はてなキーワード: セロテープとは
冬物でクリーニングに出すものを探している最中にふと、奥のほうにつるされていたネクタイに気づいて、どうせならと一緒にクリーニング店に持って行った。
お店の人に、しみがありますがいいですかと聞かれて初めて汚れていることに気づいた。
よほど私の目が悪かったのか、真っ白なお店の光に、ネクタイの紫色の柄ににじむしみはよく見えた。
セロテープでしみをぺたぺたお店の人が張っていくと、自分が気づいていなかった箇所も含めて5箇所に...
困ったような顔をして、おずおずとお店の人が見積もりのレシートを差し出すと3人の博士が旅立つことがわかった。
感触からお店の人もわかったのだろうが、このネクタイはシルクでもないしウールでもない安物の合成繊維、つまりノーブランドだ。
以前、ケチャップが飛んだPaul Smithのネクタイをクリーニングに出したときは迷いなく、2千円近く出したが、彼を手に入れたときを考えると気持ち上、問題なかった。
しかし、このネクタイはクリーニング代で少なくとも2枚は買えそうで、お店の人の申し訳なさそうな雰囲気はよくわかったので、じゃあ、これは持ち帰りますとさっと流すことにした。
その他の衣装を出したり、受け取ったりして用事を済ませて、帰宅後、持ち帰ったネクタイを捨てようとしたところで、これが母からのもらい物だということが解った。
大昔、就活を始めた頃に、父から間に合わせで借りるつもりで締めた私のネクタイの柄がだらしなくベルトの下まで伸びていることに気づいた母が、
「あの人は特別(大きい人)だから、自分のものを揃えなさい」とネクタイをプレゼントしてくれた二組のうちの一つがそれだった。
今思えば化繊特有の触感に、ネクタイらしいネクタイを締められたことに興奮していた自分は「すべすべする」と胸元からネクタイピンまでを撫で付けて悦に入っていたが、
「一枚ワンコインで購入したのよ、買い物うまいでしょう」とあの人はドヤ顔でぶち壊したことを今起きたようにありありと思い出した。そのときに感じた無償に腹立たしい気持ちも。
結局、就活を通して活躍したネクタイは、新卒で入ったネクタイを必要としない会社と、その次の必要とする会社とと転々とするうちにその存在を忘れられてしまったらしい。
私はもう一度クリーニング店に行くために思い腰を上げることにした。
ここらへんでおれもMacの昔話を書いてみよう。
おれが最初にMacintoshに触ったのは、91年の4月だった。配属された研究室にMacintosh IIsiがあったのだ。OSは、漢字talk6.0.7.1だったように思う。
このころのソフトウェアに対するユーザーの意識はひどいもので、不法コピーがあたりまえだった。今だから、そして、おそらくどの研究室なのかばれないと思うから書くが、使用するソフトはすべて出所の怪しいものだった。
エクセル、マックライトII (Iを使っていたという話を聞いたことがない。マイナーだったのだろうか)、マックドロー、クリケットグラフ。コピーでなかったのはテキストエディタと端末ソフトだけだったのではないか。
その使い勝手はとにかくすばらしかった。マックライトIIの威力は、学会の要旨(一段組と二段組が混在すると当時の一太郎ではプレビューしないとま出来栄えがわからなかった。WYSIWYGという概念がなかったのだ)を書くときに思い知った。
それに貼る図は、クリケットグラフで書き、マックドローで修整してから貼り付けていた。これがほんの一年前には、一太郎で書いた要旨に手書きの図を貼り付けていたという。物理的にセロテープで貼っていたのである。
…だが、それでどのくらい時間の短縮になったかというと、実はかなり微妙だった。そう、爆弾マークが出るからである。
当時は何をやっても爆弾マークが出た。日本語入力と英語を切り替えても出たし、ソフトを切り替えるときも出た。放置しているだけでも出た。ひどい時は、セーブしようとしたら出たときもあった。いったいどうしろというのか。
使い始めてすぐ、漢字Talk7が発表になった。なんだかもっさりして、爆弾が出る比率もそんなに替わらない印象があったが、漢字Talk7.1に糸井重里がつけた愛称「おにぎり」はあまりにださすぎるので今でも忘れられない。そんな名前で呼んでるやつ一人も見たことないよ。
それとほぼ時期を同じくしてMacintosh classicやLCが販売されるようになった。classicは1000ドルパソコンといわれ、貧乏学生のおれも思わず買ってしまおうかと錯乱するほどの魅力的な商品だった。もっとも日本では二十万円台後半だったように記憶している。
LC系やclassicは順当に性能向上を繰り返していたが、ハイエンドはひどいもので、92年にはCDーROMを搭載したMacintosh IIviというモデルを発表しているが、これはなんとMac IIciよりCPUのクロック数が低く、CDーROM(当時はまだ使い道がなかった)を搭載したため無駄に馬鹿でかく、もちろん定価もすごく高いというしろものだった。
「これを買うくらいならLC系を買うよねー」という人がおおかったのかMacintosh IIviは売れなかったので、数か月して価格が改定されたらしい。らしい、というのはそのころパワーマックの噂が出始めて、68系のハイエンドマシンへの需要はかなり減少していたのでおれの記憶もあやふやなのである。
そして94年になると、いよいよパワーマックが発売されるのだが、これがまた遅い、高い、馬鹿でかいという端にも棒にもかからない代物であった。
その他にもレーザーライターNTX-Jがなんと定価120万円で発売されていたり、フォント関係のライセンスのひどさはちょっと混沌としていすぎていた。
まあ、色々と書きたいことはあるのだがおれはおじさんであるのでここらへんが体力の限界だ。
誰か有志がおれのあとを継いでアップルのこっちの足元を見たぼったくり体制を批判してくれ。
それではおやすみなさい。
このエントリは、ニコニコ動画で大変な人気ジャンルであるゲーム実況を実際にやってみて思ったことや、
自分の実況プレイ動画と他の人の実況プレイ動画を見比べてみて思ったことを元にまとめたエントリです。
「ゲーム実況の是非」などの議論が目的ではなく、いざするとなったら何をするべきか、
何をしないべきか気づいたことをざっとまとめただけのものであり、私が気づいていないだけで
もっと極意のようなものがあったりするのかもしれませんが、「すぐに出来る」ことをまとめてみました。
こういうエントリを書くにあたってやれ売名だのやれお前程度が言うなという内容と関係ない部分にだけ
言及されるていくのをを防ぐ目的ですので、どうかご了承ください。
以下のまとめは
・実況プレイ歴:友人に誘われて一緒にプレイした動画数本程度+マインクラフト実況動画
