はてなキーワード: 特別警報とは
自分はこの日の夜、うかつにも実家のある呉に向かって車を走らせていた。
昼を過ぎたあたりで、フロア中のスマホがけたたましく緊急エリアメールの受信を告げる。
初めは安佐北、佐伯、安佐南。避難準備、災害対策本部設置、避難勧告などと、ほんとうに10分おき位に緊急エリアメールのアラートが鳴り響く社内。江波、舟入、宇品・・・会社がある南区にも、豪雨の濁流が近づいてきているのを感じ、同僚たちは落ち着かない雰囲気で顔を見合わせていた。
自分も仕事そっちのけで市のホームページの緊急情報にかじりついていた。
仕事が終わったのが18:30。いったん荷物をまとめるため自宅に戻る。しかしすでに平和大通りは激混み。段原の同僚から床下浸水したとかなんとか連絡をもらい戦々恐々。普段なら10分もかからない自宅についたのが20:00。
荷物をまとめて呉に向かうことにした。
口田は明るいうちからすでにとんでもないことになっていたのをツイッターで見て知っていたし、それこそ四年前の災害も市内北部で起きたことだ。そして呉市内(中央付近・中心部)に住む両親や姉とのラインでは、二人はいたって普通で、市内ほど緊急エリアメールも届いていないようだった。
とにかく市内から逃げるのが最適解だとその時は思っていた。
しかしその目論見もあえなきさだめとなる。
会社を出た時点ではまだ生きていた広島呉高速道路がついに全域通行止めになっていたのだ。こうなったら焼山経由か31号線で帰るしかない。
家を出る前に確認しておけばよかったと歯噛みした。
(第2の判断ミス。高速が止まったことに気づいた時点で引き返しておけばよかった。)
東雲あたりに到着したころには21時になっていた。普段から混む場所ではあるが、自宅から一時間もかかったことはない。
車のガソリンが切れそうでイライラしていた。今にもエンプティが点滅しそうな領域。
目につくガソスタは全部閉めていた。そりゃそうだ特別警報発令中、ガソスタ店員だって避難してるにきまってる。
雨脚は弱まることはなく、車の天井をたたく雨粒の音でカーラジオもオーディオも聞き取りにくいほどだった。
渋滞に巻き込まれてる間も緊急車両はそこらじゅうでひっきりなしにサイレンを鳴らしていて、数分おきには路肩によけるような状況だった。西区、安佐北や安佐南の署名が書かれた消防車が目立ち、不思議だと思った。なぜなら自分が走っている道は市外へ向かう道。市外から応援が駆けつけてくるならともかく、広島市内の緊急車両が市内を手薄にしてまで市外を目指すなんて妙だ…。この先でなにかがおきているのか…?
「坂で土砂崩れ」
「瀬野川氾濫」
このときにようやく自分が向かっているところは安全じゃないと気づいた。なんだか予想以上にとんでもないことがおきている。
そもそも呉にたどり着けるルートは完全に失われているようだった。
その時にはすでにバイパスに乗っており、引き返すことができない状況だったうえにガソリンも切れる直前だった。
とにかくいったん海田に抜けて、ガソリン入れてから考えよう!と思った。
渋滞中、ガソリン節約のため空調を切っており土砂降りのため窓も開けられない蒸し暑い車内で、あわててツイッターなんかで情報取集すると、呉も地元もひどいありさまだった。
見慣れた景色が土砂や濁流にのみ込まれている様子は、どこかリアリティに欠けて見えた。
そしてガスメーターのエンプティマークは点滅していたけど、頼むから持ってくれ!という気持ちで覚えのあるセルフ24hのガソスタをところどころ勃発している通行止めにイライラしながら目指した。
悲痛な願いは届き、蛍光灯と値段表示でらんらんとかがやくガソスタにたどりつけたときは半泣きになった。
ガソスタの床には、流木やゴミが散らばっており、一時は冠水したのかも、と思い背筋が凍った。
ふんずけてパンク、なんてことにならないよう、細心の注意をはらって車を進めた。
救急車も給油していた。
さて、ガソリンも入り車内空調にようやく電源が入り曇りまくっていたフロントガラスもクリアになったところで0時過ぎ。
1.市内の自宅に引き返す
2.そのへんで車中泊する
ぶっちゃけもう運転はしたくなかったので車中泊をしたい気持ちもあったが、すでに一部冠水していた海田町にとどまるのはおそろしい。すぐそばには荒れ狂う瀬野川もある。
帰宅してしまえば鉄筋マンションの6階の自宅は流されることはないだろう。かといって市内の状況もわからない。マンション付近が浸水していたらジ・エンドだ。この時ばかりは、リバービューに憧れて部屋を選んだ自分を恨んだ。
それにどこかでまた通行止めで立ち往生する可能性もないとは言えない。
これ以上判断ミスするわけにはいかない。いろいろと取れる限りの情報を収集し、迷った末に、市内の自宅に引き返すことにした。渋滞に巻き込まれている間に対向車線を確認した限りでは、下りはそんなに混んでるように見えなかった。(逆にどこかで通行止めしてるんではないかと不安でもあった。)
