2024-11-20

ニコ動替え歌投稿していた


話をしよう。だいぶ昔のことだ。投稿者は完全引退している。

当時を懐かしむための駄文長文である。気に入ったら読み進めてほしい。

ニコ動投稿者としての初期は、若手社会人だった。中堅くらい。大学卒業して数年経った頃かな。コンビニゲーム雑誌をめくると、『ニコニコ動画』がサービス開始してます~これから人気が出るかも!? という宣伝記事を見つけた。

内容はショボそうだったが、サービス名称が気になったのと、コメント流れる機能が目に付いた。動画をひとまず10本くらい見てみた。ようつべと同じような感じで、そこにコメントが流れている仕様だった。カオスよりはシュールだった。

今でいう生放送チャンネルはないし、アニメ1話単位投稿は(アップロード容量の関係だろうが)されないし、画質はイマイチだし、お洒落MADもない。ランキングは50位までで、再生数やマイリス準拠だった。歌ってみたボカロ流行り始めるのは、2007年半ば以降である

ゲームプレイの切り抜きとか、面白画像のまとめとか、空耳とか、エロゲーOPのみとか、動画だったら10分くらいで料理作るのとか、販売映像作品切り貼りとか、そんなのばかりだった。(フタエノキワミ、アッー!)

※先週、新るろ剣左之助が二重の極みを会得する回だった

たまにR18の画像をまとめたものや、小学生が好きそうな下ネタ動画が流れてきた(1~2日以内に運営削除)。

でも、感じるものがあったんだろうな。だんだん見ていくうち、ゲーム実況とか、アニメ転載(2~3日で削除)とか、いろんなアニメゲームキャラが一同に会するシリーズとか、ニコニコ動画組曲とか、コンテンツが増えていって、ドハマりした。

会員登録して約半年が経って、ニコ動プレミアム会員になったあたりで自分動画投稿してみようと思った。

「一体どうすればいいんだ……?」と躊躇したものの、社会人経験が活きたのだろうか。結局、最初動画を撮り終えてアップロードしてみた。一応は料理ネタ動画だったと思う。

うん、まあ……という感じだった。再生数はそんなに伸びなかった。でも、初心者としてはイイ線いってた。それから動画投稿を続けたけど、やはり数千、運がよくて1万以上~しかし攻めすぎて運営削除という末路だった。



ある時だった。「自分が本当に好きなモノじゃないと高再生数は厳しいのでは?」と思うようになった。

当時はすでに2007年後半だった。ランキング上位に入ってる人の投稿動画って、転載切り抜きとかを除けば、プロレベルか、それに準ずるクオリティだった。つまりイラストが抜群とか、楽曲作りが優れてるとか、ゲーム実況が天才的とか、遊戯王MADみたいに面白センスが光ってるとか、そういうのだ。

でも、そういうのって、自分が好きだからこそできる。好きだからこそ、動作投稿サイトのランキング上位者って、子どもの頃からその道にのめり込んで、ここまできたわけだろう。

俺にとっての『それ』は何だろうか。考えていったところ……『エロ』という凡庸結論にたどり着いた。

小学生の頃は河川敷やそこらへんの雑種地、空き地エロ本が捨ててあった。そういうモノですら気になっていた。今は、そういうのはない。白ポスト駅前にできたり、電子空間エロを鑑賞する時代である

中学生の頃は、同級生女子が油断して○△が見えてるところや、都市部での夜の学習塾の帰りに、大人がそういうことをしてるのが見えたりした。部活遠征先で、対戦校の女子マネージャー数名が太腿~尻肉を見せつけるかのように壁座りしてたのを見た時は、相手校への嫉妬殺意が湧いたよ。学校でも家庭でも趣味の場でも、俺にとってはすべてがエロだった。なんでもエロかった。

