はてなキーワード: 友引とは
NEW GAME!第8話はロリ要員として涼風青葉と双璧を成す、桜ねねを中心に物語が進行する。
比較的序盤に、八神コウが冷蔵庫に入れておいたプリンをねねっちが食べてしまう事件が発生。
恐ろしいことに、この死ぬほどどうでもいい事案は最後の最後まで引っ張られ、尺の大部分はプリンの話なのだ。
あぁ、本作を途中から観始めた諸兄諸姉のために補足すると、この作品はデスマってるゲーム開発現場で過労死寸前のおっさんたちの幻覚を漫画・アニメ化したものである。
ゲーム会社でありながら、プリン消失に気づく心の余裕がある一点だけ見ても、完全にファンタジーであることがお分かりいただけるだろう。
今回のサブタイは『夏休みだぁああ!!』であり、無論おっさんたちの叶わぬ願望、魂の咆哮に過ぎない。
ちなみに登場人物たちが鋭意制作中のゲームは『フェアリーズ・ストーリー』というタイトル。
妖精さん(フェアリーズ)はおにゃの子たちだろうか、それともおっさんたち? いずれにしても本作は労基法の埒外に広がる幻想世界を舞台としており、妖精さんはきっと必ずいや間違いなくいるに違いない。
しかしながら、おっさんたちの妄想に終始しているというわけではなく、ときおり垣間見える現実が物語に奥行きを持たせており、日常系アニメに飽いたユーザーの視聴にも耐え得る作品だ。
例えば、冷蔵庫の中にレッドブルがチラ見えしたり、青葉とねねっちが土下座したり、寡黙なひふみん(今回は一言も喋らない)が失語症を発症した従業員のメタファーだったりと、ところどころにおっさんたちからのSOSが挟まれている。
エンターテイメント性を維持しながら、業界の窮状を訴える社会派アニメなのだ。
アニメ版とは別物ですね。
日常系作品にちょいとホラー要素を加えたのがアニメ版だとすれば、原作コミックはほとんどホラーです。
それと、ただ怖いだけじゃなくて、批評性の高い意欲作です。
日常系とか空気系と呼ばれる作品群をハッキリと否定しています。
エヴァ旧劇なら庵野がオタクたちのことを「気持ち悪い」と言ったのと同じです。
まどマギ劇場版新編なら、ラストで「自分勝手にルールを破るのって、悪いことじゃないかな」とまどかに言わせ、ほむらが創った心地よい虚偽の日常を批判しているのに相当します。
学校を出ること(卒業)、あるいはそのまま学校に残り続けること、どちらかです。
"巡ヶ丘"学院という名前と場所そのものが、終わらない、居心地の良い、都合の良い、フィクションの中にしか存在しない日常のメタファーです。
最終的に、学園生活部のメンツは卒業すること(現実を直視すること)を選びます。
とりわけ丈槍由紀の成長は顕著で、ハッキリと夢想に別れを告げ、夢想で彼女を守っていた周囲に感謝の意を示します。
と、ここまでが1~5巻までの概要です。
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』で言えば、ハリアーで友引町を脱出するところです。
エヴァ旧劇なら他者(アスカ)を望み、LCLから人間の姿に戻るところです。
ただ、揺り戻しがあるのですね。
嘘でも良い、安心できる妄想の繭に守られていたいという願望が再び頭をもたげてきます。
1~5巻では由紀が繭の中に逃避していたのですが、今度は若狭悠里が繭の中に潜り込み、由紀と同じ道をなぞってしまいます。
セカイ系の隆盛後、日常系が流行り、まどマギで一旦は日常から脱出したのですが、また日常に戻った漫画・アニメの消費者自身なのです、悠里は。
一度は他者を望んだものの、やっぱり怖くてアスカの首を締めたシンジ君そのものです。
デビほむが創った新しい世界を半ば受け入れてしまう、まどか以外の魔法少女たちとも似ています。
