はてなキーワード: バニラ・エアとは
※先に自分自身の結論と立場を表明しておくと、いすみ鉄道の社長、鳥塚亮氏のブログ内容にほぼ全面同意するけど1箇所だけ、
「(木島氏は)あくまでもご自身をパイオニアだと考えているのかもしれませんが、こういうことは今回限りということにしましょうね。」という
抗議行動に苦言を呈す/釘を差す一言にだけは断固反対、という主張です。
netgeekのいつもの偏向記事に、id:fujippon氏が丁寧にツッコミ入れた以下の批評記事、そこに付いたブコメについて。
『バニラ・エア』の件で、netgeekの記事に「釣られてしまった」人たちへ - いつか電池がきれるまで
id:kirifuu 見事にnetgeekに釣られたのでここで謝罪申し上げます。/尚批判自体は取り下げない。/”これを機に正常化したのだから、結果的にプラスになったはず。” これがダメだと言ってんだよ。目的は手段を正当化しない。
さて。 "最強の弱者様"が対話を通さず、この手の強硬的な活動で是正を突きつけるのは善行とは言えない、目的は手段を正当化しないという至極ごもっともな感想だった。
その一方で「正規の窓口から穏便に問い合わせた結果、丁重にお断りされた」という声も上がった。母数がn=1であろうとも、差別されたもんは差別なのだから無視するわけにはいかない。
バニラ・エアに事前連絡したが乗れなかった車いす女性 | | まなナビ
バニラ・エアでは以前より、「お手伝いが必要なお客様」が搭乗する際には「5営業日前までに予約センターに」知らせるよう「ご利用ガイド」に明記しており、車いすの利用者もその対象となっている。今回の報道を受け、バニラ・エアは、車いすの方の搭乗には事前のFAXをお願いしていると述べた。ネットでは、その事前申告をしなかった車いす男性への非難も出ているようだ。では、事前申告すればよかったのかというと、事前申告すると断られてしまっていた。
ここでbuzzfeedの記事と、脳性まひ障害者運動団体「青い芝の会」に所属していたプロ障害者活動家・横田弘氏(1933年-2013年)を引き合いに出す。
障害者は「差別」に泣き寝入りしないといけないのか?伝説の運動が教えてくれること
当時、横田さんが展開した運動は、常に「過激」という表現がついてまわった。例えば車椅子の集団がバスに乗る、電車に乗る、路上でマイクを握る。
有名なのは1977年、障害者が車いすのままバスに乗ることを拒否した川崎市とバス会社への抗議だ。JR川崎駅前ロータリーに停車中のバスに、障害者が一斉に乗り込んで運行を28時間ストップさせた。
安易に問題解決はしないと宣言し、次々と問題提起をすることが自分たちの運動なのだ、という。「反対するのはわかったけど、では対案を出してください」という声に対する強烈な否定である。
木島英登氏は、もしかすると横田弘氏が過去にやってきた事を己の使命感に自己投影して、悦に浸ってるだけの英雄症候群だと、意地悪に言えばそうなのかもしれないね。
でも、正直に事前申告したり、現行法の範疇で正統なアプローチを試みた人が門前払いで馬鹿を見る一方で、横田氏や木島氏の様に屈せずに声を上げ続け、"強い弱者"がゴネ得を押し通したほうが
結果的に社会を手っ取り早く動かせるのは今も昔も変わってないという現実。あれから40年も経ってすっかり豊かになったはずなのに、日本社会と人の心は相変わらず当時水準と変わらぬ貧しさのまま。
この社会の非対称性を解消できない限り、木島氏はおそらく死ぬまで全世界で抗議活動を続けるだろうし、いすみ鉄道の社長が直々に諫言したって聞き入れられないだろうね。なぜなら、その方がずっと合理的だから。
横田氏は同時に、通称「太宰メソッド/藁人形論法/主語でか案件」といわれる詭弁に非常に敏感な詩人でもあったそうで。
横田さんは詩人でもある。だから、言葉、特に主語には敏感だった。
荒井さんは、横田さんからしばしば「君はどう思うの」と問いかけられた。そこで私たちは〜、一般的には〜、この社会は……といった大きな主語で答えようとすると、「それで君自身は……」と畳み掛けられたという。
範囲がどこまでかわからない「私たち」のような大きな主語からでてくる言葉は、どうしても責任の範囲があいまいになる。(中略)あなたはどう考えるのか。「小さな主語」で伝えてほしい、と横田さんは常に問いかけた。
id:bluerondo netgeekやいすみ鉄道の人の記事は見事な太宰メソッドだったよね。この件で「木島さんの行動で大勢の人に迷惑がかかる」とか言ってる人にも「『大勢の人』ではなく、あなたが迷惑と感じるんでしょう!?」と言いたい。
これな。ひとえにこれ。皆がじゃなくて、「突然の抗議活動でLCCの飛行機便が止まったら/値上がりしたら、"俺が"迷惑だから止めろ」「乗降や緊急避難時に"俺が"迷惑するから最初から乗るな」という本音を引き出した。
今回の一件は無意識下の差別感情を炙り出す優秀なリトマス試験紙だったと思う。
自分の意見、および横田氏、木島氏の戦い方と近しい結論を導いてた人の記事リンクを貼って〆とする。今のところ「ゲリラ戦」しか選択肢が無いよねって話。
【私的統括】バニラ・エア問題に見る「障害者の戦い方」はゲリラ戦に学べというお話
id:houjiT 問題点は認めるが「突撃」がなかったら御断りも、事前連絡の穴も公にならなかった可能性も考慮すべきでは。もっと「突撃」を、と言いたいのではなくて「突撃」の前に掬い上げる社会を我々が作る必要があると
