2024-07-21

ジジェクの言う「ウォーク左派」の具体例

目覚めはここにあるWokeness Is Here To Stay / スラヴォイ・ジジェクSlavoj Žižek

2023年2月22日

ttps://www.compactmag.com/article/wokeness-is-here-to-stay/

 

ウォークネス[ “wokeness”]は衰退しつつあると主張する人もいる。

だが実際には、それは徐々に常態化され、内心疑っている人々でさえ従い、学術機関企業国家機関の大多数によって実践されている。

からこそ、ウォークネスはこれまで以上に批判されるべきであり、その反対側にある新しいポピュリズム宗教原理主義猥褻さと共に、批判されるべきである

 

まずはスコットランドから始めよう。

スコットランドではニコラ・スタージョン政権覚醒主義woke-ismとLGBT運動を(ほぼ)最後まで押し進めた。

2022年12月スコットランド議会が個人が法的に性別を変更しやすくする計画承認し、新しい自己認識システムを16歳と17歳に拡大したことを受けて、

スコットランドは「平等にとって歴史的な日」と称賛した。基本的に、自分がどう感じているか宣言し、自分がどうありたいか登録する制度だ。

レイプ有罪判決を受けた生物学的に男性であるイスラブライソンがスターリング女性刑務所送致されたとき、予想通りの問題が浮上した。

 

ブライソンは、強姦罪法廷に出廷して初めて、自分はもはや男性ではないと確信した。

まり女性であると自認する人物が、自分ペニスを使って2人の女性強姦したのだ。

 

この送致決定は非常に論理的だ。

 

男らしさや女らしさが身体とは何の関係もなく、すべては主観的自己定義関係するのなら、

ペニスを持つ強姦犯は、捕らえられた女性たちと一緒に刑務所に入れられなければならない。

 

[ところが]数々の抗議があった後で、ブライソンは男性刑務所に入れられた。

しかし先ほど[の決定]と同様に、この決定もスコットランドの[先ほどの]法律下で問題となる。なぜなら女性を自認する人が、男性刑務所収監されているのだから

Again, this is problematic under Scottish law, since we have now a self-identified woman in male prison.

 

スタージョン氏が辞任したのは、国民のなかで「LGBTに反対しているわけではないが、さきほどのような措置に単純に反対している人々」を疎外したためだ。

 

ここでのポイントは、簡単解決策はないということだ。

なぜなら、性的アイデンティティはそれ自体が単純なアイデンティティではなく、

矛盾無意識の特徴に満ちた複雑な次元であり、私たちがどう感じているかを直接参照するだけでは、決して証明できないものからだ。

 

いわゆる思春期ブロッカーPuberty blockersの使用をめぐる最近の論争は、この同じ複雑さの別の側面に関係している。

 

ロンドンのタヴィストック クリニックは、ホルモン抑制し、

乳房などの性別に基づく特徴の発達を一時停止させる思春期ブロッカー使用を、

制限するよう上級当局から命じられた。

 

タヴィストックは、性的アイデンティティ選択できないように見える 9 歳から 16 歳の若者にこれらの薬を投与していた。

タヴィストック臨床医は、性的アイデンティティを決定できない若者は、環境からプレッシャーで強いられた選択を行い、その結果、

彼らの本当の傾向 (主にトランスジェンダーであること) が抑圧される危険性があると推論した。

 

思春期ブロッカーは、そのような若者思春期に入るのを遅らせ、

より成熟した年齢で決定する前に、性的アイデンティティについて熟考する時間を与えるために必要だった。

 

思春期ブロッカーは、タヴィストックでの診察に送られたほぼすべての子供に投与された。

その中には、「性的指向がはっきりしない」という誤診を受けた可能性のある自閉症若者や、問題を抱えた若者も含まれていた。

言い換えれば、医学的な性別移行を望むかどうか判断できる年齢に達していない脆弱子供たちに、人生を変えるような治療が行われていたのだ。

 

批評家の一人が言ったように、「性別の悩みを抱える子供には、時間サポート必要である。あとになって後悔するかもしれない医療措置に進むよう仕向けられるべきではない」のだ。

 

矛盾は明らかだ。

思春期ブロッカーは、若者成熟を一時停止し、性的アイデンティティについて自由に決定できるようにするために投与されたが、

これらの薬は、他の多くの身体的および精神病理を引き起こす可能性がある。

誰も、若者にそのような結果をもたらす薬を服用する準備ができているかどうかを尋ねることは無かった。

批判者のひとりであるヒラリー・キャス博士は、「思春期ブロッカー意思決定時間を稼ぐのではなく、その意思決定プロセスを混乱させる可能性があるかどうか、私たちには知る術がない。

脳の成熟一時的あるいは永続的に阻害されるかもしれない」と書いている。

 

キャスの批判さらに一歩進めて、性的アイデンティティーへの到達は、成熟した自由選択問題であるという、非常に基本的な主張に疑問を呈すべきである

 

性的混乱に「異常」なことは何もない。「性的成熟」と呼ばれるものは、長く複雑で、ほとんど無意識プロセスである

それは激しい緊張と逆転に満ちている。自分の心の奥底にある「本当の自分」を発見するプロセスではない。

 

西側諸国の多くのジェンダークリニックでは、医師たちは「無条件の肯定的アプローチ」を取らざるを得ないと感じている。

子供たちを悩ませている、他の根本的な精神危機にはほとんど配慮していない…と、ある批評家は指摘している。

 

実際のところ、プレッシャーは二重にある。

 

第一に、医師たちはトランスロビーに怯えている。

彼らは、思春期ブロッカーに対する懐疑論を、トランスジェンダーの人々が性的アイデンティティを実現することをより困難にしようとする保守的試みと解釈している。

 

これに金銭的な強迫観念が加わって、この状況はさら悪化している。

例えば、タヴィストック収入の半分以上は、若者性的問題治療によるものだった。

まり、ここで起きているのは、政治的に正しいしつこい勧誘と、金銭利益の冷酷な計算の最悪の組み合わせだ。

 

思春期ブロッカー使用は、ウォーク資本主義woke capitalismのもう一つのである

 

かに、この 2 つの論争は、少なくとも反「ウォーク勢力部分的勝利をもたらした。

スタージョンは辞任し、タヴィストック・クリニックは閉鎖されたのだから

 

しか現在働いている勢力は、個々の政治家見解や、特定機関力学はるかに超える勢いを持っている。

しろ個人機関は、上から押し付けるのではなく、常に他所から来る規制適応しようとしている。

したがって、同様のスキャンダルが今後も増え続けることは間違いない。

(以下省略)

 

【※参考】

思春期ブロッカー批判するジジェク動画

https://www.youtube.com/watch?v=i826SBcDF_I

 

  • https://anond.hatelabo.jp/20240721230541 【上記ジジェク記事への反論記事】 ジジェクは道を誤った / メラニー・ゼルMelanie Zelle [スワースモア大学の学内新聞『スワースモア・フェニックス』の...

    • 削除済みなだけあって内容がゴミだな… ジジェクは性自認を批判してるんだから、性自認通りに記載しないのは当たり前だろ そして議論もなしにトランスフォビアというレッテルだけで...

      • そもそもヒラリーよりトランプを支持してたジジェクに何を期待してるんだ?

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