はてなキーワード: spaceXとは
SpaceXやテスラを見てみると、イーロンの言動に全面的に賛同は出来ないながらも、称賛できる業績はある。
個人的に、その業績を支えている技術者やらはどうやって支えられているか、興味がある。
基本的は戦略は、億だとか高額になるものを、設計・製造設備の最適化と工場の稼働率を上げることによるコストダウンだが、1人のアイデアでも出来ないし、社内だけでも完結しない。
(日本は数が出ないから特殊な製造装置や工場を作らないので、最初成功しても、後にも続かないというところだが)
日本だと人材の話になると賃金を上げる、というだけに集約されがちだが、そもそもどれだけ賃金上げようが人材がいない場合がある。
例えば、AIが今流行っているのでAI向け半導体を作りたいとして、金はおいておくとして、人材がどれだけいるのか。
教育から、としても教科書も、教えられる人材もいない、となっているのではないだろうか。
(コンピュータに詳しい人は多数居ると思うが、ソフトウェアからの視点のみだろう)
アメリカの場合、NASAやIEEEシニアといったのがあるのは知っているが、どうやって支えているのか。
(つづき)
> ブースターの再利用に成功した一方で,本体のスターシップが爆発してるのは本末転倒。人を乗せるのは爆発した方なのだが,スゴイスゴイ言ってる連中は分かっているのだろうか。
あのね、全体としてまだ設計が終わってないの。設計終わってないのに奴らは作って飛ばして実地の物理から学んでるの。そこがスゴイの。着水後の健全性はテストでは目指されていません。
前回テストを踏まえ今回のシップの方の課題は熱対策の改良でした。前回も着水まで行けたけど、フラップの可動部にプラズマが入り込んで、熱によるダメージでほとんど外れかけの状態まで壊れてしまっていました。 https://youtu.be/WvBXUlwLQ08?t=598
今回はタイルを改良したことで(全部剝がして改良版を貼りなおした https://www.youtube.com/watch?v=QCkgat6Rl-s&t=382s )概ね機体全体を保てたまま、最後の水平から垂直への姿勢変更の動きもしっかりして着水まで行けました。だから進歩の確認として成功なのです。海上で待ち受けていた側(たぶん観測ブイ)からの映像が撮れてるってことは、狙った場所に正確に制御して降りられた、機能が健全なまま降りられたって事の証明になっています。
映像見てケチをつけるなら「やっぱりなんか今回も可動部から噴き出してるじゃない」ってところだよ。でも、それももう対策をした次の設計(フラップ取付位置を突入時の後ろ側に変更してヒンジが晒されないようにする)の機体が製造されつつあります https://ringwatchers.com/article/v2-ship-june-2024 。前のモデルの試験結果が出切っていないのに改良版を設計製造して、ものすごい高速で開発サイクルを回して前進している。そこがスゴイの。
ちなみにブースター側の前回の問題は稼働していないエンジンがあったという点です。液体酸素の中に生じた氷がフィルターを詰まらせたのが原因ではないかと言われていて、今回は上昇時も帰還時も全てのエンジンが稼働したので、これも進捗の確認の意味で成功でした。この動画が詳しいです https://www.youtube.com/watch?v=LgZRyeNAa0A
> ようわからんけど着水後に爆発したらダメじゃね? >着水後に宇宙船が爆発した様子を海上のカメラで捉えた
裏が取れていない事ですが、着水後の爆発はコースを外れたときに自爆させる装置(FTS, Flight Termination System)を作動させた結果の可能性があります。自爆の火薬はタンクが上手く破れる位置に仕掛けられていて、海上の映像を見るとそれが作動した時のように、ざっくりタンクが切れているように見えます(ちらと見えた配管は、炎が少し出たのでヘッダータンクへの配管っぽい)。ぷかぷか浮いていたら(タンクが空になったロケットは水に浮きます)船舶の航行の安全的にまずいので沈めるようにしていたのでは、という意見も見ました。
> イーロンマスクはロケットのことはよく分からないのであまり口を出しておらず、車のことはよくわかるので口を出しているのかも。
インタビューなど見ると、彼はロケットの技術面を分かって自身の問題として考えているように思います。わたしは下世話なとこは興味が無く具体的には知らないですけど、めちゃめちゃ口出ししていたみたいですよ https://x.com/cucscspr/status/1845781849236472313
> マスクのロケットが成功するたび憂鬱になるんだが。あいつは火星植民の目途がついたらまず確実に地球環境を汚染しにかかるようなヤツでしょ。その方が火星の皇帝を目指すには「合理的」だから。
彼が目指しているのは人類が multiplanetry species(複数の惑星に生息する生物種)になることです。地球を滅ぼしたら multi じゃなくなっちゃうよ。
> イーロンより褒められるのはエンジニア。しかしトップがイーロンなのに組織持ってるのは凄いもんだ。誰orなんの仕組みが新しいことをする心理的安定性を担保してるのだろうか
イーロンが失敗することを良きものとして「物事が失敗しないのならば、十分に革新的な事をしていないってことだ」 "Failure is an option here. If things are not failing, you are not innovating enough" というように語っているらしいです。だから、新しい事に挑戦させ成果を生ませているのはイーロンなんじゃないかな。(まあ別の意味で心理的には安全じゃなさそうな職場だけど。気質があっていれば楽しそうだ。)
> やっぱりスペースXは普通にすごいね。その調子でイーロンとそのフォロワーの金を搾り取りながら宇宙開発技術の発展に貢献してくれ。
SpaceX は NASA や軍から契約を取ってます。しかも今のところ他の企業より安く確実にやってるようです。ちなみに今回の Starship のバリエーションが月着陸船として NASA に採用されました(こいつは地球には戻ってきません) https://en.wikipedia.org/wiki/Starship_HLS