運転時間はぶっ通しで6時間にのぼろうとしていたけど、この判断が間違っていないと信じて、がむしゃらに車を走らせた。幸い通行止めも渋滞もなく、恐ろしいほどスムーズに広島市内に帰ってこられた。
驚いたのは、緊急車両が市内に向かう車線を逆走しながら市外へと向かっていたところだ。当方は片側三車線の最も左を走っていたので何事もなかったが、なんの警告も交通整備もなく逆走しているのをみて世紀末を感じた。。
(それくらい市外へ向かう道は混んでいたというのはある)
市内に帰ってくると拍子抜けするくらい渋滞もなく浸水もないようだった。緊急車両よりタクシーが多かった。
最悪週末は一歩も部屋を出られない覚悟を決めてコンビニでアホほど買い物をし、自宅に戻った。
この時すでにコンビニの水のペットボトルの棚は空白が目立っていた。
自宅につくと、おそらく間違っていなかった判断に安心し、疲れていたので風呂も入らずに眠った。
皆さんに忠告。
叩かれる部分も大いにあると思うが、2つの豪雨を体験したので素直に書いてみる。
広島市安佐南区、安佐北区を襲った平成26年8月豪雨では安佐南区でも大きな被害が出た地区に住んでいた。
そして、現在は安芸郡に住まいがあり、平成30年豪雨を経験した。
幸いにも私自身は何も被害を受けることなく、身近に起きた災害を経験した、という程度のものである。
夕方遅くから夜中にかけて、二度雨のピークがあったのを覚えている。
このときは、まさに「バケツを引っくり返したような」「滝のような」と表現されるような雨で、家の中に居ても危機感を覚えるほどの降り方だった。
多少心細さを感じながらも、土砂降りの中外の様子を見に行くのも面倒くさいし、避難勧告も出てないし、ということで、かすかに聞こえる太田川の警報を聞きながら寝入ってしまったのである。
なお、当時、広島市の対応の遅さが指摘されており、その後、まめに避難勧告が発令されるようになったように思う。
そして、馬耳東風がごとく、避難勧告が出ても気にもとめなくなってしまった。
前日から降り続く雨。
台風の影響で九州のあたりから雨雲が迫ってくるのは知っていた。
いつもよりも天気予報を気にしつつ、15時以降いよいよ雨が強くなっていった。
しかし、平成26年に体験したような「バケツを引っくり返したような」「滝のような」雨ではなく、多少雨足が強い程度の雨だと認識しており、危機感というほどのものは感じることがなかった。
ただ、雨はここ数日降り続いており、累積した降雨量は相当なものだな、とは思っていたので、この降り方が続くと何かしら起きるかもしれないと予感した。
17時半頃から、あれよあれよと言う間に避難勧告、避難所開設、避難指示、特別警報が発令された。
午前0時をまわる頃には町内のあちこちで水が溢れ、土砂が流れ大渋滞を引き起こしていたようだ。
しかし、土砂降りの中、一人暮らしの女が身支度をして夜中に避難するのは心理的にハードルが高い。
家がある場所はなだらかな坂だから浸水の心配もない。大した川もなく、山からも離れている。
何事も起きそうにない。
えー避難…?この土砂降りの中避難所まで歩いて…?大したことなかったら…?
てか避難してる人とか居るの?
明日も仕事だし…、雨で交通乱れてるだろうから早起きしないと…zzz
(そして、幸いにも家付近は全くと言っていいほど被害がなかったのであるが)
【アプリ】
Yahooの天気アプリ、Google Mapは、いつも頼りにしている。
雨雲レーダーはかなり正確だと思う。
Google Mapの渋滞情報は、時々嘘をつくが、混雑しているところにわざわざ突っ込もうという気にはならない。
【テレビ】
でも情報が散漫で、ローカル情報をガッと集めたいときにはまどろっこしい。
【ツイッター】
結局ずっとツイッターで調べていた。
テレビでは被害が大きいところの情報がメインだから、地域、地域の情報が手に入る。
道路の状況とか逐一報告してくれるアカウントがあって感謝している。
見る専だったけど、これからは共有できるお役立ち情報をつぶやいてみようと思う。
【雑感】
避難勧告、避難指示、特別警報が発令されても、場所や家によっては全く被害が出ないこともあり、自分で勝手に甘く見積もってしまう。
休日で家に居たら、土砂降りの中わざわざ出ていったりしないが、家の中に閉じこもっていたら切迫感がない。
大雨の際には「田んぼや用水路を見に行かないでください」と仕切りに言われるが、いつもは穏やかな川が、8分目くらいまで水かさが増しているのを実際に見ると「やべえな」という感想がわく。
なんだかんだでネットが一番役に立つが、情報が散逸しているので、災害時の共通のポータルサイトみたいなのを誰か作ってくれないだろうかと思う。
