「ファレル」を含む日記 RSS

はてなキーワード: ファレルとは

2023-10-16

anond:20231015170047

元増田ではないがラグビーワールドカップ、準々決勝4試合を見た。予選にも素晴らしい試合がたくさんあったが、大会ベストゲームという視点からはそれを五番手以下においやってしまうくらいにどれも素晴らしい試合だったので寸評を。基本的に敗者目線で。

アルゼンチン29vs17ウェールズ

元増田の指摘するとおり試合支配したのはウェールズだが一手足りずスコアメイクできない。

・前半最後PG2本はウェールズとしては完全に余計。せめて1本だけにしておけば…

・後半自陣でのプレーが多くなったがウェールズにとっては珍しくなく、決して主導権を渡したようには見えなかった。自陣ゴールライン5メータからの赤い壁と言われる守備力は健在。しか普段に比べて規律が乱れ反則を重ねたのが敗戦に繋がった。

・こういうスタイルのチームにはアルゼンチン・ボフェリのどこからでも狙えるPGは脅威だったのでは。

最後は点差が開いたがこれは逆転を狙うウェールズリスクあるプレー選択たからで、日本戦と同様に点差よりも拮抗したゲーム

日本とやっていたらどうなっていたのかと想像する。アルゼンチンよりは噛み合いそうな気もする。

ニュージーランド28vs24アイルランド

前回大会に引き続き優勝候補として乗り込んできたアイルランド南アフリカ戦の勝利を含め完璧に予選プールクリアしてきた。こんなところでは終われない。

ニュージーランドはアンストラクチャーからアイルランドフォワードバックス展開に正攻法で攻め、それぞれ持ち味を出した素晴らしい展開。

アイルランド司令塔、38歳となるセクストン疲労が気になった。他の選手と違い密集への寄りが遅くパスを出すことだけしかできておらず、相手を迷わせることができない。

・だが、セクストンがいない場合はチームの総合力が一段落ちるのは予選でも明らかだった。結論としてセクストンの交代選手を用意できなかったアイルランド最後で押しきられた形となった。二大会連続で素晴らしい選手を揃え、チームを作ってきたアイルランド、さぞ無念だろうと思う。

イングランド30vs24フィジー

・予選最後ポルトガルまさか敗戦を喫したフィジー、切り替えができているか。またこれまではベスト8が最高位で期するものがあるはずだ。

試合開始からフィジー集中力が高くイングランドを押し込むが点を取りきれない。日本戦でも見せた分厚い守備フィジーを阻む。

・押されているように見えながら着実に加点していくイングランドフィジーは逆に反則を重ねていく。規律が乱れやすい弱点が出てきてしまった。

・このままズルズルいくかと思われたフィジー、後半半ばからその集中力が復活する。縦横無尽フィールドを駆けパス繋ぎ規律も守る、後れ馳せながら強いフィジーが帰ってきた。

・と思ったら調子に乗ったフィジーにとって全然遅くなかった。たった5分の間に2トライ2ゴールを決めてあっという間に24-24の同点に。

フィジーの流れの中、ファレルがこれぞイングランドというドロップゴールを決め勝ち越した。恐らくポイントがここで、ファレルチャージに行くフィジー選手が誰もおらずフリーで蹴らせてしまった。疲労もあるのだろう。この試合に限らないがキックへのチャージなど99%徒労に終わるプレーに全力を尽くすチームが勝ち上がっている印象だ。

ラストフィジーは80分を越えても6分も攻め続けた。体力も尽きた中鬼気迫るものがあったがイングランド規律の取れた守備が上回った。

フィジーはキッカーが不在だったとのことで、それがそのまま点差に響いた。キッカー不在でポラードを追加招集した南アフリカ然り、上位国の選手層は分厚い。

名勝負として記憶に残るものになるだろうが、フィジーにとってはグッドルーザーでは物足りないだろう、今後に、まずは五輪の7人制に期待する。

南アフリカ29vs28フランス

開催国フランス、2019のワールドカップも若手中心と今大会に向けて育成を図ってきたフランス、予選もニュージーランドを下すなど完璧に終えてシルバーコレクター返上の期待がかかる。

試合は概ねフランス支配したと言って良いだろう。だがハイボール処理というピンポイントで劣性に立たされ失点が続き思うように突き放せない。

・この試合興味を引いたのが密集への寄りの早さとラックでの攻防。双方ともにかなりの密集でボールを奪いに仕掛けておりプレッシャーのかけ方が素晴らしかった。

・殊勲は南アフリカのコルビ。コンバージョンへのチャージで2点救っただけではなく、爆発的なスピード、小さな身体を活かした突破、小さい身体を感じさせないアグレッシブ守備は「小さな人間には大きなスペースがある」のシェーンウィリアムスウェールズ)を彷彿とさせた。来季から日本サントリーサンゴリアスに加入するとのことで生で見られるのは嬉しい。

・最終的にはキックの精度が明暗を分けた。ゴールもそうだがタッチキックを真横に蹴ってしまうなど緊張もあったのだろうか。素晴らしい試合だっただけにフランスは悔やんでも悔やみきれないだろう。

その他

トーナメント出場国は予選プールから確実にギアを一段上げてきた。どれも素晴らしい試合で眠気に耐えた甲斐があった。

○どの国も密集への寄りが早く、また疲れるプレーサボる選手ほとんどいなかった(フィジーファレルに対する棒立ちは本当に疲労からだろう)。今大会日本にはできていなかった部分で見習わなければならないのではないか

○ここで負けたチームを含めもっと試合を見ていたいが残り後4試合、楽しみたい。

2023-09-15

ラグビーW杯2023 プール第2週 日本 vs イングランド展望

W杯開幕の2日目、9月10日チリ戦日本代表は初戦を飾り、混戦が予想されるプールDの暫定トップに立った。

4年ぶりのW杯、みんなは楽しめただろうか。


おはようございますこんにちは、こんばんは、レビュー増田です。


9月18日日本時間午前4:00、日本イングランドと対戦する。

今回のW杯フランス開催で時差もあり、試合を追いきれないので、 試合前の予測などを書くか迷ったが、日本代表の初戦に先立って行われた イングランド vs アルゼンチン戦が、観るものをして慄然とせしむる内容であったのと同時に興味深いものでもあり、この相手日本代表がどう戦うか、思案が止まらなくなってしまった。


素人考えではあるけれども、試合予測というのはそれ自体楽しい

みんなとも一緒に、大一番前の井戸端会議を楽しみたい。


件の試合だが、前評判の高いアルゼンチンに対して、不調を囁かれるイングランドは、チームを引っ張る欧州最優秀選手オーウェンファレル出場停止で欠いた上、試合開始3分FLトム・カリーレッドカードを受け、14人での戦いを強いられる。


しかし、ここから先はご存じの通りだろう。

ファレルに代わって出場したSOジョージフォードが前半だけで3本のドロップゴールで一気にアルゼンチンを突き放し、その後も正確なキックを重ねて完全に試合に鍵をかけてしまった。


未明披露されたキック芸術試合を追っていたファンに衝撃を与え、X(旧Twitter)では「ドロップゴール」がトレンド入り。


ひらがな名前女子(?)アカウントまで、ピッタリとしたワンピースから覗く胸の谷間を強調した写真とともに

RTフォローDM送ります

ぷろふ見てね☆


ドロップゴール

ブラント

クラブ


#〇〇凸待ち

などというというポスト投稿するなど、予測できない方向に「ドロップゴール」が飛んでいく事態となった。


さて、前評判の低さも人数のビハインドも跳ね返し、強豪の底力を見せたイングランド日本代表はどう戦っていくのだろう。


大いに話題となったョージ・フォードドロップゴールだが、イングランドがこういったキック披露するのは初めてではない。

2003年オーストラリア大会において、当時のSOジョニー・ウィルキンソンが強力FWの後ろから幾本ものドロップゴールを決め、ウェブエリスカップを初めて北半球にもたらした。

20年ぶりに披露された伝統戦術といったところだ。


直接蹴りこめばいいのなら、ボールを持ち込むより簡単じゃないか、と言いたくなるドロップゴールだが、実際はそう簡単ではない。

前に落としてショートバウンドさせたボールを真っ直ぐ蹴るのはそれだけでも難しく、ゴール正面からの線上でないと入らない。

その上、オンプレー中に蹴るので、相手DF必死に詰めてくる。

SOがプレッシャーを受けないために十分な距離必要で、そのためにはFWが壁を形成し、SHは正確で速く長距離パスほとんど真後ろに投げなくてはいけない。

普段蹴ってないチームが付け焼き刃で蹴って入るものではない。

試合後、ジョージフォードが「ドロップゴールは常にプランにある」とインタビューに答えていたのは驚きだ。


日本はこのドロップゴールに警戒するべきだろうか。

イングランドがとってきそうな戦術とは?


