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はてなキーワード: CAPITALISMとは

2024-11-07

資本主義民主主義限界に対する検討は進んでいるの?

資本主義民主主義限界に対する修正改善を目指す学問思想は多岐にわたり特に近年では貧富の格差社会の分断などの課題対応するための議論がさまざまな分野で展開されています。以下は、その代表的な取り組みです。

 

1. ポスト資本主義(Post-Capitalism

ポスト資本主義は、資本主義に替わる新しい社会経済の枠組みを模索する思想です。経済学者や社会思想家の中には、技術の進展や労働自動化が進む中で、資本主義に基づく経済システムの持続可能性に疑問を持つ声が増えていますポール・メイソンやトーマスピケティなどは、資本の集中が引き起こす格差の拡大に着目し、持続可能経済の実現のために富の再分配や共有経済を含む新しい制度の導入を提唱しています

 

2. 社会市場経済(Social Market Economy)

ヨーロッパ特にドイツを中心に発展した「社会市場経済」は、自由市場経済社会福祉政策を融合させたモデルです。市場競争効率性を維持しながら、労働者や弱者保護し、公正な所得分配を目指します。社会市場経済は、資本主義自由経済民主主義価値観調和させる試みとされ、欧州福祉国家の基盤となっています

 

3. 分配正義ベーシックインカム

分配正義(Distributive Justice)は、財や資源の公平な分配を考える哲学的倫理的分野で、アマルティア・センジョン・ロールズ代表的思想家です。特にロールズは「公正としての正義Justice as Fairness)」を提唱し、社会制度が公平に機能するための条件を提示しています。この流れから貧富の差是正する手段として「ベーシックインカム」が注目されており、すべての国民一定所得を無条件に支給することで最低限の生活保障し、貧困格差の縮小を図ろうとしています

 

4. 修正主義的資本主義とESG(Environmental, Social, and Governance)投資

修正主義的資本主義は、持続可能性と社会的責任を資本主義に組み込むことでその問題解決しようとするものです。ESG投資は、この理念に基づき、企業収益性だけでなく環境社会ガバナンス配慮した投資活動を推進することを目指しています企業活動が長期的な社会利益に貢献するための枠組みを重視し、企業利益のみを追求するのではなく、持続可能な成長を図ることが期待されています

 

5. デル・メトリオラシー(Deliberative Democracy)と共同体主義

民主主義において、社会の分断やポピュリズムの台頭に対抗するため、「熟議民主主義」や「共同体主義」といった思想が見直されています。熟議民主主義は、市民公共の場意見を交わし合うことで、合意形成を目指すアプローチであり、単なる多数決ではなく深い議論に基づく意思決定を重視します。また、共同体主義は、個人自由とともに地域共同体価値を重視する思想で、アミタイ・エツィオーニなどが提唱しており、社会的な絆や共通善を再評価する動きが見られます

 

6. デジタル技術を用いた新しい社会経済システム

ブロックチェーン技術分散型台帳技術(DLT)は、新たな経済システムガバナンスモデルとして注目されています。これらの技術活用することで、中央集権的な管理を排し、分散的かつ透明性の高い社会システム可能になると考えられていますブロックチェーンを基盤にした分散自治組織(DAO)や、暗号資産を用いた経済圏が試みられており、伝統的な資本主義民主主義の枠組みを再考する材料となっています

 

これらの思想学問検討は、資本主義民主主義限界に対して、社会の持続可能性や公平性を向上させるための試みとして重要役割果たしてます

2024-07-21

ジジェクの言う「ウォーク左派」の具体例

目覚めはここにあるWokeness Is Here To Stay / スラヴォイ・ジジェクSlavoj Žižek

2023年2月22日

ttps://www.compactmag.com/article/wokeness-is-here-to-stay/

 

ウォークネス[ “wokeness”]は衰退しつつあると主張する人もいる。

だが実際には、それは徐々に常態化され、内心疑っている人々でさえ従い、学術機関企業国家機関の大多数によって実践されている。

からこそ、ウォークネスはこれまで以上に批判されるべきであり、その反対側にある新しいポピュリズム宗教原理主義猥褻さと共に、批判されるべきである

 

