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はてなキーワード: ショートショートとは

2021-10-02

役所「その名前はすでに使われています

「…といいますと?」

「隆という名前の方は既にこの世にいるんですよ。なので別の名前でお願いします」

「同じ名前だとダメなんですか?」

法改正されましてね。昨年の10月からなんですよ」

息子の出生届を提出しに来た僕は、窓口の青年説明に面食らってしまった。

「うーん、じゃあ隆雄にしようかな」

「その方ももういますね」

「じゃあ隆治は?」

「少々お待ちください。………ああ、被ってますね。隆治123-ta-ka-321とかなら大丈夫そうですね」

「それ人の名前として変じゃないですか?」

最近結構こういったお名前つける方も多いですよ。もしあれでしたら広辞苑貸し出してますんでお名前は後でも結構ですよ」

ここから先は考えてない

5年前くらいにショートショート作家目指してたとき思いついた設定ふと思い出したから書いてみた

パクッていいよ。なんか賞取ったら賞金半分ちょーだいね

ていうか既に星新一とか筒井康隆がやってそうだな

2021-09-23

anond:20210923120920

卵子だけで懐妊できる技術発明されてさっそく第一卵子ベビーブームが起こったら

数年後に世界中ベビー奇跡を発動させたっていう古典ショートショートがあったな

2021-08-25

anond:20061021074616

親日ショートショートには出てこなかった話だなこういうの

ルックスが変わる話はなかった

2021-08-23

anond:20210821213108

(1)簡単な本から始めたら良いのではないか星新一ショートショート小説とか、岩波少年文庫とか、本当に簡単で読みやすい本から始めると良い。

(2)「知能には問題が無いが、読書ができない」というタイプの脳機能障害もあるにはある。しか元増田はたぶん、その可能性は無いのではないか。ここでリプライされた文章を読んで意味が分かる時は、その可能性を心配する必要は無いだろう。

(3)プロ作家学者の中にも、読みにくい文章を書く人は多数存在する。マジで。だから、もし何だかからない本に行き当たっても、今の段階では「この本は読み辛いな」と思ったら、思い切って投げ出しても構わない。

(4)本を読む時に理解できなくて辛いと思うならば、文学的な本よりも、科学エッセイ的な本を読むと良いかもしれない。それも、読んでいて楽しいもの。コンラートローレンツの『ソロモン指輪』とかどうだろうか。卵から孵化した鳥のヒナが、最初に見たものを親と認識する現象。著者は、それを発見した学者です。

(5)声に出して読めない言葉文章は、黙読でもストレスたまる。逆に声を出して読める言葉文章は、意味がわからなくても、読むストレスは軽減される。世の中、分かったふりをして本を読み進める人は意外に多いと思う。意味は分からないけれど字や音だけ目や耳に残っていて、ずいぶん後になってから「ああ、コレはこういうことだったのか」と分かることも少なくない。まずは、音読する快感から始めてもよいのではないか

