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2018-03-14

官邸主導の仕組みが出来上がるまでの約30年の歴史

メディアで賑わっている森友問題本質は「官邸主導」の行き過ぎだと個人的に考えていて、この官邸主導の仕組みが誕生した経緯をまとめてみた。今から30年ほど前の日本の政治は、霞が関官僚と、官僚の利害を代弁する族議員たちの影響力が非常に強く、官邸首相の力はそれほど大きくはなかったのだ。

1.1980年代後半のリクルート事件において、官僚族議員産業界の3者の癒着構造批判された。

この事件の発覚によって、政官財の三者癒着構造メディアによって徹底的に批判された。このリクルート事件以前にも贈収賄事件は色々あったが、自民党55年体制批判するという意味において、国民的な議論が沸き起こった。この頃までの日本の政治は、官邸の影響力はそれほど強くは無く、中央省庁族議員達の利害を調整する役割の方が重要であった。

2.1990年代前半に自民党下野し、非自民細川連立政権において政治改革が行われた

1993年、自民党宮沢内閣総選挙大敗し、細川氏を中心とする連立政権誕生し、自民党野党に転落する。与党となった細川政権は、国民の期待の高かった政治改革積極的に進める。具体的には、小選挙区比例代表並立制の制定、改正公職選挙法改正政治資金規正法政党助成法などの政治改革四法の制定など。これらの改革によって、党の幹事長職の影響力が強くなっていく。

3.1990年代後半、大蔵官僚による接待汚職事件問題などの官僚不信が頂点に達する。

1998年に明るみになった、大蔵官僚によるノーパンしゃぶしゃぶ事件を機に、世間による官僚不信が頂点に達した。1990年代後半から2000年代前半に掛けて、国民官僚公務員不信は続くことになる。これによって、官僚の影響力や権勢は著しく削ぎ落されることになった。

4.2000年代前半、小泉構造改革始まる。自民党内の派閥に一切属していない小泉総理改革によって、自民党内の派閥の影響力が低下する。

2001年3月に小泉純一郎氏が総理大臣就任し、小泉構造改革が始まる。国民の高い支持率を背景に、小泉総理派閥の影響力を無視した改革推し進め、国民から喝さいされる。

5.2005年の郵政解散において、派閥の影響力が選挙結果に左右されないことが明確になる。

2005年9月の郵政解散に伴う総選挙。当初は小泉総理選挙に負けると、自民党内もメディア野党も予想していたが、結果的には無党派層国民を味方につけた小泉氏の圧勝に終わり、小泉劇場と称された。これによって、自民党内の派閥の影響力が更に低下する。

6.2009年、民主党政権誕生。当時の小沢幹事長が、幹事長職に権限を集中させる手法を取ったことによって、党の影響力が低下する。

2009年9月、自民党に代わって民主党政権誕生する。総理大臣となった鳩山由紀夫氏は「政策決定内閣への一元化」を理念として、あらゆる権限官邸内閣に集中させる政策を取り始める。幹事長就任した小沢一郎氏も、幹事長への権限集中を進める。最終的には、民主党政権運営の失敗や、官僚の抵抗によって、民主党政権は3年半で崩壊する。

7.2012年には第2次安倍政権誕生民主党政権の残した官邸集中の仕組みを引き継ぎ、官邸によるトップダウン政治が始まる。

2012年12月には、再び自民党政権与党に復帰する。安倍総理は、民主党政権が作った官邸主導の仕組みを引き継いだ上で、約20年かけて完成した官邸主導の政治を始める。

8.2014年、安倍内閣の主導で内閣人事局設立

これまでは、官僚主導で行われてきた幹部人事権内閣人事局に一元化し、官邸主導で審議官級以上、約600名の人事を決定することになった。これによって、霞が関官僚たちは、官邸意向を気にせざるをえなくなる仕組みが完成した。

anond:20180314010754

公文書の書き換えなんて、文明国家、民主国家ならあっちゃならねえ恥ずかしい事態なわけで、

再発防止のためには、書き換えの経緯と犯行理由はすべて明らかになるべきだとは思うよ。

個人的には、経緯と犯行理由を遡ると、最終的には安倍政権がやった最大の失政のひとつ内閣人事局設立にさかのぼるかなと思ってるんだけどね。

あれは改正されないとマジでやばい

2018-03-13

右も左もよく分からないので、書き換え問題自分なりにまとめてみる

NHKさんが財務省で書き換えられていた、いわゆる「森友文書」を全文掲載してくれてるのに、それを見た人が、右側の人と左側の人で正反対のことを言い始めてるんだよね。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/moritomo_kakikae/

なんで同じものを同じ時に見てるのに、結論がそんなに違ってしまうんだろう?

