「不確定性原理」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 不確定性原理とは

2023-09-23

[] ハイゼンベルク不確定性原理

今日ハイゼンベルク不確定性原理の導出を学びました。

数学的に込み入った導出を読んでいるので、1ページ1ページを理解するのが時間がかかります

全52章の本ですが、一日2章としても一ヶ月かかるでしょう。

しかし、これも「深淵」を理解したいという動機に基づくものです。

最も深遠なところの一つが「量子力学解釈問題」ですが、この部分はある種恐怖さえ感じるほどです。

ある人は「多世界がある」といい、別の人は「意識が収縮に関係する」と言ったりします。

おそらく私は存在の意義を探しているのかもしれません。深淵を探ればそれが見つかるかはわかりませんが...

2023-05-09

[]プリンストン高等研究所物語

プリンストン高等研究所物語を読んだ。

1946年ごろのプリンストン高等研究所天才実在だの知性の限界だのの話をする日常物語。主な主人公フォン・ノイマン、クルト・ゲーデルアインシュタインの三人。

肝心なのは実在人物が登場するが、これは物語であってドキュメンタリーではないこと。

彼らの会話内容や経歴には元ネタがあるにせよ、要するに著者の妄想である

メイン主人公フォン・ノイマンプリンストン高等研究所数学教授アカデミアでは知らない人はいない超天才最近計算機開発にご執心。フォン・ノイマンちゃん天気予報をやってみたい!

クルト・ゲーデル不完全性定理を発表した当代随一の論理学者、にして奇人最近教授になりたくてしょうがない。

世界アイドル アルバート・アインシュタインさんは、ここでは時代に取り残された古典物理学者。つまり金看板ですよ金看板

あとはオッペンハイマーとかワイルとか、なんか色々出てきて、不確定性原理とかヒルベルトプログラムとか知性とか認知とかの話をしながら和やかに穏やかに日々が流れる

クルト・ゲーデル教授に昇進し、フォン・ノイマン計算機開発が採択され、アインシュタイン主人公格なのに影が薄いまま物語は幕を閉じる。

気晴らしにはちょうど良いが内容が適当っぽくて人には勧めにくい。

図書館には娘を連れて行ったわけだが、本当に久しぶりだ。紙の娯楽本を読むのも久々だ。

年のせいか読書ヂカラが衰えてきたな、なんて思うこともあるのだが、この本はすいすい読めた。

どうもやはり紙の本は、Kindleとは違う。読んでいるときの脳のモードとか没入感が違う。

なんでだろうね。

2023-03-24

量子コンピュータ盲点

量子コンピュータが実現したというのは凄いことで、これによって従来と比べて計算時間が劇的に短縮されるだろう。

しかし、あまり知られていないが量子コンピュータが通常のコンピュータより劣っている点が、実はある。

それは””クローンを作れない”ということだ。

量子コンピュータ自己増殖しようとすれば、自分自身を参照しなければならない。

このとき量子コンピュータオリジナルデータ破壊せずにコピーすることはできないのである

理由としては、不確定性原理拡張版とでも言えばいいだろうか。

ただ重要なのは量子コンピュータが出来ないのは”完璧コピー”ということだ。

慧眼な増田ならここで気付いたかもしれない。

そう、こうした自己増殖の形態というのは現実生命類似する点があるのだ。

現実生命自己増殖の際、完璧コピーではなく、自分ほとんど同じコピーを作っている。

からこそ多様性が生まれ生命進化するのだとすれば――

2023-02-08

[]シュレーディンガーの猫のいくつかの解釈

シュレーディンガーアインシュタインに宛てて、量子力学コペンハーゲン解釈の重大な欠陥を明らかにするために、架空実験装置を作った。この解釈では、量子系は外部の観測者と相互作用するまで、2つ以上の状態の重ね合わせに留まるとされる[1]。

この効果を、原子というミクロ世界特殊性として片付けることはできるかもしれないが、その世界が、テーブル椅子、猫といったマクロ日常世界に直接影響を及ぼすとしたらどうだろうか。シュレーディンガー思考実験は、それを明らかにすることで、量子力学コペンハーゲン解釈不条理を明らかにしようとした。 粒子が重ね合わされた状態にあることは、一つの事実だ。しかし猫はどうだろう。猫はどちらか一方にしかさないし、死んだり生きていたりもしない。