id:carl_s 「障がいが不便なのは、障がいがあるからではなく、環境が障がいに対応しておらず、できないことがあるから」社会モデルのこの話、コスト削減優先で障害者排除環境を構築してきたことが一因なんだよな。
もう完全に日のないところに煙を立てるためのツールになってる。
どうせ一年経ったらまたおんなじような話でおんなじような議論が続くだけだろう。
バニラ・エアはバリアフリーを明確に推進してる企業だ。これは、間違いない。自力で階段昇降できない障害者の搭乗を事前連絡で断っていたのも、奄美空港のみでのことでそれ以外では搭乗拒否なんてしてなかった。ここまでは、擁護派も批判派も周知のことだろう。俺は、思う。なんでお前らって奄美空港だけなのかを考えないの?理由は、明確でバリアフリーに対応しきれない空港だからだ。
こう言うと「数日でアシストストレッチャーと電動式階段昇降機用意したやんけ。すぐ対応できるのにしてなかったバニラエアが悪い」との声が聞こえてきそうだが、そう考えたやつは多分バリアフリーになんか興味ないのに騒いでるおバカさんなんだなとしか言いようがない。アシストストレッチャーや電動式階段昇降機なんてバリアフリーでもなんでもないから。障害者を物理的に下に降ろす単なる機械ですから。見たことないならググって見てこい。そして、あれをバリアフリーだと言うなら、お前らは一生障害者理解なんかできない。
バリアフリーっての言うまでもないが社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障壁を取り除くための施策だ。どの車椅子利用者があれに乗せられて障害や障壁のない公共交通機関だなと感じるんだよ。普段通り車椅子で乗り降りできてはじめてバリアフリーなんだよ。
もうわかってると思うが、それができないのが奄美空港だった。奄美は観光客は多いが空港自体は大きくない。だから、毎回そのまま移動できるブリッジを確保できない。ブリッジを確保できないと不便かつバリアフリーでない手段で客を降ろすしかなくなる。それならバリアフリーを求める人には確実につける便を紹介するか、搭乗拒否して他の会社を選択してもらった方が良いというのがバニラエアの今までの対応だった。
つまり、障害者お断りだったんじゃく、車椅子の人に不便な乗り降りを強いてしまう環境が空港にあったから断っていた。まあ、質の悪いサービスしか用意できていないとなると企業イメージに響くという打算もあった可能性は十分あるが。企業として想定外だったのは、他の質の高い乗り降りができる移動手段を選択してもらうよりも、質の悪いサービスを自社に用意しておく方が世間から評価されるということだろう。俺自身も想定外だよ。
まあ、そりゃそうか。バリアフリーがなんなのかも知らないで、差別主義者っぽい人を見つけだして叩くのを趣味としてる馬鹿が群がって騒いでるだけなんだから。
心臓病で内部障害者。アイスクリーム航空会社とK氏の件で、「実力行使は良くない」と書いている人が多くいる。そもそも論として、あれは実力行使ではない。
実力行使、と聞くと、暴力的な手段を用いたという印象が強くある。K氏は暴力的な手段は使っていない。自力でタラップを上がっただけだ。従業員に厳しい言葉を浴びせたかも知れないが「言葉を浴びせた」だけだ。暴力ではない。件の航空会社の従業員と揉み合いになったりしたわけではない。
そもそも、航空会社は、K氏をタラップ前に移動させることを頑なに拒否さえすれば、容易に実力行使を防ぐ事が出来た。搭乗できない規則になっているのにタラップ前まで連れて行けば、自力で階段を登ると言い出す事は容易に予想できたはずだし、やろうと思えば、絶対にタラップ前に案内しないことも出来た。つまり、航空会社側は、K氏の行動を結果的に容認したのだ。相手にも容認されている行動が、なぜ実力行使なのだろうか。現に、K氏もバニラ・エアも「実力行使」という言葉は使っていないようだ。
現場の従業員は困ったかも知れないが、それは、対策していない会社の経営陣が悪いのだ。従業員が人間的に悪いわけではない。K氏の行動を「実力行使」と呼ぶこと自体が、航空会社側の肩を持つ異常行動だ。
バニラ・エアの件、論点が増えすぎてうやむやになって終わりそうだったので、論点をいくつかに分類した上で私が思う問題点について書いてみます。
長いので結論だけ先にまとめておくと、車椅子利用者のみが自主的な事前連絡を求められていることはバリアフリーでなく、より確実なバリアフリーを目指すために航空会社がシステムの側で対応すべきということです。
ちなみに私は健常者ですが、中学の時にこのエントリと同じような趣旨で卒業レポートを書いたり大学で車椅子利用者向けのインターフェースについて勉強したりしていたので、どちらかと言うと車椅子利用者側の意見になっているかもしれません。
今回の騒動で話題になった記事は http://b.hatena.ne.jp/topic/300611893821289425 が割とよくまとまっています(おそらく自動生成ではありますが)。これらのエントリを見ると、論点は大きく4つに分けられます。
本エントリでは4つめについて主に述べたいのですが、一応私の立場の表明がてら他の3つについても軽く触れておきます。長くて読むのが面倒だという方は飛ばして次のセクションを読んで下さい。
その場の対応についてはバニラ・エア側も謝罪・対応しており、搭乗拒否したことが問題である点については多くの方が同意するところでしょう。「バニラ・エア車いす利用者搭乗拒否に対するDPI日本会議声明 : DPI 日本会議」でも、やはり搭乗拒否についてが問題として指摘されています。
