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はてなキーワード: ボカロpとは

2024-04-18

anond:20240415040512

Mori Calliope(もりかりおぺ)

ホロEN一期生として、衝撃的なデビューを果たしたラッパーキャラ死神

カリオペがデビューした2020年当時は、今から振り返るとまだVTuber創世記と言っていいんじゃないかと思います

実際に服役してた個人勢の「懲役太郎」さんとかエッジの効いたVTuberはいたんですが所詮アングラで、「死神」というキャラ設定でデビューしたホロEN一期生が、デビュー配信でいきなりプロレベル(に聞こえた)のオリジナルラップ曲をリリースした衝撃はものすごく大きかった気がする。

ラップリリックを含む作詞と、イラストも描ける多才な人。日本語もかなりうまくなった気がする。

Nerissa Ravencroft(ねりっされいぶんくろふと)

ホロEN三期生「Advent」所属キャラは「音の魔神」。ホロも期を重ねて、世界観がややコアになってきた気がする。

EN三期はデビュー後たったの2ヶ月でJP7期相当(7期ではない)の「ReGLOSS」がデビューしたこともあり、ホロには珍しいデビュー続きとなってしまい、その点でやや不遇感があるかも。

EN三期ともなると色々なホロメンの中でデビューしただけあり、ネリッサは一聴して歌がものすごく上手いと思います

喋りは英語なのでちょっとしかわかりませんが、歌全振り系のおもしろお姉さんっぽいw

Kobo Kanaeru(こぼかなえる)

ホロIDインドネシア)の三期生。レインシャーマン

中の人インドネシアで相当有名な人らしく、最初から一定の人気がありました。

もちろんホロでもちゃん活動していて、愛されクソガキキャラとして人気ですw

anond:20240415040512

樋口楓(ひぐちかえで)

月ノ美兎委員長と同期の、にじさんじ一期生。通称「でろーん」。

関西勢で、破滅的なゲームプレイ裏社会Vシネマのようなマジで恐ろしい関西弁によるブチギレ芸(ものすごくネイティブ)というエッジの効いたキャラ(人)で、プーさんホームランダービー実況とか、一期のJK組(月ノ美兎、静凛)と参加した「マイクラ肝試し特に2020年)」とかが面白いですw

所属レーベルランティスからメジャーデビュー済みで、何曲かアニメOPタイアップしてます

ドーラ(どーら)

にじさんじSEEDs(三期生相当)としてデビューファイアードレイクな人。

にじさんじの、特に初期組はキャラ絵が濃い人が多い。

黒井しばちゃんシンプルに犬。黒柴)とか、でびでび・でびる様(ちび悪魔)ほどじゃないけど、ドーラ様も相当濃い部類だと思います

中の人破天荒さと濃い絵が合致したでび様はともかく、そうでないと結構大変だろうなぁとつい後方腕組をしてしまうw

戌亥とこ(いぬいとこ)

2019年デビュー組。魔界番犬ケルベロスにじさんじは期生という区切りが初期以外は曖昧なのと、とにかくデビューが多いのでこういう紹介文書く時に迷う。

リゼ・ヘルエス王女、アンジュ・カトリーナ呼び捨て)と共に「さんばか」トリオとしてお馴染み。ボケもやるけど多分ツッコミです。

また、町田ちまちゃんとのユニット「Nornis」としてメジャーデビュー済み。(元メンバー朝日南アカネちゃんにじさんじのV引退

社築(やしろきずく)

ドーラ様と同期の、にじさんじSEEDs出身。男。「サラリーマンキャラ

リアルオタクSEだったらしく、言動ナチュラルイメージするそのまま。なので「おっさんオタクの夢を叶えたV」として敬意を払われているシーンが散見されるw

キャラデザがあまりに特徴のないサラリーマン過ぎて、キャラバリエーション大事かもだけどそれでいいのかにじさんじ!?と思ったのは今は昔、立派にキャラ立ててるのはすごいと思う。

