はてなキーワード: 開業とは
最近は過労で鬱に片足突っ込んでいる、休んでほしいがそう言うと「助けを求めてる患者さんに、予約いっぱいだからもう20日待ってなんて言えないよ」と断られる。
姉の腕がいいから人を雇って代わりにやってもらう等難しいらしい。
でも姉が倒れたら本人も家族も患者も皆いい事ないやん、もう姉が体を壊すとかでも無い限り整骨院は安泰だし他の整骨院に行ってもらってセーブしようよと心配だ。
患者より自分の健康維持を優先してほしい、そう思ってたのに、さっき子供の難病ブログを読んでいて、連休前に子供が血液関係の大変な病気だと発覚して大病院に移されたのに、連休中だから検査を受けられず栄養剤を点滴されるだけで、やっと検査をしたら非常に進行の早い病気であと数日が山だと言われたと言う所で、何でそんな大変そうな病気の子供が来たのに数日検査を遅らせたのかと思ってしまった。
今日久しぶりに10時に出勤(正確には自営業の取引先)し、19時に退社した。
そして気がついてしまった。
人の心を殺していたのはこれだということに。
在宅勤務というやつだ。
会社に通わなくなってから、会社員時代は何に対しても無関心で感情を失っていたことに気がついた。
考えてみれば当たり前だった。
開業して家で自由に働くようになってからは、ふとした散歩など日々の日常で楽しいな、穏やかだなと感じることが増えてきた。
平日、仕事に飽きたら本を読んで休憩したり、人の少ないジムにいってリフレッシュしたり、新しいことの勉強にも意欲的に取り組めた。
だが10時に出社して19時まで会社に拘束、となると仕事するかぼーっと休憩するかだ。
何もできない。
時間に拘束され、拘束が解けたと思えばゴミのような人混みにもまれる。
ジムに行っても混んでいるし、散歩しようにもお日さまの光はとうに沈んでいる。
今日一日だけ再び通勤してみて、一瞬で心がしぼんでいくのを感じた。
毎日週5で決まった時間拘束されるために同じ場所に通うことが、どれだけ自分の心にダメージを与えてきたのかをとても痛感した。
これはうつ病になるわけだ。
こんなことを繰り返していたら本当になんのために生きているのかわからなくなる。
俺は大学で勤務医してる卒後10年の皮膚科医なんだけど。女医がよく行く科としてあがる皮膚科でも長く働けて肉体的にもキツイことがこなせる男が欲しい、切実に。
開業医のクリニックかなんかで皮膚診て、塗り薬渡されて終わり、って経験みんなあると思う。でもさ、大学病院にいるとそういうケースだけじゃないの。
皮膚科とか眼科みたいな科は内科的治療も外科的治療も自分の科で行うんだ。それで当たり前だけど皮膚にもガンって発生するのね。それに火傷とかで皮膚を植皮する人もいる。だから皮膚科だって実は大きい手術があるんだよ。
5mmくらいの皮膚を切り取る、いわゆる生検くらいなら入局してすぐ何件か経験するし、簡単な採取キットもあるからみんなすぐできるようになる。
たださっき書いた癌とか植皮はやっぱり入局したてのやつが一朝一夕でできるかって言ったらそうはいかない。植皮なんて術後の審美性に直結するからどう切るか縫うか事前の知識と経験がそのまま直結してくる。だからね、俺たちのところは執刀医は俺、助手に若い医員を入れて、次世代の教育もしつつ患者さんにとっても満足のいく仕上がりになるように努力してる。
さて問題は、そのいわゆる執刀医ができる人間が今のところ医局では俺しかいないってことだ。俺は皮膚外科を専門にしているんだけど、他の助教はみんな皮膚内科で「切る」のは専門じゃない。俺より10才上の講師も悪性腫瘍には精通しているんだけど、地位が上がってくるといつもいつも最前線にいるってわけにもいかないからさ。だから切るのはいつも俺。切った後に経過を見る主治医も俺。切る前にアナムネ取って説明するのも俺。
うちの皮膚科に入局した人は基本的に将来皮膚内科に進んで、アトピーとか膠原病を専門にして飯を食ってく。医局入りたての頃に一緒に切っても皮膚を貼っても最後はみんな皮膚内科で、一緒に皮膚外科を盛り立てていこうっていうやつがいないの。しかたないよな。手術室に長い時間籠って手術するのも、外来で皮膚診て塗り薬出すのも給料一緒だもん。いや、皮膚内科を馬鹿にするつもりはないよ、診断つける時似たような発疹を見分けるのにはやっぱり経験値もいるしさ。でもね、傍から見たら皮膚内科に流れちゃうよ。誰だって肉体的にきつい仕事は嫌だろう?