ってことで、できるだけニュートラルにまとめてみるよ!

以下、右・左って書くと、論点のズレた自称識者が現れそうなので、「親安倍」・「反安倍」に統一するね!

さて、まずは書き換えられていた「森友文書」の内容だけど、ザックリ言えば、籠池さんの「議員さんや総理夫人後ろ盾があるんやで!」というフェイクや「損害賠償請求するで!」という脅しに屈して安く売っちゃったという流れが消されていたということ。

から籠池夫妻は逮捕されてる訳で、何ら新事実はない。

親安倍の人は、「だから何の問題も無いんだ!」と主張する。

一方、反安倍の人は、「だったら、去年の籠池証人喚問の時点までにこの資料出してればそれ以上追及されなかったのに、隠すってことは、それ以上にやましいことがあるんじゃないの?」と言う。

なるほど、どちらの主張も筋は通っている。

で、ここまでなら、こんなまとめ書かずに傍観するだけなんだけれども、なんだかおかしいぞと思う訳。

まず、反安倍の人たち。

この時点で安倍辞任を要求するのは、拙速過ぎますよ?

麻生さんは財務大臣なので、引責での辞任を要求するのは分かる。でも、安倍さんの関与まではまだ不明

安倍嫌いな人としては早く辞めさせたいんだろうけど、本気で辞めさせたいなら、会計検査院の動きを突くなり、内閣人事局というシステム忖度を生みやすいからと見直しを迫るなり、外堀から順に埋めて行かないと、ただの空振りになってしまう。官邸前で安倍辞任を叫ぶ時間に、調べられることがいっぱいあるはずなんだけどな?

続いて親安倍の人たち。

かに「だから何の問題も無いんだ!」という主張は、一見正しい。

でも、「何で今まで隠してたんだ?」という以上に、「なんでこれで人が一人自殺に追い込まれなきゃならないんだ?」という疑問が残る。

これをハッキリさせないと、親安倍ではなく、妄信してるだけになってしまう。

考えられるストーリーは二通り。

1.安倍首相や夫人、もしくは政府関係者黒幕

2.財務省詐欺被害にあったことを隠したかった

1の方は反安倍の人が主張というか、疑っていること。前述のとおり、現段階では何とも言えない。要調査と言ったところ。

安倍派がこの文脈で考えようとするのは、日頃の考え方からして自然

2の方ももちろん要調査ではあるんだけど、この視点で考える親安倍派より、財務省安倍下ろしを目論んでるとか、検察朝日新聞リークしたとか、超変化球見方をする人が多いのが謎過ぎる。

一般的感覚として、1より2の方があり得るし、親安倍派としても痛みは少ないと思うんだけどね。

さなミス不正を隠すと、いつの間にか大変な事になってしまうというのは、多々ある。今回のこの一連の騒動も、実はそんなところなんじゃないかなあと思う。知らんけど。

詐欺被害に遭ったと言うのをカッコ悪いと思う人がたくさんいるという証明はすぐにできる。

https://www.tukamotoyouchien.ed.jp/lecture/

このリンクは、塚本幼稚園で講演に立った人たちをまとめたページ。

一連の騒動で最も罪深いのは、この人たちだと思う。

この人たちがやるべきは、「自分たち詐欺被害に遭いました。カッコ悪い話ですが、知らぬ間にその片棒を担がされていました。大変申し訳ありませんが、司法国会の力を借りて、この尻ぬぐいをさせて頂きたい」とたった一言いうだけなのだ

