はてなキーワード: フルタイムとは
胃が痛い。今また、あの頃のことを思い出すような状況で胃が痛い。
新卒で正社員として就職した会社は中小だったけど、ひょんなことから経営陣との距離がとても近い部署に配属された。
お偉い上司と二人きり、ほぼマンツーマンのような状態で仕事を行なう。まさにバディ状態。
新入社員が突然お偉方を相手にする訳だから縮み上がった。やっていけるのか自信もなかった。不安で一杯だった。
でもマンツーマンだからこそなのか、上司の人柄か仕事への姿勢の所為か、
何をするにしても報・連・相、それに確認から細かい指示に至るまで、
あれやれこれやれと口頭でギャーギャー言われる。それに答える形で自然とこちらの口数も多くなる。
気付けば上司とは密にコミュニケーションするようになっていた。
上司とはお互いそれなりに心を開けていたのではないか、と思う。
そのうち偉い立場だからこそ苦労している上司の素顔も知った。懐の深い人だった。
上司は何とか改善しようと思いつきで新しい要求を押し付けてくる。
誰も使い方のわからない、機能しない新しい提出書類の種類だけが増えていく。
そんなその場凌ぎの思いつきに応えられるほどこちらの余裕もスキルもなく、
軽口のつもりかもしれないが、上司が自分の同期のことを悪く言うのも許せなかった。
今にして思えば、この時一度きちんと話し合うか、他の部署の上司にでもいいから相談するべきだった。
結局堪忍袋の緒(とはちょっと違うけれど)が音を立てて切れ、
誰にも相談せずに一人会社を離れる決心をして、飛び出すようにして転職した。
でも後悔先に立たず。この会社での仕事の仕方は自分に合っていたのか、染み付いているのか
結局この会社、この上司が自分にとって一番だったのだと後々思うことになった。
転職先は大きな会社の子会社だったが、前の会社に比べるとかなり堅い会社だった。
制服有り、5分前着席。始業時と終業時、休憩時にチャイムがなる。
インターネットも閲覧規制がされていた。トイレ休憩すら気軽に行き辛い雰囲気だった。
そして自分はかつて学校が苦手な、いつも学校から浮いているような生徒だった。
派遣の社員が多かったこともあり、正社員ということも大きな足枷となった。
○○さんは正社員なんだから頑張ってもらわないと、この仕事もやってもらわないと、
引き継ぎは直に辞める派遣社員からだったが、その人から教えてもらった仕事の細かいノウハウは
「貴方は派遣ではなく正社員なのだから」ということで通じないことが多かった。
配属された班はあまり口数が少なく、そもそもこの子会社そのものが親会社に引け目を感じて
小さく小さくなって仕事をしている感じだった。
無論、社内(社内は親会社と繋がっている)での自分の立場も小さくなって過ごさなければならなかった。
上司や周囲からの指示はポストイットでの伝言や、メールで行なわれることも多く
無駄口や世間話一つするのも妙にこそこそとしてしまい、周りの目が気になった。
総じて会話が少ない職場だった。生のコミュニケーションの不足を感じた。
取引先に配布するカレンダーを巻く向きが表裏逆になっていたのだった。
そもそもカレンダーを巻いて取引先に配布すること自体、自分には初めての経験だったので
何度も周りの人にやり方を確認して注意を払ったつもりだった。
でも、何故か表裏の向きを間違えたまま自分一人で山のようなカレンダーを次々に白い筒状に巻いて行った。
「やっと全部巻き終えた!」一仕事終えた次の日、机にメモが載っていた。
隣りの席の営業から、「カレンダーの向きが違うから全部巻き直してほしい」との伝言が書かれていた。
隣りの席の営業とは、それなりに親しくしているつもりだった。
カレンダーの配布も既に始まっていた。
ならば何故、もっと早くに、直接口頭で言ってくれないのだろう。
そう思うと何とか堪えようとしても、どうしても涙が止まらなかった。
途方に暮れながらも、半分泣きながらも、全部のカレンダーを正しい向きに巻き直して行った。
心の中にぽっかり穴が空いたような気がした。
それから。
会社にいても、始終極度の緊張状態にいた。
緊張し過ぎておしっこが近かった。行ってもまたすぐ行きたくなる。
誰かに監視されているような気がして、常に気が抜けなかった。
常に息苦しく、ゼエゼエハアハアと呼吸をしていた。
毎日なんとか耐えて、8時間座りっぱなしの時間をやり過ごした。
そのうち胃にポリープが出来て、身体は極度の緊張状態が毎日続くものだから
背中の筋肉が肉離れを起こしたり、座骨神経痛で夕方まで座っているのが難しくなった。
腰が痛くて、ただベッドから動けず横になっていることしか出来なかった。
もうこの会社にいても自分が出来ることは何もないだろうと思い、結局会社を辞めた。
今。フルタイムでの勤務はもう自分には体力的に出来ないだろうと思い、
けれど、この会社もポストイットやメールでの指示や伝言が多い。
それはそう教わったのだけれど、とかそもそも違う人が作業した部分なのだけれど、と心の中で思う。
そして、何故目の前の席にいるのに面と向かって話をすることが出来ないのだろうか、と思う。
小さなことでも声を掛け合い、コミュニケーションの積み重ねで互いをより理解し、円滑な作業に生かす。
それはそんなに難しいことなんだろうか。嫌がる人の方が多いのだろうか。
いつも賑やかで活気のある職場は夢やフィクションの世界だけなんだろうか。
今は頑張り所なんだろうか、それとも早めに見切りをつけるべきなんだろうか。
夫婦、正社員、フルタイムならダブルインカム1000万円いかないかね? 20代だと厳しいかな。
30代なら年収500万越えるのはいるでしょ。 君の層なら尚更いるんじゃない?