ガイガーカウンターの中に、ほんの少しの放射性物質が入っていて、1時間のうちに原子の1つが崩壊するかもしれないが、同じ確率で1つも崩壊しないかもしれない。このシステム全体を1時間放置しておくと、その間、原子崩壊していなければ、猫はまだ生きていると言うだろう。システム全体のΨ関数(波動関数)は、その中に生きている猫と死んだ猫(表現は悪いが)が等しく混ざり合っていることで、このことを表現している。

この思考実験意味合いについては、多くの現代的な解釈や読み方がある。あるものは、量子力学によって混乱した世界に秩序を取り戻そうとするものである。また、複数宇宙複数の猫が生まれると考えるものもあり、「重ね合わせられた猫」がむしろ平凡に見えてくるかもしれない。

 

1. シュレーディンガーのQBist猫について

通常の話では、波動関数は箱入りのネコ記述する。QBismでは、箱を開けたら何が起こるかについてのエージェントの信念を記述する。

例えば、Aさんがギャンブラーだとしよう。ネコの生死を賭けたいが、量子波動関数が最も正確な確率を与えてくれることを知っている。しかし、世の中には波動関数のラベルがない。自分で書き留めなければならない。自由に使えるのは、Aさん自身過去の行動とその結果だけである。なので結果として得られる波動関数は、独立した現実を反映したものではない。世界がAさんにどう反応したかという個人的歴史なのだ

今、Aさんは箱を開けた。死んだ猫、あるいは生きている猫を体験する。いずれにせよ、Aさんは自分の信念を更新し、将来の出会いに期待するようになる。他の人が不思議な「波動関数崩壊」と呼ぶものは、QBistにとっては、エージェント自分の 賭けに手を加えることなのだ。

重ね合わせを形成するのはエージェントの信念であり、その信念の構造から猫について何かわかる。なぜなら、波動関数は、エージェントが箱に対して取り得るすべての行動(相互排他的な行動も含む)に関する信念をコード化しており、Aさんの信念が互いに矛盾しない唯一の方法は、測定されていない猫に固有の状態が全く存在しない場合からである

QBistの話の教訓は,ジョン・ホイーラーの言葉を借りれば参加型宇宙であるということである

 

2. ボーミアンについて

量子力学コペンハーゲン解釈によれば、電子のような量子粒子は、人が見るまで、つまり適切な「測定」を行うまで、その位置を持たない。シュレーディンガーは、もしコペンハーゲン解釈が正しいとするならば、電子に当てはまることは、より大きな物体特に猫にも当てはまることを示した:猫を見るまでは、猫は死んでいないし生きていない、という状況を作り出すことができる。

ここで、いくつかの疑問が生じる。なぜ、「見る」ことがそんなに重要なのか?

量子力学には、ボーム力学というシンプルでわかりやすい版があり、そこでは、量子粒子は常に位置を持っている。 猫や猫の状態についても同様だ。

なぜ物理学者たちは、シュレーディンガーの猫のような奇妙でありえないものにこだわったのだろうか?それは、物理学者たちが、波動関数による系の量子的な記述が、その系の完全な記述に違いないと思い込んでいたかである。このようなことは、最初からあり得ないことだと思われていた。粒子系の完全な記述には、粒子の位置も含まれるに違いないと考えたのである。 もし、そのように主張するならば、ボーミアン・メカニクスにすぐに到達する。

 

3. 知識可能性について

シュレーディンガーの猫の本当の意味は、実在論とは何の関係もないと思う人もいる。それは、知識可能性と関係があるのだ。問題は、量子世界が非現実であることではなく、量子系を知識対象として安定化できないことである

通常の知識論理では、私たち質問とは無関係に、知るべき対象がそこに存在することが前提になる。しかし、量子の場合、この前提が成り立たない。量子力学的なシステムに対して、測定という形で問いを投げかけると、得られる答えに干渉してしまう。

 