まずはスコットランドから始めよう。

スコットランドではニコラ・スタージョン政権覚醒主義woke-ismとLGBT運動を(ほぼ)最後まで押し進めた。

2022年12月スコットランド議会が個人が法的に性別を変更しやすくする計画承認し、新しい自己認識システムを16歳と17歳に拡大したことを受けて、

スコットランドは「平等にとって歴史的な日」と称賛した。基本的に、自分がどう感じているか宣言し、自分がどうありたいか登録する制度だ。

レイプ有罪判決を受けた生物学的に男性であるイスラブライソンがスターリング女性刑務所送致されたとき、予想通りの問題が浮上した。

 

ブライソンは、強姦罪法廷に出廷して初めて、自分はもはや男性ではないと確信した。

まり女性であると自認する人物が、自分ペニスを使って2人の女性強姦したのだ。

 

この送致決定は非常に論理的だ。

 

男らしさや女らしさが身体とは何の関係もなく、すべては主観的自己定義関係するのなら、

ペニスを持つ強姦犯は、捕らえられた女性たちと一緒に刑務所に入れられなければならない。

 

[ところが]数々の抗議があった後で、ブライソンは男性刑務所に入れられた。

しかし先ほど[の決定]と同様に、この決定もスコットランドの[先ほどの]法律下で問題となる。なぜなら女性を自認する人が、男性刑務所収監されているのだから

Again, this is problematic under Scottish law, since we have now a self-identified woman in male prison.

 

スタージョン氏が辞任したのは、国民のなかで「LGBTに反対しているわけではないが、さきほどのような措置に単純に反対している人々」を疎外したためだ。

 

ここでのポイントは、簡単解決策はないということだ。

なぜなら、性的アイデンティティはそれ自体が単純なアイデンティティではなく、

矛盾無意識の特徴に満ちた複雑な次元であり、私たちがどう感じているかを直接参照するだけでは、決して証明できないものからだ。

 

いわゆる思春期ブロッカーPuberty blockersの使用をめぐる最近の論争は、この同じ複雑さの別の側面に関係している。

 

ロンドンのタヴィストック クリニックは、ホルモン抑制し、

乳房などの性別に基づく特徴の発達を一時停止させる思春期ブロッカー使用を、

制限するよう上級当局から命じられた。

 

タヴィストックは、性的アイデンティティ選択できないように見える 9 歳から 16 歳の若者にこれらの薬を投与していた。

タヴィストック臨床医は、性的アイデンティティを決定できない若者は、環境からプレッシャーで強いられた選択を行い、その結果、

彼らの本当の傾向 (主にトランスジェンダーであること) が抑圧される危険性があると推論した。

 

思春期ブロッカーは、そのような若者思春期に入るのを遅らせ、

より成熟した年齢で決定する前に、性的アイデンティティについて熟考する時間を与えるために必要だった。

 

思春期ブロッカーは、タヴィストックでの診察に送られたほぼすべての子供に投与された。

その中には、「性的指向がはっきりしない」という誤診を受けた可能性のある自閉症若者や、問題を抱えた若者も含まれていた。

言い換えれば、医学的な性別移行を望むかどうか判断できる年齢に達していない脆弱子供たちに、人生を変えるような治療が行われていたのだ。

 

批評家の一人が言ったように、「性別の悩みを抱える子供には、時間サポート必要である。あとになって後悔するかもしれない医療措置に進むよう仕向けられるべきではない」のだ。

 

矛盾は明らかだ。

思春期ブロッカーは、若者成熟を一時停止し、性的アイデンティティについて自由に決定できるようにするために投与されたが、

これらの薬は、他の多くの身体的および精神病理を引き起こす可能性がある。

誰も、若者にそのような結果をもたらす薬を服用する準備ができているかどうかを尋ねることは無かった。

批判者のひとりであるヒラリー・キャス博士は、「思春期ブロッカー意思決定時間を稼ぐのではなく、その意思決定プロセスを混乱させる可能性があるかどうか、私たちには知る術がない。

脳の成熟一時的あるいは永続的に阻害されるかもしれない」と書いている。

 

キャスの批判さらに一歩進めて、性的アイデンティティーへの到達は、成熟した自由選択問題であるという、非常に基本的な主張に疑問を呈すべきである

 