7巻以降はどうなるんでしょうかね。
おそらく日常と現実の間を振り子のように揺れ、最後は曖昧な位置で静止して終わるのではないでしょうか。
『うる星~』は友引町から脱出できたかどうか分からないまま幕を引きました。
エヴァ旧劇でも、新しい世界でシンジとアスカが共生できるかは未知数なまま終劇を迎えます。
まどマギ新編でも、ほむらは「いずれあなた(まどか)は、私の敵になるかもね」と言っています。
縮小再生産で似たような作品ばかり作っていて良いのかという反問です。
唯たち4人はしきりに「高校を卒業しても、今までのような毎日が続くかな?」と自分たちに問いかけ続けます。
もちろんずっとクローズドな学校生活(がっこうぐらし!)が続くわけはなく、社会に対してある程度開放的であらざるを得ない大学編けいおん!はすぐ打ち切りになりました。映像化もされていません。
まんがタイムきららは自ら日常系の潮流を作り、その流行に乗りつつも、自分たちがまずい方向に進んでいることが分かっているのでしょう。
現実どころがオタクなのに二次元でも恋焦がれるほどにキャラを好きになった経験が無いけど、恋愛(というより一目惚れ)してみたい。
今の悩みは一言、これですんでしまうのだけど、長くてわかりづらくていいから経緯が読みたいという方は下も読んでみてください。ですとあるがごっちゃになっているけどもう修正する気が無い…。
年齢、だいたい平成と同じ。これで紹介できるのは楽なところ。
現実での恋愛経験全く無し。まぁこれはいくらでもいると思うので細かいことは省く。学生の頃から恋バナには全く興味が無い人。もちろん現在もそうで、同僚との話への反応の仕方すらよくわかっていない。
後は小さい頃から順に印象に残った作品と自分の恋愛観(正直無いに等しい)と。作品についての説明は面倒なので省いてます。
幼少の頃はトトロやセーラームーンなどが好きな普通の女の子だった。また親の本棚にあったうる星やつらや宇宙家族カールビンソンが大好きだった。両親共にSF好きだから仕方ない(正確には好みはかなり違ってて、父はハード寄りで機械の細かい描写がある作品が好きだが母は面白ければスペオペ含め何でもいい感じ)。すりこみかどうかは知らないが、「見ていて好きなキャラ」ではなく「いつも一緒にいたいキャラ」ではまずトトロのおとうさんとカールビンソンのおとうさんを挙げる。つまりリアルメイでありリアルコロナであった(サツキの年になっても料理をうまく作れなくて親にツッコミくらったりしたが)。まぁ、小さい頃はカールビンソンの方はシリアスな部分を理解できなかった事もあるのだが、理解した今でもおとうさん大好きです。
小学生の時、親が買ってきた空想科学読本にはまる。考察好きなことや理系への道はこの頃からできていたのかもしれない。高専の図書館に置いてあったまんがサイエンスもこのくらいの時に知りたかったな…。後空想歴史読本リメイクして下さい、主にトップをねらえ!に続編ができたことに関してどのように書かれるか非常に気になるので。
犬夜叉とらんまにはまり始めてから中学校に入り、オタクな先輩と知り合い、二次創作の存在を知る。そして同人誌を知らなかった私に「こんなのだよー」と貸してくれた…のだが、それはBLの18禁物だった(なお先輩は主にジャンプ系漫画が好きな腐女子である)。トラウマと言っていいのかわからないのだけど、衝撃的なことは確かだった。原作からそうならばまだ踏ん切りがつくが、原作でそういう行動を全く取っていない組み合わせでそんな行為をするということが当時全く理解できなかった。そのせいでしばらく「同人誌は18禁しかない」と思っていた時期があった。今は他のもあるってわかってるけど。未だにコミケは行ったことが無い。決して嫌いなのではなく、人混みが苦手なだけ。
