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はてなキーワード: 砥石とは

2022-01-22

包丁があったよ

ほう、ちょう(包丁)どよかった

砥石といっし(砥石)ょに買っておこう

なんつって

ぷぷ

2021-08-11

anond:20210811121658

包丁花崗岩を切ろうとして切れなくて、それって常識だよねって言ったら

じゃあ珪石は?石膏は?タルクは?包丁じゃなくて斧だったら?切断砥石なら何ミリから可能?全部わかるでしょ?常識なんだから!っていうバカ

2021-06-19

プライムデーで安くなってたら買う予定のもの一覧

他なんかない?

2021-04-06

anond:20210406192348

俺は男だけど料理趣味みたいなもんで嫁より上手いし普通にいつも作る。その他家事別にやる。苦手でできないのは裁縫くらいかな…。

俺の趣味で高い和包丁とか砥石とかマニアック調理器具シノワとか)がやたらあるのは逆にめんどくさいかもしれない。

2021-03-22

又三郎

風の又三郎

宮沢賢治


どっどど どどうど どどうど どどう

青いくるみも吹きとばせ

すっぱいかりんも吹きとばせ

どっどど どどうど どどうど どどう

 谷川の岸に小さな学校がありました。

 教室はたった一つでしたが生徒は三年生がないだけで、あとは一年から六年までみんなありました。運動場もテニスコートのくらいでしたが、すぐうしろは栗くりの木のあるきれいな草の山でしたし、運動場のすみにはごぼごぼつめたい水を噴ふく岩穴もあったのです。

 さわやかな九月一日の朝でした。青ぞらで風がどうと鳴り、日光運動場いっぱいでした。黒い雪袴ゆきばかまをはいた二人の一年の子がどてをまわって運動場にはいって来て、まだほかにだれも来ていないのを見て、「ほう、おら一等だぞ。一等だぞ。」とかわるがわる叫びながら大よろこびで門をはいって来たのでしたが、ちょっと教室の中を見ますと、二人ふたりともまるでびっくりして棒立ちになり、それから顔を見合わせてぶるぶるふるえましたが、ひとりはとうとう泣き出してしまいました。というわけは、そのしんとした朝の教室なかにどこから来たのか、まるで顔も知らないおかしな赤い髪の子供がひとり、いちばん前の机にちゃんとすわっていたのです。そしてその机といったらまったくこの泣いた子の自分の机だったのです。

 もひとりの子ももう半分泣きかけていましたが、それでもむりやり目をりんと張って、そっちのほうをにらめていましたら、ちょうどそのとき川上から

「ちょうはあ かぐり ちょうはあ かぐり。」と高く叫ぶ声がして、それからまるで大きなからすのように、嘉助かすけがかばんをかかえてわらって運動場へかけて来ました。と思ったらすぐそのあとから太郎さたろうだの耕助こうすけだのどやどややってきました。

「なして泣いでら、うなかもたのが。」嘉助が泣かないこどもの肩をつかまえて言いました。するとその子もわあと泣いてしまいました。おかしいとおもってみんながあたりを見ると、教室の中にあの赤毛おかしな子がすまして、しゃんとすわっているのが目につきました。

 みんなはしんとなってしまいました。だんだんみんな女の子たちも集まって来ましたが、だれもなんとも言えませんでした。

 赤毛の子どもはいっこうこわがるふうもなくやっぱりちゃんとすわって、じっと黒板を見ています。すると六年生の一郎いちろうが来ました。一郎はまるでおとなのようにゆっくり大またにやってきて、みんなを見て、

「何なにした。」とききました。

 みんなははじめてがやがや声をたててその教室の中の変な子を指さしました。一郎はしばらくそっちを見ていましたが、やがて鞄かばんをしっかりかかえて、さっさと窓の下へ行きました。

 みんなもすっかり元気になってついて行きました。

「だれだ、時間にならないに教室はいってるのは。」一郎は窓へはいのぼって教室の中へ顔をつき出して言いました。

「お天気のいい時教室はいってるづど先生にうんとしからえるぞ。」窓の下の耕助が言いました。

しからえでもおら知らないよ。」嘉助が言いました。

「早ぐ出はって来こ、出はって来。」一郎が言いました。けれどもそのこどもはきょろきょろ室へやの中やみんなのほうを見るばかりで、やっぱりちゃんとひざに手をおいて腰掛けにすわっていました。