元増田自身は世の中よく見えてるし、自分を過大評価してる訳でも男性の状況が分かってない訳でもない。
父親の説得がハードルになってるなら、
・今は男女平等、ダブルインカム当たり前。妊娠、出産、産休、育休時代は生活レベル下がるけど私は受け入れるよパパ。
・高度成長期、前後で生活レベル変わりすぎだよ。 お父さんとお母さんが結婚した時、どんなだったのよ。
(というのは、元増田の4LDKのマンションって結婚当初のものか?って疑問がある。
経済力があれば古い4LDKには住んでないような。結婚当初はもっと貧しいんじゃないか?)
いろんな物が安かったり、手軽に品の良い輸入品を買えたりするのは最近の良いところじゃないかねー。
小学生から中学生にかけて1~2年置きに海外旅行に連れて行ってくれたし、
中高一貫の私立中学に行かせてくれたし、私大の中でも比較的金のかかる私大に行かせてくれたし、ずっと塾とピアノとスイミングの習い事もさせてくれていたし、
これは無理だが。
君自身、親から高度な教育と教養を与えられて、今の仕事についてるんだろう。
だから『親同様の教育を子供に与えなければ』みたいに思うのかもしれないけど、
まぁそういうケースばかりでは無いし、日本全体が貧しくなっていくのであれば、君の子供は相対的に優秀でありえるんじゃないかね。
厚生労働省は22日、9月時点の全国の生活保護受給者は206万5896人となり、過去最多を更新したと発表した。8月時点から6025人増え、初めて206万人を突破。60年ぶりに過去最多となった7月以降、連続して過去最多を更新している。高齢化や不況で増加傾向は今後も続きそうだ。
受給世帯も過去最多を更新し、149万7329世帯。世帯類型別では、高齢者世帯が63万3393世帯で最多。傷病者世帯は32万1230世帯。働ける年齢層を含むその他の世帯は25万3932世帯だった。東日本大震災の被災地での失業給付が切れる来年1月以降は、さらに増える可能性がある。【石川隆宣】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111222-00000052-mai-soci
厚生労働省が22日発表した2011年の労働組合基礎調査(6月末時点)によると、全国の組合員数は前年比9万3033人減の996万591人と2年連続マイナスだった。1000万人を下回るのは組合員数が増加途上だった高度経済成長期の1964年以来、47年ぶり。東日本大震災の影響に加え、近年の「労組離れ」が背景にあるとみられる。
組合員数はピークだった94年の1269万8847人から2割以上も減少したことになる。また、労働組合数も2001年から毎年減少し、11年は2万6051組合となった。
厚労省は「製造業から非製造業への産業構造の転換や、フルタイム労働からパートタイムなどへの移行がある」と指摘。非製造業や非正規労働者は組合の組織率が低いことが、減少の要因とみている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111222-00000142-jij-soci
よくフェミニストの方は男女差別の根拠として『女性の家事労働時間の各国比較』を根拠にされていますが、
国民性の違いがあります。 主に日本人女性自身のセルフイメージに問題があると思います。
女性の家事労働時間 http://anond.hatelabo.jp/20111231161437
一方で、「『家事・育児の負担(C)』を男性以上に求められてきた女性が『フルタイム(A)』で働くよう社会から求められていること」はどうでしょう。A+Cは「過大」ではないでしょうか?
そういった現状を無視して議論を進めようとするフェミニストは危険だと思います。
貴方の頭の中にあるイメージがそうである、という事は分かりますが、古い女性観です。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2475.html
戦後の大きな意識変化が見られるのは「楽しみ」の男女差についての見方である。
男性の場合、男の方が楽しみが多いとしているが、その割合は下がってきている。
むしろ女の楽しみの方が多いのではと思う男性が増えている。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2470.html
男女年齢別に集計した楽しかった時間の合計をグラフにしてみると、3つの点が明解である。
(2)女の方が男より楽しく生活している
現実の男女は貴方の思い描いている世界と同じでしたでしょうか?
今の男性がどれだけ苦しい思いの中でいるのか、
そういった状況だからこそ結婚がイメージできない男性が増えているとは思いませんか?
正直、今の世の中でフェミニストが「女性に権利を!」と叫ぶのは
男女のカップリングの面でマイナス、男性の自殺に関してもマイナスでしょう。
それは思考停止です。 根拠がない議論がお好みですか?
お互いに統計を出し合うのも、意外と水掛け論になるものですよ。
それよりも、あなたは「『フルタイム(A)』で働く男性が『家事・育児の負担(B)』を求められること」、すなわちA+Bは「過大」だと考えておられるのですよね?
で、私はそれに同意するわけです。
一方で、「『家事・育児の負担(C)』を男性以上に求められてきた女性が『フルタイム(A)』で働くよう社会から求められていること」はどうでしょう。A+Cは「過大」ではないでしょうか?
私は(B<Cと考えていることもあり)これも「過大」だと言いたいわけです。
だから、女性に対して、「家事・育児の負担」を男性に求めるのはよくありませんよ、とはとても言えない。
それは、男性をAにしても、女性をA+B+Cにする…ということになるから。
つまりそういうことです。
いかがでしょうか?