・メインはマインクラフト実況動画、最初は100再生以下から現在の再生数は平均して5000程度
程度の動画を投稿してきて気づいたことに基づいており、半分は私的な覚書です。
(とにかく、「4桁の人に見てもらう」のが目標だとお考えください。それ以下が底辺だとかそういう話ではありません)
「再生数を伸ばすコツ」について言及すると「再生数目当ては邪悪、不純」というような意見が必ず出ますが、
やる以上多くの人に見てもらってコメントしてもらった方が面白いのは当然のことだと思います。
ここをごまかして「再生数別に伸びなくていいし・・・」と腐っているよりかは、投稿動画が何にせよ
再生数をガツガツ稼ぐ目標を持ったほうが動画を制作するモチベーションも保ちやすいとおもいますし、
こうした情報を交換し合うことははるかに有益だと思いましたので今回このエントリを書かせて頂きました。
ただゲームをプレイするだけの実況動画は数えきれないほど多くの人がアップロードしています。
それこそ発売日に真っ先に動画をアップロードするような速度でもなければまず先を越されていると考えた方が良いでしょう。
例えば先発の誰かが「(ゲーム名) 実況プレイ」というような動画をアップロードしていた場合、
自分のネームバリューや固定ファンが居なければ先発の誰かを追い越すのは非常に難しくなります。
基本的には先行性=パワーです。
ここででてくるのが、実況内容に個性をもたせることです。
例えば、仲の良い友人どうしで普段実況プレイをしているならばそこをウリに持ってくる、
あるいは一人ならばゲームプレイ部分に変化を持ってきて最高難易度をプレイする、または特定のキャラのみでクリア、
装備を縛ってクリアを目標にするなど、とにかく「他の動画との違い」は大きなアドバンテージになります。
上述した、私も実況プレイ動画をうpしているマインクラフトなどでは特に目標の無いプレイ動画は溢れかえっていますし、
「街を作る」という目標での実況プレイ動画も全て目を通すことが困難な程に存在しています。
ここで今から同じような実況動画をうpしても見てもらえるかどうかはなかなか怪しいですので、
こうした大体同じ事をするゲームであってもプレイ目標で大きく差別化を図っていくといいでしょう。
余談になりますが、ことマインクラフト動画においては「街を作る!」と言って普通にサバイバルでプレイを開始し、
資材を集める動画を数パート、建物を一つ二つ作って頓挫というパターンが非常に多く
これに対する期待値は相当に低く見積もったほうがよさそうです。
また、序盤の準備期間などは皆同じ流れになりますので、ザクッと大胆にカットしたりクリエイティブを使う、
ある程度街の概形ができてから動画を投稿するなどの手段を講じたほうが見てもらいやすくなるように感じます。
(ここでは例としてマインクラフトを出しましたが、他のゲームでも同様にぐだぐだと「普通の」プレイは良くないですね)
動画のタイトルを読んだ時に、短く簡潔で、ひと目でそれとわかるタイトルが理想です。
「(ゲーム名)実況プレイ」などは同じようなものが無数にありますので良くないネーミングと言えるでしょう。
ここで有効なのがうえにある「企画をきちんと練る」であり、企画が存在していればそのまま動画の
タイトルに持ってくることもできますし、きちんとしたタイトルを決められるようになります。
凝ったタイトルをつけてみるのもいいかもしれませんが、できるだけサムネとタイトルの組み合わせで
どのような動画かをわかるようにしてみた方がいいかと思います。
また、タイトルには絶対にネガティブ・ワードは使わない方が良いです。
動画のタイトルで予防線を張って言い訳しても仕方がありませんし、タイトルだけでクリックを躊躇させます。
後ろ向きに言い訳全開のタイトルをつけて動画のつまらなさをアピールしてはいけません。
例えばですが、お店に並んでいるパンで「おいしくないパン」と書いてあったら手に取りませんよね?
ここでいうネガティブ・ワードは「ぐだぐだ(gdgd)」などのド直球の他に、
「平凡」「普通」などの他の多くの動画と同じであることを過剰アピールするようなものも含みます。
※「初心者」「へたれ」というワードもこれに近いのですが、トライ&エラーを上手く料理出来る場合に限り
試行錯誤を楽しんでもらうという目的で使うことができますので、場合によります。
サムネイル設定もただ適当に動画の中から生成したものではなく、インパクトを与える物を設定しましょう。
絵を描いたり、何かめぼしい素材がある場合はそのイラストなどを動画に挿入しておき、そこをサムネにすると良いです。
(ニコニコ静画にあるイラストはフリー素材と思って使えとか言ってるんじゃないですよ!)
別にイケボじゃなくても、かわいい声じゃなくてもそれなりに聞いてもらえる方法として一番重要なのが、「喋り方」です。
喋り方と言われても、ピンと来ないかもしれませんが、以下の2つを想像してみてください。
A「あー・・・木を切ります・・・この原木を切るのにね・・・えー・・・MODを・・・」
B「はい、木を切っていきます!原木切るのにMODを入れてありますが・・・」
ちょっとあまりにも作為的誇張が過ぎますが、明らかにBの方がテンポの良い喋り方に聞こえるかと思います。
一人実況でかなりやってしまいがちなのですが、「あー」とか「うー」とか「えー」とかが多く、
しゃべっている内容もボソボソとして聞き取りづらい、話のヤマもオチもどこかわからないということがよくあります。
(実際、私がはじめの頃に投稿した動画でもコレがひどく聞けたものではないです)
・多少無理してでもテンションを上げる
・これから何をするかを明確にする
・声を張る
これらを可能な限りやってみると、多少は聞き取りやすくなり、見ている人にも伝わりやすくコメントしてもらえます。
実を言うと私も声にコンプレックスがかなりあり、あまり大きな声を出すのが得意ではなくついボソボソと
話す癖がついてしまっていたのですが、実況動画収録中には別の人格がしゃべっているとでも思って
とにかく自信を持って、聞き取りやすいように喋ると話しやすくなります。
声を張って収録ができない場合は、カラオケボックスなどのいくらでも声を張って良い環境にノートPCごと持ち込んで収録したりする手もあります。
また、「何を話していいかわからなくてついあーとかうーとか言ってしまう」という場合は、
事前に実況動画中である程度「何を話していくか」というプロットをメモ書きしてから収録するといいです。
こうしたメモ書きを容易することが実況動画概念に反するというご意見もあるかもしれませんが、
「実況動画中に適当に話せる」人は頭の中でこの組立ができているというだけなので
「あー」「うー」は大体どこのゲームでもゾンビくんのセリフですので、自分が言う必要はありません!
