは別として、トランプ支持者の多くは「仕事にありつける」「勤めてる会社の需要が増える」「貯蓄として投資している会社の株価が上がる」「収入が増える」と思っている(判断が正しいかは不明だが)のだ。
更に言えば、ケインズ経済学は格差是正についてそこまで効果的な理論を打ち立てたものではないという点も理解しておかなければならない。
公共事業によって失業者という経済的に最底辺の人たちは1段階程度は格差是正されるだろうが、ケインズ経済学は最富裕層から最貧困層に至るまでみんなで一緒に豊かになろうという趣旨の理論だ。不景気対策なのだから格差は維持されたまま国内全体の資本を増やす理論なのは当たり前の話なのである。
反トランプ派たちはトランプ次期米大統領がケインジアンであることに(トランプは愚かだかとレッテル貼りしてるので)気付いていないし理解を示そうともしないので、それが故に自分の生活のためトランプへ投票した人たちの気持ちを理解できていないのだ。
正確に言えば(米国版)ド・ゴール主義者であり、ド・ゴール主義者(ゴーリスト)が「フランスの存続のためにフランスは外国に依存すべきではなく、フランスはいかなる外国の圧力に対しても従属すべきではない」と言う文脈と同じくして「米国の存続のために米国は外国に依存すべきではなく、米国はいかなる外国の圧力に対しても従属すべきではない」とトランプ次期米大統領は言っている。
この指摘は大学生のときに政治イデオロギーの代表的なものとしてド・ゴール主義を履修した者ならば目を丸くするだろう。何故なら当時のド・ゴールは「NATOや欧州経済共同体を評価していなかった」人物であり、それはそのまま「同盟国に依存する米国の安全保障やTPPを評価していない」と言うトランプ次期大統領と重なるからだ。
ド・ゴールは知られているとおり(その経歴も加味する必要はあるものの)圧倒されるほどのフランス第一主義者であり、そういった面でもトランプ次期米大統領と重なり、トランプ次期米大統領自身のキャリアの性質もあるだろうが言動の端々にド・ゴールの影響が見え隠れするし、一見意味不明なトランプ次期米大統領の言葉の数々や手のひら返し、側近との軋轢などもド・ゴールの経歴を見ると察してあまりある。
ド・ゴールは現在でもフランスでは20世紀を代表する政治家であり英雄の1人として数えられ、フランスの政治イデオロギーの根幹の1つとされているが、ド・ゴールをロールモデルの1つとしているであろうドナルド・トランプはアメリカのためならば何でもするのであろう。
ドナルド・トランプは決して愚かではなく米国と同盟関係を結ぶ日本、そしてそこに住まう我々日本人は決して油断してはならない。
ドナルド・トランプがケインズ経済学とド・ゴール主義で米国内経済と内政へ注力すると言うのであれば、その思惑へ流されすぎないよう与野党問わずの日本の政治家を監視せねばならないし、国際経済への比重を軽くしていくのであれば、日本はその空いた穴を欧州や中露に取られないよう日本経済界を監視する必要がある。
繰り返すが、自民党や経団連だけではなく立憲民主党や国民民主党、日本維新の会、日本共産党、公明党、参政党、れいわ新選組も監視しなければならないし、労働組合の動向も、今後大きく揺れ動いていくであろう世界経済や安全保障の観点から非常に重要だ。
トランプ政権に嫌気が差したとしても「高齢者であることの必然性」から任期の途中で交代してくれる可能性がある
すでにバイデンが途中で選挙を降りるという前例を眼の前で見せてくれていた
日本で与党の自公が過半数を割ったのも、アメリカでハリスではなくトランプが支持されたのも、元を辿ればインフレによる生活苦が原因にあるんだろうけど、これからどうなるんだろうね。
確かに、日本ではアベノミクスで金融緩和をやりすぎた・アメリカでもコロナ以降に緩和しすぎた、FRBの利上げの遅れ・日銀の遅すぎる利上げ、といった失政の要素はあるので、政権与党が負けるのは仕方ないといてば仕方ないのだけど。
とはいえ、株価や景気についてはリセッションを起こさずにうまくソフトランディングしつつあったので、この路線を変更してうまくいくことなんてあるのかな。
玉木やトランプの掲げる政策は、減税と利下げ(金融緩和)なので、そのまま実行するとインフレがさらにひどくなる。
どちらなんだろうな?
アメリカ大統領選。
リベラル(ハリス)VS排外主義(トランプ)みたく語られていたけど、ぶっちゃけどっちも排外主義だよね?
民主党支持者ばかりの集団内で自分だけ共和党支持すると立場が悪くなるから黙ってるってことだろ?