 ぜんたいその形からが実におかしいのでした。変てこなねずみいろのだぶだぶの上着を着て、白い半ずぼんをはいて、それに赤い革かわの半靴はんぐつをはいていたのです。

 それに顔といったらまるで熟したりんごのよう、ことに目はまん丸でまっくろなのでした。いっこう言葉が通じないようなので一郎も全く困ってしまいました。

あいづは外国人だな。」

学校はいるのだな。」みんなはがやがやがやがや言いました。ところが五年生の嘉助がいきなり、

「ああ三年生さはいるのだ。」と叫びましたので、

「ああそうだ。」と小さいこどもらは思いましたが、一郎はだまってくびをまげました。

 変なこどもはやはりきょろきょろこっちを見るだけ、きちんと腰掛けています

 そのとき風がどうと吹いて来て教室ガラス戸はみんながたがた鳴り、学校のうしろの山の萱かやや栗くりの木はみんな変に青じろくなってゆれ、教室のなかのこどもはなんだかにやっとわらってすこしうごいたようでした。

 すると嘉助がすぐ叫びました。

「ああわかった。あいつは風の又三郎またさぶろうだぞ。」

 そうだっとみんなもおもったときにわかにうしろのほうで五郎が、

「わあ、痛いぢゃあ。」と叫びました。

 みんなそっちへ振り向きますと、五郎が耕助に足のゆびをふまれて、まるでおこって耕助をなぐりつけていたのです。すると耕助もおこって、

「わあ、われ悪くてでひと撲はだいだなあ。」と言ってまた五郎をなぐろうとしました。

 五郎はまるで顔じゅう涙だらけにして耕助に組み付こうとしました。そこで一郎が間へはいって嘉助が耕助を押えてしまいました。

「わあい、けんかするなったら、先生ちゃん職員室に来てらぞ。」と一郎が言いながらまた教室のほうを見ましたら、一郎はにわかにまるでぽかんとしてしまいました。

 たったいままで教室にいたあの変な子が影もかたちもないのです。みんなもまるでせっかく友だちになった子うまが遠くへやられたよう、せっかく捕とった山雀やまがらに逃げられたように思いました。

 風がまたどうと吹いて来て窓ガラスをがたがた言わせ、うしろの山の萱かやをだんだん上流のほうへ青じろく波だてて行きました。

「わあ、うなだけんかしたんだがら又三郎いなぐなったな。」嘉助がおこって言いました。

 みんなもほんとうにそう思いました。五郎はじつに申しわけないと思って、足の痛いのも忘れてしょんぼり肩をすぼめて立ったのです。

「やっぱりあいつは風の又三郎だったな。」

二百十日で来たのだな。」

「靴くつはいでだたぞ。」

「服も着でだたぞ。」

「髪赤くておかしやづだったな。」

「ありゃありゃ、又三郎おれの机の上さ石かけ乗せでったぞ。」二年生の子が言いました。見るとその子の机の上にはきたない石かけが乗っていたのです。

「そうだ、ありゃ。あそごのガラスもぶっかしたぞ。」

「そだないでああいづあ休み前に嘉助石ぶっつけだのだな。」

「わあい。そだないであ。」と言っていたとき、これはまたなんというわけでしょう。先生玄関から出て来たのです。先生はぴかぴか光る呼び子を右手にもって、もう集まれのしたくをしているのでしたが、そのすぐうしろから、さっきの赤い髪の子が、まるで権現ごんげんさまの尾おっぱ持ちのようにすまし込んで、白いシャッポかぶって、先生についてすぱすぱとあるいて来たのです。

 みんなはしいんとなってしまいました。やっと一郎が「先生お早うございます。」と言いましたのでみんなもついて、

先生お早うございます。」と言っただけでした。

「みなさん。お早う。どなたも元気ですね。では並んで。」先生は呼び子をビルルと吹きました。それはすぐ谷の向こうの山へひびいてまたビルルルと低く戻もどってきました。

 すっかりやすみの前のとおりだとみんなが思いながら六年生は一人、五年生は七人、四年生は六人、一二年生は十二人、組ごとに一列に縦にならびました。

 二年は八人、一年生は四人前へならえをしてならんだのです。

 するとその間あのおかしな子は、何かおかしいのかおもしろいのか奥歯で横っちょに舌をかむようにして、じろじろみんなを見ながら先生のうしろに立っていたのです。すると先生は、高田たかださんこっちへおはいりなさいと言いながら五年生の列のところへ連れて行って、丈たけを嘉助とくらべてから嘉助とそのうしろのきよの間へ立たせました。