本を読むのが苦手と言う人に、長い文章を書いてごめんなさい。

2021-08-15

anond:20210814184613

小人でなく生きてる人間だったら星親日ショートショートで読んだわ

いかけている方は発見できなかったら心臓に埋め込まれている爆弾死ぬ

捕まえれたら次は追いかけられる側で、成功したら日本総理になってやりたいことができる話

2021-07-25

anond:20210720233746

ショートショート大事なのは終わりやで

他の何事もそう 終わりをどうつくるかやで

始めるんはなんでもできる 簡単なもんや

じゃあ名作ショートショートひとつつくってみろって話になるやろ

そんなもん記憶を無くして海底で暮らす男とか シャーペンの芯から世界秘密をひもとく少女とか

なんぼでも「始め」れはすんねん その終わりを作れるかって話やねん

「終わり」なんやったらタイトルコールからすぐにENDってしたら終わりやろって言うやろ

それ始まってもないからな 終わりでもなんでもないやろ 終わったフリや

それこそ「そんなもんはない」の 昨今よく見受けられる「ただ否定するだけでマウントとった気になる万能感」やろ

全然わかってない」「まったく違う」「話にならん」って否定文字だけならべて始まるまえからおわっとる

その終わってない いわゆる始まる前からおわってる 始まらなかった話ってのは一般に「概念」とかゆうそれや

ピザの話もこないだホッテントリあがってたやろ ピザ概念の話 そんな話は口からだすもんじゃない

考えて終わりがないから 口から出すような話じゃない 赤い看板をみたとか交差点があるとか風がふいたとか常に言葉にしてるか

せんやろ

そういう話や

その終わりをつくってない 始まりもせんかった序文がおわるように がんばりや

2021-07-19

anond:20210717234956

〇万文字書いたって表現がたくさん出てくるようだけど、長編を書くことが小説家の本分であり、長編こそが大作だという考えに縛られていませんか?

たとえば人を選ぶ作品だと言われるなら、読み始めるのによいしょと腰を持ち上げなければならないほどの長編大作より、人を選ぶと言わしめるほどの強烈な個性大衆受けしないということは、ニッチ需要があると言い換えることも出来るはずです)を短い文章の中でにドバッと浴びせる作品の方がウケが良い……なんてこともあるのではないでしょうか。

文字数をよりどころにしている印象ですが、案外、ショートショートでこそ発揮される才能かもしれませんよ。知らんけど。

2021-06-04

エスエフ半額セール増田やってるってよテッルテッヤ出す丸ー急く願は増え末(回文

おはようございます

なんか

SF電子書籍が半額だってニュースきたんだけど、

あれって結局はSF初心者にはちょっと難しいハードボイルドSFばかりな作品なのかしら?って

いきなり分厚いSF本を読もうと買ってもいくら半額だからといって、

私はマーケットの割引タイムで割引シールを貼ってもらうのを待つことははしたないからそういうことはしないのよね。

でもやっぱり半額SFは魅力的だけど、

SF素人が手を出したらとんでもないビッグバンに合いそうで、

もうSFって聞いて知ってる単語ビッグバンしかないというポンコツ人間SF読んでもいいのかしら?って

SF許可局に申請してお墨付きをもらいたいものよ。

スゴい読書ブログ面白かった!って本紹介して私も読んでみようかなと

西田ひかるさんがフルーチェやってミルク!って言うような勢いで

私も紹介された本読んでミルク!って思うけど

久しく読書体験なんてしたこと最後はいつだったけ?って思い出せないほど

遠い昔のころのお話で、

なお漫画読書に入るんですか?って

バナナおやつに論争を勃発させるべく、

マンガ読書に入るなら、

まあそこそこ読んでいるはいるのかもしれないし、

アプリでタダで読む系のはノーカウントとみなして、

読書許可局の通達が出てるらしいから、

本当は電子書籍の読んだカウント数も入れるのも眉唾らしいわよ。

あくまで紙ベースの本を読んだ許可局を申請して数を記したりして図書館なんか借りれるわけじゃない。

でね、

サブスクの本余みたい放題のサービスってあるじゃない、

あれ10冊までしかチェックインできなくて、

手もとに無限バベルの塔のあの図書館なんだっけ?