それは「不当に給料が高い」側ではない人の話でしょ。
そういう人は仕事量に見合った適切な額まで給料を上げれば良い。
そうじゃない人もいるから問題で、フルタイムで組合活動やってる馬鹿とかをさっさとクビにするべきなのは変わらないと思う。
仕事が二重になってるのはもちろんマネジメントの責任で解消するべき。余った人材は適宜リストラすればよい。
あとは、仕事が忙しい忙しくない関係なく、全体の業績(市の財政)に応じて給料が変動するのは受け入れるべき。
業績が悪いのはマネジメントが無能なせいかもしれないが、それが嫌なら自分が有能なマネジメントになるか、有能なマネジメントがいる職場に転職することで解決するべき。
一部で報道されている労働組合については我々一般の職員も常日頃から疎ましく思っています。信じがたいかもしれませんがフルタイムで組合活動に従事している職員もいます。
友人家族からこの一ヶ月で10回以上言われた言葉です。もうさすがに聞き飽きました。マスコミというのは本当にいい加減な情報を流す事があって、いったん流れ始めた適当な情報はなかなか消えずにこうやって固定観念として人々に植え付けられてしまいます。
敵視していません。全くの誤解です。むしろ大半の職員は諸手を上げて歓迎しているぐらいです。。。
大阪の財政難が全て大阪市の職員の責任であるかのごとく報道するテレビメディアのせいで、ここ数年市民からの相当きつい言葉が職員に日々投げかけられています。
「ぬくぬく生きやがって高給取りが」冗談じゃないです私の給料はむしろ世代平均を下回っています。
「お前も労組なんか?市民の税金で労組活動とはどういう了見やねん」私は労組じゃありません。
市民と直に接する部署では毎日のようにこのような罵言が職員に浴びせられます。「大阪市公務員」とひとくくりにして、悪者扱いするマスコミのせいで市民の職員に対する敵意感情は異常なほどに熱を帯びています。怖いです毎日。明らかに離職率が高まっています。
私たちは決して大阪市民を出し抜いてぬくぬくと生きているわけではありません。普通のサラリーマンと同じ程度の給料と、職場環境で淡々と働いているだけです。
一部で報道されている労働組合については我々一般の職員も常日頃から疎ましく思っています。信じがたいかもしれませんがフルタイムで組合活動に従事している職員もいます。その人達の大義名分は「職員のために我々は闘う。それが市民、そして大阪市全体の為になる。」意味がわかりません。彼らがフルタイムで組合活動している穴埋めを他の職員がやっています。その結果市民へのサービスは劣化します。組合活動の利益を享受できるのは一般職員でもなければ市民でもありません。組合中枢の幹部のみです。大阪全体の癌と言ってもいいです
だからこそ新市長の当選に我々は沸き立ちました。敵視しているのは一部の職員だけです。特に労組関係のパニックぶりはちょっと笑えます。早々に新市長に白旗を上げてギブアップした労組職員もいるようですが、一般職員からもフルタイム労組職員からも白い目で見られて居心地が悪そうにしています。
そんなに頭は良くないですし器量も良くないかもしれませんが、コツコツと大阪市民のために仕事をしているつもりです。
繰り返しになりますが世代平均よりも給料は低い方です。公務員といっても色んな職務があります。一緒くたにしないで欲しいのです。我々を敵視しないでください。
フルタイム労働組合従事者のような人達は新市長の下で淘汰されるはずです。
市民vs職員とか市長vs職員なんて構図は存在しません。存在してはいけません。
はあ年末に何書いてるんだろう私。
それではよいお年を。
おやすみなさい。
高学歴・フルタイム勤務の母の元で良質な教育を受けた結果高学歴を得た私は、自分の子供にも同じ事をするのが当たり前、と思っている。
子どもたちのためにお金を稼いでいるという強い意識と、やりがいのある仕事をしていたことで母は仕事を続けられた。
限られた時間でも子どもたちの教育に時間を割いてくれたし、金銭的な余裕があった分それなりの経験も積ませてもらった。
専業主婦に比べたら手抜きな面もあったかもしれないが、それを不満に思ったことはない。
学校から家に帰っても母がいないのは寂しい、という思考にいたらなかったドライな性格も幸いした。
ともかく、仕事と家事と子育てで多大な負担を背負っただろう母には頭が上がらない。
家事代行やベビーシッター、食材の宅配などなど使えるものは使いまくる所存。
相手が見つかったらの話。
雇用機会均等法とかできて男の多数は「女は男と経済的に対等になった」とか考えてるらしいけど実際は女性の賃金は低く抑えられてて男性の7割いかない。
フルタイムで働いてても年収300万いかない女が60%以上なのに対して男は400万以上が6割。
フルタイム勤務で就業時間や勤続年数、職階といった条件を揃えても女の年収はやっと男の7割ちょい。
雇用機会均等法ができたのなんて相当前なのに実態としては女性の労働単価は低く抑えられ続けていて、みんなその状況が改善されることを諦めてしまった。
おまけに共働きするなら家事は全部女がやれと言われる。(日本は世界一共働き夫婦の夫側の家事従事時間が少ない国)
http://anond.hatelabo.jp/20111212173754
じゃあ、奥さんに「ゲームのノベライズ」を何本か書いてみるよう薦めてみなよ。
「ゲーマーが面白いと唸る原稿が書けたら、才能があると認めてやる。出来なかったら、フルタイム勤務を探すか、もっと真面目に家事に取り組むか、しろ」と言い渡してやれば?