その後高専で銀魂にはまる。と言っても主に「江戸時代末期に外国人じゃなくて異星人がやってきた」というSF的背景となんでもありっぷりが好きで、なのに前の経験から18禁要素がかなり苦手だったのだが、結局一応ちょっと慣れる。といっても度を超えた下ネタはやっぱり嫌いで、例を挙げるならタマ菌やサラダ婆などの話は今もまともに読めない。一番好きなのは蓮蓬篇。基本良くも悪くも原作本位な自分だけど銀魂だけはアニメの方が好きになってしまっている。
会社に入ってからは忙しくなってしまったためか、新しく好きになった作品は少ない。一応挙げるならポヨポヨ観察日記とかキルラキルとか。そもそも本棚のスペースが無いというのもあるが…でも来年のりんねアニメすごく楽しみ。
…これだけだとほぼ先輩のせいじゃねーかと言われそうだけど、元々私は二次元ですら恋愛に疎い。幼少の頃からの二人を除いた好きなキャラは見た目というより行動などで大体決まり、また人というより集まりを表して好きだったりする。キャラよりも作品世界が好きな感じ。
例えば私が一番好きな作品と聞かれて即挙げるらんま1/2では、乱馬とあかねと良牙の三角関係が見ていて非常に楽しくて好き。笑える三角関係は大好きらしく、同じ理由で犬夜叉では犬夜叉とかごめと鋼牙。銀魂は万事屋の家族っぷりがいい。
うる星、らんま、犬夜叉と来てますが、めぞんは…ええと、四谷さん見てて面白くて大好きだよ!(つまり恋愛な方はよくわかってない)
また空想科学読本の影響か、キャラに対して考えることもキャラに何かしたりさせたいというよりはキャラの行動の背景など考察の方をよくする。
例えば、特に好きな良牙については土産の内容から何巻と何巻の間ではこのような旅をしていたとか、どこの県へ何回迷ったことがあるとか、爆砕点穴で間違って地下鉄に出ちゃったりしないのか、20巻の決闘の完成型獅子咆哮弾でグラウンドにできた穴の大きさはどれくらいなのかとか、電柱を抱き折る腕力とか。これらの中で実際に行動に移したのは「どうやって複数バンダナを巻いていたか」くらいだが、五枚くらい頭に巻いただけで結び目がひどいことになったし、一枚の下に何枚か薄く入れてみようにもきつい上に一枚ほどいたら当然全部落ちるので謎のままだった。その辺で売っている物ではなく非常に薄いバンダナかもしれない。実際二巻であんなに巻いていた後、恋の釣り竿の話では一枚しか巻いてなかったので本人もきつかったかもしれない。空想科学漫画読本ではうる星のしのぶのお手机が楽しかっただけにらんまが変身体質の方を取り上げていたことが個人的に残念でなー、この辺だったら面白い結果になっていたと思うんだが。
…とまぁこういう話ならいくらでもできるのだけど、三次元でも二次元でも恋愛話は全然できない。あと元ネタ探しも大好き。うる星もカールビンソンもケロロ軍曹も銀魂もいったん元ネタ調べ始めたらどこまでも止まらなくなる(どれもそういう作品だけど)。
大抵私が好きになるキャラには既に原作で相手がいるので、その時点で相手のことを考えてしまって一線を越えるような妄想は全然しない。「好きなキャラに何かされたい」という発想自体が中学で夢小説という物を知るまで出てこなかったし、夢小説は好きではない。そのためもし二次元の世界に行っても自分がやりたいことは好きなキャラを遠目で見て行動を楽しむという、ここにいることと全く変わらない状態になる。でも友引高校や風鈴館高校のドタバタした雰囲気は味わいたいからせめて一生徒となって騒動に巻き込まれるくらいはなりたい。特にうる星12巻の面堂邸のすごろくは是非参加したい。でもキルラキルの一般生徒だけは勘弁な!