 みんなはふりかえってじっとそれを見ていました。

 先生はまた玄関の前に戻って、

「前へならえ。」と号令をかけました。

 みんなはもう一ぺん前へならえをしてすっかり列をつくりましたが、じつはあの変な子がどういうふうにしているのか見たくて、かわるがわるそっちをふりむいたり横目でにらんだりしたのでした。するとその子ちゃんと前へならえでもなんでも知ってるらしく平気で両腕を前へ出して、指さきを嘉助のせなかへやっと届くくらいにしていたものですから、嘉助はなんだかせなかがかゆく、くすぐったいというふうにもじもじしていました。

「直れ。」先生がまた号令をかけました。

一年から順に前へおい。」そこで一年生はあるき出し、まもなく二年生もあるき出してみんなの前をぐるっと通って、右手下駄箱げたばこのある入り口はいって行きました。四年生があるき出すとさっきの子も嘉助のあとへついて大威張りであるいて行きました。前へ行った子もときどきふりかえって見、あとの者もじっと見ていたのです。

 まもなくみんなははきもの下駄箱げたばこに入れて教室はいって、ちょうど外へならんだときのように組ごとに一列に机にすわりました。さっきの子もすまし込んで嘉助のうしろにすわりました。ところがもう大さわぎです。

「わあ、おらの机さ石かけはいってるぞ。」

「わあ、おらの机代わってるぞ。」

「キッコ、キッコ、うな通信簿持って来たが。おら忘れで来たぢゃあ。」

「わあい、さの、木ペン借せ、木ペン借せったら。」

「わあがない。ひとの雑記帳とってって。」

 そのとき先生はいって来ましたのでみんなもさわぎながらとにかく立ちあがり、一郎がいちばんしろで、

「礼。」と言いました。

 みんなはおじぎをする間はちょっとしんとなりましたが、それからまたがやがやがやがや言いました。

「しずかに、みなさん。しずかにするのです。」先生が言いました。

「しっ、悦治えつじ、やがましったら、嘉助え、喜きっこう。わあい。」と一郎がいちばんしろからまりさわぐものを一人ずつしかりました。

 みんなはしんとなりました。

 先生が言いました。

「みなさん、長い夏のお休みおもしろかったですね。みなさんは朝から水泳ぎもできたし、林の中で鷹たかにも負けないくらい高く叫んだり、またにいさんの草刈りについて上うえの野原へ行ったりしたでしょう。けれどももうきのうで休みは終わりました。これからは第二学期で秋です。むかしから秋はいちばんからだもこころもひきしまって、勉強のできる時だといってあるのです。ですから、みなさんもきょうからまたいっしょにしっかり勉強しましょう。それからこのお休みの間にみなさんのお友だちが一人ふえました。それはそこにいる高田さんです。そのかたのおとうさんはこんど会社のご用で上の野原の入り口へおいでになっていられるのです。高田さんはいままでは北海道学校におられたのですが、きょうからみなさんのお友だちになるのですから、みなさんは学校勉強ときも、また栗拾くりひろいや魚さかなとりに行くときも、高田さんをさそうようにしなければなりません。わかりましたか。わかった人は手をあげてごらんなさい。」

 すぐみんなは手をあげました。その高田とよばれた子も勢いよく手をあげましたので、ちょっと先生はわらいましたが、すぐ、

「わかりましたね、ではよし。」と言いましたので、みんなは火の消えたように一ぺんに手をおろしました。

 ところが嘉助がすぐ、

先生。」といってまた手をあげました。

はい。」先生は嘉助を指さしました。

高田さん名はなんて言うべな。」

高田三郎さぶろうさんです。」

「わあ、うまい、そりゃ、やっぱり又三郎だな。」嘉助はまるで手をたたいて机の中で踊るようにしましたので、大きなほうの子どもらはどっと笑いましたが、下の子どもらは何かこわいというふうにしいんとして三郎のほうを見ていたのです。