正直、大手の長編の新人賞取ったって、それっきりの人が出る世界なんだから、15年も前の短編の賞にしがみついてても、得るものは何もないと思う。
本を読むならシェークスピア全集読破して、全部の話のあらすじ書くとか。真剣に努力する気があるのなら、やることはいくらでもある。
1日20枚書かないと本気とは認めない。とか、生活費握ってるのなら、どうとでも言いようがあるだろ?
がんばれ、元増田。
子供ができる前で良かったねえ。心底そう思う。
子供がいれば少しは変わるかもしれないけど
そんな可能性にかけたくないし、かけるべきではないですね。
お見合いだったせいもあり、結婚するまでは小説を書いてることは本人からは伝えられませんでした。
ただ、小説を書いてることはなんとなくわかっていました。
私がゲーマーであることを伝えていなかったのでお互い様かもしれません。
フルタイムの勤務を辞める前に説得できてればまだマシだったけど。
子供ができる前で良かったねえ。心底そう思う。
15年前に出版社の短編賞をとったから才能があると公言してはばからないが
調べたら受賞者で本を1冊でも単独で出版した人は10人中2人しかいなくて
共働きだったのに転勤を機に仕事をフルタイムから週2日勤務に変更。
その分、家事をしてると言うんだが週3日の晩御飯と週2回の洗濯、週1回の掃除のみ。
空いた時間でずっと執筆活動してるわけではなくて、1日のほとんどを図書館で借りた小説を読んですごしてる。
賞に応募して落ちたら世の中には私の才能がわかってくれる人がいないと文句を言う。
仕事辞めて、生活費全負担するほどはサポートしたいとは思わない。
年が明けたら離婚を言い出そうと思う。
出版社マジ恨む。
比較生産費説は自由貿易を通して富が増加する=豊かになることを説明した理論です。
ここでまず踏まえておかなければならないのは豊かになるとは誰が、何に対してかということです。物財の市場における総供給量が増え、需要者、つまり消費者が豊かになるということです。
ここのところでの異論はあまりありません。説が唱えられてから既に200年の「実験」の蓄積があるのですから、上記の点については事実として扱ってよいでしょう。
比較生産費説が最近、ホットトピックになっているのは、TTPの問題があるからですが、アメリカでもTTP反対論は根強くあるようです。
抗議に参加した人々はTTP協定が仕事と環境に与える潜在的な影響に対して注意喚起したかったと言っています。
「私たちは雇用を求めるためにここにいます」とロレーヌ・アシュビー(66)(シカゴの南東側からの引退した公務労働者)は答えています。
「小さなビジネスを行って、本当の雇用を作り出す人々がここにとどまることが難しくなってきているのです。TTPは雇用を作り出す人々を後ろからナイフで刺すようなものです」
「あまりにも多くの過去の貿易協定は普通の人々を犠牲にし、ウォールストリートと大企業の役立ちました」と彼は言いました。
「私たちは、この地域から海外へ送られた何十万もの高給与の仕事を見ました。また、私たちが必要とするものは、シカゴで、および世界中で労働者の生活水準を実際に改善する貿易協定です」
日本のTTP反対派の人たちもこの言い分には深くうなずくでしょう。日本でもアメリカでも互いを敵視しながら同じような言い分を言い合っているわけです。
こうした言い分に対し、経済学の人たち、というよりもサミュエルソンっぽい新古典派総合っぽい人たちが、誤謬だ誤謬だもっと勉強しろよって膝寄せて鼻を突きつけているわけです。もっとも、その人たちも完全に歯切れがいいわけではなくて、「それは別の話」とか「一時的な痛み」とか、言及している「部分」もあるわけです。
それが果たして別の話なのか、一時的な話なのかというのが、本当は問われるべき問題であろうと思います。
80年代のレガノミックスは、一般に言われているのとは違って、大規模な財政支出と減税による「需要刺激による」景気刺激策でした。レーガンは言っていることはともかくやっていることは無茶苦茶ケインジアンでした。アメリカはそれ以後、蕩尽的消費社会に突入してゆくわけですが、基本的に好景気=インフレです。しかし実際にはインフレ率はそうでもなかった。需要の増大を上回る供給がもたらされたからです。つまり輸入拡大です。この構造はレーガン政権以後、現在まで基本的には続くのですが、では、81年から比較して、「一般アメリカ市民の所得」は増えたのかどうかという話です。全消費者の消費可能量が増えたかどうかという話ではないですよ。リカードさんのおっしゃるとおり、全消費者の消費可能量は増えた、つまり市場は豊かになったに決まっています。しかしそれが、「一般アメリカ人の所得」の増大につながったかどうかという話です。
レーガンから現在までの話ですからね、すでに30年間の記録があるわけです。
決して「一時的な話」ではありません。
結果は言うまでもありませんね。「パパはなんでも知っている」の頃は、パパがフルタイムで働けば子供を大学に行かせられました。今では、ママも働いて、それどころかダブルワーキングをしても、かつかつの生活をしている人が大半になっています。そういう人たちに向かって、理論は正しい、おまえたちが間違っていると言っているのがサミュエルソンのシッポの人たちであるわけです。
比較生産費説の理論的完璧さにもかかわらず、どうしてこのような現象が生じてしまうのでしょうか。