それにもう一つ。皮膚外科で結局開業することはないってこともある。クリニックでは生検はするとしても、いざ植皮とか悪性腫瘍摘出手術となったら大きい病院に送るから、いくら今外科系スキルを磨いても、将来開業するとなったらあんまり役に立たない。それよりきっちり皮膚内科を臨床研究から学んでおいて「当院はアトピー性皮膚炎に強いです!」と触れ回る方がよっぽど集客力があるからね。となると皮膚外科医が輝ける場所は忙しくていつも人員不足の大学病院で飼い殺し、が現状なんだよね。
皮膚科は特に女性が多いから福利厚生は他の科に比べたら手厚くて、学会としても女性の働きやすさを推進している。消化器とか循環器とも違って急変も少ないし働きやすいのも分かる。それはいいことだと思うよ。ただ女性は男性より現実を見る分皮膚内科に進んで、将来は育児しつつまったりやりたいです、パートナーと開業も考えていますなんて人が多いから、皮膚科内でも分野ごとに偏りが出ている。学生にも分かるみたいで「先生いつも手術日は術野にいますけど、先生がいなくなったらうちの大学の皮膚外科って成り立たないんじゃないですか?」って質問されたこともあったな。そういうキツイ分野は聡い学生はますます敬遠するから、今後皮膚内科は増えても皮膚外科は増えないんだろうな、って俺は思ってる。
この歪みを解決するにはやっぱり「マンパワーを増やす」と「それなりにキツイ労働には対価を」が必要だと思う。
前者はいわずもがなだな。フェードアウトする人材より長く働いてくれる人材を登用すべきだ。後者についてはお金で全てが解決できるわけじゃあないけど、自分が頑張った成果が目に見えて分かるのが給料だから。俺も同期よりもうちょっと貰ってもいい働きをしていると思うんだ、甘いかな。
去年は男が3人入局した。珍しいことだよ。皮膚科に、男ばっかり、3人も、なんて。だから自己紹介されてこれから一緒に働きますって言われた時はすごく嬉しかったな。
今は一緒に術野に入ってもらって切って貼って縫ってを毎週1人1回は助手として経験させている。
この中に一人でも皮膚外科として芽が出たらいい、そんなことを思いながら俺は手術台の前に立っている。
東京医科大の女性一律減点という女性差別問題から派生した議論に「女医が増えると医療現場が回らなくなるというが、同じく女性が多い看護師業界では現場は回っている」という指摘がある。看護師業界でも激務はあるだろうけれども、医師と比べると相対的には女性が働きやすい環境だ。医師業界でそれができないのはなぜか。
その理由の一つは、看護師はかつて(あるいは今でも)労働闘争を行ったことにあると思う。かつては看護婦の労働条件は劣悪であったが、ストライキも含めた労働闘争でそれを改善させたと聞く。「患者を見捨てるのか」といった的外れで卑劣な中傷もあっただろう。しかし、当時の看護婦たちが闘い、権利を勝ち取ったことで、後進の看護師や、ひいては質の高い看護を受ける患者さんたちにも恩恵が行きわたった。私は彼女らを心から尊敬する。
医師はなぜ闘わなかったのか。看護師と比べると医師は恵まれていたところがあったからだと思う。私が卒後3~4年目のころだったか、たいへんに労働条件が悪い病院で働いたことがあった。労働者の権利のために闘うという選択肢など思いつきもしなかった。そもそも自分が労働者であるとは思っていなかった。現在と将来の患者さんを救うため、働き研鑽を積むのは当然だった。
それでもきつくて耐えられなくなり大学医局にSOSを出したら、もうすこし楽な病院に配置換えになった。いざとなれば医師は開業もできる。大学医局の強い昔はそうでもなかったが、現在はインターネットで楽な仕事がいくらも探せる。たまに過労死や自殺はあるが、医師は闘わずに逃げる選択肢があったため、劣悪な労働条件が残ってしまったのだろう。