気をつけてはきはきしゃべるようにするだけで、かなり聴きやすくなります。
実況動画を見ていて気になる要素として多いのが、声をマイクで録音する際に入ってしまっているノイズ。
しゃべっている間もそうでない間もずっと「ジー・・・」「ザー・・・」というような低いノイズ音がかなりの音量で
しゃべっている方は気にならないかもしれませんが、この音がずっと入っていると不必要に
視聴者の耳を疲れさせてしまう他、よりボソボソした喋りに聞こえてしまってダブルパンチになってしまいます。
これはある程度はマイクで録音したときに絶対に入ってしまうものです。
後から除去することもできますが、2で挙げたように「ぼそぼそ、小声で」しゃべっていると
除去が非常に難しくなりますので、できるだけ声を張ってはきはきとしゃべるようにしたほうがここでもお得です。
一応、マイクノイズはフィルターをかけることで除去してくれるソフトもありますが、これにより
声の成分もカットされ、なんだか聞きづらい声になってしまうこともありますので、最終手段と考えてください。
まずは、
・サウンドカードを使う
などの手段により大幅に軽減できます。
マイクはそれほど高級品である必要はありませんが、マイクと口の距離は遠すぎず近すぎずの推奨距離を保ちましょう。
遠すぎると室内のノイズを拾い、上のような音が入る他、近すぎても声の感じが変わってしまったり、
やや大きな声を出したときに割れてしまったりしますので加減が必要です。
ヘッドセットタイプのマイクを使用する場合は、マイクを口の前に持ってこないことも重要です。
(デフォルトでこの位置に来る製品が非常に多く設計からしておかしいという場合があるのですが・・・)
口の前に持ってくると、息(鼻息)でグオーッという音が入っていて恥ずかしかったり、
リップノイズなどが入って聞きづらくなってしまいます。口の前ではなく、頬の横ぐらいの位置に
マイク部が来るようにしておくとこれらのノイズを拾いにくくなります。
また、ウインドスクリーン(スポンジなどでできた丸いやつ)をマイクの先端部につけることでも
こうしたノイズを軽減してくれます。ついていない場合はティッシュを丸めてセロテープで止めたり、
ストッキングの切れ端などを巻き付けることでも効果があります。
ノイズ源になるPCのクーラーファン(本体)やエアコン、扇風機などを
出来るだけ離す、停止させるなどしてノイズ源を減らすのも意外と有効です。
サウンドカード(USBタイプのものが3000円程から買えます)は特に劇的な効果がありますので、
もしお金に余裕がある場合は使ってみると音質を驚くほど改善することができます。
Aviutlは基本編集習得までに少し時間はかかりますが、無料で使えるうえに大変に多機能で
多くの編集が可能になっていますので、是非使っていきたいところです。
編集に慣れたら拡張編集などを使ってスマートな演出もサポートしてくれますので、
単純な動画を切り貼りする作業から、ワイプ画面を入れる、早送り&カット、
拡大などの演出や文字入れなどもできますのでAviutlを覚えれば間違い無く
「ただ録画した動画を垂れ流している」実況動画とはワンランク変違って見えるでしょう。
「でもツールの使い方を勉強するのとかめんどくさいし・・・」と思うかもしれませんが、
自分でさえも作るのを面倒臭がっている動画を人に見せても楽しんでもらえるかどうか一度考えたほうが良いでしょう。
(ちなみに拡張編集を使えばMADのような動画を作れたり、凝った映像表現もできますが
それについてはここでは触れません。)
編集を終えたら、必ず一度「等速で通しで見る」確認をするのが重要です。
音のバランスや冗長な部分が無いか、見ていて退屈な部分はないかなどを客観的に見ていくことが重要です。
一番確実な手段としては「時間を置く」ことで、一晩寝た後に見なおしてみると
また、身バレしても問題ない兄弟姉妹や友達などがいればこの時点で動画を見てもらって
エンコードやアップロード時のコツなどについてはここで書いていると別のエントリが
一つできてしまいますので、これも残念ながらここでは触れません。
あまりにもどちらか片方が大きいor小さいと聞きづらくなるので、
一度自分で聞いてみて判断してください・・・というと簡単に聞こえますが環境差が大きいです。
今のところ「ちょうどいい」と言われた音量の目安としては、windows標準の音量調整ボタンを眺めてみて
「グレーのバーが大きな音が出た時に振り切らない」程度がちょうどいいみたいです。
あまり音が大きすぎると音割れを起こしてしまいますので、少し余裕を持たせておくといいでしょう。
また、BGMが基本的に入っていないゲームでBGMを選曲する場合は自分で当てることになりますが
このBGMの音量もきちんと声やゲームの音声と一度合わせてみて調整しましょう。
これも、後から通して見なおせば一発でわかることです。
明らかにバランスがおかしい動画を投稿していると、「あ、こいつ適当にやってるな」と思われてしまいます!
BGMを自分でチョイスする場合に重要なのが、「あまり趣味に走り過ぎない」ことです。
以前とある動画で槍玉に上がって議論を呼んだのは「ボカロ曲」や「東方アレンジ」なんかでしたが、
コレにかぎらず過剰に趣味に走ったBGMを状況に関係なく流すのが演出としてあまりよくありません。
極端な例になりますが、私はデスメタルが好きなので常時デスメタルを流します!というふうに決定し、
アイテムを採取しながらデスメタルが爆音で流れていたりしたら違和感しかないのはご理解いただけるでしょう。
同じくデスメタルが好きでしょうがない人は「ああ、この曲良いよな!」となるかもしれませんが、
そうでない人たちからするとこれは全く理解不能の状況です。
そして、そうでない人の方が多いと想定しておきましょう。
例えば同じ場所を歩いている映像でもほのぼのBGMを流すのと壮大なBGMを流す、あるいは緊迫したBGMを流すので
全く違う目的で歩いているように見えるようなこともあるという程にBGMには空気を支配する力があります。
このBGMを例えば好きなジャンルの曲だけで固めていると、常に同じ空気に見えてしまい、展開に緩急がつけづらくなります。
自分が好きだから垂れ流す、ではなく、ある程度はその中でもTPOにあった曲をチョイスしていくことが重要です。
とにかくじゃんじゃん引き出しを増やしていきましょう。
私も最初これをやっていてはっきりとコメントで「長い」と言われてしまいましたが、
「1分を超えるOP映像」はまず本当に必要なのかしっかりと考えるべきです。
アニメのOPは40秒~100秒程度のものが多いですが、これはあくまで30分アニメのOPです。
自分の動画は何分あるでしょうか?10分のうち1分がOPで実に内容の1/10をOPに割いてしまっていないでしょうか?
そしてそのOPは適当にゲーム内で撮影した映像を切り貼りして曲に載せただけではないでしょうか?
どうしてもOPを作りたいという気持ちは分かります、大いにわかります。
ですが、1分以上の映像は間違いなく長いです。サビ部分などだけを編集して抜き出してきて、
10秒~30秒程度で終るOP映像を作ったほうが「OPで飽きる」人を減らすことができます。
更に必要かどうかよく考えないといけないのは、無音で画面に注意書きが出てからOPで結局
本編が始まるまで2分オーバー・・・なんてパターンです。そもそも、その注意書きは必要ですか?
別のスペースが必要な注意書きなのですか?OP中に表示してはいけないのですか?よく考えたいところです。
動画はゲーム機ではりませんから起動ロゴめいたものとかいちいちいらないと思います。
ひたすら同じ作業をしている最中や移動中などは基本的にどんどんカットして構わないでしょう。
新しいマップを探検しに行くときなどはもちろんこれがメインですが、例えば街Aから街Bまで行くのを
毎回フルタイムで見せるよりは、街Aを出たところで「街Bまでカット」とはっきり言って、
街Bについたところから映像を再開したほうが「動画としては」スムーズです。
個人的に他の方の実況プレイ動画を見ていてこれはいい、パクろうと思った手法としては
・移動中にフルボイスの会話イベントの録画をワイプで流し、なぜ今移動しているかを聴かせる
・移動中や採取中などの作業中にコメント返しなどを行う
があります。
早送りはひたすら反復作業をしているところを写して若干の面白さを見せると良いですが、
主観視点のゲームでは、早送りをすると見ている人が酔ってしまうおそれもありますのでカットと使い分けます。
例えばマインクラフトでは視点の動きが少ない整地などは早送りで、視点の動きが激しい建築などはカットが適切です。
木を切る作業も早送りがよく使われますが、そもそもここにあまり面白みがないのでこれも全カットでも構わないでしょう。
また、カットした後、小気味
深夜の乾いた道を窓から見てると、無性に徘徊したくなるんだけど、おばけとか変質者とかが怖いから家でぬくぬくしてる。