性的混乱に「異常」なことは何もない。「性的成熟」と呼ばれるものは、長く複雑で、ほとんど無意識プロセスである

それは激しい緊張と逆転に満ちている。自分の心の奥底にある「本当の自分」を発見するプロセスではない。

 

西側諸国の多くのジェンダークリニックでは、医師たちは「無条件の肯定的アプローチ」を取らざるを得ないと感じている。

子供たちを悩ませている、他の根本的な精神危機にはほとんど配慮していない…と、ある批評家は指摘している。

 

実際のところ、プレッシャーは二重にある。

 

第一に、医師たちはトランスロビーに怯えている。

彼らは、思春期ブロッカーに対する懐疑論を、トランスジェンダーの人々が性的アイデンティティを実現することをより困難にしようとする保守的試みと解釈している。

 

これに金銭的な強迫観念が加わって、この状況はさら悪化している。

例えば、タヴィストック収入の半分以上は、若者性的問題治療によるものだった。

まり、ここで起きているのは、政治的に正しいしつこい勧誘と、金銭利益の冷酷な計算の最悪の組み合わせだ。

 

思春期ブロッカー使用は、ウォーク資本主義woke capitalismのもう一つのである

 

かに、この 2 つの論争は、少なくとも反「ウォーク勢力部分的勝利をもたらした。

スタージョンは辞任し、タヴィストック・クリニックは閉鎖されたのだから

 

しか現在働いている勢力は、個々の政治家見解や、特定機関力学はるかに超える勢いを持っている。

しろ個人機関は、上から押し付けるのではなく、常に他所から来る規制適応しようとしている。

したがって、同様のスキャンダルが今後も増え続けることは間違いない。

(以下省略)

 

【※参考】

思春期ブロッカー批判するジジェク動画

https://www.youtube.com/watch?v=i826SBcDF_I

 

2024-04-17

anond:20240415002846

そういうルサンチマンを持っていない裕福な層は多少大きな政府だったほうが自分たち生活安全になるから

政府底辺層お金をばらまいても構わないと思ってるんじゃないかな。

 ・・・ そう、富裕税などの導入に積極的なのはしろ富裕層の方だったりする。金融取引税とか地球温暖化防止策とかについてもそう。 

なんかそういう本があったっけな。 Defending Capitalism だっけ? 結局そういうことをやる方が資本主義社会を存続していけるという考え方。

2021-09-13

anond:20210912221401

アブストしか読んでないけどこの論文

Global Income Inequality, 1820-2020: The Persistence and Mutation of Extreme Inequality

アブストから引用引用ダメなら消します)

these two components of global inequality have moved separately between 1910 and 2020: within-country inequality dropped in 1910- 1980 (while between-country inequality kept increasing) but rose in 1980-2020 (while between-country inequality started to decline).

As a consequence of these contradictory and compensating evolutions, early 21st century neo-colonial capitalism involves similar levels of inequality as early 20th century colonial capitalism,



https://halshs.archives-ouvertes.fr/halshs-03321887/

2019-01-29

リベラルの終わり

Coal industry dies*

Journalists: "Learn to code, miners."

Overfunded tech company dies*

Journalists: "LOL Theranos 2. Suck it, techbro man-babies."

Overfunded media company lays off 10 people*

Journalists: "Capitalism is evil and this is the end of our democracy."

2010-01-19

搾取を語るなら論文を読め

http://d.hatena.ne.jp/dondoko9876/20100118/1263799034

日本韓国統治は善政か否か」問題で久しぶりに面白いエントリーを読んだ。正直、日本韓国統治は悪だ、という議論は感情論ばかりが横行するので辟易していたのだが、こういう数字に基づいたエントリーが出てくるとちゃんと議論になる。実際、コメント欄でも、すれ違いはあるものの真っ当な議論になっているように思う。

でもさ、『ちゃんと学術的に認められた歴史書を読み直されるよう、お勧めいたします。』って書くならさ、もう一歩踏み込んでもいいと思うんだ。学問の主戦場たる英語論文の数々に。ここ20年間、様々な定性定量分析が積み重ねられてるのに、それを無視するなんて余りにももったいない