イングランド代表サイド

ドロップゴールは確かに脅威だ。

それだけでなく、正確なキックの全てが恐ろしい。

オンプレー中であれ、ペナルティであれ、ゴールから中央の線上で放たれるイングランドキックは大きなプレッシャーになるだろう。

イングランドからすれば、中央日本陣内の10mまで持ち込めばそれだけで日本圧力を与えられる。


オンプレー中に蹴るだけでなく、キック得点できる状況に持ち込めばいいので、戦術としては南アフリカよろしく接点の後ろからハイパントをあげ、FWをぶつけて落球をさそい、引き摺り込んだスクラムからペナルティをとってキック得点、という方法が考えられる。


実際、日本のアタッキングコーチトニー・ブラウンも「イングランドキックを使ってくる」とコメントしている。

多くの解説者も同様だ。


だが、本当にオンプレー中に頻繁に蹴ってくるだろうか・・・


ハイパントなどのアタッキングキックは、チェイサーをぶち当てることができればノックオンを誘ったり、陣地を前進できる反面、基本的には相手ボールを渡す結果になりやすい。

しかも、相手ナイスな処理ですれ違われて、大きなゲインを許しかねない不確実性がある。


ハイボールの競り合いも強いので、ハイパンも勝算があり、蹴ってくる可能性は十分あるが、体格で勝るイングランドには、もっと低リスク圧力を与える方法がある気がしてならない。

大型FW突破力のあるセンターで、接点の脇で身体を当てながらゴリゴリ前進するだけで、日本にとっては大きな脅威なのではないだろうか。


イングランドCTBリー・ローレンスはこう発言している。

「彼らはボールを動き回すことを好む。私たちは彼らのプレーをそのように認識している」

私たちは彼らの脅威が何か知っているし、それをシャットダウンする計画を持って臨むよ」

日本代表は硬いスクラム、アンストラクチャーな展開から松島のような創造性のあるランナーゲインなどの魅力的な攻撃オプションがあるが、国際的な「日本独自の強み」と認識されているのは、ボール連続に展開する早さだ。

日本は持つと違いを出せるのだ。

なので、持たせない、そう言っているのではないだろうか。


総合すると「イングランドボールを離さず近場を押してくる」「日本の受けをみて、縦の走り込みや展開で一気にランのゲインを狙う」「同時に接点の反則を誘う」というような戦術をメインに、適宜ハイパントなどを絡めてくるというやり方が考えられる。

そして「ディフェンス時にはプレッシャーをかけて日本の攻めを停滞させてキックを蹴らせ、カウンターのランでタックルを外しながらビックゲインを狙う」


実際、自分の同僚のラグビー経験者と話題になった時も「蹴らないんじゃないですかね?普通にやると思いますけど(もちろんドロップゴールも敢えてまでは狙ってこない)」という意見をもらった。

主力を2枚欠いたとて、地力はどう考えてもイングランドの方が上なのだ


日本代表サイド

さあ常にオプション複数持っているイングランドに対して、では日本代表が取れる戦術は?


自分が予想するのは「イングランドの攻める機会と時間を減らす」という戦略だ。

イングランドボールを持っている時の攻めはハードで、簡単には止められない。

さっきもいったとおり、中央付近で少しの侵入も許したくない。

ではどうするかといったら、ボールは1つしかないのだから、こっちに来た時に離さないで、相手の機会と時間を潰してしまえばいいのだ。


まあ要は日本日本伝統戦術で、蹴らずにハイテンポでボールを回し続けて、相手攻撃し続けるという手段があるということだ。


ただ、これは80分続けるには消耗が激しい。

なので、前半の20分くらいまではリスク覚悟で蹴って、身体の衝突を避けたり、危険を伴うが、スクラム時間をかけて、時間当たりで体力が消耗する機会を減らすのではないだろうか。

イングランドスクラム相手を圧殺できるので、時間潰しと引き換えに点数も持っていかれる可能性があるが・・・


60分でなるべくボールを保持したいとして、相手ボールがあったときにはどうするか。

そうなると、なるべく中央侵入を許さないようにしつつ、接点でプレッシャーをかけて、相手の攻めを停滞させ、キックを誘発してボールを獲得する、またはジャッカルを狙う、ということになる。

ハードラックの攻防は不可避であるように思われる。

日本としては、姫野とラピースが間に合いそうなのが朗報だ。


イングランドプレッシャーをかけてキック得点を狙い、日本はダラダラと攻め続けてロースコアでの競り勝ちを狙う。

どちらかのディフェンスラインが決壊すれば、トライが決まり大量得点となる。


どうだろう、自分は双方のこんな作戦を予想したが、みんなはどう予測する?

日本時間早朝キックオフの月曜は、幸い祝日だ。

観戦もしやすいことだろう。

ああだこうだと言い合いながら、大一番を待ちたいと思う。

みんなも是非、予想を楽しんでみてほしい。


anond:20230910223847

2023-09-10

ラグビーW杯2023 9月10日プール第1週 日本 vs チリ レビュー

9月9日開催国フランスニュージーランドの対戦で幕を開けた2023年ラグビーワールドカップ

今日日本代表の初戦となる。


おはようございますこんにちは、こんばんは、レビュー増田です。

みんなとまたラグビーW杯を観られて嬉しいです。

いろいろなことが大きく変わった今回のW杯、変わった点なども含めて、試合レビューしたいと思います


日本所属しているプールDには、もちろん世界で強豪とされるチームが所属しているものの、直近の戦績でランキング上位国が不調だったり、ティア2国の激しい追い上げなどで、突破チームどこになるかというのは予想が難しい。


そんな中で、突破本命と目される2チーム、イングランドアルゼンチンが今朝対戦し、不調に喘いでいたイングランドが9本のキックアルゼンチンを沈めて初戦を飾った。

この戦いでは勝ったイングランドも負けたアルゼンチン勝ち点ボーナスポイントを獲得することができず、強豪2国が他3国に対して最大のアドバンテージは得られない初戦となった。


日本としてはここでチリに勝った上で、4トライ以上取ることができれば、混戦が予測されるプールDに勝ち点5で頭ひとつ抜け出だしたスタートを切ることとなる。

計算上は、そういうことだし、もちろん、まずは取れる最大の結果を目指さなければギリギリ突破さえもおぼつかない、勝負ってそういうものだ。

しかし、そんなに簡単にいくものだろうか・・・


対戦相手チリは、情報が少なく、正直にいうと自分はどれほどのポテンシャルを秘めているかからない。

ただ、W杯に出るチームに簡単相手はいないし、プールDの最後の枠を争うプレーオフで、W杯常連カナダと成長著しいアメリカに得失点で競り勝って出場の椅子を射止めたことは注目しないといけない。

さら情報が少ないというのも勝負において大きなマイナスだ。

2015年大会で、日本南アフリカを破るなんて誰が想像した?


そして対する我らが日本はというと、コロナによる強化の遅れなどにより、4年前から戦力の上積みができているのかというと心許ないところがある。

完成度の荒さを象徴するのが「組んだ回数が強さに直結する」などと言われるスクラムで、直近のテストマッチをみると安定していない。

そのうえ、出場停止のラブスカフニと、コンディション不良の姫野というFW看板2枚を欠いている。

勝ち点5が浮ついた話に聞こえるほど視界不良の船出という感じだ。


1ヶ月に及ぶ予選を突破するため、日本アウェー開催のW杯初戦に、プレッシャーを跳ね除けて勝つだけでなく、少しでもチームの完成度を高め、可能であればうっすら見えるボーナスポイント獲得も視野に入れなくてはならない。

果たして日本は満足できる形で初戦を飾ることができるだろうか。


前半

アカペラ国歌斉唱ののち、トゥルーズ現地時間13:00、チリキックオフで試合が始まった。


コイントスで勝ったチームは勢いをつけるため、ボールを取るのが最近の主流だけど、日本太陽の向きを考え光を背にできるエリアをとった。この選択はどうでるか?

キックオフはエリアを大きく前進できるので、有利になることが多い。

前後半の初めに交代と、点を取られた側がキックオフ権があるので、お互いが機会を最大に活かした場合、交互に有利な状況が巡ってくることになり、他方、一方が相手有利のフェイズを抑え込めればその回数分、勝利を引き寄せることができる。

チリ最初キックオフ後の攻防を制することができなかった日本は6:00にトライを献上してしまった。

直後にその失点後のキックオフでヴァカタワのトライ切り返したが、この取って取られての螺旋はどこかで抜け出さないといけない。


均衡は興味深い、そしてチリにとって不幸な形で崩れた。

具智元の膝にタックルしたチリPRティアスがレイトタックルと見做されイエローカードで一時退出、さら新ルール、8分の審査レッドカード適用もありうるバンカー審査となる。

その後、これも新ルール松島の50:22タッチキック日本が陣地を大きく前進勝ち越しトライを挙げると、勢いに乗る日本攻撃チリは再びバンカー審査つきのイエローカード

日本は1トライを重ねて21-7で前半を折り返した。


展望エントリでも紹介した50:22のタッチキックは、ハーフウェイラインより自陣側で蹴った上で相手22mを越えてワンバウンドで出た正当なキックは、蹴った側のラインアウトで再開されるというもので、大なチャンスメイクができる反面、長距離キック力とそのレベルでの正確性が求められる難しい技術で、日本にはやや不利に働くと思ったが、まさかの大舞台松島が蹴ってきた。

新ルールも絡め前半だけで3トライボーナスポイント獲得した上での勝利にむけて視界が晴れてきた日本に対して、攻めやすい機会を2度逸失し、その上1人を欠いての相手キックオフで後半を迎えることとなったチリ

日本はこの差をさらに大きくできるか、それともチリがまずい状況を跳ね返してくるのか。


後半

時間経過とともに太陽は頂点近くにのぼり、選手の影が短くなる。

後半の太陽はどちらの敵でもなくなった。


キックオフから有利にスタートできる後半で、日本が今度はイエローカードで1人を欠いた上でトライを献上してチャンスを1つ逃すが、ここでまた新ルールが登場、今回からプレースキック時間厳格化され、クロック時間内でショットコンバージョンも蹴らなくてはいけない。

時間ギリギリに蹴ったチリコンバージョンはそれ、不利を跳ね返しかけたチリは2点を上積みできる機会を最大限に生かすことができなかった。


キックオフからあっとう間にリーチトライで取り返し、コンバージョンも取る日本、差はジリジリと開いていく。

自分不安視していた日本スクラムは安定しているし、直前までのテストマッチで以前よりはっきりと改善が見られていた日本ラインアウトも付け入るスキをチリに与えない。


初出場のチリは堂々たるパフォーマンスだ。

かつて「60分までは戦える」と言われていた日本に対し、65分で彼らの脚は動いている。

しかし70分、前を行く日本がついに見えなくなった。

日本に5本目のトライを献上すると、試合最終盤にも日本の新星、ワーナーディアンズにラインをこじ開けられた。

日本 42 - チリ 12


日本試合終了までにとったトライは6本。

初戦に突きつけられた難しい課題に、新ルール太陽の助けを借りて満点の回答を返し、日本勝ち点5でプールDの暫定トップに踊りでた。


素晴らしいアタックで迫り来るチリを退けた日本、次週はプール突破本命イングランドと対戦する。

司令塔オーウェンファレルを欠き、さらレッドカードFLトム・カリーさえ出場できなくなったイングランドはこの情報だけを見れば不利のようだ。

しかし、朝のゲームを見たみんなはそうは思えないのかもしれない。

自分だってそうだ、まさかSOジョージフォードが3本ものドロップゴールを放ち、その脚から得点だけで強豪アルゼンチン試合から蹴り出してしまうとは!