高校生の時は、同級生がそういうことに大変興味をもっていて……同級生の家に集まって、今でいうセクシー動画をみんなで鑑賞したっけ。感想を述べあっていた。

「輪姦ものAVだが、実際には輪姦をしていないというのは、道徳的に正しい行為なのだろうか? 消費者を騙していないか?」

阿呆か。女優負担を考えろ。しかし、レイプものAVだというのに、女優騎乗なのは気になるところである

など、意見を交わしたのを覚えている。あとは、性行為を覚えた奴がいて、ガラケーで撮った写真を見せてもらって、ちょっとだけ感動したのを覚えている。

大学生になって一人暮らしを始めてからは、やっぱりそういうDVDを買ったり借りたりした。高校生の頃からすでに、一人でR18の作品本屋で買っていた。高校制服姿で、堂々とした立ち振る舞いで、女子店員の時をむしろ狙って、そういうコンテンツを購入する。

そのクセは大学生になっても、社会人になっても、すでに小太りのおじさん管理職になった今でも変わらない――



動画投稿の話に戻ろう。

エロへと繋がるコンテンツで、ニコニコ動画投稿可能で、それでいて自分の持ち技とマッチする……と考えていった結果、「替え歌はどうか?」という結論にたどり着いた。

あとは、歌唱の腕前だ。社内社外の酒席の付き合いの中で、カラオケで歌った経験はそれなりにある。が、それだけだ。全然うまいわけじゃない。むしろヘタな方だと自覚していた。しかし、カラオケの採点機械で70点は取れている。後は成長すると信じるほかない。

そんなこんなで、ニコ動下ネタ系の替え歌投稿してみた。既存曲をそういう単語ストーリーで置き換えたものだ。ずっとこれ一本でやってきた。

簡単イラストを数枚付けて、あとは一発勝負である投稿した後、一晩置いて動画を見ると……まずまずだった。初級者が投稿した動画は多くても100再生しか付かないが、俺の動画は数千再生だった。

一番よかったのは、投稿した動画を「おもしろい」と言ってもらえたことだ。それだけでもう、駆け出しの投稿者としては感無量である。嬉しかった。みんなにニコニコしてもらえたのが。

イラストも凝った感じにしていった。プロレベルには遠く及ばないけど、それでもこだわりのイラストアニメーションを載せて、ちょっとでも面白くなるように気を遣った。

それからも、1~2か月に1本の割合動画投稿していった。動画再生数は伸びていった。数万再生の人気になった。当時のニコ動だと、1万再生されれば人気作品という扱いである。10再生で一流、100万再生で神。

当時のTwitter理論において、フォロワーお気に入りリプライ的なやつが増えれば増えるほど、元作品がみんなの目に入るようになる――そういう感じで、元作品(新たな投稿動画)は、初心者動画に比べると信頼性がある――それでさらに皆の目に入るようになる、みたいなロジックが紹介されていた。

六次の隔たりである。今時の言葉でいうとネットワーク理論や、錯覚資産だろうか。高評価さらなる高評価を呼ぶのだ。『マタイによる福音書』にも、「持っている者は与えられてますますかになり、持っていないものは持っているものまで取り上げられるだろう」とある

過去投稿した人気動画が、今投稿したばかりの動画を支えていた。結局、2008年くらいまで投稿を続けたのかな。約1年半の活動期間だった。本質じゃないけど、過去投稿した人気動画って不労所得感がある。

実は当時、人事異動で忙しい部署に行くことが決まっていた。自分純粋社会人である。勤め人としての役目が優先だ。

忙しい部署に移った後は、やはり本当に忙しくなり、動画投稿をするだけの精神的余裕がなくなった。あとは、声か。俺の投稿動画だけど、声の加工はほぼしてなかった。声質が丸わかりである特定が怖かった。ちょうどその頃は、Twitterよろしくない行為をした社会人が吊るし上げに遭うことがあった。

アディダス広報女性スポンサー選手をディスったとか、ホテル従業員芸能人の利用をネットで報告したとか、そういう案件ボコボコに叩かれてるのを見ると、自分ヤバいかもという考えが浮かんだ。