結局、日本韓国もこの件ではバリバリ当事者な訳で、どうしたって中立的な議論は出来ない。純粋に学術的に中立的な議論をしても、その裏の政治的思惑を勘ぐられるのがオチだ。なら、第三者たる欧米の、それも世界最高峰大学で教鞭を執る学者の議論を参照することは決して無意味な事じゃないはずだ。

それに、10年前と違って、我々はほぼ自由にこれらの議論にアクセスできる。Google Scholarで”Japan Korea colonization”を検索してみるだけでいい。10回くらいクリックすれば議論の形はある程度つかめてしまう。いい時代になったもんだ。

で、2時間ほど仕事をさぼって論文を流し読みした結論。それは、

日本韓国統治が善政だったかどうかはともかく、「その植民地政策が、他の帝国主義国家の政策とは明らかに異なる、有益なものであった」ことについては、学者の間である程度のコンセンサスがある

ということ。ついでに言うと、欧米開発経済学者と何度か話した時も、この結論をある種自明のように語っていたので、現在でもこのコンセンサスは有効であるように思う。私自身は門外漢なので断言は出来ないが。

日本植民地政策の総論として、大体平均的な見解になっているのは、Bluce Cumings(シカゴ教授)の以下の下りだと思う。

エトウ教授日本の悪徳はヨーロッパの植民者のそれと何ら変わるところがなかった、と述べている。それは正しいのかもしれないが、一方でその美徳はヨーロッパ人のそれとは全く異なっていた。日本人には、信じるに足る「自らを正当化する神話」は存在しない。少なくとも何人かのフィリピン人は、アメリカ植民地主義独立というゴールへと至るための良き教師であると信じていたが、日本は良き教師ではなかった。少なくとも幾人かはイギリスインドにとって自由民主主義の良き模範であったと信じているが、日本は良き模範でもなかった。日本がもたらした美徳の数々は、倫理的には(philosophically)正当化するのは難しいが、実際的には(practically)容易に受け入れられるものだ:軍事的成功、強力な国権の運用、急速な経済発展、そして近代的な工業セクター。それゆえ、1945年韓国人達は日本植民地主義に対する全面的な拒絶を唱えて解放を謳歌したが、その一方で日本がもたらした様々な影響からは抜け出すことが出来ないという、二律背反に直面することになったのである。

ちなみに、このCumings教授北朝鮮よりの言動が過ぎると批判を受けているくらいであって(英語Wikipedia参照)、決して日本よりのスタンスを取っているわけではない。むしろ、日本植民地政策は朝鮮政治的に分断される一因となったと書いている(人となりの雰囲気はこの辺りのブログで分かるかもしれない。http://d.hatena.ne.jp/uedaryo/20090208/1234060826)。それでもなお、36年間の日本経済政策については、むしろ肯定的な言及が多い。日本植民地政策についての興味深い言及もあるので、興味のある人は以下のリンクを読んでみると良いだろう。英語は平易なので、特に苦労なく読めるはずだ。

B. Cumings (1984), “The legacy of Japanese colonialism in Korea”, RH Myers and MR Peattie eds., The Japanese Colonial Empire: 1895-1945, Princeton UP.

http://brightrising.com/pdf211/week10/Bruce%20Cumings%20%27The%20Legacy%20of%20Japanese%20Colonialism%20in%20Korea%27%20-The%20Japanese%20Colonial%20Empire-%20p.%20478-496.pdf

似たような議論としては、

LG Reynolds (1983), “The Spread of Economic Growth to the Third World: 1850-1980”, Journal of Economic Literature.

G-W Shin (1998), “Agrarian Conflict and the origins of Korean Capitalism”, American Journal of Sociology.

CJ Eckert (1991), Offspring of Empire, U of Washington Press

などがまとまっている(最後のは読んでないが)ので、興味のある人は参照して欲しい。Google scholar検索すれば他にも沢山出てくる。個人的にはReynoldsが俯瞰的にまとめていて良いと思う(アクセス権がないと入手が困難だが)。