日本は後ろに必殺の飛び道具がチラつくを白い壁を越えて、グループリーグ突破さら勝ち点を上積みできるだろうか。

プールD、第二戦は日本時間9月18日の4:00にキックオフだ。


anond:20230909051354

2023-09-09

ラグビーW杯2023フランスグループリーグプールDの展望

みなさんお久しぶりです。4年ぶりですね、レビュー増田です。

はじめに、いま台風が来ていますので、激しい雨風がある地域に住んでいる方は、どうかお気をつけてください。

みなさんの身体安全や心の安寧は一番大事なことで、W杯といえど所詮スポーツラグビーとは、較べるレベルにもないことです。


さて。

2019年日本大会で日本代表は素晴らしい結果を残し、レビューをしていた自分もみんなと楽しめたことがとても嬉しかった。

そのあとの4年で世界あんなことになるとは思いもしていなかったけど、僕はまたW杯を見ることができるし、みんなもまた楽しめるような状況、心境であるならばいいと思っています

大会、前回のように逐一レビューできるかはわからないけど、みんなが観戦する際の手助けが少しでもできたら嬉しいです。


グループリーグ展望

予選リーグ日本が入ったのはプールD。

このプールオーストラリアウェールズフィジーなどが同居するプールCと並んで、何が起きるかわからない予測不能プールであり、後述するけど、初戦がどう転んでもDは縺れていくと思う。


配置されたのはイングランド日本アルゼンチンサモアチリ

最強豪と見做されるイングランドは、ここ数年不調が続いており、ブチ切れることでおなじみのエディー・ジョーンズHCが責を問われて解任、スティーブボーズウィック氏の元、再出発となった。

こういった交代劇は短期的にはプラスに働くショックとなることも珍しくはないのだが、今のところその兆候は出ていない。

チームを牽引するオーウェンファレルレッドカードペナルティで3戦目まで欠くのも気がかりだ。


もう1チーム、日本の厚い壁となりそうなアルゼンチンは組み合わせ抽選時のプール序列3位は明らかに過小評価で実力で言えばイングランドと同格に近い。

ランキングではイングランドより上位、直近の戦績でもオーストラリアを降し、南アと1点差ゲームを演じるなど、上り調子だ。

ひょっとしたら1位通過の本命アルゼンチンかもしれない。


サモア好調だ。

「チームとしてまとまりがなく反則しやすい」という長年の弱点があったのだが、ニュージーランドオーストラリアフィジー所属する国際プロリーグスーパーラグビーパシフィック代表クローンチームを結成して参加するという強化手法で宿痾を克服してきた。

これは前回大会直前まで日本がとってきた強化手法と一緒で、日本サンウルブズは戦績こそふるわなかったもの、チームの練度は確実に底上げされ、日本代表の前回の成果に一役かった。

今回のサモアは前回のような「罠に嵌めやすいチーム」ではない。


チリは正直なところ情報をあまりもっていないのだけど、アメリカカナダに競り勝って出場を勝ち取っており、これは「えっ」という感じ。

アメリカカナダは強豪でこそないものの弱いチームではないのだ。

チリは1勝をもって帰りたい立場なので、狙うのは日本サモアとなり、初戦の日本に最大限の集中とリソースで挑んでくるように思う。


前回グループリーグ突破の我らが日本はというと、コロナによる強化スタートの遅れ、スーパーラグビーからの除外で強化がうまく進んだとは言い難く、実際の試合をみてもスクラムキャッチパスなどの連携に明らかなほつれが見える。

おまけに初戦はFWの働き者、ピーター・”ラピース”・ラブスカフニをレッドカード出場停止で欠く。

かなり立場が揺らいでいると言えるだろう。


プールDの初戦、日本チリと戦うこととなるが、裏ではイングランドアルゼンチンがまみえる。

本命同士がいきなり潰し合う展開となり、負けたチームは突破のためにもう1敗もできない状況になる。

こうなってくるとサモアがどのチームに取っても厄介だ。

チリ以外の4チームはどこが抜けてもおかしくない混戦になりそうで、なんとしたらしたらチリがこのリーグをかき回す可能性すらある。

初戦と2戦目は特に目が離せない予選リーグとなりそうだ。


初戦のポイントと注目選手

未だ未完成日本代表が波にのれて完成度を高めていけるかは重要で、初戦の開始20分でバタバタと反則を起こさないか最初スクラムが安定するかが注目だ。

日本の注目選手では、リーグワンでの脅威の走力と決定力代表に選出されたCTB長田智希がリザーブで登場する。

FBに抜擢されたセミシ・マシレワも注目したい。

マジックフットと呼ばれる突破力をもつが、ディフェンスに難があると言われてきた。

直近改善されてきたように思うが、とはいえ最後の砦ポジションFB出場になったのは驚きだ。

少し心配もあるが、良さが出ればトライ後の「取って詰めてだす」エガちゃんパフォーマンスがみられるかもしれない。

熱戦を期待するし、できればもちろん日本代表には勝利してほしい。


新ルールについて

ところでラグビーは頻繁にルール改正がされるスポーツで、ここで前回大会から変わったところと影響について解説したい。


ハイタックル

選手安全性を高めるため、ハイタックルに関する審査は年々厳格化されており、今では肩より上に手がかかったと見做されるとペナルティを取られる。

安全性が高まることについて全く異論がないが、2人がかりのダブルタックル相手を止めたい日本にとっては厄介なことで、足元をとめるAと上半身相手の腕ごと殺してパスを出させないようにするB、縦に積まれるBのタックルはどうしても高くなりがちで、より高いタックルスキルと冷静さが求められる。


50:22

前回から全く変わったのがロングキックだ。

サイドのタッチラインから出すタッチキック原則は3つで

    なのだが、これに、

      になるルールが追加された。

      導入当初は「難易度が高すぎてどこまでのチームが戦術に組み込めるのか」と言われていたが、蓋を開けてみると欧州勢ニュージーランド普通に蹴ってくる。

      日本意識したルール改正とは思えないが、筋力に劣る日本にとっては結果として不利に働くルール改正と言えるだろう。

      ただ、非常にスキルフルでスリリングプレーなので、登場すればエキサイティングだ。

      みんなも注目してみてほしい。


      櫻井翔さんについて

      自分としてはみんなの観戦の手助けできればというのがモチベーションなので、この件に関する言及でもし耳目を集めることがあったとしたら、そこは本意ではないのだけれどもなあ、と思うけど、どんな思いのやつが書いてるのかわからない文書ではモヤがちらついてそっちに気がとられるよ、となるといけないなと思うので、櫻井翔さんがアンバサダーを務めることついても考えを少し話しておきたいと思います


      ラグビーは憲章において品位情熱・結束・規律尊重を掲げており、勝つだけでなく、どうあるべきかが重視されています

      性加害が事実認定されたあとも当事者名前を冠している事務所が、説明果たして世に価値観を示すべき態度であれているかどうか未だ疑問が残ります

      櫻井翔さんについてはラグビープレー経験者であり、アンバサダー仕事についてもしっかりとした情熱をもって勤めてくれていたのだと思っています

      そのことを自分は嬉しいです。

      櫻井さんが事象にどう関わりがあったのか自分は未だ一切わかりませんが、少なくとも事務所所属したままアンバサダーを務めることは憲章の価値観そぐわないのではないのかな、と自分は思います


      また、自分SNSタイムラインを追った時、櫻井さんのファンの方々が櫻井さんきっかけでラグビーを観戦してくれていたのも多く目にしました。

      みなさん楽しそうに声援を贈っていらっしゃいました。

      そのようなファンの方が、今どう感じていらっしゃるのかは分かりません。

      櫻井さんがファンを拡大したのは事実であるように思います

      しかし、ラグビーの人気拡大と、人権の加害の問題は、存在する次元が違いすぎて天秤にかけてどちらを取るかというような比較になるべき問題でもないと思います


      櫻井さんファンの方に、ラグビーについてどういう事を言ったりしたり、言わなかったりしなかったりしてほしいかというような事は、烏滸がましくて何もいう事はできません。

      ただ、今回のW杯を楽しんでもらえるなら、自分は嬉しいです。


      ラグビー界側を見ても、日本ラグビーフットボール協会がこの件に関して見解を出さなかったり、意思決定を下して説明をしないのであれば、それは違うのではないかなと思います


      みなさんが最良の選択をしていただけたら良いなと願っています


      さて

      現在9月9日4:49分、開幕戦フランスニュージーランドを観ながら自分はこの展望を書いている。

      フランスキックで逆転した!