4. 反実仮想的な本質

シュレーディンガー実験には、3つの基本的意味がある。

これらの本質的な特徴は「反実仮想」であり、何があるかないか現実)ではなく、何が可能不可能かについてである。実際、量子論の全体は反実仮想の上に成り立っている。反実仮想性質は、量子論運動法則よりも一般的であり、より深い構造を明らかにするものからだ。

量子論後継者は、運動法則根本的に異なるかもしれないが、反実仮想性質を示すことで、重ね合わせやエンタングルメントさらには新しい現象可能になるだろう。

シュレーディンガーは、仮想的な猫の実験で何を言いたかったのだろうか?現在では、シュレーディンガーは、量子論は、猫が死んでも生きてもいない浮遊状態にある物理可能性を示唆していると主張したと一般に言われている。しかし、それは正反対であるシュレーディンガーは、そのようなことは明らかに不合理であり、そのような結果をもたらす量子論理解しようとする試みは拒否されるべきであると考えたのである

シュレーディンガーは、量子力学波動関数は、個々のシステムの完全な物理記述提供することはできないと主張したアインシュタイン-ポドロスキー-ローゼン論文に反発していたのであるEPRは、遠く離れた実験結果の相関関係や「spooky-a-distance(不気味な作用)」に着目して、その結論を導き出したのである

シュレーディンガーは、2つの前提条件と距離効果とは無関係に、同じような結論に到達している。彼は、もし1)波動関数が完全な物理記述提供し、2)それが「測定」が行われるまで常に彼自身シュレーディンガー)の方程式によって進化するなら、猫はそのような状態に陥る可能性があるが、それは明らかに不合理であることを示したのだ。したがって、ジョン・ベル言葉を借りれば、「シュレーディンガー方程式によって与えられる波動関数がすべてではないか、あるいは、それが正しくないかのどちらか」なのである

もし、その波動関数がすべてでないなら、いわゆる「隠れた変数」を仮定しなければならない(隠れていない方が良いのだが)。もし、それが正しくないのであれば、波動関数の「客観的崩壊」が存在することになる。以上が、Schrödingerが認識していた量子力学形式理解するための2つのアプローチである。いわゆる「多世界解釈は、1も2も否定せずにやり過ごそうとして、結局はシュレーディンガー馬鹿にしていた結論に直面することになる。

 

5. 波動関数実在論について

シュレーディンガーの例は、量子システムの不確定性をミクロ領域に閉じ込めることができないことを示した。ミクロな系の不確定性とマクロな系の不確定性を猫のように絡ませることが考えられるので、量子力学ミクロな系と同様にマクロな系にも不確定性を含意している。

問題は、この不確定性を形而上学的(世界における)に解釈するか、それとも単に認識論的(我々が知っていることにおける)に解釈するかということであるシュレーディンガーは、「手ぶれやピンボケ写真と、雲や霧のスナップショットとは違う」と指摘し、量子不確定性の解釈はどちらも問題であるとした。量子もつれは、このように二律背反関係にある。

ベルが彼の定理実験的に検証する前、量子力学技術が発展し、もつ状態実在性を利用し、巨視的なもつシステムを作り出す技術が開発される前、形而上学的な雲のオプションテーブルから外されるのが妥当であった。しかし、もしもつれが実在するならば、それに対する形而上学的な解釈必要である

波動関数実在論とは、量子系を波動関数、つまり、死んだ猫に対応する領域と生きた猫に対応する領域で振幅を持つように進化しうる場と見なす解釈アプローチであるシュレーディンガーが知っていたように、このアプローチを真面目に実行すると、これらの場が広がる背景空間は、量子波動関数自由度を収容できる超高次元空間となる。

 

6. 超決定論について

不変集合論IST)は、エネルギーの離散的性質に関するプランク洞察を、今度は量子力学状態空間に再適用することによって導き出された量子物理学のモデルであるISTでは、量子力学連続ヒルベルト空間が、ある種の離散的な格子に置き換えられる。この格子には、実験者が量子系に対して測定を行ったかもしれないが、実際には行わなかったという反実仮想世界存在し、このような反実仮想世界は格子の構造矛盾している。このように、IST形式的には「超決定論」であり、実験者が行う測定は、測定する粒子から独立しているわけではない。