「LCCに車椅子利用者対応を期待するのは過剰サービスだ」という批判も中にはあるようですが、これは障害者差別解消法でいうところの差別にあたります。コストの理由だけで搭乗拒否することは「合理的な理由」であるとは言えないでしょう。
報道の仕方については、やや見出しが過剰にセンセーショナルであったことは否めないように思います。
「【ラジオ書き起こし】荻上チキ×木島英登×石川准「誰もが暮らしやすいバリアフリー社会を実現するためには何が必要なのか(2017/06/29 TBSラジオより)- "シュプレヒコールを歌え" 」に、「あの、私は、階段を這って上ったことは、僕にとっては屈辱でも何でもなくて。 」とあります。つまり這って上る事自体は木島氏も問題視していません。
一方で最初に話題となった記事のタイトルは「車いす客にタラップはい上がらせる バニラ・エアが謝罪」でした(今は修正されたようです)。このタイトルからは「はい上がらせ」たことが問題であったようにとれる点で、そもそも論点がずれていたと言えます。結果として話題となったのは良いかもしれませんが、論点のずれによって初期の議論が迷走し、木島氏へのバッシングなども引き起こしてしまったのではないかと感じています。
3つ目の木島氏の人格についてですが、私はあまり問題であるとは思っていません。「プロ障害者」という批判があるようですが、当事者として声を上げられるのは当然当事者だけです。「 なぜ声をあげた障害者がバッシングを受けるのか?バニラ・エア問題、本当の争点はどこにある 」にもある通り、「声を上げた」ことは他の車椅子利用者の方にとっても救いとなるのではないかと考えています。
一方で「本来必要とされている事前連絡をしなかった」という非が木島氏にあることはたしかで、この一点のために個人の責任を問われているところがあります。しかしながら、事前連絡が必要であることそれ自体に問題があるのではないでしょうか?すなわち、搭乗拒否が差別であることだけでなく、事前連絡の必要性もまた差別であり解消されるべきものであるということも、今回の件から考えるべきではないでしょうか?これについては次のセクションで詳細に述べたいと思います。
木島氏への批判の理由として、「本来必要とされている事前連絡をしていない」ことがあるようです。今回のケースでは連絡していても搭乗を拒否されていただけであろうことを考えると、この批判は当たらないようにも感じます。しかし一方で、木島氏は普段から事前連絡をしていないようなので、そのことを問題視する方がいるのも理解は出来ます。
特に「車いすで飛行機に乗る時は | いすみ鉄道 社長ブログ」によって、航空会社側の安全管理上の都合が多くの人の知るところになって以降、その傾向が強いようです。
この航空会社側の都合とは、車椅子利用者の方があると事前に分かっていれば対応できるのだから事前連絡をして欲しい、ということのようです。対応できる事自体は素晴らしいのですが、この考えには飛躍があります。その飛躍とは、「航空会社が事前に把握するための負担を、乗客である車椅子利用者が負わさせられている」という点です。
少し話は逸れますが、他のケースとの比較を通じてこの問題点について考えてみましょう。
機内食についての事前連絡の必要性に関して、ベジタリアンや信教、健康上の理由から、マイノリティでも事前に連絡しているという意見がありました。バニラエアで確認してみると、機内食としてベジタリアン用の食事は予約時に選択できるようになっています。バニラ・エアのグループ会社であるANAで確認してみると、さらに多くの種類の食事が選べるようです。
小さなお子さんがいる場合も航空会社は把握する必要があります。この場合も、システムが利用者の誕生日を入力させることによって航空会社は把握することが出来ます。
すなわちこれらの2例では、マイノリティの存在を把握するための仕組みがシステムの中で事前に準備されているということです。
話を戻して、車椅子利用者についてはどうでしょうか?ANAでは「おからだの不自由なかたへの空の旅へのお手伝い|ANA 」にあるように、事前に電話で連絡する必要があります。今回問題となっているバニラ・エアではFAXまたはフォームからの連絡が必要です(「お手伝いが必要なお客様|ご利用ガイド | バニラエア Vanilla Air」)。すなわち、航空会社がシステムとして主体的に車椅子利用者の存在を把握しようとするのではなく、車椅子利用者の方から航空会社に自己主張をするという構図になってしまっています。
もちろん食のマイノリティや幼児に比べて車椅子利用者は少ないという数の問題はあるでしょう。しかし、だからといってその存在を例外として扱って良いわけではなく、存在するのが当然と見なして対応するべきです。マイノリティについて事前に把握する必要があるならば、そのコストは利用者側でなく航空会社側が負担すべきではないでしょうか。実際「障害者への差別的な対応しないよう航空会社に指示へ 国交省 | NHKニュース」でも、「搭乗前に乗客に聞きとる」という航空会社の主体的な行動が要請されています(この記事に対して、やはり木島氏は事前連絡すべきだったとする意見があるようですが、それには前述した飛躍があります)。
一方で、電話で連絡すれば搭乗がスムーズになるというのは、搭乗できないよりは遥かにマシでもあります。それ故この対応を「差別である」と切り捨てることもできません。