      ラグビーW杯は優勝候補同士のシーソーゲームで幕が開けた。

      そして日曜は日本チリ戦だ。

      みんなもどうかこの大会を楽しんでほしい。

      その手助けができればうれしい。

      2023-02-15

      super thug(1998)

      ファレルの声を25年ぶりに聴いて寝よう

      はやく犯人が死にますように

      2022-12-28

      [] 日本語絡みの楽曲

      そう言えばバッド・バニー(Bad Bunny)が♪今日セクースしたーい、と歌った“Yonaguni(ヨナグニ)”がホテントリしてたなと思い出しつつ。

      これだこれ(↓これ書いたのは自分じゃないです)。あ、去年の話だったわ。

      おもしろ日本語が出てくるスペイン語ソングを発見


      The Chainsmokersの“I Love U”

      ラジオではヘビロテされてたが、はてな界隈ではそんなに話題になんなかったな。

      「イケイ団長!」『グラブルクラリスの声をサンプリングした経緯をザ・チェインスモーカーズが明かす - フロントロウ

      front-row.jp/_ct/17549305

      ザ・チェインスモーカーズの新曲アイ・ラヴ・ユー」の冒頭と中盤で響きわたる「イケイ団長ガンバレガンバレ団長!」という日本語。~これは株式会社Cygames株式会社CyDesignationの共同制作によるソーシャルゲームグランブルーファンタジー』に登場するキャラクタークラリスの声をサンプリングしたもの

      The Chainsmokers - I Love U (Japanese Lyric Video)

      www.youtube.com/watch?v=Wh1bXssmBKA

      リミックスとかじゃなく、「イケイ団長ガンバレガンバレ団長!」入ってるこれがオリジナルバージョン

      ラジオで初めて聞いた時、てっきり日本DJリミックスでもしたのかと。


      オバマ米大統領 2022年お気に入り曲をまとめたプレイリスト公開 - amass

      amass.jp/163387/

      から

      第65回グラミー賞の「最優秀新人賞」にノミネートされたオマーアポロの「タマゴッチ」。

      ファレル・ウィリアムスチャド・ヒューゴのプロデュース

      なのに再生回数まだそんな伸びてない。

      Omar Apollo - Tamagotchi

      www.youtube.com/watch?v=8lwdjNS8Ixk


      スペインシンガーソングライター、ロザリア。

      オバマ元大統領は別の曲を推してたが、日本語絡みで「チキンテリヤキ」。

      CHICKEN TERIYAKI - ROSALÍA《和訳》 | おこめのブログ

      ameblo.jp/carastiffany/entry-12769209019.html

      Pa' ti naki, chicken teriyaki

      きみには何もない、あるのはてりやきチキンだけ あっちで泣いてろ


      この歌詞のnakiには2つの意味があると考えます

      1. 泣き(MVで泣くジェスチャーをしているから)

      2. 無き(nada(英語nothing)とロサリア自身説明しているから)

      ROSALÍA - CHICKEN TERIYAKI

      www.youtube.com/watch?v=OG4gq9fCoRE

      サビの部分のダンスTikTok流行りそうな気も。もう既に流行ってたりする?知らんけど。


      ロザリアでもう1曲。「ヘンタイ」。

      これもファレルチャド絡み。

      HENTAI - ROSALÍA《和訳》 | おこめのブログ

      ameblo.jp/carastiffany/entry-12770032901.html

      Ya te quiero hacer hentai

      あなたヘンタイにしたい


      意味はそのまま「ヘンタイ」ですが、これに「変質者」などそういうネガティブ意味は含まれていません。外国語での「ヘンタイ」は、「日本アダルトアニメや成人向け漫画ギャルゲエロゲ、又はその画風を模倣したもの」を指しているからです。

      ROSALÍA - HENTAI

      www.youtube.com/watch?v=_6YCNd3ONUU

      はてブロにもレビューあがってた。

      Rosalía 『Hentai女性主導女性目線のセックス全裸監督 - 電子計算機舞踏音楽

      senotic.hatenablog.com/entry/rosaliahentai

      2019-11-02

      ラグビーW杯 決勝戦 南アフリカ vs イングランド レビュー

      9月20日に幕を開けたラグビーW杯2019日本大会は、43日を経て今夜、最終日を迎える。

      予選4プールから20チームで争われたトーナメント最後に勝ち残り、ウェブエリスカップへの挑戦権を得た2チームは、白衣イングランドと緑のジャージ南アフリカ

      4年間を最高の形で締めくくるのはどちらのチームとなるだろう。

      そして、決勝はどのような戦いになるのだろうか。

      ------

      小細工なしの真っ向勝負で勝ち上がってきた南アは、この決勝も自分たちの強みを最大限に活かしてぶつかっていくいだろう。

      ただ小細工はしないと言ったが、プランがないとは言っていない。

      南アで注目すべきはスタメンリザーブの顔ぶれ、とりわけリサーブの3人、HOマルコム・マークス、PRヴィンセント・コッホ、スティーブン・キッツォフだ。

      この第一列は、本来だったら1本目のフロントローなのだが、ノックアウトラウンドに入ってからとういうもの、彼らをリザーブに回して後半から登場させている。

      ディフェンシブで硬いラグビーを得意とする彼らにとって、ディフェンスとともにセットプレー生命線だ。

      最強のフロントローを後半に登場させて、インテンシティ(強度)をおとさずゲーム支配するのがその目論見だ。

      ------

      また、通常80分を超えると最後のワンプレーを残してゲームが終了するのがラグビーだが、勝敗をつけなければならないトーナメントに限っては、80分で決着がつかなかった場合延長戦突入する。

      そうなった時、どちらがスクラムで勝ってペナルティーゴールを獲得するかは勝敗に直結する。

      まさにトーナメントシフト南アは決勝を戦う。

      ------

      ただ、それでも南アが好みの試合展開になるかどうかはわからない。

      準々決勝や準決勝でとったようにハイパントを多用して着地点でのフィジカルバトルを挑んでも、ボールを保持した敵が蹴り合いに応じずキープしつづければ、南アは非常に低いポゼッションの中から得点のチャンスを探さないといけない。

      相手フィジカルに大きな強みを持たない日本ニュージーランドならともかく、今日相手自分たちと劣らぬ屈強さを誇るイングランドなのだ

      キープされ続けながら真っ向勝負の激しいフィジカルバトルで互角以上に持ち込まれビジョンにも現実性がある。

      ------

      その上イングランドバックスの展開力・破壊力も強烈だ。

      地上戦フィジカルバトルでディフェンスが巻き込まれれば、突きつけられるランの脅威も増すだろう。

      フィジカル優位が自明であったり、強みの優劣がそのまま結果に反映された今までとは難易度レベルが違う。

      南アスクラムはもちろん、ラックモールでも80分間、絶対優位で試合を運んだ上に、一瞬のわずかな隙に手を突っ込んでこじ開けてくるイングランドの一撃を封じないといけない。

      ------

      さらに言うと今回のイングランドは何を仕掛けてくるかわからない。

      「ここまで来れば、コーチし過ぎないことが大事選手精神的にも肉体的にもフレッシュ状態にし、ゲームプラン提示して、チャンスがつかめるように持っていく」と語ったイングランドエディー・ジョーンズHC。

      自然体で当たるとも取れる発言だが、あくまコーチングの話であって、稀代の戦略家がノープランで決戦に臨むとは思えず特別プランがあるのかもしれないが、それだって言葉の裏を考えすぎて迷いが生じれば勝負師の思う壺。

      賽は投げられた、もうやるしかない。

      ------

      黙祷に続いて両国国家斉唱

      観客が声を合わせる光景はもうお馴染みとなったが、今日歌声はより大きく、スタジアムは大合唱となった。

      その光景はまさに決勝戦にふさわしい。

      大歓声のなかキックオフの瞬間を迎えた。

      ------

      南アフリカキックオフで始まった試合は、イングランド応援歌スイングロウ・スィートチャリオットが響き渡る中、開始早々イングランドPRカイルシンクラーが味方LOマロ・イトジェと交錯脳震盪で交代。

      早くも激闘を予想させる幕開けとなる。

      ------

      続くマイボールファーストスクラムに組み勝った南アが大きく展開して攻め込み、押し込まれイングランドは自陣からボールを回し押し返すが、南アもすぐさま切り返して展開する。

      今までとは打って変わってランで展開して攻める南ア

      イングランドキック地域を返挽回してもキックとランを織り交ぜて攻めていく。

      さらスクラムでも圧倒し、地上戦で優位を示しながらスタートを切った。

      ------

      8分、敵陣深くでボールに噛んだ南アペナルティゴールを獲得。

      決勝初の得点はSOハンドレ・ポラードのキックから生み出され、3-0。

      ------

      予測の逆の展開にペースをつかめずにいたイングランドは21分、初めて敵陣深く侵入してラインアウトからセットプレーフェイズを重ねた攻撃からペナルティゴールを獲得、これをオーウェンファレルが決め3-3。

      この攻防の中で、今度は南アHOボンギ・ンボナンビが脳震盪で、LOルード・デヤハーも肩を痛めて交代する。

      激しい試合だ。

      ------

      25分、この試合の大きなファクターとなっていくスクラムで組み勝った南アペナルティゴールを獲得し6-3。

      イングランドも待っていたために後手を踏んでいたディフェンスを激しく前にでるものに変え、身体を当てながら前進し、6分に渡る攻めでペナルティーゴールを獲得し6-6とする。

      流れを持っていかれたくない南アは36分に獲得したペナルティと前半最後スクラムプレッシャーをかけ、ともに獲得したペナルティゴールを決めて12-6で前半を折り返した。

      ------

      前半、獲得したスクラムの全てに勝って4本のペナルティーゴールを決めた南アの首尾は上々だ。

      終了間際にもフェルミューレンが真正からぶち当たり、気持ちでもペースを渡さない。

      対して予想外のランでの展開に待ってしまったイングランドは、攻めてもボールが手につかず噛み合わない。

      もっと問題なのはスクラムだ。

      想像以上の強さの前に明らかな劣勢に立たされてしまっているのに、南アはまだ最強のフロントローを残しているのだ。

      25分過ぎから少しだけ流れを取り戻したが、未だビハインドは6点。

      スコア以上に悪い状況を挽回するため、エディーはどのような策を授けるだろうか。

      ------

      後半、キックオフからランで攻めるイングランドだが、素晴らしい集中力を発揮する南アディフェンスの上がりが早く突破できない。

      スクラムでも南アが予定通りフロントローにコッホとキッツォフの2枚をいれ、本来の最強のフロントロー制圧にかかってくる。

      この圧倒的な力押しでペナルティゴールを奪われ15-6。

      ------

      その後のキックオフからの攻めでも、早くて強いディフェンスで立ち往生を食ってからスクラムで跳ね返される。

      スクラムで決定的な優位を証明した南アは3点をちらつかせつつイングランド攻撃を跳ね返しつづける。

      ------

      圧力に苦しむイングランドはなんとかスクラムを一本返してしてペナルティゴールで15-9とするが、陣地に進入してきた南アにペースを強奪され、ペナルティゴールで突き離される。

      追いすがるイングランドもすぐさまペナルティゴールかえしてし18-12とした64分、劣勢のスクラムからついにディフェンス破綻、ここからの展開でマカゾレ・マピンピにインゴールに飛び込まれ、初のトライを奪われる。

      コンバージョンも決まって25-12と非常に大きな7点!