ISTでは、ISTの格子上にある状態は、世界アンサンブル対応し、各世界状態空間特別な部分集合上で進化する決定論的系である非線形力学理論に基づき、この部分集合は「不変集合」と呼ばれる。格子の隙間にある反実仮想世界は、不変集合上には存在しない。

アインシュタインは、量子波動関数は、不気味な距離作用や不確定性を持たない世界アンサンブル記述していると考えていたが、これは実現可能である特にシュレーディンガーの猫は、死んでいるか生きているかのどちらかであり、両方ではないのだ。

 

7. 関係量子力学について

シュレーディンガーの猫の寓話に混乱をもたらしたのは、物理システムが非関係的な性質を持つという形而上学仮定である。 もし全ての性質関係であるならば、見かけ上のパラドックスは解消されるかもしれない。

猫に関しては、毒が出るか出ないか、猫自身が生きているか死んでいるかであるしかし、この現象は箱の外にある物理系には関係ない。

箱の外の物理系に対しては、猫が起きていても眠っていても、猫との相互作用がなければその性質は実現されず、箱と外部系との将来の相互作用には、原理的に、猫がその系に対して確実に起きていたり確実に眠っていたりした場合には不可能だった干渉作用が含まれ可能性があるからだ。

まり波動関数崩壊」は、猫が毒と相互作用することによって、ある性質が実現されることを表し、「ユニタリ進化」は、外部システムに対する性質の実現確率進化を表すのである。 これが、量子論関係論的解釈における「見かけのパラドックス」の解決策とされる。

 

8. 多世界

物理学者たちは古典物理学では観測された現象説明できないことに気づき量子論現象論的法則発見された。 しかし、量子力学科学理論として受け入れられるようになったのは、シュレーディンガー方程式を考案してからである

シュレーディンガーは、自分方程式放射性崩壊の検出などの量子測定の解析に適用すると、生きている猫と死んでいる猫の両方が存在するような、複数の結果が並列に存在することになることに気づいた。実はこの状況は、よく言われるように2匹の猫が並列に存在するのではなく、生きている1匹の猫と、異なる時期に死んだ多数の猫が並列に存在することに相当する。

このことは、シュレーディンガーにとって重大な問題であり、量子測定中に量子状態崩壊することによって、量子系の進化記述する方程式としての普遍的有効性が失われることを、彼は不本意ながら受け入れた。崩壊は、そのランダム性と遠方での作用から、受け入れてはならないのだろうか。その代わりに、パラレルワールド存在が示されれる。これこそが、非局所的な作用回避し、自然界における決定論を守る一つの可能である

[1] https://en.wikipedia.org/wiki/Schr%C3%B6dinger%27s_cat

2022-11-08

anond:20221107204136

この世には2種類のチンコ存在する。童貞チンコと非童貞チンコだ。あんたのチンコがどちらの状態なのかは他人には確定できない。これをチンコ状態に関する不確定性原理と言う。

2022-10-11

anond:20221011185442

分岐がいくつもあるというのがわからないけど、不確定性原理ってのは時間にも影響する?

時間場所などのすべての条件が全く同じで観測結果が異なることがありうるって事か

(隣で観測するとか続けて2回観測するとかは全く同じ条件にはならない)

俺は記憶を持たずに時間を繰り返すなら全く同じ結果になると思ってるんだよ

たまたまとか気まぐれというのが必然である

俺が鼻の頭をかいたりかかなかったり、黄色信号で止まったりまらなかったりで世界分岐は発生しない

から記憶を持った誰かが意図的に違う未来に変えないと偶然と思われる事象も全て前回と同様に起きるんじゃないか

  