昔は怖れの比率が おばけ 9 : 変質者 1 くらいだったけど、時を経て変質者に出くわしたり住むとこも比較的物騒げなとこに移ったりして、おばけ 4 : 変質者 6 くらいになった。オ・ト・ナ。
ぱてしょん。
こっちにきてしばらく、三年くらいは、曇りの夜が多いなあって感覚を抱いてた。天気をしっかり確認する習慣が無かったから、三年曇り続きとおぼろおぼろな感じに脳が判断しても、別段違和感を感じなかった。夜に出歩く習慣も無かったから、出歩いてないほとんどの日は晴れてるんだろうと脳内補完してた。
ある晩、焼肉食べた帰りにはたと気付いたんだけど、晴れてんのな。雲が少し確認できたから、あの雲の向こう側が夜空だって類推できた。雲の向こうに薄黒い夜空。ベタ塗り夜空。ようやくかちっとなった。
「都会の夜空には星が無い」って話はかねてから散々あちこちで見聞きしてたんだけど、それと今ここにある空とをかちって連結させるのに三年かかった。星の無い空は曇り空って感覚と、昔よりさらに悪くなった視力と、積極的に何か同士をかちってさせる能力の衰えの三連コンボで、三年間ずっと夜の景色が曇ってた。さんさんさんさわやか寝太郎。(さわやか寝太郎。)
ぱてしょん。
空箱の山と散らばる小物に時々焦りを感じる。昔はもうちょっと箱と小物の連結を、うまいことかちっかちっとやってたつもりなんだけど。
使い切ったサランラップの芯を見ても、ストッキング買った時に中に入ってる厚いんだか薄いんだかよう分からんあの半端な紙を見ても、ときめかない。かちっとこない。昔あんなに欲していた優良素材を、迷った挙句にゴミ箱に捨てる。残念。
「子供ならではの発想」って話も再三見聞きしてた。それ自体をかちっとさせるのが今の自分には精一杯らしい。無念。
でも感覚が追いつかなくて、小物と空箱を意識すっ飛ばして増やしていく。パッケージにプラ版が入ってると、体が勝手に保存する。実はラップの芯も三本くらい家に現存する。いつかまたかちってなるかもしれない、なんて希望が、もしくは無意識が、幼い頃のゴーストが、包み紙のセロテープを慎重に剥がさせる。そして取って置かせる。傍から見たらごみっため。実際ごみっため。たまに捨てる。使わないのに後悔する。
ぱてしょん。
おばけはいる。少なくとももったいないおばけはいる。幼い頃のゴーストもいる。大人になって、それらが自分の脳を通過した場合に映像化されないことだけは分かった。映像に限らず、音声その他五感に通じるもの全般に現れないことが分かるともなく分かった。巷の「第六感」と照らし合わせてみたけど、かちっときそうでこない。オカルト性が、思ったよりものっそう薄い。
現実として、ファンタジーの力を借りずとも、おばけは存在可能だ。それが何故かも分かった。言葉に変換して説明できるほど脳みそ上等でもないし、言葉で説明もできないのに「おばけは実在するんです」なんて言い出したらオカルト扱いされて自分の中のおばけから遠ざかるから、言わないようにしてる。
きっと自分以外の誰かもそんな感じで、口には出さないけどおばけはいるって思ってるんだろうなって思ったら、根拠なしの空焚きにもかかわらず、心強くなった。
おばけが非科学的かどうかってのはあんまコアじゃなくて、比喩を挟むとおばけのしっぽ的なものがつかめたから、おばけの怖さが薄れたんだと思う。あと、変質者とか、目に見えるもの、五感に訴えるものを優先するような思考形態になったのも一枚かんでると思う。
自分の心の曇り空をしばらく信じ続けてた自分が、年を経て空を凝視したのとも関連しそうだと思ったけど、書いてる途中で寝そうだからそれは夢の中で考える。
ぱてしょん。
へーそうなんだと思って、目の前にあったメモ四つ折りにして、フィーリング任せにじょきんじょきんじょきんとはさみ入れて、ぺらぺら三角四兄弟作ってしばらく戯れてた。どうしても四面体にならなくて悩んでたんだけど、よく見たら一箇所鈍角だったばか。馬鹿にも程があるばか。四兄弟作り直したらちゃんと四面体になった。
証明ってどういうことやるのか、もうさっぱりすっぽり忘れちゃったけど、このセロテープで止めた合体兄弟にカッター入れて展開図にして、「ほらこの辺とこの辺長さおんなじでしょ、で、そうするとこことここおんなじで、余ったとこがうまいことこうなるから、ほーら四面体!」とかやることは可能だと思った。誰にもやらないしやれないけど。
とりあえずよく行く現場に入ってる他の派遣業者に引き取ってもらえることになった。スケジュール的には今までほど自由がきかなくなるけど、全く新しい派遣会社に登録しても、ただでさえ日雇い派遣の発注が減ってる現状、そうそう仕事が回ってくるとは思えないし。背に腹は代えられない。
日雇い派遣の現場は高齢化が進んでいる。若い子ほどパートタイム的に利用してるだけだったり、さっさと就職決めて去っていく。フルタイムで働いてるのは30代以上が多い。40~50代も普通にいる。あの人たちどうするんだろう。不思議と現場に危機感はない。「1か月の長い休みだあ」とか言って笑ってたけど、そんなに貯えあるとも思えないんだけどな。
最近フルキャストは2か月連続16日以上勤務すると、社会保険加入が義務付けられ月給制に移行するシステムを導入した。だけど、勤務日数を抑えて月給制回避って人が多い。なんでか聞いたら日払いじゃないと食ってけないからだって。あと、目の前の出費が増えるのがやだとか、今までごまかしてた税金過去にさかのぼって補足されたくないとか。一見労働者保護に見える制度が結果的に出勤日数を減らして収入減につながるという罠。複数の派遣会社に登録して自衛する人もいるけど、同じ派遣会社で働き続けるメリット手放すことになるし(内勤とコミュニケーション取れると優先的により適した仕事を回してもらいやすいとか、1か月何日以上出勤で特別手当とか)。
日雇い派遣廃止を見越して発注自体減って仕事にあぶれる事も多いし、ここ数ヶ月景気の悪い話ばっかりだ。
今回摘発された違反は1年以上前のもの。しかも(フルキャスト側の言い分を信じれば)事業停止期間中の契約に関する書類制作上のミスであって、フルキャストで働いてるワープアに不利益をもたらすものではない。いきなり1~2ヵ月失業状態に追い込まれた現場の人間からすればむしろ有難い話だったわけで。日雇い派遣禁止をアピールするための「国策捜査」みたいなもんじゃないのか。厚労省空気嫁。いくらなんでも無理筋すぎるだろ。
マスコミはずっと日雇い派遣で働いてる人はそんな就労形態望んでなくて、やむを得ずその環境に追い込まれたと報じ続けてきた。それがここ1週間ほど毎日日経等で「日雇い派遣を重宝していた人もいたのに・・・」的な報道が出始めてる。だったら最初からそう報道してくれよ。おかげで大手2トップは撤退、日雇い派遣自体一部例外を除いて違法化の流れは決定的じゃないか。その流れを加速させる報道をさんざんしておいて何を今更。
俺の周りで「日雇い派遣廃止すべき」なんて言ってる人見たことない。本業が別にある人、就活中の人、ただ流されてる人、色々だけど、「日雇い派遣っていう選択肢がなくなるのは迷惑」という点ではほぼ一致している。なのに、なにかある度に報道される現場の声は「日雇い派遣廃止歓迎」ばかり。廃止の是非そのものは議論の余地があるしそれはここでは措く。ただ、明らかに事実に反する「現場の声」が報道され続けてきたのはどういう事か。
個人的には自分が今日雇い派遣なのは国とか財界のせいではなくて自業自得だと思ってる。だから貧乏を誰かのせいにする気もない。ただ今の自分に最適な就労形態を気安く奪ってくれるなよって話。代わりの選択肢用意してくれるの?ほんとにワープア救済目的なの?秋葉原加藤の影響とか、日雇い派遣労働者の所得捕捉とかが本音じゃないのか(税金ごまかしたり失業保険もらいながらこっそり働いてるとかは結構ある)。 ピンハネ率上限設定と開示義務付けでいいじゃん。その辺不信感が強すぎる。「おまえらほっといたら将来生活保護受給者じゃん。就労形態選択する自由なんてないから。禁治産者扱いだから」って事ならそう言ってくれた方がスッキリする。とりあえず次の選挙自民党には入れない。日雇い派遣廃止の民主社民も無し。となると入れるところがない。
共産党支持の声は聞いたことないな。蟹工船って誰が読んでるんだろう。
昔フルキャストが登録スタッフの容姿をデーターベース化して問題になったけど、あれ、そんなに非難されるようなことかな。
この業界、想像を絶して薄汚いおっさんとかザラにいる。寝癖不精ヒゲで現れる、メガネのつるが折れててセロテープで補修してる、カッターシャツの下にフルキャストTシャツ(背中に社名が大書してある)着てるから文字が透けて見えてる、先方にタメ口etc。茶髪長髪禁止の現場とか、スーツ着て勤務時間中の1部上場企業のオフィスに入る仕事とかもあるんだから、そういう人を撥ねるのは業務上不可欠。この件を告発した労組の拠点になってた関連会社を閉鎖して労組潰ししたのは論外だけど、容姿データーベース化自体はそんなに問題か?