ところが、揃いも揃って、ただただ「籠池が悪い」だの「野党が悪い」だのと、完全に自分自身のことを棚に上げた物言い

その方がよっぽどカッコ悪いわ。

挙句の果てに、「野田中央公園辻元清美議員疑惑」とか「民主党政権時代にも文書書き換え」とか既に検証済みのことを今更持ち出す無能ぶり。

一応ご参考にリンク張っときます

野田中央公園土地取得について調べてみました - 興味乱舞に引きこもれず http://rispair.com/?p=4696

フェイク注意】民主党時代にも「文書書き換え」の前例!?自民党時代2007年に発生した事件でした | BUZZAP!(バザップ!) http://buzzap.jp/news/20180313-moritomo-falsification-minshu/

親安倍を自認しているなら、自分が頭を下げれば、ここまで疑惑の目が強くなることも無かったはずなのに。

もちろんそれは、安倍さんが本当に黒幕じゃなければの話だけど、少なくとも親安倍の人はそう信じてるんでしょ?

自身で大好きな安倍首相の首を全力で締めにかかっていることにお気づきだろうか?

結論

安倍派は、拙速にならずに着実に追い詰める手立てを考えろ。

親安倍派は、フェイク流す暇があるなら真の黒幕あぶり出せ。

諸悪の根源

安倍政権内閣人事局作ったから、一個人官僚暴走()などが起こるわけで、

組織体系に問題あり、公務員人事制度の抜本見直しする!

と言えば票は取れそうだし何なら総理になれんじゃねという気も一瞬したが、

公務員労働環境なんて知らん、あいつらみんな糞だからどんな目にあってもざまみろ安倍にひれ伏せみたいにアホなこと思ってる人の方が多いんだろな…

2018-03-12

森友問題への雑感 1人の愛国者として

私は、とても悲しい。

今回の森友事件で、私たちの先輩が必死になって築いてきたものを全部バカにされた気がする。

日本の国のことを1番に考え、薄給激務で働いている官僚

彼らの多くは最高学府と名高い東大卒業し、全てが試験のような日々を生き抜いていてる。

そんな日本の叡智の結晶を、森友問題は全てぶち壊した。

内閣人事局によって官僚は首根っこを掴まれ、自らの使命ではなく、内閣官房直視せざるを得なくなったのではないか

・・・

閑話休題

私は、とても悔しい。

なぜ、右派の方々は立ち上がらないのか。

こんなにも祖国バカにされて、黙っていて良いのか。

左派になぎ倒されることが矜持なのか。

自らの過ちを認め、先祖に、子孫に胸をはって生きられる国を創り上げることじゃないのか?

左派はどうなんだ。

国がバカにされ、人が亡くなっているにも関わらず、笑顔で「妥当安倍内閣」と叫ぶことが正義なのか。

内閣打倒は手段であって、目的は違うだろう。

戦争のない、平和社会平等社会を達成することではないのか。

ひいては、先祖の恩を忘れずに、子どもたちにより良い世界を明け渡すことではないのか。

本題。

右派の方も左派の方も、手段は違えど一つの目的を共有できるのではないか

「先に生まれ方々に感謝し、後に生まれる人たちに素敵な世界を残す」

森友問題には、先輩方への敬意も、後輩達への配慮も、何も感じない。

から、悲しくて悔しい。

森友の件って、もともと限りなくグレーに近いけど、それまでの勢いならシロにできたのに、安倍ちゃんが「関与してたら辞める!」って言いだしちゃったから、官僚たちが慌てて尻拭いして、結局、公文書改竄っていう盛大な墓穴をほったっていうアホみたいな事件しか見えないんだけど、どーなの。

人死んでるからアホとか言いたくないけどさ。

内閣人事局つくっちゃったから、官僚自動忖度機になって、結果的自分の首絞めたように見える。

2017-10-23

アベ政治というが

安倍首相権力が強くなっているのは、内閣人事局官僚人事権が強くなったこと・小選挙区制導入に伴って公認権の重要性が増したことだったと思うが、これらが提案されたのはいわゆる90年代から続く、金権政治批判官僚政治批判の結果であって、急に降って沸いた話でもない気がする。内閣人事局については民主党政権では提案されていなかった?と思うが、民主党政権も『政治主導』を掲げていたはずである。まあ透明性に問題があるのには間違いないだろうが、アベを倒したところで、アベ政治が全く終わるようには思えないし、制度を巻き戻しても昔の問題が復活するだけに思える。