まあでも世界には常に揺らぎがあるって考えはわかった

2022-09-10

anond:20220910150414

論理構造の話をしてるので不確定性原理とかは全然違う話(そもそもシュレディンガー方程式は順問題で不確実性無い)。

不完全性定理は確かにそういうところあるけど、応用上は気にする必要がない基礎論部分での話なので問題になりづらい。

2022-01-23

anond:20220123030737

へええええ!このくだり、子供の頃から面白いなって思ってて、不確定性原理なろた時にこれや。っと思ってたんだけど、

こういうのがあるのか。賢くなったわ。

で、まあ十分走っているし、結構いかんじになっているけど、やっぱり夕日と風呂うまい飯と話し相手で十分だわ。俺は。

2021-11-24

anond:20211124091806

あのガラスに残ってしまった弾痕は納入段階から埋め込まれてたのか?とかね

不確定性原理持ち出して観測したときに初めて状態が確定するんだ、とかい解説あったけど、ちょっと無理があるよな

とはいえ雰囲気面白いから面白い

2021-09-11

https://togetter.com/li/1772323

セクシュアリティ社会的に構築されたものである」かどうかと、「セクシュアリティ人為的矯正することが許される」かどうかは、全く別の議論よな。

もう少し根本的なことを言えば、「社会的に構築されたものである」かどうかと、「人為的操作可能」かどうかは全く別の議論よな。

ホモ・サピエンス生活共同体社会と呼ぶのであれば、社会もまた自然現象しかない。不確定性原理によってラプラスの悪魔も既に死んでいる。そもそも自然現象コントロールが「物理的に可能であるかどうかと、「現実的可能」かどうかは全く別だ。自然現象を無理やりコントロールするというのであれば、それなりの「コスト」を支払う必要がある。「コスト」は、必ずしも努力根性で補える代物ではない。

フランシス・ベーコンは「実験」なるものを「自然拷問にかけること」と表現した。現代においても医学心理学など、人間対象とする実験は様々な場面で必要とされる。少々乱暴比喩だが、「人体を拷問にかける」以上、倫理的にも細心の注意を払う必要がある。実際、ほんの数世紀前を調べれば、実験の恐ろしい暗黒の歴史いくらでも見ることが出来る。人類を1歩前進させるはずの研究が、人間虐待することがあってはいけないというのは、近代以降たくさんの血を流してきた反省があってのものだ。

そのように人類が培ってきた倫理観を、どうか社会学的な知識行使する時にも応用して欲しい。


でも性欲抑制薬には賛成ですね。

2021-06-13

早川書房のkindle1,500点半額セールで俺が買う/買わない本の話

早川書房のkindle1,500点以上半額を受けて、Amazonリストから俺の興味のあるものリストアップしたから、みんな見るとよい。

全部購入したいところだけども(全部買っても、たぶん1万円強に収まりそう。お得)、当の俺が何しろ吝嗇なので、気になったものは、まず図書館検索 → 人気のため多量の順番待ち、もしくはそもそも在架なし、の場合にだけ、購入することにする。

『息吹』

おそらく、今回の目玉の一つだろう。『あなたの人生の物語映画題名メッセージ』)』を書いたテッド・チャン作品集

試しに図書館検索したところ、予約待ちではあるものの待てないほどではない。ということでいきなりだけど購入×。

ちなみに、同氏の『あなたの人生の物語』はボルヘス幻想小説ロードムービーを掛け合わせたみたいな素敵な雰囲気作品が多くて良かった。おすすめ

ザリガニの鳴くところ』

今回の目玉その2。図書館検索すると…すごい、100件以上待ち。ということで買います

ミステリー普段あんまり読まないんだけど、話題となると触れたくなるのミーハーなんだろうな。

あと装丁が良い。カバーってほんと大事電子書籍勢力を拡大する時代でも。

Self-Reference ENGINE

円城塔作。これも図書館で見つかったので購入×。

余談だけど、文庫最近出た同じ作者の『文字渦』が面白かった。これもボルヘスっぽくて、あとは異様な世界をぎちぎち理屈と設定で詰めていくのが酉島伝法ちょっと入ってるかも。

文学少女対数少女

中国ラノベ。×。

同じタイトル、同じ内容で日本発だったら手に取らなかっただろうと思うのは、なんとなくラノベ基本的卒業したつもりでいるから。

そんな中で、中国ラノベってどんなもんや、って動機で気になったんだと自己分析する。こういうところに自分の変ないびつさを感じる。

イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』

購入×。

ちなみに早川戦争ものというと、『ブラックホーク・ダウン』の原作を思い出す。上下巻でサイズはあるけど、グズグズの市街戦疲弊する現地部隊と混乱する司令部、隊員たちが基地で過ごす日常描写が様々なコントラストを描いていて、それが果てしなく悪化して正義の上っ面さえまともに繕えなくなっていく様子が素晴らしい。激烈に面白いかおすすめ