答えは簡単で、産業ごとの特性が異なるからです。比較生産費説は産業ごとの特性をならして、「単位」扱いするところから始まります。産業ごとの特性の問題には最初から対処しきれないというか、扱っている領域そのものが違うのです。
例えばA国とB国がそれぞれ半導体とカカオ豆に特化したとしましょうか。しかしこの両商品はそもそも需要量が違います。必要度合いも違います。産業をスタートさせる難しさの度合いも違います。他産業を発展させ、雇用を創出する能力も違います。もっと言えば収益性も違うわけです。
不安定、低収益、低需要、低波及力の産業に特化した国、つまりモノカルチャーの国が国際経済の荒波にゆられて「豊かになる」どころの話ではなかった原因の根本はここにあります。
労働集約的-資本集約的、高収益-低収益で相に分ければ4つの相が分かれることになります。
「国民の雇用を確保し、そこそこ安定的な経済環境を構築する」のを目的にした場合、もっとも効果的なのが労働集約的-高収益の産業です。ありていにいえば製造業、第二次産業です。
国民経済にとってはコアとなるこの産業が奪われたからこそ、「全体としては経済成長をしながら、格差の増大をもたらし、一般国民の貧窮化を招いた」のがアメリカの姿であるわけです。
これに対して次のように説明するサミュエルソンのシッポがいます。
「給与の高い仕事に転職するということは、比較優位の産業に労働力が移転しているということである。比較生産費説は労働者の経済行動の中にあらかじめビルトインされている」
だから、雇用の喪失は起きない、起きたとしても一時的な調整期間中ものだ、というわけですね。
あなた、30年間を調整機関と呼ぶ神経って、なんていったらいいんでしょうね。
東大に行っているあなた、卒業したらゴールドマンサックスに入りたいなんて思ってるでしょ。給料いいですもんね。給料がいいってのは、生産性が高いということです。もうひとつ、労働需要に対して供給が追いついていないということです。あなたと同じレベルの人を400万円で雇用できるならそうしますよ、ロックフェラーでも。そうしないのは、需要に対して供給が追いついていないからです。
農民が工場労働者になり、事務員になり、というところまではまあそこそこアメリカの労働者でも対応できたかもしれません。もちろんその過程でも脱落していった人はたくさんいるわけですが。
比較生産費説が言っているのはこういうことです。製造業が新興国に特化しても、先進国はさらに生産性が高い産業・職に移動してゆけばよい。みんながジョブスになれば1000万のアップルが誕生して、たくさんのiPhone を手にできるよ!ということです。
それが100年、200年のスパンならばあるいはそういうことも可能かもしれません。しかし現代においては変化はあまりにも急激でありすぎます。
TTPを巡る議論で私が非常に気にかかるのは、TTP賛成派があまりにも気軽に「経済学」を看板にしたがるところです。そしてそれは、「おまえは経済学を知らない」と相手を貶めるために用いられているように見えます。現実の事象について具体的な論拠を求められれば、「経済学は深淵でおまえには分からない」とばかりに現実の問題には何も答えないまま、モデルの話でけむにまきます。
経済学はそういうものではありません。少なくとも、そういうものだけが経済学ではありません。ガルブレイスが生きていたら、なんというでしょうか。
そうした言論的脅しに屈せずに、みなさんは分からないものは分からないと言ってください。納得できないものは納得できないと言ってください。説明できないのは説明できない人の責任であってあなたが頭が悪いからではありません。
なんだろう。昔はもっと仲が良かった気がしたんだけど。
俺とは性質が少し違うなーくらいしか認識してなくて、たった一人のきょうだいだし、仲良くやってたと思う。
おれは高校を出てすぐに就職して、妹は県外の専門学校に行って、今年卒業して帰ってきた。
そのまま県外で就職すればやりたかった仕事もたくさんあるのに、わざわざ帰ってきやがった。
就職先は専門学校で学んだこととは関係のないところ。意味がわかんない。
月に十万近い家賃で、しかもバイトは一切しないで、卒業して、意味がわかんない。
地元に帰ってきたいのはわかるけど、やりたいことあるんなら環境の良い職場で経験積んでから帰ってこいよ。
とりあえず今のところで働きながら探すって言ってるけど、言ってるだけでそんな努力なんかしてないみたいだし。
なんのために学校に行ったんだ?
住んでるところは田舎だから車が必須なんだけど、妹は新車を買ってもらってるし。
おれの中古をあげるって言ったのに、嫌だとか言いやがった。
その車の話も親は最初は中古を探して買う予定だったらしいんだ。
そんなとき、おれはちょうど車を2台もってたから1台あげようと思ったんだ。
だから、親にその考えを話して妹に提案してもらった。
あげようとした車は軽自動車なんだけど、ターボだしフルタイムの4WDだし、ちゃんと整備もしてたから、悪くない話だと思ってた。(冬は雪がめっちゃ降るから軽なら4WDじゃないと家まで帰れなくなる)
でも、妹はそうは思わなかったらしい。
せっかく自分の好きな車を買ってもらえるところだったのに、お前が余計な提案したから買ってもらえないじゃないか。
って思ったみたい。提案しただけで強制ではなかったし、でも、、、お金のこと考えるとおれの案が丸く収まるし、妹はそうだねって言うと勝手に思っていた。
まさか、メールで「お前のせいで全部狂ったわ。ボケ。」って送ってくるとは思わなかった。
おれ?こんなに口が悪かったっけ?