しかし今回の選挙においても、少子高齢化という日本において最も重大な問題真摯に向き合う政党ひとつもなかったように思えるしこれからどうするんだろうね。まあいさら何をやっても無駄なので、9条やら自虐史観(笑)問題に取り組んで、国家としての尊厳(笑)を取り戻しつつ、経済において玉砕というのが日本的アプローチなのかね。散ればこそといったところか。

2017-09-09

http://b.hatena.ne.jp/entry/344613946/comment/sny22015

職員審査権限はない。複数審査委員から「それは違う」とその場で異議が上がり、最終的に優秀賞の一つに選ばれた” ということで、賞の審査健全機能しているらしい。その職員無能なだけ

その職員無能なだけ?違うね。職員にそのような発言をさせるように仕向けた仕組みがあるからだ。具体的に言えば内閣人事局佐川みたいなクズ国税庁長官にしたシステムだ。メリットがある方向に人は動くものからこの職員無能なんかではない。

2017-06-03

加計の件

おれは本当にムカついている

安倍首相のお友達優遇されたから、ではない

あんデタラメ計画を通したために、高額の学費を払わされた挙句モノにならずに放り出される学生と、高額の補助金税金負担させられるのに

まともな公務員獣医師就業を期待出来ない今治市民が、本当に可哀想だと思うから


何故結果が出ることが期待できないか

文科省の元事務次官は、これから開業する加計獣医学部配慮して「石破四条件を満たしていない」という言い方に留めていたのだろうが、はっきり言って、

あの計画書は、文科省審査に掛ける書類としては下の下、問題外

新設した学部をまともに運営することは到底出来ないと判断されて当然のもの、と思うから

現に、こういった記事も出ている(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/206543?pc=true)

文科省の反発は既得権益を守るためのものだ!」と言う人を見かけた気がするので言及しておくが、アレはそれ以前の問題で、文科省がこれまで行ってきた

大学行政合格ラインとしているレベルを遥かに下回っているために弾いているというだけのことだろう


そんなデタラメが、何故通ったか

おれの中では、このロジックがあって初めて、「忖度」が出てくる

首相は何も言っていない、というのは本当だろう

問題は、官僚の中に「首相のお友達優遇すれば人事で評価される」と考えるゴマすり野郎がいるんじゃないか、ということだ

何故そう考えるのか?それは、複数記事で元官僚人達言及している通り、2014年内閣人事局が創設され、官僚のクビを官邸一切合切握るようになったからだ

官邸の方を向いた行政をすれば評価され出世が出来る、というように官僚の行動をシステム面で変えてしまったことが本質的な原因ではないのか

だとすれば、このシステムを変えない限り、第二第三の加計事件は起こり続ける


今回の件が、「安倍首相個人縁故主義」に矮小化されることを、おれは何より恐れる

2017-05-26

文科省官僚が不的確で通したくないと思った申請を、総理が言ったから通さないといけないのは、人事権を握られてるから

おう、なら内閣人事局ぶっつぶそうぜ!!

2017-04-20

与党が、内閣人事局などという悪しき制度を作った目的

官僚与党の顔色を伺わざるを得なくさせ従わせ、

ひいては森友や加計に、土地をタダで与えるためだったわけだと。

2017-04-02

http://anond.hatelabo.jp/20170402095114

論語の焼き直しにすぎない教育勅語が出た理由

1.1か月後には、帝国憲法が発布される予定だった

2.その帝国憲法では、貴族院では普通選挙が行われないことが決まってた

 (貴族院選挙争訟の判決内容を不開示とする規則が、1か月前に勅令されてた)