      増田も含めてきっと多くの人間勘違いしていた、イングランドが仕掛けて、南アが受けてたつと。

      でも地上戦は体を当てて前に出て相手キックを蹴らせ、ボールを持ってはFWの強度で集めてランで止めを刺す、イングランドがとれる戦術は、南アだってできたのだ、だってそうじゃないかFWバックスも駒は揃っている!

      この戦いは自分の置かれた状況を素早く理解したものが制する勝負だった!

      ------

      70分をすぎ、もうトライを取るしかないイングランドセットプレーで攻めるも集中力が切れない南アラインを押しかえし、そして73分、170cmのポケットロケットチェスリン・コルビが大男をかわしながら走り抜け、勝負を決定づけるトライ

      ------

      そのまま80分、南アイングランドを陣地に磔にしたままボールは蹴り出された。

      最終スコア32-12

      スタジアムが歓声に包まれ、栄冠を手にした戦士たちが抱擁を交わす。

      南アフリカ戦略家の予想を上回る戦術と、それでも決して忘れなかった自らの強みで、80分間ラグビー母国を封じ込めつづけた。

      ------

      試合後、安堵したような表情でインタビューに答えるラッシーエラスムスHCに対し、序盤の違和感からペースを一度も渡してもらえずの敗戦に珍しく失意を隠さなエディー・ジョーンズHC。

      自国開催での屈辱の予選プール敗退から4年間、白いジャージをここまで連れてきて、黒衣の王者にさえ何もさせなかったが、緑の巨人が立ちはだかり、栄冠には手が届かなかった。

      しかし、その手腕を証明した名将はいつかまた帰ってくるだろう。

      ------

      審判団や準優勝のイングランドへの表彰を経たセレモニー最終章、44日間、いやもっと大きく見れば4年の間争われたウェブエリスカップは、秋篠宮皇嗣から南アキャプテンのシア・コリシに手渡され、緑の戦士たちがその所有者となった。

      南アフリカにとって、ラグビーは初の優勝から民族融和の象徴として特別意味を持つ。

      黄金カップの下、戦士たちが喜びのステップを踏む中、大会は幕を閉じた。

      ------

      今日でこのレビューも終わるが、最後に少しだけ話をさせてほしい。

      増田9月からの1ヶ月半は素晴らしいものだった。

      ラグビー面白さを知ってもらいたい、そして一緒に盛り上がりたい、そんな思いから始めたレビューがこんなにも多くのブクマブコメいただき、まるでみんなと一緒にW杯をみているようだった。

      それは小さい事だけれども夢だと言っていいし、それがかなった最高の44日間だった。

      夢を叶えてくれたのは、増田場所をくれたのは、ここに集うみんなだ。

      ------

      そしてこのレビューを多くのブクマカの勧めに従い、noteでまとめて公開することにした

      noteは少しだけ修正加筆している。

      増田よりその分内容が増えていると言えるが、ここでしか書けない一言がある。

      夢を叶えてくれただけでなく、増田に新しい学びの機会をくれたブクマカやはてなユーザーにありったけの感謝をしたい。

      みんなが最初だ。

      ありがとう

      ------

      そして、また4年間が始まる。

      次はフランスだ。

      また一緒に、ラグビーで盛り上がろう!

      anond:20191102003237

      2019-10-26

      ラグビーW杯 準決勝1 イングランドvsニュージランド レビュー

      10月の第4週、関東はまたも台風21号から変化した温帯低気圧が大雨をもたらし、千葉では河川の氾濫が起きた。

      自然災害の多い日本だが、今年の秋はそれがもたらす結果が深刻だ。

      ラグビーW杯でも、予選プールの2試合台風リスクで中止になったが、その判断は正しかったように思う。

      日本が初のノックアウトラウンド進出したこと話題になったラグビーW杯だが、その他にもこの台風による試合中止や、ティア1の伝統国でないアジア初開催など、2019年大会歴史に残るW杯になるだろう。

      その大会に、史上初の3連覇という新たな歴史が生まれるだろうか。

      それとも、ラグビー母国がそれを阻むだろうか。

      ------

      今夜、日産スタジアムではラグビーW杯準決勝が行われる。

      対戦するのは黒衣の絶対王者ニュージーランドと、白のジャージに身を包んだイングランド

      ------

      大会自国開催でありながら予選プール敗退という屈辱を味わったイングランドは、勝負師エディー・ジョーンズをHCに迎え、破竹の勢いで準決勝まで勝ち上がってきた。

      前任の日本でチームにW杯で初となる3勝をもたらしたことでも有名なこの名将は、その激しい気性と独自すぎる指導アプローチで数々のエピソードを持つ。

      ------

      南アフリカ戦の最後の場面で自らのキックの指示に反しスクラム選択した選手判断をみて激昂し、インカムコーチボックスの壁に叩きつけ破壊したなどというのは可愛いもので、日本代表合宿で毎朝6時から練習を強いて吐き気がするほど走らせた上、うまく行っている練習のシーンでもいきなりブチ切れて選手の不確実性への対処を見たり、イングランド代表合宿柔道家招聘して代表選手の顎の骨を骨折させたり、その狂気エピソード枚挙にいとまがない。

      ------

      2015年大会の結果を受けて、著書がビジネスマン大受けしたエディーだが、こんな滅茶苦茶がまかり通るのは指導相手ナショナルクラスフィジカルエリートであり、彼自身教員免許を持った上で三度もナショナルチームのHCを歴任して指導メソッドを磨き上げたからであり、凡百の経営者が彼の真似をしたら社員の8割は辞めると思う。

      ちなみにエディーの指示をサラッと無視してブチ切れさせたリーチマイケルは、今大会合宿でそのエディーが考案した「石鹸水でボールヌルヌルにしたパス練習」をやろうとして、ジェイミーにすげなく却下されている。

      こっちはこっちで会社の先輩だったら、なんかちょっとめんどくさい感じだ。

      ------

      一方、3連覇を目指すオールブラックスのHCスティーブハンセン

      警官の彼が激しい感情をあらわにしたのを増田は見たことがない。

      ------

      試合前にエディーが「練習スパイされていたのでは」という記者質問に対して否定肯定もせず「まあでも誰かわかんないけど撮ってる奴はいたけどね」などと言わなくていいことを言っても「私は心理戦なんかやりませんよ。エディーがとても賢い人だということは、よく知っています。そんな事をしても、何の意味もありません」と泰然自若として受け流した。

      聞くところによると宇宙飛行士というのは、どんな状況にあっても感情的にならず、そのときに最適な解決方法を考えて淡々と実行しなければ務まらないものらしく、それに近いメンタリティの持ち主なのかもしれない。

      ------

      注目の準決勝第一試合は、破茶滅茶パワハラおじさんとベテラン宇宙飛行士の名将対決となった。

      ------

      HCのキャラが濃すぎて説明字数を取られてしまったが、ここでゲームプランについて考えてみよう。

      伝統の強力FWに加えて、BKの展開ラグビーでもトライが取れるイングランドだが「出来るからといってそれをするべきなのか」という問題がある。

      イングランドの展開ラグビーは、どこからでもかけられる圧力相手晒した上で、順目順目にオーソドックスに展開したり、ディフェンスラインわずかに広めな隙間にパワフルランナーが走り込んでこじ開ける、といったもので、シンプル強力ではあるが意外性はない。

      ------

      この展開でボールを持ち続けてしまうと、いつターンオーバーされるかがわかりづらい。

      オールブラックス世界一のアンストラクチャーラグビーのチームだ。

      突然始まったような攻守交代からの混乱で彼らを上回ることのできるチームなどありはしない。

      ------

      イングランドとしては、むしろボール計画的に渡してディフェンスで潰してエラーを誘発し、セットプレーの展開に持ち込んだ方が、数々のチームをねじ伏せてきた必殺のモール攻撃を繰り出せる。

      しかし、それだってディフェンスちょっとでも遅れれば何をされるかわからない。

      オールブラックスは本職LO長身スコット・バレッドフランカーに起用してラインアウト対策を取り、その上フィールドでは抜け目のない黒子、モウンガが目を光らせているのだ。

      ------

      エディーはこの難解なパズルに解を見つけることができただろうか。

      ------

      この試合でも、台風被害に遭われた方への黙祷が捧げられ、両国国歌斉唱されたのち、オールブラックスウォークライハカを行う。

      これにイングランドはその三角陣形を包囲するかような翼型の陣形を取って受けて立つ。

      それはまるで試合の展開を予言するような光景だった。

      いつもはシリアスで怖い表情のCTBオーウェンファレルが不敵な笑顔視線を送る。

      その笑顔もやっぱり怖かった。

      ------

      前半、イングランドキックオフ。

      これが自分たちボールが戻るセットプレーとなり、ここから大幅にブレイク、順目のパワフルな攻撃を攻めきってわずか1分30秒、イングランド王者から先制のトライを奪った。

      コンバージョンも決まり7-0。

      この攻撃イングランドキックを蹴らず地上戦で取り切り、これはこの後の展開を予想させるものだった。

      ------

      その後も身体をぶつけながら前進攻撃も防御も出来のいいイングランドに対し、ディフェンスの上がりが悪いオールブラックスは切り返すこともできずに序盤一方的に攻められてしまう。

      ------

      オールブラックス17分、18分と二度敵陣に進入してのセットプレーを得るが、これを強力ディフェンスで凌ぎきられる。

      待望の切り返しの機会を得て攻撃しても、イングランドラインを押し上げる早いタックルの前に下げられてしまい、アンストラクチャーラグビーを全くさせてもらえず、自分たちボールラインアウトもいい形でボールが出ない。

      ポゼッションイングランドが6割、プレーエリアは半分以上オールブラックス陣内だ。

      ------

      前半最後の38分、オールブラックス得意の切り返し攻撃も不発におわり、逆にイングランドペナルティゴールを獲得、スコア10-0で前半を折り返した。

      ------

      ぶつ切りのゲームを挑むのではないかという増田の予想を覆し、ほとんどキックを蹴らず、横に展開しつつ地上のフィジカルバトルを制圧して前進するイングランド

      スコット・バレッドを入れてのラインアウト対策をスカした上に、そのラインアウトでも幾度も競り勝ち、エディーに言わせれば「してやったり」という展開だ。

      ------

      予想したかしないか、全くボールを渡してもらえない上、守れば押され、攻めても包囲されるかのようなディフェンスの早いチェックと激しい当たりで前進できないオールブラックス