それから結構人間的な(?)機械のキャラが好きらしく、前から敵は海賊のラジェンドラ、ナイトライダーのKITT、ロストユニバースのキャナル、ケータイ捜査官のセブン、そして比較的最近なガルガンティアのチェインバーでみんなでマスターへの愚痴やら何やらで盛り上がってみたいなという妄想はしている。極端にキャラが崩れていなければクロスオーバーは大好きです。多分一番はっちゃけるのがキャナルで、淡々と話すのはチェインバーだろう。あ、どんなデザインになってしまうのかはおいといて、iPhone(siri)に手足がついて自分で動けるようになったらこの中に入れちゃっていいかも。最初はあんなにお茶目だと思わなかったし。例えAIに心は無くても、応対している側が心があるように思うことができるならもうそれは心を持っているも同じ、それが自分の持論。…やべえ話題ずれすぎた。
こんな状態なので、高専に入って「自称『少し腐女子』」な親友にツッコミをくらうまで○○×△△の組み合わせはどっちでも同じ意味だと思っていたほど恋愛についての知識はあまりない。だってかけ算ってどっちに入れても答え同じじゃん。最近いろいろ言われているけど。世界観で惚れた銀魂をその親友に貸したら、「高杉さんすごいいいね!!」と言われたので、ああ感性の違いってこういう物なんだなと思っている。親友のおかげで今まで検索しづらかった単語を知ることができました。朝○○って何とかいろいろ聞いてすいませんでした。本当にすいませんでした。多分存在すら知らない単語はまだまだいっぱいある。(さっきのかけ算については最近別の人から「あれはベクトル積で考えればいいんだよ」と言われてようやくすっきりしてます)
親友とは去年の銀魂劇場版で久々に会って一緒に見たけれど、「銀さんかっこいい!高杉さんもかっこよかったけどもっと出てほしかった!!」という親友と、「この世界はパラレルワールドが全く無くて、一つの世界をどのように書き換えていくかなんだなー。今の銀さんの前には三人か四人ほどの銀さんが犠牲になっているようで…」という考察をひたすらがんばっていた私の差。相変わらずすぎて互いに安心してました。
…ところで、上の通り蓮舫編大好きなんだけど、未だに服の襟以外のエリの意味がわからないです。
憧れの女性キャラはいます。こわしや我聞の森永優。頭良くてさらに楽しい人になりたい。憧れの男性キャラは今のところいない。なぜだ。自分が何フェチなのかすらよくわからない。というかフェチって熱狂的に好きな部分って意味でいいんだよね?
…できれば動物のお医者さんのスナネズミのように、細かいことは何も考えずに人生を過ごしていきたい。できれば。
そんな私がどうして恋愛をしたいのかというと、年齢的なこともあるっちゃあるし、一人っ子なので将来が不安というのもあるのだけど、マンガ的な表現の一つである「ドキッ」や「キュン」を実際に体験してみたいため。
昔、保育園のお絵かきで、走る人の横にしずくをいくつか描いたら他の子に「これなあに?」と聞かれた。「汗だよ」と答えたけれど、「汗って体に流れるんじゃないの?」と言われて、しばらく言い合いになったことがある。マンガでは焦ったりする時によく汗がいくつか散っているけど、スポーツでも無い限り実際はそうならない。ただ、比喩表現として使われているだけなのだ。
じゃあさっきの「キュン」などはどうなのか。こればっかりは考察で解決できる問題じゃない。多分自分で体感しないとわからない類い。恋に落ちると本当にそういう感覚がするのか、もっと別の擬音になるのか。卒研発表よりもずっとドキドキする物なのか。未だに自分が恋愛的な意味で何が好きなのかすらわからないけど、二次元相手でもいいからそれを知りたい。もしかして恋に恋するってこういうことなんですかね。…もし本当に恋をしたら、その時はまた考える。なるべく恋をしても周りが見えなくならないようにはしたい。
最後に、エロもグロも苦手だけど例外的(?)にNHKスペシャル人体は大好きです。特にミトコンドリアが大好きでもうあの緑色にMとついた宇宙貨物船っぽいイメージしかありません(やってることは運ぶよりも工場に近いが)。この番組、もやしもんとかと同じくらい知られてもいいと思うの。キャラのベクトルは全く違うけど。