主権在民」論が勢いづくと煩いと考えたのか、内閣メディア教育勅語というエサを投げてやった。それだけ。

クラブを作って無秩序法制をし、権利権限格差をつけて支配するのが、軍産共同体経団連(商工経済会)。

西側諸国はちゃっかり日本軍ベトナム戦争を起こさせ、ご褒美に憲法9条を投げてやった(ベ戦には徴用しないという約束で)。

今は宮内省宗秩寮の代わりに、内閣人事局官僚支配

国民主権は潰されているがごとし。法学博士も碌な人数がいないし、多国間条約批准も少ない。

日本社会はい国際標準にまで浮かび上がれるのかな。まあ西側軍産は、貴族以外の日本人はまた海に沈めたいみたいだけど。

2009-07-27

「人事局」設置先送り 民主党方針、連合に配慮

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090727/stt0907270906001-n1.htm

 民主党は26日、国家公務員の幹部人事を一元化する内閣人事局について、現在政府与党が目指していた来年4月の設置を先送りする方針を固めた。民主党政権を獲得した場合、公務員への労働基本権付与のあり方を検討し直す必要があるためで、関連法案を来年通常国会に提出するには、内閣人事局の設置にさらに時間がかかると判断した。

 公務員制度改革に関する政府の関連法案は、省庁の縦割りをなくし、内閣主導の人事を可能にする内閣人事局の設置が柱。だが、先の通常国会衆院解散となって関連法案が廃案となったことから、民主党として新たに法案を策定する必要が出てきた。

 民主党が、労働基本権の付与にこだわりを見せるのは、労働基本権の付与を求める官公労自治労が、同党の支持団体である日本労働組合総連合会連合)の傘下にあり、これら労組の意向に配慮せざるを得ないためだ。23日に発表した政策集でも、「公務員労働基本権の回復」を明示している。内閣人事局の設置を急ぐあまり、労働基本権付与について結論を先送りすれば、政策集に明記した公約との整合性が問われることも考慮した。

結局、官僚支配を打破して労組支配に切り替わるだけなんじゃねーの?

2009-05-20

厚生労働省の分割という話が、国土交通省総務省に飛び火しているという話。

そもそも、省庁が増えすぎて、問題が発生した時に、どの省庁に割り振れば良いのかの判断が難しくなった上に、複数の省庁にまたがった問題である事が判明した時に、天下り先が作れそうなら奪い合いになり、作れなさそうならば押し付け合いになるという状況にあきれ果て、縦割りがまずいという事で、複数の省庁をまとめて総数を減らしたのが、省庁統合である。

省庁統合によって大臣ポスト事務次官ポストも減ったわけで、死ぬ前に一度で良いから大臣をやって、自宅の門前に簡易交番を置いて警官に立番してもらいたいとか、事務次官をやってから天下りたいといった、筋違いの欲望を抑制しなければならなくなった。

小泉改革が、当選回数が多い大臣候補クラス代議士事務次官までもう少しという所まで競争してきた官僚にとって、蛇蠍の如くに嫌われていたのも、むべなるかなという所である。

それを引き継いだ安倍政権は、少なくとも、行政においては間違った事はしていない。ただ、国民の支持によって支えられているという支持基盤を、衆議院の3分の2という数字でしか認識できなかった為に、衆参同時選挙に踏み切れず、参議院で負け、直近の民意という錦の御旗を野党に奪われてしまった。衆議院の3分の2を振り回すのに、やたらと苦労ばかりするようになっていき、ついには投げ出さざるを得なくなった。

問題は、福田政権である。小泉安倍時代の反主流派を取り込むために、消費者庁の新設という方法で、大臣級や事務次官級のポストを増やし、方針を転換してしまった。軽い神輿になり、小泉安倍時代の反主流派に力を蓄えさせてしまい、あげくに、小泉改革を完全否定する悪役を押し付けられる状態になった。プッツン辞任と言われているが、そうでもしなければ、面子が維持できなかったのであろう。

小泉安倍時代の冷や飯食いが主流派に返り咲いた麻生政権は、反動といっていいぐらいに、昔に戻っている。それも、森・小泉になる前の、財政赤字を膨らませてしまった小渕政権に近い状態にある。小渕内閣では6194億円分の地域振興券をばら撒き、麻生政権では2兆円の定額給付金をばら撒いている。小淵内閣では30兆円をバブル不況景気対策に使い、麻生政権は事業総額75兆円をアメリカ経済危機景気対策に使おうとしている。