さて、ここからが本題だ。欧米の碩学達はなぜ「日本植民地政策は有益であった」と結論づけたのだろう。正直、上のリンクを読みやがれの一言で済ませてしまっても良いのだが、一連の議論がある程度まとまっている論文を見つけたので、以下で抄訳してみたい。プリンストン大学のAtul Kohli教授論文なのだが、まず彼は94年に「日本植民地政策は、戦後韓国経済発展に重要な貢献を成した」という論文を発表したのだが、これにS. Haggard(UCサンディエゴ校)、D.Kang(ダートマスカレッジ)、C-I Moon(延世大学)の3人が「いやいや日本の影響なんてたいしたことないから」という反論論文(以下HKM)を寄稿した。これに対して更に「いや、君たちの言うことはおかしい」という再反論をKohliが行った、という流れになっている。この最後の再反論の論文が短くまとまっていて論点も明確なので、これを取り上げてみることにしよう。

1.The economic records and legacies

HKMではKohli論文に対して4点の反論を試みている。まず、日本統治下での韓国経済成長と、終戦後韓国経済成長とを過大評価しているという点。『私の原論文では、主によく知られたS-C Suh (1978)のデータに基づいて、植民地時代の米の生産量は年率2%相当の伸びを示しており、その相当量が土地1単位辺りの収量の増加によると議論している。生産性の向上は、日本政府による計画的な灌漑、品種改良と肥料の使用を反映したものだ。

日本の行動が利己的なものであって、多くの韓国人はこれらの植民政策の恩恵を受けていなかったという不快事実に関係なく、安定的で近代的な農業生産の成長は植民地主義歴史の中でほぼ無類の成果であった。この経験韓国を他のアジア諸国(除日台)から一線を画す存在にした。そして、この経験はその後の韓国経済成長へ貢献する一要素となったことは間違いない。』

HKMはこれに反論を試みているが、『HKM自身が提示した資料によれば、1911年から38年までの植民下の韓国農業成長は3.17%増加しており、私の提示した数字よりも更に高い。』Dehliはなぜ彼らはこの事実をちゃんと議論しないのかと指摘した上で、もう少し細かい議論をしている。さらに他の研究を引いて、Myers and Yamada (1984)は1920年から40年までの農業生産の伸びを年率1.15%、S-C Suh (1978)は穀物生産が25年間で45%、米は30年間で100%増加したと推計しており、『これらのデータを前にして、植民政策下の韓国農業生産と米の生産が植民経済の基準から言ってかなりの増加を示したことを誰が疑うのだろうか?』と問うている。

『より重要なのは、これらの、特に米の生産の成長の源泉は何かと言うことだ。Suh (1978)とMyers and Yamada (1984)の双方が、この時期に耕地の大幅な拡大や、農業への労働者の大量投入は見られないと指摘している。これらが強く示唆するのは生産性の向上である。HKMは生産性の向上はあくまで緩やかなものに過ぎなかったと主張するが、30年間で60%もの生産性の向上(Suh, 1978)を緩やかと表現するのは不可能だ。籾付米の栽培パターンの変化は韓国農業に“生物学革命”が起こったことを示している:品種改良された種籾を使用する水田は倍に増え、肥料の投入量は10倍になり、灌漑された農地は年率10%近いスピードで拡大し続けた(Suh, 1978, Myers and Yamada, 1894, Ishikawa, 1967)。

これらの改善明治時代農地革命の日本から韓国への計画的な普及の成果(Suh, 1978, Myers and Yamada, 1984)であった。日本植民地政府韓国農業改革の努力によって、“近代的な農業革命が開始され”、日本台湾と同様に、“これはアジアにおける近代農業改革の端緒となったと言って良いだろう”(Myers and Yamada, 1984)。更に、他の研究者達が指摘するように、この革命は終戦後も引き続き行われた。これでもなお、「ユニーク植民地の運営は大戦後の韓国経済発展への足がかりとなった」ことを否定することが出来るのだろうか?』

日本工業政策の影響については、『HKMは3つの伝統的な-そしてあまり説得的ではない-理由から反論している。曰く、工業部門は殆ど日本人が所有していた。曰く、その殆どは北朝鮮に位置していて韓国経済発展には関係ない。曰く、どちらにせよ、朝鮮戦争であらかた破壊されたので関係ない。