アメリカンブッダ

購入◯。ケレン味◯。あと、何気に南方熊楠×SFって目新しい? めちゃ相性良いと思うんだけどな。

『なめらかな世界と、その敵』『楽園とは探偵の不在なり』『月の光』『地下鉄道』『紙の動物園』『少女庭国』

×。どれも少し予約待ちすれば借りられそう。

気になってた本の半額セールが来る頃には図書館貸し出し予約もピークを過ぎている、ってことなんだな。と変テコなさとりを得る。

『禅とオートバイ

購入◯。タイトルで惹かれ、説明書きを読んでも何がなんだかわからないところにさらに惹かれ…。なんとなく予想はしていたが、図書館にも在架なしということで、買うことにした。

なんだよ、買わねー作品ばっかりじゃねえか、ってなんとなく心苦しくなってきたので、今回セールになっている作品の中で、すで購入して良書だった本のPR

①『サルたちの狂宴』

twitterFacebookと後の世の巨大SNS企業を舌先三寸で渡り歩いたウェブデザイナードキュメンタリー当人技術力や創造性よりも機転とノリで生きてるタイプで、ほんとに虚飾&虚業って感じなんだけど、イヤミじゃなくそれも生きてく上で本質的重要スキルだと実感させるところがある。最近ノってる『トリリオンゲーム』にもちょっといかも。

②『オクトローグ』

新刊からもっとプッシュすればいいのに。酉島伝法SF作品集

初期の弐瓶勉漫画みたいな、ダークで無機的な荒廃と有機的などろどろぐちゃぐちゃがミックスされた至高の雰囲気。全編、Steamあたりで即でゲーム作品に展開できそうなくらい個々の完成度が高い。っていうか、このレベルでそれぞれを長編として起こさない酉島伝法には創作におけるコスパって概念がないのか? と思ってしまう。どうかしている(褒めてる)。

③『ジェイバード

ヴォネガットというとSF作家イメージが強いと思うが、それ以外の作品にも素晴らしい小説がある。『ジェイバード』はその一つ。

年齢を重ねることで区別されてくる人間類型の一つに、他人感情をむき出しにして触れ合うことができない者がいる。いわゆる「心が冷たい」人。

俺は、文学の使命の一つはこの「心が冷たい人」を救うことだと思ってる。『ジェイバード』はそういう本。漱石好きな人とか意外とハマると思う。

閑話休題

『目を擦る女』

購入◯。最近亡くなった小林泰三作品集。有名な『玩具修理者しか読んだことがなかったので。

毒々しくも可憐笹井一個の表紙が目を引く。装丁ってやっぱり大事だね(そういえば、この方も故人だ…)。

『死亡通知書 暗黒者』

×。中国ミステリだそうだ。俺の生活圏の問題か、SF比較するとあまり話題に入ってこなかった印象がある。

『息吹』といい、早川はこういうデザイン装丁好きだね(良いとは思う)。

『華竜の宮』

×。椎名誠の『水域』といい、小野不由美の某作品エンディングといい(ネタバレなので名前は伏せます)、文明は水没させてなんぼ、みたいなところが俺の中にある。

『色のない島へ: 脳神経科医のミクロネシア探訪記』

×。あんまり趣味はよくない、と知りつつ、孤絶した文明と足で暮らす人々の特異な体質というテーマが好き。

似たような切り口で面白かったのは、『眠れない一族――食人痕跡殺人タンパクの謎』。不眠症クールー病ニューギニアのある部族罹患する風土病)、同族食によって体内に蓄積されるプリオンテーマの本。

『透明性』

×。これも装丁で気になったパターン

ボーダーつの世界

購入◯。映画原作だそうで。図書館には在架なし。

ふと思い出したのが、別の作家の『全滅領域』。あまりダウナーなので続編の『監視機構』で挫折したが、知らない人で『ソラリス』みたいな内省的なSF好きな人はハマるかも。

世界誕生日

購入◯。そろそろル・グウィンに挑戦してみるか、ということで。

ただ、SFを露悪と飛び道具で評価するところが強くて思想性は最後1%出てくればいいや、という性格なので、どうかな。合わないかもな。本当に一冊も読んだことがないから見当がつかない。