そのバベル図書館の所蔵数は何冊かをも軽く超えてしま電子書籍を抱え込めるかと思ったら、

とりあえずお前欲張るな先に10冊読んでね!って

電子書籍サブスク許可局の通達なのよ。

他の本読みたかったら、

10冊の内何冊かをチェックアウトさせなくちゃいけない仕組みで

よくできてるなぁーって

それならさ、

電子書籍版の図書館も出来たら本当に便利だと思うんだけど、

図書館に行く手間省けるじゃないとともに、

10冊までだかんな!ってルールも作れば

みんな欲張って図書館全部の本全冊借りられなくてすむじゃない。

そう言ってる間に普通に買って積んである

もはや電子みな本も読まなくちゃいけなし、

どっちみっち物理本でも電子本でも積んじゃうのよね。

って言うのは世の常わかよたれそ常つねならむところよ。

先に買って読んでない本がたくさんあるから

それをまずSFフェアー終わる前に読めっかなーって思うけど、

到底私の読書速度は亀よりも遅いので、

諦めるに越したことはないわ。

欲張らずにちゃんとまっとうな値段で買うしかないのよ。

読む速さの亀な人はね。

からなんかサクサクよめる

SF初心者向けの本があれば星新一さん以外であればいいな~って思うけど、

べ、別に星新一さんのショートショートSF初心者向けだとは言ってないんだかんね!

サクサク1話1話読めるかしら?って意味よ。

あと宇宙の外側を描いたSF作品もあれば興味津々森羅万象ね。

ゆっくりお家に籠もって読書ってやってみたいものね。

ちがうちがう!

そこはやってミルク!だったわ!

なんてね。

うふふ。


今日朝ご飯

ハムタマサンドしました。

そんなに重みのありそうだけど軽みもあるそして旨味もあるサンドイッチなので、

なんかお腹調子いかなーって時でも美味しく頂けまくれるわ。

美味しゅうございました。

デトックスウォーター

8分の1カッツのスイカちょっとだけ安かったので、

その半分をキューブカッツにしたカッツスイカウォーラーしました。

スイカ臭い気もするけど気にしない気にしない。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2021-06-01

はてな界隈は身内を良く言い過ぎ

ただの駄洒落くらいのネタを言い合うのを大喜利とか言ったり、良くできたエッセイショートショートくらいの小話を増田文学とかでかい表現で褒めたり、褒め過ぎでよく分からん

はてな界隈はまじめな話になると傾聴に値すると思うけど、ネタとか面白いかどうかの話になると、他のネットグループから段落ちる感じ。

2021-05-24

[]地方文学賞メモ

地方新聞主催

文学賞締切400字詰め原稿用紙賞金応募総数発表条件
北日本文学賞8月31日30枚100万円1100強1月1日新聞紙特になし
埼玉文学賞8月31日50枚50万円?11月上旬埼玉新聞紙県外者の場合は、埼玉事物風土人間歴史など埼玉との関わりをテーマにした作品であること。過去の受賞作はウェブで見られる
南日本文学賞年末年始50~60枚30万円100強3月上旬新聞紙鹿児島県在住者、あるいは出身
北日本児童文学5月末日30枚50万/10400強11月新聞紙上、およびwebun特になし

都道府県主催

文学賞締切400字詰め原稿用紙賞金応募総数発表条件
内田百閒文学賞5月末日20~50枚100万/20400弱11月下旬岡山舞台となる作品や、岡山出身人物自然文化風土物産などを題材とした作品
やまなし文学賞11末日?80~120100万/30万300強3月上旬山梨日日新聞紙上、及び同紙電子版に掲載、受賞作は単行本として刊行特になし
伊豆文学賞10月1日30~80枚100万/20万/5万260前後4月上旬入賞作品を収録した優秀作品集を作成伊豆をはじめとする静岡県内の自然地名行事人物歴史などを題材(テーマ)にした小説随筆紀行文。掌編部門
新潟日報文学賞9月1日30枚30万?11月1日応募資格新潟県内在住者と新潟県出身者に限る

自治体主催

文学賞締切400字詰め原稿用紙賞金応募総数発表条件
太宰治賞12月10日50枚~300枚100万1440前後5月初旬、受賞作品、優秀作品、最終候補作品は、選評とともに「太宰治賞2020」(20206月刊行予定)に収録特になし
坊っちゃん文学賞9月30日4000文字50万/109300強?ショートショートの賞にリニューアル
舟橋聖一顕彰青年文学賞9月18日50枚30万?2月頃?満18歳から満30歳までの青年
阿波しらさぎ文学賞6月1015枚30万/10万/5万460強8月徳島新聞紙上および徳島新聞電子版に掲載。受賞作は発表後、文芸誌徳島文學」に転載特になし
ちよだ文学賞4月30日30枚100万42010月、市役所にて販売特になし

