はてなキーワード: スラップとは
このところのポリコレ関連の話題を見ていて、差別の定義が人によって違うことが無駄な議論の要因の一つのように思えたので備忘録的に。
公的な空間における制限が差別か否かを議論する際には論者が考える差別が対称-非対称or正当-不当のどちらに基づくかを明確にする方が無駄な議論が避けられて良い。
例えばちょっと前の増田になるが女性専用車両が差別かという投稿がある。
元増田は女性専用車両は③非対称かつ正当とした上で、非対称であるから差別だと提起した。
これに対して差別ではないとする意見では、一つは正当である、もう一つは対称(女性専用車両に男性が乗ることは禁止されていない)であるという2つの理由があり、その分離が曖昧な意見が多かった。
このように「差別」という言葉の定義が異なるために無駄な議論で消耗するのはもったいない。
※なお個人的には女性専用車両(女性専用とは言っていない)などという鉄道会社の命名と運用が悪いと思う。
問題のない①対称かつ正当と明らかに問題な④非対称かつ不当の間には、②対称かつ不当と③非対称かつ正当のグラデーションが有る。
現代では正当-不当を差別の要件とする派閥が大勢のようだが、私は対称-非対称を要件とするべきだと考える。
対称-非対称の判断基準は正当-不当のように社会通念という時間や場所によって異なるものに依存しないため明確であるため議論の前提にしやすい。公的空間においてすべての非対称がない社会が理想であることを前提とした上で、③非対称かつ正当な制限について現状許容するかをすり合わせ、定期的に見直していく方が建設的な議論ができるのではないだろうか。
また、この定義では②対称かつ不当な制限については差別とは別の論理で議論する必要がある。案件によっては非対称性に置き換えることも可能かもしれない(例えば補足で挙げたスラップ訴訟を訴訟に対応する能力が非対称だから差別だとする)が、基本的にはすべてのグループに対称な制限を差別の論理で議論することは筋が悪いだろう。
①公的な空間においてすべての人間に対する制限は平等であるべきだ
(私的な空間では平等でなくても良い。例えば私の家に入れる人間と入れない人間を私が独断で決定することは問題ない)
①グループ:人間をその属性(性別、国籍、宗教、階級など)で分けた集合のこと。
②対称-非対称:あるグループに属する人間に対する制限が、別のグループに属する人間に対する制限と同じもしくは代替の利用コストが無い場合を対称、制限が異なるか代替の利用コストが有る場合を非対称とする。
③正当-不当:ある時代・場所・状況においてその社会を構成するおおよその人間が道理に合うと認めることを正当、道理に合わないと認めることを不当とする。
ある属性で分けられた複数のグループに対する制限について、対称-非対称と正当-不当の2軸で分類すると以下の4つになる
①対称かつ正当
②対称かつ不当
③非対称かつ正当
④非対称かつ不当
①対称かつ正当の例としては公園での火気使用禁止や隣り合った男子・女子トイレを挙げられる。火気使用はすべてのグループに対して一括で禁止されているため対称である。また男子トイレに女子が入れないこと(またその逆)はあるグループに属する人間に対する制限が、別のグループに属する人間に対する制限と異なるが、隣に女子(男子)トイレがあれば代替の利用コストが無いので対称と考えられる。またどちらの制限もおおよその人間は正当と認めるはずだ。
(以前話題になったマクドナルド上大岡カミオ店の店内トイレを日中は女子専用とすること(http://news.livedoor.com/article/detail/13296334/)は男性に利用コストをかけるため非対称と考えられる。マクドナルドは私企業なので今回の議論には直接関係はないが。)
②対称かつ不当の例としてはスラップ訴訟を挙げられる。提訴する・される権利・義務は社会的な地位に関わらないため対称である。しかしながら、政治家や大企業が市民や被害者に対する恫喝を主目的として訴訟を起こすことは現代の社会通念上は不当とされる場合が多いし、実際にカリフォルニア州では「反スラップ法」が制定されている。
③非対称かつ正当の例としてはアファーマティブ・アクションを挙げられる。特定のグループに対しての優遇措置=別のグループへの制限は明らかに非対称であるが、そのグループの不利な現状を歴史的経緯や社会環境に鑑みた上で是正することは理念としては正当とする人間が多いと思われる。(具体的な改善措置についてはもちろん種々の意見はある)
④非対称かつ不当の例としてはアパルトヘイトを挙げられる。現代では黒人隔離政策が非対称であり不当であることに異論はほとんどない。
これまでの話
「(民事)訴訟を起こされたという体験」序話
「(民事)訴訟を起こされたという体験」第一話
「(民事)訴訟を起こされたという体験」第二話
「(民事)訴訟を起こされたという体験」第三話
この増田を読んでる皆さんへ
第一話についているコメントに対して
登場人物紹介
「(民事)訴訟を起こされたという体験」登場人物紹介
さて、前回の話の続きとなるが「プライバシー権」とはどういう物かについてもう少し掘り下げた話をしておこう。
「住所」や「本名」を本人の承諾無く投稿される事は、民事法では「プライバシー権の侵害」に該当するのだが…。
Aは、そこまで説明してから大きく一呼吸入れ、説明を続けた。
「プライバシー(privacy)」という言葉の由来には諸説有るが、その一つとして「プライド(pride)」から来ているとする説があり、
法律学上は「プライバシー」は「プライド」から来た物であるとする説が有力視され、「プライバシー権の侵害」というのは平たく言えば
「住所や本名を許可無く公開された事で俺のプライドが傷付いたので訴えてやる」という意味合いの訴訟なんですよ。
...という事だそうだ。
それを聞いて私もOもNも笑ってしまった。
自分のプライドが傷付いたからという理由で訴訟を起こす馬鹿が世の中にどれだけ居るだろうか?