日本人への所有権の集中という最初のポイントは説得的とは言えない。韓国1965年以降の経済成長においても、企業所有権はかなり集中していた。こっちは問題ではないとでも?日本資本について言えば、「外国資本ニ支配サレタ工業化ハ真ノ工業化トハ言エナイ」的な議論は、既に説得力を失って久しい。第2に、工業資本朝鮮戦争破壊されたという点は私が原論文で指摘済みの点である。繰り返すが、当時の工業資本の約半数は南朝鮮にあったのである。さらに、南朝鮮にあったのは繊維工場のような軽工業資本であって、北の重工業に比べて輸出産業としては離陸しやすかったはずである。』

Kohliは、更に反論として、脱植民地運動朝鮮戦争破壊からの急速な回復は、韓国人近代工業を運営した経験があったからこそであること、(2) 工業資本戦争破壊されたのは事実としても、知識は消え去らないこと、近年のRomer (1993)などの内省的成長理論においても知識の重要性が強調されていること、などから、日本植民地時代の「正の遺産」は韓国経済発展に寄与したとしている。

2. On the developmental state

政治プロセスの話をしているのだが、「てめーの読み違いだよ」という話なので省略。

3. On the origins of Korean capitalism

『主にEckert (1991)の重要な著作に依って、私は原論文日本植民地主義韓国資本主義が孵化するためのフレームワークを構築した、と論じた。』『HKMはEckertはある特定の例しか研究しておらず、日本植民地政策の影響がなかったとしても、韓国固有の資本主義がいずれ芽生えたはずだ、と主張している。』

これに対する反論として、Kohliは3点の反論を挙げている。(1) Eckert (1991)の“韓国資本主義日本の統治の下で、日本の公式な承認(official Japanese blessing)をもって花開いた”という議論は依然として受け入れられており、仮に例証の少なさが問題だとしても、多くの研究者がいくつもの例証を発見しつつある(例えば、Ho Su Yolの研究によれば、韓国企業家の数と、韓国人所有の企業の規模は、1930年代に共に増加している。(2) 歴史にifはありません。 (3) 『確かに、植民政府利己的な動機で動いていた。確かに、多くの企業日本人に所有されていた。しかしそれでも、その政府で、企業で、多くの韓国人が働いていた。そして、その過程で日本式の資本主義はゆっくりと、しかし確実に韓国に根付いていった。更に言えば、多くの韓国人起業家がそのビジネススタートさせたのはこの時期なのだ (Eckert, 1991)。確かに、有力な財閥企業の多くは大戦後に設立されている。しかし、資本主義というのはある日突然芽生えるものではない。多くの財閥企業(現代、三星Lucky Starなど)の創業者達が最初に事業を興したのは植民地時代なのである。』

5. On the state and lower classes

最後に、日本政府による朝鮮人労働者の使役の問題について。『私は原論文で、韓国での日本人は、きわめて抑圧的でそして日本自身のそれによく似た労使関係の構築に寄与した、と主張した。マネージャー達は若い韓国人を雇い、OJTを施し、愛社精神を植え付け、とんでもない長時間労働を要求し、そして国家権力を後ろ盾として労働組合政治的な活動を禁じた。さらに、“サンポ”システムで「産業愛国クラブ(industrial patriotism clubs)」を組織して経営者労働運動リーダー達を同じクラブの一員とし、彼ら労働運動リーダー達を経営者が雇い挙げる仕組みを作り上げた。この厳格なアメとムチのシステム日本人経営者に「生産性上昇よりも低い賃金アップ」という恩恵をもたらしただけでなく、政治運動を無視して生産性向上に集中させることを可能にした。この仕組みは韓国政府に受け継がれ、その高度成長期まではこの仕組みは維持された。』

以下結論が続くが省略する。残念ながら、この論文大学関係者以外はアクセス権がないので、興味のある方は大学図書館で以下を当たって欲しい。

A Kohli, (1994), “Where do high growth political economics come from?”, World Development.

S Haggard, D Kang, CI Moon (1997), “Japanese colonialism and Korean development: a critique”, World Development

A Kohli, (1997), “Japanese colonialism and Korean development: a reply”, World Development.