 先生はまた言いました。

「きょうはみなさんは通信簿宿題をもってくるのでしたね。持って来た人は机の上へ出してください。私がいま集めに行きますから。」

 みんなはばたばた鞄かばんをあけたりふろしきをといたりして、通信簿宿題を机の上に出しました。そして先生一年生のほうから順にそれを集めはじめました。そのときみんなはぎょっとしました。というわけはみんなのうしろのところにいつか一人の大人おとなが立っていたのです。その人は白いだぶだぶの麻服を着て黒いてかてかしたはんけちをネクタイの代わりに首に巻いて、手には白い扇をもって軽くじぶんの顔を扇あおぎながら少し笑ってみんなを見おろしていたのです。さあみんなはだんだんしいんとなって、まるで堅くなってしまいました。

 ところが先生別にその人を気にかけるふうもなく、順々に通信簿を集めて三郎の席まで行きますと、三郎は通信簿宿題帳もないかわりに両手をにぎりこぶしにして二つ机の上にのせていたのです。先生はだまってそこを通りすぎ、みんなのを集めてしまうとそれを両手でそろえながらまた教壇に戻りました。

「では宿題帳はこの次の土曜日に直して渡しまから、きょう持って来なかった人は、あしたきっと忘れないで持って来てください。それは悦治さんと勇治ゆうじさんと良作りょうさくさんとですね。ではきょうはここまでです。あしたかちゃんといつものとおりのしたくをしておいでなさい。それから四年生と六年生の人は、先生といっしょに教室のお掃除そうじをしましょう。ではここまで。」

 一郎が気をつけ、と言いみんなは一ぺんに立ちました。うしろ大人おとなも扇を下にさげて立ちました。

「礼。」先生もみんなも礼をしました。うしろ大人も軽く頭を下げました。それからずうっと下の組の子どもらは一目散に教室を飛び出しましたが、四年生の子どもらはまだもじもじしていました。

 すると三郎はさっきのだぶだぶの白い服の人のところへ行きました。先生も教壇をおりてその人のところへ行きました。

「いやどうもご苦労さまでございます。」その大人はていねいに先生に礼をしました。

「じきみんなとお友だちになりますから。」先生も礼を返しながら言いました。

「何ぶんどうかよろしくねがいいたします。それでは。」その人はまたていねいに礼をして目で三郎に合図すると、自分玄関のほうへまわって外へ出て待っていますと、三郎はみんなの見ている中を目をりんとはってだまって昇降口から出て行って追いつき、二人は運動場を通って川下のほうへ歩いて行きました。

 運動場を出るときの子はこっちをふりむいて、じっと学校やみんなのほうをにらむようにすると、またすたすた白服の大人おとなについて歩いて行きました。

先生、あの人は高田さんのとうさんですか。」一郎が箒ほうきをもちながら先生にききました。

「そうです。」

「なんの用で来たべ。」

「上の野原の入り口モリブデンという鉱石ができるので、それをだんだん掘るようにするためだそうです。」

「どこらあだりだべな。」

「私もまだよくわかりませんが、いつもみなさんが馬をつれて行くみちから、少し川下へ寄ったほうなようです。」

モリブデン何にするべな。」

「それは鉄とまぜたり、薬をつくったりするのだそうです。」

「そだら又三郎も掘るべが。」嘉助が言いました。

又三郎だない。高田三郎だぢゃ。」佐太郎が言いました。

又三郎又三郎だ。」嘉助が顔をまっ赤かにしてがん張りました。

「嘉助、うなも残ってらば掃除そうじしてすけろ。」一郎が言いました。

「わあい。やんたぢゃ。きょう四年生ど六年生だな。」

 嘉助は大急ぎで教室をはねだして逃げてしまいました。

 風がまた吹いて来て窓ガラスはまたがたがた鳴り、ぞうきんを入れたバケツにも小さな黒い波をたてました。

 次の日一郎はあのおかし子供が、きょうからほんとうに学校へ来て本を読んだりするかどうか早く見たいような気がして、いつもより早く嘉助をさそいました。ところが嘉助のほうは一郎よりもっとそう考えていたと見えて、とうにごはんもたべ、ふろしきに包んだ本ももって家の前へ出て一郎を待っていたのでした。二人は途中もいろいろその子のことを話しながら学校へ来ました。すると運動場には小さな子供らがもう七八人集まっていて、棒かくしをしていましたが、その子はまだ来ていませんでした。またきのうのように教室の中にいるのかと思って中をのぞいて見ましたが、教室の中はしいんとしてだれもいず、黒板の上にはきのう掃除ときぞうきんでふいた跡がかわいてぼんやり白い縞しまになっていました。

