2024-10-30

フォルクスワーゲンで考える社会保障の持続性

フォルクスワーゲン国内工場3個所の検討を始めた。

VW国内で大規模人員削減し3工場閉鎖へ 労組幹部表明 - ロイター

https://jp.reuters.com/business/autos/CSNYEOUHQBMNJLFKBR7UTLJQNY-2024-10-28/

はてな界隈でもこれはかなりのインパクトがあったようで、まさか一度に3箇所のドイツ国工場の閉鎖を検討しているとは誰も予想ができていなかったと言わざるを得ない。

VW辛酸は無茶な自然環境保全計画政策欧州連合圏で採択されたことによって、それら政策の法的な制限下で企業運営しなければならなくなったVWが、中国の競合する電気自動車伸長と価格競争で苦境に立たされ、一気に採算性を落とし販売台数が振るわなくなった結果、それらEUおよびドイツ政府政策責任VW経営者被雇用者が取らなければならない事態に陥ってしまった。

ドイツでのVWと似たような存在感を放つトヨタを擁する日本労働者階級として気になるのは、ドイツ社会保障費に関する持続性問題がどうなってしまうのか?ということだ。

調べてみると、当然のようにドイツ日本と似たような社会保障制度を持っている、というか日本ドイツ社会制度を大いに参考としており、老齢年金や遺族年金障害者年金などの制度があり、社会保険扶養者が社会保険料を支払っていれば被扶養者も加入判定となり、更には社会保険料の負担額も所得に応じた調整がある(ソース:ドイツ連邦年金保険組合)。

政府が誤った政策を取ると完全に明日は我が身と戦々恐々とするが、他山の石として社会保障費に関する持続性問題国内自動車産業がどのように影響するのか?を検討してみたいと思う。

物凄くシンプルな話だが、ロイター報道しているようにVWの3工場で数万人規模の解雇VW本体として起きると、そこには当然ながら自動車の大幅な減産が発生するので、自動車部品や周辺サービス供給する関連企業へ大幅な減産は波及し、これら関連企業雇用も危ぶまれ・・・というか危ぶまれると言う表現ですら日和見すぎであり、解雇は必至だ。絶対にクビ切りをやる。

機序を改めて説明するまでもないとは思うが確認のため説明すると、ドイツ国内での解雇自動車業界と、例えば工場周辺にある飲食業労働者作業着供給する服飾業、小売業広告業ゲーム娯楽産業などなど様々な業界へも影響するため、ドイツ国内での解雇は数十万人、下手すると百万人規模に膨れ上がるのは想像に難しくない。

ここから何が起こるかと言えば、税収や給料から控除されていた社会保険料や年金の大幅減少であり、即ち社会保障費に関する持続性問題加速度的に現実味を帯びてくる。しか引退後まで逃げ切れると思っていた世代にすらその現実は重くのしかかる。

これを改めて確認すると「本当にヤバい・・・」と生唾を飲む思いだ。

逆を考えてみよう。これまで豊かと見られていた超大手企業VWと関連周辺企業地域の様々な業態産業、それら従業員はなぜ豊かさを手に入れられていたのか?

それはVW外貨を獲得し続けていたからだ。企業の売上、従業員給料、収められる税金社会保険料、そして年金の原資はVWが稼ぎ出した外貨だった。

EUドイツ政府の誤った政策によりVW外貨獲得は阻害されてしまい、3工場閉鎖をVW経営者ではなく労働組合検討し始めるという自体にまで陥っているわけだ。

うつまりトヨタを擁する日本外貨獲得を阻害する誤った政策政府により実行されてしまうと給料雇用どころか、社会保障費や年金の持続性を更に危うくするような、VW危機的な現状の後追いをする可能性が非常に高い。

日本では直前の衆院選2024で、与党自公議席が大幅に減って衆院議席過半数を割り、立憲民主党国民民主党日本維新の会、その他小規模議席政党などの政策が以前よりも通しやすくなった。

これは政策立案や可決などで与党自公の横暴を防ぐ非常に良い状態だと評価しているものの、VWが苦境に立たされて社会保障費の持続性が悪化する原因である外貨獲得政策について野党がどのようについて考えているのか?というのは確認しておくべきだ。

例えば、就職氷河期世代年金などへついて「自分たち引退頃には受給年齢が引き上げられ減額される」と予測している人が大半だと思うが、ここにVWのような外貨獲得阻害の状況が付加されたらどうなるかと言えば、前述のような予測見通しすら甘い考えになる。

今の20代予測のように「自分たち世代年金貰えない」のが就職氷河期世代へも降りかかることになるのだ。

さて、前述の外貨獲得政策について野党がどのようについて考えているのか?から先ずは立憲民主党の衆院選2024の公約確認したいと考えたが、正直に言ってこれを高く評価するのは非常に困難だ。

単一ページだけを見て評価をしてしまうのは申し訳ないと考え、立憲民主党政策集2024 経済政策など立憲民主党公式Webサイトをくまなく読んだが、立憲民主党思考は完全に内需しか向いておらず、何なら企業資金調達の要であり、今や年金を原資として金融市場運用することで年金の持続性を高めている金融市場へ対して冷水を浴びせる金融所得課税強化まで検討しており、立憲民主党支持者は現在政策の他に「あまりにも内需へ向きすぎてはないか外貨獲得をどうするのか?」を立憲民主党へ問わなければならないと思われる。立憲民主党の成長ポイントだな。

続いて国民民主党の衆院選2024の公約確認すると、今一歩足りない気もするが立憲民主党よりは世界を見ており、より将来の社会保障の持続性について不安感の強い20代若者から比例票が流れたのも納得できる部分があり、表現として適切なのか検討する必要はあるものの、企業とべったりな自民党内需へ振りすぎている立憲民主党の間の子のような性質政策を取っている。

そして日本維新の会の衆院選2024の公約確認するが、日本維新の会は立憲民主党とはまた方向性の違う内需へ向きすぎな政策を取っており、特に外国人へ対して厳しい目を向けているようで立憲民主党平等を訴えがちだが日本維新の会は日本人優先、ポピュリズム政党面目躍如と言ったところか。外貨獲得に関しては立憲民主党どんぐりの背比べなのでどちらが優れているという話はない。これも日本維新の会の成長ポイント

そして、日本共産党やれい新選組日本保守党参政党なども確認したが、言うは及ばず立憲民主党日本維新の会よりも強力に内需へ注力するどころか賃上げ消費税減税を訴えつつ企業負担の大きい内部留保課税金融所得課税などをするという国内資本を食い潰すことしか考えていない経済観の有様で、どうやって社会保障の持続性を担保するのか本当に謎だ。

以上のことから野党現在与党自公過半数を取れていない衆議院自民党政策について取引する際、自民党外需の刺激や輸出企業支援法案として打ち出そうとするとき邪魔をせず、例えば自衛隊補正予算を付けるなんていうとき夫婦別姓法案の可決を飲むのであれば協力するなどの動きをしたほうが良い。

もしも、自民党外需の刺激や輸出企業支援法案として打ち出した際に、野党がそれと取引をしようとするということは我々国民社会保険医療費年金人質にしていると同義であり、最悪の場合ドイツVWのような状況となってしまうので、こういう野党の動きには国民一丸となって野党非難すべきであるし、野党外貨獲得をもうちょっと考えようよと国民提言するべきだ。という話でこのエントリを締める。

  • ちゃんと調べられてエラい! 立憲の経済政策提案力が維新レベルっていう観点は新しいんじゃなかろうか 立憲の対局に居るの自民じゃなくて維新なのか面白いな

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