母ちゃんからメールが来る。
「ばあちゃんが なくなった」
79歳・・・。突然だった。ほんとに突然だった。
つい一週間前の正月にひ孫連れて会いに行った時は、普通に元気にしてた。
それまでも1??2ヶ月に1回は会ってたんだけど、その時はなぜだかいつもよりたくさん会話した。
「13日は孫(オレから見たら従妹)の結婚式があるね。
寒かけん、風邪ひかんよーに気をつけんばよ??。」
そんな事を言って、その時は帰った。
・・・まさか、それが最後になるとは思ってもなかった。
2年半前には、じちゃんが亡くなった。
じいちゃんは長い間病気で、いつ死んでもおかしくない状態だったから、それなりの覚悟はできていた。
じいちゃんが居なくなったら、ばあちゃんも弱ってもしかしたら・・・。
っていう周りの心配をよそに、ちょっとボケが進んだくらいで、元気だった。
補助なしの二輪自転車に乗って買い物に行くし、広い家で一人、ご飯作ってお風呂入って、生活してた。
老人ホームや周りの人間からの世話を嫌がっていたので、1日に1回くらいで誰かが様子を見たりしていた。
オレが親にも会わせた事のない彼女を連れて行った時、
オレの元嫁と間違えないように一生懸命名前を覚えようとしてくれていた。
たまにボケてて、完全に間違えてる時もあったけど、ばあちゃんの優しさに応えるため、
ばあちゃんの笑顔を曇らせないため、オレ達は気付かない振りしてた。
じいちゃんが亡くなった時、一番残念だったのは、ひ孫に一人も会わせられなかった事だった。
あと4ヶ月待てば、オレの次に結婚した従妹が初めてのひ孫を産んだのに・・・。
でも、ばあちゃんには一人だけだけど、ひ孫に合わせることができた。
「会いたい、会いたい。」って言うからヒマさえあれば連れて行って一緒に遊んでもらってた。
ひ孫もすぐになついて「ひーばーたん、ひーばーたん。」と言ってた。
ばあちゃんの喜ぶ顔を見て、周りも安心していた。
「まだまだ、いっぱい遊んでやらんばね!」
そんな矢先の突然の不幸。。。
死因は「急性心臓死」。
少しだけ心臓が弱かったばあちゃんは、9日の朝6時頃、一人でご飯を食べている時に倒れた。
最初に発見されたのは、10時過ぎに長男が様子を見に行った時・・・。倒れてから4時間も経っていた。
その時には既に息はなく、救急車が来ても応急処置をすることなく「死亡」の通告。
一人だった事から、事件の可能性もあるとして、警察官やら検察官やらが来て、調査する。
その間、1時間以上ばあちゃんはその場に倒れたまま。
結局事件性はなく、急性心臓死と診断される。
その日の夜。
仕事を終えたオレはばあちゃん家に向かった。
家族や親戚はもう帰った後らしく、オレの親だけが残っていた。
「みんな驚いていたよ。」
そりゃあそうだろう。オレも驚いている。
というか、未だに信じられない。実感がない。
布団の上にいつものように横になっているばあちゃんの顔には白い布が被せられている。
けど、それを見ても実感できない。
ゆっくり布をめくってみる・・・。
既に死化粧された顔は、白く綺麗だった。
手で頬に触れてみると冷たい。雪のようだ。
けど、それでもまだ実感できない。
ただ寝ているようにしか見えないくて、涙もでてこない。
10日が友引だという事で、10日がお通夜、11日が告別式になった。
翌日10日。
どうしても仕事を休めなかったオレはいつも通りに出社。
なんとか定時に終わらせてお通夜に向かう。
お通夜とか葬式をする時には、遺族の悲しみも薄れて単なる行事ごとの一つになったりするもので、
今回も例外ではなかった。
遺族や参列者の中で、心から悔やんでくれているのは何人いるだろうか?
遺族への挨拶や、お焼香も、礼儀・作法を守る事が第一のように見えてきてバカらしくなってくる。
そこではあたかも宴会でも開かれているような雰囲気。
・・・・・。
あなた達にとってお通夜って何ですか?