妹が帰ってきてからは、もうなんかしんどい。
隣の部屋で夜遅くまで大声で電話するし、それを注意したら逆切れされるし。
ちなみに携帯料金は親が払っていて、月に3万円を超える。
お前が払えって言ったら、もう電話はそんなにしないって言ったけど、未だに毎晩うるさい。
おかしい。そして、学生時代におれは妹にウィルコムを買ってあげて、ずっと払ってあげた。就職したし、解約してきてって言っても未だに解約しようとしない。
おかしい。
おれは冗談とかいたずらとか大好きで、ときどき妹をからかってみるけど、マジギレされておもいっきり殴られる。なんだろう。
妹の洗顔とか使ったら本気で怒ってくるのに、あいつはおれのムースやワックスを使う。
ワックスはこうやってこれとこれを混ぜるといいよって教えてあげたんだけど、こないだ見たら全部使い切っていた。
それ、6000円くらいするんだけど・・・・限度ってのがあるでしょ。
今日、財布を買ってきてたけど、合皮の安っぽくて、僕じゃしらないブランドらしいけど、でかでかと金のメッキでロゴが貼り付けてあった。
こんなのの何がいいんだ?同じ三万円だったらもっといいほんとの皮のやつが買える。
って言ったら、お前も高い服買ってるし、しかも、お前が着てたら全然高くみえない。
って反撃された。
おれが買っているのは素材も品質もしっかりしたやつで、そんなペラペラなものじゃないし、
全然高くみえないってのは、ハイブランドの中にいかに上手くユニクロを紛れ込ませるかって着方をしているからむしろ褒め言葉だ。
こうやって書いてみるとしょうもないことだらけだけど、すごく合わない。
なんでこんなやつと一緒に暮らしているんだろうって思うくらい合わない。
フルタイムの一人暮らし会社員だけど毎日弁当持っていくし朝ごはんも晩ごはんも作って食べるし、整理整頓も好きだし床はワックスがかかってピカピカで、ベランダではハーブ類がわさわさ。ということを3食コンビニ飯な女友達が知ると、「えー!よく続くねえすごい! 私も誰かのためにならできるんだけど…」などとよく言われる。
私からすると、他ならぬ自分のためだからこそ手間も暇もかけられるわけで、誰かのためならできるってそっちの方がよっぽどすごいなと思うんだけど、男性陣からするとそういう結論には至らないらしく、私にばかり「家庭的だよね」「いい奥さんになりそう」とかニヤニヤ言ってくる。いや全然家庭的じゃないから。家族にだんご三兄弟の次男にそっくりと言われてるし。3食コンビニ飯な女友達タイプのほうがよっぽど家庭的だと思うけどな、資質的に。
ロンドンその他都市のあの「愚者の祭り」から1週間が過ぎて、あの月曜日の事情が少しずつ分かってきた。5年以上ロンドンに住んでいる者としてあれこれ考えることも多かったし、諸事情で「暴徒」のおかれた環境について少し知る機会もあったので、少し書いておきたい。
これについては、無軌道な若者の暴走と言うことで概ねコンセンサスは取れているように思う。以下のtogetterは現状ロンドンで理解されていることに近い。
警察が、最初の暴動の抑制に失敗したことで、「今なら何をやっても大丈夫」という無礼講的なお祭り騒ぎが一挙に拡大したと言うことなのだろう。周囲の興奮と燃えさかる炎に当てられて、「乗るしかない、このビックウェーブに!」とばかりに舞い上がってしまった子供が相当数いたであろう事は間違いない。(ロンドンで逮捕された暴徒の5割以上は18歳未満であるというニュースが出ている。)
もちろん、子供の暴走がここまで大事になってしまったのは異常事態であり、その裏側に社会的問題があると考えるのは当然だ。ただし、今回のように、当事者すら争乱の理由が分からないという状況は、「ぼくの考える社会の欠陥」的な牽強付会の自説を宣伝する絶好の機会だ。実際、イギリス社会の事情も知らず、勉強した形跡も全く読み取れないのに、適当なことを言って悦に入る類の人をTogetterで何人か見かけた(以下に一例)。このエントリーを書こうと思ったのは、その手の単純で非現実的な観念論ではなく、地に足のついた議論の土台を提供したいとおもったからだ。
http://www.guardian.co.uk/uk/2011/aug/09/london-riots-who-took-part
報道から明らかになっているのは、暴徒の大半が未成年であること、特定のエスニックグループが暴徒になったわけではないこと、そして多くがロンドンでも貧しいとされる地域の住人であること。加えてもう一つ言えるのは、彼らの多くがカウンシルフラットと呼ばれる、低所得者向けの公営住宅に住んでいると言うことだ。このカウンシルフラットというのは、イギリスの貧困を語る上では非常に重要な点なので、少し説明をしておきたい。
イギリスにはホームレスが少ない。ロンドンを歩いていると分かるが、駅の構内で段ボールを敷いて寝ている人が殆どいない。公園に段ボールハウスの村が出来ているということもない。どうやらロンドン全体で野宿人の数は500人に届かないようだ。イギリス全体でも1000人未満のようで、2万5000人のドイツと比べると圧倒的に少ない。
何故かというと、イギリスにはあちこちにカウンシルフラットと呼ばれる公営住宅があり、イギリス国籍さえあれば、家賃を払えない低所得者は優先的に居住が認められるからだ。このカウンシルフラットがどのくらいあるのかは自分には分からないが、イギリス中そこかしこにあると思ってもらって間違いない。下の地図は今回暴動の起きたHackneyのものだが、住宅の実に5割がカウンシルフラットとなっている。