めんどくさくなってきたのでここまで、適宜追加予定。湯河原のやつはNONに掲載されるみたい。あと、探すと結構ミステリの賞が多い。

そのほか

文学賞締切400字詰め原稿用紙賞金応募総数発表条件
仙台短編文学賞11月上旬25~35枚30万/5万400弱公式ホームページならびに河北新報紙上、小説すばる」に掲載仙台宮城東北となんらかの関連がある作品

参考資料

Wikipedia、各文学賞サイト

免責

この表を利用することによってトラブルは一切責任を負いかます

誤りがあるかもしれないため、必ず公式サイト確認してください。

メモ

https://tadeku.net/80142/

2021-04-09

anond:20210409145317

こういうショートショートを読んでしまって死にたくなる。

ほんとまじでお前死ね

2021-03-21

[]3/17-21

ご飯の記録をすることにする まとめ

3/17(水):2606キロカロリー

 朝:納豆ご飯ブロッコリー

 

 昼:カレーライスブロッコリーマッシュルーム入り卵焼きささみキムチ

 リンゴチョコ

 夜:味の刺身野菜サラダハイボールあんかけ焼きそば

3/18(木):

この日は・・・書きたくない

3/19(金):1230キロカロリー

 朝:鶏のささみブロッコリーご飯

 チョコ

 昼:カレー唐揚げキャベツ

 夜:ごはん

3/20(土):4222キロカロリー

 朝:ごはん牛肉炒め、ハイボールベビースターラーメン

 昼:油そば

 夜:エビチリ鶏肉カシューナッツ、冷ややっこ、缶チューハイ握り寿司ハイボール

3/21(日):1878キロカロリー

 朝:ごはん納豆

 軽い筋トレ

 プロテイン

 昼:サブウェイサンドホットBBQなんたら)

 軽い筋トレ

 スペースアポロリンゴ

 夜:鶏のささ身、豚キムチもずく豆腐

3/20体重:81.8kg ウエスト:89cm

もう、精神的にいろいろ参っていたのです。お酒結構逃げました。

土曜日映画透明人間を見た。すさまじく面白かった。というか、この映画ありがとうっていいたい。

透明人間を見て、SFに興味を持ち、ブックオフ星新一ショートショートの本を買った。

SFが読みたいという初心者に薦めるための星新一作品3ステップ - SF游歩道

ここで勧められている作品を全部読んだ。初めて読んだけど、滅茶苦茶良い!マジでよい!

ちょうどよい食事をとるのむずいな。。

2021-03-01

必読書コピペマジレスしてみる・自分オススメ41冊編(2)

戻る→anond:20210301080105

倉橋由美子聖少女

まり男性女性がとは言いたくないのだが、女性作家の描く知的早熟少年たちというのは、エルサ・モランテの「アルトゥーロの島」なんかでもそうなんだが、男性が描くときはまた違った魅力を発する。サリンジャー知的論理的自分を追い詰める子供たちとはまた別の硬さがあってよい。新城カズマサマータイムトラベラー」の高度に知的でありながら情緒は年相応な少年少女もいい。

さておき、これは近親相姦お話なのだが、印象に残っている描写は次の通り。主人公たちの仲間に大食漢の男がいて、しばしば生肉弁当の代わりに食らっている。回りの女子生徒たちも面白がって彼に餌付け(?)していたのだが、ある女子生徒がブルマーを入れていた袋の中に隠していたウサギを、生きたままで彼に与えた。血まみれで凄惨な場面でありながらも、大食漢は実においしそうに平らげていた。

