はてなキーワード: 福知山線とは
また今年もこの日が来てしまったというか、あの事故の根本的原因が解決されずに19年の月日が経った。
表題に書いたように、脱線事故の原因についていろいろ言われているけど、一番の原因は「乗客の獲得競争」そのものである。
大阪から宝塚に向かうのに、乗客の立場としてJR福知山線と阪急宝塚線の2つの選択肢があり、自由に選べるメリットがある。
2つの選択肢があるということは、それだけ両者の競争が激しくなるということである。
正直言って、大阪~宝塚間だったら鉄道路線は二つもいらないし、どちらか一つあれば十分ではないか。
競争のために乗客の安全が犠牲になるくらいなら、それくらいの抜本的解決は必要ではないか。
大阪~三宮間の場合はその選択肢が三つもある(JR神戸線・阪急神戸線・阪神本線)のは多すぎ。
報道では、事故が起こった路線名の表記が分かれた。朝日新聞、神戸新聞、サンテレビは、東海道本線大阪駅 - 尼崎駅間と福知山線尼崎駅 - 篠山口駅間の愛称である「JR宝塚線」を使用しているが、
ある日私がFFT(ファイナルファンタジータクティクス)の音楽について調べていると、
ブログがヒットした。私の知りたい楽曲について色々とテキストを書いてくれていたので興味深く読んだ。
記事が読みやすい内容で気に入ったのと、ブログがゲーム日記になっていたので私はどんどん読み進めていった。
しばらく読み進めていくと、大きな電車事故にあったという内容が書かれていた。その人は無事で横転した車両から外に脱出したらしい。
そこから内容が若干鬱っぽくなっていって、大学の卒論が進められない。などと書かれていた。
という内容で終わっていた。私が見た時には最後の投稿日から7年たっていた。
で、大きな電車事故の投稿日の日時見たら、福知山線事故の日だった。
ただのFFT好きな人の日記を読んでただけのつもりだったのに。
ちょっと怖かった。そして悲しいなと思った。
なんとなく調べてたらこんなのを見つけた
運転士の遺体が収容されたという記述の他に、その運転士の人となりが書かれている。それによると、
少しでも気を抜いたら事故に繋がる鉄道運転士には不適格とも考えられるエピソード。この運転士はきっと事故前のオーバーランでも「しまった」と言い、事故直前のカーブでも「しまった」と言ってたのだろう。おそらく人生最後の発声も「しまった!」ではなかろうか。
運転士は超氷河期の2000年卒組であった。あまりの就職難で大卒が高卒枠に割り込んでくるのか社会問題になったが、この運転士はそれを乗り越えている。また、当時は「安定性」を志望動機にしたら面接で一発アウトとも言われてたが、きっと面接ではそれを見せないように演じていたのだろう。
超氷河期を乗り越えてJRに高卒就職、運転士になり手に職を持てたのは当時としては神レベルのキャリアであり、それを友人知人に自慢していた。逆に考えると、運転ミスが続いて日勤教育を食らっていた事故前の状況はその鼻がへし折られていてメンタル不安定な状態であったことが容易に想像でき、さらに事故前のオーバーランで「もう俺の人生\(^o^)/オワタかも」という心境に追い込まれていた可能性がある。一応言っておくが、これは運転士の自業自得である。この運転士はプライドが高く、謙虚に自身を省みる能力が欠けていた。
よく日勤教育が真因と言われているがそうではない。日勤教育が原因で事故を起こしたのはこの運転士以外にいないのだから。
採用段階の適性判断ミスと考えるほうが適切であり、このような不適格者をいかに運転士にさせないよう取り組むかが本当の再発防止策になるはずだ。つまり、人事部門の改善が必要だ。
といっても事故にあったわけではない。
事故を聞いたのは授業前、担任が「なんか福知山で脱線事故があったらしいよ」と言いながら教室に入ってきて、少し教室がざわついたものの、いつも通り授業が始まった。私は今朝も「福知山行き」と書かれた電車に乗って学校に来ていたので、なんとなく落ち着かない気持ちで授業を受けていた記憶がある。
事故後も私は学研都市線を使って大阪と京都を往復する生活だった。学研都市線は福知山線に繋がっているので、時々事故のご遺族の方や、被害者の方を見かけた。
帰りの電車の中、ぎゅうぎゅうに詰まった電車の中で骨壺を抱いていた喪服の男性。最初気づいた時には驚いたが、男性は背筋をピンと伸ばして一点を見つめていた。その横顔がとても険しかったことをよく覚えている。その表情を見て、周りの人も脱線事故のご遺族の方だとわかったのだと思う。途中で中年の女性の方が男性に声をかけていた。何を話していたかはわからないが、男性は少し頷いて、女性は手を合わせていた。
いつかの昼過ぎ。
その日は学校が早く終わり、帰りの電車の人はまだまばらだった。私の近くでカップルが静かに笑い合っていた。
途中、男性二人が電車に乗って来た。大柄の男性と、小柄な男性。二人は私の正面に座った。
大柄の男性は、見た目通りの大きな声で豪快に笑い、小柄な男性はそれを聞いたり突っ込んだりしていて朗らかな雰囲気だった。私はうるさいなと思いつつ漫画か何かを読んでいた。
しばらくして、走っていた電車がゆっくりと速度を落とし止まった。車内アナウンスでは路線に障害物が何とかと言っていた気がするが、田舎の路線なのでこういう事はよくあった。すぐに動くだろうなと思っていたら、さっきまで目の前で豪快に笑っていた男性が、だんだんと顔色を変えて慌て出した。
最初は「勘弁してくれ」「なにがあったんや」と話してていたが、だんだんそれが早口になっていって「やめてくれ!」「なんで今やねん!」という風に、声を荒げてパニックになっている様に見えた。
隣の小柄な男性がまあまあすぐ動くからと落ち着かせている様だったが、男性は背中が座席の背もたれに張り付いた様になって、硬直している様にも見えた。そこから男性は早口で吐き出すように話し続けた。
福知山線の事故にあったこと。ずっと入院してて、今日やっと電車に乗れたこと。一緒に電車に乗った友達は人の形をしていなかったこと。
私は怖くなって下を向いていたが、そこから動くことも出来ず、ただ男性が吐き出す言葉を聞いていた。隣にいた小柄の男性も、なにも言えずに男性に寄り添っていた気がする。時々「大丈夫ですから」と周りに伝えている様な声がしたが、同じ車両にいた人はみんなただただ男性の言葉に耳を傾けるしかなかった。
しばらくして電車が動き、男性は次の駅で降りていた。土のようになった男性の顔色をよく覚えている。さっきまで笑い合っていたカップルが「凄かったね…」と声をこぼしていた。事故から数年が経っていた頃だった。
あれからもうすぐ18年目が経つ。