ハリスが、民主党が、その支持者達が、本当に排外主義に立ち向かうつもりなら真っ先に身内のそれをなんとかしなきゃならなかった。
私達はあなた達が共和党を支持することも尊重します、本当にそっちがいいと思うならそれでいいんだよって。
でもそんなことなかった。
それどころか、トランプ支持するとか人間じゃねーわ!脳味噌腐っとるわ!ギャハハ!みたいな態度を取り続けた。
自分と違う奴は人間扱いしなくていいという考えに無意識に囚われてしまっていた。
まぁ、世界がもっと他者へ寛容で思いやりのある姿であって欲しい人間としてはそれが希望なのかな。
リベラルが選ばれなかったのなら悲しいけど、自分をリベラルだと思いこんでいるだけの排外主義者が選ばれなかったってだけだから。
まだチャンスはあると思いたい。
俺はハリスを応援してたジャパニーズリベラルがバーニー・サンダースへの怨みつらみを垂れ流すのがみっともないなぐらいの気づきしかなかった。
一方カマラハリスは、ブルーカラーなんて無知なバカに政治は分からないと思ってレディ・ガガとパーティした。
テイラースウィフトがトランプ嫌いで、ハリスを応援していたから、
テイラースウィフトがハリス支持だからといって、彼らは彼ら自身の思考を放棄しなかった。
結果、あたまパーのハリスが負けた。
お前がキラキラした生活送ってるってのは多分マジなんだろうな、だって考え方が今「トランプに投票したお前ら自滅だぞ!」って喚いてるアホのブルジョワ連中と同じだもん。
トランプの発言で関税とか移民追放が際立ってるけど本命はウクライナ戦争の早期終結だし、投票した奴も大半がそれを期待してると思う。
そもそもインフレ最大の原因はロシアとウクライナの戦争なわけで、最大手の原油産出国の一つと国交断絶しながらいつ終わるかも分からない戦争に民主党政権は巨額の支援金を国民の血税から絞り出してるんだわ。
バイデンもハリスもその現状を変えるつもりは無い。ただ「ウクライナは被害者だからこれは正義の戦いだ!支援する!」で思考停止して、原油高騰や支援金にかかる税金の割を食う国民の事は何も考えてない。
けどトランプは「ウクライナに要求を呑ませてでも戦争を終わらせる」ってずっと言い続けてる、反トランプはこれを「プ政権寄りだ」って攻撃材料にしてるけど、実際問題ウクライナがいつまでもロシアとの停戦考えずに戦争続けてるのはアメリカどころか世界中の国民が迷惑だと思ってる。
もしウクライナがいくつか領土奪われてでもトランプに脅し掛けられてロシアと停戦してみ?国交まで回復出来たら大量の小麦と石油が世界中に戻ってきて物価高騰問題あっという間に解決する。
だからトランプ支持してる労働者階級も多いんだよ。ウクライナ戦争に金だけ渡して放置してる現状のままじゃ小手先の経済政策だけじゃハリスが大統領になってたとしてもインフレ再燃するぞ。
最初の頃は侵攻してきたロシアが完全に悪いし、それをウクライナ軍がある程度ボコボコにしてロシアの脅威を削ぐのはアリだったと思う。
けどゼレンスキーはいつまで経っても戦争終結に向けたビジョン提示しねぇし、戦争を1年2年どころか金の流れが止まらなければ10年だろうが続けるつもりでいる。
まぁ当然だわな、汚職まみれで崩壊寸前だった自分の政権がロシア侵攻で救われたんだし、祖国を守ってる英雄扱いが続くこんな気持ちのいい環境そう簡単に終わらせたくないだろう。
けどその状況について各国どこも文句を言えない、ヘタに「ロシアと譲歩してさっさと戦争終わらせろ」なんて言おうものなら親露親中とグルだと思われる。
割を食わされるのは物価高騰に苦しむ国民って構図、お前らキラキラ生活の富裕層は別に困らないだろうけど労働者階級は死活問題なんだよ。
たとえば、ロールプレイングゲームで、特定の村人NPCを殺したらアイテムを取得できると分かっている。そのアイテムはめんどくさいお使いクエストをやっても入手できる。RTA勢は手慣れた様子でそのNPCを殺している。
そんな時に、自分は物語内のルールに従って、または主人公の名誉のために、NPCを殺さない。
そんなことってあるだろ?
