2017-06-29

はてなブックマーク - バニラ・エアに声をあげた障害者に「クレーマー」、広がるバッシングに疑問の声

id:(略)←無知公共交通機関提供している航空会社であれば、身体に障がいのある乗客に対し、身体の状況を事前に告知すべきことを要求することはできない」https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544

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貴方敗訴します「公共交通機関提供している航空会社であれば、身体に障がいのある乗客に対し、身体の状況を事前に告知すべきことを要求することはできないところではある」https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544


https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544

あとになって見つけましたが、「公共交通機関提供している航空会社であれば、身体に障がいのある乗客に対し、身体の状況を事前に告知すべきことを要求することはできないところではある」(大阪高裁平19(ネ)2425、判例時報2024p20)との判例があり、本来原則こちらです。



これなん?

障害者情報を知らされず搭乗拒否控訴棄却のやつ。

身体障害者航空機搭乗についての一考察

http://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170629092629.pdf?id=ART0009677741

判例の引き方を知らないか孫引きで長いから流し読みで略しまくりだけど。


(略)

⑵ 本件に至る経緯
①  原告は、平成15年7月30日から同年8月
4日までの日程でタイ王国バンコク)へ
の旅行計画した。

(略)

②  原告は、前記の予約に際して、両上肢及
び両下肢に障害があって車椅子使用する
こと、言語障害があること、同行者はなく
単独搭乗を予定していることを旅行会社に
伝えず、そのため、被告はこれらの情報を
当日まで知らなかった。

(略)

④  同日午前8時50分ころ、被告日本支社
関西国際空港支店空港カスタマーサービ
ス部長である E は、原告及び B らに対し、
原告は介助者の同行がなければ搭乗するこ
とができない旨告げるとともに、その理由
として、原告言語障害があり、意思の疎
通がスムースにできないこと、上肢及び下
肢に障害があることを挙げた。
   B らは E に対し、搭乗拒否理由につ
いて具体的な説明を求めるとともに、原告状態説明するなどして単独搭乗を認め
るよう要望したものの、E は原告単独搭
乗を認めず、結局、原告SQ973便に搭
乗することができなかった。

(略)

  神戸地裁尼崎支部平成19年8月9日で
は、航空会社である被告原告単独搭乗
を拒否したことについて、原告が、本件搭
乗拒否旅客運送契約上の債務不履行であ
り、かつ、公序良俗に反する不法行為であ
るとして、被告に対して慰謝料等を請求し
た事案において、原告には、身体を抱えて
移動させるとともに、緊急脱出を円滑に行
うという客室乗務員にとって対応困難な援
助が必要であるから原告身体状態は、
本件規定安全上の理由があることが認め
られ、被告原告のこのような身体状態
を知ったのは、本件飛行便の出発約2時間であるから被告において、原告身体状態考慮した人的、物的な対応を期待
するのも無理な状況であったと認定し、被
告従業員による留保解除権行使によって
原告単独搭乗を拒否したことは、本件規
定に基づく正当なものであるとして、原告請求棄却した。そこで原告は、一審判
決を不服として控訴した。

2  大阪高裁平成20年5月29日(控訴棄
却・確定)

(略)

⑴  被控訴人の債務不履行の有無について
   公共交通機関提供している航空会社
であれば、身体障害のある乗客に対し、
身体の状況を事前に告知すべきことを要求
することはできないところではあるけれど
も、前記認定控訴人の身体障害の状
態、動作の実情、これまで航空機に搭乗し
た経験等の諸事実に照らすと、時間的余裕
を持って上記の諸事実が被控訴人に知らさ
れていれば、控訴人が単独搭乗することに
ついて必要とされる介助や緊急時の援助態
勢に関する検討をすることは十分可能であ
り、それによって、被控訴人が控訴人の安
全確保に関する不安を払拭できたのではな
いかと推測することができる。
   しかし、E は、控訴人に対し、D からの
前記報告以外に、その情報を一切知らされ
ていなかったために、SQ973便の搭乗手
続直前の段階における D から情報に基
づいて、前記の検討をした結果、上記のと
おり控訴人に対する介助や緊急時における
控訴人に対する援助態勢について不安を持
ち、介助者の同行を求めるという極めて慎
重な態度をとったものであるが、限られた
情報時間的余裕のない中で、E の取った
対応が、航空会社として不合理に過ぎる判
断であったとまでは言い難いものである。
   以上の点を考え合わせるならば、身体障害のある人の積極的社会参加、そのた
めの移動の自由の確保及び旅客航空機の社
会的役割に着目し、客室乗務員乗客に対
し、これまでに述べた意味での適切な援助
を提供すべきであること等を考慮してもな
お、E が留保解約権を行使して、控訴人に
対する本件搭乗拒否に及んだことが、当該
時点において E が認識していた事実関係
のもとでは、不合理であったとまではいう
ことはできない。
   したがって、本件搭乗拒否が E の故意・
過失による違法判断に基づくものとし
て、被控訴人に対し、その債務不履行責任
を問うことまではできないと言わざるを得
ない。
⑵  本件搭乗拒否公序良俗に反するとして
被控訴人に不法行為責任が生じるか否か)
について
  上記の事案の概要等で摘示した本件搭乗
拒否に至った事情及び判断記載のとお
り、E は、控訴人の前記身体の状況や外観
によって控訴人を差別的に取扱い本件搭乗
拒否に及んだものではなく、控訴人につい
ての限られた情報時間的余裕のない中
で、控訴人には単独搭乗を拒否できる前記
特別の援助が必要との判断に基づき本件搭
乗拒否に及んだものであって、このことが
公序良俗に反するとまでは言えず、本件搭
乗拒否について、被控訴人に不法行為責任
を問うことはできない。
⑶  以上のとおりであるから、原判決結論
において相当であり、本件控訴理由がな
い。よって、主文のとおり判決する。

最初ツイートのは平成19年

後のほうのは控訴棄却平成20年。(事件の日は平成15年

これ同じやつかな。

⑴  被控訴人の債務不履行の有無について

   公共交通機関提供している航空会社

であれば、身体障害のある乗客に対し、

身体の状況を事前に告知すべきことを要求

することはできないところではあるけれど

も、前記認定控訴人の身体障害の状

態、動作の実情、これまで航空機に搭乗し

経験等の諸事実に照らすと、時間的余裕

を持って上記の諸事実が被控訴人に知らさ

れていれば、控訴人が単独搭乗することに

ついて必要とされる介助や緊急時の援助態

勢に関する検討をすることは十分可能であ

り、それによって、被控訴人が控訴人の安

全確保に関する不安を払拭できたのではな

いかと推測することができる。

https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544

で言われてる原則のあとに「けれども」つってなんか色々続いてるけど。

相当な理由があれば障害の内容については要求可、絶対ダメとはならない感じ。

  • 要するに事前告知を要求できないけれども、その結果として準備が出来なかったという理由で搭乗拒否するのは航空会社の責任ではないということですよね。 バニラエアの件は告知して...

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