はてなキーワード: 低俗とは
中途採用でECサイトの業界に入った。二十代半ばの頃である。外資ということで緊張してたけど、意外とそうでもなかった。
厳しい社風ではあったが、それはルールや数字に厳しいというだけであり。自社のポリシーや規則に従って行動していれば、結果が悪くてもそうまで低い評価が付けられることはない。
もっというと、上の意向をしっかり確認して動くということか。いや、違うな。ちゃんとした意思決定の過程を踏むということだ。上の判断が必要なら議論をし、委任事項であれば自分の責任で物事に挑み、失敗しても成功しても検証記録を残していく。これだけのことができずに消えていく人間を何十人も見てきた。
語りが過ぎた。私はeコマース(ネットでの買い物)の世界で長い間働いてきた。実はもう転職が決まっている。記念に、これまでの努力の過程を書き綴っておきたいと思った。ちょうど今は卒業シーズンである。
ただ、努力はしたけれども、いい結果が出ないことの方が多かった。もしくは結果自体の測定ができないか。それでもいくつかの改善はできた。その一部を記していきたい。
私の専門分野はレビューシステムだった。あなたも、ECサイトで★を付けたことが一度はあるのではないか。私は、そのあたりの仕組みやルールを作っていく部門で働いていた。SE寄りではなくて、インフラ寄りでもなくて、格好よくいえば社内Sler兼企画といったところか。
これから、何点かのトピックに分けて思い出深い改善活動について述べていきたい。なお、特定の用語を出すとどこの会社かわかってしまうので、専門用語は一般的な言葉に置き換える。例えば、あるレビューにクリック等で賛意を示すことは「いいね!」で統一する。
昔は、ある特定のレビュアーへの通報が多かった。違反報告か、問い合わせ窓口(TEL,mail)を通じて、「あのレビューは誹謗中傷だ」「特定個人の名誉を傷つけている」「製造メーカーへの粘着が見られる」「差別的な表現を用いているので削除すべし」といったものが多かった。確かに、通報先のレビューを読んでみると、大変よろしくない表現が散見された。
当時は、電話によるカスタマーサポートがあった。その窓口に、正義感を持った方々が、上記の善くないレビュー及びレビュアー(bad egg)について抗議していた。
こういった問題あるレビューについて、私がいた部署では対応が必要と考えていなかった。直属の上司も、さらに上の人間も、どの国にも地域にもいる悪口をたくさん言う人としか捉えていなかった。
しかし、私や数人のチームメンバーは、彼ら悪辣なレビュアー(bad egg,bad person)の行為が、サイト全体の害になると考えていた。具体的には、次のような行為を彼ら(彼女ら)は行う。
・商品をわざと口汚く罵り、マイナス評価や罵倒コメントが付くことを喜んでいる
※アニメや漫画、小説といったエンターテインメントに多く見られる
特に、一番下のタイプの顧客の場合、サイト利用者に不愉快な印象を残す可能性が高い。対処が必要と思われた。
しかし、データがなかった。上司にある対策を提案した際に言われたのは、「今あなたがしようとしているのは、私の権限を超える行為であり、本社への協議も必要である。主観ではなく、根拠を示したうえで提案せよ」というものだった。
それから半年以上かかったものの、私とその小さいチームで初版の検証資料を作成した。それは、次の結論から成り立っている。
・悪辣なレビュアーと論戦になった顧客は、その後半年間での実質退会率が高い
具体的なマイナス幅を提示することはできないが、統計学上、数パーセント以上という有意な範囲で顧客にマイナスの影響を与えていた。当然売り上げも落ちている。
悪辣なレビュアーは、一般的な顧客とレビュー内容を巡って論争(※当時はコメント機能あり)になった際、いわゆる煽り行為をする。その口汚い言葉が顧客を傷つけ、顧客体験を棄損してしまう。そんな当たり前のことに気が付くのは容易だったが、数値的に証明することは難しかった。
私たちの検証結果は、上の階層へと引き継がれた。さらに細かく検証するという――それから数ヶ月が経って、本社の方から通達があった。