そういうプレイスタイル。誰も見てないけどそうする。二度目にやってもそうする。
誰にでもそういうのはある(たぶん)
確かに手持ちの株やビットコインは上がって儲かるけど、それよりも世界やアメリカ社会という大きな物語を信じて、ハリスに投票する。
そういう選択肢はあるし、それは偽善というのではなく、「そういうプレイスタイルだったから」。
たぶんそういうこと。
どうにも特定の人にとって都合の良い落としどころで物語が語られている気がする。
ワシントン・ポストだと「白人で学位がない層」は65%がトランプ氏を支持し、「学位を持つ白人層」は54%がハリス氏を支持したってことらしい。
だけどそれは「白人で学位がない層」は35%がトランプ氏を支持せず、「学位を持つ白人層」は46%がハリス氏を支持しなかったって話じゃないのかな?
例えば「白人で学位がない層」は80%がトランプ氏を支持し、「学位を持つ白人層」は80%がハリス氏を支持した!みたいな数字だったらそうだろうなって思うんだけど、このパーセンテージは言うほど統計的に有意なものなのだろうか?
現に、米メディアは民主党と距離が近くて、彼らと距離が近い日本のメディアも予想を外していたわけで……
具体的にこれだ!って言えるわけじゃないが、それも要因の一つかもしれないが、それが決定的要因ではないのではないか?という印象が拭えない。
考え方が逆
トランプ第一期はトランプへの反発でリベラル文化が広まっていった。しかしバイデン期に行き過ぎてしまい庶民から反発を食らうようになり、ハリスが仕上げた。
日本だとどうもカマラ・ハリス寄りの偏った報道があったようだが在米のanti-wokeな日本人からするとトランプは勝つべくして勝ったというのが正直なところである。
まず、大前提としてアメリカの景気はよくない。金利は下がったがまだ高く家を買えない。インフレが続き卵も1パック1000円以上する。大企業はレイオフをしまくっており新しい職も見つかりにくい。大都市は治安が非常に悪く道端は薬物中毒で暴力的なホームレスで溢れかえっている。トランプであろうがなかろうが、こういう状況下では現政権を下ろす向きに力が働くのは当然である。
次にまともな国民はマスメディアを信用していない。日本のメディア以上にバイアスがある。日本のメディアも横並びでクソであるが、アメリカのメディアは輪をかけてクソでウンコである。CNNやMSNBCなどはド左翼の嘘つきメディアであり、FOX Newsなどは逆にド右翼のクソメディアである。まともなメディアが存在しないのである。しかしIQの低い人も多いのでどちらかのメディアばかりを消費しプロパガンダに洗脳されていく。在米出羽守の多くが未だにCNNを崇拝しているのはこのIQの低い人達としかつるむ機会がないからである。
そして民主党にはまとまりがない。明らかに痴呆が入りおかしな言動ばかりするバイデンの立候補を止めることができなかった。にも関わらず嘘ばかりをつきバイデンはしっかりしていると左翼の人達は信じ切った。カルトである。さすがにディベートでボロが出た途端に金持ち達が激ギレし、バイデン下ろしが始まった。しかし献金の名義を変えられないなどの問題からハリス以外の候補を立てることができなかった。ハリスはもとから人気の無いアホであり例えばオバマもハリス立候補に当初は難色を示していた。これらのゴタゴタがあった後に誰も支持しないハリスが突然に候補にすげ替えられた。もう一度いうがハリスは人気が無い。誰も選んでいない。民主党の金の問題で仕方なく選ばれた候補である。
そして急にメディアの白々しいハリス推しが始まる。今まで全く人気のなかった人が急に聖人扱いされることに不信感を覚えた人は多かった。そしてハリスはトランプ叩きに終始しまともな政策を出さなかった。
ハリスは嘘をついた。マクドナルドで働いたことがあるなど嘘を言った。トランプはこれを受けマクドナルドで働くというPRを行った。トランプが吐く嘘はよく報道されるがハリスの吐く嘘はあまり報道されない。これはメディアが腐敗しているからである。
バイデンがトランプ支持者をゴミ呼ばわりした後にはトランプはゴミ収集車を運転した。
トランプはジョー・ローガンのポッドキャストに出た。JDヴァンスも出た。イーロン・マスクがトランプを全面支持した。リベラルなジョー・ローガンすらトランプを支持した。カマラ・ハリスはジョー・ローガンのポッドキャストに出演することはなかった。誰もマスメディアを信用していない。マスメディアはジョー・ローガンを悪人のように叩くがジョー・ローガンは良くも悪くも常識人である。普通の日本人からするとジョー・ローガンはワクチンの陰謀論など一部を除くとまともなことしか言っていないと思うことだろう。
多くの人は生活が苦しい。そんな中、男が女のスポーツに出るべきだなどという、バカみたいなwokeを押し付けてくる自称リベラルに人々は完全にうんざりしている。