      前3メートルのスペースがあるところでボールが欲しい、しかしそれが全くできないのだ。

      前に出られないディフェンスと噛み合わない攻撃修正できるだろうか。

      ------

      後半、オールブラックスキックオフ。

      機能しなかったスコット・バレッドを外し、地上戦制圧するためにFLサム・ケインに交代。

      しかし49分、それでもイングランド圧力の前にペナルティゴールを献上、13-0とされてしまう。

      ------

      オールブラックスは苦戦していたラインアウトテコ入れするため、HOデインコールズを投入。

      経験豊かなSH TJペレナラCTBソニービルウィリアムズも投入し修正を図る。

      ------

      すると、54分、相手陣深くに進入し、相手ボールラインアウトの一瞬のミスをついたFLアーディー・サヴェアがインゴール飛び込みオールブラックスが待望のトライを奪った。

      コンバージョンも決まって13-7。

      ほとんど表情が変わらないスティーブハンセンHCは注意しないとわからいくらい少しだけ頬が緩んだ。

      ------

      だが簡単に流れは変わらない。

      ここで試合を戻したいイングランドがまたも力押しで前進し、60分にペナルティゴールを獲得し、16-7。

      コーチボックスでは勝負を左右する時間帯に追加点を得ても、緊迫した表情のエディー・ジョーンズ

      ここから先はフィットネスが切れる可能性があるのだ、そうなれば独創的な攻撃を誇るオールブラックスに9点差などあっという間にひっくり返されてしまう。

      傍らで見るアシスタントコーチにしてみれば、フィットネスが切れるも心配だが、エディーの方だっていつキレるかわからないので全く油断ができない。

      ------

      しかし噛み合わないオールブラックスは反則がかさみ、主審のナイジェル・オーウェンスさんから注意を受け、終盤に差し掛かる68分にもイングランドペナルティゴールを与えて、19-7とされてしまう。

      ------

      トライを取るしかないオールブラックスボールを持って前進するが、終盤になってもフィットネスの切れる気配がないイングランドの高速ディフェンスの網を全くかいくぐれない。

      勝負師エディーのプランは「地上で展開してボールを渡さず押し下げて、ボールを奪われるたら前進ディフェンスで潰しまくるね、それも80分ね、Go!走る!走るね!」というものだった。

      ラグビー研究が進み、ボールを展開するだけでは突破できない現実に、キックからのアンストラクチャー攻撃という回答を見せて絶対王者に君臨したオールブラックス、それに対する解は「前に出る攻撃的防御、展開しながらの防御的攻撃、その狭間からの一撃」だった。

      からまれフィジカルさらいじめ抜いて徹底的に鍛え上げたからこそ取れるプランだ、ラグビー母国に渡っても、やっぱりエディーはエディーだった。

      ------

      勝負は決しても一矢報いたいオールブラックス最後の猛攻を見せるが、80分、ボールは蹴り出され、黒衣のディフェンディングチャンピオンを封じ込めたイングランドが準々決勝、準決勝にについで、三度の一番乗りを重ねて決勝に進出を決めた。

      コーチボックスのエディーは今回は何も破壊しなかった。

      ------

      33しか地域獲得率を与えることなく、オールブラックス試合をさせなかったイングランド

      「いいふいんきつくりました、すばらしいワールドカップ

      試合後のインタビュー日本語で答えるエディー・ジョーンズの顔は笑っているが目が全然笑っていない。

      ------

      ありがとうございます、みなさん」

      4年前、日本代表を率いて世紀の番狂わせを演じた勝負師、その目が見据えるのは優勝だ。

      3度目のナショナルチームのHCとしての挑戦にして、ついに視線の先に収めたウェブエリスカップ

      あと一勝だ、もう逃がさない。

      anond:20191021220820

      2019-08-23

      anond:20190822142341

      レディ・アン(W)

      カティ・マネキン(00)

      シーリン・バフティヤール(00)

      リンダ・ヴァスティ(00)

      レミ・ルース(AGE)

      コウサカ・チナ(BF)

      トリシア・ファレル(G-Unit)

      ローザⅡ世(X UTM)

      リーカ・シェダー(ASTRAY)

      ぱっと思い出せるのはこんだけしかいないわ

      2019-06-30

      anond:20190630001011

      仰る通り、日本における男性学は「女性学を経由した男性自己省察の為の学問」という位置づけであり、あくまフェミズムのサブジャンルといった扱いです。

      個人的には、勿論女性学とまったくの無関係とではなく密接なつながりを持ちつつも、男性学男性学ひとつ学問として扱うべきだと考えていますし、そういった研究ができたらと考えています

      ファレル氏の主張は全面的に支持はできませんが、ひとつの貴重な糸口だと考えているので、これからも追っていく所存です。

      anond:20190629235708

      あーファレルの。

      その研究者の主張を男性学と呼んでいいかどうかは難しいね

      学問としてはともかく運動の一つとして見た場合日本男性学ファレル議論を受け入れることはできないと思う。

      日本男性学はこういう感じだからね。

      https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R163XWST5R5MM4/ref=cm_cr_arp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4641124280

      https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1V8WALPXGPJ39/ref=cm_cr_arp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4641124280

      https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/RJGAYNETQTBRT/ref=cm_cr_arp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4641121419

      といっても日本男性学もまた、近年は同じく日本フェミニズム研究から強く批判されるようになっている。

      男性特権性・暴力性は疑いようがないのに、男もつらいよとまるで弱者のように振る舞う議論自己批判が足りない、とね。

      2019-02-09

      「男には、弱さを語れない弱さがある」という話

      現代日本では、男性たちは弱音を吐きづらいし、なにかと「男らしくない」と言われるプレッシャーがあるのは、確かだと思う。

      男たちには、現代日本では多くの「足かせ」がついているよね。

      ワレン・ファレルが、1970年代に「男性権力神話」の中で「フェミニズムガラス天井ならぬ、《ガラスの地下室》に閉じ込められて男たちは危険なことを無理やりさせられている」といって、男たちばかりが致死率の高い、危険仕事従事している様相比喩したように、未だ日本社会では男性特有の困難感は内在すると思う。

      あと、精神科医松本俊彦が「アルコールうつ」に関する著作の中で「女性の方が精神疾患罹患率一見すると高く見えるけど、実際の精神科医としての感覚はそうじゃない。男性の方が問題が大きくなるまで助けを求めない」と言っていたみたいに、これはジェンダーという社会構造問題だと感じたりもする。

      もちろん、ファレルに対する批判もあって、「いやいや、社会構造としては、男性が有利な社会じゃん?片手落ちじゃね?」という話もある。

      もちろん、それはそうなんだろうけど、もう1つの流れとして、支配力を手にして、そうした社会背景の恩恵に預かっている男性もあれば、そうじゃない人もいる、という視点もある。

      dominantな男性性とか、その周辺の男性性とかってヤツ。

      この辺りの議論がさ、比較的理知的に感じる、増田でさえも入り混じってしまっているのは不思議にも感じる。どうしてなんだろ。

      アレかな、なんというか、そうしたこと理由には「持って生まれ身体という、簡単には変えられないものに対する無力感」がベースにあるのかもしれない。

      まり男性性とその周囲の状況が批難されるとき、私を含む男性は、自分の変えられない部分が批難されたように感じてしまうのかな。

      あと、もう一方で、私たち男性は「弱音を吐くのが恥ずかしいことだ」という男性規範駆動され、援助希求能力は決して高くないと思う。

      女子はすごい。鍛え方が違う。

      (もちろん、そうでない人もいるだろうけど、傾向として、というお話です。念のため。)

      からさ、男たちも「自分たちの苦悩」を安心して話せる場が必要なんだと思うのですよ。

      それが、それこそが、よりよい多様性のある社会を作るための、橋渡しになるじゃないかなぁ。

      まあ、個人的には弱音を吐くことって、スキル必要だなぁとは思う。

      少なくとも僕は弱音の吐き方が分からないし、自分気持ちなんて、蔑ろにしてきました。

      (2/9 1:48追記 修正

      2018-11-21

      []【13】2018 晩秋広島博多別府

      << この旅行記の先頭へ


      anond:20181121125645




      湯気と入れ墨と楕円球


      日豊本線を引き返し、別府に向かう。


      目指すは鉄輪温泉別府からさらバスで30分程だ。

      著名な温泉町なので、賑わっていると思った別府だが、19時台はもうすっかり落ち着いている。

      乗車6人ほどで夜の山道を登るバス

      自分以外は地元の人だ。

      窓の外を見ても時折湯気が上がっている以外は何の変哲も無い地方山村といった風情で、昨日までの賑やかさを考えると全く別世界に来た感じがする。

      欧米アジアもここはあまり関係なさそうだ。


      そう言えば、大分駅前で、来年ラグビーW杯のサイネージ広告を見た。

      44日に及んで熱戦が繰り広げられるW杯は、北海道から九州まで、日本各地で開催される。

      大分で行われる初戦は絶対王者ニュージーランドが登場する豪華なカードで、多くの外国人が観戦ついでにここ別府温泉を訪れる事になろうが、温泉タトゥー対策はどうなるのだろうか。


      辿り着いた鉄輪温泉は人通りも殆どなく、入湯施設飲み屋以外は閉まっていた。

      やはり大分は全体的に夜が早いらしい。

      ただ、バスを降りてすぐに無料足湯発見

      台湾人と思しき数組が笑顔で足を突っ込んでいる。

      大分で初めて見た外国人だ。

      自分も少しだけ温まって、ネットおすすめひょうたん温泉に向かった。


      ひょうたん温泉はさすがに賑わっており、日本語の他にも中国語韓国語も聞こえてくる。

      逞しい胸板に豊かな胸毛を蓄えた欧米人もいた。

      脱衣所で着替えてミシュランでも紹介された湯に向かう。

      関東スーパー銭湯の様なオシャレさと無縁の無骨な作りだが、蒸し風呂、檜風呂、岩風呂、歩行風呂、高さ3mから浴びる打たせ湯、この施設名前の由来にもなっているひょうたん風呂など、風呂の種類は多岐にわたり、豪華な野趣という様な趣が感じられた。