投稿動画で使っていた曲も、許諾を取っているのは皆無だった。権利者によるお目こぼし状態であるリスク回避という社会人意識ニコ動から俺を遠ざけた。

自分判断の結果だから後悔はしてないよ。それでよかったと思ってる。下ネタ替え歌なんか、バレたら恥ずかしいなんてものじゃない。それも法令違反社会人としてキズが大きい。



それから長い月日が経って……忙しい部署で相当長いこと勤め上げた俺は、また別の地方支局人事異動で移った。そして、40才を迎える前に管理職になりましたとさ……めでたしめでたし、で終わればよかったのだが。

今度はあまりの暇具合に辟易するようになった。前の部署キツイ部署だったので、人事部局が配慮してくれた。「暇な職場で休憩してくれ」というメッセージである

その地方支局がある市町は、有名どころの百貨店進出してないエリアだった。高島屋とか松坂屋とか伊勢丹とか、そんなの一切ない。

暇な時間があるなら楽しんでみては~と思ったが、ここは田舎である東京に比べて面白コンテンツは少ない。自分で見つけるしかない。時間がかかりそうだった。

例えば、都内だったら、今ニコ動活躍してる有名投稿者……miniさんの友達の、東北ずん子を使う料理旅行の実況者がいたと思うのだが、あの人達取材で行くような面白スポットが、この中核市にはひとつもなかった。

昔ながらのローカル百貨店と、人通りがほぼない商店街昭和後期風のスナックラウンジ――若い連中は多いはずなのに、まちおこしイベントがロクにない。人口はすでに飽和状態で、後は減るだけ……そんな都市だった。

しかも、エロに興味がある俺が、引っ越し前に入念に下調べをしたのだが……実は、この地方都市には有名な風俗街があって、1万円+αで本番ができるヘルスが立ち並ぶ地域があったのだ!!

それらの箱ヘルだが、俺が異動する数年前に警察摘発に遭って全滅していた……悲しい事態だった。今でも、ここは中核市だというのに、ソープも含めて本番ができる店は一切ない。

残された手段は、ホテヘルデリヘルで本番をさせてくれる、それくらい強い信頼関係を嬢と築く以外に道はない。茨の道である

そんな状況で、当時の俺は……もう一度、動画投稿をしてみようと思った。ネタはもちろん替え歌である

最後投稿から長い月日が経っていたが、俺が投稿した動画には、まだ人が集まっていた。主にはノスタルジーを感じてる人達だ。ニコニコ動画の中では、俺はもう「終わった投稿者である

でもさ、年齢は関係ないじゃん。40才が近い投稿者でも、やってやればいいんじゃないか。人気の投稿者だと30才までの若い人(※先ほど挙げたminiさんの友達青海さんなど。youtubeだと、セミマイナー貝やザリガニなどをストリート料理して食べる若いちゃんや、下半身が動かない女の子ほか)が多いんだろうけど、別におっさんだって投稿すればいいじゃん。きっと、ひろゆきだってそう言ってくれる。

もう一度、過去ネタを参考にしつつ、替え歌動画投稿することにした。昔に比べてやりやすそうだった。

カメラ等の撮影機材は進化してるし、下手くそな歌はカラオケで鍛えて上手くなった。今時流行りの曲だって、80点以上は安定して出せる。編集ソフト進化により、少しのミスは撮り直さなくていい。

一番よかったのは、ニコニコ運営楽曲著作権関係を整理してくれたことだ。投稿者が今時の楽曲を歌うのは、著作権侵害しない行為になっていた。法的リスクがなくなった。



さて、そして。実際に、新作動画を投稿したのはいいが、昔ほど人気は集められなかった。視聴者は、昔からファンが多かった。新規の人もいたけど。皆にニコニコしてもらえてうれしかった。