つまり重要なことは、「ある行動が差別であるかどうかは0/1で決まるものではなく、比較可能なものである」ということです。今回のような「比較的差別的」な状態は、「比較的バリアフリー」を継続的に目指すことで解決されると私は考えています。
差別が0/1で決まるものではないという話をしましたが、それは「バリアフリー」についても同様です。事前連絡をすれば搭乗できることは、全く搭乗できない場合よりはバリアフリーであるといえます。しかし同時に、事前連絡せずに搭乗できる場合よりはバリアフリーではありません。本当にバリアフリーな社会が目指すべきなのはこの、「事前連絡せずに搭乗できる」という状態でしょう。
1つのバリアフリーな手段が用意されていることだけをもって「バリアフリーだ」と言い張るのは簡単です。しかし、それによって既存のバリアフリー施設の問題点や改善点が見えなくなってしまうという新たな障壁もあります。そのような「なんちゃってバリアフリー」の状態に甘んじることなく、全てのバリアがない「真のバリアフリー」を目指すことが、社会全体としては必要とされています。
もちろん「真のバリアフリー」は理想論であり、全てのバリアを一度に完全になくすことは現実的に不可能です。だからこそ、一つのバリアフリー施策を実施するだけでバリアフリーになったとするのではなく、既存のバリアフリー施策で足りないところを改善しながら一歩一歩「真のバリアフリー」を目指していくことが必要となります。この、漸近的に解消していくプロセスこそが合理的な配慮である、と私は考えています。
今回のバニラエアの場合は、例えば予約時にモビリティ上の特記事項があるか否かのチェックボックスを用意すれば、航空会社は車椅子利用者の利用を把握できる上、ユーザーの手間もそれほど変わらないでしょう。その上で航空会社がどのように対応するか、主体的に決めることも可能になります。多くの種類のマイノリティが存在する中でどれに対応するのかという問題はありますが、サポートする範囲を少しずつ広げながら、差別を減らしていけるはずです。
差別やバリアフリーを0/1で捉えるのではなく、連続的に改善していける社会になればいいなと思います。長い文章でしたが、読んでくださった方ありがとうございました。私より中立的な立場の方からのコメントや、車椅子利用者の方のコメントが頂ければ嬉しいです。
客を乗せて飛行機を飛ばしたいなら障害者に合理的な配慮をすることが前提条件なのです
運賃をいくらにしていくら利益を出そうとするかってのは後の話です
航空:航空機利用における合理的配慮の提供状況等 - 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk4_000006.html
「奄美空港においては空港施設の都合により、同伴者様に階段の昇降のお手伝いをお願いする場合があります」
そうすればよかっただけの話だと思います
整備が遅れてる奄美は、対応設備が少なく、それもJALなどが押さえているなんて情報もある。
逆に言えば、JALやANAなら、普通に楽しめたのでないの?となる。
https://www.buzzfeed.com/jp/satoruishido/20170629?utm_term=.be3Qro9epR#.nq3OB8ok9N から引用
先天性の身体障害があり、義足と車いすで生活する女性が、匿名を条件に、BuzzFeed Newsの取材に答えた。
この女性も、別の車いす利用者から、「関空ー奄美間で搭乗を断られた」と、聞いたことがあるという。
しかし、今回のケースで本当に問題なのは事前の連絡をして交渉したところで、搭乗できない可能性が高かったことです。
拒否される可能性が高いとわかっていて、事前連絡する人はいませんよね」
女性は、木島さんが今回のような形で声を上げたのは「それ以外になかったからだ」と考える。
そうしなければ、車いす利用者がバニラ・エアに乗れるようにはならない、というのが女性の考えだ。
「これは誰かが声をあげないと変わらないケースです。
今回も実際に、木島さんが声をあげたことで、やっとやっとバニラ・エア側も対応をした。
バニラ・エアは奄美空港でアシストストレッチャー(座った状態で運ぶ担架)を14日から使用、階段昇降機も29日から導入する。(朝日新聞)
やる気になれば、対策を取ることができた。
「私は今回の木島さんの行動は勇気あるものだったと思います。なんで声をあげた当事者に批判が集まるのかまったくわかりません」
7月には導入が決まっていたと噂されるアシストストレッチャー。導入前の千載一遇のタイミングだったとも言われている。
ワタシ的には、障害者割引やらを全部を蹴ってまで、なんでLCCでなければならないの?となる。
JALの障害者割引で「23,800」(正規料金は40,500、株主割引で20,250)
皆さんはどう思うか?
白人もこういうイラッとした気持ちを抱えたんだろうなーみたいな
出発が遅れて、などの実害を被った方々のイライラはもっとだろうなーと
流石に殺してやりたいとかそういう気持ちにはならないけど
少しだけ同情というか、共感の念を覚える
参考になればと思います。
奄美空港にはボーディングブリッジがあったが、何らかの理由(おそらく他の機体が使用中)で使用できなかったとのこと。
奄美空港は改修中でボーディングブリッジの増設工事中。今年11月から運用可能とのことで、以降はバリアフリー対応となる予定。素晴らしい!