「きのうのやつまだ来てないな。」一郎が言いました。

「うん。」嘉助も言ってそこらを見まわしました。

 一郎はそこで鉄棒の下へ行って、じゃみ上がりというやり方で、無理やりに鉄棒の上にのぼり両腕をだんだん寄せて右の腕木に行くと、そこへ腰掛けてきのう三郎の行ったほうをじっと見おろして待っていました。谷川はそっちのほうへきらきら光ってながれて行き、その下の山の上のほうでは風も吹いているらしく、ときどき萱かやが白く波立っていました。

 嘉助もやっぱりその柱の下でじっとそっちを見て待っていました。ところが二人はそんなに長く待つこともありませんでした。それは突然三郎がその下手のみちから灰いろの鞄かばんを右手にかかえて走るようにして出て来たのです。

「来たぞ。」と一郎が思わず下にいる嘉助へ叫ぼうとしていますと、早くも三郎はどてをぐるっとまわって、どんどん正門をはいって来ると、

お早う。」とはっきり言いました。みんなはいっしょにそっちをふり向きましたが、一人も返事をしたものがありませんでした。

 それは返事をしないのではなくて、みんなは先生はいつでも「お早うございます。」というように習っていたのですが、お互いに「お早う。」なんて言ったことがなかったのに三郎にそう言われても、一郎や嘉助はあんまりにわかで、また勢いがいいのでとうとう臆おくしてしまって一郎も嘉助も口の中でお早うというかわりに、もにゃもにゃっと言ってしまったのでした。

 ところが三郎のほうはべつだんそれを苦にするふうもなく、二三歩また前へ進むとじっと立って、そのまっ黒な目でぐるっと運動場じゅうを見まわしました。そしてしばらくだれか遊ぶ相手がないかさがしているようでした。けれどもみんなきょろきょろ三郎のほうはみていても、やはり忙しそうに棒かくしをしたり三郎のほうへ行くものがありませんでした。三郎はちょっと具合が悪いようにそこにつっ立っていましたが、また運動場をもう一度見まわしました。

 それからぜんたいこの運動場は何間なんげんあるかというように、正門から玄関まで大またに歩数を数えながら歩きはじめました。一郎は急いで鉄棒をはねおりて嘉助とならんで、息をこらしてそれを見ていました。

 そのうち三郎は向こうの玄関の前まで行ってしまうと、こっちへ向いてしばらく暗算をするように少し首をまげて立っていました。

 みんなはやはりきろきろそっちを見ています。三郎は少し困ったように両手をうしろへ組むと向こう側の土手のほうへ職員室の前を通って歩きだしました。

 その時風がざあっと吹いて来て土手の草はざわざわ波になり、運動場のまん中でさあっと塵ちりがあがり、それが玄関の前まで行くと、きりきりとまわって小さなつむじ風になって、黄いろな塵は瓶びんをさかさまにしたような形になって屋根より高くのぼりました。

 すると嘉助が突然高く言いました。

「そうだ。やっぱりあい又三郎だぞ。あいづ何かするときっと風吹いてくるぞ。」

「うん。」一郎はどうだかわからないと思いながらもだまってそっちを見ていました。三郎はそんなことにはかまわず土手のほうへやはりすたすた歩いて行きます

 そのとき先生がいつものように呼び子をもって玄関を出て来たのです。

お早うございます。」小さな子どもらはみんな集まりました。

お早う。」先生はちらっと運動場を見まわしてから、「ではならんで。」と言いながらビルルッと笛を吹きました。

 みんなは集まってきてきのうのとおりきちんとならびました。三郎もきのう言われた所へちゃんと立っています

 先生はお日さまがまっ正面なのですこしまぶしそうにしながら号令をだんだんかけて、とうとうみんなは昇降口から教室はいりました。そして礼がすむと先生は、

「ではみなさんきょうから勉強をはじめましょう。みなさんはちゃんとお道具をもってきましたね。では一年生(と二年生)の人はお習字のお手本と硯すずりと紙を出して、二年生と四年生の人は算術帳と雑記帳と鉛筆を出して、五年生と六年生の人は国語の本を出してください。」