Kが想像以上の馬鹿だったという事が説明を聞いて良く解った。
しかも、二人相手に訴訟を起こすという事は合計で200万近い金をKは支払っている可能性が考えられるのだそうだ。
Aは、説明を続けた。
一般的には訴訟を起こされたら驚いたり相手を恐れたりする事が多いが「名誉棄損」や「プライバシー権の侵害」での訴訟は恐れる必要は無い。
訴訟を起こしたい程相手にダメージが入っている証拠であり、何よりこういう仕返しの様な形でしてくる訴訟を
弁護士をしている人達の間では「SLAPP(スラップ)訴訟」というのだそうだ。
SLAPP=嫌がらせ、つまり「嫌がらせ訴訟」なのだと。
突き詰めた言い方をすると、Kが起こした訴訟は「住所や本名を許可なく書かれた事でプライドが傷付いたので書いた奴に嫌がらせしてやる」になる。
そして、Aは言った。
「大丈夫ですよ。私がついた以上、こういう法律を嫌がらせに使う様な人には絶対に負けませんから。」
「法律を悪い事に使おうとする人は絶対に許さない所が、昔からAの良い所だよね。」
とNは笑っていた。
次回に続く。
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14149_2.html
甘利を擁護する目的はないけど、この件については当初のテレ東報道にもちょっと問題あるし、Business Journalの上田眞実さんの記事はハッキリ言ってクソ記事だよ。はてブに上田さんへの懐疑がほとんどないのに、ドン引きしてる。
スラップと呼ばれている訴訟は東京地裁平成23年(ワ)29923号事件。「判例時報」2180号65頁。おっきな図書館なんかには置いてあるので読んでみてください。
③被告の手続コストや第三者への威嚇など、請求の認容以外の不当な目的があること
の全てを満たす訴訟のみを「スラップ訴訟」と呼ぶべきだと思う。②にあてはまらない=法的には賠償義務があるような事案で、訴訟をおこすこと自体に文句をつけるのは、ただの居直りじゃん。
上田記事のクソなところは、テレ東が当初どんな報道をしたのか、そこにはどんな誤りがあったのか/なかったのか、甘利氏は報道のどこがどうおかしいと文句をつけたのか、裁判所はテレ東のどんな行為について「名誉棄損」と認定して330万円の支払いを命じたのか、という点についての説明がほんとうにほんとうに杜撰だということ。「取材拒否の空席を映したら名誉毀損」とか、いくらなんでもそんな主張を裁判官が認めるわけないし、そんな判決が出たとしたらテレ東が控訴しないわけないでしょ。そこが杜撰だから、上のスラップの条件②にあてはまるのかあてはまらないのかを読者がきちんと考えられない。
①テレ東の報道を見た人は「平成18年には津波で電源を喪失する危険性を指摘する吉井質問主意書が出されていたのに、甘利は津波での電源喪失の危険性を認識してなくて、そのうえ危険性の指摘があったことを示す資料を見せられたら取材を中断して逃げ出した」と感じる。
②でも、質問主意書には「津波で電源を失う危険性」の指摘はない。ここは事実に反する。
③テレ東はそれを認識していながら,敢えて「津波」との語句を追加した。
ってものなんだよ。この判決に対して、その認定はおかしいんじゃないか、とか、政治家対報道機関なんだから訂正報道したなら十分なんじゃない、330万って損害額は高すぎるんじゃない、とかいう批判はするべきだと思う。でも上田記事を読むと、まるで「テレ東が、甘利が取材拒否したことの象徴として空席になった自分の椅子を映したから、東京地裁330万円の賠償を命じた」みたいな印象になっちゃう。
それは全然違うでしょ。
今年は流行語大賞の年間大賞(ノミネート、ベストテン、年間大賞とランクがあるらしい。初めて知った。)が4つも選ばれた。
自分なんかはどれも興味がないのだが(ただし「あまちゃん」は例外だ)、ノミネートを見てたらある言葉が目に入った。
「ブラック企業」
あーなんか厚生労働省も対策に乗り出したくらいだからな。2ch発で行政が採用したって画期的なことだよね(そこじゃない)。
でもブラック企業ってワタミとかユニクロとか餃子の王将が代表格だろ?誰が授賞してるのかと思ったらNPO法人POSSE代表の今野晴貴氏。『ブラック企業』を書いた人だ。若い。
ブラック企業なんて2chで有名になったんだからひろゆきにでもくれてやれよ。映画版に敬意を表して小池徹平でも可(あの映画は小池徹平と田辺誠一を愛でるBL映画だったという説を自分は提唱している。同意求む。)。
とか思いながら、ひろゆきはブラック企業になんて言ってるのかと思って検索したら、いきなりグーグル先生のトップでこんなのみつけた。
http://www.youtube.com/watch?v=xNjeicZAr7g
どうやら、ひろゆきはおまけで(まあここでも脱線しまくってたから彼がメインじゃ放送が成り立たないことは察します)、
メインは特徴的な話し方とヘアスタイルの濱口桂一郎センセイと、眼鏡の坂倉昇平という人。なお後半から被害者さんたちが大勢登場します。
で、問題はこの坂倉という人で、この人も今野氏と同じNPO法人POSSEの人らしい。
一応、この人たちはだいぶ前からブラック企業を問題にしてたのね。
ここで自分は思い出した。この坂倉昇平って人、この夏に実名でツイッターでワタミ叩きまくってた人じゃね?