ホーキングブラックホールを語る』

×。「そんなに黒くない」「毛がない」…なんのこっちゃ?(amazon説明ママ

興味はあるけど挫折する可能性高いよなあ…と思っていたら、見透かしたように「必ず読み通せる科学解説」とまで書かれていて笑ってしまった。

『100年予測

×。国際情勢にフォーカスし、トランプ大統領誕生予言したという本。

紛争でしたら八田まで』が個人的に来ているのもあって、俺の中でいま地政学が熱い。

『史上最大の発明アルゴリズム

×。

わかるようでよくわかんねー概念を三つ挙げろと言われたら、エントロピー不確定性原理の次にアルゴリズムを挙げる。ちゃん理解している人からすれば何を頭の悪いことを…という感じなんだろうけど。ここらでしっかり説明できるようにしておきたい。

ちなみに、よくわからんと言っておきながらアルゴリズム関連で面白かった本に、『マインドハッキング: あなた感情支配し行動を操るソーシャルメディア』と『ニュー・ダーク・エイジ』の2冊がある。前者は政治的煽動目的として展開されたSNS経由のターゲッティング思想誘導後者テクノロジーの発達が不本意に実現してしまった笑えないナンセンスグロテスクテーマだった。

結局、買わないでも借りればいいか、ってのがかなり多くなっちゃったな。最後に、今回のセール対象ではないけど早川から出ている本で「ちゃんと」買った良書を紹介して茶を濁しておきます

①『魔王: 奸智暴力サイバー犯罪帝国を築いた男』

まれ想像力合理性を持つ天才。強欲と自らでさえ使い捨ての駒のように扱うむなしさが同居する矛盾したパーソナリティ。「これをああしたらどうなるか」をプログラミングだけでなく現実世界に反映させてしまったエンジニアにして犯罪者ポールコールダー・ル・ルーを追ったノンフィクション

犯罪ものであると同時に、この世界構造の一端が見えるような錯覚を抱かせてくれる作品

②『闇の自己啓発

反出生主義、変態性愛身体改造犯罪など、アンダーグラウンドだったりインモラルテーマについて、決められた課題図書を通じて参加者たちが議論する体裁の本。内容それ自体面白いけど、紹介されてる本が豊富で、そこから派生して読書体験けっこう広がる。

読んでて、最初は「自意識過剰過ぎてわけわかんなくなっちゃった大学生みたいだなー」ってイライラすることもあったんだけど、段々、各人の痛切なところとか博覧強記ぶりが見えてきて後半は感心しきり。面白い。続編読みたい。

以上です。

2019-11-22

寝れない。寒い。それでスマホをいじっていたらこういう記事が流れてきた。

この宇宙の時空はスムーズなのかチャンキーなのか https://twitter.com/Kyukimasa/status/1197488567162789889

おれは化学系なのでこういう問題については口を出した事はない(我々の扱う領域ではほほ確実である)が、分析機器の精度が上がっていけば最終的には全部チャンクになるのが当然なのではないかという気がしてならない。

だってハイゼンベルグ不確定性原理によれば二つの物理量を同時に測定できないんだからそもそもスムーズであるという結論は出せないよね。というか一見スムーズであっても解像度を上げて尚スムーズであるという保証はないよね。

そう考えると冒頭の「この宇宙の時空はスムースなのかチャンキーなのか」という問いかけは、無意味で、「どの程度にチャンキーなのか」が問題となるのではないか

それに記事後半の「γ線バーストを拾うタイミングを厳密に計測する」、それも複数個所で、というのはそれが可能なら面白いかもしれないが実行してどのくらいのデータが得られるか、となるとかなり怪しいのではなかろうか。

ピーナッツバタースムースとチャンクなら簡単に見分けられるのに残念である

2019-01-06

anond:20190106125059

なんで不完全性定理観測者が出てくるかわからないなあ…と数学増田とかこの増田とか見てて、ふと気づいた。

数学君もこいつも不確定性原理とごっちゃになってるな。

私が言ってるのはゲーデル不完全性定理。全く別物。

2017-08-28

妻の心とかけて不確定性原理と解く

開けてみるまで判らない。

2016-01-21

http://anond.hatelabo.jp/20160121124538

五感意識の一部なので、例えば自身を完全にコピーした人間を隣に設置したとかだと、その瞬間から意識別になるね。

座標が違えば五感も当然ながら違ってくるから

自身を含めてこの宇宙ごとコピーすれば、自身だけでなく環境も同一にできるので

コピーした瞬間は意識も同一にできるとは思う。

その後の振る舞いについては不確定性原理が関わってくるから、ずれていくんじゃないかな?

