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はてなキーワード: カウベルとは

2022-10-03

anond:20221003105135

まんまウテナだよーとか言うのは無理がありすぎるというか、注目されたくて無理やりなところ引っ張ってきてるだけじゃねえかって思う

毎週螺旋階段を歌いながら登ったり、影絵のキャラが「ご存じかしら」って話始めたり、女キャラが胸にカウベル付けるようになったらもっかい言ってこい相手になってやる

2022-03-21

古さを感じさせない昭和メソッド

平均年齢高めのはてな諸兄なら、なんとなく覚えている人も結構いると思うが、今ほどシンセサイザーが発達する前の昭和歌番組は、伴奏ジングルのためにお抱えのミュージシャンが多数出演するという、現在では考えられないほど贅沢な造りだった。

なおかつ演奏者の調達の都合(まとめて声掛けできる)からか、それが歌番独特のサウンドを生んでいた。

そのサウンド自分の耳で聴いた感じや、当時の関係者が昔どこかのサイトに書き残していた情報によると、どうやら楽器編成は以下の通りのようである

さて、「自分の耳で」と書いたが、これは別にyoutubeに上がっている昭和歌番組アーカイブけが頼りではない。

というのも、このサウンド平成を通じて令和の現在に至るまで、着実にアップデートしつつ受け継がれているからだ。

個人的には主にアニメゲームとかの2次元コンテンツ関係で見る機会が多いので、以下全てそっち系から、古い順に曲紹介である

昔と違って予算関係もあるのか、曲によっては弦やリズムセクションが打ち込みだったり、更にはブラス隊まで打ち込みになってそうなのもあるにはある。

ただ最近シンセ音源はかなり高品質なようで、そこそこ「生っぽい」感じ。

ともかく、いずれの曲も華やかなトランペット、印象的な旋律を奏でるヴァイオリンがとても魅力で、上手いアレンジだとピアノの立体感サックスの艶、トロンボーンの直線的で力強い咆哮、ヴィオラチェロの全体を包み込むような響きも楽しめる。

聴き慣れてくると癖になるサウンドだし、何よりバンドユニット以上に「プロミュージシャンが集まって奏でている」迫力がひしひし伝わってくるのも良い。

なので、今は色々厳しい話も多いと思うけど、細々でもいいから無くなってほしくないサウンドだ。

あと、個人的に当時の昭和の歌番のサウンドが途方もなかったと思うのは、予算や人の都合からか、レコード(CDすらない時代)の原曲と同じかそれに近い楽器編成を実現できない場合でも、番組ではレコードと同じに聞こえた点。

少なくとも素人視聴者には違和感ない程度に一緒に聞こえるというのは、個々のミュージシャンちゃん歌手個性とか歌の性質理解し、音に仕上げていたことを意味するわけで、これこそプロの技だよなあと感心してしまう。

自分の音だけでなく、他人のための音を作るって、まさに仕事しているというか。

2018-08-03

SNKヒロインズってゲーム

頬を染めた巨乳露出度の高いエロ女なテリーボガードが流れてきて意味がわからなくて見に行ったら

不知火舞カウベル首輪ビキニなのはまだ解らなくもないけど

頬を染めて切り込みの際どい水着?的なバンパイヤイメージの完全に痴女みたいな露出をしてるナコルルとか

猫耳露出ビキニレオナとか

へ??って感じのキャラ続出で

基本的殆どキャラが頬を染めて羞恥表情なのもキモい

今はSNKってこんなエロ狙いしてるのかと驚愕した

これ青春時代SNKやってたおっさん向けエロゲーなんだろうけど、巨乳テリーボガードでおっさんはぬけるんだろうか

つーかナコルルエロくして嬉しいのか

2018-07-17

anond:20180717135247

適当カウベルと鈴と鉄琴で奏でればそれっぽくなるぞ

2018-06-11

anond:20180611123013

中には「過剰装備すぎる」って人が居るかも知れんが、山に対して無知なのは増田だけじゃないから、何か死にそうになってる他の無知登山者が居たら、その装備で助けてあげて欲しい

カウベルはもしかしたら入手しにくいかも知れないけど、獣が避けてくれる上に、電池不要で助けを呼べる優れた道具だから是非とも入手して欲しい

anond:20180611121438

・防寒装備(夏なら春秋を凌げるレベル春秋なら冬を凌げるレベル、冬ならシベリアを凌げそうなレベル)

ハンドタオル

トレッキングシューズ

リュックサック

・水分

・食料(1日に必要な3倍量)

携帯電話

携帯電話の充電器

懐中電灯

カウベル

・応急処置キット

2016-06-08

おじさんとのカルチャーショック

今日、親戚のおじさんが我が家に来た。

去年祖母が亡くなったこと、おじさん自身も60台ということもあり、葬儀の話になった。

酒が入った時に聞いた話で酒が入ったまま書いてるので話半分に聞いてくれ。

葬儀前か儀式前かはっきりしないのは、自分うろ覚えから

先に言っておくが、古来の宗教あんまり偏見はない。

祖母の時は浄土真宗で料金的にはうん十万ぐらい、という話で違和感はなかったらしい。

で、おじさんの嫁さんの母親が亡くなったとき葬儀に300万かかったそうな。

曹洞宗なので派手でそれぐらいかかるとのことで、故人が死ぬ前に足りないか気にしながら貯めて、貯め終わってから亡くなったとのこと。(一般的曹洞宗は知らない)

葬儀の開始は朝9時で時間変更には全く応じてくれず、家から移動するのは無理でホテルに泊まらざるをえなかったことが不満だったとのこと。

さらに、葬儀(あるいは百日後だかうん年後だかの儀式)をやる前に坊さんに50万現金で払えと言われて、土曜なので口座が開いてる月曜まで待ってくれと言ったら、知らん今すぐ払えと言われたらしい。

で、さら100日後高の儀式に参加した100人ぐらいで一人当たり5000円ぐらいの食事会をホテルでやったとのこと。

儀式時に費用を持ってくる人は少数で、阿保みたいに金がかかったと言っていた。

おじさんは、我が家と同じ浄土真宗なので、嫁さんの宗派の料金に凄い違和感があったとのこと。

おじさんの嫁さんの親父さんが存命なので、同じようにやるの? という話があったらしいが、おじさんの嫁の親父さんもその宗教事務方の偉い人だったらしいので、自分の時だけやらないとはプライドで言えないらしい。

宗教とかホテルとか田舎のズブズブっぷりが垣間見えた気がした。

更に今日初めて知ったのだが、10うん年ぐらい国鉄にも勤めてたとのこと。

夜2時まで働いて近くのうどん屋で素うどん食って寮まで自腹のタクシーで帰ってたとのこと。

風呂は22時に火を落とすので、SLとかの炭で真っ黒になった温く陰毛とか浮いた浅い風呂に水を足して入ってたらしい。

人事部にいたのだが、1人当たりの担当が300~500人で、労基署なんてもちろん無く、残量は年200時間を超えて、部の予算をこえた残業代は出なかったとのこと。

日曜も出勤だったので、40㎞離れた家に住んでた両親が洗濯のためにわざわざ出入りしていたらしい。

さすがにもう無理と1年で辞めたらしいが。

28の時、100万ぐらい出して海外研修に1週間ぐらい行かせてもらったらしい。

冷戦時なので、法橋上空を通りオランダ空港を経由して、スイス近くのドイツについたとのこと。

帰国後、海外鉄道運営システムについてのレポートを書いたらしいが、実際にはドイツ野球やったり祭りの日に浴衣着てわっしょいわっしょいしてたとのこと。

草を食む牛のカウベル以外音もない草原で、ベンチに座る仲睦まじい老夫婦を見てこんな世界があるのかと感動したとのこと。

そこでドイツJK発見して、腕毛も金髪なんだとか瞳がエメラルドなんだとか、ろくに見たことな外国人に感銘したとのこと。

そういうつもりはないが、穴が開いた5円玉とかで話をふくらませたとのこと。

そういうつもりはないというのはブラフだと思ってる。自分ならそういうつもりになる。(できるかどうかは別)

当時のおじさんより年上になった自分過去最高残業時間100時間足らず。

数年一緒にやってた上司に愛想が尽きて、NOといえるスキルを身に着けつつある自分

IT業界のx次受けで働きつつ、年収少なくね? と思って副業を始めようとしている自分と比べるとなんと違うことか。

どこの世界日本の話なんだろうな。

あと、電話料金が安くなるから住所と電話番号ウェブサイト入力してください、って電話が4件ぐらいかかってきたらしい。

おじさんは今法律関係仕事をやってることもあって、怪しいと思いこの電番調べてくださいって、わざわざNTTに言いに行ったらしい。

その話の住所のところで"詐欺ですよそりゃあ"と言ったら、親父が"えっ"って驚いていた。

高卒だけど数万単位抱える優良企業にクソ真面目に勤めて、おそらく自分の1.5~2倍は給料もらってるアラシックスの親父。

その親父の持ち家に同居してるけど、末の弟が家出同然出て出ていってへこむまでクソ頑固親父だった親父。

ニュースに出るような詐欺に引っかかる人種とは気づかないものだと思った。

2014-09-30

秋のりんごの話

良く晴れた、ある秋の日。

からころとカウベルのような音を立てて、喫茶店に一人の女性が入ってきた。

正確に言えば、扉に付いているのは高地で放牧されていた牛がつけていたもの喫茶店マスターが旅先でもらってきたものであるので、事実カウベルの音なのだが。

ふと、目をやると、カウンターの上に2つのりんごが置いてある。

りんごだ」

秋恵はそうつぶやいてから、ひどく恥ずかしくなった。りんごを見て、りんごだ、とつぶやくのはなんというか、あまりにもそのままだったからだ。

他に誰も聞いている人が居ないかを確認してから、秋恵は買い出して来た材料を片付ける為に、店の奥に向かった。さほど大きくはない喫茶店なのだが、カウンターの他に何故か調理室がある。

「……よし」

今日は、キッシュを作ろうと心に決めていた。しかし、調理室に入っていざ準備をしてみると、なぜか少し不安がある。秋恵の中では、料理は特技の中には入っていない。どちらかと言うと、手芸であるとか、もっと具体的に言えば手袋を編むのは中々のものだと思っている。

しかし、まだ季節は秋である手袋プレゼントにするには少し早い。

今日マスター誕生日なのだ

サプライズパーティーをする予定で、他のメンバーマスターを外に連れ出している。まずお茶時間ケーキちょっとしたものサプライズをして、夜はしっかりごちそうを作る予定だ。

まだキッチンは秋恵だけである。というよりも、料理に自信がなかったので、少し早めに来て先に進めようと考えていたのだ。

秋恵の不安は大きくなる。挽き肉とほうれん草カレーマスターに美味しいと褒められたので、パーティーらしくキッシュにしようと挽き肉とほうれん草を買ってきたのだが、良く考えたらカレーから美味しかったのであって、キッシュにしたらぱさぱさにならないか?チーズかいるのだろうか?

冷凍パイ生地を使って作ったことがあるのはアップルパイだけだ。アレは自分で食べたのだが中々美味しかった。先ほど見たりんごが脳裏をかすめる。

マスター趣味で、五香粉だのクミンシードだの、調理室には様々な香辛料が溜め込まれている。当然シナモンもある。

「……よし」

もし、誰かが使うつもりのものだったら謝ってあとでスーパーに買いに行けば良い。ちょうど2個あるし、使ってしまおう。

そう思って喫茶店内にとって返したところで、からころと音がなった。

秋恵がりんごに手を伸ばしたタイミングで、ちょうど目があった。

「あー!お姉ちゃんそれあたしのプレゼント!」

春香が大声を上げる。

「え?いや、ちょっと使わせてもらうかなーと思ったんだけど」

さすがの秋恵も、自分が買ってきたわけでない食材勝手に使おうとしていたのでしどろもどろに返答していたのだが、途中でハタと気がついた。

「……りんご?あんた、りんごプレゼントなの?」

「なによ!ちゃんとマスターにも聞いたんだからね、今欲しい物が何かって!」

それを直接聞くなよ、サプライズだぞ妹よ、と秋恵は思ったのだが口には出さない。どうせ面倒な事になるのが目に見えているからだ。この妹は基本的に善良で模範的市民なのだが、内弁慶である。そして、すぐに懐いて身内扱いするので、知り合いに対して弁慶である。もう、ほぼ弁慶だ。

「ひどい!4つも食べたの?信じらんない!だから彼氏にも逃げられるのよ!」

彼氏関係ないだろ。それにあたしまだ」

「ひどいひどい!マスターリンゴが6個食べたいって言ってたから、ちゃんと昨日のうちにスーパーで買って来て、これから磨こうと思ってたのに!」

りんご6個?」

ものすごく嫌な予感がする。秋恵は妹をこれ以上刺激しないようにしたいと心の底から思ったのだが、好奇心が勝った。

「それって、もしかしてApple6って言ってなかった?」

「そうよ!だからリンゴ6個買ってきて」

まだ妹が何かを喚いているが、秋恵は聞いていない。そう、妹はこういう奴なのだ春香ちゃんって天然だねと常連客に言われて、農薬なんか使ってませんと突然怒るような娘なのだ

秋恵がほんのりと妹の天然さ加減に心温めていると、ついに弁慶物理的に攻撃を仕掛けてきた。慌てて説明を再開する。

「いや、待てって。あたしはまだ使ってないって。これからちょっと借りてパイをつくろうと思ってただけで」

「借りるって使っちゃったら返せないじゃない!」

春香正論を語るが、論点はそこにはない。

「だから、まだ使ってないって。あんたのりんごには手を出してないから

「今触ってたじゃない!」

「いやだから

結局、春香が納得して残ったりんごを磨き始めるのに、45分かかった。大幅なタイムロスである

「もう!誰が4つ食べちゃったのよ」

「そりゃわかんないけど、意外とマスターあたりじゃないの?」

秋恵もなんとなくりんご磨きに付き合わされている。こんなことをしている場合ではないのだが、もはやキッシュを作るのと春香を同時に相手にするのは無理だと心の何処かで諦めている。

からころからころと、扉が大きめの音をたてる。

りんごを磨きながら扉を見やると、無理やり渋い顔を作っているマスターと、夏代が入ってくるのが見える。

「わたし食べた」

先ほどまでの騒動を三割増しで春香マスターに報告していると、夏代が唐突告白した。

春香が目を大きく見開いたのをみて、慌ててマスターが補足を入れる。

「僕が先に食べようって言ったんだよ。ね、夏代ちゃん?」

「先に見つけたのはわたし」

「どういうことよ!ナッちゃんマスターといつのまにそんな関係になったのよ!」

秋恵が黙ってりんごを磨きながら噛み合わない会話を聞いていると、なんとなく全貌が掴めてきた。

まり、こういうことだ。

昨晩、春香りんごを6個買ってきて、カウンターの上において帰った。どうやらビニール袋に入れたままだったようだ。プレゼントの扱いが雑だぞ妹よ、と秋恵は思ったが当然口には出さない。

閉店清掃をしていた夏代がカウンタービニール袋に目を留め、閉店前精算をしていたマスターが、りんごを剥いて夏代と一緒に食べたということのようだ。

「おいしかった」

「当然よ!あたしのプレゼントなんだから!」

もうぐだぐだであるマスターも一応気がつかないふりで渋い顔をしていたはずだが、すっかり嬉しそうな様子を隠そうともしない。

「まあまあ、結局は僕へのプレゼントを僕が食べたんだし、良いじゃない」

「もう!マスターがそう言うなら、しかたないけど!」

春香は、マスターに頭をなでてもらってすっかりご満悦である。秋恵は、磨いているりんごを夏代がじっと見つめてくるのが少し気になるが、取り敢えずは無視して気になっていることを聞くことにする。

「ナッちゃんさ、ふゆねぇは?」

ケーキを取りに行った」

もうサプライズでもなんでも無いなと秋恵は思ったが、主に春香のせいなので気にしないことにする。

「や、なんか変だなーとは思ったんだよね。冬美さんがお散歩しませんか、とか言うから。まあ今日は暇だし、ちょっと休憩がてらと思って、冬美さんと夏代ちゃんと一緒にお散歩に出たら」

冬美は散歩の途中で唐突に、厠に、と言ったらしい。マスターはそこがツボだったらしく、いやあ女性が言うと雅だねとか何とか言っているが、それにしてももう少しマシな言い訳は作れなかったのかと秋恵は思う。

「待ってるつもりだったんだけど、冬美さんも時間が掛かるから先に帰っててって言ってたし、先に帰ってきたんだよね」

お茶する予定だったから」

そのお茶サプライズパーティーという打ち合わせを昨晩きちんとしたはずだし、トイレ時間がかかると女性が言うのはどうだろうと秋恵は思ったが、もはや何を言っても無駄な気がしてきている。

からんころんという音とともに、冬美が大きな箱を持って店内に入ってきた。

「あら、みんなでお茶の準備かしら?」

本人は自然なつもりなのだろうが、どうみてもケーキが入っている箱を持っているし、不自然まりない入り方に秋恵は少し目眩がする。

「そうだね、じゃあお茶にしようか。コーヒーで良いかな?」

「わたしミルクティー」

「あたしははブラックミルクティーなんて子供ね!」

「じゃあ、わたしはマスター特製のブレンドにしようかしら」

「……あたしもブレンドで」

それでもお湯を沸かしカップを揃え、豆を挽いてミルクを温めてと、マスターを中心に淀みなく準備が進むのは、流石に喫茶店での作業に手慣れた姉妹ならではのものだ。

4人がカウンターに並んで座り、マスターカウンターの作業側に立っている。いつもの光景だ。

普段と違うのは、明らかにケーキが入っている箱が不自然中央に置かれていることだ。

「実はこのケーキは、……バースデーケーキなんですよ!」

冬美がたっぷりと溜めてから箱を開き、驚いたでしょう?という顔でマスターを見上げ、マスターはとても嬉しそうだ。まあ、嬉しそうだからもう何も言うまいと秋恵は諦めてりんごを磨いている。

「あたしも!りんご!ほら、お姉ちゃんも渡して!それあたしのプレゼント!」

春香に続き、秋恵も大人しくマスターりんごを渡す。ほんの少しだけ渡すのが寂しいと秋恵が思ったのは、丁寧に磨いたからだろうか。

「いや、嬉しいな。ありがとう。僕、結構りんご好きなんだよね」

秋恵がApple6がりんご2個になったと知ったらマスターがどんな顔をするだろうかとぼんやり想像していたが、隣からそわそわとした雰囲気が伝わってきたので、怪訝に思って見てみると、冬美が明らかに何かを企んでいる顔をしている。

これは何かまだプレゼントがあるな、サプライズ意味が解っている流石は最年長者だと素直に秋恵は感心した。

「実はですね~、もう一つ」

「え?りんごがまだあるのかな?良かった、生のりんごは好物でね」

「ナマの?」

秋恵は反射的に聞いてしまってから、後悔した。隣の冬美が笑顔のまま突然硬直したからだ。嫌な予感がする。

「そう、僕は焼きリンゴとかはギリギリ大丈夫なんだけど、アップルパイみたいに煮てあるやつがダメでね。くにゅっとした食感がどうにも苦手で」

マスター基本的には喫茶店マスターらしく空気を読むし、苦手な食べ物でも相手から出されたものは断らない。ましてや冬美がプレゼントするもの拒否することはありえない。例え砂まみれでも笑顔で食べるだろう。

「も、もう一つは……あ、あたしからの歌です!」

パイは出さないの?」

冬美の無理矢理のリカバリーを夏代が台無しにするが、まだマスター笑顔のままだ。

「な、ナッちゃんもほら、一緒に!ハッピバースデートゥーユー!」

ハッピバースデーディアと一緒に歌いながら、秋恵は思い出す。そういえば調理室でキッシュを作ろうとして不安になったのは、甘い匂いが残っていたからではなかったかシナモンが目立つ位置に出ていたのは何故だったかりんごは元々6個あり、マスターと夏代が食べて、今マスターが2個持っているということは、残りの2個はどこに行ったのか。そして、キッシュを作っていないことに気が付き溜息をつきそうになるが、嬉しそうに蝋燭の炎を消すマスターをみて、まあ、幸せそうならば良いかと秋恵は思い直す。

喫茶店の外は、秋らしく良く晴れている。

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【第0回】短編小説の集い

http://novelcluster.hatenablog.jp/entry/2014/09/18/121657

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