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2021-05-04

anond:20210504185909

(続き)

といった問屋関係逸話が当時バンバン登場した。メーカーも対抗すべく(?)ダンピング出荷、返品受付などで一本でも多くソフトを売りさばこうと必死だった。このあたり、問屋小売店メーカーも、市場の異常さに気が付かずもがいていた感じが否めない。初心会二次問屋は、問屋の本分である日本全国に適正量の在庫ゲームソフト流通させる」という機能を忘れ、ただただゲームソフトを動かすことで得る利益をあげることに無我夢中だった。

ここで注意をしておきたいのが、「任天堂初心会が、一方的サードパーティ小売店から利益を吸い上げている」という既存論調は近視眼的だ、ということだ。スーパーファミコン市場に参入したサードパーティはおよそ200社。このうち途中で撤退を決めたのは10数社で、しかもこれら撤退したメーカーの多数は異業種メーカーであり、本業での業績が低下したためだったり、バブル期不動産に手を出して大やけどして倒産…といったもので、ゲームと直接関係あっての撤退ではないのだ。

小売店も同じことで、当時はファミコン-スーパーファミコンという新しい分野での市場拡大に手を出す小売店が多数いた。ただ問屋に苦しめられるだけの業種であるなら、こんなことは起きるはずがない。甘い蜜はそれなりに存在していたわけだ。ざっくり要約すると「不満はあるが儲けもある」といったところか。むしろPCエンジンメガドライブの有力ソフトスーパーファミコン移植して一旗あげようとするサードパーティのほうが多かった。それほど有望な市場であるがゆえ、いろんな輩が入り込もうとやっきになったわけだ。

市場が拡大している間はそれでもよかった。しかスーパーファミコンが円熟期を迎え、対抗馬として「次世代機」の姿がちらつくようになってきた頃に、いよいよおかしくなってきた。多数現れた三次問屋小売店二次問屋の中にねじ込み、己の利益を吸い取ろうとし始めた。手法としては品薄になりそうな人気ソフトを抱きかかえ、「小売店に小売価格そのままで」卸したりした。商圏を無視して跨いで他社の領域に食い込んで商売するところもではじめた。初心会の中にゲームソフト投機商品のように扱う問屋が現れ、二次問屋三次問屋が喜んで利益の分前を頂いた。その分小売店負担が偏り、結果的にはプレイヤーにも巡り、最終的には市場に悪影響を及ぼす。スーパーファミコン市場は歪んだまま大きくなり、そしてついに縮小を始めた。

衝撃が大きかったのはプレイステーションの登場だ。なんと問屋を使わずソニーが直接小売店ものを卸すという。革命的なやり方だった。返品なし、定価販売というところがネックになったが、どの商材も掛け率が一定であることに小売店は喜んだ。今までは問屋ごとに掛け率が違ったり、注文する本数によって掛け率が変動したり、そもそも抱合せ仕入れしかなかった(違法? しったことか!)からだ。

こんなことが可能なのはプレイステーションCD-ROM採用しているからだった。リピート生産ROMほど時間がかからない。お金も自前の工場からさほどかからない。最悪在庫になっても簡単に破棄できる。それゆえ最初こそ少量生産で行い、売り切れたら即リピート発注すればよい。こうすれば過剰な在庫メーカーも小売も苦しめられずにすむ。値崩れ・抱合せ心配いらない。

ROMカセット採用していたらすべて実現不可能なことだった。ちなみにセガサターンCD-ROM採用しているが、他社の工場での生産だったためなかなかリピートが上手く行かなかったらしい。(なお、詳しく書かないがここで上手くいった改革現在すべて崩壊している)