 さあするとあっちでもこっちでも大さわぎがはじまりました。中にも三郎のすぐ横の四年生の机の佐太郎が、いきなり手をのばして二年生のかよの鉛筆ひらりととってしまったのです。かよは佐太郎の妹でした。するとかよは、

「うわあ、兄あいな、木ペン取とてわかんないな。」と言いながら取り返そうとしますと佐太郎が、

「わあ、こいつおれのだなあ。」と言いながら鉛筆をふところの中へ入れて、あとはシナ人がおじぎするときのように両手を袖そでへ入れて、机へぴったり胸をくっつけました。するとかよは立って来て、

「兄あいな、兄なの木ペンはきのう小屋でなくしてしまったけなあ。よこせったら。」と言いながら一生けん命とり返そうとしましたが、どうしてももう佐太郎は机にくっついた大きな蟹かに化石みたいになっているので、とうとうかよは立ったまま口を大きくまげて泣きだしそうになりました。

 すると三郎は国語の本をちゃんと机にのせて困ったようにしてこれを見ていましたが、かよがとうとうぼろぼろ涙をこぼしたのを見ると、だまって右手に持っていた半分ばかりになった鉛筆を佐太郎の目の前の机に置きました。

 すると佐太郎はにわかに元気になって、むっくり起き上がりました。そして、

「くれる?」と三郎にききました。三郎はちょっとまごついたようでしたが覚悟したように、「うん。」と言いました。すると佐太郎はいきなりわらい出してふところの鉛筆をかよの小さな赤い手に持たせました。

 先生は向こうで一年の子の硯すずりに水をついでやったりしていましたし、嘉助は三郎の前ですから知りませんでしたが、一郎はこれをいちばんしろちゃんと見ていました。そしてまるでなんと言ったらいいかからない、変な気持ちがして歯をきりきり言わせました。

「では二年生のひとはお休みの前にならった引き算をもう一ぺん習ってみましょう。これを勘定してごらんなさい。」先生は黒板に25-12=の数式と書きました。二年生のこどもらはみんな一生

2021-01-14

anond:20210114175518

普通に両刃ステンレス包丁(V金10とか粉末鋼のやつ)研いでるけどな…。上手いかどうかはともかく。

砥石によって研ぎやすさが全然違うのはある。微妙砥石だと確かに全然砥げない。

青紙綱の出刃とかも持ってるけど、ちゃんと水分拭き取って乾燥したとこにしまっとけばそうそう錆びないなという印象。ただ包丁初めて買う人には全くお勧めしない。

100均包丁使い続けて15年

100均包丁使い続けて15年、切れない包丁のおかげで指を切り落とすことなく生き抜いてるやで

砥石さえもってれば名刀のごとく遂げるやがワイは切れない包丁を愛してるやで

2021-01-13

anond:20210113112833

まあ、青紙鋼の柳刃は買ったよね…。三徳でやるのはやめた方がいい。せめて21cm以上の牛刀が欲しい(それなら他の用途にも使えるしね)。あとは研究練習トータルでプロに勝てるとかいう話じゃなくてあくまネタクオリティの話をしただけだし。そういう意味でも包丁はある程度いいのを使うべき。鋼の包丁が面倒ならミソノのUX10というシリーズがいいらしいよ。使ったことないけど。

あといずれにしても砥石ちゃんとしたもの必要(シャプトンの有名なやつでいいと思う。俺は1500と5000を持ってる。荒砥もあるけどあんま使わない。番手が高い砥石結構目詰まりするから面直しを兼ねてダイヤモンド砥石も欲しいところだけど、その辺は感覚が分かってからでいいだろう)。間違ってもシャープナーは使わないように。

2020-12-31

anond:20201230212728

刃渡り長めの包丁がある方がいいね。柳刃とまではいかないにしても、21cmか24cmの牛刀あたりがあるとよい。あとやっぱりそれなりにちゃんと研いだ方がいい。溝に擦り付けるタイプシャープナーはよくなくて、1000番と5000番くらいの砥石があるといい。