http://amamishimbun.co.jp/index.php?QBlog-20160923-2
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1706/28/news109.html
バニラ・エアは関空ー奄美間ではボーディングブリッジが使えないため、WEBサイトで以下のようにアナウンスしていた。
奄美空港施設要件にともない、おからだが不自由なお客様/車椅子ご希望のお客様の安全確保およびSTEP利用時の不意の事故を未然に防ぐために、お客様ご自身またはお連れのお客様の補助を得てSTEPを昇降いただけるかの事前確認が必要となります。事前のご確認は予約センターまでお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。
バニラ・エアは上記アナウンスによる事前確認があった場合について、以下のように説明しています。
「車椅子ごと担いだり、利用者の体を抱えたりしてタラップを乗降することは、大変危険なので安全上の理由から認めていない。関空-奄美線では、自力で歩けない車椅子のお客さまから事前に連絡があった際には、搭乗をお断りしていた」
「お断り」が搭乗拒否なのか、お願いしていただけなのかはよくわかりません。ここはメディが確認すべきだと思います。後述しますが、問答無用で搭乗拒否していたのなら明確な違法行為なので同情の余地なくアウトだと思います。
階段昇降用のストレッチャーという介助器具があります。バニラ・エアは用意すべきだったという方がいます。有名なところでは乙武さんもそう主張されています。
http://www.huffingtonpost.jp/hirotada-ototake/post_15315_b_17326010.html
ただ、障害者を介助する側からするとストレッチャーは使いたくないのです。快適じゃないし、危険だからです。車椅子からストレッチャー、ストレッチャーから車椅子への乗り降りが大変だし、階段でのストレッチャーは事故が多い。それに、ストレッチャーに乗るのは恥ずかしいという方が多いのです。
現状、積極的にストレッチャーの使用を勧める航空会社はないだろうと思いますし、ストレッチャーと聞いたらほとんどの障害者とその同行者は諦めると思います。
ストレッチャーはほとんどの障害者にとって無意味であり、かえって不快なもの(新たなバリア)だと理解してもらいたいです。
タラップ(階段)には電動階段昇降機がついていませんでした。この点も批判されています。
もちろん電動階段昇降機があるのは良いことです。介助者が人力で動かすストレッチャーよりは安全性は高いです。ただ、障害者目線だとストレッチャーよりはマシというだけで、あまり解決にはなりません。
車椅子との乗り換えが大変ですし、目立つことが恥ずかしいというのもあって、かなり多くの障害者は使用を拒否します。「これに乗せるのか」と怒り出すひともいるくらいです。
これも新たなバリアを作り出す装置だと理解してもらっていいと思います。
電動階段昇降機があるからバリアフリーかといわれると、違うと思います。
パッセンジャーボーディングリフト(PBL)という特殊車両があるようです。
http://www.love-narita.com/entry/2017/06/boarding-support
これを用意できればよかったかもしれません。しかし、特殊車両なのでかなり高価ですし、奄美大島に輸送する手間を考えると短期的な使用のために用意するのは現実的とはいえないでしょう。特にLCCの運賃、利益を考えるとここまでの投資が必要なら路線開設を取りやめるという判断になるのではないかと思います。
普通の障害者が旅行で飛行機に乗るなら段差を解消したボーディングブリッジ以外の選択肢はないに等しいのです。階段って聞いたら諦める人がほとんどなのです。なので、一日も早くボーディングブリッジを用意してほしいというのが障害者の願いだと思います。
ただ、ボーディングブリッジはとても高価で、簡単に用意できるものではありません。土木工事が必要で、億単位の投資になります。公共施設なので予算をつけて設計、施工、年単位の時間が必要です。一日も早くと願いますが、現実は待つしかありません。
奄美空港は11月には新たなボーディングブリッジが運用開始予定です。おそらく3月に就航した関空ー奄美を受けての増設を決めたのでしょうが、予算、設計、施工などを考えると可能な限り最速で対応したのだろうと思います。奄美空港関係者の努力は素晴らしいと思います。
K氏は高校時代にラグビー中の事故で脊椎損傷した障害者ですが、障害者と言ってもその障害の程度は千差万別です。
K氏は腕で階段を昇り降りできるなど、障害者の中ではかなり「健常者に近い」行動ができる人だと思われます。普通の健常者より元気なんじゃないかと思うくらいです。しかし、K氏のように行動できる障害者はとても少ないです。車椅子競技をしているアスリートなど、年齢が若く鍛えている人だけです。普通(多数派)の障害者はとてもじゃないけど自分の腕で階段を昇り降りなどできませんし車椅子の乗り換えが苦痛です。
普通の障害者なら上記の空港設備を聞いたら諦めるでしょうが、K氏は「健常者に近い」行動力があるので突破しようとしたのでしょう。良く言えば積極的、悪く言えば無鉄砲。気持ちは分からないでもありませんが、やはり良くないと思います。事前連絡のない状態だと現場でできることには限りがあり時間のない中で正しい判断ができるとも限りません。多数の乗客を乗せ安全に定時運行をしないといけない飛行機ですので、二度とすべきではないと思います。
バニラ・エアはストレッチャーや電動階段昇降機を用意していなかったわけですが、他方で障害者対応をするつもりがなかったとは思えません。11月にボーディングブリッジが使えるようになるのでそれまでは申し訳ないけれども我慢してもらうという姿勢だったようです。
これは多数派の障害者にとっては理解できる話です。ボーディングブリッジがないなら他があってもあまり意味がないし、ボーディングブリッジを建設するには時間が必要なので完成まで待つしかありません。
しかし、K氏のような行動できる障害者にとってバニラ・エアの対応は許せないでしょう。ボーディングブリッジがなくても自力もしくは介助者の力を借りて搭乗できるからです。ストレッチャーくらい用意してほしいと思うのはよくわかります。行動できる障害者を想定していなかったのではないかと思います。バニラ・エアはストレッチャーを用意して事前にアナウンスしておくべきでした。大いに反省すべきだろうと思います。