「次のとおりレビューシステムの仕様変更を検討する。そちらの考えをまとめて回答せよ」とのことだった。以下は仕様変更案の参考文面である。
‐改善案‐
「参考にならなかった」のコンバージョンボタン(Conversion Button)の廃止を検討する。
理由:悪質な利用者が一定数いることで顧客体験を損ねている。顧客がより安全にショッピングを楽しむためにも、悪意をもって低評価をする者への対処が必要である。
私たちは、その通達と、添付されていた検証資料を読んだうえで、時間をかけて再検証を行い、廃止は正しい行為であるという回答を上申した。
加えて、現状のレビューシステムにある顧客同士で討論できるコメント機能についても、建設的な議論が行われているとは言い難い状況にあることから、廃止を提言した。
積年の課題だった。残念ながら目下解決には至っていない。不正レビュー根絶の目途もつかない。明白な違反者であれば発見・処分ができるのだが、グレー段階での処分は難しい。
実際に、不正を行ったと思しき者を見つけることはできる。AIが発展した現在だと、いわゆるサクラレビューと呼ばれるものはシステムの方で自動的に発見し、一定確率で怪しいものを報告してくれる。
昔は、一件一件手作業であったり、Excelのフィルタ機能を組み合わせるかのように検索条件を設定して虱潰し(shirami-press)に見ていく必要があった。
そう、不正行為と思しきレビューを見つけることはできる。あくまで見つけることは。だが、はっきりクロだと断定し、処分を下すのは人間にしかできない。1日につき何十件、多い日だと百件以上も上がってくる不正と思しきレビューに対応するのは不可能に近い。
多くのECサイトには、利用規約や社会倫理に反する行為をする利用者(販売者、注文者、閲覧者)を処罰するためのポジションが存在する。弊社においても当然あったが、少数精鋭が過ぎて不正レビューへの対応が後手に回っていた。
不正を見つけることはできても、処分することは難しい。冤罪があってはならないのはもちろんのこと、微妙なケースである場合も、利用者が今後弊社を利用してもらえるよう最大限配慮する必要がある。
はてなのサービスでいうならば、以下の利用規約の適用に係る取扱いが最も近い。
d. 迷惑行為、嫌がらせ行為、誹謗中傷行為、正当な権利なく他者に精神的被害・経済的被害を与える行為
e. 自分以外の個人や会社、団体を名乗ったり、権限なく特定の会社や団体の名称を使用したり、架空の個人や会社、団体を名乗ったり、事実がないにも関わらず他の人物や会社、団体と業務提携や協力関係があると偽ったりする行為
私は、学生時代からはてなのサービスを利用している。はてな匿名ダイアリーにおいては、この規定を制限的に運用しているように見える。
というのも、明らかに釣りと思われる投稿をしたり、他人になりすましたり、特定の企業や団体を匂わせる文書を発しているエントリが一定数みられるが、運営が規約規範として対処している様子はない。
推測ではあるが、99%のクロであっても、それが100%でない限りは対処しないという方針であろうと思われる。冤罪を避ける意図もあるが、意見の多様性を保持するためでもあるし、はてな匿名ダイアリーをひとつの実験場として捉えているのかもしれない。当方は、増田なる場所を蟲毒のひとつであると考えている。
話を戻す。レビューに関する不正行為について――その大半がサクラ行為であるが、不正行為の抽出までは技術的に自動化できるものの、最終判断は人がせねばならない、かつ間違いがあってはならない――という課題について説明した。
ただし、今のところはそれで問題ないと個人的に考えている。というのも、不正レビューへの対処が迅速ではないというだけで、悪質な行為をする利用者を取り締まること自体はできているからだ。技術が向上すれば、今後の改善も見込まれる。
今でも、ECサイトを覗いているとサクラレビューが多く散見される。会社を去って他業界に行く自分がいうのもどうかと思うが、今後も建設的な手段により不正行為への対策が効率化される未来を願っている。
多くのECサイトでは、役に立つレビューを行った人に賛意を示すことができる(冒頭の「いいね!」ボタン)。多くの点数がついたレビューは、商品欄において上位に表示されるようになる。