初期の通称社畜だったのが、今は「やしきず」の方が定着してるのもすごい。

2024-04-17

ボカロPからメジャーデビューってルート、完全になくなったな

以前はボカロ曲がバズったら同時にPにも注目が集まってカリスマ化していくって流れがあった

ここ数年はボカロ曲作ってバズってもネットミームとして消費されるだけで作ってる人を個体認識されなくなってる

というか、曲とすら思われていないと思う

面白い一発芸くらいに思われている

Pの扱いもせいぜいミーム製造機でアーティストだと思われてない

Pの内面とか音楽歴とか誰も興味持ってない

ほんと夢のない時代になったよな

これからクリエイターって食えないし尊敬されないし一瞬で消費されるだけっていう最悪の扱い受けることになるぞ

雨穴が最後プロクリエイターってことになるだろうな

2024-04-15

anond:20240415040512

Gawr Gura(がうる ぐら)

ホロライブのEN(英語圏所属VTuber

ホロライブプロデュース方針としてアイドル的なカワイイ売り方をしており、喋りやネタで盛り上げたにじさんじより魅力が伝わりやすかった?のか、JPメンバーにも英語圏ファンが多数いました。

それで満を持してデビューしたのがENメンバーです。あっという間に登録者数300万人超えてびっくりした記憶がある。(なお現在400万人超え)

燃え尽き症候群というのか、どうも意欲が著しく減退してしまったようで最近配信が少なくなってしまったのが残念です。

ぐらちゃんは設定的にはアトランティス末裔であり、サメのしっぽが生えてます通称サメちゃん

Nanashi Mumei / 七詩ムメイ(ななしむめい)

ホロEN二期生。フクロウモチーフ

ロメン(ホロライブメンバー)はたまにカラオケ配信をしたりするのですが、ENメンバー例外ではなく、たまに歌配信します。

ただし英語圏には日本JASRACのような超大手著作権管理団体が無いらしく、窓口が散在している故にYouTubeライブをするのにも許可を取るのが大変だそうで(下手すると事務所とか作曲者直ってレベルらしい)、故にムメイをはじめとしたEN組の歌配信アーカイブがなく、リアルタイムしか聞けません。(ライブ問題なくて、動画に残す為の権利めんどいらしい)

その中でもムメイの生歌はかなり上手い方で、英語オンリーですが一聴の価値ありです。(あとおすすめしたいほど上手いのはサメちゃん

Takanashi Kiara / 小鳥遊キアラ(たかなしきあら)

ホロEN一期生。不死鳥モチーフ

母国語ドイツ語ですが英語日本語イタリア語普通に話せる才女。言語習得が得意?らしく、他のホロメンによるともっと話せるらしい。

anond:20240415040512

花鋏キョウ(はなばさみきょう)

VTuber事務所にじさんじとホロライブの圧倒的な二強で、他はすべて相当な差で後塵を拝していると思われます

その中では歌に絞ることで比較的上位にいた?と思われるRe:ACT所属のV。

現在ではぶいすぽっ!とかのが勢いあると思う)

歌手志望の子を騙して連れてきたんじゃないか?」(ド失礼)と思ってしまうくらいいい曲歌います

凛々咲(りりしゃ)