あなた達に、そこに居るばあちゃんの姿は映ってますか?
いつも通りの風景に、いつも通りに納得のいかないままオレはばあちゃんに線香をあげる。
ひとしきり喋って飲んで食べた人たちが、家に帰ったりその場で眠ったりし始めた。
オレは一人、ばあちゃんの前で線香をあげながら明日孫代表で読む事になった弔辞を考える。
・・・なんでかな?
哀しいはずなのにまだ一回も泣いてない。
オレもやる事が多くて、単なる行事ごとになってしまったのかな。。。
翌日11日。
弔辞の打ち合わせ。
葬儀場の人
「もし弔辞をお考えになられていないのであれば、
こちらで用意したものを少しアレンジしてお読みいただく事も可能ですが?」
オレ
「・・・・・(なんだよ、それ)・・・・・。
いえ、自分で考えたものを読みます。」
釈然としないまま、オレは弔辞を読む。
ばあちゃんとの想い出、ばあちゃんへの感謝の気持ち、お別れの言葉を読み上げていく。
・・・すると親族や参列者から泣き声が聞こえてきた。
オレの弔辞で泣いてるのか、葬式の雰囲気に泣いてるのか分からないけど、それでもオレは泣かなかった。
後から言われたんだけど、
「ともくん、弔辞良かったよ。感動した。」
・・・なんだそれ。
あなた達を感動させる為に読んだんじゃないよ。。。
なんだろう。オレの方がおかしいのかな?
たぶんオレだけ泣いてないし、周りの人間のやる事なす事がいちいち気になるし。
もしかしたら、オレだけがひねくれてるのかな。。。?
告別式も終わりに近づく。
親族・参列者が棺桶に花やら想い出の品やらを入れていく。
オレは、一通ばあちゃん宛に書いた手紙を入れた。
ばあちゃんに言いたい事、聞きたい事、誤りたい事、お礼を言いたい事。
弔辞とは違って本当に言いたかった事、便箋3枚に書いた。
内容は誰も知らないオレとばあちゃんだけの秘密。
後でじいちゃんと一緒に読んでね。
告別式が終わり、火葬場へ向かう。
いよいよばあちゃんの姿を見るのもこれが最後になる。
2年半前、じいちゃんが火葬される直前、ばあちゃんがひと言だけつぶやいた言葉をオレは聞いた。
「今までありがとうね。」
2人で50年以上付き添って、最後の言葉がこれだった。
オレはその時、じいちゃんの死より、その言葉に感動して泣いたのを覚えている。
今度はオレから言うよ。
「ばあちゃん、今までありがとうね。」
単なるいち孫が言うのはじいちゃんに申し訳ないけど、オレからの最後の言葉はやっぱりこれにするよ。
火葬されてしまうまで1時間半。
みんなはまた思うように過ごす。
テレビを見たり、ケータイいじったり、おやつ食べたり、タバコ吸ったり、昼寝したり。
オレは少し焦げ臭い火葬場を離れて少し歩いた。
山の中腹から見下ろす風景は、ばあちゃんが79年間ずっと住み続けた土地。
田舎ではあるけど、だいぶ変わったんだろうな。
ふと、ばあちゃん家の隣に住んでた時の、藁葺き屋根の家を思い出した。
オレが小学校の頃に取り壊したけど、ばあちゃんとの想い出が一番つまってるのはあの家だったなぁ。
薄暗い土間の奥にあるお風呂。
怖がって一人で行けなかったオレを連れて行ってくれた。
縁側と庭でいろいろ遊びを教えてくれた。
ばあちゃん、オレは男の子だよ!