問屋存在意義が問われ始めていた。

一方、任天堂ROMカセット採用を64でもやめなかった。ディスクシステムに手を出してそのあまりに長いロード時間に苦慮したこと経験があるからだ。そしてこれを機にもう一度市場リセットを図ろうとした。市場にはスーパーファミコンワゴンセールが始まっている。なんとかして初心会内外にあるゲーム投機的扱いをやめさせなければならなかった。ソフトの数が少なくなれば、そのような動きはできにくくなる。そのためサードパーティソフトをとにかく減らし、少数精鋭路線で進もうとした。初心会外に取引を広げ自前で流通を行うという選択肢もあったが、これは取らなかった(実はSFC時代トイザらス日本進出をしてきたとき任天堂や各大手メーカー直接取引を持ちかけてきたが、これは上手く行かなかったようだ)。山内社長ファミコン時代の遥か昔から取引を続けていた初心会を切ることに抵抗があったからだ。それに「絶対に売れない」といってたファミコンも買い取ってくれたのは初心会だ。この前もバーチャルボーイというズッコケハードを出したが任天堂は全量初心会ハードを買い取ってもらっているので被害は最小で済んでいる。(その負債初心会が被り、さらにその負債小売店押し付けられた構図だ。)

しかしそれでも、初心会二次問屋たちは目先の利益を追い求めるのに夢中だった。

スーパーファミコン市場末期の1995年発売の聖剣伝説3は初回出荷は70万本だったが、実は初心会からの注文本数は合計140万本だった。前作がミリオン超えをしていたのでそれだけ期待があった、という表側の理由だが、ようするにこれも投機的に扱われることが明白だった(そもそも前作聖剣伝説2結構な数がワゴン行きしていた)。あまりに酷い値崩れを嫌ったスクウェアは出荷本数を半分の70万本にし、かつ卸値を10%引き上げると初心会アナウンスした。こうした動きに一部の問屋がなんと小売店に対して「スクウェア公正取引委員会に訴える!」と言いまわってしまった。もちろんスクウェア側には一切の非はない。運が悪いことに(それとも狙ったかスクウェア夏休みに入ってしまったので、小売店真相確認することができず業界の一大事が起きたのではないかパニックになったところもあるという。この話は巡り巡ってなぜか「任天堂が悪い」ということになった。PSが発売されて半年以上経とうとする頃でも、初心会危機感は全くなかった。

その年の末発売のドラゴンクエストⅥの発売にあたっては、初心会エニックスの間で注文数の予測で大紛糾だった。初心会予測は250万本。エニックス予測は300万本。エニックスは自信満々だったが、初心会はそこまで売れないと踏んでいた。初期出荷は250万できまりエニックスは自前で50万の在庫を抱えることになったが、この読みは的中する。即リピート発注がかかり、エニックス二次出荷を行った。

最終的に320万出荷を果たすわけだが、売上予測ができない問屋メーカー価値を見出すだろうか?

そして、ついに、終わりのときは訪れた。



1997年2月21日任天堂本社で毎年のように行われる初心会の懇親会。その幹部会の席上にて初心会会長である河田会長宣言した。

本日を持って、初心会解散します」

幹事会は静まり返った。関係者には事前に知らされていなかったのだ。解散任天堂山内社長と、初心会河田会長トップ会談秘密裏に行われた。今後一切の取引商品ごと個別に行われ、しか初心会内の特定10社のみそれが行われる。今までゲームソフト投機的に扱って儲けを吸っていた会社任天堂から拒絶され、二次問屋に落とされた。しかも64の少数精鋭路線のおかげでこれから商材はどんどん減る。今までのような振る舞いは不可能になった。


任天堂スーパーマリオクラブの立ち上げにより売上予測をするようになった。つまり予測ノウハウを自ら身につけつつあった。そうなれば商材を投機的にあつかう問屋不要だ。「どれほどのソフトが売れるか、我々にはわかりようがない。流通プロに任せるしかない」。かつての山内社長言葉だが、流通プロプロに値する仕事をしないのなら、切られても仕方がないというわけだ。


この改革任天堂内に留まらなかった。

実はこの流通改革前後してプレイステーションでも問題が発生した。デジキューブだ。スクウェアプレイステーションに参入する条件として、コンビニ自分たちで卸すデジキューブSCE許可させた。

もともとプレイステーションはすべてSCEが自前で小売店流通することを売りにしていた。ところが後から来たスクウェアSCEを通さず自前で流通させるという。

このあたりを詳しく解説する。SCEソフトメーカー協議し、ゲームソフト初回生産量を決める(ということになっているが、実質決定権はSCEにあった)。

SCEは特約店(一部、ハピネットといった問屋使用していたが)からの受注数がその初回生産量に満たない場合SCEが自腹で在庫を抱える(ように努力いたします、という注釈付きではあった)。