事務所所属していない個人VTuber

作詞作曲が出来て歌えるということで、シンガーソングライターに近いと思われます

地道に数年頑張ってて、たまーに見てる。

最近…でもないけどホロライブの「Blue Journey」という音楽プロジェクトに「あの日の僕らへ」という楽曲提供した(作詞作曲)。

ちくわちくわ

引退済みの個人V。

曲紹介みたいなスレ引退後に曲だけ知った。

人知れずいい曲が埋もれてる個人V多いんだろうなぁ…

2024-04-12

anond:20240412021624

なんか有名なボカロPビートルズ知らないって言って非常識だーって叩かれてるんだってね。

まあ確かに音楽だの美術だの、芸術の分野ってクラシックじゃないけど昔の傑作に触れた方がインスピレーションというか感性が育まれるってのはあるのかもな、とは思う。

けど…ビートルズ聴いてるけどヒット作出せない無能よりビートルズ知らないけどヒット連発する人の方が価値あるんだよなぁ。

2024-03-09

AIクリエイティブのような人間が進んでやる仕事を奪うより…

確定申告とかのもっと人が嫌がるようなことを率先してやれってのは、よくクリエイターが言うところだけど、

コミケが来る度に発狂してる零細同人作家とか、出した曲が全然伸びずに毎回病んでけど曲を出し続けてるボカロPとか見てると、

君達、それ本当に進んでやって楽しんでるの?って疑問が湧いてくる。

しろ創る行為より、長時間苦しんで完成させた後の解放感でアドレナリン出てるように見える。

緊縛にハマってるM男、M女みたいで、縛られてる苦しみよりその後来る解放にハマるやつ。

それが性癖なら別にAIが出てきたって、自分を苦しめる為に創作やってそうだなと思っている。

2024-02-08

anond:20240207215407

そうだよな

Vtuberもただのフリーランスよな

絵師モデラーボカロPMIX師映像編集者等々、ネットを主戦場仕事してるフリーランサー山ほどいるけど

その中でいえばVtuberは影響力大きい分まだマシな方だわな

2024-01-30

どうして死んだ人は生き返らないんだろう

あの漫画家さんを、皆が口々に繊細な人と表現するのかがわからない。登場人物の心の機微を描くのが上手いから、きっと人の心がわかる優しい人なんだと、漫画を読んでた人が書くのはわかる。

繊細な人だから、の裏側には、

どこか、弱い人だから自ら死を選んだんだ、

いから淘汰されて仕方ないんだというような心の面持ちが感じられて苦しくなる。

実際は、いくらなんでも命を捨てる必要は無いじゃないかと思っての言葉なのは理解できる。私もそう思う。

自分言葉が、自分の手を離れ、止めようもなくおびただしい憎悪の輪が広がっていく怖さは、死を選ぶ理由には値しないんだろうか。

去年、りゅうちぇるが亡くなった。

好きなイラストレーターが亡くなった。

まだ若かった。

ずっと昔に、好きなボカロPが亡くなった。

まりに若くに才能を認められたからなのか、若き天才称号に苦しんでたのかわからない、どんな形でもいいから生き続けてほしかった。

死んだのはすべて嘘で別の誰かとして世界の何処かで生き続けてるのかもしれないと想像して更新の止まったTwitterチャンネルをみる。交差点花束みたいに、毎年、命日に追悼コメントが書き足されてる。

最近ショート動画音源を使われているのをみて、この景色を本人に教えられたらいいのにとおもった。

あなたの死を悼む人たちの声を届けて、生き返ってくれたらいいのにと思った。

引退やめますって言って、

ネトゲみたいに、現世に復帰してよ。

2024-01-15

anond:20240115183022

なんかこういう一部要素が重なってるだけのものを2つ出して比較したがる奴おるよな

って書いてるやつと同じ党派性人間なんだろうけど。

そもそも全部要素が重なってる(=同一)のもの比較してもしょうがないだろ

一部異なってるからこそ比較するんだぞ。

天と地の差とはいうがyoasobiだってもとはボカロPでオタ畑の奴ら。そこまでハニワと大差あるか?

2023-12-15

今のVtuberの、商業色が強くなって大手と弱小で二極化してアマチュアが全力を尽くすことで生まれる活気がなくなっていく感じ、出始めの頃にニコ動ボカロPしてたおじさんは懐かしさをおぼえてしまます

2023-11-26

底辺ボカロPは低レート帯のボカロPとだけ競うべきという話

自分用のメモとして残しておきたかったが、燃えそうな話題なので匿名にする。

匿名ダイアリー最高だな!