      と、洗い場を見ると、隣のお兄さんの右肩に鮮やかな和彫が。

      しばらくすると、ウェットスーツの様に全身を覆う和彫の兄さんもいる。

      自分心配など余計なお世話だった。

      この状況ならやってくるのが欧米人のデザインタトゥーだろうが、マオリパシフィックアイランダートライバルタトゥーだろうがどうって事はない。

      要は柄の種類が増えるだけの話だ。


      11月の夜の空気はひんやりしているが、さすがは音に聞こえし別府温泉山道を下ってホテルに帰る間も、さっぱり感と温かさが持続している様に感じられる。

      明日は昼前に再び訪れよう、その為にも早く寝るかなどと思い、部屋に帰って何気なくテレビをつけると、ラグビー日本代表が、母国イングランド代表聖地トゥイッケナムスタジアム対峙していた。

      旅行中は観られないと諦めていたカードだったので、嬉しい偶然だ。


      液晶モニターの中でキックオフを告げる楕円球が高く舞う。

      歴史も実績も歴然とした差があるイングランドだが、日本代表は3年かけて磨き抜いたテンポの速いラグビー奮戦

      日本の仕掛ける高速ラグビーについていけずミスを連発するイングランドディフェンスライン突破してトライを重ね、日本は前半を15-10リードで折り返した。


      後半、日本さらゲームスピードを上げることを目論み、早い配給でもって鳴らす若手スクラムハーフ流大を投入する。

      対するサイドからは、眉に異様に近い目から鋭い眼光を送る、亜麻色の髪の角刈りが姿を現した。

      前回のW杯、予選プール敗退の悔しさを乗り越え、今や欧州最高選手との呼び声も高い司令塔オーウェン・ファレルだ。


      ファレルが入ったイングランドはまるで別のチームだった。

      前半に日本スピードについて行こうとしてボールも人も前後左右に動かしたプレーと一転、一度手にしたボールに巨躯の男達が殺到し、力づくで押し込んでくる。

      その動きは重鈍で、一気に振り切られるようなスピードはない。

      しかし、重機のような圧力を前に日本代表はジリジリと後退させられる。

      イングランド代表が一体になって前進するその姿は「これこそが我々だ」という確信を掴み取ろうとしているように見えた。

      ついには快速自慢のバックスまでもが一塊りになってインゴール雪崩れ込み、日本代表はトライを献上。

      結局、自らを見つけ直したイングランド相手にして流れが再び戻る事はなく、日本代表は15-35で屈した。


      やはり己を知り、信じる者は強く、世界の頂はまだ遠い。

      来年W杯大分では予選プールだけでなく、決勝トーナメント 準々決勝 プールCとDの1・2位突破チームのカードが組まれる。

      死の組と噂されるプールCに組み込まれイングランドだが、その実力を持ってすれば2大会ぶりの決勝トーナメント進出可能性は濃厚だ。

      後半に登場して日本代表を締め上げた鋭い目つきのファレル選手も、別府温泉にやってくるかもしれない。


      【14】2018 晩秋、広島・博多・別府 7日目|7日目 地獄の老婆と台湾ギャル へ >>

      2017-02-14

      チョコくれないなら男になってやる!

      ってこの前冗談で言ってたら、旦那チョコ買ってくれた。私の好きなカファレルかわいい缶のやつ。

      旦那ありがとうめっちゃ愛してるぜ!

      お返しに生チョコガトーショコラ手作りしました。みんなもハッピーバレンタイン

      2016-11-30

      ワレン・ファレル(Warren Farrell, 1943年6月26日 - )は、アメリカ合衆国社会学者著述家。専門はジェンダー論、男性学。マスキュリズム主唱者

      https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AC%E3%83%AB

      アメリカだと男性差別に関するちゃんとした活動をしている人もいるんだな。

      まあ極東中世ジャップランドでは男性が圧倒的に優位すぎて男性差別なんてものはないけどな。

      2015-10-11

      ダウナーソウル

      暗い音楽が好きだ。

      自分が明るい人間なのか暗い人間なのかよくわかりませんが、とりあえず暗い音楽が好きです。

      そして、ソウルにはそんな音楽がいっぱいあるので、ちょっと紹介してみようかと。




      Curtis Mayfield - Billy Jack

      https://www.youtube.com/watch?v=oaj29ZBzCbw

      まずはニューソウル一角カーティスを。おれはニューソウルの中ではこの人が一番好きです。

      カーティスと言えばスーパーフライがよく取り上げられますが、この曲が入っているThere's No Place Like America Todayマスターピースと言って良いです。タイトルからして暗い内容が予想できるこのアルバムの 1st トラックがこの曲。

      ダウナーレゲエアレンジが秀逸。1,2拍を抜いたドラムワウギタークラビが加わった、引っかかりの強いリズムがアタマをグラグラゆさぶり、そこに乗るカーティスファルセットが胸に迫ります。そして中間で挿入されるホーンで涙腺は崩壊するわけです。




      Give Me Water - John Forte & Valerie June

      https://www.youtube.com/watch?v=KaIORi2ovNc

      おれはミシェル・ンデゲオチェロアルバムで初めてヴァレリーの声を聴いたのですが、かなりインパクトありました。

      ミッドハイあたりに固まった独特な声は、その後もずっと頭にこびりついていて、たまに youtube なんかで聴いていたんですが、残念なことに本人の作品あんまりなんですよね。。

      だったんですが、ジョン・フォルテアサインされたこの曲でヴァレリーの魅力を再認識させられました。

      ギターが同じリフを延々繰り返す土臭いソウルブルース彼女の声がはまり切ってますフォルテラップもキマっており、完成された一曲だと思います映像もかっこいい。





      Gil Scott-Heron "The Prisoner"

      https://www.youtube.com/watch?v=eC_9xmAN21U

      ギル・スコット・ヘロンの暗い曲と言えば、Winter in America が真っ先に思い浮かぶわけですが、あえてこの曲を取り上げます

      ドラムピアノが散文的な演奏を聴かせるパートと、滑らかで美しい進行を見せるパート、を繰り返す構成になっています。その上でギルは一貫して熱の入ったポエティックな歌を聴かせています。そうした歌から、美しいピアノソロに入って行くところや、最後の(歌の)ロングトーンが胸を打ちます

      winter~ と比べるとずっと地味なんですが、この曲の重たくよどんだ感じがハマる時があるんですよね。。一時期毎日聴いていました。





      Aloe Blacc - I Need a Dollar (Live in Studio)

      https://www.youtube.com/watch?v=lDyUhI1ArPo


      最近売れた曲なので、耳にした人も多いかと。

      暗い内容ですが、ダウナーではないですね。むしろアッパーと言っても良いくらい。ライブということもあり、押しの強いダンサブルなアレンジでいまどき感があります

      曲としては、突出したアイディアなどは無くストレートに歌の良さで押していて、アーローの骨太さが良く出てると思います

      アーローを聴いてると、「ソウルは本当に一周回ったなあ」と感じます。「ファレル並に」とまでは言わないけど、この人は日本でももっと評価されて良いんじゃないかなー。

      2015-01-25

      男女の人権と欲求と差別と、遠い未来についての思考メモ

      http://anond.hatelabo.jp/20150124122808

      ブコメはありがたく全て目を通させて頂きました。考えはまだ拡散してまとまりません。

       

      男性支援アンチフェミニズムではない

      フェミニズムの延長として、男性にも抑圧されてる面があるんじゃねって視点が出てきたわけで、実はこれはフェミの成果でもあるのよ。

      http://b.hatena.ne.jp/entry/239953973/comment/c_shiika

       

      男性権力神話』の著者ワレン・ファレル氏は元々フェミニストであり、女性社会進出を助ける活動を行っていたそうだ。

      彼が目指しているのは女性差別男性差別の双方を撤廃することであり、アンチフェミニズムではない。

       

      フェミニズム議論は「男性女性を抑圧する加害者である」に留まりがちだが、復讐から一歩進んで、

      「なぜ男性女性を抑圧してきたのか」「男性が抑圧されていなければ男性女性を抑圧する必要が無くなるのではないか」と、

      より解決志向議論に向かえば望ましいと思っている。

       

      「自らの命の価値に自信が持てない」問題

      男性は「美貌の女性」に憧れてそうしたストーリーを消費するわけではない。むしろ、「待ちの姿勢で居る高嶺の花的な美貌の女性を捨て身の献身でもって落とした男性」に憧れるのである特攻隊についても言及されているが、彼らは別に"天皇および祖先のため"だけに死んだわけではない。家族や守るべきもの、あえて言えば自分が「男らしさ」を発揮できる対象(≒自分より弱い者)のために死んだのだ。死で終わるこの手の物語は言うまでもなく「捨て身の献身」の物語として最上のものである。そしてこの手の物語に最も惹きつけられる人間は、自らの命の価値に自信が持てない人間である。なぜなら、誰かのために死ぬことは、少なくともその誰かの命の価値を自らの生に与えることだから

      http://anond.hatelabo.jp/20150125113634

       

      他人価値があると言って貰えないと、自らの命の価値に自信が持てないことに、様々な人間関係上の問題の原因があるのだろう。

      人間ゲームの初期設定のように平等スキルポイントと割り振る自由を与えられているわけではなく、

      体力10+知力10+魅力10総合30点の人間と、体力1+知力1+魅力1=総合3点の人間存在するのが現実だ。

       

      欲するだけの「客体としての価値」が得られなかった人間が、苦しみのはけ口として男女論を使うシーンは多い。

      個人的な苦しみが絡むからこそ、多くの男女論は生産的な方向に進まず、ミソジニーミサンドリーの殴り合いになる。

      人種差別も似たようなものなのだろう。「自らの命の価値に自信が持てない」から、無条件に自分よりも命の価値が低い存在必要とする。

       