なお、バニラ・エアはバリアフリーに対応する法的義務があります。条文は引用しませんが、障害者が利用できるように「合理的配慮」をしなければなりません。ストレッチャーを用意してほしいという要望は合理的配慮として義務付けられるでしょう。仮に事前に要望があったにも関わらずストレッチャーを用意せず搭乗を拒否したのならば、それは違法です。糾弾すべきです。
一般論として、事前連絡は障害者にとってとても重要です。とくに高齢障害者のようにストレッチャーや電動階段昇降機を使いたくない人にとってはすべての経路にエレベーターかスロープがあることを確認するのは必須です。また、航空会社に特に配慮してもらいたいことなどを伝え、航空会社からの要望や注意点を確認することはスムーズに飛行機にのるために必須です。事前連絡しない障害者は極めて少ないと思いますし、対応ができずに搭乗を断られても仕方ないと思います。
今回、K氏は事前に何も言わず、突然、空港カウンターに現れてトラブルになりました。事前連絡すると搭乗を拒否されるからと主張しています。
http://www.kijikiji.com/self/vanilla.htm
バニラ・エアは搭乗を「お断り」していたと言っていますので、事前連絡すると最初は断られたと思います。
ただ、バニラ・エアはバリアフリーに対応する法的義務があります。(内容証明郵便などの書面で)ストレッチャーを用意するように要望すればいいだけです。それを拒否することは明確に違法なのでできないでしょう。
仮に拒否された場合も、国交省や鹿児島県島に改善を求めるための窓口がありますし、記者会見等で世論に訴えることもできます。(実際、K氏は事後にそのような対応をしています。)
事前にバニラ・エアにそのように話をすればストレッチャーの用意を拒否するという対応には出ないでしょう。話せば解決できたと思いますし、話す時間がない急ぎの旅行でもないようです。
今回の騒動はアマチュアが知らずに引き起こした話ではありません。
K氏はバリアフリーのプロとしてコンサルや講演活動などで生計を立てているプロです。プロであるならば、法律と知識と経験を武器に話し合いで解決すべきです。
奄美空港の設備や今後の整備予定、自分が登場するために必要な道具や人員など、詳しいことを調べる能力もあるはずです。飛行機に乗り慣れているようですので航空会社や空港の決まりにも詳しいことでしょう。
そういう人が法律や規則があることを知りながら事前に話し合いもせずにいきなり実力行使に出てはいけないと思います。
企業も人が運営するものだから間違いはあります。間違いを正すことは大切ですが、それはまずは話し合いによるべきです。実力行使は話をつくしても理解されない場合の最終手段であるべきです。いきなり問答無用でやると必要のない波風が立つだけです。とても残念に思っています。
世論と法律が変わり、今、驚くべきスピードでバリアフリー対応が進んでいます。実力で戦わなければならなかった時代も理解していますが、しかし、今はもうそういう時代ではありません。法律がありますので話し合いをすればほとんどのことは解決します。
活動が先鋭化して大衆の支持を失うようなことになれば障害者やその家族、ひいては社会全体の損失です。そうならないことを願います。
はてなブックマーク - バニラ・エアに声をあげた障害者に「クレーマー」、広がるバッシングに疑問の声
id:(略)←無知 「公共の交通機関を提供している航空会社であれば、身体に障がいのある乗客に対し、身体の状況を事前に告知すべきことを要求することはできない」https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544
はてなブックマーク - 車いすで飛行機に乗る時は | いすみ鉄道 社長ブログ
貴方敗訴します「公共の交通機関を提供している航空会社であれば、身体に障がいのある乗客に対し、身体の状況を事前に告知すべきことを要求することはできないところではある」https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544
https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544
あとになって見つけましたが、「公共の交通機関を提供している航空会社であれば、身体に障がいのある乗客に対し、身体の状況を事前に告知すべきことを要求することはできないところではある」(大阪高裁平19(ネ)2425、判例時報2024p20)との判例があり、本来の原則はこちらです。
これなん?
http://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170629092629.pdf?id=ART0009677741
判例の引き方を知らないから孫引きで長いから流し読みで略しまくりだけど。
(略) ⑵ 本件に至る経緯 ① 原告は、平成15年7月30日から同年8月 4日までの日程でタイ王国(バンコク)へ の旅行を計画した。 (略) ② 原告は、前記の予約に際して、両上肢及 び両下肢に障害があって車椅子を使用する こと、言語障害があること、同行者はなく 単独搭乗を予定していることを旅行会社に 伝えず、そのため、被告はこれらの情報を 当日まで知らなかった。 (略) ④ 同日午前8時50分ころ、被告の日本支社 関西国際空港支店空港カスタマーサービ ス部長である E は、原告及び B らに対し、 原告は介助者の同行がなければ搭乗するこ とができない旨告げるとともに、その理由 として、原告に言語障害があり、意思の疎 通がスムースにできないこと、上肢及び下 肢に障害があることを挙げた。 B らは E に対し、搭乗拒否の理由につ いて具体的な説明を求めるとともに、原告 の状態を説明するなどして単独搭乗を認め るよう要望したものの、E は原告の単独搭 乗を認めず、結局、原告はSQ973便に搭 乗することができなかった。 (略) 神戸地裁尼崎支部平成19年8月9日で は、航空会社である被告が原告の単独搭乗 を拒否したことについて、原告が、本件搭 乗拒否は旅客運送契約上の債務不履行であ り、かつ、公序良俗に反する不法行為であ るとして、被告に対して慰謝料等を請求し た事案において、原告には、身体を抱えて 移動させるとともに、緊急脱出を円滑に行 うという客室乗務員にとって対応困難な援 助が必要であるから、原告の身体の状態は、 本件規定の安全上の理由があることが認め られ、被告が原告のこのような身体の状態 を知ったのは、本件飛行便の出発約2時間 前であるから、被告において、原告の身体 の状態を考慮した人的、物的な対応を期待 するのも無理な状況であったと認定し、被 告従業員による留保解除権の行使によって 原告の単独搭乗を拒否したことは、本件規 定に基づく正当なものであるとして、原告 の請求を棄却した。そこで原告は、一審判 決を不服として控訴した。