私は底辺ボカロPとして活動しています

最も伸びた動画ニコニコで400回再生です。

ボカロPとして活動をしていく中で、同じように活動している人をツイッターフォローしてきました。

その結果、「なぜこの人みたいに良い曲が作れないのか」「自分には才能がないのかもしれない」と病みまくりました。

※実際才能がないんじゃないかというツッコミはやめてください。死んでしまます

それで色々考えた結果「異なるレート帯と戦うのは無意味で、精神を病むだけ」という結論に至りました。

ニコニコ再生数で簡単にレート帯を分けてみます

デビュー初期。競馬でいうとG3に出場する以前のレベル

一般に少しだけ認知されてくる。競馬でいうG3、G2G1

※私が1000再生いったことがないので解像度が低いのはご了承ください。

要するに、「底辺ボカロPでいるうちは1000再生に届かない低レート帯とだけ競争するべき」ということです。

1000再生行くか行かないかでやっぱり全然レベルが違います

1000再生すら行かないうちに、5000再生とかされるボカロP嫉妬していたところで、それは

G3に出ることすら難しいのにG1の馬と競って悔しいとか言ってるようなもの

プラでずっとC帯なのにS帯に勝てないと悩んでるみたいな

いやそもそも、そことマッチするのがおかしいよねという話です。

もう別次元なので、そういう人を比較対象として見るべきじゃないです。

KinKi Kidsライブ地下アイドル活動比較対象にはならないし

草野球ホームランを打つの大谷ホームランを打つのでは全然違う話だし

ボカロPに限らないかもしれないですけど、現代って自分とは全く熟練度の違うレベチな人でも

簡単SNSフォローできて、その人の活動を知ることができるので

たかも同じフィールドで戦ってるって勘違いやすいと思うんですよね。

もっと身の程を知って、まずは井の中の蛙としてレベル上げをするべきで

大海にいる巨大モンスターと競うべきじゃないです。

というか、スプラだって初心者がいきなりS帯とマッチしたらよくわからないで負けまくって

全然おもしろくないと思います

色々なゲームでレート戦やランクマッチ実装されているのは、そういう仕組みが人のモチベーションを保ちやすいという証拠だと思います

ボカコレもレート分けしてくれたらいいのになあ。本来ルーキーとTOP100がレート分けのひとつなんだろうけど、実質あまり機能してないし。

まあゲームとかじゃなく音楽なので、レート分けとか言ってもどうやるのってなりますけどね。

以上、「底辺ボカロPは低レート帯のボカロPとだけ競うべき」という話でした。

2023-11-14

ボーカロイド音楽論」(ぱてゼミ)は何故あまり批判されないのか

追記そもそも「何故もっと批判されるべきなのか」については、【最後に】の後に追記した(2023/11/15)。

【背景】

 東京大学東京芸術大学では、鮎川ぱて氏(以後、ぱて講師)による「ボーカロイド音楽論」という講義が開講されている。東京大学の方の講義はぱて講師による著書『東京大学ボーカロイド音楽論」講義』においてその過去の内容が公開されている。このダイアリーの筆者(以後、「筆者」)は「ボーカロイド音楽論」の元受講生であり、書籍を購入し一読した。同講義Twitter(現X)での実況が推奨されておりTwitter上で一つの活発な動きを毎年見せているが、「ぱてゼミ 批判」「ボーカロイド音楽論 批判」などと検索しても同講義に対する明確な批判ツイートはヒットしない(Twitter検索システムが悪いという可能性は保留する)。書籍についても、これに批判的な書評Amazonレビューやブックメーターにわずかに存在するのみである講義内容全体のレビューはそれらに譲るとして、本ダイアリーは、この「批判の少なさ」の原因について仮説を立てることを目的とする。

 本ダイアリーは直接の筆者の特定を避けるため匿名形式をとっている。内容について「そんなの当たり前じゃん」「その仮説は的外れだ」と思う読者もいるかもしれないが、このように書き残さなければ何も始まらないということでご容赦願いたい。また、筆者は全ての年度や東京芸術大学講義を聴講したわけではないこと、このダイアリーの内容は主に『東京大学ボーカロイド音楽論」講義』の初版第一刷(以下、書籍)に基づいていることを断っておく。

【本論】

まず結論として、 「ボーカロイド音楽論」に対する批判の少なさの原因として、筆者は次の4点を提唱する。

1. 媒体:現地で行う音声形式講義では記録に基づく批判が困難であるという点。

2. 受け手資質講義対象となる学生や読者のほとんどはその議題についての非専門家であり、しか批判に割くだけのリソースを持っていないという点。

3. 内容:この講義の内容が批判を先んじて封じてしまうように作られている点。

4. コミュニティ:この講義ボーカロイド音楽が好きな東大生のうち一部を迎え入れるコミュニティ形成する役割を同時に担っており、コミュニティ批判との相性が悪いという点。

以下、これらの点を順に見ていく。

1. 媒体

 書籍が発売される前、「ボーカロイド音楽論」(以下、この講義)は大学の構内の教室で開講されているのみであった(初回の何回かこそニコニコ動画配信されたが)。そこではぱて講師の口頭でのみ内容が話され、レジュメは一枚も配られることなく、板書も最低限であった。言われたこと全てを紙に書きとるのはほとんど誰にもできないだろう。従って口頭の講義に基づく批判は、言った言わないの水掛け論になってしまやすい。現に筆者がこのようなダイアリーを書くことができるのも書籍が発売され、何を書いてあり何を書いていないかを把握し見直すことが可能になったかである