掛け率はソフトメーカー一律。

と、ソフトメーカーにかなり親切のように見える。しかしこれには問題が含まれていた。初回生産量はSCEが決め、実際に流通させているのもSCE自身だ。ソフトメーカー営業しかけ多くの受注を獲得したとしても、SCEOKを出さな場合、本当にそのソフト流通しなくなる。実際に飯野賢治プレイステーションDの食卓自分たち在庫を抱えてもいいから多くつくるべきだと要望を出しても、SCEはそれを良しとはせず、結果売り切れを引き起こし機会損失を生んだことがあり、飯野賢治セガ陣営への鞍替えしたことがあった。

ソフトメーカーからしたら、リスクも多いが儲けも大きい自社流通に切り替えたがっていた時期だったが、任天堂SCEもそれを良しとはしなかった(ただし任天堂初心会通しであるため、一社が売れないと踏んでも他の問屋が受注してくれる可能性はあるし、このときPSの取扱店はまだ初心会流通よりは少なかった)。しかスクウェアだけには特例としてそれを認めるというわけだ。SCE流通に関わらず、スクウェアが直接小売店コンビニゲームソフトを卸すわけだ。当然、初回生産量も自由に決められる。

いったいどういうことだ、SCEロンチから頑張ってきたメーカーに対して不義理じゃないのか。こうした理論で反発したメーカーがいた。コナミである

コナミSCEに対して自社流通を求めた。ゲームをつくる製造委託費とロイヤリティは支払うから、お前のところの流通網は使わんぞ、ということだ。こうすることでコナミSCE流通分の費用を削ることができる。5800円の小売価格のうちの取り分を増やすことができるわけだ。もちろん在庫リスク小売店へのやりとりはコナミ自身がやらなければならないから、自社流通完璧というわけではない。結果的大手メーカーはみな自社流通になっていくが、ナムコだけは付き合いもあってか(ナムコはかなり初期からPSに絡み、ライブラリの整備も行うほどだった。自社プラットフォームを諦めたかわり、PSに注力したということだろう)SCE流通を使い続けた。

プレイステーション側でこのようなことが起きてるのだから、当然余波は任天堂側にも及ぶ。コナミは64やゲームボーイの自社ソフトに対して「これから初心会を使わず自前の流通網使いますから」と一方的任天堂要求した。かつての任天堂ならば決して受け入れるはずのない要求だろう。だかしかし、任天堂簡単にこの要求を飲んだ。そして門戸が開かれた自主流通のおかげで、ゲーム業界流通改革は全メーカーを巻き込んだ。最終的にはコナミカプコンコーエースクウェアエニックスといった大手は自前で流通網を持ち、中小サードパーティはそこへ委託流通する形に落ち着いた。つまり初心会問屋たちを全く必要としない流通を実現してしまった。


解体された初心会ボロボロになった。合併倒産が相次ぎ、その多数が姿を消した。残された10社は直接小売店取引するようになり、二次問屋三次問屋は居場所がなかったからだ。


しか任天堂から選ばれた10社も順風満帆ではない。10社のうちモリガングバンダイ系列ハピネットに買収された。石川玩具タカラ事業譲渡した。松葉屋はラスコム事業譲渡し、そのラスコムも後年自己破産している。そんな一方テンヨー、カワダ、カマヤは今でも元気に問屋業を営んでいる。(名前が出てこない他の会社は調べても出てこなかった。情報plz

そしてジェスネット任天堂の子会社となり、アジオカは事業譲渡を行って「任天堂販売」となったが、これはなんと2016年の話だ。初心会解体されて20年近くたったが、完全に自前で任天堂流通するようになった。


こうして初心会歴史の中に消えていった。良い面悪い面両方ともあったわけだが、特に末期には悪い面が強く出すぎていた。しかしこうして羅列してみると、「初心会があらゆるあくどいことを駆使して不法市場を牛耳っていた」というわけではなく「初心会市場を牛耳っていたのでいろいろとあくどいことができた」ということに気がつくだろう。その市場も確固たるものではなく急激に膨らんだ不安定ものであり、なおかつ悪行も任天堂山内社長の怒りが落ちない範囲内の話でしかなかった。