2020-11-30

鉄人間の鉄人

19世紀現代にも増して鉄の時代だと言われたね

みんなできたての鉄道で鉄筋社屋の会社に出勤し、鉄製の機械を使って仕事をし、鉄食品を食って鉄退勤

家に帰ったら鉄ソファーでくつろいで、鉄風呂に入る 鉄ベッドが一日の疲れをほぐしてくれる

通り魔家族を殺されて、鉄憎悪燃え上がる

ナイフを鉄砥石で研いで、鉄復讐が始まるって寸法

鉄格闘術を修めた鉄殺人鬼との鉄デスマッチを制し、鉄心臓に鉄刺突

無事復讐を終えた鉄人間は、鉄格子刑務所に送られる

そして鉄砲で鉄殺され一生を終えるってわけさ

だいたいあってた。だが「収めた」だけは「修めた」に変えさせてもらった

anond:20201129232152

2020-11-29

電気人間電気人生

22世紀現代にも増して電気時代

みんな電気自動車で電気会社に出勤し、電気機械を使って仕事をし、電気食品を食って電気退勤

家に帰ったら電気ソファーでくつろいで、電気風呂に入る 電気ベッドが一日の疲れをほぐしてくれる

電気通り魔家族を殺されて、電気憎悪燃え上がる

電気ナイフ電気砥石で研いで、電気復讐が始まるって寸法

電気格闘術を収めた電気殺人鬼との電気デスマッチを制し、電気心臓電気刺突

無事復讐を終えた電気人間は、電気刑務所に送られる

そして電気椅子で一生を終えるってわけさ

2020-11-10

anond:20201109170026

くらいかな。それっぽいのでやってるの。蕎麦は興味がないな。労力に対して得られる美味さの幅が小さそうじゃない?あれ。あと燻製もやらないな。興味はあるけど匂いがどうしても厳しそう。

あとおっさん料理するっていうと脊髄反射で「どうせ片付けは人任せなんだろ」って言ってくるアホがいるのが不愉快だ。理想料理完成と同時に片付けが終わってることだし、ガスレンジは毎回掃除するくらいの勢い。

2020-07-16

100円包丁

15年前に、100円均一で購入した包丁を今でも使っている。

他の包丁も買っていて、それらも勿論使っているのだが、メインで使うのは相変わらず100円均一包丁

ちょっとした物から大物まで何でもこいつと一緒にやってきた。

砥石で研いでるから、切れ味は今でも落ちていない。

物持ちが良い方ではあるが、今の所15年選手はこの包丁冷蔵庫くらいだ。

どこまで持つか分からないが、長く使っていきたい。

2020-07-06

anond:20200706081008

傷害事件で ナイフといわれる金属でできていて 砥石といわれるシャープナーで鋼といわれる 鉄を鍛造したタモのをといで研磨して鋭く営利にしたもので あいてのお腹など弱い部分を

さきほどからいっている鋼でできているナイフとよばれる金属で、人間お腹などを、性器と呼ばれる部分ではない、おへそなどは確かに体内にもつながっているあなもあるお腹といわれる文をぶっさして、地が出る刺殺事件

こんだけいっときエロ勘違いはしないと思うが、

そういうものをおこしかねないいきおいで事件を起こして

ころすきでやれ をどうやったらコロ好きに聞き間違えられるのかはわからないが、ここまで、やりゃいいだろう。

こういう条件下でころすきでやれといわれりゃ相手は刺殺事件だと思うが、おもわないのおまえ で、こういうふうに言うと あ、わかった というやつもいるが もっとかんたんだろ

2020-06-26

ご飯を一緒に食べたり、映画を一緒に見たり

たまには本気で殴り合ったりする

息子に友だちがいるとは思えませんが、その人物もしかして友達ですか?ただのイジメでしょうか?

土間を土足OKにするべきか?そろそろ言ったほうがいいかなーっていう

盾はなくてもいいとおもうのですが、やはり砥石普段のお礼に贈るべきでしょうか?