2. 受け手資質

 この講義は主として東京大学教養学部学生に対して開講されたものである。その多くはこの講義で取り扱った多くの思想概念の(多くとも)全てについて専門家であるというわけではない。またぱて講師自身もそれら全ての専門家でないことは講義中に明言している(85ページ脚注5など)。従ってぱて講師によるそれらの援用が妥当でない可能性は常にあるが、そのような観点から検討をすることは学生にとって難しいだろう(勿論専門家のみがそれらを扱うべきだという立場をとることは避けなければならないが)。さらに言えば、進振りのための勉強で忙しい学生にはわざわざこの講義批判するためだけに捧げる時間も体力も残っていないということ(そしてこの講義のもの大学が門を閉める時間まで延長していることもそれらのリソースを奪う一端となっていること)を指摘しなければならない。これは書籍の読者の多くについても同じである

3. 内容

 ここでは書籍でぱて講師が用いた概念の内容が批判を先んじて封じる性質を持つことと、ぱて講師が「論じるべき内容を論じなかった」ことが批判すべき点を覆い隠す機能を持っていることを指摘する。

 まず、ぱて講師はテマティスム(テーマ批評)に則ってボカロ曲評論するとしている。ぱて講師の言うテマティスムとは、以下に抜粋する通りである

「テマティスムは、作家メッセージをその意図の通りに読み取るということではありません。そうではなくて、むしろ作家作品の細部から作家自身も気づいていなかったかもしれないテーマ抽出し、作品価値を読み替えていく。それがテーマ批評という手法です。」(40ページ14行目-41ページ1行目)

さらに、この講義の鍵となる概念の一つとして「アンチ・セクシュアル」をぱて講師提唱している。以下に書籍抜粋を示す。

「本講義の当面のキーワードは『アンチ・セクシュアル』です。性や愛をめぐる通念を自明のものとせずに扱う感性が、ボカロシーンには多く見られ、そして支持されました。なにに比してかというと、いわゆるふつうのJポップに比してです。Jポップのチャートを見れば瞭然でしょう。ラブソングばかりです。」(42ページ8-12行目)

「『アンチ』といっても、それは必ずしも単純な否定のことだけを指しません。性愛を疑ってみたり、気持ち悪いもののように言ってみたり、ときにそれは、米津玄師において見られたように、アンビヴァレントな愛憎を差し向けるというかたちをとることもあるでしょう。」(43ページ2-4行目)

 つまるところ、「テマティスムを用いれば、性や愛をめぐる通念を自明とせずに扱う感性(単なる否定に限らない)をボーカロイド音楽から読み取ることができ、そのような音楽がシーンの人気を博した。一方で「いわゆるふつうのJポップ」からはそのような読み取り方のできない曲が人気を博している。」という主張をぱて講師はしているということになる。この主張に当たって用いた「テマティスム」と「アンチ・セクシュアル」の二つの概念は、この主張に対する批判として想定される「作者はそこまで考えていないと思う」型の主張や「この曲は性や愛めぐる通念を否定しているとまでは言い切れない」型の主張を先んじて封じる機能を持つ。このため、読者がすぐに思いつく形での批判ができず、ぱて講師の主張に対する批判が少ないことに寄与していると考えられる。

 もう一つ批判封じに寄与しているのは、「論じるべきところを論じていない」ということである。「いわゆるふつうのJポップ」についての記述に注目すると、ここでぱて講師が行わなければならないのは、