あと Starlink のお金も重要っぽいです。日本のようにインフラ整備された国ではいまいち実感持てないけど、無改造のスマホが山奥の僻地だろうと、砂漠、海上、空の上だろうと圏外にならないようになる、ってすごくないです? https://www.starlink.com/business/direct-to-cell
今回の試験にあわせて SpaceX からゲームが提供されたよ! https://starshipthegame.spacex.com/
(おわり)
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/sorae.info/space/20241013-starship.html
YouTube に毎週投稿される宇宙開発の進捗を伝える各種動画を見ている知識の程度の私が、界隈の事情を知らないブクマカに答えてみるね。
まず。再使用可能な打ち上げロケット(下段)は SpaceX は既に実用化していて、ファルコン9 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B39 を今年は3日に1回程度のペースで打ち上げています。1機毎で言うと20回以上の打ち上げの実績が積まれていっていて SpaceX にとって再使用自体はもはや日常です。
今開発している Starship が目指しているのは単なる再使用ではなくて、大型化と共に fully and rapidly reusable な機体です。我々が普段利用する航空機がそうであるように、日常運用では再整備の必要がない全体の再使用、イーロンいわく https://x.com/elonmusk/status/1845633730154545465 同じブースターを一時間以後には再び打ち上げる、そんな世界です。 完全な再使用のためには上段も再使用が必要ですが SpaceX はまだ達成していないのでそこが大きな課題です。
> 普通に着陸専用台を用意すべきでは?
戻ってきたらそのまま次の打ち上げ準備を始める運用を目指しているので、打ち上げた所に戻したいわけです。
大型かつ完全な再利用で定期的な運用が出来れば、軌道に上げる重量当たりのコストがめちゃめちゃ下がることが期待されています https://youtu.be/-8p2JDTd13k?t=1834 (ところで3年前のこの動画では着陸脚を持つ予想になっていました)
> あとはその頻度で打ち上げる宇宙のゴミはどうするのかさえ打ち出せば。
全体を再使用するのでゴミは出ません(顧客の貨物として軌道に上げた衛星はゴミになりうるので、それはまた別の心配事ではありますが)。ちなみに今回の試験の上段は、周回軌道には乗らないコースを取っていて、途中で失敗があっても落下してくるようになっています。
> 制御スラスター的なものかもしれんが側面から火がチロチロ出てフラフラしながら降下してるから大丈夫か?と思ったが最後はスーッと綺麗に発射台に収まったな。これは盛り上がるわ
大きく炎が上がっていたのは燃料を流し込む接続口がある個所からでした。計画的な圧力調整のための流出なのか、不測の事態への意図的な対応なのか、弁の故障などなのか分かりませんが、姿勢の制御ではないでしょう。
> 思ってたよりふらふらしてた。
上空からの降下の段階ではタワーには向かっていません。一直線にタワーを目指すと制御失敗で地上設備を壊してしまうリスクがあるので、海側の何もない地面をまずは目指しています。そこで減速をしっかりしてからタワーへ向かっているので、ふらふらしているように見えるのかもしれません。また、エンジン噴射の方向はきわめて高速に変更できるようになっているのでの炎はあちこちに向かっていますが、機体だけを見るとブレれずに滑らかに移動しているのが分かると思います。
> この姿勢制御をするために細かいノズルがたくさんついているんだろうなー(ちょっと集合体恐怖症感ある)。サターンVの巨大ノズルもロマンがあるけど。
第一段には33機のエンジンを積んでいます。内訳は外側に20機、その内側に10機、さらに内側に3機となっています。すべて性能は同じですが帰還時に使うのは内側の13機のみで、これらは噴射の向きが変えられるようになっています。中継動画の左下の円の表示を見ると、どのエンジンが稼働しているかが分かります。ぐっと減速する時に13機を吹かして、すぐに10機は止めています。じわじわ減速すると燃料が無駄になる(余分に使う燃料の分だけ、打ち上げ可能貨物重量が減る)ので、短い時間で減速させているようです。
最後にタワーに近づく制御をしている時に吹いているのは、最も内側の3基です。 https://x.com/SpaceX/status/1845958325948895425 なお燃料が無くなっているこの時点でも機体は数百(二百?)トンはあるっぽいです。エンジンは一つで最大230トンぐらいを持ち上げられます。なのでかなり出力を絞ってるはずです(1機の故障ならリカバーできるのかも)。
ちなみに
(長すぎるためか書けないので分割するよ)
Will X bunkrupt?
Yes. Elon Musk frequently uses warnings of bankruptcy to motivate; he did it at Tesla and SpaceX. But this time, with X’s advertising tanking and attempts to create new sources of revenue falling flat, there’s a good chance it will happen.
After recent emotional outbursts against X’s advertisers, he may be reckless enough to think he can put it through bankruptcy and still come out on top. Musk fighting for control of X in bankruptcy would be a gripping sequel to the drama-filled Twitter acquisition. Richard Waters