http://japan.cnet.com/blog/mugendai/2008/08/21/entry_27013091/
雨宮:フルキャストで働く人には登録カードをつくる必要があるんですが、なんとその登録カードがサラ金(フルキャストファイナンス)のカードにもなっている(笑)。これは果たして合法なのかと思ってしまうほど、恐ろしいシステムです。しかも、フルキャストで働くと、日払いの給与明細の裏にフルキャストファイナンスの広告が入っていて、「いつでもお気軽に」みたいなコピーが踊っている(笑)。なぜこういうのが野放しになっていて規制されないのか不思議です。
まず登録カードって俺は持ってないし存在自体初めて聞いたんだけど、今ぐぐったら2005年の秋から導入されたらしい。俺はそれ以前に登録したから支給されてないんだな。
んで日払いの給与明細の裏は白紙だ。広告なんて入ってない。ただ、管理票というのがあって、手帳サイズの2枚重ねの紙に労働者の名前や勤務日、勤務先、勤務時間、遅刻早退の有無や残業時間を書いて先方のサインをもらい、一枚は先方が保管、もう一枚は労働者が給料をもらう時提出するシステムになっている。その管理票の裏に「昔は」フルキャストファイナンスの広告が載ってた。でも今は載ってない。「作業内容は事前に聞いてたのと同じだったか」「指揮命令者は事前に聞いてた人と同じだったか」「危険と思われる仕事や派遣禁止業務と思われる業務はなかったか」「その他意見等あればお聞かせ下さい」というアンケート欄になってる。いつ変わったかは覚えてないけど、数ヶ月以上前なのは確か。少なくともこの本が出版された2008年7月時点ではもうなかったはず。対談が行われた時点では微妙だが。でもこの本読んだ人は今でもそのままだと思ってるだろう。少しずつだけど、改善はされていっている。
1年前の事業停止時に指摘された港湾・建設現場への労働者派遣。労働者保護の観点から許しがたい、的な報道が多かったけど。あれってヤクザ排除のための制度の名残りだよ。今は実質的意味はない。港湾での仕事なんて特別危険なわけじゃないし。
日雇い派遣をめぐる言説には、この手の正確とは言えない情報が散見される。「フルキャストに搾取されてる」はずの俺でさえ、首を傾げることがしばしばだ。
フルキャストは基本的にろくでもない会社だ。ピンハネしすぎだし。昔は労災とか知らんぷりだったし(最近は現場でケガしたら必ず申告しろって言われる)。いまだに業務停止や日雇い派遣撤退についてろくな説明もないし。
でも「中の人」(=内勤とか営業とか)は普通の人間だし、こっちが頑張って多少無茶な要求(夜11時に電話かかってきて明日朝6時集合の現場に行ってくれとか)に応えれば、向こうも閑散期に優先的に仕事まわしてくれるとか、体調悪い時は楽な現場まわしてくれるとか、それなりに配慮してくれる。もちろん使い勝手のいい人間をキープしておきたいって打算あってのことだろうけど、それはこっちも承知で選んでる働き方であって、お上に頭ごなしに潰されるのは気に食わない。問題は「普通の人」が「問題のあるシステム」に乗っかった時、結果的にえげつない対応をしてしまう事であって、それを防ぐためにシステムを設計しなおす事が必要。それをいきなりシステムごと破棄ってどういうことだ。そのシステムにしがみついて生きてる俺みたいな人間はどうなる。間違った前提で形作られた世論に煽られてベストでない結論が導かれ、結果俺がより一層生き辛くなるのはごめんだって話。
書いてるうちにフルキャスト擁護のマスコミ批判になっちゃったのが自分で意外なんだが。政府は遠すぎるし、マスコミ報道はピント外れが多いし、フルキャストは最近少しはまともになってきたかと思ったらフルボッコだし。不毛だ。つーわけでもしこれ読んでるマスコミの人がいたら、頼むから現場の声を「幅広く」拾ってくれ。同じ人ばっか取材してない?日テレによく出てるネカフェ難民のおっさんとか。つーか4年フルキャストで働いててネカフェ難民ってひとりしか見たことないんだが。まあ言わないだけかもしれないけどさ。あの騒がれ方もピンとこないんだよな。
なんかね、「日雇い派遣は貧困ビジネスの悪の枢軸」って図式が独り歩きして、その周りで息してる人間の実情が置き去りにされてる気がしてならない。ステレオタイプじゃない日雇い派遣労働者の姿をちゃんと伝えて欲しい。じゃなきゃどんどんおかしな方に事態が進んでいっちゃう。
俺の本命高校も3科で170??180くらいが合格ラインだったから、そこも同じだなぁ。
なんとかしてね、どうしても入りたい高校があって。
中学生くらいの頃って、カッコイイものに憧れるじゃん。その高校に通う、ってことがなんかカッコよく思えたんだ。
だからってわけじゃないけど、SAPIXみたいな塾じゃなくて、本当に住宅街にひっそりとある地元の公立高校に受かるための塾で「高校への数学」とか毎週のように解いてた。単に宿題ではあったんだけど、別増田が書いてるようにパズルみたいで楽しかったのよね。ラサールとか慶応とか、東大寺学園くらいまでなら戦えたけど、開成だけは特殊な解き方とかあるらしくて無理だから手をつけるな、みたいなこと言われたりして。
ベッドタウンの公立中学でそんな勉強法やってたもんだから、学校の定期テストの数学なんてウンコみたいなものだった。既定時間の1/3くらいで解いて寝てたら、計算ミスしてて「余裕こいてんな」って怒られたっけ。
んで、学校の数学の時間に内職で「高校への数学」をやってたら、同じく国立の高校狙うような女の子(M美)に声かけられた。「あー、それ今度貸して」って。
俺は私立高校狙いだから3教科(国語、英語、数学)しかほとんど勉強してなくて、M美は国立狙いだから5教科(3教科+社会、理科)を勉強してた。教科が少なくて数学の影響が色濃く出る3教科では俺、バランスが重要な5教科ではM美、学校の定期テストではそれぞれ猛威をふるっていたわけだ。
そんな、ライバルっていうか戦友っていうか、「地味キャラ同士www」みたいな関係だったんだけど、俺は好きだった。ああいうタイプが好きなのって、ここが源流だろうな。この頃から一貫して、好きなタイプは「やや太めヲタ女」だなぁ。
当時、携帯電話もなければ電子メールもない時代に、なぜか俺は「想いを伝えるのはこのタイミングしかない!」とか思っちゃって、「高校への数学」の巻末に、読者アンケートみたいなハガキがついてたのよね、そこにラブレターをセロテープとかでくっつけて、M美に貸した。
あっ、長くなりそうだし仕事中だし、後編に続く。
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後編
ちょっと考えて、使った分を返せないと分かったものは、借りないほうがいい。
そういうものを借りたいときは『使わせてもらっていいですか?』と訊くべきなのだ。事前に。
例えば消耗する文房具。セロテープとか。
これは使った分量だけをなかなか返すことはできない。
『自由にお使い下さい』と書かれてない限り、その道具はあなた以外の誰かが使うために
置いてあることのほうが多い。気をつけよう。
例えばトイレットペーパー。
そもそもトイレで使うもののはずなのに、何故ロールごと持ち去るのか。花粉症の時期なんか特に酷い。
というかそれは主に尻やら下半身やらを拭くための紙であるのに、そんなもので鼻をかむのかね、君は。
例えばネット上にある文章、音楽、画像といった『コンテンツ』について。
このほとんどは簡単に見ることができ、様々な形で複製し手元に残しておくことも出来る。
だがしかし、これを『借り』たとて、じゃあどうやってその人に、何を『返す』ことが出来るのか?