テレビ局や新聞、自治体が独自に作っているのもあるけど、写真、動画、口コミ、つぶやきレベルの情報や超々ローカル情報、そういうのを集約するの。
デマとか、不確定のものも出回るだろうけれど、情報の取捨選択は受け取る人に任せて。
逐一どこが開通したか、いつ復旧しそうか、抜け道はあるか、混み具合はどれくらいかを調べないと、渋滞のドツボにはまってしまう。
あと、ネットに不慣れな人たち、どうにかならないだろうか。
町内放送でなんやかんや言ってたが、土砂降りの最中では全く何を言っているのか分からない。
そもそも、町内放送は平常時でもご老人たちに聞こえているかはなはだ怪しい。
【追記】
補足だが、安佐南区のときも安芸郡のときも自宅周辺は全く被害がなかった。
避難勧告等は区域全世帯に向けて出されるものだが、比較的安全と言われるポイントに住んでいる場合はどうしたらいいのだろうか。
「〇〇地域に住む、☓☓世帯に避難指示が発令されました」これは私も含んでいるはずだ。
しかし同じ区域内で目と鼻の先で起こった被害は凄まじいものだった。
そして、逆に今回、「無事?」と心配してくれた他地域の人の方が、私の自宅周辺よりも被害を受けていたりする。
テレビで全然情報が流れない地域で浸水していたり、自宅裏が崩れていたり。
結局、自分のところは大丈夫という希望的観測、楽観的確信によって、自分は3度目の災害時に痛い目を見るのかもしれないと思っている。
沈没船の国民性ジョークのように「みんな避難してますよ、避難してないのあなただけですよ」と言われると、ようやく避難しようと思うのかもしれないが、それも情けなくぞっとするものがある。
それと今回実感したのは、復旧の早いこと早いこと。
陥没した道路も、土砂や岩が流れ込んだ道路も思いの外迅速に開通する。
梅雨が開けた猛暑の中、また夜を徹して作業をしてくださる土木関係の方、復旧に尽力してくださる自衛隊や自治体の方には本当に感謝している。
気象庁は早くから警告を出していたし、NHKもその情報を流していたと思う。
素直に警告を受け止めて、危機感を持つようにしなければと戒めている。
防災無線てなんでああ言う「ごはんが炊けました」呑気な感じの音声なんだろう
天気予報眺めるのが趣味で正常性バイアスが!とか気をつけてるつもりの自分でさえあれ聞いちゃうと「なんか平気かもなコレ。大体役所の言うことだし」みたいな気分になる
そもそも単発だと騒音に掻き消されがちって事もあるし、たまたまビル内に居ると一切分からないし。
なので、特別警報発令中は世界が終わりそうなBGMでも掛けっぱなしにしておけば良いのにと思ったりした
こんなのとか
俺の地元においでよ 高地は土砂、低地は水害。リスクのトレードオフに悩むといいよ
今回の豪雨で不安になってハザードマップ読んでみたら地区単位で警戒区域だらけだよ
小高い山になってる場所や半端に森林が残っている場所の下はだいたい全部警戒区域だよ
そもそも避難所指定されている学校が山の麓や川の近くだから、たぶんダメな時は何やってもダメだよ
先日は特別警報まで出されたけど、運良く雨雲が通り過ぎて行ったから冠水するだけですんだよ
基幹国道は大渋滞、裏道の峠は土砂災害の警戒区域、君はどっちのリスクを取る?
古い地区は山肌か谷間か山の麓ばかりで、これまで無事だったの、たぶんただの運だよ
そのかわり地震があまり起きないから、震度4でもガチビビリするくらい地震に縁がないよ
俺の地元においでよ
今回の豪雨に対する政府の初期対応が非常災害対策本部の設置まで何をしているかわかなかったので調べてみた。
農林水産省:「台風第 7 号接近に伴う事前点検及び災害発生時の復旧箇所における応急対策の実施について」を通知
国土交通省:台風第 7 号の接近に伴い災害への警戒強化や工事の安全管理の徹底・注意喚起を発出
農林水産省:「台風第7号接近に伴う山地災害の未然防止について」を通知
経済産業省:災害救助法が適用されたことを受けて、被災中小企業・小規模事業対策を実施する
農林水産省:「〜被害農林漁業者等に対する資金の円滑な融通、既往債務の償還猶予等について」等を通知
消防庁:災害対策本部へ改組、広島県へ消防庁職員4名派遣を決定
消防庁:各県に緊急消防援助隊の出動可能隊数の報告及び出動準備を依頼、大阪府知事に対し緊急消防援助隊の広島県への出動を求め
消費者庁:災害により消費生活相談窓口が開設できない場合における相談ダイヤルの接続先変更について、各都道府県消費者行政担当課に周知
消費者庁:災害に便乗した悪質商法に関する注意喚起の情報を各都道府県消費者行政担当課に提供
大雨特別警報の発表(福岡県、佐賀県、長崎県、広島県、岡山県、鳥取県、兵庫県、京都府)
*同日内は順不同
ソース http://www.bousai.go.jp/updates/h30typhoon7/pdf/300709_h30typhoon7_01.pdf