念のために書くが、別に権威ある意見が全てだと言っているわけではない。自分の足でデータを探して考えるのはとても大切なこと。でも、それだけではたどり着けない議論というのがあることも分かってもらえればありがたい。上で紹介したKohliは帝国主義経済発展が専門分野で、日々そんなことばかり議論する毎日を送っているはずだ。そういう人たちがたどり着いた「日本植民地政策にはありきたりのvices(悪徳)と、ユニークなvirtues(美徳)がある」という結論には、それだけの重みがあると私は思う。

2010-01-14

ttp://news.livedoor.com/article/detail/4545741/

というわけで、鳩山首相が読むべき本5冊を紹介します。

[1]資本主義と自由、ミルトン・フリードマン

(Capitalism and Freedom)

国家による統制や社会主義思想がどれほど危険なものか、この本を読んで勉強しなさい。

あなた方一部の民主党幹部の思想は結構やばいんだよ。

マジ、みんな心配してるから。

「自由より平等を優先する社会は、結果的にはどちらも失うことになる」ってフリードマンはいってるんだよ。

この言葉意味がわかるようになるまで、何度もこの本を読みなさい。

[2]Macroeconomics, N. Gregory Mankiw

だいたいあなたはマクロ経済学まったく勉強してないでしょ?

この本読んでちょっとは勉強しなさい。

きょうびケインズ政策なんてはやんねーんだよ。

国債発行しまくってバラマキ福祉なんて、悪い冗談やめてくれよ。

このマンキューの本はマクロ経済学教科書としては、めちゃくちゃよく出来てるから何度も読みなさい。

[3]ミクロ経済学〈1〉市場の失敗と政府の失敗への対策、八田達夫ミクロ経済学〈2〉効率化と格差是正八田達夫

あなたミクロ経済学もちょっとは勉強しなさい。

あなたたち民主党の支持団体の既得権益を守るために、どれほど多くの国民犠牲になっているのか、よく反省しなさい。

労働組合が支持団体ってけっこうやばいよね。

八田さんの本は、日本経済の様々な実例を使った最高によくできたミクロ経済学の本だから、よく勉強すること。

特に2の方。

[4]労働市場改革の経済学八代尚宏

派遣禁止なんてアフォなことをいっている暇があったらこの本をしっかり読みなさい。

正社員保護をそのままにして、派遣を禁止するなんて、労働組合に入っている大企業サラリーマンによる弱い者イジメ以外の何物でもない。

[5]グローバリゼーションを擁護する、ジャグディシュ・バグワティ

(In Defense of Globalization)

グローバル資本主義がどれほど世界格差貧困を克服するのに強力なシステムなのか、この本でも読んでしっかり理解しなさい。

あなたの友愛政治なんて社会主義思想が、どれほど国民の豊かさを棄損し、一部の権力者による国民への暴力的な搾取にしかつながらないことなんて明らかです。

2009-03-10

http://anond.hatelabo.jp/20090310151821

貧乏人は飢えて死ねという虐殺独裁者buyobuyo

「話は聞かせてもらったぞ

y_arimはシベリア送りだ」

http://anond.hatelabo.jp/20090309232518

http://s03.megalodon.jp/2009-0309-2323-15/b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20090307040202

buyobuyo 死ねばいいのに 飢えてしんじゃえよ。 2009/03/09

http://anond.hatelabo.jp/20090309225846

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20090309225846

y_arim anonymous, music, copyright, freedom, capitalism そもそも「はてサ」の中には左翼もいればリベラリストもいるわけで。buyobuyo氏はリベラリスト寄りでしょう。あと「左翼」にも穏健なのからアナーキストまでよりどりみどりで、全然一枚岩じゃない。



ちょっと変えてみた

独裁者buyobuyo

buyobuyo

「話は聞かせてもらったぞ

y_arimはシベリア送りだ」

http://anond.hatelabo.jp/20090309232518

http://s03.megalodon.jp/2009-0309-2323-15/b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20090307040202

buyobuyo 死ねばいいのに 飢えてしんじゃえよ。 2009/03/09

http://anond.hatelabo.jp/20090309225846

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20090309225846

y_arim anonymous, music, copyright, freedom, capitalism そもそも「はてサ」の中には左翼もいればリベラリストもいるわけで。buyobuyo氏はリベラリスト寄りでしょう。あと「左翼」にも穏健なのからアナーキストまでよりどりみどりで、全然一枚岩じゃない。