どのECサイトも、できるだけ多くのレビューを投稿してほしいと考えている。世の中の儲かる商売というのは、消費者に働いていただくことで成り立っている(GoogleやTwitterが典型例。もちろんはてなもそうである。運営会社はブロガーの生産活動によって生きている。ほかには食べログ・リクルート・メルカリなど)。
過去の弊社においても、どういった仕組みを採用すれば多くの利用者にレビューを書いてもらえるのか、サイト黎明期の先達は検討に検討を積み重ねた。
結果として、レビュアーランキングシステムという、今では各社で一般的になった仕組みが誕生した。かつてECサイトが未開の荒野を歩いていた時代の発明のひとつである。
永きにわたって活躍したランキングシステムだが、今では隔世の感が否めない。レビュアー同士の競争を促進することで、より多くの良質なレビューが生まれるという判断があったが、それは一企業人の錯覚に過ぎなかった。一企業においても高度の統計分析が可能となった現代において判明したのは、その役割を果たさなくなっていることである。
「レビュアーランキングの存在によって、自らの票を集めることのみを目的としたレビューが増える。初めは良質なレビューを書いていた利用者でも、ランキング上位になった後にレビューの質が低下する傾向にある」
ある時、自分の書いたレビューがバズったとする。それは、有名な映画か小説か漫画かアニメか、化粧品か家電製品か衣服か、はたまた書籍か、なんでもいい。自分のレビューが数百人からの「いいね!」を集めたとする。その後も良質のレビューを投稿し続け、同じような体験を繰り返したとする。そして、あなたは晴れてレビュアーランキングの相当上位に昇った。あなたが投稿したレビューのどこかに、それを示すバッジが掲示される。
さて、晴れて上位レビュアーとなったあなたであるが、その後に何もしなかった場合、順位は落ちていく。数ヶ月も何もしなければ、まず確実にバッジは剥がれる。元に戻るのだ。
それが嫌なレビュアーもいる。上位レビュアーでありたいがために、関連商品にとりあえずのレビューをいくつも投稿する。人の目を引くために過激な表現を使うし、ゴシップサイトさながらの低俗な言葉遣いをすることもある。また、省力化のため、自己や他者のレビュー内容の一部を借用することがあるかもしれない。
上記の調査研究において、上位レビュアーによるそういった傾向が明らかになった。特に、サブカルチャーにおいては顕著であった。
【具体例】
・新作アニメの公開時期になると、数行程度のレビューを無差別に付けて回る
・水平展開するコンテンツ(原作→アニメ、小説、映画、舞台etc)の各所に似たレビューをする
現在では、レビュアーランキングシステムは廃止されている。上に挙げたようなマイナス効果の方が大きいというのが、社内の統一された意見となった。
レビュー自体については、今後も廃止されることはないだろう。私自身も、レビューの調査研究を続ける度に学びになることがあった。人の親愛の興味深い傾向(ex.数千字にわたって自分の家族の話をする)であったり、笑いを狙ったユーモア(ex.ヘッドフォンの音質は、元の電源によって異なる。原子力発電か火力発電かソーラー発電かを聞き分けられると一人前)であったり、その道のプロと思われる学術的なレビュー(読書カテゴリに多い)も多数拝読した。
日記は以上である。懐かしい思い出を振り返る機会ができてよかった。年度末ということで、新しい職場に移る前に買き始めておきたかった。投稿はゴールデンウィークになってしまった。
次の職場も、一般企業と各消費者を結びつけるタイプの仕事になる。フリマアプリの会社である。残念ながら、自分の仕事を通じて、どれほどの顧客体験を社会にもたらしたのかを測定できる手法は未だ確立されていない。私が生きているうちに、そういった手法が生み出されることがあるのだろうか。
最後に、ここまでお読みいただきありがとう。今後、あなたが利用した商品をレビューしたことで、そのサイトでショッピングをする何千、何百万人という利用者が喜ぶ未来を祈っている。
なんで自称アセクシャル/アロマンティックの人達って相変わらず、誰も言っていない事に反論したがるの?
誰がそんな事言っているの?
誰がそんな事言っているの?
誰がそんな事言っているの?
モヤモヤも何も、そんな考えを持っている人自体見た事ありません
この世の中において未熟とみられているのはあくまで
寧ろ恋愛感情それ自体は低俗でくだらないものとして見られているでしょうに。
恋愛/性愛感情がないと「未熟」?本当にそうならば『恋愛脳』なんて蔑称は生まれないでしょ
恋愛/性愛感情は友情より上位?本当にそうならば、友情尊い~って創作物がこんなに溢れてないし恋愛ものを見下すような言説が溢れてない
恋愛/性愛感情はいつもセット?本当にそうならば、性風俗やデリヘルなんぞとっくに取り締まられて禁止されていると思うが。
なんでこう、自称アセクシャル/アロマンティックの人達ってこうも被害妄想が強いのか。
アセクシャル/アロマンティックと、単なる喪女喪男とを比較して、前者よりも後者が優位に扱われるなんて事ないだろ。一体何が見えているんだよ
https://x.com/UmiU59957933278/status/1779059789533966502
「お前らは客じゃない」って言う表自戦士おるけどなぁ
リスペクトのない2次創作をした場合、2次創作物や元になった創作物が怒るんじゃなくて、公式が怒る。これはポストした本人も理解しているはずだ。
万物の創造神だと言うならそれでもいいけど、著作物でしかない女はキレてくるなよ。著作物として保護されたきゃ創った神様に「この女を元にして作っただろ」とでも言わせることだね。
まぁ実際は「女」というアイディアそのものは保護されないし、それで神がキレてきたとしてもお気持ちでしかないはず。神がそんなことするほど低俗とも思えないし。
小林よしのりが鳥山明のドラゴンボールはしょせんは戦闘漫画だと言っておいてゴーマニズム宣言(ゴー宣)は戦闘漫画ではないとブチギレてた。ゴー宣は次から次に悪いやつをやっつけるというバトル漫画の要素は確実にある。
ただここで気づいたのは、バトル漫画(戦闘漫画)というのが基本的にけなす意味で使われている事が多いようだ。自分はバトル漫画を馬鹿にしてないのでけなす意味はなしでバトル漫画と言ってるが、一般的にバトル漫画というのかなりレベルが低いものとみなされているらしい。だから小林よしのりのスタッフも必死に反論したようだ。たしかにドラゴンボール、ワンピース、NARUTO位の規模だとバトル漫画と言われてもダメージないが弱小漫画だと悪口でしかないのかもしれない。ワンピースでもワンピースはバトル漫画ではないと怒ってる人もいるようだが、やはりバトル漫画が低俗で価値が低いという定義があるからだろう。
https://about.paypay.ne.jp/terms/merchant/rule/store/
...
4 加盟店は、PayPayを利用して次の各号に定める商品等を販売または提供してはなりません。
(5)商品券、プリペイドカード、印紙、回数券その他の有価証券等(ただし、当社らが個別に承諾した場合はこの限りではありません)
兄は大人になっても未だに自分の喋りたいことを延々と話すタイプ。
発達障害の診断は受けている。自分も発達障害だからお互い様で適度に流すようにはしているんだが、どうにも耐えられない時がある。
遊戯王の新しいカードとか目新しいインディーゲームの話をしている時はまだ良い。
なろう系小説と美少女ソシャゲにひたすら文句をつけている時が本当にきついし面倒くさい。しかもたまたまランキングで名前が出てきたからとかCMが流れただけでスイッチが入って三十分くらい文句と悪口を言い続ける。しかもその時はトイレに行こうが風呂に入ろうが扉の前までついてきて喋りかけてくるのでしんどい。
そういうの聞きたくないって言うと「あんな安っぽくて低俗なものを肯定するのか!」ってキレてくる。嫌になって無視すると「誰も僕の話なんて聞いてくれない」と被害者面。アンチスレでやれ。
家を出ようかと思ったこともあるけど、自分が家を出たら母親がこれに晒される羽目になることを考えるととこっちで止めておいた方がマシだなと思う。母親なんて自分より長く兄に付き合わされてる訳だし。
発達障害って根本的に本人が困りごとを感じてないと対処とか改善とかに進まないし、兄は自分が困ってないから全然変わろうともしないんだよな。
鳥山明特にドラゴンボールって別に作品自体は嫌いじゃないんだけど、
「恋愛なんて低俗なものは少年漫画には不要!恋愛ものが見たければ少女漫画だけ読んでろ!