それから、何本も動画投稿していった。暇な時間はたくさんあった。ほぼ必ず定時で上がれるので、飲みに行く日とか、セクシー動画を見る日とか、そういう女の子を社宅マンションに呼ぶ日とか、そういう日を除けば替え歌動画を作りたい放題だった。

再生数・マイリス数は十分だった。みんな、俺が作った動画を見てニコニコしてくれた。数万回の再生コンスタントに取れた。しかし……数年間投稿して、メガヒットひとつも出なかった。個人的分析によると、比較若い層が投稿動画を見ていない。

楽曲選びのせいもある。自覚はあった。例えば、サイバーダムカラオケ人気曲ランキングで上位になってるのがあるだろう。昔からそうだが、あのランキングで上位になる曲って、基本は中高年世代基準にしてる。

有線放送もそうだ。飲食店有線放送で流れてくる曲って、90年代00年代ドラマで使われてた楽曲ほとんどじゃん。今の20代が聞いてもわかんないよ。ところで、俺が若手社会人の頃に、先輩方がよくカラオケで歌ってたのは、T-BORANや酒井法子など、あの世代の楽曲が多かった。(壊れかけのRadio~♪♪)

一番の原因は、俺自身感性が鈍ってた。投稿動画過去作の焼き写し感があったし、中年世代子ども若者時代を懐かしんでる替え歌もあった。ノスタルジーである

しかし……今時の若い人が聴いている・歌ってるような楽曲(YOASOBIとか)の替え歌投稿すると、再生数が伸びた。平均再生数が1~2万とすると、そういう楽曲は5万再生以上になった。

ちなみに、俺が若い頃に投稿した人気動画は、最高で300万再生である。今思えば、あそこまで情熱をもって取り組んだのは人生で初めてだった。そんな気概はもうない。創造性が燃え尽きつつあった。



今はもう引退してるって、冒頭で書いた気がする。文字どおり、本当の引退である。事前にファンの人に説明するまでもなく、全ての動画を削除した。問答無用である

理由は2つあって……また新しい部署に異動になったのが1点。春から忙しい日々になりつつあった。数年間の投稿で心の勢いが尽きてきたこともある。

2点目が圧倒的なのだが、「著作権違反」ということで、俺のSNSでの連絡先に警告が届いた。カラオケランキングで上位に入る曲を作ってる会社からであるあなたが社名を知ってる可能性はとても高い。メール自体は、子会社委託会社が送ってるのだろうが……。

俺が投稿した動画ダメなんだってさ。だって替え歌からニコ動で歌うことが許されてるのは、あくま本来楽曲であって、替え歌対象外である。「なんだ、そんなことか~」と思ったが、俺の考えが普通に足りなかった。

これこそが、替え歌を作って投稿すること自体が法的リスクのある行為だった。わかってなかった。メール文には「今後投稿を続けるようであれば、法的措置を行います」とあった。

そういえば、同じニコ動福山○治(ふくやまぴーはる)さんという投稿者がいたのだが、この方も、ある時いきなり投稿動画をすべて非公開or削除にしたのだった。人気の投稿者であり、HoneyWorksの「可愛くなりたい」などを福山雅治の声で歌って、500万再生以上を叩き出していた。

彼も、同じような理由なのだろうか。芸能事務所音楽プロダクションからすると、替え歌動画ほど下品ではないにせよ、無許可二次創作だったのは間違いない。

というわけで、そろそろ頃合いかと思って完全引退を決意した。

ほかの投稿動画も、警告するまでもなく訴訟という可能性もある。申し訳ないけど削除した。悲しかったけど、しょうがないのだ。他人様のふんどしをお借りしていた。それを元に戻しただけだ。

これで日記は終わりである。今は会社員として幸せにやってるつもりだ。

今これを読んでおられる方に、替え歌動画を見てくれた方がいるかもしれない。事前告知はできなかったけど、感謝を伝えたい。応援ありがとうございました。

  • なんかやたら深刻ぶって書いてるけどしょうもない内容だな

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