2 大阪高裁平成20年5月29日(控訴棄 却・確定) (略) ⑴ 被控訴人の債務不履行の有無について 公共の交通機関を提供している航空会社 であれば、身体に障害のある乗客に対し、 身体の状況を事前に告知すべきことを要求 することはできないところではあるけれど も、前記認定の控訴人の身体の障害の状 態、動作の実情、これまで航空機に搭乗し た経験等の諸事実に照らすと、時間的余裕 を持って上記の諸事実が被控訴人に知らさ れていれば、控訴人が単独搭乗することに ついて必要とされる介助や緊急時の援助態 勢に関する検討をすることは十分可能であ り、それによって、被控訴人が控訴人の安 全確保に関する不安を払拭できたのではな いかと推測することができる。 しかし、E は、控訴人に対し、D からの 前記報告以外に、その情報を一切知らされ ていなかったために、SQ973便の搭乗手 続直前の段階における D からの情報に基 づいて、前記の検討をした結果、上記のと おり控訴人に対する介助や緊急時における 控訴人に対する援助態勢について不安を持 ち、介助者の同行を求めるという極めて慎 重な態度をとったものであるが、限られた 情報と時間的余裕のない中で、E の取った 対応が、航空会社として不合理に過ぎる判 断であったとまでは言い難いものである。 以上の点を考え合わせるならば、身体に 障害のある人の積極的な社会参加、そのた めの移動の自由の確保及び旅客航空機の社 会的役割に着目し、客室乗務員が乗客に対 し、これまでに述べた意味での適切な援助 を提供すべきであること等を考慮してもな お、E が留保解約権を行使して、控訴人に 対する本件搭乗拒否に及んだことが、当該 時点において E が認識していた事実関係 のもとでは、不合理であったとまではいう ことはできない。 したがって、本件搭乗拒否が E の故意・ 過失による違法な判断に基づくものとし て、被控訴人に対し、その債務不履行責任 を問うことまではできないと言わざるを得 ない。 ⑵ 本件搭乗拒否が公序良俗に反するとして 被控訴人に不法行為責任が生じるか否か) について 上記の事案の概要等で摘示した本件搭乗 拒否に至った事情及び判断に記載のとお り、E は、控訴人の前記身体の状況や外観 によって控訴人を差別的に取扱い本件搭乗 拒否に及んだものではなく、控訴人につい ての限られた情報と時間的余裕のない中 で、控訴人には単独搭乗を拒否できる前記 特別の援助が必要との判断に基づき本件搭 乗拒否に及んだものであって、このことが 公序良俗に反するとまでは言えず、本件搭 乗拒否について、被控訴人に不法行為責任 を問うことはできない。 ⑶ 以上のとおりであるから、原判決は結論 において相当であり、本件控訴は理由がな い。よって、主文のとおり判決する。
これ同じやつかな。
することはできないところではあるけれど
全確保に関する不安を払拭できたのではな
いかと推測することができる。
https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544
で言われてる原則のあとに「けれども」つってなんか色々続いてるけど。
http://www.huffingtonpost.jp/hirotada-ototake/post_15315_b_17326010.html
Twitterやはてブで社会の問題や政治の問題が話題になるたびにずっとモヤモヤしてたんだけど、その理由がわかった。
どんなポジションであれ、「あいつ(ら)が悪い」ってスタンスの意見ばかり目につくからだ。
具体的な例でいうと最近話題のバニラ・エアの件、航空会社側の対応不備を批判したり搭乗者をクレーマーと叩いたり、そんなのばっかりで、自分が航空会社側だったらどうすべきだったかとか、自分が搭乗者だったらどうすべきだったかとか、仮に自分がその立場に置かれた時に理想的な対応ができるか、できないならどのように改善すべきかを考えて反映させていこうというスタンスが見えない(見えづらい)ことにモヤモヤしてたんだ。
上は最近の一例だけど、話題になってる議論ってだいたいそんな感じ。
ちょっとすっきりした。
バニラ・エアには障碍者に対して邪悪な扱いをしたらどうなるのか、世の中の馬鹿共に知らしめるための犠牲になってもらわねばならぬ。だから謝ろうが改善しようが知らぬ。今後ずっと、会社が潰れようが、障碍者にひどい扱いをした航空会社として歴史に名を刻まれ、犯罪者のように反省しようが罪を償おうがなんだろうが日本は失敗を許さない国であることを体現するはてなー達によって何度も何度も忌むべき名として呼び覚まされるであろう。
バニラ・エアは奄美空港でアシストストレッチャー(座った状態で運ぶ担架)を14日から使用、階段昇降機も29日から導入する。
について書きます。
乙武さんの主張は正しい、と思う。
この問題について「事前連絡すれば良かった」というのが、はてなーの大半の意見だ。
はてなブックマーク - 車椅子搭乗拒否の件について気になったこと: 不倒城
しかし、乙武さんの言う通り、「事前連絡しても対処は変わらなかったのだから、事前連絡しても無意味だった」のである。
事前連絡をすることでスムーズに搭乗できるという前提なら、「木島さんは事前連絡すべきだった」との批判も理解できる。しかし、事前連絡をしたところで「お断り」ならば、するだけムダというものだろう。
これが正しい。つまり、大半のはてなーの見解は間違いだった。はてなーは乙武さんに完敗した。はてなーは間違った意見をやたらと垂れ流した。また、当の障害者を侮辱したりした。
そのすべてについて、間違ったことを言った批判者はお詫びするべきだろう。
* * * *
では、事前連絡が無意味なら、かわりに、どうすればよかったか?