恋愛成就の努力なんてしなくても、強くなれば女が勝手に寄ってきて結婚できるのが正しいんだよ!」
という信者が大量に沸いたのは負の影響だなーと思う
これって、努力して良い大学に入ったのに女が寄って来ないと喚いている自称弱者男性そのもので、多分彼等の思考にドラゴンボールが与えた影響は大きいと思う。
鳥山明自身は恋愛を描かないのは単に恥ずかしいからだと言っていたし、
ラブコメで人気の桂正和と親しかった事からも、別に恋愛ものを見下してはいなかったと思うけれど。
※長い前置きです※
同僚にかれこれ20年以上一緒に仕事をしているアラフォー独身女子がいる。
事務職員ということ以外の詳細は伏せるが、これだけ長く一緒に仕事をしていても恋愛に関する話題を一度として聞いた試しがなかった。
ルッキズムの話をしたいわけではないのだが、お世辞にも見た目に気を使っているとは言えず、先天的な容姿についても恵まれているわけではない。
個人的な好みを抜きにして、この女性は異性にモテそうにないなと8割の人が思い浮かびそうな見た目と思ってくれれば良い。
彼女の特徴は、そうした第一印象で恋愛候補になりづらい以外に、会話の一言目が下手という特徴がある。
基本的に枕詞を使わないで、さらに疑問形式で会話を始めてくるのだ。
例えば「〇〇の請求書の件ってどうなっていますか?」という感じだ。
ところが、聞かれている側としてみれば、この〇〇について、自分の担当でもなければ手伝っているわけでもなく、場合によってはその時が初耳だったりすることさえもある。
それなのに、さも「あなたの責任ですよね?」みたいな聞かれ方をするので、大抵の人間は会話の一言目で気分を害する。
それでもはじめのうちは耳を傾けていたのだが、彼女にしてみれば自分に責任のない問題なので自分では解決しようとしないし、そのくせ相手に対応を求めてくるので途中からまるで相手を責めているように聞こえてきてしまうのだ。
相手にしてみても当然責任はないので、そんなものを押し付けられれば最初はよかれと聞いていても、途中から苛立ち始めてしまいには怒り始めてしまうなんてことが彼女の周りでは当たり前に起こっていた。
これの難しいところは、本人にしてみれば悪気がないので、仮に冷たい反応が返ってきた場合に相手が悪いという認識になってしまうところだ。
「私は真面目に仕事の話をしているだけなのに、相手が勝手に怒り出して困る」
それが彼女の認識なのだが、その結果、彼女は社内で孤立する存在になってしまった。
自分もそんな彼女に対して辟易して早々に距離を置いた一人だったのだが、この度の社内人事によって結構な仕事量を彼女と連携する必要が出てきてしまった。
入社して20年も経てば自分もいい大人でもあるので多少のことは受け流せるようになった。
感情を殺して彼女が何を求めているのか、多少時間をかけて傾聴をしてみるとそれまで見えなかったことが見えるようになった。
有り体な言い方をすると、彼女に不足していたのはいわゆる「Iメッセージ」で、「私が」が欠けていたのでいつまで経っても相手にはまるで自分が責められているかのように感じられていたというだけだった。
それがわかってしまえばしめたもので、「それについてあなたはどう思いますか」「それについて私がやるべきことはなんですか」「それによって予測できる生じるであろう問題点はなんですか」といった内容を聞き返すことで、彼女自信が何を求めているのかを紐解くことができるようになった。
こちらとしては結構な仕事量を連携するためにまずは彼女とのコミュニケーションをスムーズにすることが第一目標でもあったので、真面目に取り組まざるを得ない問題というだけであった。