2015-07-16

http://anond.hatelabo.jp/20150716165412

何が正しいかなんて、当人たち自身で決められないことだ。数学科学世界でさえ、不確定性原理でも不完全性定理で言われていることだね。

そのへん Wikipedia は、正しさを担保するために「情報ソースをつけること」としている。

あなた自身は、正しい主張や意見を今していると信じているんだろ?それには絶対的保証はあるの?

2013-08-22

http://anond.hatelabo.jp/20130822093717

最初鳥山明悟空という主人公を思いついたとき、それはまだ漠然としたキャラクターしかなかった。

自らの思いつきに興奮した鳥山明は、熱狂のままにアイディアを生み出したり、没にしたりしていた。

やがて、少し落ち着いた鳥山明は、そこで作品の構想を一気に固めた。

たくさんの脇役を生み出し、様々な設定を付け加えた。

作品世界は急速に形になり、そして今のドラゴンボールという作品になったのだ。



宇宙のインフレーション - Wikipedia

インフレーション理論では、宇宙誕生直後の10-36秒後から10-34秒後までの間にエネルギーの高い真空(偽の真空から低い真空(真の真空)に相転移し、この過程で負の圧力を持つ偽の真空エネルギー密度によって引き起こされた指数関数的な膨張(インフレーション)の時期を経たとする。

「偽の真空」「真の真空」とは何か?

偽の真空 - Wikipedia

古典的な理論における真空は「物質エネルギーも無い空間であるが、量子論における真空は仮想粒子の対生成と対消滅が常に発生しており、決してエネルギーゼロ空間ではない。

まりこの「真空」ってのは、「無」と言いつつも「何もない」ってわけじゃなくて、なんかエネルギーを持ってるらしい。

高いエネルギー真空(興奮した鳥山明から、低いエネルギー真空(落ち着いた鳥山明)に変わることで、

放出されたエネルギー宇宙を爆発的に膨張させた(作品の構想を一気に固めた)ということらしい。

もう一度、インフレーションに戻る。

宇宙のインフレーション - Wikipedia

この急激な膨張の直接の結果として、現在我々から観測可能な宇宙全体は因果関係で結び付いた (causally-connected) 小さな領域から始まったこととなる。この微小な領域の中に存在した量子ゆらぎが宇宙サイズにまで引き伸ばされ、現在宇宙存在する構造が成長する種となった。

真空の中には「量子揺らぎが存在する微小な領域」があったらしい。

量子揺らぎとは何か?

新たな不確定性原理を求めて | 日経サイエンス

電子などの位置は(中略)確率表現される。確率しか表現できないということは,一点に静止し続けることは不可能であり,常に揺らいでいることを意味する。これを「量子揺らぎ」という。

たとえば、俺の右側に増田が立っている確率50%、左側に増田が立っている確率50%だとすると、

増田は動いてないはずなのに見るたびに右か左か変わる」ことになる。

有名なシュレディンガーの猫ってやつだな。

シュレーディンガーの猫 - Wikipedia

そういう揺らぎを持った領域(いろんなアイディアが入った構想)が爆発的に膨張したから、いまの宇宙にも揺らぎがある。

揺らぎがあるからドラゴンボールの登場人物が全員悟空の顔をしているということもなく、なんか個性があったりするらしい(たくさんの脇役・様々な設定がある)ってことだ。

2010-11-05

不確定性原理

あなた性格は十分理解してるからこんなこと言うんだけど」って言われた。

意地っ張りだから、そんなこと言われたら真逆性格になろうとする。

あなたああいうの好みじゃないよね」とか

「ちゃんと謝れば許してくれると思って」とか。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん