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2014-12-10

ディタッチは胸や尻にするものではない

http://anond.hatelabo.jp/20141208214051

http://anond.hatelabo.jp/20141209092733

私はつい最近まで童貞だった若輩者だけれど、世の中の日本男子諸兄の恋愛偏差値の低さには涙が出てくる。

なんでお前らはボディタッチひとつまともにできんのだ。

いきなりおっぱいとかお尻に触るなよ!

あなたたちは男性的な欲望に忠実すぎる。

結論からいうとボディタッチは肩とか腕とか手とか髪にするものなんだよってことなんだけど、こういうのって「知識」として覚えるようなものではないのですよ。

二村ヒトシ自分の中の「モモレンジャー」を開発するという言い方をしたけれど、そういう風に自分の中の女性的な想像力喚起して、突然胸や尻に触られることがたとえ最愛パートナーであっても如何にキモいかということを「実感」として分からないといけない。

もちろん男性の中の女性的な感性というのは不正確で薄いものから、色々な女性体験談とか創作物とか、何よりもパートナーの話とか態度ををよく見聞きすることで精度を高める必要があるのだけれどね。

これはポジティブな面にも言えて、よくイケメンがやるような、肩にそっと触れるボディタッチが如何に胸キュンなのかというようなことも実感として分かってきたりする。

ディタッチはパートナーへの想像力を発揮して利他的に行うべし。

パートナーが満たされている様子はあなた幸せにもつながるはずだ。

2014-12-07

http://anond.hatelabo.jp/20141207214956

山形浩生『新教養主義宣言』

10代でこれ読んで、本読まなきゃ勉強しなきゃと思った

・J.Gバラード千年王国ユーザーガイド

小説家だとバラードに一番影響を受けた。現実の見え方が変わった。

ロイバウマイスター『WILLPOWER』

意志力は筋肉のようなもので、使うと疲れるし、鍛えることができる。という本。

俺はこれ読むまで努力ができないし、我慢もできないし、自制心のない人間で、もうこれはずっと続くと思ってたんだよね。

でも、これ読んで少しづ自己コントロールができるようになってきた。

嫌いな説教臭い体育会系的な根性論じゃなくて、心理学実験を踏まえた、科学的な内容なのですんなり受け入れられた。

二村ヒトシ『全てはモテるためである

ずっと女、特に若い女性コミュニケーションが取れなかった。

今もうまくはないけど、この本を読んだら少しはマシになって、職場とかで雑談できるぐらいにはなった。

アンディーウォーホル『ぼくの哲学

ウォーホルのカラっとした、ポップな世界観自分とまったく真逆で衝撃を受けた。

もともと生真面目でネガティヴで落ち込みやす人間なのだが、

これを読んで、落ち込んだら世の中の全ては取るにたらないしょーもない出来事なのだ。と少し考えられるようになった。

ポールクルーグマンミクロ経済学/マクロ経済学

ずっと経済学というのは後付けの屁理屈で何の役にも立たないしょーもない学問だと思っていたが、

これ読んで、経済学自分個人のミクロ人生を考えるのにも、世の中というマクロ事象を考えるのにも、

もの凄く使える学問だということが理解できた。

2014-07-20

真剣恋人ができないことに悩んでいるが、笑われる

大学四年男性

いくら努力しても恋人はできなかった。

まり顔はよくない。だから、少なくとも性格を見てもらえる時間の多い大学時代勝負だと思った。

はじめからサークル複数所属した。

女の子デートに誘って断られたり、告白して断られたり、そういうことを繰り返してきた。

いわゆるマニュアル本も読んでみた。二村ヒトシエッセイ集とか・・・。

初めは、まあ今までももてなかったし仕方がないと立ち直ることができていた。

しかし、そうやって断られることを何度も何度も繰り返していくうちに、精神変調をきたしてきた。

今まで楽しいと思っていた趣味が楽しくない。自分の好きだった人を奪った人間の顔が浮かんでくる。

朝、起きることができない。夜眠れない。

鬱病かなと思い、精神科へ言った。

「好きだった女の子に振られることを繰り返して、うつ気味の症状になりました」

失笑された。自分は親身になって聞いてくれるものと思っていたので、心底がっかりした。

軽めの向精神薬の処方を出されて、その場は終わった。

飲んでも飲んでも、状況はいっこうに改善しなかった。

たぶん、自分がここから救われるためには、何としてでも彼女を作らなければならないと思う。

しかし、もう精神力を使い果たしてしまった。

今では、休日にベッドから起き上がる気力すらなくなってしまった。

学校も、頻繁に授業を欠席するようになった。

自分イケメンだったら、女の子に話しかけたりするのも向こうから喜ばれる事になるのだと思うが、

残念ながら顔があまりよくない。自覚している故、顔以外の部分に価値があることを示すため、財力や知識量を誇示しようとしてしまう。

優位性を少しでも提示できなければ、自分なんて全く価値がないから

そう思って誇示した結果、どんどんと人が離れていった。

これが間違ったアプローチと言うのは簡単だ。しかし、ならばどうやって差別化するといいのか。

それがなければ、顔が良くない場合「単なる優しい人」にしかならない。

恐らく、社会に出たらもっと世間は厳しくて、一瞬で合否の判定がなされるのだろう。

少なくとも長い時間で見てもらえる大学時代彼女ができなかった事実は、

社会に出てもきっと彼女ができないという仮定に直結している。

合コン婚活お見合いパーティetc...

すべて、せいぜい3時間ですべてが判定される、恐ろしい戦いで、とても自分は勝つことができない。

自分恋愛するのは、もう不可能なのだろうか。

あと半年大学生活で、いったいどうすれば恋人ができるのだろうか。

2014-03-28

「俺って中身、女だからさ」について考えてみた

基本「現代社会では女の方が有利だし女の方が生きやすい」って思ってる人の中身は女だと思う。

なぜなら世の中は、尊敬されるには男の方が有利で、愛されるには女の方が有利な仕組みだから

女の方が生きやすい、女が羨ましい、女に生まれたかった…と思うのは、尊敬されるよりも愛されたい証拠。

そういう男は社会的要請によって男性的外面を取り繕ってるだけで、内面女性的なんだよ。

 

美少女が登場するエロいフィクションの楽しみ方も、美少女を犯す側に自己投影しているとは限らなくなっているでしょう。

美少女自己投影して、犯される気分を味わう男だって居る。

別にこれは現代若者特有病理というわけでもなくて、女装して街に出るオッサンとかジイサンとかって昔から居たよね。

男にも「性的視線を浴びたい欲求」を持つ人が居るんでしょう。男らしくないといって圧殺・黙殺されてきたけど。

で、「性的視線を浴びたい欲求」だけをみたすには、男に生まれるより女に生まれたほうが断然有利。

若い女だったら多少ブスだったりデブだったりしても、露出の多い格好すれば、浴び放題だからね。(同時に軽蔑視線も浴びることになるけど)

 

ここで考えたいのは、性的視線を浴びたい欲求を持つ男はなぜ不利なのか、ってことだよ。

わたしは、

・男の価値性的魅力ではないので、男は性的視線を浴びたがるべきではない(そういう奴は男じゃなくて女の腐ったような奴だ)と思っている男

・男は女の性的価値を認めて金を払ったり面倒を見たりするべき存在なので、男自身が性的視線を浴びたいなどと望むべきではないと思っている女

こういう人間が寄ってたかって「気持ち悪い!」「甘えんな!」と言って迫害したり、特殊変態の事例として"わたしたちの社会"から切り離したり、

存在自体を見なかったことにしたりして、性的視線を浴びたい欲求を持つ男を圧殺してきたからじゃないかと思ってる。

(というより、わたしの両親がまさに、こういう男とこういう女だった。でも両親だけでなく2ch恋愛板なんかでもこういう言説は頻繁に見るし、

 リアルでも保守的な年上の人らはこういうこと平気で言うよ。で、わたしは「すべての攻撃は過剰防衛だ」と考えているので、

 差別意識嘲笑や頭ごなしの否定などをかます人は、何か絶対に守りたいものがあってこういう行動を取っているんだろうなあと邪推している)

 

わたしは、男が性的視線を浴びたい欲求を持つことを悪だとは思わないな。犯罪さえ犯さなければ好きにしたらいい。

段落で挙げたような人たちにとって不都合な欲求だから利己的な理由で悪と認定されてきただけなんだと思う。

悪認定とまでは行かなくても、嘲笑対象にするような人もいっぱいいるよね。

でも人の性欲を嘲笑すると、その嘲笑視線自分の性欲に対して跳ね返ってくる。

自分の性欲を客観視して、人から嘲笑されないよう怯えたまま、一生自己開示出来ないまま生きていくことになりがちだ。

みんな嘲笑しないし嘲笑されないようになればいいんだけどね。(まあ、無理だろうね)

 

から要するに中身が男の女でも、中身が女の男でも、どっちでもいいと思うよ。

もちろん中身が男の男も、中身が女の女も、いいと思うし。

二村ヒトシすごくいいと思う。AVは見たこと無いけど、彼の主張がかなり好きだ。

からなんとなく感じていたことが、彼の主張を読んでまとまったり補強されたり、っていう部分は多いね

「女に生まれた人間既得権益」が羨ましくてイライラモヤモヤしている男は、彼の記事を読んでみたらいいんじゃないかなと思う。

2014-03-01

会いたいなあ。

会ったら会ったで、こいつ気持ち悪いなあ、って思ったりするんだけど

でも会いたいなあ。

モテないのはキモチワルイから」、って二村ヒトシが書いてたけど、

あれはまあ正しいとは思うんだけど、

キモチワルイのになぜか好き、ってこともあるんだよなあ。またいつか会えるかなあ。

2013-06-20

喘ぎ声に紛れ込ませた言葉

数日前、20年来お世話になっている某メーカーAV監督の作品を見ている最中

たまたまボリュームを大きくしたところ、女優が喘ぎ声とともにこんな話をしているのがうっすらと聞こえてきた。

監督優しい言葉をかけてくれるから安心して体を任せられる」

彼氏に帰ったらまた殴られるかもしれない。どうしよう?」

「気持よすぎて余計なことを話しちゃった。気持ちよくなることに集中します。ごめんなさい」

「私の家が貧乏だって話しちゃったから、もう1本撮影するって言ってくれた。ありがとうございます

これらは女優の「セリフ」ではなく、男優と絡んだり愛撫の快感に身を捩らせているとき、喘ぎ声とともに発せられる「本当の声」なのだった。

監督はそういった女優たちのリアルな悩み、撮影時の不安を取り除きながら撮影を進めているのである

ところがこの監督はさすがにベテランだけあって、かなりボリュームを上げてもボソボソとしか聞き取れず、ボリュームを上げてもノイズにかき消されてしまう。

おそらくマイクが拾わない最小限度の声量で、囁くように話しているのだろう。

なぜなら、女優たちの話は相手が必要な会話形式のつぶやきが大多数を占め、女優たちの声や反応だけを聞いていても、ある程度の会話の流れを読み解くことができるからだ。

そうしていくつかの作品では、撮影中にもかかわらず監督の優しい気づかいに感動のあまり涙したり、監督の真意を理解した女優が突然喘ぎながらも「いままで失礼なことばかりしてごめんなさい」と謝ることさえある。

このメーカーに出演している彼女たちはもちろんAV女優だったり、以前から監督の知り合いの素人だろうと思われる。

売れっ子ならまだしも、企画レベルの作品に出演してAV引退した女優を口説き落とし、1本だけの再出演をさせてしまう、

などというウルトラCは、ネームバリューやツテがあったとしてもほぼ不可能だろう。

それを実現させてしまうタネが前述の女優の声であり、

彼女たちを心からリラックスさせる(話の内容によっては撮影後に時間をとって相談を受けるそうである監督存在ではなかろうか。

もちろん「抜けなきゃAVじゃない!」「女優プライベートに興味ない」という方もいるだろう。

しかしたら大多数の男がそうなのかもしれない。

けれどこの監督女優たちとの信頼関係を築き、安心して体を任せられる相手だからこそ様々な素顔を監督に、カメラを通じて私達男性にも見せてくれる。

女の子快楽に身を沈めて(快楽定義十人十色だが)いく姿を追い続けた記録映像」がAVだと考える自分にとって、20年目であろうがなかろうがこの発見は本当に驚いた。

ネットで調べてもココに書いたような事に触れたレビューひとつもなかった。

また当該監督インタビュー記事等もあたってみたが、やはりここで書いたようなことには一切触れていない。

業界暗黙の了解なのだろうか? 

知っている奴だけ知ればいいというスタンスなのだろうか?

断片が見えれば見えるほど全体像がぼやけていくような不思議感覚だけれど、知ってしまった以上誰かに伝えたかったのだ。

最後にここまでの話を読んでメーカー名、監督名前にピンときた方は是非とも一本手に入れて欲しい。

この監督ほど女優への対応撮影内容が長年に渡ってブレないというのは驚異的ですらあり、ツボに入れば動画データではなく、DVDを収集したくなる魅力に溢れている。

そして作品を手にすることができたらヘッドフォンをしてボリュームを上げ、出演している彼女等の喘ぎ声に紛れ込ませた言葉に耳を傾けてほしい。

これまでのアダルトビデオに対する見方がガラッと変わるような、衝撃的だったり刺激的だったりする話がはちきれんばかりに詰め込まれているはずだから


6月24日追記

幻聴妄想チラ裏だと鼻で笑われて終わり。と思っていた初の匿名ダイアリー投稿記事が相当数の方々に読んでいただけたことに驚き、有難く思います

ここに書かれたことを一笑に付すのは簡単ですが、思わず手を止めてしばらく画面に食い入ってしまったほど衝撃を受けたことは間違いなく、

耳を疑って何本もの作品を見直し、聴き直してのことなので「聴こえた」としか言い様がないのです。

また、これだけ多くの方が興味を惹かれているというのは、真っ向から「嘘だ」と決めつけられない、なにか後ろ髪を引かれるようなものがあったのではないでしょうか。

Twitter二村ヒトシ監督に事の真偽を尋ねていた方もいらっしゃいましたが、二村監督もこの投稿内容を頭から否定せず「自分ではなく代々木忠監督ではないか?」といったような見解を示しておられました。

さらに「聞こえたような経験がある」とコメントくださった方も、ごく僅かですがいらっしゃいました。

ただこれだけ多くの方に読んでいただいたにも関わらず、AV業界関係者の方からコメントは前述の仁村監督以外にはなく、

しかしたら本当にAV業界の(ごく一握りのメーカーにとって、ですが)タブーなのかもしれません。

なのでどのメーカーなのか、監督なのかは明言せず、いくつかのヒントをお伝えするに留めておきたいと思います


メーカーアダルトビデオ黎明期から存在しており、当時革新的といわれたスタイルはいまや多くのレーベルリリースするジャンルにまで成長しています

そのスタイルの生みの親とも言える監督はすでにリリース作品も絶えて久しく、現在引退同様の状態だと思われます

毎月一定リリースしていたので作品数は相当な数となりますが、2005年前後の作品が(シチュエーションにもよりますが)音質的に良好なものがあるようです。


今後この投稿に追記することはないと思いますので最後ひとつだけ。

私が耳にした女優たちの言葉はどのような内容であれ、監督女優の信頼を深めるために発せられたごく自然ものであり

そのことに本来の目的である自慰行為さえ忘れ、感動したからこそ誰かにこのことを知ってほしいと投稿しました。

決して茶化したり、私が狂気に陥ったすえの妄言ではないことだけはお伝えしておきます

この投稿、追記を読んで興味を持たれた方が、アダルトビデオをより深く楽しむことができるよう願って止みません。

2011-05-08

http://anond.hatelabo.jp/20110508204745

あくまで二村ヒトシの本の中での概念なので、と前置きするけれど、

彼は「自分のことを好き」という感覚を二つにわけて説明していて、

・1つは自己肯定:そのままの自分でも生きていける、という感覚

・1つはナルシシズム:もっと向上しなければ、という感覚

向上心のもとになるナルシシズムを持つこと自体が問題なのではなくて、自己肯定のないナルシシズムが問題だと。

バランスを欠いているか恋愛が苦しいパターンはまってしまうんじゃないの、という話です

http://anond.hatelabo.jp/20110507124517

二村ヒトシの『恋とセックス幸せになる秘密』という本を最近読んだのだけれど、まるでもうあなたのことがそのまま書いてあるような本でした

自分のことが好きで(もっとよりよい自分になりたいというナルシシズム)、同時に自分のことが嫌いな(このままでいいという自己肯定の感覚を持てない)女性は、自分を好きになってくれる男性を見下したり、怖がったりしてしまって、自分には手の届かないような男性に憧れてしまう。

タイトルはあれだけど、自分を理解するきっかけになるかもしれません。興味があったらぜひ立ち読みでもいいので読んでみてほしいです。必ず得るものがあると思います。

2010-08-12

増田のやりとりを見ていて、なんとなく思い出したこと。

  女の人はどう思っているか


さて、考えてないからキモチワルい、って言われたって、あなたみたいに恋愛が不得手な男にとって「彼女に対して、どう行動したらいいのか」などについて「ちゃんと自分で考える」なんて、とてもじゃないけど至難の技でしょう。そこでその「能率の良い考えかた」を伝授してくれるのが“トレンド指南本”なり“ナンパ本”なり“恋愛マニュアル本”なりってものなんでしょ、と言いたいかもしれませんが。

何人かの女の人に「マニュアル本に頼る男」についてどう思うか、お話をうかがいました。以下のやりとりは、彼女たちから聞けたいろんな意見を、まるで一人の女性が喋っているかのようにまとめたものです。ブスが喋っていると思うとむかつきますから、美人想像して読んでください。


──こんど、女性を口説く方法っていうか、恋愛のテクニックっていうか、ようするにモテない男がモテるようになるための本を、書くことになったのよ。

「へえ、それは楽しそうな仕事ね」

──でさー、モテない男っちゅうのは、結局、どうしたらいいのかね?

「まずとにかく、その恋愛のテクニック? そういうたぐいの本を、読まないことね。読んだ時点でダメね。本屋で、そういうテクニック本の棚の前で立ち止まった時に、すでにもう負けてるね」

──いきなり手厳しいですなー。

「ていうかサラリーマンとかだとさー、『ビジネスに勝つ! ナントカの方法』みたいな本読んでる人ほど、いかにも無能そうっていうか、もう読もうって思ったときに終わっているってカンジ? ビジネスに勝ってんのはあんたじゃなくて本の著者だろ、あんた、その本お金出して買ったときに、もう著者に食われてるよビジネスで、みたいな? それとおんなじこと」

──ていうかオレも最初はまさにそう思ってたんだが、仕事ひきうけてから、過去のそういう本、ひととおり読んでさ、感心しちゃったよ。けっこうイイことも書いてあるわけよ。

「本が悪いんじゃなくてさ、マジメな気持ちでそういう本さえ読んでりゃなんとかなる、って思ってる感性がさー、とっても、モテない秘訣だよね」

──(正論だなー、と思いつつも、だんだん腹も立ってきた)だってさあ、どうすれば女と口がきけるか、なかよくなれるか、なんて、すげえ大事なことじゃん。ひょっとすると男の人生でいちばん大事なことかもしれん。なのに誰も教えてくれないじゃん。

「教わることじゃないのよ。なんで活字で書いてあることだと、すぐになんでも信用するかな。マニュアル本なんか読まなくても、ヒントは世の中いっぱいあるじゃん最初は、映画とかマンガとかドラマとか、バラエティで司会の芸人アイドルになれなれしい口きいたりしているのとか、ああいうの見て、自分感性に合うのを、それも、まんまコピーするとバレるから、自分なりに参考にして工夫すればいいのよ」

──そういうトレンドものが感性に合わなくて苦労している奴が読むんだよ。

「だったら昔の小説とかカルトなのとか、なんか自分に合うのを自分で探してくんのよ。なんでそういうとこで自分の頭、使わないかなー。べつに全部ゼロから考えろつってんじゃないのに」

──女だって、そういう本、読むじゃねーかよ。

「失礼ねー、読まないわよ」

──読んでるよ。売れている女性誌って、そういう恋愛論とかの特集ばっかじゃん。

「あれは雑誌よ」

──どう、ちがうんだよ。

「あのね、すごくちがうわよ。書いてあることが同じでも、雑誌雑誌だもん。第一、値段が安いでしょ」

──ケチなだけじゃねえか。

「ちがうわよ。その特集以外にも、いろんな情報が載っているでしょ。どうしたら男にモテるかって特集がすごく読みたくても、安くて他のことも載っていれば、買うときにシャレですむっていうか、自分にイイワケが立つのよ。部屋にあって親や友達に見られても恥ずかしくないし」

──それ、なんか、ずるいなあ。素直じゃないじゃないか。

「そんなことで素直になってどうすんのよ。余裕もたせてんのよ。人間としての最低のタシナミを守ってるのよ。だって彼氏いない女の子、みんなすごい切実よ。その切実さったら悪いけど男性の比じゃないわよ。だけど、だからって、すっごい目ぇ血走らせてマジな顔でオトコオトコっとかってなったら、おしまいじゃない。男の人だってそんな女イヤでしょ。それといっしょで、自分モテないことにホントにマジで苦しんでいる男って、たいへんだなって同情はするけど、その同情が愛に変わることはゼッタイないわね。はっきりいうとキモチワルい。

……

「だいいち、そういうマニュアル本って、女性一般の攻略法でしょ。まあそれは女性誌もそうだけどさ。せいぜいB型はこう攻めろとか、お嬢様タイプはこうだろとか、そのてーどの分類でしょ。冗談じゃないわよ。あたしはどこにいるのよ。あたしを口説きたいんでしょ。しかも口説きかたも本に書いてあるとーりのテクニックで、自分個性すら無いじゃない。恋愛とかセックスとかって、一人ひとりやりかたが微妙に違ってて、それが楽しいのに」

……

「そういう人って、あたしが好きなんじゃなくて、ただ彼女が欲しいだけなんでしょ。でも「ただ彼女が欲しい」なんて、いくら切実でも、そんなのないわよ。女の子でもそういう、とにかく彼氏欲しいって言うコいるけど、友達からバカって言われているわよ。誰でもいいんだったら、それはアソビよ。でもアソビならアソビで「セックスさせて」ってキッパリ言われたほうがわかりやすいし、対処のしようもあるわよ」

……

「思い詰めてるバカはバカ同士でくっつけば? あ、でも自分と同じだから、バカ男のことキモチワルがりはしないと思うけど、バカなコってバカなほど要求とかプライド高かったりするから「とにかく彼氏欲しー」とか言ってたくせに、顔とか性格とか、すぐつべこべ言うよ。男もそういう男は、そうでしょ? だからいっとき押し切ってくっついても、すぐお互いに失望してダメんなって、お互いキズつくんでしょ。バカでー」


すべてはモテるためである  二村ヒトシ 著

この本、すげー面白いから、こういうことに興味がある人は、読むがよろし。

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