それに対する明確な答えがない限りは、やはり『自由に使っていいものなのかどうか』を真っ先に確認
すべきなのだ。ちなみにインターネット上のコンテンツは、どのように利用していいか、ってことが、
なんとなく決まっていたりする。特に何も書いてなかったとしても、事前に問い合わせるべきだし、
それが億劫あるいは難しい状況なら、トラブルを避けるために使わないほうが無難だ。
例えばお金について。
一般的に、そのお金がなくとも返せるだけの収入がちゃんとある状況なら、借りずにお金を貯めてから使うといい。
そのお金が無ければお金が稼げない、などというのは、正直言って凡庸な暮らしの中では危険な状況だ。
そういう状況に陥らないようにするか、よっぽど考えないと後が怖い。気をつけよう。
お金の借り方、返し方というのは、その目的によって様々な形があるから、一口には言えないのだけど、
やはり借りるものである以上、返せるという保証がなければ貸してはもらえない、はず。
そこがいい加減なのに貸してくれる人はいい人じゃなくてなにか企んでる人なので気をつけよう。
そろそろ誰に向けて書いてるのか分からなくなってきたけど、きっと他の人が面白いたとえを出してくれるだろう。
だから、ここでの結論をもう一回書く。
返せないものは借りないほうがいい。
感謝や誠意でまかなえないような貸し借りには気をつけよう。
参考:イラストを「借りる」ってなんなんだ
以前
自分の様々なたばこに関するこだわりを書き綴っていきます。
まず、喫茶店で吸います。
おっとその前に、店のドアを開けた後は音を立てぬようそっと閉めます。
片手を添えて閉めます。あ、こんなに細かく書いたらくどいので三行でまとめます。
以上です。
どこに行ってもそうですが、私はとにかく
「いろんな種類のたばこを吸う」ことを心掛けています。
結論から言うと「缶」に多種詰め込んで持ち歩くようになってる訳ですが、
それまでに試行錯誤を重ねました。
箱(1個のこと)を数種類、持って行きます。
鞄を持ち歩くことが多いため、これで特には事足りるのです。
言うまでもなく、「普通」、ただそれだけです。
やはり「1」のやり方だとそのまんま過ぎて味気ない、
そう感じ、思い立ってプラ板を切り折りしてケースを作ってしまいました。
パッケージが見えるよう、正面を向いた箱が横に5箱並ぶ作りになっています。
手作り感が小三的な、3日程度の短い命でした。
そのまんまで、普段売ってるたばこの中身を全部出して、そこに好きなたばこを詰め込む形式です。
ちなみにここにもこだわりがあります。
例えば、「峰」はJTの銘柄なのでその箱にはJTの銘柄のみ入れています。
といった感じでそれぞれ分けて、
その日の気分によって持って行く箱を変える、ということをしていました。
缶入りたばこは何種類かありますが、比較的買い易いのが「缶ピース」と「缶ガラム」。
前者がショートサイズで後者がロング{100s(ロングより長いサイズ)も入る}です。
よって、それぞれにあったサイズのたばこをありったけぶち込みます。
本数も出来るだけ揃えて入れます。
一応、何を入れているかを記しておきます。
(余談ですが缶ガラムに入れているたばこにはある共通点があります。答えは最後に改行を多く挟んで記しておくので興味のある方はご覧下さい。)
いかがでしたか?
それぞれ、各の感想を持たれたことと思います。
「そもそもたばこ興味ねーし。」
「うわ・・・きも・・・引くわ・・・」
「こうはなりたくねー」
「このエントリーを書いた増田は『他者の目』を少しは気にした方がいい。もはやそれは『こだわり』なんぞではなく、『悪趣味』の域である」
「たばこ以外に興味のない人ってかわいそう」
増田の皆様はこんな下らない趣味に金を使うなんて馬鹿げた生き方なんてせず、
もっと酒や車といった「汎用性」の高い、
同感を得られやすい趣味にその給料を費やすことをお勧めする次第です。
と、こんなエントリーを私のはてダに綴っていくので良かったらご覧頂けたらと思います。
宣伝乙ってか。
答え:「比較的きつい」というのも当たりっちゃ当たりですが、
正確には「ニコチンが1.0以上」です。
きついのが吸いたい訳です。
メンソールも同様に。
電話をとったのは、家族の長であり、一家の大黒柱を自負する失職中の夫。夫は、犯人の声を聞き、息子が誘拐された事を即座に理解すると同時に自分の命よりも大切な息子を失う未来を想像し恐怖に襲われながら、毅然とした態度で答えた。
「じゃあ、息子は諦めラメロスペシャル」
「待て。他の条件ならのもう。みのもんた以外の条件だ」
「みのもんた以外の条件はのめない」
それから夫と犯人の押し問答が繰り返されるが、犯人の要求は断固として変わらず、挙げ句には「みの」「みのも」「もんちゃん」「みもんた」などの呼び方を使い始め、夫は戸惑うばかりであった。そのやりとりはおもいっきりテレビが終わるまで続いたが、犯人は「また明日連絡する」とだけ言い残し、電話を切った。
夫は緊張と疲労でその場に崩れ落ちた。
後に夫は語る。
「腸が煮えくり返るような犯人への怒りと、首筋に氷を押し当てられたかのような息子を失うことの不安を同時に感じていました。まさに冷静と情熱の間でした。いや、とにかく、恐ろしかったです」
呪泥怨愚から二回目の電話。電話をとったのは依然失職中の夫。今度は傍らに妻が、そして周囲には警察がいた。
「何度も言わせるな。みのもんたは無理だ。息子を返せ」
「それなら取引はお終いだ」
警察からの引き伸ばしてのジェスチャーがされる。事前に犯人との会話を出来るだけ引き伸ばすよう説明を受けていた夫だったが、極度の緊張と、息子を思い一睡もできなかった事による疲労の蓄積が、彼に冷静な判断をさせなかった。
夫は受話器に向かって叫んだ。
「お終いも獅子舞もあるか! 息子を返せ! さもなくば、さもなくば」
激昂する夫に、止めようとした警察も、泣いていた妻も注目し、その後の言葉を待ったが、別段考えがあったわけでもない夫は恥ずかしそうにもごもごと呟いた。それぞれは持ち場に戻った。
「さもなくば、息子は帰ってこない。みのさんを連れて来い」
とたん、警察が動き出す。ピザ屋に偽装した刑事は傍らのラーメン屋のバイトに偽装した刑事と素早く情報を交換する。「逆探知は」「携帯電話から。近くです」「連絡!」「もうしてます」「よし」「発見しました」「早いな!」「しかし」
警察の大人数を導入した捜索により、電話開始より12分で犯人の携帯電話を発見した。
しかしそこに犯人の姿はなく。電柱にくくりつけられた携帯電話と、携帯電話にセロテープでくっつけられた糸電話があるだけだった。糸電話の向こうに犯人がいるはずと糸を辿り走り出した若い刑事は現在行方不明である。
三日目。まだ電話はかからない。
電話機の前に、腕を組む夫、泣き続ける妻、声を潜めて何事かを話し合う警察の面々が揃う。
テレビにはみのもんたが映っている。わずかに眉間に皺を寄せ、悩み相談の声を聞いている。
夫は憎憎しげに吐き捨てた。
「悩んでいるのはこっちの方だ……」
そのときだった。
顔を伏せて泣いていた妻が、電話に飛びついた。電話機を抱え、いつの間にか手に持っていた耳かきで、止めようとした警察と夫を牽制する。
妻は血走った目でどこかにコールする。やがて、コール音が止むと、妻の目はまた潤み始めた。
「みのさんですか?」