検索したらでるわでるわ。個人的にヒットしたのはこれ。ワタミのカルトな社員テストをスクープしてる。
週刊誌でもテレビでもなくツイッターで暴露。さすがツイッターの時代だ()。
https://twitter.com/magazine_posse/status/352357117874802688
ガジェット通信でも記事になってた。ワタミから逆襲のスラップ訴訟をされていないことを祈ろう。
http://getnews.jp/archives/374128
そしたら同じ坂倉昇平氏のこんなツイートも見つけた。これもガジェット通信で記事になってる。これも自分のTLに流れてきた記憶がある。
https://twitter.com/magazine_posse/status/352382794774761472
http://getnews.jp/archives/374059
で、このエントリで問題にしたいのはこれだ。
要は、自民党が4月の政策提言でブラック企業対策を掲げていたのに、夏の参院選の公約&サブ的な位置づけの政策集からも削除されてしまっていたらしい。
確かにすっぽりと抜け落ちている。自民党はワタミ元会長(もう社長じゃないばかりか会長でもなく、建前上は会長から退いていたらしい。知らなかった。)を当選させるためにそこまでアコギなことをしていたのである。と思ったが、ちょっと待て。自分は気付いてしまった。
「サービス残業など法違反が疑われる企業などに対しては、労働基準監督署が立入調査等を行うとともに、重大・悪質な違反をする企業に対しては、司法処分により厳密に対処し、公表を行う。さらに、法違反により過労死などの重大な労働災害を繰り返して発生させた企業・事務所名の公表について検討を行う。」(自民党の4月の政策提言より)
厚労省(現職の大臣は自民党議員)のブラック企業対策って、この消えたはずの自民党のブラック企業対策じゃね?
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000014323.html
驚くほど似てる。ていうかほとんど同じじゃないか。自民党さんはブラック企業対策をあきらめてなかったんだ!さすが!
坂倉昇平氏。嘘を言っちゃいけねーよ。
といいたいところだが(別にいいたくもないが)、自民党の公約から選挙で消えていたのは事実だ。
あきらめてなかったのなら、その説明がつかない。(br)
ここで考えられる仮説は二つだ。
1、自民党は春ごろからずっとブラック企業対策をやる気があったにも関わらず、参院選では隠蔽していた。
2、自民党はブラック企業対策をやる気はあまりなかったけれど、参院選後に復活した。
さあどちらか。
正直、自分にはわからない。だけど、ワタミを候補者に出したことでブラック企業の議論が高揚したのは間違いないと自分は見ている。
2だと考える余地は十分にあると思う。ネットで叩かれたから、やばいと思って復活させたってことね。
ただここで自分は、驚愕の仮説を立てた(なお検証する予定はない模様)。
結果的に自民党はワタミを公認することによって、ブラック企業対策を盛り上げた。
つまり、彼らは「泣いた赤鬼」戦略をとったといえる考察が成り立つのではないか。
「泣いた赤鬼」は童話の名作だ。仲良しの赤鬼と青鬼がいて、人間と仲良くしたい赤鬼のために、青鬼があえて人間を襲うふりをして、それを赤鬼が成敗する茶番を演じることで、赤鬼が人間と仲良くなるも、青鬼は茶番がバレないように赤鬼のもとを離れ、遠くへ旅立ってしまった・・・ってあれだ。あってますよね?
つまりワタミは青鬼だった説!自民党のブラック企業対策という赤鬼のために、犠牲になったのだ・・・・結果的には。