カウンシルフラットの家賃は圧倒的に低く、ばらつきはあるものの相場の5分の1程度。それすら払えない人には更に住宅手当が下りる。光熱費やTV受信料も実質タダだ。そして、当然家があるだけでは餓死してしまうので、これとは別にpersonal allowanceと呼ばれる生活手当が出る(最近制度改革があったので名前などが若干違うかもしれないが、大枠は同じ)。25歳未満の単身で週に50ポンド。25歳以上なら60ポンド。外食さえしなければ十分食費と携帯代をまかなえる金額だ(円高の今だと8000円弱に相当)。イギリス国民には、食べるに困るレベルでの貧困は(概ね)存在しない。
ただし、これだけ「おいしい」カウンシルフラットは、当然人気も高い。ウェイティングリストの人数は500万人に達しており、それなりに困窮していないとフラットは手に入らない。下の掲示板では親とカウンシルフラットに同居している30歳女性が、一人で住めるカウンシルフラットを探しているのだが、「今現在無宿とかでないと難しい」と返答されている。
http://boards.gumtree.com/viewtopic.php?t=215432&p=2686792
ここで、イギリス人なら誰でも知っているトリックがある。子供がいて、しかも親がシングルマザーだと、フラットが優先的に廻ってくるのだ。こうなると、親から独立したい、しかし職がない子供にとって、手っ取り早い手段は妊娠と言うことになる。かくして、イギリスは先進国でも突出して10代の母親が多い国になった。しかも、子供が生まれると一人当たり週に12~20ポンドのChild benefitが支給される。また、シングルマザーだと上の生活手当も週に40ポンド前後は増額される。このため、パートナーがいても敢えて結婚せず、シングルマザーになる母親が多い(当然の結果として、その後別れて本当のシングルマザーになる確率は高まる)。母親ひとりに子供一人で月500ポンド(約7万円)あれば、正直生活には困らない。
とはいえ、貯金は難しい。それに、貯金額が6000ポンドを超えてしまうと支給額が減額されてしまうので、そもそも貯金する理由がないのだが。ちょっと大きなTVを買おうとすれば、夜遊びを楽しみたければ、その分働くしかない。問題なのは子供だ。託児所に預けたいところだが、ロンドンの託児所は1ヶ月フルタイムで1000ポンド。平均所得層ですら厳しいこの金額を彼らが払えるわけはない。その結果、子供は無人の家に置き去りでTVを見るかゲームをするかと言うことになる。言葉を学ぶには最低の環境だ。
その結果起こったのが、子供の識字率の低下。移民だけでなく、ネイティブの識字率が低下している。2007年に政府が行った大規模な調査によると、小学1年生の6分の1が自分の名前やmom, catといった3文字の簡単な単語を書くことが出来ない。当然、こういう子供は小学校のカリキュラムに着いていくことは難しい。その結果、無視できない数の中学生(数字は忘れた)が、「数学の試験問題の英語が理解できない」ために零点をとる、という現象が起きてしまった。こんな状況では学校に行くのは苦痛でしかない。カウンシルフラットの周りでは、昼間から特に何をするでもなくぼーっと座っている子供達をよく見かける。
この様な子供が成人して職に就くのは、非常に難しい。肉体労働系なら大丈夫だろうが、ポーランドからの出稼ぎ労働者の方が高いスキルと低い給料で働いている。それよりも低い賃金では、生活保障の支給額を下回ってしまうので、働く意味がない。こうして、カウンシルフラットで生まれた子供は、またカウンシルフラットで自分の子供を産むことになる。ちなみに、失業手当の受給者数は約150万人。人口が倍の日本では80万人だ(失業率は8%弱)。別制度のincapacity benefit(病気などで働けない人のためのもの)の受給者は250万人(人口の5%弱)を超えている。
結果、親子3代、殆ど働きもせずカウンシルフラットに住み続けている、という話は、もはやイギリスでは珍しいものではなくなっている。このような状況で子供が未来に希望を見いだせないのは当然のことだ。少なくとも彼らには、サッカーの才能に恵まれてプレミアリーグに行くくらいしか、この生活を抜け出る手段がないように見えるのではないか。これでは、リオデジャネイロの山肌に広がるスラムの子供にサッカー以外の未来がないのと大して変わらない(実際には、カウンシルフラット生まれでも頑張って勉強して、奨学金で博士号まで取る人もいる。そのための制度や組織もある。ブラジルのスラムに比べれば、カウンシルフラットの子供達は圧倒的に恵まれているという点は強調しておきたい)。このような状況で鬱屈しないでいられるのは、よほど心の強い人間だけだろう。
今回暴動でワイン1本を盗んで歓声をあげ、昨日裁判所で有罪を宣告された子供達は、多くがこういう鬱屈と共に生きているのだと思う。