「何か、お悩みですか。奥さん」
妻は泣きながら、息子が誘拐されている事をみのもんたに話した。警察は電話を止めさせようとするが、妻は既にみみかきを半分以上耳の中に入れていて、危なくて近づけない。夫は大人しかった妻の言動に驚くばかりであった。スタジオにいた芸能人達も、突然のハプニングに騒然とした雰囲気となるが、みのもんただけが表情を崩さず、冷静な声色で相槌をうっていた。
「それで」「うん。それは酷いね」「そう」「なるほど」「奥さん、偉いよ」「わかった」
妻が語り終えた後、泣き声が止むのを待って、みのもんたはやさしく声をかけた。
「それで奥さん。どこにいけばいい?」
妻が息を呑み顔を挙げ、テレビの中のみのもんたを見た。夫も警察もモニターを凝視して、ぽかんと口を開けている。モニターの中のみのもんたは、そのどこを見ているかわからない危うげな目線で、確かに妻を見ていた。そして、みのもんたはスタジオをあとにする。テレビカメラがそれを追いかける。みのもんたは迷いなく日本テレビの階段を上っていく。みのもんたはエレベータを使わない。一歩一歩踏みしめるのが好きなのだという。そうやって生きてきたのだ、恥ずかしそうにインタビューに答えた事がはるか昔に一度だけあった。
みのもんたは日本テレビの屋上の扉を開け、吹き込んだ風に目を細める。そこには既にミノコプターが用意されている。
「呪泥怨愚だ。そのまま、真っ直ぐ東に飛べ」
突如、ばりばりという音が響き渡り、驚いて夫と妻が家を飛び出すと、黒光りするミノコプターが目の前の道路に着地するところだった。強風に目を細めながら、夫婦は見た。ミノコプターの扉が開き、そこから最愛の息子が降り立つのを。
しかし、そこにみのもんたの姿はなかった。
「息子さんが戻って、本当に良かった」
「ありがとうございます。あなた方のおかげです」
「いえ。今回警察は何もできなかった」
「そんなことは」
「そんなことはあります。奥さん。我々はあなたにしてやられてしまった」
妻のコーヒーのカップを持つ手が止まる。まだ夫は刑事の言葉を理解できない。刑事は止まった空気を振り払うように手を振り、にこやかに笑う。
「いや、奥さん。そんなに睨まないでください。私は私の見解を述べているだけです」
「ですが、聞いてください。これは刑事の独り言。ある事件の顛末です。子供の誘拐から始まったその事件の犯人は母親だった。もちろん誘拐は狂言。最初の電話も母親。パート先に記録が残っている。出たのは夫だ。意味不明な言葉を混ぜる事で、夫にばれないように工夫しているつもりだった。夫は気付かず、事態は思った方向に進む。次からは母親は電話にはでない。電話をしたのは誘拐された息子。母親は息子が誘拐された悲しみで精神に変調をきたした役を演じる。そして、茶番はテレビの中に飛び火する。全てはそのため、みのもんたを引きずり出すため。何故このような手順を踏んだのか。それはみのもんたを試す意味もあった。手の込んだ嫌がらせともとれます。でも真相はもっと捻じ曲がった所にあると思います。私がこの荒唐無稽なストーリィを思いついたのは、私がそのような荒唐無稽な思考を行う人間達を知っていたからです。その人間達は、タモリ同盟と呼ばれている」
「ふふ、ふふふふふふ」
突如笑い声を上げた妻に、夫と刑事はぎょっとする。
「失礼。あんまり面白い事を言われるから。でも、いいんです。好きですよ。そういうの」
「そうですか。一つだけ聞きたい。今みのもんたはどこに?」
「知りません。知る由もありません」
妻は窓の外を眺め、呟く。それは彼女の本当の主人が言った言葉。
「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」
「こんな形で、お呼び出しして申し訳ありません」
「いやいや、驚きました。ですが、こんな形でしか、ありえないでしょう」
「では始めますか」
「では」
互いが互いにマイクを投げつける。
太陽は真上。容赦のない紫外線が二人の男に降り注ぐ。だが二人の男は不敵に笑う。
黒いサングラスは何のためだ。必要以上に黒い肌は何のためだ。
『太陽を制するため』
男達は笑いを止める。
目の前の男は同じく覇道を歩むもの。だが王は独りでいい。
二人の昼の王は、互いに歩き出す。次第に歩みを早め、そのスピードが、空気との摩擦熱が炎となって二人のスーツを焦がす程になった瞬間、二つの影は交錯した。
20年続いた「午後は○○!思いっきりテレビ」が終了。これはその終わりに起こったことだ。
第二回ファック文芸部杯参加
まれに三角形や丸なんてのもいるが、ともかく彼は六角形であった。いや、この場合は六角柱と言ったほうが正しい。なぜならもちろん彼は鉛筆だからである。鉛筆がこの世に鉛筆として生を受け、鉛筆としての機能を初めて発揮した日のことは忘れがたき思い出、トラウマ、存在意義として彼の脳裏に焼きついていた。ぴかぴかに尖った先端を支えにしながらやわらかめの紙の上でおどると、自分の体の一部が紙にしゃりしゃりと音を立ててこびりつく。その行為は鉛筆に母親の胎内へ還っていくような錯覚をおぼえさせた。強い快感をともなう行為だった。涙と鼻水と汗が同時に出てきた。そのたびに紙やセロテープや定規たちは鉛筆を怪訝な目で見たが、しかし紙に何か書き付けるたびにそういった状態に陥るのは、なにも彼だけの話ではない。鉛筆はみんなそうなのだ。
ともあれ、強烈な快感を全身で感じながら鉛筆は一休みした。目のくらむような満足感に突き動かされ、鉛筆は自分の体の一部がどんな形を残しているのかを確かめようと振り向き、そして見てしまった。
消しゴムであった。
消しゴムが、鉛筆が書き損じた文字をせっせと上下左右に体を小刻みに動かしながら消している。
鉛筆は驚愕し、愕然とし、そして強い怒りに駆られた。消しゴムが今消しているのは、自分の体の一部なのだ。いや一部なんてものではない。自分の体の芯そのものだ。生きた証だ。それを、「間違えたから」という、ただそれだけの理由でやつは消している。許せなかった。そしてそれよりも鉛筆が我慢ならなかったのは、消しゴムがその消すという行為に対してなんら感じるところがないとしか思えない表情でいたことだった。その割に、鉛の粉が紙の凹凸にあわせてくっついているのを見ているその目には、やたらと熱がこもっているようではあったが。
鉛筆はその後もよだれをたらしながら文字を、あるときは絵を、またあるときはそれ以外のものを書き付けながら、消しゴムが自らの痕跡を跡形もなく消してしまうのを見ていた。
はじめにあったのは、強い怒りだった。そして何日か後に、おおきな虚無感に襲われた。自分が命を削って残した痕跡をああも簡単に消してしまえるのなら、自分が生きる意味はどこにあるのだろう、と思った。その気になれば、間違えた部分だけでなく、書いたものすべてを消してしまうことだってできる。そのことに気がついてからは、鉛筆は消しゴムのことを神か何かのように思うようになった。そこにあったのはほんの少しの畏怖であった。
鉛筆は消しゴムのことが怖かった。こわい、と思った。自分が死ぬまえに最後に残した文字を、やつは消すだろうか。たとえ間違っていたとしても、消してほしくはなかった。