      そして、今「強い男女」であったとしても、老化によって「弱い男女」になっていく。

      自分は強い・美しい・賢いから生きる価値がある…といった、条件付きの自己存在承認をしていた場合は、

      事故病気、老いなどが原因で「弱い男女」となったとき精神的なクラッシュを迎える可能性がある。

       

      また、テクノロジー進歩によって、自分役割が「商品」に代替され、存在意義が揺らぐ可能性もあるだろう。

      親より友人より恋人より、音声アシスタントの方が有益で快適な話し相手になる時代が来るかもしれないのだ。

      他人に求めていただくこと、他人価値を認めていただくこと…そのハードルは昔と比べてどんどん上がっていくだろう。

      特攻隊のような捨て身の献身も、「生産性が無い」「時代遅れ」「死ぬしか能が無い」と冷笑するのが今は主流かもしれない。

       

      男性女性による欲求の表明を抑圧する理由

      女性が待ち」の構図は戦前男性社会が作ったんだよね。女性から告白するのは「はしたない」ものだったわけで、むしろ抑圧の象徴だったんじゃないかな。

      http://b.hatena.ne.jp/entry/239953973/comment/azutokimiya

       

      女性から男性への告白を禁じることによって、よく告白される男性と全く告白されない男性格差を隠すことができる。

      女性は欲望を持たない清廉な存在だというファンタジーも、女性に傷つけられないためのモノ化手法の一つなのだろう。

      男性が「女性Aには興味があるが、女性Bには無い」という感想を持つように、

      女性も「男性Aには興味があるが、男性Bには無い」という感想を当たり前に持つものだ。

      男性B」扱いされることを恐れすぎる男性は、女性による欲求の表明を抑圧する構造・風潮を作ろうとする。

      男性の苦しみは女性の欲求が原因ではない。

      たかが一人の女性必要とされなかったことによって、自らの価値が揺らぎすぎることに原因があるのだ。

       

      欲求と差別の話

      性差別問題は、「男性には許されて女性には許されない」「女性には許されて男性には許されない」の解体が最終目標となる。

      ただ、もし仮にこの解体が上手くいって、男性だけの苦労や女性だけの苦労が無くなったとしても、

      客体としての価値が高い「強い男女」と、客体としての価値が低い「弱い男女」の格差は残る。

      「強い男女」同士が同僚・友人・恋人配偶者として求め合い、「弱い男女」は「強い男女」を求めつつあぶれる結果を招くだろう。

      「最貧困女子」が話題になったが、弱い男女は客体としてはストレッサーになる場合が多いのだ。

       

      昨日放送されたNHKの「ネクストワールド私たち未来」では、73歳の高齢男性篠田麻里子演じる若年女性に恋をする描写があった。

      数年前に放送されたNHKスペシャルでも、重度脳性麻痺40代男性が、「脳性麻痺ではない健常な女性と恋をしたい」と主張していた。

      夫に興味を持てなくなった中年女性が、ヨン様氷川きよしK-POPアイドルなどに熱を上げるのも、身近で耳にするレベルでよくある話だ。

      こうした欲求に対して、釣り合わないだの、みっともないだの、鏡を見ろだの、要は「欲求を持つな」と強要する人々が居る。

      しかし「弱い男女」が「強い男女」を求める気持ちは、禁じても無駄なほど強いものであろうし、求めるだけなら権利があるのである

      ただ「強い男女」にも、「弱い男女」からの求めを受け入れるかどうかを決める権利がある。当然の人権だ。

      受け入れられなかった側が「高齢者差別」「障害者差別」「ルッキズム」などと怒ったとしても、

      弱者に、強者個人的交友や時間の使い方の選択権を侵害する権利があるわけではない。

       

      弱者の欲求を受け入れるのは、人間ではなくロボット仮想現実上のキャラクターになっていくのではないかと思う。

      ロボット仮想現実純粋な客体であり、苦しんだり傷ついたりする主体は無い。

      2013-10-10

      http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131010-00000027-spnannex-base

       例えば今季加入した一塁手ナポリ。ジョン・ファレル監督は言う。「彼は今季メジャー打者で一番、投手に球数を投げさせているんだ」。1打席あたり平均4・58球。同様に新加入のドルーも4・12球と多い。地味な記録ながら、レッドソックス今季投げさせた球数、2万4840球は両リーグ最多だ。

       「こうしたアプローチは教えてできるものではない。オフはこの点を重視して打者を選んだ」と指揮官は胸を張った。地道かつチーム一丸の攻撃。この日の7回の逆転劇も四球からだった。

      四球を選ぶ技術ってのはメジャーでも評価されてるんだな。

      まあ、明らかなカット打法高野連がだめだ、って後出しじゃんけんで決めたけども、

      こういうのとの棲み分けはどうするつもりなんだろうね。

      イチローが打ちに行って打てなそうだからカットしてわざとファールする、ってのとどう違うか?最初からの構えからなのか?

      一体どうするつもりなんだろうな、高野連は。何も考えてないんだろうけど。

      2009-09-13

      日本記者現場にも近寄らず、安全地帯から欧米の派兵を論評するなって

      あの911から八周年!

      アフガン英国記者誘拐通訳助手が殺害された

      日本記者現場にも近寄らず、安全地帯から欧米の派兵を論評するなって

      ****************************************

      また風向きが変わった。

      カブールからのビッグニュースが飛び込むまで、ドイツではNATO(正確には多国籍軍現場司令官がドイツ人だった)の不手際による誤断で、アフガニスタン住民七十余名を米軍機が爆撃し、死亡させたことを非難する論調が強かった。

      ドイツではメルケル与党の苦戦が伝えられた(ドイツ総選挙は27日)。

      醜態は現場司令官の誤断、タンクローリー二台がタリバンに乗っ取られ、その周囲を武装したタリバン百余名の兵士が取り巻いている、と僅か一人のアフガニスタン住民の情報をもとに米軍空爆要請した。交戦協定では民間人が混じっている可能性があれば、空爆は行わない。情報は複数が望ましい。

      西側マスコミは一斉に非難した。

      オバマ政権とて言い訳に苦労し、しかしゲーツ国防長官は「我々は撤退しない。テロリストに屈服すれば米国ばかりか西側もイスラム諸国さえもが、テロリストの軍門に屈するからだ」と言明し、NATOラムソセン事務局長も「早期撤退は考えていない」と記者会見したばかりだった。

      誤爆現場には欧米ジャーナリストが飛んでいった。日本記者は誰も行かなかった(フリー記者がいるかも知れないが現時点で確認されていない)。

      思い出されたい。

      湾岸戦争イラク爆撃のおり、NHKアンマンから「こちら現場です」と放送しておりましたね。アンマンは隣国ヨルダン首都バクダットとは数百キロ離れていますよ。

      そしてCNNは現場にいた。実況中継の映像は全世界に配信された。

      毎年、戦場取材で死亡するジャーナリストは七十名から百三十名いる。

      日本人フリーカメラマンミャンマーで兵士に狙撃された事件が、記憶に残る。

      ▲急襲作戦はマスコミに伏せられた

      英国政府9月9日未明の強襲を命じた。

      タリバン人質とともに潜伏した個所で、タリバン英国ジャーナリスト人質をクンデス郊外の陣地からパキスタン無法地帯タリバンの支配地域)へ移動させようとしていたからだ。

      英国特殊部隊アフガニスタン兵は急襲により英国ジャーナリストを救出したが、通訳アフガニスタン人は悲惨にも犠牲となった。タリバン兵士十数名が銃撃戦で死んだ。ブラウン首相は、この作戦を承認していたとロンドンの「タイムズ」紙は伝えた。

      救助された記者英国籍(アイルランドとの二重国籍)のファレル記者で、アフガニスタン通訳のムナディ(四年間、カブールでNYタイムズ記者でもあった)はファレルを助けようとして銃弾に斃れた。

      拘束されたのは日曜から水曜までの四日間で、あちこちを移動させられ、トヨタカローラのおんぼろ車で泥だらけの村や穀倉地帯を目隠しをされたりした。

      生き残ったファレル英国大使館に回答したところではタリバン側の扱いはよく、しかし、アフガニスタン通訳をぶん殴ったり蹴ったり「おまえらは敵だ」と容赦なかったという。

      食糧はそれなりに与えられ、水も飲まされた。

      二年前にイタリアジャーナリスト通訳とともに拉致されたケースでも外国人ジャーナリストだけは扱いが良かった。

      救出作戦には米軍が武装ヘリを用意し、要請があれば航空機も出動を準備したが、すべては英国特殊部隊が行った(NYタイムズ、9月10日)。最高司令官のマクリスタル将軍には逐一報告がなされた。

      ▲有能な記者だった、と嘗ての米国人同僚たちが追悼

      カルザイ大統領は「有能なアフガン通訳は残忍な方法で、敵に殺された」と強く非難し、ブラウン首相は救出を決断した英国部隊を賞賛する一方で、「遺族にはちゃんと補償をしたい」と述べた。

      通訳のムナディは三十四歳の若さ、二人の男の子がいる。

      かれは特待生としてドイツにも派遣され、ロンドンタイムズ契約記者でもあり、ラジオ放送を開始する直前だった。極めつきに優良な記者だったと2001年か04年にかけてNYタイムズで同僚だった多くのNYタイムズ記者らが追悼と哀惜の談話をだした(NYタイムズ、9月10日)。

      クンダス地区はタジク人とパシュトンの共生地区で倉庫の地下室にはロケット砲も隠されている。

      英国特殊部隊ヘリコプターは午前貳時半から作戦を開始し、付近は銃撃音と爆発で地響き、銃声が唸り、ファレル記者自身もどちらが撃っているか分からない銃撃戦の渦中で恐怖の体験をしていた。

      英語が聞こえた。かれは「私は英国人質だ」と叫んだ。銃弾の嵐のなか、英国兵士に救出された。

       「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

           平成21年(2009年)9月11日(金曜日)貳

              通巻第2706号 

       
      ログイン ユーザー登録
      ようこそ ゲスト さん