そういや悪ふざけでばあちゃんを川に突き落とした事もあったなぁ。。。
親に怒られてるオレに、ばあちゃんは笑いかけてくれた。
オレがどこからか盗んできた梅の実を漬けて、梅干しとか梅酒を作っていっぱいくれたね。
梅の美味しさを知らなかったオレは、梅が嫌いになって今でもあんまり食べられません。
そうそう、オレはばあちゃん家の中庭が大好きだった。
鯉が泳いでいて、アメンボとかカエルとかいたからしょちゅう見に行ってた。
あんなに広く感じたばあちゃん家。
でかくなったオレは今では背中曲げないと歩けない。
走り回ってた廊下も数歩で歩けるようになってるよ。
・・・あぁ。やっと少しずつ実感が沸いてきた。
ばあちゃん、いなくなったんだなぁ。。。
ばあちゃんが死んで2日以上たって、初めて涙が出た。
もう、あの優しい笑顔に会う事はできないだね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
火葬場の人から呼び出しがかかる。
そろそろばあちゃんの骨を拾ってあげる時間だ。
(・・・よし!)
オレは泣くのを止めて、火葬場に戻る。
ばあちゃんには最後まで涙を見せないでお別れしよう。
人が焼ける独特の匂いの中で骨を拾ってあげる。
昔はオレを軽々おんぶしてくれたばあちゃんが、今はこんなに小さな骨になっている。
普通は骨壷に全部入りきれないものなんだけど、ばあちゃんは全部入れてあげる事ができた。
お寺への納骨まで終わって、やっと全ての「行事」が終了。
みんなはそれぞれの家へ帰っていく。
オレはいつまでも暗い気持ちでいたくなかったので、友だちと遊びに行った。
そして翌日12日は仕事に行った。
オレはこの時くらいから、ある事に少しずつ気付き始めていた。
さらに翌日13日は従妹の結婚式。
先月には従妹のお婆さん(オレからは遠縁になる)が亡くなり、4日前にはばあちゃんが亡くなり、
結婚式を挙げるかどうか悩んでいたみたいだけど、両ばあちゃんに見せてあげたいから、と決行。
両ばあちゃんも喜んでくれただろうね。
翌日14日はみんなの都合に合わせた結果、初七日をするようにした。
もうみんなほとんど悲しみは癒えたみたいで、昨日の結婚式の話しとか明るい話題も増えていた。
明日からはみんな通常通りの生活。オレも仕事。
ばあちゃんに線香をあげて、家に帰ろうとしたその時。
ばあちゃんの遺品を整理してたら出てきたと言われて一つの封筒を受け取った。
どうやらオレに関係があるものらしい。
その場で見る勇気がなかったので、家に帰って開けてみる事にした。
封筒から出てきたのは1枚の写真。
ただ・・・元嫁の親族側ははさみで切り取られていた・・・。
オレが離婚した時、親の次に気をかけてくれたのがばあちゃんだった。
「どんな風になっても(離婚しても)、ともくんの幸せが一番大切よ。」
と言ってくれた。
その時も泣いたけど、思い出して今日もまた泣いた。
いっぱい心配してくれたんだなぁ。と思うと同時にいっぱい心配かけさせたんだなぁ。と悔やんだ。
ふと、写真の裏を見たら、ばあちゃんが書いたと思われる文字がいくつかあった。
「××ちゃん」
と書かれたとこには取り消し線が引いてあり、その下に
「○○ちゃん」
と10回書かれていた。
そう。
元嫁の名前を消して、何回か連れて行った彼女の名前を書いて覚えようとしてくれていたのだ。
それを知ったオレは涙が溢れ出た。
最後までばあちゃんの優しさに触れる事ができた。
そして、ばあちゃんが死んで5日。
受け入れる事を止めていた自分にはっきり気付いた。
「行事」や「他人」のせいにして、受け入れないようにしていた。
そして仕事したり友達と会ったりして、できるだけ一人になる時間を作らないようにしていた。
一人になると当然ばあちゃんの事を考えてしまうから、受け入れてしまうのが怖かった。
でも、もう、受け入れよう。
ばあちゃんはいないのだ。いなくなったのだ。
そう思ったら、今まで我慢していたのか、ずっと、ずっと、泣いていた。
淡々と書いた弔辞も手紙も、今思い出したら涙なしには書けない。
そして、さようならだね。
出来ることならもう1回ちゃんと結婚して、
ひ孫を見せたかったなぁ。