例の文学少女から薦められて読んだことでも思い出深い一篇。

ミラン・クンデラ存在の耐えられない軽さ」

頭が良くてモテる男が主人公なのでいけ好かないモテること、たくさんセックスすることこそが人生の目的になっているような奴は理解できない。なんか知らないやつにいきなり人の部屋をのぞきまれ、「お前の人生にはエロスが足りない!」と叫んで出ていかれるような気分がする。しかし、これもまた祖国を追われた人間が、知性と皮肉現実適応しようとした姿なのかもしれないのだ。

それと、この本で感謝しているのは、さまざまな政治的活動に対して感じていた居心地の悪さを、「キッチュ」をはじめとしたさまざまな言葉言語化してくれたことだ。ポリコレを正しいと信じているのに、そこにあるどうにも解消できない居心地の悪さが気になる人が読むといいんじゃないかな。

あとは頭が良すぎて、多くの人が無視したり忘れていたりしていることが見えてしまい、幸せになれない著者みたいなタイプが読むと幸せになれそう。イワンカラマーゾフとか御冷ミァハみたいに、頭が良すぎて不幸になるというか、自分の知性をどこか持て余してしまタイプキャラクターが好きだ。

メアリーシェリーフランケンシュタイン

死体から作られた怪物がただただかわいそう。容貌醜悪なだけで化け物として追われ、創造主からも拒絶された彼の孤独を考えるだけで悲しくなる。まったく同じ理由で「オペラ座の怪人」も好きだ。どちらも間違いなく殺人者ではあるのだけれども、容姿馬鹿にされたことがあるのなら共感せずにはいられないだろう。関係ないけど、オペラ座の怪人ヒロインから振られたことを受け入れられたのって、やっぱり正面から振ってもらったからだよな、と思う。音信不通フェードアウトされたら怨念はなかなか成仏しない。

それと、これはSF的な感覚かもしれないが、人間離れした(時としてグロテスクな)姿を持つ存在が、非常に知的であるというシチュエーションがとても好きで、その理由から後述の「時間からの影」や「狂気山脈にて」も愛好している。

ロード・ダンセイニ「ぺガーナの神々」

架空神話ショートショート形式で述べられていく。ただそれだけなのにこんなに魅力的なのはなぜだろう。彼の作品基本的に短く、しょうもないオチ作品も割とあるのだけれども、時に偉大で時に卑小な神々の物語は、壮大な架空世界に連れて行ってくれるし、すぐ隣に隠れているかもしれない小さな妖精魔法も見せてくれる。

テッド・チャン「息吹」

あなたの人生の物語」とどっちにするかやっぱり迷った。映画メッセージ」の原作が入ってるし、増田で盛り上がってるルッキズムテーマ作品だってある。だが、寡作な人なのでこの2冊しか出していないし、片方が気に入ったらきっともう片方も読みたくなる。

表題作は、意識を持ったロボットのような存在がいる宇宙お話なのだけれども、そのロボット自分の脳をのぞき込んでその複雑な仕組みに心を打たれる。そして、世界を観察することで、何万年も経てばこの世界は滅んでしまうことを悟る。人間とは全く似ても似つかないロボットたちだが、やっていることは人間サイエンス、真理の追求という営みと本質的には同じだ。何かを知ろうとする営為の尊さについて語っている。得られた知恵で、自分たちも世界もいつかは終わってしまうと知ることになろうとも、知識を求める崇高さは変わらないのだ。

イワンセルゲーヴィチ・ツルゲーネフ「初恋」

学生時代自分女性に冷たくされる文学が好きだった。からかわれたりもてあそばされたり馬鹿にされたりする作品のほうが好きだ。そのほうがリアリティがあったから。寝取られ文学が好きなのもそれが理由だし、谷崎潤一郎作品も同様の理由で好きだ。

自分馬鹿にしていた少女が突然しおらしくなり、自分に近づいてくる。いったいどうしたことか、と思って期待しながら読んで、絶望に叩き落されるがいい。

イサク・ディネセン「アフリカの日々」

ライ麦畑」でホールデン少年が感動した本。アフリカ植民地で暮らす女性視点からその生活を書いている。友人のイギリス人が亡くなったとき、まるで故郷をしのぶかのように墓が深い霧に包まれたシーンがとても美しい。