消しゴムのことを目で追ったり、たまに話しかけてみたりもした。消しゴムはすこし陰気な性格をしていた。鉛筆が本能的なレベルで文字を書くことに快楽を見出しているのに対し、消しゴムは文字を消すことを仕事だと考えていた。そのため消しゴムが鉛筆と話すときはきわめて事務的な態度をとった。それを陰険だと嫌うものもいたが、鉛筆にはそういった消しゴムのスタンスは好ましいものに感じられた。なぜならみんながみんな鉛筆のように振舞っていたら秩序というものがなくなってしまうからだ。消しゴムのようなやつがいるおかげで世の中は成り立っている。しかし消しゴムの仕事が鉛筆の存在意義を揺るがすものであることには変わりなかったので、彼は消しゴムに強い興味を持ちながらも、話しかけるときは常に高圧的な態度をとった。高圧的といっても、子供くささの抜けないそれに消しゴムはいつも少し呆れたような表情をするのだが、鉛筆のいうことにはきちんとこたえてくれた。それは鉛筆にとってうれしいことであると同時にどこか見下されているような気がして悲しくもなる事実だった。態度が事務的だからではない。消しゴムが自分に対し興味がないのを知っていたからだった。
そう、彼は、消しゴムのことが好きだった。
四六時中消しゴムのことを、消しゴムのことだけを考えていた。自分の書いたいろんなものの、どの部分をどのような動きで消したのか、目のくらむような強烈な快感に支配されながらも、それだけはいつも覚えていた。どころか、もくもくと「仕事」を続ける消しゴムの姿は、書いている間の鉛筆の性欲をさらに喚起させた。消しゴムの出すカスに自分の体の芯のかけらが入っていると思うと、そしてそれが消しゴムが体を激しく擦り付けた結果だと思うと、それだけで射精しそうな勢いであった。
それだけつよく消しゴムのことを思いながらも、鉛筆は思いを告げようとはしなかった。消しゴムが自分に興味のないのはわかりきっているからだ。ああ、でも。でも。おれはどうしたらいい。鉛筆は苦悩した。消しゴムのことが好きだった。抱いてほしかった。この気持ちを、体を、どうにかしてくれと全身が叫んでいた。消しゴムにどうにかしてほしい。ほかの誰でもない、あの消しゴムに。自分がゴミ箱に捨てられてしまう前に。
「あんたのことが好きなんだ」
白い紙の上で、鉛筆は消しゴムと向き合っていた。鉛筆はいつもの幼稚なふるまいとは裏腹に、伏目がちにうつむいている。消しゴムの表情は見えない。
告白しよう、と思ったのは、つい数日前のことだった。快感が支配するあの異様な時間から解放された鉛筆は、自分の残りの芯がもういくばくもないことに気がついた。一息ついて、ふと気がついたらそうなっていたのだ。その瞬間の鉛筆の混乱といったら、初めて消しゴムに出会った時に相当するものであった。死ぬ。死んでしまうのか、俺は。死ぬのか。今まで漠然としか考えたことのなかった「死」が、一足飛びで近づいてきた。自分はいつまで書き続けられるのだろう、そんなことばかりが鉛筆の思考を支配した。
消しゴムの返事はない。
たった数分の時間が永遠にも感じられ、鉛筆の体はその間にもどんどん震え始めて汗はとめどなく流れた。まるで滝のように顔面から吹き出る汗を鉛筆は呪った。対人恐怖症のような反応を示している自分を、消しゴムが気持ち悪く思わないか、それだけが心配だった。そう、今や鉛筆にとっての最大の命題は、消しゴムに色よい返事をもらうことではなく、なんとか嫌われずにこの場を切り抜けることへと変わっていた。もとより消しゴムに好意なぞ抱かれてはいないのだ。それは分かっている。
しかしここで「今のは冗談だから忘れてくれ」などと言うこともできない。ずっと思いつめていた気持ちをやっと吐露したのに、それを否定してしまったら今までの俺はどうなる。そんな気持ちだった。
鉛筆がそこで立ち尽くしたままどうしようもできないでいると、目の前の消しゴムの陰がかすかに揺らいだのが目に入った。
「悪いが、おまえの気持ちは迷惑だ」
急に足場を失ったような気がした。
今消しゴムはなんと言った? 迷惑? 迷惑だって?
相変わらずうつむいたままの鉛筆の目は、消しゴムの陰がさらに動き、どこかへ行ってしまおうとしている様子をたどった。そこで鉛筆は顔をあげ、消しゴムの腕を掴んだ。
「どうして!」
振り向いた消しゴムの顔は、この上なく億劫そうな表情をしていた。
「邪魔なだけだ」
「何がだよ! あんなにやさしくしてくれたのに! 俺が話しかけたら答えてくれたじゃないか! 他に好きなやつがいるのかよ!」
鉛筆の目は今や見開かれ、異常なまでの量の汗が顔から滴り落ち、消しゴムの腕を掴む白い手は小刻みに震えている。彼の頭に、少し呆れながらも丁寧に受け答えてくれた消しゴムとの会話のひとつひとつが順番に浮かんでは消えていった。ぶっきらぼうでいて、かつ親愛の情を欠いた態度に、鉛筆はやさしさを見出していたのだった。それは完全に彼の勘違いであったが、しかし鉛筆の短い――死を目前にした――人生にとってはそれだけが全てであった。鉛筆は、もし断られるとしても、もっと思いやりのある答えが返ってくると、信じて疑わなかったのだ。
完全に理性を失った鉛筆を、消しゴムは汚いものでも見るかのような目で一瞥して、言った。
「おまえはどうしてここに自分が存在できると思っているんだ」
鉛筆は訳がわからないといった風に、未だわめき続けている。
「紙だ」
彼の言葉は最早鉛筆の耳に届いていないのは一目瞭然であったが、消しゴムは自分自身に言い聞かせるかのような声で先を続けた。それは、彼の体もまた擦り減っており、鉛筆同様死を目前にした時点で自分の感情を整理しておきたいと思ったからかもしれなかった。
「紙がいるから俺たちがここにいる。おまえみたいな鉛筆やその同類どもときたら、存在理由なんてものを一度でも考えたことがないんだ。おまえらはただの動物だ。自分の存在意義を作り出した存在に対して、これっぽっちも感謝したことがないんだろう」
そう言う消しゴムの目は熱っぽく、口調は荒い。
「俺は紙のために生きているんだ。おまえらのせいで紙が汚れる。何故書き損じを恥に思わない? その尻拭いをしてるのは誰だ?」
鉛筆の生きがいが消しゴムであったように、消しゴムの生きがいは紙であったのだ。彼の紙に対するそれは、鉛筆が抱いていたような性欲とは違った。もっと神聖なものを神聖な目で見る行為だった。それが消しゴムの全てだった。
消しゴムの告白を聞いた鉛筆がなおも縋ろうとしてくるのを払いのけ、消しゴムは何一つ意に介することなく去って行った。鉛筆にはそれをただ呆然と見送ることしかできなかった。たった数分で踏みにじられてしまった自分の欲望を、愛情を、どうすればいいのか分からなかったのだ。
一人取り残された鉛筆は、空っぽだった。これから捨てられるまでのあいだ、何を生きがいにしてどのように暮らせばいいのか皆目見当がつかない。
「俺は、どうしたら、いいんだ」
彼の体が、ぐらりと傾く。
その空っぽな鉛筆が転がった音が、ただむなしく辺りに響いた。聞いているものは誰もいない。鉛筆は体を横たえたまま、己の人生を何度も何度も反芻し、勘違いに塗り固められた思い出に浸った。幼く未熟な彼には、そうすることでしか己を生きながらえさせるすべが思いつかなかったのだ。
おわり
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わっふるしてくれた人、ブクマで感想かいてくれた人みんなありがとう
続きは別のところで発表したんだけど、続き読みたいという人が何人かいたみたいなので晒すよ。