そうなれば自然とコミュニケーションの回数は増え、時間も増えていった。
それに対して感情をフラットにして、彼女の言わんとする事を傾聴しながら紐解いていく。
そんな事を繰り返しているうちに、ふと気がついた事があった。
※前置きここまで※
彼女の中でこんがらがっていた問題が紐解けた瞬間に、瞳がキラキラに輝くことに気づいてしまった。
大げさに言えば、推しの子のアイのように瞳がキラッキラに輝やいて表情がぱーっと柔らかくなるのだが、それがエグいくらいにかわいいのだ。
先述の通りお世辞にもルッキズムには恵まれていない、そんな彼女がふと見せるそうした表情がどれほどかわいいのか、わかってもらうことは難しいかもしれない。
でも、事実、自分にはそれがどこかのアイドルなんかよりもよっぽどかわいく見えてしまった。
毎回確実に得られるわけでもなく、引き出そうとして引き出せるものではない。
こういうとき決まって思い出す鳩の実験があるのだが、押せば必ず餌が出るボタンはそのうち飽きて押さなくなるが、たまにしか餌が出ないと狂ったようにボタンを押しまくるというのだ。
それからというもの、彼女の瞳がキラキラするのが見たくて、理由を作っては話しかけてしまう自分を止められなくなってしまった。
今の自分にとって一番の楽しみといってもいいくらいで、まさか自分がこんな気持になるだなんて思ってもいなかった。
しかし、そうして彼女の瞳がキラキラと輝く瞬間、同時に自分は間違いなくペニが出そうになっているのを抑え込んでいる自覚もあった。
もちろん物理的に出したいわけではなく、彼女を抱きたいという性欲が湧き出てくるという意味でだ。
ぬいぐるみという自覚で接していたつもりも当然ないのだが、彼女に対して性欲を自覚するとは思ってもいなかったことなので戸惑っているというのが素直なところでもある。
ただ、このとき少なくとも”ぬいペニ”という言葉が、呪縛のように自分の罪悪感を刺激したことは確かだった。
ここでもし仮に、自分のペニが飛び出てしまうのは不意をつく彼女のキラキラの瞳が原因だと彼女のことを非難し始めたら、それがどれほどおかしいことかは考えるまでもないことだ。
それならば、それと同じように、欲情する男が決まって悪いとされることも間違いなのではないだろうか。
男性の性欲は長くの間”暴力性”として扱われてきた。少なくとも自分はそう理解してきた。
だから、責めるべきは相手ではなく自分の性欲であると、自分はそうやって言い聞かされてきた。
でも、今の時代においてはそれももう間違いだというべきであろう。
形は違えども子孫繁栄のための性欲はお互いに存在して、それに伴う生理現象から目を背けることはできないのだから。
そう考えれば、ぬいペニという言葉は男性に一方的な暴力性を押し付ける差別的な言葉でしかない。
言葉の響きで濁されているだけで、それがどれだけ低俗で暴力的であるかは考えればわかることだ。
目の前にいるのはぬいぐるみでもなんでもなく、一人一人の人間なのだから。
自分がこれ以上進むべきか決断できないことにぬいペニは関係ないかもしれないけど、彼女から「ぬいペニだった」とがっかりされるかもしれない恐怖はやっぱり否定できない。
ぬいペニという言葉を使うことは否定はしないけど、使う以上は自分が差別主義者であるという自覚は持ってほしいと思う。
正直、ぬいペニがカジュアルに使われていることには恨みたい気持ちしかない。
そういう目的を持って使っている人は仕方ないけど、知らぬ間に差別主義に加担していた人は間違いに気づいてくれると嬉しいです。