①「いわゆるふつうのJポップ」を「『アンチ・セクシュアル』な感性を持たないJポップ」以外の形で定義すること

個別楽曲評論を通じて「いわゆるふつうのJポップ」に該当する曲に「アンチ・セクシュアル」な感性が備わっていないことを論じること

③それが「Jポップのチャート」に非常に多く見られることを指摘すること

であるしか書籍の中で「いわゆるふつうのJポップ」についての言及があるのはここのみで、上記3つ全てを行っていない(ぱて講師言葉を借りれば、「瞭然」という「感覚思考俎上に載せ」ていない)。それもそのはず、「テマティスム」と「アンチ・セクシュアルな感性」を用いた読解だけではこのようなことは到底不可能からである。「テマティスム」は確かに「作者の意図」に縛られない自由評論の基礎であるが、それは同時に評論者次第でどうとでも言えてしまうことを意味する。同じ曲が違う評論家によって「アンチ・セクシュアル」であったりそうでなかったりする。もし「そうは言ってもこじつけってものがあるでしょ」と思うのであればそれは「良い評論」の基準として「テマティスム」以外の何かを想定していることになる。さらに言えば、「アンチ・セクシュアル」という概念の幅も広い。同じ言葉賞賛にも皮肉にもなる世界で、「性や愛をめぐる通念を自明のものとせずに扱」っているかどうかを「テマティスム」のみで確定させるのは不可能だ。つまるところ、ぱて講師が「いわゆるふつうのJポップ」を論じないことは「テマティスム」の持つ脆弱性、あるいは、「何でも言えてしまうが故に何も言うことができない」性を(本人の意図とは無関係に)覆い隠し、批判を予防することに寄与していると言える。

4. コミュニティ

現地での講義に付随する活動として、コンピレーションアルバム作成ちょっとした食事会など、ボーカロイド文化が好きな東大生のためのコミュニティ積極的提供する姿勢をぱて講師は見せている。それ自体マイノリティたる若者鼓舞するという目的からすれば妥当であるが、評論の面ではこれが裏目に出ている。余程肝が据わっていない限り人間は、自分を匿ってくれるコミュニティの発起人の言うことに盾突いたその先を恐れる。発起人自身が何とも思っていなくても、同じコミュニティの仲間から邪険に扱われるかもしれない。仲間が何とも思っていなくても、内なる自分が責め立てる...。こうなれば講義批判するのは難しい(批判したとて有耶無耶に言いくるめられるだけだ、という疑念もあろうが)。「肝を据わらせろ」という主張はマッチョイズムなのでしないが、しかコミュニティ形成するとはそういうことなである

最後に】

 「ボーカロイド音楽論」の講義書籍化されたことは、この講義自身にとって、そしてボカロシーンにとっての大きな一歩であると筆者は考える。内容の巧拙政治的立場はともかく、書籍化されたことによってこの講義は「亡くなったボカロPを悼み、内輪でボカロ曲をべた褒めする会」になってしま未来を脱して、元受講者やボカロ関係者を含む全ての人の衆目に晒され、批判され、検討され、洗練され、時に新たな論を生み出していくことができるようになった。後は実際にそうしていくだけである。筆者よりもっと優れた批判をできる人は多くいるはずなので、後は彼らに託してこのダイアリーの締めとする。

追記:何故もっと批判されるべきなのか】

 強い言葉で言えば、

「『ボーカロイド音楽論』などと大層な看板を出しながら、その実著名な学者の業績を形だけ借り"正しい"思想を添えた類推だらけの持論を『教養』と称し、[『教養』]と[『教養』を並べ立てた個別楽曲評論]を弱い脈絡の下で繋げただけの、部分を詳細に語っただけで全体を語った気になっている、評論と呼ぶべきなのかもわからないものが、まともに批判されずに学生の間や世の中に広まることが許せないから」

である(「まともに批判されずに学生の間や世の中に広まる」という心配杞憂であってほしいが)。

 筆者がこの講義書籍の内容が批判されるべきであると考えている理由は3つあり、これらを以下に簡潔に説明することで追記とする(注あり)。

1. タイトル詐欺:「ボーカロイド音楽論」を名乗りながら、その大部分は個別作品の読解に費やされている上、それらを踏まえて「ボーカロイド音楽とはなにか」をまとめて論じている内容が存在しないこと。

2. 「思考俎上」に載せる「感覚」の選び方の恣意性:本論で述べたように、思考必要なぱて講師感覚があるにも拘わらずそれを思考した形跡が存在しない箇所が見られること。

3. 「思考」の粗雑さ:「感覚」を正当化する目的しか思考」が用いられていないこと。「思考」に用いた「教養」の内容もそれぞれの分野を専攻した読者から見れば的外れものになっていること(注1)。「類推」や「テーマ批評」などのいくらでもこじつけることが可能手法を用いているのに、何故その手法を用いるべきなのか、その手法限界はどこにあるのか、といった説明がされていないこと。