個人的には、当時の基準からすればアフリカの人々に対して丁寧に接しており、評価も概して公平であるように感じた。ところどころ「有色人種特有の」といった表現があったり、アフリカ前近代社会とみなしたり、古い進歩史観は見られるし、植民地支配者側から視点批判的に読まなければならないが、色眼鏡比較的少ない観点に心を動かされてしまったのは事実だ。

植民地時代アフリカって、宗主国以外の人もたくさんいたこともわかって面白い。当時は英領東アフリカだが、そこにはスウェーデン人もいればノルウェー人もいる。古くから貿易相手としてのインド人だっている。独立後、彼らは日本人満州朝鮮半島台湾などから引き揚げたように、撤退したのだろう。植民地について理解するためにもおすすめ

J・R・R・トールキン指輪物語

はまった。十代の頃にとにかくどっぷりとはまった。今でも表紙のエルフ文字を使って誰にも読まれたくないことをメモするレベルではまった。

かに話の展開は遅い。重厚に過ぎる。設定を語るためのページも多い。しかし、この長大小説を読むことで、開始数ページで読者をひきつけなければならない現代小説からは得られない、長い旅をしたという実感を得られるのは確かだ。小説家には良き編集者の助言は必要だが、今のように急ぐ必要のなかった時代もあったことは忘れたくない。

中島敦「狼疾記」

李陵」や「弟子」や「山月記」じゃなくてなんでこれなのか、という声もするのだけれど、自意識過剰文学少年の思っていることをすべて言語化してくれているので推さずにはいられなかった。十代の頃の感受性は、何よりもこうしたものを求めていた。親の本棚にこれが積んであったのは幸運だった。

これは「三造もの」と呼ばれる中島敦私小説的の一つであり、世界の滅亡や文明無意味さに対する形而上学的な恐れや不安意識の片隅にある人間なら確実に刺さる内容だ。最後説教パートもさほどうっとうしくない。なぜなら、きっと文学少年文学少女たちは、その言葉無意識のうちに自分に投げかけてきたからだ。

ウラジーミル・ナボコフロリータ

膨大な知識と華麗な文体を背景にして、あらゆる性的な乱行を正当化してしまうのがナボコフ作品の一つの特徴である。語り手ハンバート・ハンバートは十代前半の少女を性の対象とする中年だ。自分初恋の思い出がどうこうとか述べているが、それだって言い訳だ。

しかし、この作品はただの小児性愛者の物語ではない点が油断ならない。少女ロリータはただ性的搾取されるだけの存在ではなく、自ら性の冒険に乗り出す。清純で清楚な少女という幻想は、最初からハンバート夢想の中にしか存在しない。ハンバートにはロリータ内面や考えなど最初から見えていなかったし、見ようともしてこなかった。

ただのスキャンダラスな本ではない。これは一人の身勝手男性心理の解剖である

新美南吉「屁」

ごんぎつね」の作者として知られるが、こんなふざけたタイトルの話も書いている。しかし、これは「自分は常に正しい、正しく道徳的であらねばならない」としてきた子供挫折を描いた小説であり、この社会弱者にあらゆる責任を擦り付けている様子を全く卑近話題から告発した話なのだ自分がした屁の責任かぶらされた、いつも屁をこいている少年への同情と軽蔑は、僕らの弱者への姿勢のものじゃなかろうか。

短いし、青空文庫で読めるのでオススメ

https://www.aozora.gr.jp/cards/000121/files/3040_47823.html

仁木稔「グアルディア」

遺伝学の発展が少し早かったパラレルワールド未来舞台にした愛憎劇であり、変身ヒーローものでもある。ただのSFと違うのは、さまざまな文化が変容を受け、再解釈を受けて受容されることまでもプロットの一部として組み込んでいるところだ。さらには疑似科学陰謀論社会関係も描いている。今、読まれてほしい作家の一人だ。