buyobuyoはリベラリストじゃなくてスターリニストだろjk

http://anond.hatelabo.jp/20090309225846

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20090309225846

y_arim anonymous, music, copyright, freedom, capitalism そもそも「はてサ」の中には左翼もいればリベラリストもいるわけで。buyobuyo氏はリベラリスト寄りでしょう。あと「左翼」にも穏健なのからアナーキストまでよりどりみどりで、全然一枚岩じゃない。

http://anond.hatelabo.jp/20090309232518

http://s03.megalodon.jp/2009-0309-2323-15/b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20090307040202

buyobuyo 死ねばいいのに 飢えてしんじゃえよ。 2009/03/09

死ねばいいのに 飢えてしんじゃえよ。」

こんな事スターリンしかいわねーよwwwwwwwww

http://anond.hatelabo.jp/20090309225846

y_arim anonymous, music, copyright, freedom, capitalism そもそも「はてサ」の中には左翼もいればリベラリストもいるわけで。buyobuyo氏はリベラリスト寄りでしょう。あと「左翼」にも穏健なのからアナーキストまでよりどりみどりで、全然一枚岩じゃない。

はてサヨクとはてリベラリストってどう違うの?

有村

「話は聞かせてもらったぞ

buyobuyoはシベリア送りだ」

http://anond.hatelabo.jp/20090309225846

はてサヨクとはてリベラリストってどう違うの?

説明責任どこー?

有村スターリンみたいに独裁して決めてるの~?

y_arim anonymous, music, copyright, freedom, capitalism そもそも「はてサ」の中には左翼もいればリベラリストもいるわけで。buyobuyo氏はリベラリスト寄りでしょう。あと「左翼」にも穏健なのからアナーキストまでよりどりみどりで、全然一枚岩じゃない。

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はてサはてな虐殺サヨクキタ━ヾ(   )ノ゛ヾ( ゚д)ノ゛ヾ(゚д゚)ノ゛ヾ(д゚ )ノ゛ヾ(  )ノ゛━━!!

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y_arim anonymous, music, copyright, freedom, capitalism そもそも「はてサ」の中には左翼もいればリベラリストもいるわけで。buyobuyo氏はリベラリスト寄りでしょう。あと「左翼」にも穏健なのからアナーキストまでよりどりみどりで、全然一枚岩じゃない。

ポル・ポトサヨクじゃない

スターリンサヨクじゃない

高橋直樹サヨクじゃない

・buyobuyoはサヨクじゃない

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ダイレクトに変更

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はてサはてな虐殺サヨクキタ━ヾ(   )ノ゛ヾ( ゚д)ノ゛ヾ(゚д゚)ノ゛ヾ(д゚ )ノ゛ヾ(  )ノ゛━━!!

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ツリーに入れといた



id:y_arimへ

id:y_arim anonymous, music, copyright, freedom, capitalism そもそも「はてサ」の中には左翼もいればリベラリストもいるわけで。buyobuyo氏はリベラリスト寄りでしょう。あと「左翼」にも穏健なのからアナーキストまでよりどりみどりで、全然一枚岩じゃない。

はてサヨクとはてリベラリストってどう違うの?

説明責任どこー?

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これは俺も聞きたい>有村

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id:y_arim anonymous, music, copyright, freedom, capitalism そもそも「はてサ」の中には左翼もいればリベラリストもいるわけで。buyobuyo氏はリベラリスト寄りでしょう。あと「左翼」にも穏健なのからアナーキストまでよりどりみどりで、全然一枚岩じゃない。

はてサヨクとはてリベラリストってどう違うの?

説明責任どこー?

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はてサはてな虐殺サヨクキタ━ヾ(   )ノ゛ヾ( ゚д)ノ゛ヾ(゚д゚)ノ゛ヾ(д゚ )ノ゛ヾ(  )ノ゛━━!!

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y_arim anonymous, music, copyright, freedom, capitalism そもそも「はてサ」の中には左翼もいればリベラリストもいるわけで。buyobuyo氏はリベラリスト寄りでしょう。あと「左翼」にも穏健なのからアナーキストまでよりどりみどりで、全然一枚岩じゃない。

ポル・ポトサヨクじゃない

スターリンサヨクじゃない

高橋直樹サヨクじゃない

・buyobuyoはサヨクじゃない




都合の悪い連中は都合が悪くなった後にサヨクから外すはてサwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 
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