注1:少なくとも一つの例として、筆者が専攻していた生物学に関連した部分を挙げる。リチャード・ドーキンス書籍利己的な遺伝子』に言及した後、「しかしこれらのような個体利他行動も、種や遺伝子主語にすると、自らを温存するための利他行動にすぎない。」(54ページ8-9行目)と段落を結び、その後「性はこのように、種の都合のための機能主義的なプログラムであるという言い方もできるわけです。」(54ページ18-19行目)と主張している。結論から言えば、この言い方はできない。生物学を学んだことがある人物なら絶対にこのような主張はしない。進化の結果としてある個体Aが(同種とは限らない)他個体Bに利他行動をする形質を獲得する条件はあくまで「それが後に個体A自身生存繁殖に有利となる可能性が十分高い」あるいは「個体Aと個体Bで利他行動に関連する遺伝子を共有している」であり、そこに「種」の概念は一切関係しないかである。(遺伝子自然選択対象となり得るのに対して)「種」という概念は観察者が生物を分類する際の線引きのツールであって、自然選択対象として観察可能ものではない以上、「性は種の都合のためのプログラムである」ということを(観察によって)事実として得ることもできない。つまり「種」を全体と見立て個体」を部分と見立てるような類推は成立しない。百歩譲って「利他行動に関連する(種を問わず)同じ遺伝子を持つ全ての個体」を全体とみなす形で類推を成立させるとしても、それは「類推を成立させるためだけに拵えた全体」であることを指摘しておく。

2023-10-26

anond:20231026200626

俺らZ世代はまだアーティストの曲聞く世代だけど、下のα世代友達ボカロP自分歌詞担当で~てのがもう普通になってるよ。音楽は一緒に作るもので聞くものじゃないらしいね

2023-10-15

理解はしているが

自分で作ったゲームMODを紹介するチャンネルをやっているのだが、

作ったそれを使う奴らのほうが有名なことが多く、そっちのほうが大体儲かっているのだ。

今はまぁ自分が損するわけではないし、そいつらは私のものを使わなくてもクソ稼ぐからまぁ関係ない、と割り切ったのだが、今でもちょっと複雑な気持ちになることがある。

例えば音楽の界隈、ボカロPとかだって原曲を作ったやつより歌い手のほうが儲かるとかもザラだろうから、そういうものなんだろうけどさぁ…

2023-10-11

anond:20231010235439

■ 消えていっている

20年くらい前ジャンプに載った漫画がなんとなく忘れられなくて数年に一度検索してるんだけど

昔は「つまんねえ」って叩いてる2ちゃん住民レスや厳しい意見レビューがぽつぽつ引っかかってたが(実際つまらん)、

今日久しぶりに検索したらそこらのページがさっぱり出てこなくなって、有名ボカロPの似た曲名の方か一応「ジャンプに載った漫画」という事で作品名作者名を記録したサイトしかヒットしなくなった

ネットがあっても消えていくものはあるんだなあと改めて思った

消えたのはお前のエントリだよ

2023-08-12

3大はてブ頻出orange

orangestar

Something Orange

orangeitems

はてブってやたらオレンジ多くね?って思って

orangestarははてな村コミカライズで有名な人でしょ?

ボカロPにもOrangestarっているらしいけど別人?

2023-08-11

初期ニコ厨から見た個人的ボカロまとめ

多分、僕より詳しい人はいっぱいいると思うけど、「自分にとってのボカロ」はこんな感じ。

ニコ動ボカロ文化

ニコ動以前からボーカロイド存在したが、爆発的人気となったのは、初音ミクの登場とニコ動ボカロP達の活躍によるところが大きい。

今でも、ボカロPの初期キャリアニコ動から始まることが多い。

ニコニコ代表の栗田穣崇(https://twitter.com/sigekun)は重度のボカロ愛好者。

ボカロP

「○○P」とは、○○プロデューサーの略で、「初音ミク」などのボカロアイドル見立てて、作詞作曲した作者に対してあだ名をつけたもの

本人が名乗るよりもニコニコ動画ユーザーが名付けることが多い。アイドルマスターのファン文化が影響している。

https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%9C%E3%82%AB%E3%83%ADp

MMD

つの間にか3DCG制作ソフト代名詞のようになったが、もとはMikuMikuDance初音ミクやその他のキャラクターを動かすための3DCG

https://dic.nicovideo.jp/a/mmd

https://sites.google.com/view/vpvp/

マジカルミライ

初音ミク開発元のクリプトン主宰の「ユーザー参加型文化祭」

https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%9E%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%82%A4