仁木稔作品は僕の好み、ストライクど真ん中なんだけど、世界史や文化史、自然科学物語論の素養がないと(かじるレベルでいい)作者の構想を味わい尽くすのが難しいので、滅茶苦茶売れる作品にはならなそうだというのは認めざるを得ない。現に舞台ラテンアメリカ日本人になじみが薄いし、シリーズの別の作品中央アジアだ。それでも、伊藤計劃と並んで、社会学なんてつまらないって誤解を解いてくれた大きな恩がある作家だ。早くこのシリーズ最新刊が出ないか、今か今かと待っている。

イザベラ・バードイザベラ・バード日本紀行」

明治一年日本都市から農村を実際に歩いて見聞した手記である。率直に衛生状態の悪さやはびこる迷信批判している箇所はあるものの、その率直さが当時の日本がどんなだったか身びいきなしに教えてくれる。現代日本人が近隣の、例えば東南アジア諸国を見聞して不満がる、偽ブランドの横行や衛生状態の悪さ、家畜との同居や騒々しさなどが明治日本ではごく普通だったってことは知っておいていいと思う。

著者は北海道にも足を延ばした。アイヌ民族について日本人よりも好意的に描いている場面もある。しかし、当時の西欧人の感覚でよくわからないのだが、「粗野な外見だけどとても優しい目をしている」と褒めた民族のことを、別のところでは「将来の可能性を閉ざされ民族である」と書く点だ。もしかして、かつての人々が持っていた、文明と野蛮の間にある壁・差異イメージは、僕らが直観するよりもはるかに深刻な差別意識内包した、強固な偏見に根差しものだったのかもしれない。単純な軽蔑どころではない、もっとひどい無理解に基づいた恐ろしい何か。同じように、キリスト教によってこそ日本の悪習は絶えるという発想がどこから来たのか。そういうことを考える意味でもおススメしたい。

ハン・ガン菜食主義者」。

とても面白かった。父の暴力を遠因として、あらゆる動物的なもの嫌悪するようになった妹と、ただやり過ごすことで生きてきた姉を軸に描かれた三連作。壊れた夫婦描写に優れる。

妹は最後には精神を完全に病んで、何も食べられなくなるのだけれども、彼女が持つ植物になりたいという妄念が、本当に精神病の患者さんを観察したんじゃないかってくらい、細部にリアリティがある。

姉はおとなしいのだが、自分はただ忍従し、やり過ごしてきただけで、自分人生を全く生きていなかったのだと、夫の裏切りによってやっと気づく。夫は夫で、そのおとなしい妻に対して息苦しさを感じている。他の家庭のように、怒鳴り散らしてくれたらどれほど楽か、と嘆くのだ。

韓国ってよく叩かれているけど、日本と同じように家族のしがらみとかとかで苦しむ描写が多いので、意外とわかりやすい気がする。

進む→anond:20210301080225

2020-12-13

note深津、SNS個人情報流出を望んでいた

深津 貴之 / THE GUILD / note

@fladdict

ある日突然、SNSの全アカウント実名流出して、普通の人の隠された側面がバレ、品行方正なあの人の性癖がバレ、国家の暗躍がバレ、大統領の裏アカがバレ、核戦争が起きて滅亡するような…そんなショートショート読みたい。

午後2:54 · 2020年3月23日·Twitter for iPhone

https://twitter.com/fladdict/status/1241966625378562048

2020-11-21

anond:20201121155331

セクシュアリティは人の数だけある、とよく言われる。

これは、「マイノリティマジョリティがいる」のではなく、「一人の人間の中にマイノリティ性とマジョリティ性が同時に存在している」ことを主張しているんだな。

星新一ショートショートでも「何もかも普通すぎて逆に目立つ男の話」がある。

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