乙武さんは、ストレッチャーを整備せよ、と述べている。なるほど、当日ならば、それでいい。それしかない。しかしストレッチャーというのは、快適なものではない。
本当の正解は、朝日新聞に書いてある。「アシストストレッチャーと階段昇降機」だ。
バニラ・エアは奄美空港でアシストストレッチャー(座った状態で運ぶ担架)を14日から使用、階段昇降機も29日から導入する。
これによって問題は解決済みだ。つまり、問題はもともと解決済みで、議論する必要はなかった。なのに、勝手に騒いで、勘違いによる騒動があっただけだった。
ブコメについて。
乙武さんの記事へのブコメでは、障害者の取った方法を「強引だ」「暴力的だ」というような批判が生じている。「いくら問題点を指摘するためだとはいえ、こんな強引な炎上の方法は許されない」というふうな。
はてなブックマーク - バニラ・エアが燃えている。しかし、木島さんも燃えている。 | 乙武洋匡
しかし、これもまた勘違いだ。今回の件は、「暴力的に修正させるために炎上させた」のではない。「もはや問題は解決済みだから、解決済みだと事後報告した」だけである。現状をこれ以上、変更させる意図はない。
ではなぜ、炎上が起こったか? それは、本人が意図したからではなくて、世間の人々が勝手に勘違いしたからだ。「問題の解決を(強引に不当に)狙っている」というふうに。……というのも、「すでに解決済みだ」とは理解できなかったからだ。
ここでは航空会社側についてのみ書く。
車椅子客について書かないのは、法的に間違いを犯したわけではなく、個人の倫理観の問題になるので客観的に意見を述べるのが難しいからだ。
「関空-奄美線では、自力で歩けない車椅子のお客さまから事前に連絡があった際には搭乗をお断りしていた。」
http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/28/vanilla-air_n_17315034.html
関西国際空港での搭乗時、「奄美空港ではタラップを上り下りできない人は乗れない」と説明された。「同行者の手伝いで乗降する」と話して搭乗し、奄美空港では知人が木島さんを車椅子ごと担いで降りた
行きの便の時点で認めたのにもかかわらず、帰りの便でそれを覆したというわけだ。
当然ながら、空港に車椅子客が降りたことは空港側は知っていたはずだ。
5日、今度は関空行きの便に搭乗する際、バニラ・エアから業務委託されている空港職員に「往路で車いすを担いで(タラップを)下りたのは(同社の規則)違反だった」と言われた。
3日の降機時点で空港側がストレッチャーを用意していれば帰りの搭乗はスムーズだった。なぜそれができなかったのだろうか。
ストレッチャーの準備に時間がかかるから? ならば、規則を遵守した場合この車椅子客は奄美に数日閉じ込められることになる。
この状況では、車椅子客は無理矢理でも登場しなければならなかった。
http://i.imgur.com/LaaNeCR.jpg
上記の画像のような空港専用のものではないが楽天でも売っていて、そちらは15万程度。
規則が「安全上の理由」であるなら搭乗時点で断るべきであったし、特例を認めるならば奄美空港側ときちんと合意を得るべきだった。
上に書いたとおり、ストレッチャーは15万という代物だが、車椅子客だけではなく怪我をして歩けなくなった人の搭乗にも利用されるものだ。いくら格安航空会社だからといって、このレベルの設備すらないのは疑問。この過ちは会社側も認めている。
同社は「関空-奄美線では、自力で歩けない車椅子のお客さまから事前に連絡があった際には搭乗をお断りしていた。搭乗を想定した対応をすべきで専用のストレッチャーを導入して改善した。今後も階段昇降機を導入していく」としている。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/28/vanilla-air_n_17315034.html
また、車椅子客が復路でもバニラ・エアを利用することは事前にわかっていたはずなので、トラブルが起きないよう事前対応をすべきだった。
ラジオで小西克哉が言うてたけども、アメリカでは共和党シンパと民主党シンパの間の生活スタイルの差が思考の違いを生み分断を広げているのが困るねと問題視されていて、アメリカの政治哲学業界では調査研究が盛んに行われているらしい。
例えば、ホールフーズマーケット or ウォルマートみたいな生活スタイルの差が、思想やメンタリティの差を広げてしまうことで、コミュニケーション・ポイントが無くなってしまう、という割とお先真っ暗感の強い話。
確かに「貧/保守/全体」 vs 「富/グローバル/個」みたいな分断はすっかりインターネットではお馴染みの対立構造だし、両者の橋渡しが可能となるコミュニケーションがどんどんなくなってきてる実感はある。
アメリカのことだけじゃなくて近頃は日本でも世界中の他の国でも、話し合いのしようがない分断はあちこちで目にする。それこそバニラ・エア事件でも同じような分断が見えるし。
バニラ・エアの件は、あれがLCCじゃなかったら一方的に飛行機会社だけが炎上してたと思うんだよな。「貧・全体」という視点によって対立軸になって、結果的に分断を更に深める役に立ってしまっている。単に 全体vs個 じゃないから話がややこしくなるというか。
自分は比較的「富/グローバル/個」の側に偏ったスタンスなのだが、こちらサイドの謎の頑なさにも正直へきえきすることも少なくないんだ。落としどころを見つける気があるのかお前らという感じで。
これ、日本の研究者もだれか手を付けてないんだろうか。何となく日本の法哲・政哲系の研究者が手を付けると、例のごとく説教くさい左巻きのことしか言わなかったりしそうな悪い予感はあるが…。小西さん研究者の名前上げてたから原典当たるかなぁうーん英語読むの面倒くさいんだよな。