殴り合う時のマスクを黒く塗ってもわかるよ・・・

自称深窓の令嬢さんが最近いらしていないみたいだから心配しています

2020-04-30

anond:20200430112858

そんなもんどうするある

100均カッター

そのへんにある砥石でいいんだよ もともと研ぐ必要なんかない

100きんのカッターってのははな使い捨てなんだよ しってたか

2020-02-17

家事もっと自動化したい

  1. 冷蔵庫の中身と賞味期限確認して、食材検索窓に入力してレシピを探すのが面倒くさい。自動で入ってる食材からレシピをドアに表示して欲しい。
  2. 冷蔵庫の中の食材賞味期限ソート表示して欲しい。
  3. 電子レンジ調理できるものは、自動冷蔵庫から取り出され、バーコード電子レンジが読み取って加熱時間がセットされて、調理終わってから人を呼んで欲しい。
  4. 風呂掃除できるルンバが欲しい。
  5. ゴミ箱の上にカメラがついて、分類名を指定して欲しい。
  6. フードプロセッサーは洗い終わるところまで自動化して欲しい。食洗機機能付きフードプロセッサーが欲しい。
  7. フードプロセッサー最初に大雑把に包丁で切るのは辞めたい。
  8. 野菜えぐみは、味の素のような粉を入れたら取れるようになって欲しい。
  9. コーヒーメーカーの、絞った豆の処理まで自動化して欲しい。
  10. 食洗機砥石ついて、ついでに包丁を研いで欲しい。
  11. 色物分別しないで洗濯機に放り込んでも大丈夫になって欲しい。
  12. 揚げ物の油処理、もう少しなんとかならないか
  13. 揚げ物をする鍋が色々こびりついていくのなんとかしたい。

2020-02-09

https://anond.hatelabo.jp/20200208092447

包丁研ぎとは話がズレるが、外国人のほうが趣味人口として多いらしいが、髭剃りという趣味がある。

砥石で剃刀を研いで髭を剃る。それだけ。

包丁に比べると剃刀の形はシンプルだ。

アールほとんど無く、要するにただ薄い鉄の板と言っていい。

剃刀の『面』と砥石の『面』をすり合わせて、究極の平面を目指す。

剃刀の裏の『面』と表の『面』が完全に一致すると、合わさったところに究極に細く真っ直ぐな『線』つまり刃が出来る。

そして、髭を剃る。

淀みなく精密な作業を通じて、砥石の手入れを通じて、心を落ち着かせる趣味と言っていい。

髭を剃るという行為儀式の一部で、目的ではない。

あえていうと座禅に近い。

また少し脇道に逸れるが砥石沼というのは恐ろしい。

天然砥石というのは採掘するものなので、質がいいもので無傷で大きいとなると値段が跳ね上がる。

高いものだと一千万円を超えてしまう。

ただの石ころが宝石より高いことが理解されないことが多いが、ルビーダイヤ価値があるのは、ルビーダイヤ採掘量より欲しがる人が多いからであって、砥石が高いのも同じ理屈しかない。

砥石マニアから言わせると、砥石は美しいだけじゃなく実用性もあると反論される。

髭剃り沼から砥石沼、包丁研ぎから砥石沼、鉋がけから砥石沼といった感じで砥石沼への入り口はそこら中にあるのだが、髭剃りだけに限定すると、砥石にハマってもそう高い出費はない。

包丁や鉋に比べると、小さな砥石でいいからだ。

さなカケラでよければ、質が最高級の砥石でも百万円することはまずない。

10万円も出せば一生物の相当な砥石を手に入れられる。

砥石の質は日本産他国産追随を許さないので、外国人砥石を買い漁って国外流出していて、それが悔しい。

10万円の砥石と2万円の剃刀で一生楽しめる。

安上がりないい趣味なんだけどなあ。

趣味包丁も研ぐ。

剃刀用の砥石は小さいし、歪めたくないか包丁には使ってない。

ぜひぜひ包丁研ぎから髭剃り沼へ。

2020-02-08

anond:20200208092447

ロールシャープナーは慣れた人でもどうしても刃が波々になるよ

砥石使うか、郵送でも研いでくれる刃物屋さんに任せるのがいいんじゃないかな

あとは安い包丁使い捨てるか

anond:20200208092447

とにかくいい包丁買う。最低でも定価で1万円超えとかそういうの

下手すれば数十年とか使う物なので、そこはケチらない

あとは京セラシャープナーみたいなやつ買って たまに研ぐ

それだけ

元々切れない包丁に同じシャープナーや砥石かけても

そこまで切れるようにはならなかったので、元がよくないと駄目みたいだよ

anond:20200208092447

100均一で砥石買ってきて研いでるよ。トマトスパっと切れるといい感じ。

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