悪徳の町、ソドムゴモラは神の怒りに触れ一夜にして滅んだ。初心会も同じ運命を辿ったのだった。


参考文献

麻倉怜士 久夛良木健プレステ革命

高橋健二 スーパーファミコン任天堂陰謀

武田亨 売られた喧嘩、買ってます任天堂勝利青写真

山名一郎 ゲーム業界三国志

山下敦史 プレイステーション 大ヒットの真実

赤川良二 証言。『革命』はこうして始まった

東洋経済 1997年3.22号 盟友・初心会抜き打ち解散した山内任天堂 焦りの流通改革

参考ツイッターアカウント

岩崎啓眞@スマホゲーム屋+α @snapwith

平林久和/H.Hirabayashi @HisakazuH

大森田不可止 @omorita

2016-09-04

ミーハーが選ぶ!光文社古典新訳文庫面白い本ベストテン

http://anond.hatelabo.jp/20160904033715

選定基準

・読みやす

・有名で、他の本や映画に出てきがち

・他文庫の訳よりおすすめ

カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー(訳:亀山郁夫

ド名作。読んでおくと伊坂幸太郎の『陽気なギャングが地球を回す』がもっと楽しい

幼年期の終わり クラーク(訳:池田真紀子

早く来てくれオーバーロード

永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編カント(訳:中山元

NHKの「100分de名著」で取り上げられて改めて脚光。

④猫とともに去りぬ ロダーリ(訳:関口英子)

「本邦初訳」作品古典新訳文庫ならでは。イタリアっぽいユーモア

マダム・エドワルダ/目玉の話 バタイユ(訳:中条省平

エログロ

故郷/阿Q正伝 魯迅(訳:藤井省三

藤野先生』も『狂人日記』も入っていてお得。訳者村上春樹中国関係についての研究面白い

⑦赤と黒 スタンダール(訳:野崎歓

誤訳が多いらしいが、すごく読みやすかった。他の訳では通読できなかったと思う。

ソクラテスの弁明 プラトン(訳:納富信留

訳者は元国際プラトン学会会長(2007~2010年)で、解説の量がすごい。

⑨ジーキル博士ハイド氏 スティーヴンスン(訳:村上博基

読んでおくと、あの映画とかあのミステリーとかのネタ元なので捗るはず。

⑩闇の奥 コンラッド(訳:黒原敏行)

地獄の黙示録』の原作個人的には「叡山の僧兵大将中野好夫の訳より好き。

―――

別の文庫で読んだ方が良いと思うもの独断偏見

①グレート・ギャッツビー(村上春樹翻訳ライブラリーフィッツジェラルド

村上春樹の訳が好き。

車輪の下新潮文庫ヘッセ

高橋健二大政翼賛会文化部長)の訳の方が安い。

③月と六ペンス岩波文庫モーム

英文の読み方(岩波新書)』など、英語の読み方の著作定評のある行方昭夫の訳で。

サロメ岩波文庫ワイルド

保守派論客である福田恆存の訳で。

⑤新訳ハムレット角川文庫シェイクスピア

野村萬斎が自ら演ずるために、河合祥一郎に新訳を依頼しただけあってとても読みやすい。

夜間飛行新潮文庫サン=テグジュペリ

『月下の一群』の堀口大學の訳で。

クリスマス・キャロル新潮文庫ディケンズ

花子とアン』の村岡花子の訳で。

飛ぶ教室新潮文庫ケストナー

池内恵の父、池内了の兄である池内紀の訳で。

カフカ-ポケットマスターピース-01-集英社文庫ヘリテージシリーズ

小説家多和田葉子の訳で。『変身』は先に別の訳を読んでおいた方が新鮮かも。

マーク・トウェイン-ポケットマスターピース-06-集英社文庫ヘリテージシリーズ

はてな民ならハックルベリーは読んでおきたい。柴田元幸の訳で。

―――

サロメ』はまずは舞台で見るとキャッチーで良いと思います

自分はこっちの訳の方が好き・読みやすい・正しいなどあれば是非ご教示ください。

2008-10-22

http://anond.hatelabo.jp/20081021145310

昼間見て気になっていたのでいまさらレスしてみる。

自分は翻訳物ばかり読むエセ文系だ。一応ドストエフスキーヘッセは大体読んだと思う。あとプルーストとかスタンダールとかアーヴィング古典か?)とかブロンテ姉妹とかトーマス・マンなんかを点々と。まあ何というか中途半端だ。