The VOCALOID Collection(ボカコレ)

ニコニコ親会社ドワンゴ主宰ユーザー参加型イベントランキング企画などがある。

Project DIVA

PSP音ゲー

プロジェクトセカイ(プロセカ)

スマホ向けの音ゲー

時系列

2007年8月 初音ミク発売

2007年9月 ワンカップPの『初音ミクが来ない?来た?』騒動

2007年9月 前日予約P『Ievan Polkka』※ネギイメージ発祥

2007年9月 ikaみくみくにしてあげる♪』

2007年11月 シンP『卑怯戦隊うろたんだー

2007年12月 鏡音リン・レン発売

2007年12月 ryoメルト』の爆発的人気。これ以降、本格志向の曲が増える。

2008年2月 MMDMikuMikuDance)公開

2008年4月 悪ノP悪ノ召使

2009年1月 巡音ルカ発売

2009年2月 アゴアニキPダブルラリアット

2009年2月 samfreeルカルカ★ナイトフィーバー

2009年5月 ゆのみP『magnet』

2009年7月 Project DIVA発売

2009年7月 家の裏でマンボウが死んでるP『家の裏でマンボウが死んでる』

2009年7月 ハチ米津玄師)『結ンデ開イテ羅刹ト骸』

2009年8月 wowaka『裏表ラバーズ

2009年8月 iroha(sasaki)作曲・kuma(alfled)作詞炉心融解

2010年3月 ラマーズP『おちゃめ機能

2010年7月 daniwellP『Nyanyanyanyanyanyanya!』※後にnyancatとして海外で人気(2億回再生)に。

2010年7月 DECO*27モザイクロール feat. GUMI

2011年2月 NHKボカロ特集大海ディレクターによる初音縦読み仕込み)

2011年9月 黒うさP千本桜

2011年9月 じん(自然の敵P)カゲロウデイズ

2011年12月 gogleのCM初音ミク登場

2012年2月 ryoブラック★ロックシューターテレビアニメ

2012年2月 クローズアップ現代初音ミク特集

2012年10月 れるりり『脳漿炸裂ガール

2013年   マジカルミライ開始

2016年12月 ナユタン星人『ダンスロボットダンス

2017年8月 カンザキイオリ『命に嫌われている。』

2017年12月 GYARI(ココアシガレットP)『何でも言うことを聞いてくれるアカネチャン』※正確にはボイロ

2018年12月 NHK紅白初音ミクが映る

2020年4月 Chinozo『グッバイ宣言

2020年7月 稲葉曇『ラグトレイン

2020年9月 プロジェクトセカイ(プロセカ)リリース

2023年3月 ゆこぴ『強風オールバック』

2023-08-09

anond:20230809135808

作品を消費するだけのオタク大麻を買う金がなさそうだけど、

クリエイター側にはつけ込む隙がありそう

現にストリーマーとかも捕まってるし、VTuberボカロP漫画家とか

不眠症を抱えてる人も多い

2023-07-20

打ち上げ花火って曲、今日初めて知ったんだけど

めっちゃいい曲じゃない!?

daokoニコニコ時代から知ってたけど、

もう一人の男の人のことは知らなかったから調べたら

こっちの人も元有名ボカロPだった

全然知らなかったけどすごい!

なんか他にもヒット曲とかあるらしいから聞いてみようかな

2023-07-09

anond:20230709001931

70年代後半 - アニメブーム起きる。アニメレコード商売になりはじめる

80年代 - アニメファン露骨アニソンを嫌がるようになる。主題歌から題名連呼が消える

90年代 - J-POP全盛期でレコード会社が強く雑な曲でもタイアップに起用される。宮崎事件後遺症オタク文化が低く見られがち

00年代 - 全盛期の揺り戻しで作品に合ったタイアップが増える。作品自体思い入れを持つアーティストも出てくる

10年代 - CDがいよいよ売れなくなり、かろうじて売れるアニメタイアップレコード会社が本気出す

20年代 - バイラルバズるためにはアニソンやれみたいな時代になる。ボカロP普通にJ-POPアーティスト

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