小淵内閣の時の30兆円にまるっきり効果が無かった事が検証済みなのに、なぜ麻生内閣はその倍以上の景気対策を行おうとしているのか。答えは簡単で、景気対策という建前を使って、選挙区天下り先にじゃんじゃん現金をぶち込もうという話だからである。

麻生氏自身はこれで景気が良くなると信じているかもしれないが、回りで誉めそやし、協力すると申し出ている人々は、自分自身の景気が良くなるが、日本全体の景気がよくなるとは、微塵も考えていない。これでオラが地盤や金庫にごっそり金を引っ張れるとほくそ笑んでいるのである。

内閣人事局構想は、問題が発生した時に、その問題を担当する官僚を一人から複数名つけて調査させ、問題解決に必要な省庁に政治任命として送り込み、問題が解決したら、次の問題に当たらせるというやり方で、縦割りの省庁を横断して、問題解決に当たらせる為の手段でもある。

頭の悪い人のとりうる最善の策は、自分の頭を使おうとせず、頭の良い人の智恵を借りる事である。もっとも、自分の頭の出来が悪い事に気が付けないほどだから、悪い頭で精一杯考えて、正しいと思い込んで間違った事をやらかしてしまうのである。

小淵内閣景気対策は失敗だった。しかし、2000年6月25日の第42回衆議院選挙自民党圧勝であった。2000年5月14日に、現職首相のまま小淵氏が死亡した為である。今年の9月までに行われる衆議院選挙自民党が勝つ為には、同じ事をやる必要があるかもしれない。ばら撒きや地位は欲しいし、与党であり続けたいという欲深き人々は、どう動くのであろうか。軽くて馬鹿神輿でも、使い方次第で役に立つ。もちろん、そうなる前に、福田氏のように逃げ出すという展開もありえるのだが、首相として外交がやれると有頂天になっているので、状況が見えてないかもしれないねぇ。

2009-05-16

世襲制

国政を担う者が地域利権代表に堕してしまうのが多選の弊害であり、世襲は多選の一形態に過ぎない。本来ならば多選を規制すべきであるのだが、国替えはしたくないので、世襲規制する事で多選禁止の骨を抜こうという狙いであろう。と、同時に、選挙が終わったら世襲禁止も骨抜きにするという展開までありえる。非世襲議員と言えども、地盤を固めた後は自分の直系子孫に世襲をしたいと考えるであろう。そういう人情に訴えかけて黙らせれば済む。

中央省庁の幹部人事を一元管理する内閣人事局構想は、政治中央省庁の幹部人事に介入するという事である。課長級くらいまでは省庁内の純粋培養で恥を晒さないように教育する必要があるだろうが、それ以上は、政治任命によってでしか上がれないという制度を作り、官僚政治家が使えるようにするという構想である。と、同時に、働いてくれた官僚には、相応の身の振り先を用意しなければならない。それは、当然、自身が政治家になるという事である。政治家官僚よりも上になるというのであれば、官僚から政治家へと進むのが、当然の進路となるし、どこの馬の骨ともわからない政治家に使われるくらいならば、事務次官まで勤め上げた官僚出身議員に使われた方がマシとなる。

その為には、落下傘候補を定期的に押し込める選挙区を作らなければならない。多選規制は、その為の手段である。内閣が変わる度、大臣が変わる度に、議員候補が生まれてしまうのだから、それを押し込める先を作らなければならない。死ぬ前に一度でいいから大臣になりたいと、無責任ポストのばら撒きをやめさせる効果も期待できる。

世襲を制限するのでは、引退する議員の後釜にしか落下傘候補を押し込めないという事になるし、議員秘書への地盤の譲渡世襲ではないという理屈で、後釜に押し込む事すらできなくなりかねない。これでは、官僚の身の振り先は今まで通り天下り先という事になり、国家の為に働く官僚は出てこない。省庁の傘下に天下り先を作り、そこに天下る為に、省利庁益の為にしか働かなくなるのである。埋蔵金を削り、天下り先を削るならば、その代りとなる場所を作らなければならない。

知事よりも少ない支持しか得ていない人が首相になるという事に矛盾を感じないという現実把握能力の欠落を問題にしなければならないのであろうか。

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