でも、頑張って読んでみるとかなり楽しめる作品古典には多いと思ってる。

これから気に入っている古典を気楽にオススメしてみる。

最初はドストエフスキーの「地下室の手記」。増田に集まる非モテ(笑)のみんなに読んでみて欲しい。

「地下室の手記」は、引きこもったニートがひたすら恨み節を呟き続ける話だ。非常に痛い。(笑)

俺は本当は凄い奴なんだけどみんな俺をバカにするから俺はみんなをバカにするんだぜ! というような。

で、知人にキレた勢いでソープに乗り込んでソープ嬢を罵倒したりする。

この作品、やっぱり女性にはまったく理解不能らしくて(笑)女性訳者さんがあとがきで散々貶したりしたらしい。

読んでてゲロ吐きそうになるかもしれないけど、良いシーンもあるから、どうか我慢して読んで欲しい(笑)

ドストエフスキーのほかの作品、「罪と罰」とか「カラマーゾフの兄弟」とか、サスペンスとしてもかなりドキドキできる作品だし、キャラクターも凄く立ってると思う。名前が長ったらしくておまけに何種類も出てきたりしてややこしいけど(汗)、慣れれば大丈夫

あと、ヘッセの「荒野のおおかみ」という作品が個人的に大好き。

簡単に言えば、オタ中年ビッチな若い女に出会って教育される話だ。

女に命令されてモテCD買ったりディスコへ行ってダンス踊ったり女を買ったりイケメンを交えて3Pしそうになったりする。

実際はかなりシュールではっきりいってわけ分からないんだが(汗)、そのわけ分からない部分も含めて面白い。

自分は作中のこんなセリフが気に入った。

「踊ろうとさえしないで、生きるために骨をおったなんて、どうして言えるの?」

「あんたは世間にとっては次元を一つ多く持ちすぎているのよ。今日生活し、生活を楽しもうと思うものは、あんたや私のような人間であってはならないのよ。インチキ音楽のかわりにほんとの音楽を、娯楽のかわりにほんとの喜びを、お金のかわりに魂を、営業のかわりにほんとの仕事を、遊びごとのかわりにほんとの情熱を求める人、そういう人にとっては、この世のはなやかな世間は故郷じゃないわ……」

(以上、新潮文庫版・高橋健二訳)

まあ「荒野のおおかみ」は読まなくても良いかもしれないけど(ヲイ)、「知と愛」(「ナルチスとゴルトムント」?)は本当に凄く面白いので是非読んで欲しい。

修道院のイケメン神学生をやっていたゴルトムントが、ひょんな事から女を知る。それから修道院を抜け出し、各地でヤりまくる、という話。本当にもう命がけでヤってヤってヤりまくる。(全部双方合意のもとでだけど)

単なる女食いイケメンの話みたいに思えるかもしれないけれど、一人一人の女性に対しては本当に誠実だ。というか、常人の域を超えた誠実さを抱えてしまった人間の話なのだと思う。

あと国文学だけど、夏目漱石なんかはかなり不器用な人だったらしく、読んでいて痛いのが結構ある。

行人」は相当痛かったなあ。お前は俺か! という感じ。ひたすら愛されないことを嘆く兄貴が。(兄貴は既婚なのだが)

「明暗」なんかはリア充っぽい心理が入り乱れていて、小林登場人物)と一緒に嘲笑できるかもしれない。ただし作者が執筆中に亡くなってしまったので残念ながら未完。

まともな評論とかあんまり読んでいないので色々怒られそうだし(汗)、チョイスもかなり変だけど、予備知識とかなくていきなり乱読しても慣れれば結構面白いよ、という例なので勘弁してください。

 
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