カウンシルフラットの子供達が鬱屈しているならば、イギリスの納税者達は絶望している。イギリスの税金は高い。年収550万円以下なら所得税は20%、それ以上なら40%(しかも、社会保障関連の支出は所得税収総額を上回っている。なにしろ、上に書いたincapacity benefitだけで1兆5千億円かかっていたのだから)。消費税は20%。それ以外に地方税も取られるし、国民保険料も安くはない。通勤の交通費は自腹が原則だし、会社が住宅補助を出してくれると言うこともあまりない。そういう辛い家計をやりくりしながら、やたら高い家賃を払って暮らしている家のすぐ隣で、無職の人が昼間からぷらぷらしていたりするわけだ(カウンシルフラットは本当にあちこちにあるので)。
それでも、ブレアが政権を取った1997年以降、イギリス人は低所得層との格差を縮めるために税金を投入する政策を支持してきた。小学校低学年は30人学級となり、小学校入学前に児童の学力を底上げするためのプログラム(SSLP)にも1000億円の予算が付き、補習授業は大きく拡充され、挙句には、高校をドロップアウトする生徒を減らすために、出席率が高い貧困家庭の生徒に補助金まで出した。職歴のないシングルマザーにはコンサルティングから面接の訓練まで提供している(一人当たりのコストは10万円)。
にも関わらず、今回の暴動だ。これを「先進国とは思えない、途上国の光景のようだ」と思った人はイギリスにも少なくない。ブレア政権の教育改革がスタートしたのは99年前後だから、今回の暴徒の大半は改革された教育制度の下で育ってきた子供達である。これだけの負担をしていながら、なぜ途上国のスラムのような光景を見なければならないのか。これに絶望せずにいられるのは、やはりよほど心の強い人間だけだろう。
(1) 警察力の強化。これは言うまでもない。秩序を失えば人間は(誰であれ)動物になりうると言うことを、今回の暴動は証明した。ならば、秩序の維持は至上命題だ。先週キャメロンがアドバイサーに招聘したビル・ブラットンはニューヨークで例の「割れ窓理論」の実行部隊を指揮した人であり、警察官の最適配置システムの第一人者でもある。締め付けは厳しくならざるを得ない。
もしこの手の暴動を放置すれば、被害者は自警団を組織する。彼らは武装し、いがみ合い、それが新たな暴動の引き金になる。そうなる前にキャメロンには何とか手を売ってもらいたいと思う。もしかしたらもう手遅れなのかも知れないが。
(2) 社会保障制度の見直し。これは実のところ暴動前から進行している。上で書いたincapacity benefitだが、悪用して海外旅行まで楽しむ輩が多く出た上、一度受給者になると死ぬまでもらえるので、就労意欲がゼロになる。以前から批判が絶えず、キャメロン政権は廃止を決めた(別制度で代替)。ただし、これらの社会保障の削減が暴動の理由ではないというのはマスコミでも一致した見解だ(まだ削減は殆ど始まっていない上、暴徒の大半は親元で暮らしているのでそもそも受給していない)。
上でも書いてきたように、手厚い社会保障制度それ自体が受給者と、その子供や孫の未来までをも奪ってきたという側面がある。そして、この制度は格差の縮小どころか、治安維持という最低限の目的すら達成できなかった。何より、イギリス経済はこれ以上の負担にはもはや耐えられない。ならば、社会保障は削減しつつ、彼らに可能な限り働いてもらうしかない。Benefit Busters (興味のある人はyoutubeで検索すると良い)などを見ているとなかなかに大変そうではあるが、もう選択肢がないのである。
(3) 納税者の復讐。今日キャメロン首相まで”social fightback”と言う言葉を使っていて驚いた。具体的には、暴動に参加した子供がいる家庭に対する社会保障給付の停止。カウンシルフラットからも追い出す。少なくとも感情的には、そして理屈の上でも、そうすべき理由はたくさんある。それが更なる悪循環を招くとしても、あそこまでやられてしまっては納税者の側も収まらない(ちなみに、オックスフォードケンブリッジ卒のエリートはこの手の復讐にはあまり賛同しない。彼らはびっくりするほど穏健だ。怒っているのはむしろ小商店の店主のようないわゆる中産階級に多いような気がする)。鬱屈した子供の暴発を「社会の歪み」を理由に肯定する人は、絶望した納税者の復讐も肯定せねば片手落ちであろうと思う。
最後に、下のtogetterで見つけた以下のコメントについて。
火がつけば爆発するしかないほどの不満を溜め、失うものが何もない奴らがこれだけの数居るんだよ。社会がそれを生んだ。(中略)問題は目の前にそのままの姿である。こいつらのYouTubeを見ろ。音楽を聴け。睨みつけてくる視線に自分をさらせ。
この人の書いたラップの話は、今まで全く知らなかった分野な事もあって新鮮で、興味深く読んだが、このコメントには一言申し上げたい。無茶言うな。暴動明けの火曜日の朝にCamden Townの駅で暴徒の一人とばったり顔を合わせたが、彼の睨み付ける視線にどう応えろと言うのか。プラットフォームのあちこちにどかどか蹴りを入れながら、肩で風を切って周囲にガンをたれながら練り歩いていったが、一個人として彼を見れば、まだ自分を抑制できないただの子供であり、仮にポケットの中に盗品が入っていれば犯罪者に過ぎない。彼らをひとりの人間として直視するなら、そういう扱いにならざるを得ない。復讐の対象にならざるを得ない。むしろ、彼らを一個人ではなく社会現象の一部として扱った方が、まだ冷静な判断は下しやすくなるのではないかと思う。